JP2005045880A - 負荷駆動装置および負荷駆動装置における電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置30は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれであるかを判定する。そして、制御装置30は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、20msecの時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値を演算して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、50msecの時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値を演算して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、100msecの時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値を演算して昇圧コンバータ11を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、負荷駆動装置および負荷駆動装置における電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が大きな注目を集めている。そして、ハイブリッド自動車は、一部、実用化されている。
【0003】
このハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
【0004】
このようなハイブリッド自動車および電気自動車においては、電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧を交流電圧に変換してモータを駆動することも検討されている。
【0005】
そして、特開平10−127083号公報には、安定したモータ速度制御を行なう観点からコンバータ回路の起動時または停止時にコンバータ回路から出力される直流電圧の変動を抑制したモータ駆動装置が開示されている。
【0006】
すなわち、モータ駆動装置に含まれる直流電流制御手段は、コンバータ回路の起動時、コンバータ回路から出力される直流電圧を徐々に増加させて所定値になるようにコンバータ回路に含まれるチョッパ回路をスイッチング制御し、コンバータ回路の停止時、コンバータ回路から出力される直流電圧を徐々に減少させて所定値になるようにチョッパ回路を制御する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−127083号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平5−199757号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平10−341577号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平10−127083号公報に開示されたコンバータ回路の制御方法では、モータの制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるときにインバータへの入力電圧が急激に変化した場合、モータの制御が破綻するという問題がある。
【0011】
すなわち、過変調制御モードまたは矩形波制御モードは、制御タイミングの間隔がPWM制御モードに比べ長いため、インバータへの入力電圧が急激に変化した場合、インバータにおけるスイッチング動作が入力電圧の急激な変化に追従できず、モータの制御が破綻する。
【0012】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、負荷の制御破綻を防止可能な負荷駆動装置を提供することである。
【0013】
また、この発明の別の目的は、負荷の制御破綻を防止可能な負荷駆動装置における電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
この発明によれば、負荷駆動装置は、駆動装置と、電圧変換器と、制御装置とを備える。駆動装置は、負荷を駆動する。電圧変換器は、電源と駆動装置との間で電圧変換を行なう。制御装置は、負荷の制御モードに応じて、制御タイミング間における電圧指令値の変化率を変えて電圧変換器を制御する。
【0015】
この発明による負荷駆動装置においては、制御装置は、負荷の制御モードが変わると、その変わった制御モードに適合するように制御タイミング間における電圧指令値の変化率を変えて電圧変換器を制御する。
【0016】
したがって、この発明によれば、負荷を各種の制御モードで制御しても、制御が破綻するのを防止できる。
【0017】
好ましくは、制御装置は、負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値以下に設定して電圧変換器を制御する。
また、制御装置は、負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値よりも小さい第2の値以下に設定して電圧変換器を制御する。さらに、制御装置は、負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第2の値よりも小さい第3の値以下に設定して電圧変換器を制御する。
【0018】
制御装置は、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードの順に電圧指令値の変化率を小さくして電圧変換器を制御する。
【0019】
したがって、この発明によれば、負荷の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれの制御モードであっても、負荷の制御が破綻するのを防止できる。
【0020】
好ましくは、制御装置は、各制御タイミングにおける電圧変換器の電圧指令値を1次遅れにより演算するときの時定数を変化させることにより電圧指令値の変化率を変える。
【0021】
したがって、この発明によれば、負荷の制御モードに応じて電圧指令値の変化率を容易に変えることができる。
【0022】
好ましくは、制御装置は、負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、第1の時定数を用いた1次遅れにより電圧指令値を演算し、負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、第1の時定数よりも大きい第2の時定数を用いた1次遅れにより電圧指令値を演算し、負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、第2の時定数よりも大きい第3の時定数を用いた1次遅れにより電圧指令値を演算して電圧指令値の変化率を変える。
【0023】
PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードの順に時定数を大きくして、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードの順に小さくなる変化率を有する電圧指令値が演算される。
【0024】
したがって、この発明によれば、負荷の制御破綻を容易に防止できる。
好ましくは、制御装置は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量により電圧指令値の変化率を変える。
【0025】
次の制御タイミングまでの電圧指令値の変化量が各制御タイミングにおいて設定される、そして、その設定された変化量によって電圧指令値の変化率が変化する。
【0026】
したがって、この発明によれば、負荷の制御モードに応じて電圧指令値の変化率を容易に変えることができる。
【0027】
好ましくは、制御装置は、負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量以下にして電圧変換器を制御する。
また、制御装置は、負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量よりも小さい第2の変化量以下にして電圧変換器を制御する。さらに、制御装置は、負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、第2の変化量よりも小さい第3の変化量以下にして電圧変換器を制御する。
【0028】
制御装置は、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードの順に電圧指令値の変化率を小さくして電圧変換器を制御する。
【0029】
したがって、この発明によれば、負荷の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれの制御モードであっても、負荷の制御が破綻するのを防止できる。
【0030】
また、この発明によれば、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、負荷駆動装置における電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。そして、負荷駆動装置は、負荷を駆動する駆動装置と、電源と駆動装置との間で電圧変換を行なう電圧変換器とを備える。プログラムは、負荷の制御モードを判定する第1のステップと、判定された制御モードに応じて、制御タイミング間における電圧指令値の変化率を変えて電圧変換器を制御する第2のステップとをコンピュータに実行させる。
【0031】
好ましくは、第2のステップは、負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値以下に設定して電圧変換器を制御する第1のサブステップと、負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値よりも小さい第2の値以下に設定して電圧変換器を制御する第2のサブステップと、負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、電圧指令値の変化率の絶対値を第2の値よりも小さい第3の値以下に設定して電圧変換器を制御する第3のサブステップとを含む。
【0032】
好ましくは、第1のサブステップは、第1の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧変換器の電圧指令値を演算するステップAと、ステップAにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップBとを含む。第2のサブステップは、第1の時定数よりも大きい第2の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧変換器の電圧指令値を演算するステップCと、ステップCにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップDとを含む。第3のサブステップは、第2の時定数よりも大きい第3の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧変換器の電圧指令値を演算するステップEと、ステップEにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップFとを含む。
