JP2005044795A - 燃料電池の低温起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水の凍結温度以下でも迅速な始動が確実に遂行され、通常運転に効率的に移行することを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタックの温度が水の凍結温度以下であることが検出された際(ステップS1)、氷点下起動用制御マップに変更し(ステップS2)、前記氷点下起動用制御マップに沿って前記燃料電池スタックの氷点下起動が行われる(ステップS3)。次いで、燃料電池スタックの温度が凍結温度を超過していることが検出された際(ステップS4)、氷点下起動用制御マップを通常起動用制御マップに変更し(ステップS5)、前記通常起動用制御マップに沿って前記燃料電池スタックの起動が行われる(ステップS6)。
【選択図】図4


Description

本発明は、電解質を一対の電極間に配設した電解質・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池を、水の凍結温度以下で起動させるための燃料電池の低温起動方法に関する。
一般的に、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜の両側に、それぞれアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持している。この種の燃料電池は、通常、電解質膜・電極構造体及びセパレータを所定数だけ交互に積層することにより、燃料電池スタックとして使用されている。
この燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子及び酸素が反応して水が生成される。
ところで、この種の燃料電池では、イオン導電性を維持するために、高分子イオン交換膜からなる電解質膜を適度に加湿しておく必要がある。さらに、カソード側電極では、上記のように反応による生成水が存在している。このため、燃料電池を氷点下(水の凍結温度以下)で始動させようとすると、前記燃料電池内の水分が凍結し易く、該燃料電池内で電気化学反応が行われ難いという不具合が指摘されている。
そこで、例えば、特許文献1には、Dupont社製のNAFION(登録商標)及びDow社製の実験用膜(商品番号XUX 13204.10)のような電解質膜は、−20℃の温度であっても十分にイオン的に伝導性を有して燃料電池内で電気化学反応が可能であることが開示されている。
この特許文献1では、上記の電解質膜を用いることにより、水の凝固温度よりも低い温度から燃料電池電力発生装置の作動を開始するための方法を開示している。電力発生装置は、外部電気回路に対して電流を供給するために前記外部電気回路に接続可能な燃料電池堆積体を有している。堆積体は、少なくとも一つの燃料電池を有し、前記燃料電池が、正極と、負極と、これらの間に挿入された水透過性イオン交換膜とを備えた膜電極組立品を具備するとともに、前記膜電極組立品の少なくとも一部の温度が水の凝固温度より低い。そして、この方法は、膜電極組立品の一部の温度が水の凝固温度を超過するように、堆積体から外部電気回路に電流を供給する工程を含んでいる。
特表2000−512068号公報(図3、図6)
上記の特許文献1において、コア温度が−23℃で4個の堆積体が作動を開始した積層体電圧と時間(分)との関係(プロットX)と、堆積体コア温度と時間(分)との関係(プロットY)とが、図7に示されている。
しかしながら、上記の特許文献1では、作動開始後の約4分間、水素の流れる通路が水又は氷により塞がれてしまい、水素の流れが適切に行われていないという問題がある。さらに、4分後に50アンペアの負荷に接続されると、約45アンペアの出力が得られたものの、出力電流は約8秒で約15アンペアまで低下してしまう。これは、生成水が凍結したからである。
このように、特許文献1では、水の凝固温度以下であっても、燃料電池の作動が可能になるものの、氷や生成水の凍結によって所望の始動状態に迅速に移行することが困難であるという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、特に水の凍結温度以下の環境で、迅速な始動が確実に遂行され、通常運転に効率的に移行することが可能な燃料電池の低温起動方法を提供することを目的とする。
本発明では、燃料電池の温度が水の凍結温度以下であることが検出された際、前記燃料電池に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力制御マップが、氷点下起動用制御マップに変更される。
