JP2005043051A - 原子力プラント構造材料の応力腐食割れを緩和する方法 - Google Patents

原子力プラント構造材料の応力腐食割れを緩和する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子炉冷却水中放射性コバルトCo−60濃度の上昇等の副作用を生じさせずに主蒸気配管線量率上昇を抑制できる原子炉構造材料の応力腐食割れ緩和方法を提供する。
【解決手段】沸騰水型原子力発電プラントの原子炉炉水中に、酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入する。原子炉炉水に酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入することにより、コバルトCo−60濃度の上昇等の副作用を生じさせずに原子炉構造材料の応力腐食割れを緩和することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子力発電プラント(以下「BWR」という。)の予防保全技術に係わり、特に原子炉構造材料の応力腐食割れ(以下「SCC」という。)を緩和する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
BWRにおいてプラント稼働率向上の観点から、炉内構造物や圧力境界を構成する材料(ステンレス、ニッケル基合金)のSCCを抑制することが重要な課題となっている。SCCは、材料,応力,環境の3因子が重畳したときに起こる。従って、3因子の内、少なくとも1因子を緩和することによりSCCを緩和することができる。
【0003】
プラント運転中、炉心の強いガンマ線及び中性子線により、原子炉冷却水が放射線分解する。その結果、炉内構造物や圧力境界を構成する構造材料は、放射線分解生成物である酸素及び過酸化水素が数百ppb 程度存在する高温(本発明では100℃以上を高温とし、定格出力運転時の炉心出口温度は288℃)の原子炉冷却水に曝されることとなる。図2に、SCCにおけるき裂進展速度(以下「CGR」という。)と腐食電位(以下「ECP」という。)の関係を表す。図2から、ECPが低下するとCGRが減少することがわかる。図3に、酸素及び過酸化水素の濃度と高温水中における304型ステンレス鋼(以下「304SS」という。)のECPとの関係を測定した結果を示す。酸素も過酸化水素も濃度が高いほどECPが高くなる。従って、原子炉冷却水に曝された構造材料のSCCを緩和するためにはECPを低減すること、つまり、原子炉水中に存在する酸素及び過酸化水素の濃度を低減することが必要である。
【0004】
この課題に対して、給水系から水素を添加する技術(以下「水素注入」という。)がある。水素注入は、注入した水素と水の放射線分解によって生じた酸素及び過酸化水素とを反応させて水に戻すことにより、炉水中の酸素及び過酸化水素の濃度を低減する技術である。しかし、水素注入を行うと水の放射化により生じた放射性窒素16(以下「N−16」という。)が蒸気と共に移行しやすくなり、このN−16がタービン建屋の線量率を上昇させる。給水水素濃度に対する実効酸素濃度((酸素濃度)+0.5×(過酸化水素濃度))及び主蒸気配管線量率相対値の関係を図4に示す。給水水素濃度の増加に伴い実効酸素濃度は低下するが、同時に主蒸気配管線量率相対値が上昇することがわかる。
【0005】
この課題に対して、材料表面に白金族元素を付着させて水素と酸素,過酸化水素の反応を加速させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。この技術により、主蒸気配管線量率上昇を抑制しつつECPを低減することができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2766422号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、水素と酸素及び過酸化水素との反応を加速させるために材料表面に白金族元素を付着させると、原子炉冷却水中放射性コバルトCo−60の濃度が上昇するという新たな問題が生じる。