【0033】
好ましくは、第1のサブステップは、隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップAと、ステップAにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップBとを含む。第2のサブステップは、隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量よりも小さい第2の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップCと、ステップCにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップDとを含む。第3のサブステップは、隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量の絶対値を第2の変化量よりも小さい第3の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップEと、ステップEにおいて演算された電圧指令値により電圧変換器を制御するステップFとを含む。
【0034】
この発明によるプログラムは、負荷の制御モードが変わると、その変わった制御モードに適合するように電圧指令値の変化率を変化させて電圧変換器を制御することをコンピュータに実行させる。
【0035】
そして、プログラムは、1次遅れによる演算の時定数、または隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量を変えることにより電圧指令値の変化率を変えることをコンピュータに実行させる。
【0036】
また、プログラムは、負荷の制御モードを判定すると、その判定した制御モードに適合する変化率を用いて各制御タイミングにおける電圧指令値をコンピュータに演算させ、その演算させた電圧指令値に基づいて電圧変換器の制御をコンピュータに実行させる。
【0037】
したがって、この発明によれば、負荷の各制御モードにおいて、負荷の制御が破綻するのを防止できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0039】
図1は、この発明の実施の形態による負荷駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態による負荷駆動装置100は、直流電源Bと、システムリレーSR1,SR2と、電圧センサー10,16と、昇圧コンバータ11と、コンデンサ12と、インバータ20と、電流センサー24と、制御装置30とを備える。
【0040】
昇圧コンバータ11は、リアクトルL1と、NPNトランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。リアクトルL1は、その一方端が直流電源Bの電源ラインに接続され、他方端がNPNトランジスタQ1とNPNトランジスタQ2との中間点、すなわち、NPNトランジスタQ1のエミッタとNPNトランジスタQ2のコレクタとの間に接続される。
【0041】
NPNトランジスタQ1,Q2は、インバータ20の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。NPNトランジスタQ1は、コレクタが電源ラインに接続され、エミッタがNPNトランジスタQ2のコレクタに接続される。NPNトランジスタQ2は、エミッタがアースラインに接続される。
【0042】
また、各NPNトランジスタQ1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続されている。
【0043】
インバータ20は、U相アーム21と、V相アーム22と、W相アーム23とから成る。U相アーム21、V相アーム22、およびW相アーム23は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
【0044】
U相アーム21は、直列に接続されたNPNトランジスタQ3,Q4から成り、V相アーム22は、直列に接続されたNPNトランジスタQ5,Q6から成り、W相アーム23は、直列に接続されたNPNトランジスタQ7,Q8から成る。また、各NPNトランジスタQ3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続されている。
【0045】
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通接続されて構成され、U相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ7,Q8の中間点にそれぞれ接続されている。
【0046】
直流電源Bは、ニッケル水素あるいはリチウムイオン等の二次電池から成る。そして、直流電源Bは、システムリレーSR1,SR2を介して直流電圧を昇圧コンバータ11へ供給する。
【0047】
システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによってオン/オフされる。より具体的には、システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からのH(論理ハイ)レベルの信号SEによりオンされ、制御装置30からのL(論理ロー)レベルの信号SEによりオフされる。
【0048】
電圧センサー10は、直流電源Bから出力される直流電圧Vbを検出し、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
【0049】
昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kに基づいて、直流電源Bから出力される直流電圧を昇圧してコンデンサ12に供給する。また、昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kに基づいて、インバータ20から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bへ供給する。
【0050】
コンデンサ12は、昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を平滑化してインバータ20に供給する。
【0051】
電圧センサー16は、コンデンサ12の両端の電圧Vmを検出し、その検出した電圧Vmを制御装置30へ出力する。
【0052】
インバータ20は、制御装置30からの信号PWMIに基づいて、コンデンサ12を介して昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。また、インバータ20は、制御装置30からの信号PWMCに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ12を介して昇圧コンバータ11へ供給する。
【0053】
電流センサー24は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置30へ出力する。
【0054】
制御装置30は、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー16からの電圧Vm、負荷駆動装置100の外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からのモータ回転数MRNおよびトルク指令値TRに基づいて、後述する方法によって信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kまたは信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを生成し、その生成した信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kまたは信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを昇圧コンバータ11へ出力する。
【0055】
また、制御装置30は、電圧センサー16からの電圧Vm、電流センサー24からのモータ電流MCRTおよび外部ECUからのトルク指令値TRに基づいて、後述する方法により信号PWMIまたは信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMIまたは信号PWMCをインバータ20へ出力する。
【0056】
図2は、図1に示す制御装置30の機能のうち、昇圧コンバータ11およびインバータ20の制御に関わる機能を示す機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、インバータ制御手段301と、コンバータ制御手段302とを含む。インバータ制御手段301は、トルク指令値TR、モータ電流MCRTおよび電圧Vm(インバータ20への「インバータ入力電圧」に相当する。以下同じ。)に基づいて、後述する方法によって信号PWMIまたは信号PWMCを生成してインバータ20のNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0057】
コンバータ制御手段302は、後述する方法によって交流モータM1の制御モードを判定する。そして、コンバータ制御手段302は、トルク指令値TR、モータ回転数MRN,直流電圧Vbおよび電圧Vmに基づいて、後述する方法によって交流モータM1の制御モードに応じた信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kまたは信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを生成して昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0058】
図3は、図2に示すインバータ制御手段301の機能ブロック図である。図3を参照して、インバータ制御手段301は、モータ制御用相電圧演算部31と、インバータ用PWM信号変換部32とを含む。
【0059】
モータ制御用相電圧演算部31は、インバータ20へのインバータ入力電圧Vmを電圧センサー16から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサー24から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部31は、これらの入力される信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧を計算し、その計算した結果をインバータ用PWM信号変換部32へ出力する。
【0060】
インバータ用PWM信号変換部32は、モータ制御用相電圧演算部31から受けた計算結果に基づいて、実際にインバータ20の各NPNトランジスタQ3〜Q8をオン/オフする信号PWMIまたは信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMIまたは信号PWMCを各NPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0061】
