JP2005045141A - 固体撮像装置 - Google Patents

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Munehisa Takeda
宗久 武田
Yoshinori Yokoyama
吉典 横山
Yoshiyuki Nakagi
義幸 中木
Yasuaki Ota
泰昭 太田
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Abstract

【課題】 湾曲実装された撮像素子内の残留応力を除去ないしは緩和することができる固体撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像素子ウエハ1においては、シリコン基板2の表層部に受光部3と信号読出し部4とが形成されている。受光部3および信号読出し部4の上に絶縁膜5が設けられている。信号読出し部4の略直上位置において、絶縁膜5上に転送電極6が設けられている。転送電極6は遮光膜7によって覆われている。遮光膜7の上にはパッシベーション膜8と平坦化膜9とが設けられている。平坦化膜9の上には、撮像素子ウエハ内の残留応力を除去ないしは緩和する残留応力緩和層12が設けられ、残留応力緩和層12の上にカラーフィルタ層10が設けられている。受光部3の直上位置にはマイクロレンズ11が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄肉化された撮像素子ウエハを備えた固体撮像装置に関するものである。
一般に、携帯情報端末や医療用の内視鏡には、CCD(Charge Coupled Device)や人工網膜チップ(AR:artificial Retina)などの撮像素子(固体撮像素子)を備えたレンズモジュール(撮像素子モジュール)が搭載されているが、この種のレンズモジュールでは、小型化や解像度の向上が強く求められている。しかし、従来のレンズモジュールでは、レンズの収差による影響を回避するため、レンズの数を多くしたり、いわゆるレンズずらしにより収差補正を行う必要がある。このため、レンズモジュールの小型化や解像度の向上は、十分には達成されていない。
そこで、撮像素子チップを湾曲させて凹形状にすることにより、レンズの数を低減して小型化を図るとともに解像度を向上させるようにしたレンズモジュールが提案されている。かかるレンズモジュールにおいて、撮像素子チップを湾曲させて実装する手法としては、例えば、撮像素子チップを湾曲可能な膜厚まで薄膜化し、湾曲形状を保持する基材上に接着剤などで固定するといった手法が用いられている(例えば、特許文献1〜4参照)。ここで、特許文献1には、撮像素子の湾曲実装の基本的な概念が開示されている。特許文献2には、アクチュエータを設けて湾曲度合を可変にするようにした撮像装置が開示されている。また、特許文献3、4には、湾曲実装された固体撮像素子の構造および製造方法が開示されている。
なお、例えば特許文献5に記載されているように、従来の撮像素子は、一般に、シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、受光部から読み出された電荷を転送する電荷転送部と、電荷転送部の上に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、その上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、その上に設けられたカラーフィルタ層と、受光部の直上に設けられたマイクロレンズとで構成されている。
撮像素子を湾曲実装するには、撮像素子ウエハの薄肉化が必須であり、例えば特許文献3に記載された撮像装置では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により撮像素子ウエハを薄肉化するようにしている。また、特許文献4に記載された撮像装置では、陽極化成法により撮像素子ウエハを薄肉化するようにしている。
特開平01−202989号公報(第2頁、第1図) 特開平10−108078号公報(段落[0017]、図1) 特開2001−156278号公報(段落[0012]、図2) 特開2001−284564号公報(段落[0033]、図7) 特開平11−40789号公報(段落[0002]〜[0004]、図4)
ところで、撮像素子が湾曲実装された撮像装置では、撮像素子が薄肉化されるので残留応力により該撮像素子に反りが生じるといった問題が生じる。例えば特許文献3、4に記載された撮像素子の薄肉化手法によれば、撮像素子裏面の加工変質層による残留応力を緩和することができ、該残留応力に起因するウエハの反りを防止することができる。しかし、撮像素子ウエハを薄肉化すると、裏面の加工変質層による残留応力によるウエハの反りだけでなく、撮像回路形成時やカラーフィルタやマイクロレンズ形成時に発生する残留応力によってもウエハに反りが発生する。このため、従来の撮像素子では、その反りを有効に防止することができないといった問題がある。