【0008】
本発明の目的は、原子炉冷却水中放射性コバルトCo−60濃度の上昇等の副作用を生じさせずに主蒸気配管線量率上昇を抑制できる原子炉構造材料の応力腐食割れ緩和方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
沸騰水型原子力発電プラントの原子炉炉水中に、酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入する。原子炉炉水に酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入することにより、コバルトCo−60濃度の上昇等の副作用を生じさせずに原子炉構造材料の応力腐食割れを緩和することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
主蒸気配管線量率の上昇は、原子炉冷却水の水素濃度により決定される。給水水素濃度に対する原子炉圧力容器底部冷却水の実効酸素濃度の低下効果はプラントの設計条件に依存する。しかし図4に示したように、主蒸気配管線量率の上昇が始まる給水水素濃度はプラントの種類や大きく依らず、0.4ppm付近となる。これは、沸騰水型原子炉のほとんどは給水流量と炉心流量の比(平均蒸気クオリティ)が13%程度の値に設計されており、給水濃度が同じであれば、炉水に注入した水素量もプラントにより大きく異ならないためである。従って、炉心部でのN−16の関与する化学反応もほぼ同じ条件で進行し、主蒸気系線量率の変化も類似の挙動を示すことになる。従って、原子炉冷却水に注入したときに、水素濃度に大きく影響を与えずに原子炉冷却水中の酸素及び過酸化水素濃度を低減し、かつpH及び導電率の変化が水質の管理基準の範囲内であるような化合物を原子炉冷却水に注入すれば、主蒸気系線量率の上昇を伴わずにECPを低下させてSCCを抑制することが達成できる。
【0011】
発明者は、ヒドロキシルアミン,カーボヒドラジド,ヒドラジン,アンモニア,ジアジン等の窒化水素など、窒素分子より酸化数の小さい状態の窒素を含む窒素化合物(以下「還元性窒素化合物と」いう。)がこの条件を満たす還元剤であることを見出した。第1の理由として、放射線の線量が小さい時期においても、還元性窒素化合物自身の酸化還元反応により材料のECPを低減する。還元性窒素化合物としてヒドラジン注入した場合の280℃の高温水中、酸素共存下での304SSのECPの測定結果を図5に示す。ヒドラジン濃度の増加に伴いECPが低下する。ヒドラジンにより酸素を消費し、酸素濃度の低減によりECPが低下するのであれば、過剰のヒドラジンでは−0.5VvsSHE まで低下する。しかし測定結果は−0.2V(SHE)で飽和する傾向がみられ、ヒドラジンの酸化還元反応によるものと考えることができる。更にこの測定結果から添加濃度が一定量以上でECPが飽和することがわかった。これは、ヒドラジンと酸素の反応時間が高温水中で秒のオーダで進むことを示している。従って、BWRのように給水から入って炉心に届くまでに秒単位の時間がかかる場合にも、低下は飽和傾向を示すことが予想される。そこで発明者は、還元性窒素化合物を注入すればECPを低減できることを確認すると共に、注入量に上限を設けることで経済性よくECPを低減できることを見出した。
【0012】
第2の理由として、還元性窒素化合物は(数式1)の様に酸化して窒素分子となる際に、(数式2)や(数式3)に従って酸素,過酸化水素を還元するためである。放射線の線量が大きい時期においてはラジカルの生成などによりその反応が促進される。