これにより、各NPNトランジスタQ3〜Q8は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ駆動電流が制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
【0062】
交流モータM1の動作モードが力行モードであるか回生モードであるかは、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係によって決定される。直交座標において、横軸をモータ回転数MRNとし、縦軸をトルク指令値TRとした場合、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係が第1および第2象限に存在するとき、交流モータM1の動作モードは力行モードであり、トルク指令値TRとモータ回転数MRNとの関係が第3および第4象限に存在するとき、交流モータM1の動作モードは回生モードである。
【0063】
したがって、インバータ制御手段301は、正のトルク指令値TRを受ければ、交流モータM1を駆動モータとして駆動するための信号PWMIを生成してNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力し、負のトルク指令値TRを受ければ、交流モータM1を回生モードで駆動するための信号PWMCを生成してNPNトランジスタQ3〜Q8へ出力する。
【0064】
図4は、図2に示すコンバータ制御手段302の機能ブロック図である。図4を参照して、コンバータ制御手段302は、電圧指令演算部33と、コンバータ用デューティー比演算部34と、コンバータ用PWM信号変換部35とを含む。
【0065】
電圧指令演算部33は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいてインバータ入力電圧の最適値(目標値)、すなわち、昇圧コンバータ11の電圧指令値Vdc_com_fを演算する。そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_fを式(1)に代入してインバータ20の出力電圧Vacを演算する。
【0066】
Vac=Vdc_com_f×k・・・(1)
ただし、k:交流モータM1の制御モードに応じて決定される定数
そうすると、電圧指令演算部33は、演算した出力電圧Vacとモータ回転数MRNとに基づいて、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれであるかを判定する。
【0067】
図5は、インバータの出力電圧とモータの回転数との関係を示す図である。図5を参照して、インバータ20の出力電圧Vacとモータの回転数MRNとの関係は、曲線k1によって示される。出力電圧Vacは、モータの回転数MRNが0〜MRN2の範囲においては回転数MRNに比例して増加し、モータの回転数MRNが回転数MRN2以上では一定である。
【0068】
曲線k1は、モータの回転数MRNが0〜MRN1の範囲である領域RGE1と、モータの回転数MRNがMRN1〜MRN2の範囲である領域RGE2と、モータの回転数MRNがMRN2以上である領域RGE3とに分けられる。
【0069】
そして、出力電圧Vacとモータの回転数MRNとの関係が領域RGE1に存在するとき、交流モータM1の制御モードは、PWM制御モードであり、出力電圧Vacとモータの回転数MRNとの関係が領域RGE2に存在するとき、交流モータM1の制御モードは、過変調制御モードであり、出力電圧Vacとモータの回転数MRNとの関係が領域RGE3に存在するとき、交流モータM1の制御モードは、矩形波制御モードである。
【0070】
電圧指令演算部33は、たとえば、定数kを0.61,0.75,0.78と変化させて式(1)により出力電圧Vac(Vac(0.61),Vac(0.75),Vac(0.78))を演算する。k=0.61は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるときの定数であり、k=0.75は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるときの定数であり、k=0.78は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるときの定数である。そして、電圧指令演算部33は、演算した3個の出力電圧Vacのうち、どの出力電圧Vacとモータ回転数MRNとの関係が曲線k1上に存在するかを判定する。
【0071】
出力電圧Vac(0.61)とモータ回転数MRNとの関係が曲線k1上に存在するとき、すなわち、出力電圧Vac(0.61)とモータ回転数MRNとの関係が領域RGE1に存在するとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであると判定する。また、出力電圧Vac(0.75)とモータ回転数MRNとの関係が曲線k1上に存在するとき、すなわち、出力電圧Vac(0.75)とモータ回転数MRNとの関係が領域RGE2に存在するとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定する。さらに、出力電圧Vac(0.78)とモータ回転数MRNとの関係が曲線k1上に存在するとき、すなわち、出力電圧Vac(0.78)とモータ回転数MRNとの関係が領域RGE3に存在するとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであると判定する。
【0072】
なお、電圧指令演算部33は、曲線k1をマップとして保持しており、マップを参照して出力電圧Vacおよびモータ回転数MRNに基づいて交流モータM1の制御モードを判定する。
【0073】
電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードを判定すると、その判定した制御モードに応じて、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを式(2)により演算する。
【0074】
Vdc_com=Vdc_com_f×(1−exp(−t/τ))
ただし、τ:時定数 ・・・(2)
なお、式(2)は、インバータ20への入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fが上昇した場合の各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算する式である。
【0075】
このように、電圧指令演算部33は、1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算する。そして、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであると判定したとき、時定数τを20msecに設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定したとき、時定数τを50msecに設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであると判定したとき、時定数τを100msecに設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0076】
すなわち、電圧指令演算部33は、式(3)〜(5)によってそれぞれ電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0077】
Vdc_com_P=Vdc_com_f×(1−exp(−t/20))・・・(3)
Vdc_com_M=Vdc_com_f×(1−exp(−t/50))・・・(4)
Vdc_com_K=Vdc_com_f×(1−exp(−t/100))・・・(5)
図6は、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comのタイミングチャートである。図6を参照して、曲線k2は、式(3)によって演算された電圧指令値Vdc_com_Pを示し、曲線k3は、式(4)によって演算された電圧指令値Vdc_com_Mを示し、曲線k4は、式(5)によって演算された電圧指令値Vdc_com_Kを示す。
【0078】
したがって、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードである場合に比べ、電圧Vmが目標電圧Vdc_com_fに早く到達するように各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算する。また、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードである場合に比べ、電圧Vmが目標電圧Vdc_com_fに遅く到達するように各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算する。さらに、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードである場合に比べ、電圧Vmが目標電圧Vdc_com_fに遅く到達するように各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0079】
すなわち、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、PWM制御モードに比べ、電圧Vmが目標電圧Vdc_com_fに遅く到達するよに各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。つまり、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、PWM制御モードに比べ、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comの上昇率を制限するように電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0080】
交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、制御タイミングt0において目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fへ上昇すると、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pは、曲線k2に従って増加し、電圧指令演算部33は、各制御タイミングt1,t2,t3,・・・,tnで電圧指令値Vdc_com_P(t1),・・・,Vdc_com_P(tn)を演算する。
【0081】
また、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、制御タイミングt0において目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fへ上昇すると、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mは、曲線k3に従って増加し、電圧指令演算部33は、各制御タイミングt1,t2,t3,・・・,tnで電圧指令値Vdc_com_M(t1),・・・,Vdc_com_M(tn)を演算する。この場合、電圧指令値Vdc_com_M(t1),・・・,Vdc_com_M(tn)は、それぞれ、電圧指令値Vdc_com_P(t1),・・・,Vdc_com_P(tn)よりも小さい。