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであって、固体撮像素子内の応力を除去ないしは緩和することができ、固体撮像素子に反りが発生するのを有効に防止することができる固体撮像装置を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる固体撮像装置は、シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ層上において受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている。そして、この固体撮像装置においては、撮像素子ウエハの評価サンプルウエハを用いてあらかじめ計測された残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層が、撮像素子ウエハの撮像素子回路形成側の部分に形成されている。
本発明によれば、残留応力緩和層が撮像素子回路形成側に形成されているので、撮像素子ウエハの残留応力をほぼゼロにすることができる。このため、撮像素子ウエハには大域的な反りが発生しない。また、従来のバックグラインドテープを用いた薄肉加工時に、撮像素子ウエハが割れることがなく、歩留まりを向上させるできる。さらに、マイクロレンズの形成前に残留応力緩和層が形成されるので、高温のプロセスを用いることができる。例えば、高精度で残留応力を制御することができる高温のCVD等のプロセスの使用が可能となる。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態(実施の形態)を具体的に説明する。なお、添付の図面において、各図面に共通な構成要素、ないしは構成及び機能が実質的に同一の構成要素には、同一の参照番号を付している。
まず、本発明の実施態様(実施の形態)の基本概念を説明する。
本発明の第1の実施態様にかかる固体撮像装置においては、撮像素子の湾曲実装のための薄肉化加工時の反りをなくすために、最終の残留応力がゼロになるように、撮像素子ウエハの撮像素子回路形成側(上面側)の部分に残留応力緩和層が形成されている。最終の残留応力は、まず全ての撮像回路およびマイクロレンズを形成した評価サンプルを、例えばX線による応力計測法により計測して求める。
この後、求めた残留応力を緩和するように、該残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層を形成する。樹脂製のマイクロレンズを使用する場合は、マイクロレンズ形成前に撮像素子回路形成側(上面側)に残留応力緩和層を形成する。マイクロレンズの形成前に残留応力緩和層を形成するのは、樹脂製のマイクロレンズを使用する場合、その耐熱性が100℃以下と低いので、そうしないと、例えば残留応力の制御性の良い200℃以上の成膜温度が必要なCVD法を用いることができなくなるからである。
残留応力緩和層は受光部の上面に形成されるので、該残留応力緩和層の材料としては、例えば光透過性の良い酸化膜であるSiO等が用いられる(図1参照)。この場合、表面形成時には残留応力がほぼゼロとなっているので、裏面研削においては従来のバックグラインドテープを用いた簡便な方法を使用することができる。
本発明の第2の実施態様にかかる固体撮像装置においては、撮像素子回路形成時に発生した大域的な反りをキャンセルするように、薄肉加工後に撮像素子ウエハの裏面(ウエハ裏面)に残留応力緩和層が形成されている。裏面に残留応力緩和層を形成する場合は、撮像回路形成による残留応力が残ったままのウエハを薄肉化することになるので、例えばガラス基板等の剛性の高いウエハサポートシステムを用いる必要がある。
ウエハ裏面に残留応力緩和層を形成することにより生じる効果は、以下のとおりである。すなわち、残留応力緩和層を上面側に形成する場合は、すべての工程が終了する前に残留応力緩和層を形成する必要がある。このため、実際の残留応力ではなく評価サンプルから求めた残留応力値を用いるので、加工のばらつき等により正確な残留応力の補正ができない。これに対して、残留応力緩和層をウエハ裏面に形成する場合は、すべての工程が終了しているので、例えばX線による応力計測法を用いて、加工するウエハに適した正確な残留応力を計測し、この残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層を形成することができる。
この場合、ウエハサポートシステムにより反りを強制して、ウエハ裏面研削およびストレスリリーフを実施し、この後残留応力緩和層を形成する。残留応力緩和層の形成法としては、樹脂製のマイクロレンズが搭載されている場合は、耐熱温度が100℃以下にする必要があるので、スパッタ法やイオンビームスパッタ法等の低温薄膜形成法を用いる。また、さほど光透過性を考慮する必要はないので、アルミナ等の酸化膜をはじめ、残留応力を制御することができる膜であれば、どのような材料を用いてもよい(図7参照)。