このように、氷点下起動に際し、専用の制御マップに沿って燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力制御が行われている。次いで、燃料電池の温度が凍結温度を超過していることが検出されると、氷点下起動用制御マップから通常起動用制御マップに変更される。
また、氷点下起動用制御マップのガス圧力は、通常起動用制御マップのガス圧力よりも大きく設定されている。
ここで、水の凍結温度以下の環境において、図1に示すように、特定の電圧下で出力電流がガス圧力によって変動し、電圧降下を惹起することがなく、安定して最大電流を取り出すことができることを見出した。その際、ガス圧力が高くなるのに比例して、取り出される出力電流が向上した。
さらに、水の凍結温度以下の環境において、特定の電圧下で、ガス圧力の高低と限界負荷とが、図2に示す関係を有し、前記ガス圧力が通常運転条件のガス圧力より高く設定されると、安定して取り出すことができる限界負荷(最大出力電流)が大きくなるという特質が得られることを見出した。
すなわち、氷点下起動に際し、残留水が電極触媒やガス拡散層に凍結した状態で存在していると、電極反応面積が低下して反応ガスの拡散性が著しく低下する。ところが、供給する反応ガスのガス圧力を高めることにより、電極反応が起こる反応部位に反応ガスを確実に供給することができ、取り出し可能な出力電流が向上するものと考えられる。しかも、氷点下起動の環境において、反応ガスのガス圧力を高めることは、通常運転状態で反応ガスのガス圧力を高めるよりも、発電特性を向上させる効果が大きい。
また、燃料電池の温度が凍結温度以下であることが検出された際、少なくとも酸化剤ガスの流量制御マップを、氷点下起動用制御マップに変更することが好ましい。
さらに、氷点下起動用制御マップのガス流量は、通常起動用制御マップのガス流量よりも大きく設定されることが好ましい。
さらにまた、酸化剤ガスは、圧縮機により加圧されるとともに、燃料電池の発電電力によって前記圧縮機を駆動することが好ましい。自己発熱が促進されて昇温が迅速に行われるからである。
また、燃料電池に供給されて該燃料電池から排出された燃料ガスは、前記燃料電池に循環供給されることが好ましい。排ガス(燃料ガス)の熱量を利用して昇温が迅速に行われるからである。
本発明によれば、燃料電池の温度が水の凍結温度以下であることが検出された際、燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力制御マップが、氷点下起動用制御マップに変更される。このため、水の凍結温度以下の環境において、高負荷の電流を速やかに印加することができ、燃料電池内での生成水の凍結等を阻止して前記燃料電池を迅速に温めることが可能になる。
次いで、燃料電池の温度が凍結温度を超過していることが検出されると、氷点下起動用制御マップから通常起動用制御マップに変更される。従って、燃料ガス及び酸化剤ガスを効率的に使用して、燃料電池を良好に通常起動状態に移行させることができる。
また、ガス圧力を高く設定することにより、氷点下起動時に発生する触媒活性の低下や、生成水の凍結によるガス拡散性能の低下を補うことができ、氷点下起動時に高負荷を確実に印加することが可能になる。このため、高負荷を印加することによって燃料電池の発熱量が増大し、前記燃料電池は、水の凍結温度を超過する温度まで迅速に昇温することができる。
しかも、ガス圧力が高くなるため、ポンプ等の補器類の消費電力が増大して燃料電池に対する要求負荷が増加し、前記燃料電池がより一層発熱して昇温速度が速くなる。従って、燃料電池は、短時間で凍結温度を超過する温度に迅速に昇温され、氷点下起動が効率的に遂行されて安定した運転に速やかに移行することが可能になる。
さらに、カソード側電極では、酸化剤ガスのガス流量が、通常起動時の酸化剤ガスのガス流量よりも大きく設定されている。このカソード側電極では、特に反応により生成水が生成されるため、酸化剤ガスのガス流量が増加することによって、前記生成水を燃料電池の外部に確実に排出することができ、該生成水の凍結によるガス拡散性能の低下等を良好に抑制することが可能になる。
図3は、本発明の実施形態に係る燃料電池の低温起動方法を実施するための燃料電池システム10の概略構成説明図である。
燃料電池システム10は、例えば、自動車等の車両に搭載されており、燃料電池スタック12を備える。この燃料電池スタック12は、複数の発電セル(燃料電池)14を矢印A方向に積層するとともに、積層方向両端にエンドプレート16a、16bが配置されており、前記エンドプレート16a、16bが図示しない締め付けボルトにより積層方向に締め付けられている。