【0082】
さらに、交流モータM1の制御モードが矩形波調制御モードであるとき、制御タイミングt0において目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fへ上昇すると、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kは、曲線k4に従って増加し、電圧指令演算部33は、各制御タイミングt1,t2,t3,・・・,tnで電圧指令値Vdc_com_K(t1),・・・,Vdc_com_K(tn)を演算する。この場合、電圧指令値Vdc_com_K(t1),・・・,Vdc_com_K(tn)は、それぞれ、電圧指令値Vdc_com_M(t1),・・・,Vdc_com_M(tn)よりも小さい。
【0083】
電圧指令演算部33は、入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fを低下させる場合、式(6)により各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算する。
【0084】
Vdc_com=Vdc_com_f×exp(−t/τ)・・・(6)
つまり、電圧指令演算部33は、入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fを低下させる場合も、1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算する。
【0085】
そして、電圧指令演算部33は、目標電圧Vdc_com_fを上昇させる場合と同じ時定数τを用いて、交流モータM1の各制御モードにおける電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0086】
すなわち、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードであるとき、それぞれ、式(7)、(8)、(9)によって電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0087】
Vdc_com_P=Vdc_com_f×exp(−t/20)・・・(7)
Vdc_com_M=Vdc_com_f×exp(−t/50)・・・(8)
Vdc_com_K=Vdc_com_f×exp(−t/100)・・・(9)
このように、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、時定数τ=20msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、時定数τ=20msecよりも大きい時定数τ=50msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、時定数τ=50msecよりも大きい時定数τ=100msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0088】
つまり、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、1次遅れにおける時定数τを大きくすることによって電圧指令値Vdc_comの変化率(上昇率または減少率を意味する。以下、同じ。)を制限する。
【0089】
そして、時定数τを変化させた1次遅れにより電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算することは、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kの変化率を、制御タイミング間t0−t1における電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kの変化率ΔVdc_com_Pr(1),ΔVdc_com_Mr(1),ΔVdc_com_Kr(1)以下に設定してそれぞれ電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算することに相当する。
【0090】
上記においては、電圧指令演算部33は、時定数τを変化させた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算すると説明したが、この発明においては、これに限らず、電圧指令演算部33は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_comの変化量(上昇量または減少量を意味する。以下、同じ。)を交流モータM1の制御モードに応じて変えることにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを演算してもよい。
【0091】
図7は、各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comの他のタイミングチャートである。なお、図7は、インバータ20への入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fが上昇した場合の各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_comを示す。
【0092】
図7を参照して、曲線k5は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるときの各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを示し、曲線k6は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるときの各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを示し、曲線k7は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるときの各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを示す。
【0093】
電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、曲線k5に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、曲線k6に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、曲線k7に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0094】
曲線k5に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Pを演算する場合、電圧指令値Vdc_com_Pの上昇量ΔVdc_com_Pu(隣接する制御タイミング間における上昇量を意味する。以下、同じ。)は、制御タイミングt0と制御タイミングt1との間が最も大きく、隣接する制御タイミング間t1−t2,t2−t3,・・・の順に小さくなる。
【0095】
また、曲線k6に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Mを演算する場合、電圧指令値Vdc_com_Mの上昇量ΔVdc_com_Mu(隣接する制御タイミング間における上昇量を意味する。以下、同じ。)は、制御タイミングt0と制御タイミングt1との間が最も大きく、隣接する制御タイミング間t1−t2,t2−t3,・・・の順に小さくなる。
【0096】
さらに、曲線k7に従って上昇するように電圧指令値Vdc_com_Kを演算する場合、電圧指令値Vdc_com_Kの上昇量ΔVdc_com_Ku(隣接する制御タイミング間における上昇量を意味する。以下、同じ。)は、制御タイミングt0と制御タイミングt1との間が最も大きく、隣接する制御タイミング間t1−t2,t2−t3,・・・の順に小さくなる。
【0097】
したがって、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_com_Pの上昇量を、入力電圧Vmの目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fに上昇した直後の制御タイミング間t0−t1における上昇量ΔVdc_com_Pu(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Pを演算する。
【0098】
また、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_com_Mの上昇量を、入力電圧Vmの目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fに上昇した直後の制御タイミング間t0−t1における上昇量ΔVdc_com_Mu(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Mを演算する。
【0099】
さらに、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_com_Kの上昇量を、入力電圧Vmの目標電圧がVdc_com_0からVdc_com_fに上昇した直後の制御タイミング間t0−t1における上昇量ΔVdc_com_Ku(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0100】
すなわち、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_Pを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Pの上昇量を上昇量ΔVdc_com_Pu(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、電圧指令値Vdc_com_Mを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Mの上昇量を、PWM制御モードにおける上昇量ΔVdc_com_Pu(1)よりも小さい上昇量ΔVdc_com_Mu(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_Kを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Kの上昇量を、過変調制御モードにおける上昇量ΔVdc_com_Mu(1)よりも小さい上昇量ΔVdc_com_Ku(1)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0101】
つまり、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、PWM制御モードに比べ、電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kの上昇率を制限して電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0102】