本発明の第3の実施態様にかかる固体撮像装置においては、マイクロレンズ形成時に局所的な残留応力が発生しないように、残留応力がゼロのマイクロレンズが撮像素子ウエハに形成される。この撮像素子ウエハのポイントは、マイクロレンズ形成時に発生する残留応力を根本から絶つために、残留応力のないマイクロレンズを形成することである。具体的には、平坦化膜の形成後、プラズマCVD法等を用いて残留応力がゼロであるSiO膜を略画素ピッチの半分の厚みに成膜する。その上に、例えばレジストをパターニングした後溶融させ、表面張力によりレンズ形状を形成する。そして、このレジストをマスクとして残留応力がゼロのSiOをエッチングし、SiOのマイクロレンズを形成する(図9参照)。
あるいは、マイクロレンズの形状に対応して、中央部で光透過性が低く、周縁部に向かって光透過性が高くなるマスクを用いてグレートーン露光を実施する(図10参照)。これにより、任意の形状にレジストを露光して現像し、このレジストをマスクにして残留応力ゼロのSiO層を任意形状のマイクロレンズに形成する。この場合、残留応力がゼロのマイクロレンズを形成することができるので、局所的な凹凸が発生しない。また、耐熱性の優れたSiOのマイクロレンズを形成することができるので、撮像素子ウエハ実装時の耐熱性が向上する。
本発明の第4の実施態様にかかる固体撮像装置においては、マイクロレンズ形成時に発生する局所的な残留応力を緩和するように、局所的に残留応力の異なる応力緩和層が上面側に形成されている。この固体撮像装置では、実施態様1にかかる固体撮像装置と同様に、評価サンプルを用いてあらかじめマイクロレンズ形成時に発生する局所的な残留応力を求めておく。そして、この残留応力を緩和するように、マイクロレンズ直下の位置に局所的に残留応力緩和膜を形成する。続いて、これらの間およびその上部に、残留応力がゼロの膜を形成し、平坦化を行い、2層構造の残留応力緩和層を形成する(図11参照)。
この残留応力緩和層は、上層および層間部分が残留応力がゼロの膜であるので、マイクロレンズの直下部分にのみ局所的にマイクロレンズと逆の残留応力が存在する膜となっている。実施態様1にかかる固体撮像装置と同様に、マイクロレンズ形成前に残留応力緩和層を形成しているので、樹脂製のマイクロレンズを用いる場合は、高温プロセスを用いることができる。また、表面形成時に残留応力がゼロになっているので、ウエハ裏面研削においては、従来のバックグラインドテープを用いた簡便な方法を使用することができる。
本発明の第5の実施態様にかかる固体撮像装置においては、マイクロレンズ形成時に発生する局所的な残留応力が発生しないように、かつ局所的な残留応力を緩和するように、局所的に残留応力の異なる残留応力緩和層が裏面に形成されている。この固体撮像装置は、実施態様4における2層構造の残留応力緩和層を撮像素子ウエハの裏面に形成したものであり(図12参照)、その効果および形成法は実施態様2と同様である。
本発明の第6の実施態様にかかる固体撮像装置においては、マイクロレンズ形成時に発生する局所的な残留応力が下方に伝播しないように、応力緩衝層がマイクロレンズ下面に形成されている。前記のとおり、第4または第5の実施態様では、マイクロレンズの形成により発生する残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層を、表面あるいは裏面に形成している、これに対して、この固体撮像装置では、マイクロレンズ層の下に、マイクロレンズ形成時に発生する残留応力を緩和する剛性の低い応力緩衝層を設けている。第4または第5の実施態様では、マイクロレンズ直下に残留応力緩和層を設ける必要があるので、位置合わせ、パターニング等のプロセスが複雑になる。これに対して、第6の実施態様では、応力緩衝層をマイクロレンズの下に一面に形成するだけでよいので、プロセスが簡素化される。
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1を具体的に説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の実施の形態1にかかる固体撮像装置の撮像素子ウエハの立面断面図である。図1(a)、(b)に示すように、この撮像素子ウエハ1においては、シリコン基板2の表層部(上部)に、光電変換をなす受光部3と、この受光部3から出力された電気信号を読み出す信号読出し部4とが形成されている。そして、受光部3および信号読出し部4が形成されたシリコン基板2の上に、絶縁膜5が設けられている。
信号読出し部4の略直上位置において、絶縁膜5上には転送電極6が設けられている。この転送電極6は、遮光膜7によって覆われている。そして、遮光膜7ないしは絶縁膜5の上には、順に、パッシベーション膜8と平坦化膜9とが設けられている。また、平坦化膜9の上には、残留応力緩和層12が設けられ、この残留応力緩和層12の上にカラーフィルタ層10が設けられている。さらに、受光部3の直上位置において、カラーフィルタ層10の上には、マイクロレンズ11が設けられている。