2N−n−R → N+2ne+R2n+ …(数式1)
+4HO+4e → 4OH …(数式2)
+2e → 2OH …(数式3)
(Rは還元性窒素化合物の構成分子の残りの部分)
【0013】
また、還元性窒素化合物としてはヒドラジンがより好ましい。その理由は次の3点である。(1)酸素や過酸化水素と(数式4),(数式5)のように反応し、pHや導電率に影響しない窒素分子及び水になる。そのため水素を放出しない。炭素を含むと二酸化炭素を生成し炭酸となって導電率上昇やpH低下という副次効果が生じてしまうが、ヒドラジンは炭素を含まないためこのような問題は生じない。
+O → N+2HO …(数式4)
+2H → N+4HO …(数式5)
【0014】
(2)水素と比較して酸素や過酸化水素との反応速度が速い。そのため速やかに反応して窒素と水になり、残留による導電率の上昇が起こり難い。
【0015】
(3)液体であり、化学的にも安定で取り扱いが容易である。従って、高圧の部位においてもポンプにより注入することができる。
【0016】
但し、ヒドラジンはγ線照射を受けると(数式6)の反応を起こし、窒素の他にアンモニアと水素を放出する。
→ NH +(1/2)N+(1/2)H …(数式6)
【0017】
しかし、この場合でも放射線照射によって、Nとラジカルの反応によりNラジカルが生成し、酸素と非常に速く反応する。従って、酸素あるいは過酸化水素に対し過剰量で注入しなければ、(数式6)によるアンモニアと水素の生成はわずかとなって、水質及び主蒸気系線量率への影響を最小限にする制御が可能であることを発明者は見いだした。
【0018】
以上の反応を確認するために、280℃の酸素を含む高温水にヒドラジンを添加し、更にCo−60線源を使ってγ線を照射したときに酸素濃度及び副生成物濃度がヒドラジン濃度に対してどのように変化するかを実験した。その結果を図6に示す。(数式4)の反応の化学量論量に対して、酸素濃度がヒドラジン濃度より過剰に存在するときは、酸素濃度は低減し、アンモニアや水素が発生しない。一方、ヒドラジン濃度が酸素濃度より過剰に存在すると、酸素は消費されるがアンモニアや水素も生じる。以上の結果よりヒドラジンは酸素が存在する場合はγ線照射下でも(数式6)の反応が生じず、酸素と反応して窒素と水になることが確認された。
【0019】
更に、過剰のヒドラジンはγ線照射によりアンモニアや水素に分解することがわかった。このことから発明者は、原子炉圧力容器底部冷却水中のアンモニア濃度がヒドラジン注入量を制御するための指標となることを見出した。これは、アンモニアが存在すればヒドラジンが酸素,過酸化水素を消費するのに十分な量以上存在していたことを示すためである。アンモニアは室温付近ではアンモニウムイオンと水酸化物イオンを生成するため導電率やpHを測定することで間接的にその存在を確認することができる。一方、ヒドラジンが不足した場合はアンモニアが生じない。従って、原子炉底部のアンモニア濃度は原子炉冷却水中のヒドラジンによる脱酸化剤効果を判定する指標として有用である。
【0020】
ヒドラジン注入の効果は、原子炉圧力容器底部の冷却水中酸素濃度を測定したり、原子炉圧力容器底部からのドレンラインに設置したECPセンサを用いて、ECPを測定することでヒドラジン注入の効果をモニターと組み合わせれば効果を確実に評価することができる。
【0021】
発明者は還元性窒素化合物の注入と水素注入とを併用し、更にそれらの濃度を適切に制御すれば、より経済性が良く、且つ副次効果を少なく原子炉冷却水中の酸素,過酸化水素濃度を低減できることを見出した。還元性窒素化合物の注入だけでも原子炉冷却水中の酸素,過酸化水素濃度を低減できるが、一般的に等モルあたりの価格は、水素よりも還元性窒素化合物の方が高い。また、還元性窒素化合物を高濃度で注入することになるので、酸素と過酸化水素を消費する最適量での制御を厳密に実施しなければ、過剰となった還元性窒素化合物から発生するアンモニアの影響を受ける。従って水素注入によって消費できない酸素,過酸化水素の残りを還元性窒素化合物で水にするのが、必要還元性窒素化合物を最少にでき、制御の余裕が生じるためにより好ましい。