電圧指令演算部33は、入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fが減少する場合も、上昇する場合と同様の方法によって、電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。この場合、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_Pの減少率の絶対値が最も大きく、電圧指令値Vdc_com_Mの減少率の絶対値が電圧指令値Vdc_com_Pの減少率の絶対値よりも小さく、電圧指令値Vdc_com_Kの減少率の絶対値が電圧指令値Vdc_com_Mの減少率の絶対値よりも小さくなるように隣接する制御タイミング間における減少量を設定して電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0103】
すなわち、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_Pを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Pの隣接する制御タイミング間における減少量ΔVdc_com_Pdの絶対値を減少量ΔVdc_com_Pd(1)(隣接する制御タイミング間t0−t1における減少量を意味する。以下、同じ。)の絶対値以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、電圧指令値Vdc_com_Mを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Mの隣接する制御タイミング間における減少量ΔVdc_com_Mdを、PWM制御モードにおける減少量ΔVdc_com_Pd(1)の絶対値よりも小さい絶対値を有する減少量ΔVdc_com_Md(1)(隣接する制御タイミング間t0−t1における減少量を意味する。以下、同じ。)の絶対値以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_Kを演算するとき、電圧指令値Vdc_com_Kの隣接する制御タイミング間における減少量ΔVdc_com_Kdを、過変調制御モードにおける減少量ΔVdc_com_Md(1)の絶対値よりも小さい絶対値を有する減少量ΔVdc_com_Kd(1)(隣接する制御タイミング間t0−t1における減少量を意味する。以下、同じ。)の絶対値以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Kを演算する。
【0104】
つまり、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、PWM制御モードに比べ、電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kの減少率を制限して電圧指令値Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0105】
このように、電圧指令演算部33は、電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kの変化率を1次遅れにおける時定数τまたは隣接する制御タイミング間における変化量によって変えて電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する。
【0106】
再び、図4を参照して、電圧指令演算部33は、上述した方法により、電圧指令値Vdc_com(電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kのいずれか)を演算し、その演算した電圧指令値Vdc_comをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。
【0107】
コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令Vdc_comと、電圧センサー10からの直流電圧Vbと、電圧センサー16からの電圧Vmとに基づいて、電圧Vmを電圧指令Vdc_comに設定するためのデューティー比を演算し、その演算したデューティー比をコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0108】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2をオン/オフするための信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kまたは信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを生成し、その生成した信号PWMU_P,PWMU_M,PWMU_Kまたは信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2へ出力する。
【0109】
なお、昇圧コンバータ11の下側のNPNトランジスタQ2のオンデューティーを大きくすることによりリアクトルL1における電力蓄積が大きくなるため、より高電圧の出力を得ることができる。一方、上側のNPNトランジスタQ1のオンデューティーを大きくすることにより電源ラインの電圧が下がる。そこで、NPNトランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することで、電源ラインの電圧を直流電源Bの出力電圧以上の任意の電圧に制御可能である。
【0110】
このように、コンバータ制御手段302は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、時定数τ=20msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、時定数τ=20msecよりも大きい時定数τ=50msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、時定数τ=50msecよりも大きい時定数τ=100msecを用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算して昇圧コンバータ11を制御する。
【0111】
また、コンバータ制御手段302は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、隣接する制御タイミング間における変化量を最も大きい変化量ΔVdc_com_P(1)(ΔVdc_com_Pu(1)またはΔVdc_com_Pd(1)の絶対値)以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Pに基づいて昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、隣接する制御タイミング間における変化量を変化量ΔVdc_com_P(1)よりも小さい変化量ΔVdc_com_M(1)(ΔVdc_com_Mu(1)またはΔVdc_com_Md(1)の絶対値)以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Mに基づいて昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、隣接する制御タイミング間における変化量を変化量ΔVdc_com_M(1)よりも小さい変化量ΔVdc_com_K(1)(ΔVdc_com_Ku(1)またはΔVdc_com_Kd(1)の絶対値)以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Kに基づいて昇圧コンバータ11を制御する。
【0112】
すなわち、コンバータ制御手段302は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_comの変化率の絶対値を第1の値以下に設定して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_comの変化率の絶対値を第1の値よりも小さい第2の値以下に設定して昇圧コンバータ11を制御し、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、電圧指令値Vdc_comの変化率の絶対値を第2の値よりも小さい第3の値以下に設定して昇圧コンバータ11を制御する。
【0113】
つまり、コンバータ制御手段302は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、PWM制御モードに比べ、各制御タイミング間における電圧指令値Vdc_comの変化率を制限するように昇圧コンバータ11を制御する。
【0114】
図8は、図1に示す昇圧コンバータ11を制御する動作を説明するためのフローチャートである。図8を参照して、一連の動作が開始されると、電圧指令演算部33は、外部ECUからのトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、インバータ20の入力電圧Vmの目標電圧Vdc_com_fを演算する。そして、電圧指令演算部33は、演算した目標電圧Vdc_com_fおよび定数k=0.61,0.75,0.78を式(1)に代入してインバータ20の出力電圧Vac(0.61),Vac(0.75),Vac(0.78)を演算する。
【0115】
そうすると、電圧指令演算部33は、出力電圧Vac(0.61),Vac(0.75),Vac(0.78)とモータ回転数MRNとに基づいて、上述した方法によって、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるか否かを判定する(ステップS1)。
【0116】
そして、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定したとき、昇圧コンバータ11の電圧指令値Vdc_comの変化率を過変調制御モードにおける電圧指令値Vdc_com_Mの変化率(制御タイミング間t0−t1における1次遅れによる変化率ΔVdc_com_Mr(1)または変化量ΔVdc_com_M(1)を意味する。)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Mをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_M、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Mに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0117】
そして、コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Mまたは信号PWMD_Mを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS2)。
【0118】
一方、ステップS1において、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードでないと判定されたとき、電圧指令演算部33は、上述した方法によって、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるか否かをさらに判定する(ステップS3)。