ところで、従来の撮像素子ウエハ1では、一般的には、400μm〜650μmの厚さのシリコン基板2上に、受光部3からマイクロレンズ11までを形成した後、100μm〜400μm程度の厚さとなるように、シリコン基板2の裏面を研削している。ここで、厚さが200μm程度であれば、撮像回路13等を形成することに起因して発生する残留応力により、シリコン基板2ないしは撮像素子ウエハ1に反りが発生することはない。しかし、この厚さを薄くすると、厚さの3乗に反比例して剛性が低下するので、撮像回路13等を形成することに起因して発生する残留応力により、シリコン基板2ないしは撮像素子ウエハ1に大域的(全体的)な反りが発生することになる(図4参照)。
そこで、実施の形態1にかかる撮像素子ウエハ1では、次のような手法で、この反りをキャンセルするようにしている。すなわち、まず撮像回路13の全ての構成要素およびマイクロレンズ11を形成した評価サンプルを、例えばX線による応力計測法によって計測して残留応力求める。この後、求めた残留応力を緩和するように、該残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層12を形成する。なお、条件によって撮像素子ウエハ1の反りの方向・量は異なるが、成膜、加工条件が規定されれば、概ねの反り量は決まる。そこで、評価サンプルでその反り量を計測し、この計測結果に応じて残留応力緩和層12を設ける。
ここでは、樹脂製のマイクロレンズ11を用いているので、マイクロレンズ11の形成前に、例えば平坦化膜9の上部に残留応力緩和層12を形成する。このようにマイクロレンズ11を形成する前に残留応力緩和層12を形成するのは、樹脂製のマイクロレンズ11を用いる場合、耐熱温度(耐熱性)が100℃以下と低いので、そうしないと例えば残留応力制御性は良いが成膜温度が200℃以上であるプラズマCVD等のCVD方を用いることができなくなるからである。
図2に示すように、プラズマCVDは、成膜条件の1つであるRFパワーを調整することにより、残留応力を制御することができるので、撮像素子ウエハ1の大域的な反りをキャンセルすることができる。残留応力緩和層12は受光部3上方に形成されるので、残留応力緩和層12の材料としては、例えば光透過性の良い酸化膜であるSiOが用いられる。実施の形態1では、プラズマCVD装置のRFパワーを調整することにより残留応力緩和層12の残留応力を制御するようにしている。しかし、残留応力の制御手法は、かかる手法に限定されるわけではなく、残留応力緩和層12の残留応力を制御できる手法であればどのような手法を用いてもよい。例えば、プラズマCVDのTEOS(Tetra Etoxy Ortho Silicate)の流量を調整したり、スパッタ装置やイオンビームスパッタ装置の電源電圧を調整したりすることにより、残留応力を制御してもよい。
残留応力は、当然、膜厚、面積により変化するが、それは残留応力緩和層12を成膜する前の撮像素子ウエハ1のシリコン基板2の残留応力の値により異なる。もちろん、シリコン基板2の残留応力は、残留応力緩和層12を形成する膜の制御の範囲内であることが必要である。このため、ここではとくには膜厚は例示していない。ただし、撮像素子ウエハ1の厚さを100μm以下にすることが目的であるので、残留応力緩和層12の厚さは100μm以下であることが必要である。
以下、実施の形態1にかかる撮像素子ウエハ1との比較のため、残留応力緩和層を有しない撮像素子ウエハ1の問題点を説明する。
図3は、残留応力緩和層を有しない撮像素子ウエハ1(比較例)の立面断面図である。図3に示すように、この比較例にかかる撮像素子ウエハ1は、残留応力緩和層12を備えていない点を除けば、図1(a)、(b)に示す実施の形態1にかかる撮像素子ウエハ1と同様の構成のものである。
しかし、図3に示す撮像素子ウエハ1を、湾曲実装させるために薄肉化する場合、以下のような問題点がある。
(1) 第1の問題点
撮像素子ウエハ1の厚みが厚い場合は、撮像回路13(受光部3、信号読出し部4、絶縁膜5、転送電極6、遮光膜7、パッシベーション膜8、平坦化膜9)や、カラーフィルタ層10や、マイクロレンズ11の形成時に発生する残留応力は、該撮像素子ウエハ1に反りを発生させるレベルにはない。したがって、従来の撮像素子ウエハ1の製造工程においては、残留応力はとくには考慮されていない。しかしながら、撮像素子ウエハ1を薄肉化すると、前記のとおり、厚さの3乗に反比例して撮像素子ウエハ1の剛性が低下する。
このため、図4(a)、(b)に示すように、撮像素子ウエハ1を50μm程度まで薄肉化すると、撮像素子ウエハ1に凹面状あるいは凸面状の反りが発生するという問題がある。なお、反りが凹面状となるか、凸面状となるかは、回路形成プロセスの残留応力に依存するので、一概にはいえない。
(2) 第2の問題点
さらに、マイクロレンズ11が形成された撮像素子ウエハ1では、各素子の受光部3の上にのみマイクロレンズ11が形成されているので、ウエハ全体の大域的な凹凸の反りとは別に、局所的に配置されるマイクロレンズ11の形成時の残留応力が、各素子の受光部3上に局所的に発生する。
このため、図5に示すように、局所的な凹凸がウエハ上に発生するといった問題がある。
(3) 第3の問題点
このような大域的な反りや局所的な凹凸が存在すると、撮像素子ウエハ1の薄肉化加工が困難となる。このため、撮像素子ウエハの薄肉化加工に際して、ダイシングテープへの張替え時や搬送時に撮像素子ウエハ1が割れることがあるといった問題がある。