発電セル14は、例えば、固体高分子電解質膜18aの両側にアノード側電極18bとカソード側電極18cとを配置した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)18と、前記電解質膜・電極構造体18を挟持する一対のセパレータ20、22とを備える。アノード側電極18bには、燃料ガスとして、例えば、水素ガスが供給される一方、カソード側電極18cには、酸化剤ガスとして、例えば、酸素を含む空気が供給される。
エンドプレート16aには、各発電セル14に水素ガスを供給するための水素供給口24aと、前記発電セル14に空気を供給するための空気供給口26aとが設けられる。エンドプレート16bには、発電セル14から排出される未使用の水素ガスを含む排ガスを排出するための水素排出口24bと、前記発電セル14から排出される未使用の酸素を含む空気を排出するための空気排出口26bとが設けられる。
燃料電池システム10は、燃料ガス供給系28と、酸化剤ガス供給系30と、図示しない冷却媒体供給系とを備える。燃料ガス供給系28は、燃料電池スタック12に水素ガスを供給する水素供給流路32と、前記燃料電池スタック12から未使用の水素ガスを含む排ガスを排出する水素排出流路33と、前記排ガスを前記水素供給流路32の途上に戻して該燃料電池スタック12に供給するための水素循環流路34とを備える。
水素供給流路32には、高圧水素を貯留する水素タンク36と、前記水素タンク36から供給される水素ガスの圧力を減圧するレギュレータ38と、減圧された前記水素ガスを燃料電池スタック12に供給するとともに、水素循環流路34から排ガスを吸引して前記燃料電池スタック12に戻すためのエゼクタ40と、燃料電池スタック12に供給される水素ガスの圧力を検出する圧力計42とが配設される。
水素排出流路33には、燃料電池スタック12から排出される排ガスを廃棄するためのパージバルブ44が配設される一方、水素循環流路34には、前記燃料電池スタック12に供給される水素ガスの流量を制御するためのポンプ46が配設される。
酸化剤ガス供給系30は、燃料電池スタック12に空気を供給する空気供給流路48と、前記燃料電池スタック12から排出される未使用の空気を含む排ガスを外部に廃棄するための空気排出流路50とを備える。
空気供給流路48には、空気を圧縮して供給するためにスーパーチャージャ(又はコンプレッサ)52と、燃料電池スタック12に供給される空気の圧力を検出する圧力計54とが設けられる。空気排出流路50には、燃料電池スタック12の空気出口温度を検出する温度計56と、前記燃料電池スタック12に供給される空気の圧力を制御するための圧力調整バルブ58とが設けられる。
このように構成される燃料電池システム10の動作について、図4に示すフローチャートに沿って以下に説明する。
燃料電池システム10は、CPU(central processing unit)60を介して駆動制御されており、先ず、このCPU60に駆動信号が入力される。このため、燃料電池システム10の駆動が開始されるとともに、温度計56を介して燃料電池スタック12の空気出口温度が検出される(ステップS1)。この空気出口温度に基づいて、環境温度が水の凍結温度以下(0℃以下)であると判定されると(ステップS1中、YES)、ステップS2に進んで、氷点下起動用制御マップに変更される。
なお、燃料電池スタック12の空気出口温度を検出する代わりに、前記燃料電池スタック12の冷却媒体出口温度を検出したり、電解質膜・電極構造体18に熱電対を設けて前記電解質膜・電極構造体18の温度を直接検出したりしてもよい。
氷点下起動用制御マップは、燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力制御マップと、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの流量制御マップとを有する。圧力制御マップは、図5に示すように、通常起動条件(0℃以上の通常起動制御条件)に比べて、ガス圧力が大きく設定される。氷点下起動時には、図1に示すように、ガス圧力と出力電流とが比例しており、できるだけ高い負荷を印加するためには、前記ガス圧力を可能な限り高く設定する必要があるからである。
ただし、ガス圧力は、燃料電池スタック12の通常運転時のガス圧力の上限(ガス耐圧限界)を超えない範囲に設定されるとともに、スーパーチャージャ52等の補器の仕様限界を超えないことが必要である。また、流量制御マップは、少なくとも酸化剤ガスの流量を増加させればよく、燃料ガスの流量は、必ずしも増加させる必要はない。