【0022】
図7には、水素注入を行った場合の原子炉上部の実効酸素濃度解析結果を示す。水素注入を行うと原子炉上部の酸素,過酸化水素濃度が低減されることがわかる。これは原子炉圧力容器底部冷却水中に存在した水素が、炉心での水の放射線分解による酸素,過酸化水素の生成を抑制するためである。この効果は還元性窒素化合物を添加しても得られ難い。原子炉上部の酸素,過酸化水素濃度が低減されると、原子炉冷却水中の酸素,過酸化水素を消費するのに必要な還元性窒素化合物量を低減できる。前述のように主蒸気配管線量率の増加は、給水中の水素濃度が約0.4ppm以上になったときに生じる。従って、給水水素濃度0.4ppm以下では主蒸気系線量率の上昇は生じず、かつ還元性窒素化合物を添加しても、原子炉冷却水中の水素濃度が大きく増加しないため、水素注入と還元性窒素化合物の添加を併用しても主蒸気系線量率の増加にはつながらない。更に、水素注入と還元性窒素化合物の添加を併用した場合、還元性窒素化合物から生じた窒素分子が、酸化数の大きい亜硝酸や硝酸に酸化し難くなるメリットもある。還元性窒素化合物が酸素や過酸化水素より少ない場合、還元性窒素化合物が完全に反応した部位の下流では、反応しなかった酸素,過酸化水素と、生成した窒素が存在し、窒素が酸化されて、亜硝酸や硝酸となる場合がある。亜硝酸や硝酸は導電率が上昇したり、pHを低下させる要因となるため好ましくない。これらの酸化性の陰イオンは、原子炉冷却水に少量存在しているだけではSCCを著しく加速する原因とはならないが、pHの低下により配管表面や燃料上の酸化物の安定性が低下して、炉水の放射能濃度に影響を与えることが懸念される。従って、水素注入を併用して、還元性窒素化合物が反応できなくなった後も、原子炉冷却水を還元雰囲気に保持することが好ましい。主蒸気系線量率をモニターしたり、原子炉圧力容器底部の冷却水中の水素濃度を測定したりすることで、水素注入量を適正化できる。
【0023】
また発明者は、アルコール(C2n+1OH、n:自然数)が水素濃度に大きく影響を与えずに原子炉冷却水中の酸素及び過酸化水素濃度を低減できる化合物であることを見出した。アルコールは(数式7),(数式8)により酸素や過酸化水素と反応して二酸化炭素と水になる。
2n2n+1OH+(3n/2)O → nCO+(n+1)HO …(数式7)
2n2n+1OH+3nH → nCO+(4n+1)HO …(数式8)
【0024】
但し、ヒドラジンの場合と異なり、γ線照射のない場合は(数式7),(数式8)の反応は生じない。このことを確かめるために280℃の高温水中にアルコールとしてメタノールを注入し、γ線を照射した場合としなかった場合の304SSのECP測定を行った。その結果を図8に示す。図3より304SSのECPは溶存酸素が300ppbの場合、約0.1V(SHE)で、溶存酸素の低下に伴いECPは低下し、溶存酸素10ppb 以下で約−0.5V(SHE)となる。γ線照射が無い場合、酸素がメタノールと反応せずに残っていたためECPは約0.1V(SHE)になり、γ線照射がある場合、酸素がメタノールと反応して酸素濃度が低下し、ECPは約−0.25V(SHE)となったと考えられる。このことから、メタノールはγ線照射がある場合のみ酸素と反応することが確認された。
【0025】
一方、アルコールが酸素や過酸化水素と反応するとCOが生成し、(数式9)により水と反応して炭酸イオンになる。
CO+HO → HCO → H+HCO → 2H+CO 2− …(数式9)
【0026】