図6に、これらの問題を説明するために、一般的な撮像素子ウエハ1の薄肉化工程を示す。図6に示すように、この撮像素子ウエハ1の薄肉化工程においては、まず、完成した撮像素子ウエハ1の上面(おもて面)に、保護テープあるいはウエハサポートシステムを貼り、表面を保護する(ステップS1)。なお、ここで「ウエハサポートシステム」は、薄肉化工程で撮像素子ウエハ1を固定する手段を意味する。
撮像素子ウエハ1の厚さが50μm以上の場合は、一般的には、バックグラインドテープとよばれる保護テープを貼ることにより、以下のプロセスを問題なく行うことができる。なお、ここで「バックグラインドテープ」は、グラインド(研削)するときに撮像素子ウエハ1の表面に貼って使用するテープを意味する。ここで、撮像素子ウエハ1の厚さが50μm以下の場合は、撮像素子ウエハ1の剛性が低いので、従来のバックグラインドテープでは、変形が大きく撮像素子ウエハ1の破損が多発する。そこで、剛性の高い特殊なテープやガラス基板等の剛性の高いウエハサポートシステムに貼り付け、撮像素子ウエハ1の反りを強制する。ただし、撮像素子ウエハ1の反りが極端に大きい場合は、この後のプロセスで撮像素子ウエハ1が破損する確率が高くなる。
続いて、上面を保護された撮像素子ウエハ1の裏面を所望の厚さに研削する(ステップS2)。一般に、撮像素子ウエハ1の厚さが200μmを超える場合は、通常の研削だけで問題はない。しかし、厚さ200μm以下の場合は、研削時に発生する加工変質層の残留応力により撮像素子ウエハ1が破損することがあるといった問題が生じる。そこで、加工変質層の残留応力を除去するために、ストレスリリーフ処理を行う(ステップS3)。ストレスリリーフ処理としては、ウェットエッチング、CMP(Chemical Mechanical Polishing)などのポリシング、ドライポリシング、ドライエッチング等の手法を用いることができる。しかし、加工変質層を除去することができれば、どのような手法を用いてもよい。
次に、ストレスリリーフされた撮像素子ウエハ1を、クリーニングした後(ステップS4)、ダイシング工程に移行する。ダイシング工程では、まず撮像素子ウエハ1の裏面にダイシングテープを貼り(ステップS5)、続いて上面の保護テープを剥離した上で(ステップS6)、ダイシングを行う(ステップS7)。ダイシング方法としては、機械的なダイシング(シングルダイシングやステップダイシング)、水ガイドレーザ熱溶断、レーザアブレーション切断、レーザブレーク、液体エッチカット、ドライエッチカットなどを用いることができる。この後、ダイシングされた素子をピックアップし(ステップS8)、検査を行った後(ステップS9)、この撮像素子ウエハ1を固体撮像装置に実装する(ステップS10)。
このような薄肉化工程において、撮像素子ウエハ1の反りが大きいとステップS2〜S7、あるいは各ステップ間での搬送時に、撮像素子ウエハ1の破損が多くなる。つまり、撮像素子ウエハ全体に残留応力があったり、あるいはマイクロレンズ11の形成された部分に局所的に残留応力があると、後工程での素子損傷が問題となる。これは、薄肉化加工は、図3のように撮像素子1が形成された後で行われ、この後図6に示すように、撮像素子ウエハ1が実装されるまでに、いくつかの処理ステップを経るからである。
これに対して、実施の形態1にかかる固体撮像装置では、撮像素子ウエハ1に残留応力緩和層12が設けられているので、撮像素子ウエハ1に反りが発生するのを防止ないしは抑制することができ、上記の各問題点を解消することができる。ここで、残留応力緩和層12は、撮像素子ウエハ1の残留応力をゼロにするようになっているのが望ましいが、上記問題点を解消できる程度まで残留応力を低減することができればよい。なお、この固体撮像装置において、撮像素子ウエハ1の反り等を惹起する残留応力は、図2の制御範囲であることが前提である。
前記のとおり、実施の形態1にかかる固体撮像装置では、残留応力緩和層12としてSiO膜用いている。しかし、光を透過させることができ、撮像回路13を保護することができ、かつ残留応力を制御できるような膜であれば、どのような膜を用いてもよい。例えば、窒化膜であるSiN膜を用いてもよい。
また、実施の形態1では、残留応力緩和層12を平坦化膜9の上面に形成しているが、マイクロレンズ11の形成前であれば、その他の部位に形成してもよい。例えば、パッシベーション膜8の上または下、カラーフィルタ層10の上などに形成してもよい。さらに、マイクロレンズ11が耐熱性である場合は、マイクロレンズ11の上面に残留応力緩和層12を形成してもよい。
以上、実施の形態1にかかる固体撮像装置においては、残留応力緩和層12が撮像素子回路形成側に形成されているので、撮像素子ウエハ1の残留応力をほぼゼロにすることができる。このため、撮像素子ウエハ1に大域的な反りが発生せず、従来のバックグラインドテープを用いた薄肉加工時でも、撮像素子ウエハ1が割れることはなく、歩留まりが向上する。また、マイクロレンズ11の形成前に残留応力緩和層12を形成するので、CVD等の高温のプロセスを用いることができる。
実施の形態2.