【0119】
そして、電圧指令演算部33は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであると判定したとき、昇圧コンバータ11の電圧指令値Vdc_comの変化率を矩形波制御モードにおける電圧指令値Vdc_com_Kの変化率(制御タイミング間t0−t1における1次遅れによる変化率ΔVdc_com_Kr(1)または変化量ΔVdc_com_K(1)を意味する。)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Kを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Kをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_K、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Kに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0120】
そして、コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Kまたは信号PWMD_Kを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS4)。
【0121】
一方、ステップS3において、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードでないと判定されたとき、電圧指令演算部33は、昇圧コンバータ11の電圧指令値Vdc_comの変化率をPWM制御モードにおける電圧指令値Vdc_com_Pの変化率(制御タイミング間t0−t1における1次遅れによる変化率ΔVdc_com_Pr(1)または変化量ΔVdc_com_P(1)を意味する。)以下に設定して電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Pをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_P、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Pに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0122】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Pまたは信号PWMD_Pを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS5)。
【0123】
そして、ステップS2、ステップS4およびステップS5のいずれかの後、一連の動作が終了する。
【0124】
図9は、図8に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図10は、図8に示すステップS4の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。図11は、図8に示すステップS5の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【0125】
図9〜図11は、電圧指令演算部33が時定数τを変化させた1次遅れにより電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する場合のそれぞれステップS2,S4,S5の詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【0126】
図9を参照して、図8に示すステップS1において交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定されたとき、電圧指令演算部33は、第1の時定数(τ=20msec)よりも大きい第2の時定数(τ=50msec)を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算する(ステップS21)。すなわち、電圧指令演算部33は、式(4)または式(8)によって電圧指令値Vdc_com_Mを演算する(ステップS21)。
【0127】
そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Mをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_M、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Mに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0128】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Mまたは信号PWMD_Mを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS22)。
【0129】
すなわち、コンバータ制御手段302は、図6に示す曲線k3に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Mにより昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、交流モータの制御モードがPWM制御モードである場合よりも遅く電圧Vmを変化させるので、交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。
【0130】
図10を参照して、図8に示すステップS3において交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであると判定されたとき、電圧指令演算部33は、第2の時定数(τ=50msec)よりも大きい第3の時定数(τ=100msec)を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算する(ステップS41)。すなわち、電圧指令演算部33は、式(5)または式(9)によって電圧指令値Vdc_com_Kを演算する(ステップS41)。
【0131】
そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Kをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_K、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Kに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0132】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Kまたは信号PWMD_Kを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS42)。
【0133】
すなわち、コンバータ制御手段302は、図6に示す曲線k4に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Kを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Kにより昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、交流モータの制御モードが過変調制御モードである場合よりも遅く電圧Vmを変化させるので、交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。
【0134】
図11を参照して、図8に示すステップS3において交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードでないと判定されたとき、電圧指令演算部33は、第1の時定数(τ=20msec)を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算する(ステップS51)。すなわち、電圧指令演算部33は、式(3)または式(7)によって電圧指令値Vdc_com_Pを演算する(ステップS51)。
【0135】
そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Pをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。コンバータ用デューティー比演算部34は、電圧指令演算部33からの電圧指令値Vdc_com_P、電圧センサー10からの直流電圧Vbおよび電圧センサー16からの電圧Vmに基づいて、電圧Vmを電圧指令値Vdc_com_Pに設定するためのデューティー比を演算してコンバータ用PWM信号変換部35へ出力する。
【0136】
コンバータ用PWM信号変換部35は、コンバータ用デューティー比演算部34からのデューティー比に基づいて信号PWMU_Pまたは信号PWMD_Pを生成してNPNトランジスタQ1,Q2へ出力し、昇圧コンバータ11を制御する(ステップS52)。
【0137】
すなわち、コンバータ制御手段302は、図6に示す曲線k2に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Pにより昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、最も速く電圧Vmを変化させる。この場合、交流モータM1の制御モードは、PWM制御モードであるので、電圧Vmが急激に変化しても交流モータM1の制御が破綻することはない。
【0138】
図12は、図8に示すステップS2の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。図13は、図8に示すステップS4の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。図14は、図8に示すステップS5の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。
【0139】
図12〜図14は、電圧指令演算部33が、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_comの変化量を変えて電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算する場合のそれぞれステップS2,S4,S5の詳細な動作を説明するためのフローチャートを示す。
【0140】
図12を参照して、図8に示すステップS1において交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであると判定されたとき、電圧指令演算部33は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_com_Mの変化量の絶対値を第1の変化量(ΔVdc_com_P(1))よりも小さい第2の変化量(ΔVdc_com_M(1))以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Mを演算する(ステップS21A)。そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Mをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。その後は、上述したとおりである。