そのため、原子炉水の導電率を上昇させ、pHを低下させるディメリットがある。そのため、ヒドラジンなどの還元性窒素化合物と併用することが適切と考えられる。ヒドラジンなどの還元性窒素化合物はγ線照射が無くても酸素,過酸化水素と反応するが、メタノールなどのアルコールはγ線照射がないと酸素,過酸化水素と反応しない。このことからヒドラジンなどの還元性窒素化合物の方が、メタノールなどのアルコールよりも反応性が大きく優先して酸素,過酸化水素と反応すると考えられる。このことにより、ヒドラジンなどの還元性窒素化合物を酸素,過酸化水素と反応の化学量論量より少なめに注入し、残りの酸素,過酸化水素と反応するのに必要なメタノールなどのアルコールを注入すると、ヒドラジンなどの還元性窒素化合物を単独で注入する場合に問題となるアンモニアの生成を抑制できる。また、アンモニアからアンモニウムイオンが生じてpHがアルカリ性にシフトしても炭酸イオンによりpHが中性側に戻されるメリットがある。
【0027】
更に、マンガン,亜鉛,モリブデン,タングステンなどのイオンや酸化物や水酸化物を炉水に添加すると、それらと還元性窒素化合物の酸化還元反応により(数式4),(数式5)の反応が促進され、酸素,過酸化水素濃度を低減することによりECPを低減できることが期待できる。
【0028】
本発明を適用するBWRについて図1を用いて説明する。BWRは復水冷却器13,復水ろ過脱塩器3,給水ポンプ4,給水加熱器5,核燃料の装荷された原子炉圧力容器1を給水系配管6で接続し、原子炉圧力容器1とタービン2を主蒸気配管14で接続することにより閉ループを構成する。原子炉冷却剤として水を用い、原子炉圧力容器1で水を蒸気にする。この蒸気によりタービンを回転させ、発電機(図示せず)を回転させることにより発電を行う。蒸気は復水冷却器13で水に戻され、復水ろ過脱塩器3で不純物が除去され、給水ポンプ4で給水過熱器5を通して原子炉圧力容器1に戻される。これとは別に原子炉圧力容器1下部と、再循環ポンプ7、ジェットポンプ15入り口を原子炉冷却水再循環系配管16により接続する。原子炉冷却水再循環ポンプ7により炉心に流れる冷却水流量を増加させることにより熱出力を増加させる。ABWRでは原子炉冷却水再循環系配管16はなく、再循環ポンプ7は圧力容器内1に設置されたインターナルポンプの構造となっている。ここでは、原子炉冷却水再循環系配管16を有する原子炉を用いて説明する。この原子炉では原子炉冷却水再循環系配管16上流側と原子炉冷却水浄化系ポンプ9,原子炉冷却水浄化系熱交換器11,原子炉冷却水ろ過脱塩器12と給水系配管6を原子炉冷却水浄化系配管10で接続し原子炉冷却水浄化系ポンプ9で原子炉水を、原子炉冷却水ろ過脱塩器12に通水することにより、原子炉水中の不純物を浄化する。また、原子炉圧力容器1の底部と原子炉冷却水浄化系配管10とを接続するボトムドレン配管8が設置されている。更に、原子炉圧力容器1の炉心上部に非常時に炉心を冷却するために原子炉炉心に冷却水を注入する非常用炉心冷却系や、原子炉の核燃料の核反応を制御する制御棒を駆動させるために冷却水を注入する制御棒駆動水圧系が設置されている(図示せず)。さらに各系統配管での水質を水質モニター21〜25でモニターし、主蒸気配管線量率測定器26で主蒸気配管14の線量率をモニターする。尚、ABWRの場合、原子炉圧力容器1上部から原子炉水の一部を引き出し、原子炉冷却水浄化系熱交換器11を通して冷却し原子炉水浄化装で原子炉水中の不純物を除去し、給水系配管6に戻す原子炉冷却水浄化系配管10が設置されている。
【0029】
上記のBWRにおいて、SCC緩和のために還元性窒素化合物を注入する時期は次の2つの時期に大別され、時期により注入場所が変わる。
(1)起動,停止時 …制御棒引抜から給水系から冷却水が注入されるまでの原子炉起動運転時,給水系からの冷却水注入停止以降から制御棒全挿入までの原子炉停止運転時。
(2)運転時 …(1)の期間を除く原子炉起動時,定格運転時,原子炉停止時。
【0030】