以下、図7を参照しつつ、本発明の実施の形態2を具体的に説明する。なお、実施の形態2にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1の基本的な構成および機能は、実施の形態1にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1と共通である。そこで、説明の重複を避けるため、以下では主として実施の形態1と異なる点を説明する。
図7は、実施の形態2にかかる撮像素子ウエハ1の立面断面図である。前記のとおり、実施の形態1では、撮像素子ウエハ1の素子面側に残留応力緩和層12を形成して、撮像素子ウエハ1の大域的な反りをキャンセルするようにしている。しかし、この場合、撮像素子ウエハ1を薄肉化したときにどのような残留応力ないしは反りが発生するかがあらかじめ分かっていることが必要である。また、たとえこれらがあらかじめ分かっていたとしても、加工プロセスのばらつき等により、残留応力ないしは反りを完全にキャンセルできないこともある。
そこで、図7に示すように、実施の形態2にかかる固体撮像装置では、このような問題を解消するため、薄肉化のための裏面加工後における実際の残留応力に応じた残留応力緩和層14を、撮像素子ウエハ1の裏面に形成している。撮像素子ウエハ1の裏面に残留応力緩和層14を形成する場合は、撮像回路形成による残留応力が残ったままの撮像素子ウエハ1を薄肉化するので、例えばガラス基板等の剛性の高いウエハサポートシステムを用いる必要がある。そして、ウエハサポートシステムにより反りを強制して、ウエハ裏面研削およびストレスリリーフを実施し、その後残留応力緩和層14を形成する。
実施の形態2では、樹脂製のマイクロレンズ11が搭載されている場合、残留応力緩和層14を形成する際に、耐熱温度を100℃以下にすることが必要である。このため、スパッタ法やイオンビームスパッタ法等の低温薄膜形成法が用いられる。また、残留応力緩和層14は、撮像素子ウエハ1の上面側に配置する場合とは異なり、光透過性をさほど考慮する必要はない。したがって、残留応力緩和層14の材料として、シリコン以外に、アルミニウム、タンタル、ジルコニア、チタン等の酸化膜や窒化膜など、残留応力を制御することが可能なものであれば、どのような材料を用いてもよい。
以上、実施の形態2にかかる固体撮像装置によれば、ストレスリリーフ後に測定された残留応力の情報に基づいて、撮像素子ウエハ1の裏面に残留応力緩和層14が形成されているので、加工した撮像素子ウエハ1に適した正確な残留応力緩和層14の形成が可能となる。このため、薄肉加工時に撮像素子ウエハ1が割れることがなく、歩留まりが向上する。
実施の形態3.
以下、図8、図9(a)〜(c)および図10(a)、(b)を参照しつつ、本発明の実施の形態3を具体的に説明する。なお、実施の形態3にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1の基本的な構成および機能は、実施の形態1、2にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1と共通である。そこで、説明の重複を避けるため、以下では主として実施の形態1、2と異なる点を説明する。
図8は、実施の形態3にかかる固体撮像装置の撮像素子ウエハ1の立面断面図である。この撮像素子ウエハ1では、マイクロレンズ15は、撮像素子形成時に局所的な残留応力が発生しないように、残留応力がゼロのSiOで形成されている。なお、従来の撮像素子ウエハでは、一般に、マイクロレンズは樹脂で形成されている。
具体的には、図9(a)に示すように、このマイクロレンズ15の形成工程においては、まず、平坦化膜9(図1参照)を形成した後、カラーフィルタ層10の上に、プラズマCVD法等を用いて、残留応力がゼロであるSiO膜15aを、画素ピッチのほぼ半分の厚みに成膜する。
次に、図9(b)に示すように、SiO膜15aの上にレジスト15bをパターニングした後、これを溶融させ、表面張力によりレンズ形状を形成する。
そして、図9(c)に示すように、レジスト15bをマスクとして用いて、残留応力ゼロのSiO膜15aをエッチングし、SiOからなるマイクロレンズ15を形成する。
あるいは、図10(a)、(b)に示すように、マイクロレンズ15の形状に対応して、中央部では光透過性が低く、周縁部側に向かって徐々にないしは段階的に光透過性が高くなるマスク16を用い、グレートーン露光を実施することにより、任意の形状にレジスト15bを露光・現像する。そして、このレジスト15bをマスクにして、残留応力がゼロのSiO層を任意の形状のマイクロレンズ15の形状に形成する。
以上、実施の形態3にかかる固体撮像装置によれば、撮像素子ウエハ1に、残留応力がゼロのマイクロレンズ15が形成されているので、該撮像素子ウエハ1を薄肉化しても局所的な凹凸が発生しない。このため、薄肉加工時に撮像素子ウエハ1が割れることがなく、歩留まりが向上する。また、マイクロレンズ15が耐熱性の優れたSiOで形成されているので、撮像素子ウエハ1を実装する際の耐熱性が向上する。
実施の形態4.
以下、図11を参照しつつ、本発明の実施の形態4を具体的に説明する。なお、実施の形態4にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1の基本的な構成および機能は、実施の形態1〜3にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1と共通である。そこで、説明の重複を避けるため、以下では主として実施の形態1〜3と異なる点を説明する。
図11は、実施の形態4にかかる撮像素子ウエハ1の立面断面図である。実施の形態4にかかる固体撮像装置においては、撮像素子ウエハ1に、マイクロレンズ11の形成時に発生する局所的な残留応力を緩和するように、局所的に残留応力の異なる残留応力緩和層17を上面側に形成している。この撮像素子ウエハ1でも、実施の形態1と同様に、まず評価サンプルを用いて、あらかじめマイクロレンズ11の形成時に発生する局所的な残留応力を求めておき、この残留応力を緩和するように、マイクロレンズ11の直下の位置に局所的に局所残留応力緩和膜17aを形成する。続いて、これらの局所残留応力緩和膜17a間およびその上部に大域残留応力緩和膜17bを形成して、平坦化を行う。かくして、図11に示すような2層構造の残留応力緩和層17を形成する。
この残留応力緩和層17は、マイクロレンズ11の直下部分にのみ局所的に、マイクロレンズ11とは逆の残留応力が存在する膜となっている。この撮像素子ウエハ1においても、実施の形態1の場合と同様にマイクロレンズ11の形成前に残留応力緩和層17が形成されるので、樹脂製のマイクロレンズ11を用いる場合でも、高温プロセスを用いることができる。また、大域残留応力緩和膜17bが設けられているので、撮像素子ウエハ1の大域的な反りもキャンセルすることができ、ウエハ裏面研削には、従来のバックグラインドテープを用いた簡便な方法を使用することができる。なお、大域的残留応力緩和膜17bは、大域的な反りがない場合は、残留応力がゼロの膜を成膜すればよいことはいうまでもない。
以上、実施の形態4にかかる撮像装置においては、このように評価サンプルを用いてあらかじめ求められた、マイクロレンズ11形成時に発生する局所的な残留応力を緩和する残留応力緩和膜17が設けられているので、撮像素子ウエハ1を薄肉化しても、該撮像素子ウエハ1に局所的な凹凸が発生しない。このため、薄肉加工時に撮像素子ウエハが割れることがなく、歩留まりが向上する。また、マイクロレンズ11の形成前に残留応力緩和層17が形成されるので、CVD等の高温のプロセスの使用が可能となる。
実施の形態5.