【0141】
この場合、コンバータ制御手段302は、図7に示す曲線k6に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Mによって昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、交流モータの制御モードがPWM制御モードである場合よりも遅く電圧Vmを変化させるので、交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。
【0142】
図13を参照して、図8に示すステップS3において交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであると判定されたとき、電圧指令演算部33は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_com_Kの変化量の絶対値を第2の変化量(ΔVdc_com_M(1))よりも小さい第3の変化量(ΔVdc_com_K(1))以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Kを演算する(ステップS41A)。そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Kをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。その後は、上述したとおりである。
【0143】
この場合、コンバータ制御手段302は、図7に示す曲線k7に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Kを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Kによって昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、交流モータの制御モードが過変調制御モードである場合よりも遅く電圧Vmを変化させるので、交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。
【0144】
図14を参照して、図8に示すステップS3において交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードでないと判定されたとき、電圧指令演算部33は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値Vdc_com_Pの変化量の絶対値を第1の変化量(ΔVdc_com_P(1))以下に設定して各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com_Pを演算する(ステップS51A)。そして、電圧指令演算部33は、演算した電圧指令値Vdc_com_Pをコンバータ用デューティー比演算部34へ出力する。その後は、上述したとおりである。
【0145】
この場合、コンバータ制御手段302は、図7に示す曲線k5に従って変化するように電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Pによって昇圧コンバータ11を制御する。これにより、昇圧コンバータ11は、最も速く電圧Vmを変化させる。この場合、交流モータM1の制御モードは、PWM制御モードであるので、電圧Vmが急激に変化しても交流モータM1の制御が破綻することはない。
【0146】
このように、図9〜図11または図12〜図14に示すフローチャートに従ってそれぞれ図8に示すステップS2、ステップS4およびステップS5を実行することにより、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれに変わっても交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。
【0147】
なお、コンバータ制御手段302における電圧変換を制御する動作は、実際には、CPU(Central Processing Unit)によって実行され、CPUは、図8および図9〜図11(または図12〜図14)に示すフローチャートの各ステップを備えるプログラムをROM(Read Only Memory)から読出し、その読出したプログラムを実行して図8および図9〜図11(または図12〜図14)に示すフローチャートに従って昇圧コンバータ11における電圧変換の制御を行なう。
【0148】
したがって、ROMは、昇圧コンバータ11における電圧変換の制御を行なうプログラムを記録したコンピュータ(CPU)読取り可能な記録媒体に相当する。
【0149】
再び、図1を参照して、負荷駆動装置100における全体動作について説明する。一連の動作が開始されると、制御装置30は、外部ECUからトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受ける。そして、制御装置30は、Hレベルの信号SEを生成してシステムリレーSR1,SR2へ出力する。また、制御装置30は、電圧センサー10からの直流電圧Vb、電圧センサー16からの電圧Vm、電流センサー24からのモータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、上述した方法によって交流モータM1がトルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように昇圧コンバータ11およびインバータ20を制御するための信号PWMU_Pおよび信号PWMIを生成してそれぞれ昇圧コンバータ11およびインバータ20へ出力する。
【0150】
そして、直流電源Bは直流電圧を出力し、システムリレーSR1,SR2は直流電圧を昇圧コンバータ11へ供給する。
【0151】
そうすると、昇圧コンバータ11のNPNトランジスタQ1,Q2は、制御装置30からの信号PWMU_Pに応じてオン/オフされ、直流電圧を出力電圧Vmに変換してコンデンサ12に供給する。
【0152】
コンデンサ12は、昇圧コンバータ11から供給された直流電圧を平滑化してインバータ20へ供給する。インバータ20のNPNトランジスタQ3〜Q8は、制御装置30からの信号PWMIに従ってオン/オフされ、インバータ20は、直流電圧を交流電圧に変換し、トルク指令値TRによって指定されたトルクを交流モータM1が発生するように交流モータM1のU相、V相、W相の各相に所定の交流電流を流す。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生する。
【0153】
その後、制御装置30は、上述した方法によって、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれであるかを判定する。
【0154】
そして、制御装置30は、交流モータM1の制御モードがPWM制御モードであるとき、上述した方法によって電圧指令値Vdc_com_Pを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Pに基づいて信号PWMU_Pを生成して昇圧コンバータ11を制御する。
【0155】
また、制御装置30は、交流モータM1の制御モードが過変調制御モードであるとき、上述した方法によって電圧指令値Vdc_com_Mを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Mに基づいて信号PWMU_Mを生成して昇圧コンバータ11を制御する。
【0156】
さらに、制御装置30は、交流モータM1の制御モードが矩形波制御モードであるとき、上述した方法によって電圧指令値Vdc_com_Kを演算し、その演算した電圧指令値Vdc_com_Kに基づいて信号PWMU_Kを生成して昇圧コンバータ11を制御する。
【0157】
負荷駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車が回生制動モードになった場合、制御装置30は、直流電圧Vb、電圧Vm、モータ電流MCRT、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、信号PWMCおよび信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kを生成してそれぞれインバータ20および昇圧コンバータ11へ出力する。
【0158】
交流モータM1は、交流電圧を発電し、その発電した交流電圧をインバータ20へ供給する。そして、インバータ20は、制御装置30からの信号PWMCに従って、交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧をコンデンサ12を介して昇圧コンバータ11へ供給する。
【0159】
昇圧コンバータ11は、制御装置30からの信号PWMD_P,PWMD_M,PWMD_Kに従って直流電圧を降圧して直流電源Bに供給し、直流電源Bを充電する。
【0160】
これにより、負荷駆動装置100の全体動作が終了する。
なお、この発明においては、式(2)〜(9)により各制御タイミングにおける電圧指令値Vdc_com(Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kのいずれか)を演算することは、昇圧コンバータ11の各制御タイミングにおける電圧指令値を1次遅れにより演算することに相当する。
【0161】
また、上記においては、1次遅れにより電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算するときの時定数τをそれぞれ20msec,50msec,100msecに設定して電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算すると説明したが、この発明においては、これに限らず、他の時定数を用いてもよい。すなわち、電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算するときの時定数をそれぞれτ1,τ2,τ3とした場合、τ1,τ2,τ3の順に大きくなる時定数であればどのような時定数であってもよい。
【0162】
さらに、上記においては、1次遅れにより電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算すると説明したが、この発明は、これに限らず、1次遅れ意外の遅れを用いて電圧指令値Vdc_com_P,Vdc_com_M,Vdc_com_Kを演算してもよい。
【0163】
さらに、上述した式(1)における定数kは、上述した値に限らず、その他の値であってもよい。
【0164】
さらに、上記においては、交流モータM1の制御モードがPWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれかであるとき、各制御モードに応じて昇圧コンバータ11の電圧指令値Vdc_comの変化率を変えて昇圧コンバータ11を制御すると説明したが、この発明は、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれかの制御モードにより制御される交流モータM1に限らず、PWM制御モード、過変調制御モードおよび矩形波制御モードのいずれかの制御モードにより制御される負荷に適用される。