起動,停止時の場合は給水系から水素や還元性窒素化合物を冷却水中に注入しても、原子炉圧力容器内に水素や還元性窒素化合物を送ることができない期間である。そのため、原子炉圧力容器に水素や還元性窒素化合物を注入するには、原子炉圧力容器に冷却水を供給できる原子炉冷却水再循環系,原子炉冷却水浄化系,非常用炉心冷却系,制御棒駆動水注入系の中から選ばれた1箇所以上の系統配管を流れる冷却水に水素や還元性窒素を注入する必要がある。起動・停止時には、炉心からの放射線強度が弱く、水素注入の場合には酸素,過酸化水素の除去の効率が低くなると想定される。そこで、放射線の作用が無くとも酸素や過酸化水素と反応する還元性窒素化合物注入が特に有効である。蒸気流量が少なく、かつタービンバイパス弁が開いたときにのみ蒸気が復水器に流れるため、アンモニアの飛散の影響についても無視できる。また、炉水のアンモニア濃度への許容量も定格運転時よりも多いため、この期間は還元性窒素化合物注入の効果が極めて良い。
【0031】
一方、定格運転時の場合は給水系,原子炉冷却水再循環系、原子炉冷却水浄化系、非常用炉心冷却系,制御棒駆動水注入系の中から選ばれた1箇所以上から還元性窒素化合物が注入される。水素注入点は通常、圧力の低い復水ポンプの吸い込み側に取るため、水素注入点と還元性窒素化合物注入点のとりあいには問題がないので、同時に実施できる。
【0032】
水の放射線分解による酸素,過酸化水素の主要発生場所は原子炉炉心である。そのため炉心に直接冷却水を供給できる非常用炉心冷却系,制御棒駆動水注入系は、酸素,過酸化水素の発生源に直接、水素や還元性窒素化合物を注入できるため、酸素,過酸化水素を早期に減少させることができるメリットがある。さらに、非常用炉心冷却系の配管内面は通常、水が停滞しており、強い放射線に曝される結果、SCCが発生しやすい環境となっている。そこで、還元性窒素化合物を常時流通すれば、配管のSCCが防止でき、非常時に使用する系統の健全性を確保することができる。
【0033】
給水系配管6から還元性窒素化合物を注入する場合は、給水加熱器5の下流が好ましい。給水系配管6は炭素鋼が使用されており、その中を流れる冷却水には配管の腐食抑制のため酸素が注入されている。酸素との反応は材料表面が触媒として作用する可能性があり給水加熱器5のように流体体積に対して表面積の大きい部位では酸素と還元性窒素化合物の反応が無視できなくなり、還元性窒素化合物の利用率が低下する可能性がある。さらに好ましくは、給水系配管6の冷却水の水質モニター21の下流から還元性窒素化合物を注入することが望ましい。水質モニター21では原子炉圧力容器に持ち込まれる冷却水中不純物を導電率によりモニターしている。その上流から注入すると、還元性窒素化合物がイオンに解離する場合、導電率が上昇し、不純物の有無をモニターできなくなるためである。
【0034】
原子炉冷却水浄化系配管10から還元性窒素化合物を注入する場合は、原子炉冷却水ろ過脱塩器12の下流から注入することが好ましい。これは還元性窒素化合物がイオン化した場合、原子炉冷却水ろ過脱塩器12で捕捉され原子炉圧力容器1内での還元性窒素化合物の利用率が低下するためである。さらに好ましくは原子炉冷却水ろ過脱塩器12下流の水質モニター24の下流から還元性窒素化合物を注入することが望ましい。水質モニター24では原子炉冷却水ろ過脱塩器12を通りぬける冷却水中不純物を導電率によりモニターしている。その上流から注入すると還元性窒素化合物がイオン化した場合、導電率が上昇し、不純物の有無をモニターできなくなるためである。
【0035】
本発明による還元性窒素化合物の冷却水中への注入に関する実施例を以下に示す。