以下、図12を参照しつつ、本発明の実施の形態5を具体的に説明する。なお、実施の形態5にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1の基本的な構成および機能は、実施の形態1〜4にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1と共通である。そこで、説明の重複を避けるため、以下では主として実施の形態1〜4と異なる点を説明する。
図12は、実施の形態5にかかる撮像素子ウエハ1の立面断面図である。実施の形態5にかかる固体撮像装置では、マイクロレンズ11の形成時に局所的な残留応力が発生しないように、局所的な残留応力を緩和するための局所的に残留応力の異なる応力緩和層18を、撮像素子ウエハ1の裏面に形成している。この撮像素子ウエハ1では、ウエハ裏面に局所的な残留応力緩和層18が形成されているので、撮像回路13の形成による残留応力が残ったままの撮像素子ウエハ1を薄肉化する必要がある。そこで、例えば実施の形態2の場合と同様に、ガラス基板等の剛性の高いウエハサポートシステムを用いる必要がある。
この実施の形態5では、ウエハサポートシステムにより、大域的な反りや局所的な凹凸を強制して、ウエハ裏面研削およびストレスリリーフを実施し、この後マイクロレンズ11の位置に局所的に局所残留応力緩和膜18aを形成する。続いて、これらの局所残留応力緩和膜18aの間およびその上部に大域残留応力緩和膜18bを形成して、平坦化を行う。かくして、図12に示すような2層構造の残留応力緩和層18が形成される。この残留応力緩和層18は、マイクロレンズ11に対応する部分にのみ局所的にマイクロレンズ11と逆の残留応力が存在する膜となっており、局所的な凹凸がキャンセルされている。また、大域残留応力緩和膜18bが存在するので、撮像素子ウエハ1の大域的な反りもキャンセルされている。このため、この後のダイシング工程でのウエハの破損を防止することができる。
残留応力緩和層18の形成法としては、樹脂製のマイクロレンズ11が搭載されている場合には、耐熱温度を100℃以下にする必要があるため、スパッタ法やイオンビームスパッタ法等の低温薄膜形成法を用いる。また、残留応力緩和層18は撮像素子ウエハ1の裏面に設けられるので、表面に残留応力緩和層が設けられる場合とは異なり、光透過性はさほど考慮する必要はない。したがって、残留応力緩和層18の材料として、シリコン以外に、アルミニウム、タンタル、ジルコニア、チタン等の酸化膜や窒化膜など、残留応力を制御できる膜であればどのような材料を用いてもよい。なお、大域的残留応力緩和膜18bは、大域的な反りがない場合は、残留応力がゼロの膜を成膜すればよいことはいうまでもない。
以上、実施の形態5によれば、撮像素子ウエハ1の裏面の研削およびストレスリリーフ処理後に、マイクロレンズ11形成時の残留応力を計測するとともに、計測された残留応力と逆の局所的な残留応力を有する2層構造の残留応力緩和層18を撮像素子ウエハ1の裏面に形成しているので、加工後の撮像素子ウエハ1に適した正確な残留応力緩和層18を形成することができる。このため、薄肉加工時に撮像素子ウエハ1が割れることがなく、歩留まりが向上する。
実施の形態6.