上記のように変更された氷点下起動用制御マップに沿って、燃料電池スタック12の氷点下起動が行われる(ステップS3)。具体的には、図3に示すように、水素タンク36から水素供給流路32に供給される水素ガスは、レギュレータ38を介して所定の圧力に調整され、エゼクタ40を通って燃料電池スタック12の水素供給口24aに供給される。
水素供給口24aに供給された水素ガスは、各発電セル14を構成するアノード側電極18bに沿って移動した後、未使用の水素ガスを含む排ガスは、水素排出口24bから水素排出流路33に排出されて水素循環流路34に送られる。水素循環流路34に排出された排ガスは、エゼクタ40の吸引作用下に、水素供給流路32の途上に戻された後、再度、燃料電池スタック12内に燃料ガスとして供給される。その際、温まった排ガスが循環されることにより、この排ガスの熱量を始動時に有効に利用することができる。
一方、空気は、スーパーチャージャ52を介して空気供給流路48に供給される。この空気は、空気供給口26aから各発電セル14のカソード側電極18cに供給され、未使用の空気を含む排ガスが、空気排出口26bから空気排出流路50に排出される。
これにより、各発電セル14では、アノード側電極18bに供給される水素ガスと、カソード側電極18cに供給される空気中の酸素とが反応して発電が行われる。
この場合、燃料ガス供給系28では、水素ガスのガス圧力がレギュレータ38を介して所定の圧力に調整されるとともに、前記水素ガスのガス流量が水素循環流路34に配置されたポンプ46を介して所定の流量に調整されている。従って、水素ガスは、ガス圧力及びガス流量が通常起動時のガス圧力及びガス流量よりも大きく設定されて燃料電池スタック12に供給される。
一方、酸化剤ガス供給系30では、酸化剤ガスのガス圧力が圧力調整バルブ58を介して所定の圧力に調整されるとともに、前記酸化剤ガスのガス流量がスーパーチャージャ52の回転数制御によって所定の流量に調整される。このため、酸化剤ガスは、ガス圧力及びガス流量が通常起動時のガス圧力及びガス流量よりも大きく設定されて燃料電池スタック12に供給される。
このように、燃料電池スタック12に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスのガス圧力を、通常起動時に比べて高く設定することにより、氷点下起動時に発生する触媒活性の低下や、生成水の凍結によるガス拡散性能の低下を補うことができ、氷点下起動時に高負荷を確実に印加することが可能になる。従って、高負荷を印加することにより各発電セル14の発熱量が増大し、前記発電セル14は、水の凍結温度を超過する温度まで迅速に昇温することができる。
しかも、ガス圧力が高くなるため、スーパーチャージャ52等の補器類の消費電力が増大して燃料電池スタック12に対する要求負荷が増加し、前記燃料電池スタック12がより一層発熱して昇温速度が速くなる。その上、燃料ガス及び酸化剤ガスは、断熱圧縮の効果によりガス自体の温度も上昇する。このため、燃料電池スタック12は、短時間で水の凍結温度を超過する温度に迅速に昇温され、氷点下起動が効率的に遂行されて水の凍結温度を超過する温度に速やかに移行することが可能になるという効果が得られる。
さらに、カソード側電極18cでは、酸化剤ガスのガス流量が、通常起動時の酸化剤ガスのガス流量よりも大きく設定されている。このカソード側電極18cでは、特に反応により生成水が生成されるため、酸化剤ガスのガス流量が増加することによって、前記生成水を燃料電池スタック12の外部に確実に排出することができ、該生成水の凍結によるガス拡散性能の低下を抑制することが可能になる。
図6には、燃料ガス及び酸化剤ガスのガス圧力の高低とガス流量の増量の有無とを組み合わせた際、出力電流と電圧との関係がラインA〜ラインDに示されている。図6から了解されるように、燃料ガス及び酸化剤ガスのガス流量が増量しても、ガス圧力が低く設定されている場合には、取り出すことができる出力電流が小さくなってしまう(ラインB参照)。
これに対して、ガス圧力が高く設定されている場合には、燃料ガス又は酸化剤ガスの一方のみのガス流量が増量されていても、比較的に大きな出力電流が得られる(ラインC及びD参照)。特に、酸化剤ガスのガス流量を増量することによって、相当に大きな出力電流が得られ、効率的な氷点下起動が遂行可能になる(ラインC参照)。