【0036】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例として、起動,停止時に還元性窒素化合物のみを注入する実施例を示す。起動,停止時は温度が低く、γ線照射量が少ないため還元性窒素化合物の酸素,過酸化水素との水生成反応が生じ難い。図5には還元性窒素化合物としてヒドラジンを添加した場合の、304SSのECPのヒドラジン添加濃度依存性を示している。図2のCGRのECP依存性を考慮すると、CGRをヒドラジン注入がない場合の10分の1に低減するにはヒドラジンを50ppb以上、より好ましくは100ppb以上添加する必要がある。一方、300ppb 以上添加してもECP低下効果は変わらなくなる。また図2のCGRの導電率依存性から、同じECPでも導電率が上昇するとCGRが増加することが分かる。従って過剰にヒドラジンを添加して冷却水の導電率を上昇させることは好ましくない。以上のことから、ヒドラジン濃度を300ppb 以下に、すなわち、還元性窒素化合物濃度を9.4×10−6 モル毎リットル以下に制御することが望ましい。より好ましくは、ヒドラジン濃度を50ppb から300ppb に、すなわち、還元性窒素化合物濃度を1.5×10−6から9.4×10−6モル毎リットルに制御することが望ましい。
【0037】
図1には原子炉冷却水再循環系配管16に還元性窒素化合物溶液タンク41に貯蔵した還元性窒素化合物溶液を還元性窒素化合物溶液注入ポンプ42により注入する場合の系統図の一例を示す。還元性窒素化合物の濃度を所定の濃度に制御するためには、(数式10)で計算される量の還元性窒素化合物溶液注入する。
(還元性窒素化合物溶液注入量)=(所定の還元性窒素化合物濃度)×(原子炉圧力容器内冷却水量)÷(還元性窒素化合物溶液タンク中の還元性窒素化合物濃度) …(数式10)
【0038】
一旦、注入が終わると、所定の濃度に還元性窒素化合物濃度を調整するためには消費された還元性窒素化合物の分だけ注入すればよい。還元性窒素化合物の濃度は水質モニター22,23から原子炉圧力容器1底部の冷却水をサンプリングして還元性窒素濃度分析をして求める。再注入量は(数式11)から求める。
(還元性窒素化合物溶液注入量)={(所定の還元性窒素化合物濃度)−(還元性窒素濃度分析値)}×(原子炉圧力容器内冷却水量)÷(還元性窒素化合物溶液タンク中の還元性窒素化合物濃度) …(数式11)
【0039】
この分析,再注入の操作を断続的に実施すれば所定の濃度に還元性窒素化合物濃度を制御できる。還元性窒素濃度分析を断続的に行う代わりに、冷却水の導電率を測定すれば連続的にモニターすることもできる。これは実験室で予め(数式12)の係数a、bを求めておくことにより、導電率から還元性窒素化合物濃度を換算することができるためである。
(還元性窒素化合物濃度)={(導電率)−b}÷a …(数式12)
【0040】
原子炉冷却水再循環系配管16に還元性窒素化合物注入装置を接続した例を図1に示したが、図9の様に、原子炉冷却水浄化系配管10に接続しても同様に還元性窒素化合物注入を制御できる。その他の系統配管でも同様である。
【0041】
上記のように、還元性窒素化合物注入量を制御して注入するのに好適な還元性窒素化合物注入装置の一例を図10に示す。還元性窒素化合物溶液を貯蔵する還元性窒素化合物溶液貯蔵タンク51のほかに、還元性窒素化合物注入量を定量的に把握できるように水位計52,流量計55,積算流量計57の少なくとも1つ以上が備わっている。さらに冷却水中に還元性窒素化合物溶液を注入するための還元性窒素化合物溶液注入ポンプ54,還元性窒素化合物溶液の誤注入や冷却水の逆流を防止するためのバルブ53,逆止弁56が備えられており、それらが配管で接続されている。タンクや配管は鉄鋼材料で作られるが、還元性窒素化合物と接する面は四弗化エチレン樹脂のような樹脂材でコーティングし、鉄鋼材料と還元性窒素化合物が直接接しないようにすることが望ましい。鉄鋼材料と還元性窒素化合物が接触すると還元性窒素化合物が分解する可能性があるためである。更に、還元性窒素化合物と空気が接触すると還元性窒素化合物が分解する可能性がある。それを防止するためには、タンクの還元性窒素化合物をアルゴンでバブリングしたり、液面上部をアルゴンなどによりカバーすれば良い。