以下、図13を参照しつつ、本発明の実施の形態6を具体的に説明する。なお、実施の形態6にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1の基本的な構成および機能は、実施の形態1〜5にかかる固体撮像装置ないしは撮像素子ウエハ1と共通である。そこで、説明の重複を避けるため、以下では主として実施の形態1〜5と異なる点を説明する。
図13は、実施の形態6にかかる固体撮像装置の撮像素子ウエハ1の立面断面図である。実施の形態6にかかる固体撮像装置の撮像素子ウエハ1においては、マイクロレンズ11の形成時に発生する局所的な残留応力が下方に伝播しないように、マイクロレンズ11の下に応力緩衝層19が形成されている。前記のとおり、実施の形態4または実施の形態5では、マイクロレンズ11の形成により発生した残留応力と逆の残留応力を有する残留応力緩和層17、18を、撮像素子ウエハ1の上面側または裏面に形成しているが、実施の形態6では、マイクロレンズ11の下にマイクロレンズ11の形成時に発生する残留応力を緩和する剛性の低い応力緩衝層19を設けている。
実施の形態4または実施の形態5においては、マイクロレンズ11の直下に残留応力緩和層17、18を設ける必要があるので、位置合わせや、パターニング等のプロセスが複雑になる。これに対して、実施の形態6では、応力緩衝層19をマイクロレンズの下一面に形成するだけでよいため、位置合わせや、パターニング等が容易である。なお、この応力緩衝層19の材料としては、アクリル系の接着剤やエポキシ系接着剤などをはじめ,低剛性の膜であれば,どのような材料を用いてもよい。
以上、実施の形態6によれば、マイクロレンズ層の下に、マイクロレンズ形成時に発生する残留応力を緩和する剛性の低い応力緩衝層19が形成されているので、撮像素子ウエハ1を薄肉化しても、マイクロレンズ形成時の残留応力が緩和される。したがって、薄肉加工時に撮像素子ウエハ1が割れることがなく、歩留まりが向上する。また、応力緩衝層19をマイクロレンズの下に一面に形成するだけでよいので、プロセスが簡素化される。
(a)は本発明の実施の形態1にかかる撮像素子ウエハの立面断面図であり、(b)は(a)に示す撮像素子ウエハの一部を拡大して示す立面断面図である。 シリコン基板における、高周波出力と残留応力との関係を実測した結果を示すグラフである。 残留応力緩和層を備えていない、比較例にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。 (a)、(b)は、それぞれ、図3に示す撮像素子ウエハの全体的な反りの形態を示す図である。 図3に示す撮像素子ウエハの局所的な凹凸を示す図である。 撮像素子ウエハの薄肉化工程を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。 (a)〜(c)は、図8に示す撮像素子ウエハにおけるマイクロレンズの形成手法を示す図である。 (a)は図8に示す撮像素子ウエハのマイクロレンズの形成に用いられるマスクの平面図であり、(b)は(a)に示すマスクを用いたレジストの露光・現像手法を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。 本発明の実施の形態5にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。 本発明の実施の形態6にかかる撮像素子ウエハの立面断面図である。
符号の説明
1 撮像素子ウエハ、 2 シリコン基板、 3 受光部、 4 信号読出し部、 5 絶縁膜、 6 転送電極、 7 遮光膜、 8 パッシベーション膜、 9 平坦化膜、 10 カラーフィルタ層、 11 マイクロレンズ、 12 残留応力緩和層、 13 撮像回路、 14 裏面残留応力緩和層、 15 マイクロレンズ、 15a SiO膜、 15b レジスト、 16 マスク、 17 残留応力緩和層、 17a 局所残留応力緩和膜、 17b 大域残留応力緩和膜、 18 残留応力緩和層、 18a 局所残留応力緩和膜、 18b 大域残留応力緩和膜、 19 応力緩和層。

Claims (6)

  1. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置において、
    撮像素子ウエハの評価サンプルウエハを用いてあらかじめ計測された残留応力とは逆の残留応力を有する残留応力緩和層が、前記撮像素子ウエハの撮像素子回路形成側の部分に形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  2. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置において、
    撮像素子ウエハ裏面の研削およびストレスリリーフ処理後に計測された撮像素子ウエハの残留応力とは逆の残留応力を有する残留応力緩和層が、前記撮像素子ウエハの裏面に形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  3. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置において、
    前記マイクロレンズの残留応力がゼロであることを特徴とする固体撮像装置。
  4. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置において、
    撮像素子ウエハの評価サンプルを用いてあらかじめ求められたマイクロレンズ形成時に発生する局所的な残留応力を緩和するように、撮像素子回路形成側においてマイクロレンズ直下の位置に局所的に残留応力緩和層が形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  5. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置おいて、
    撮像素子ウエハ裏面の研削およびストレスリリーフ処理後に計測されたマイクロレンズ形成時の残留応力とは逆の局所的な残留応力を有する2層構造の残留応力緩和層が、前記撮像素子ウエハの裏面に形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
  6. シリコン基板の表層部に形成されて光電変換をなす受光部と、該受光部から出力された信号を読み出す信号読出し部と、該信号読出し部の略直上位置に絶縁膜を介して設けられた転送電極と、該転送電極を覆うように設けられた遮光膜と、該遮光膜の上に設けられたパッシベーション膜および平坦化膜と、該パッシベーション膜または平坦化膜の上に設けられたカラーフィルタ層と、該カラーフィルタ層上において前記受光部の直上に設けられたマイクロレンズとを有する撮像素子ウエハを備えている固体撮像装置において、
    マイクロレンズ層の下に、マイクロレンズ形成時に発生する残留応力を緩和する剛性の低い応力緩衝層が形成されていることを特徴とする固体撮像装置。
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