【0165】
さらに、上記においては、負荷駆動装置100は、1つの交流モータM1を駆動するものとして説明したが、この発明はこれに限らず、負荷駆動装置100は、複数のモータを駆動してもよい。この場合、複数のモータに対応して、複数のインバータがコンデンサ12の両端に並列に接続される。そして、電圧指令演算部33は、複数のモータの各々について制御モードを判定し、複数のモータのうち、少なくとも1つのモータの制御モードが過変調制御モードまたは矩形波制御モードであるとき、上述した方法によって電圧指令値Vdc_comの変化率を制限して昇圧コンバータ11を制御する。
【0166】
さらに、負荷駆動装置100は、ハイブリッド自動車または電気自動車に搭載され、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動する。
【0167】
たとえば、負荷駆動装置100がハイブリッド自動車に搭載された場合、交流モータM1は、2つのモータジェネレータMG1,MG2からなる。そして、モータジェネレータMG1は、動力分割機構を介してエンジンに連結され、エンジンを始動するとともに、エンジンの回転力により発電する。また、モータジェネレータMG2は、動力分割機構を介して前輪(駆動輪)に連結され、前輪を駆動するとともに、前輪の回転力により発電する。
【0168】
負荷駆動装置100が電気自動車に搭載された場合、交流モータM1は、前輪(駆動輪)に連結され、前輪を駆動するとともに前輪の回転力により発電する。
【0169】
そして、負荷駆動装置100の制御装置30は、ハイブリッド自動車または電気自動車の走行中および停車中において、交流モータM1の制御モードを判定し、その判定した制御モードに応じて、電圧指令値Vdc_comの変化率を変えて昇圧コンバータ11を制御する。
【0170】
したがって、負荷駆動装置100を搭載したハイブリッド自動車または電気自動車においては、交流モータM1の制御が破綻するのを防止できる。その結果、ハイブリッド自動車または電気自動車は、安定して走行できる。
【0171】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による負荷駆動装置の概略ブロック図である。
【図2】図1に示す制御装置の機能のうち、昇圧コンバータおよびインバータの制御に関わる機能を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示すインバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図4】図2に示すコンバータ制御手段の機能ブロック図である。
【図5】インバータの出力電圧とモータの回転数との関係を示す図である。
【図6】各制御タイミングにおける電圧指令値のタイミングチャートである。
【図7】各制御タイミングにおける電圧指令値の他のタイミングチャートである。
【図8】図1に示す昇圧コンバータを制御する動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示すステップS2の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】図8に示すステップS4の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】図8に示すステップS5の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】図8に示すステップS2の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。
【図13】図8に示すステップS4の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。
【図14】図8に示すステップS5の詳細な動作を説明するための他のフローチャートである。
【符号の説明】
10,16 電圧センサー、11 昇圧コンバータ、12 コンデンサ、20インバータ、21 U相アーム、22 V相アーム、23 W相アーム、24電流センサー、30 制御装置、31 モータ制御用相電圧演算部、32 インバータ用PWM信号変換部、33 電圧指令演算部、34 コンバータ用デューティー比演算部、35 コンバータ用PWM信号変換部、100 負荷駆動装置、301 インバータ制御手段、302 コンバータ制御手段、B 直流電源、L1 リアクトル、Q1〜Q8 NPNトランジスタ、D1〜D8 ダイオード、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (10)
- 負荷を駆動する駆動装置と、
電源と前記駆動装置との間で電圧変換を行なう電圧変換器と、
前記負荷の制御モードに応じて、制御タイミング間における電圧指令値の変化率を変えて前記電圧変換器を制御する制御装置とを備える負荷駆動装置。 - 前記制御装置は、前記負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値以下に設定して前記電圧変換器を制御し、前記負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を前記第1の値よりも小さい第2の値以下に設定して前記電圧変換器を制御し、前記負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を前記第2の値よりも小さい第3の値以下に設定して前記電圧変換器を制御する、請求項1に記載の負荷駆動装置。
- 前記制御装置は、各制御タイミングにおける前記電圧変換器の電圧指令値を1次遅れにより演算するときの時定数を変化させることにより前記電圧指令値の変化率を変える、請求項2に記載の負荷駆動装置。
- 前記制御装置は、前記負荷の制御モードが前記PWM制御モードであるとき、第1の時定数を用いた1次遅れにより前記電圧指令値を演算し、前記負荷の制御モードが前記過変調制御モードであるとき、第1の時定数よりも大きい第2の時定数を用いた1次遅れにより前記電圧指令値を演算し、前記負荷の制御モードが前記矩形波制御モードであるとき、前記第2の時定数よりも大きい第3の時定数を用いた1次遅れにより前記電圧指令値を演算して前記電圧指令値の変化率を変える、請求項3に記載の負荷駆動装置。
- 前記制御装置は、隣接する制御タイミング間における電圧指令値の変化量により前記電圧指令値の変化率を変える、請求項2に記載の負荷駆動装置。
- 前記制御装置は、前記負荷の制御モードが前記PWM制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量以下にして前記電圧変換器を制御し、前記負荷の制御モードが前記過変調制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化量の絶対値を前記第1の変化量よりも小さい第2の変化量以下にして前記電圧変換器を制御し、前記負荷の制御モードが前記矩形波制御モードであるとき、前記第2の変化量よりも小さい第3の変化量以下にして前記電圧変換器を制御する、請求項5に記載の負荷駆動装置。
- 負荷駆動装置における電圧変換の制御をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記負荷駆動装置は、
負荷を駆動する駆動装置と、
電源と前記駆動装置との間で電圧変換を行なう電圧変換器とを備え、
前記プログラムは、
前記負荷の制御モードを判定する第1のステップと、
前記判定された制御モードに応じて、制御タイミング間における電圧指令値の変化率を変えて前記電圧変換器を制御する第2のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記第2のステップは、
前記負荷の制御モードがPWM制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を第1の値以下に設定して前記電圧変換器を制御する第1のサブステップと、
前記負荷の制御モードが過変調制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を前記第1の値よりも小さい第2の値以下に設定して前記電圧変換器を制御する第2のサブステップと、
前記負荷の制御モードが矩形波制御モードであるとき、前記電圧指令値の変化率の絶対値を前記第2の値よりも小さい第3の値以下に設定して前記電圧変換器を制御する第3のサブステップとを含む、請求項7に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記第1のサブステップは、
第1の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける前記電圧変換器の電圧指令値を演算するステップAと、
前記ステップAにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップBとを含み、
前記第2のサブステップは、
前記第1の時定数よりも大きい第2の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける前記電圧変換器の電圧指令値を演算するステップCと、
前記ステップCにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップDとを含み、
前記第3のサブステップは、
前記第2の時定数よりも大きい第3の時定数を用いた1次遅れにより各制御タイミングにおける前記電圧変換器の電圧指令値を演算するステップEと、
前記ステップEにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップFとを含む、請求項8に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記第1のサブステップは、
隣接する制御タイミング間における前記電圧指令値の変化量の絶対値を第1の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップAと、
前記ステップAにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップBとを含み、
前記第2のサブステップは、
隣接する制御タイミング間における前記電圧指令値の変化量の絶対値を前記第1の変化量よりも小さい第2の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップCと、
前記ステップCにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップDとを含み、
前記第3のサブステップは、
隣接する制御タイミング間における前記電圧指令値の変化量の絶対値を前記第2の変化量よりも小さい第3の変化量以下にして各制御タイミングにおける電圧指令値を演算するステップEと、
前記ステップEにおいて演算された電圧指令値により前記電圧変換器を制御するステップFとを含む、請求項8に記載のコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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