次いで、燃料電池スタック12の温度が、凍結温度を超過する温度(0℃を超える温度)になったことが検出されると(ステップS4中、YES)、ステップS5に進んで、通常起動用制御マップに変更される。この通常起動用制御マップでは、燃料ガス及び酸化剤ガスのガス圧力とガス流量とが、氷点下起動時に比べて低く設定されている。
ガス圧力を下げることによって、燃料ガス及び酸化剤ガスの体積流量が増加し、各発電セル14内の図示しない燃料ガス流路内及び酸化剤ガス流路内でのガス流速が速くなる。従って、燃料ガス流路内及び酸化剤ガス流路内でフラッディングが発生することを阻止できる。
これにより、ガス圧力及びガス流量が低くなって負荷が減少し、燃料電池システム10全体の効率が有効に向上して燃料電池スタック12の通常起動処理が経済的に遂行される(ステップS6)。
上記の通常起動処理が継続されることにより、燃料電池スタック12の温度が所定の温度T℃を超えると(ステップS7中、YES)、ステップS8に進んで、通常運転用制御マップに変更される。そして、燃料電池スタック12は、低温起動が終了して通常運転に移行する。
水の凍結温度以下の環境における出力電流とガス圧力との関係図である。 水の凍結温度以下の環境におけるガス圧力の高低と限界負荷との関係図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池の低温起動方法を実施するための燃料電池システムの概略構成説明図である。 前記低温起動方法のフローチャートである。 ガス圧力制御マップの説明図である。 ガス圧力の高低とガス流量の増量の有無とを組み合わせた際、出力電流と電圧との関係図である。 特許文献1の低温起動の説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム 12…燃料電池スタック
14…発電セル 16a、16bエンドプレート
18…電解質膜・電極構造体 18a…固体高分子電解質膜
18b…アノード側電極 18c…カソード側電極
20、22…セパレータ 28…燃料ガス供給系
30…酸化剤ガス供給系 32…水素供給流路
33…水素排出流路 34…水素循環流路
36…水素タンク 38…レギュレータ
40…エゼクタ 42、54…圧力計
44…パージバルブ 46…ポンプ
48…空気供給流路 50…空気排出流路
52…スーパーチャージャ 56…温度計
58…圧力調整バルブ 60…CPU

Claims (6)

  1. 電解質を一対の電極間に配設した電解質・電極構造体と、セパレータとが積層される燃料電池を、水の凍結温度以下の温度で起動させるための燃料電池の低温起動方法であって、
    前記燃料電池の温度が前記凍結温度以下であることが検出された際、前記燃料電池に供給される燃料ガス及び酸化剤ガスの圧力制御マップを、氷点下起動用制御マップに変更する工程と、
    前記氷点下起動用制御マップに沿って前記燃料電池の起動を行う工程と、
    前記燃料電池の温度が前記凍結温度を超過していることが検出された際、前記氷点下起動用制御マップを通常起動用制御マップに変更する工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
  2. 請求項1記載の低温起動方法において、前記氷点下起動用制御マップのガス圧力は、前記通常起動用制御マップのガス圧力よりも大きく設定されることを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
  3. 請求項1又は2記載の低温起動方法において、前記燃料電池の温度が前記凍結温度以下であることが検出された際、少なくとも前記酸化剤ガスの流量制御マップを、氷点下起動用制御マップに変更することを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
  4. 請求項3記載の低温起動方法において、前記氷点下起動用制御マップのガス流量は、前記通常起動用制御マップのガス流量よりも大きく設定されることを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の低温起動方法において、前記酸化剤ガスは、圧縮機により加圧されるとともに、前記燃料電池の発電電力によって前記圧縮機を駆動することを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の低温起動方法において、前記燃料電池に供給されて該燃料電池から排出された燃料ガスは、前記燃料電池に循環供給されることを特徴とする燃料電池の低温起動方法。
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