【0042】
(実施例2)
以下、本発明の第2の実施例として、運転時に還元性窒素化合物のみを注入する実施例を示す。運転時は温度が高く、γ線照射量も多いため還元性窒素化合物と酸素,過酸化水素の水生成反応は促進される。従って還元性窒素化合物を連続的に注入する必要がある。
【0043】
酸素が溶存する高温水中に還元性窒素化合物としてヒドラジンを添加し、γ線照射した場合の酸素、副生成物の変化を図6に示す。還元性窒素化合物濃度が酸素を水にするために必要な量に満たない場合、酸素が残留する。還元性窒素化合物濃度が酸素を水にするために必要な量より多い場合、酸素が消費され、アンモニアが生成される。このことから適切な還元性窒素化合物の注入量は原子炉圧力容器底部冷却水に含まれる酸素濃度,アンモニア濃度を指標に制御することができる。その制御方法の一例を、図11を使って説明する。
【0044】
還元性窒素化合物の注入量を段階的に増加させて注入すると、最初、その段階に応じて原子炉圧力容器底部の冷却水中の酸素濃度が減少する。酸素濃度は10ppb 、より好ましくは5ppb を目標値とし、目標値以下にすると十分にECPを下げることができCGRも小さくできる。更に還元性窒素化合物の注入量を増加させていくと原子炉圧力容器底部の冷却水中にアンモニアが検出されるようになる。アンモニアは原子炉冷却水ろ過脱塩器の負荷になることや導電率上昇につながるため低濃度であることが望まれる。アンモニア濃度と室温pH,導電率の関係を図12に示す。BWRの水質管理基準から室温pHは5.6から8.6、導電率は1μS/cm以下にすることが要求される。従って原子炉冷却水中のアンモニア濃度を4.2×10−6 モル毎リットル以下にすることが望ましい。
【0045】
酸素濃度は溶存酸素計で、アンモニア濃度はイオンメーターや比色分析やイオンクロマトグラフィー等で分析できる。アンモニア濃度分析を実施する代わりに導電率,pHを指標にしてもよい。図12より導電率,pHからアンモニア濃度を換算できるからである。
【0046】
このように段階的に還元性窒素化合物の注入量を段階的に増加させ、酸素濃度が目標値以下となりアンモニア濃度あるいは導電率,pHが目標値以下となる還元性窒素化合物の注入量を予め求め、以降の運転期間,設定した注入量で還元性窒素化合物を注入する。
【0047】
あるいは、注入量の範囲を求め、その濃度範囲で還元性窒素化合物の注入を実施する。pHやアンモニアの測定値を見て、手動で注入量を変更したり、あるいは制御系を設けて、測定値をフィードバックして注入量を制御してもよい。
【0048】
本実施例では酸素濃度を指標に還元性窒素化合物の注入必要量を求めたが、冷却水中に浸漬させたプラント構成材のECPを指標にしてもよい。これは図3で示したように、酸素濃度とECPには一対一の相関があるため、ECPから酸素濃度を求めることができるからである。
【0049】
(実施例3)
以下、本発明の第3の実施例として、水素と還元性窒素化合物を冷却水中に注入する実施例を示す。水素を注入する場合は原子炉圧力容器底部冷却水中の水素濃度が増加し、一定量を超えると主蒸気配管の線量率が増加する可能性があるため、還元性窒素化合物と共に水素注入量を制御し、最適化する必要がある。一般に等モルあたりの価格は水素の方が安価であるので水素の使用量を多くし還元性窒素化合物の使用量を少なくすることが望ましい。
【0050】
水素注入量を一定量にして還元性窒素化合物注入量を変化させた場合の原子炉圧力容器底部冷却水中の酸素,水素,アンモニア濃度及び主蒸気配管の線量率の変化を図13に模式的に表す。図には水素注入量を変化させた場合も合わせて示す。主蒸気配管の線量率は原子炉底部冷却水中の水素濃度が一定濃度以上になった場合、増加するとしている。図のa,dは主蒸気配管の線量率が増加する還元性窒素注入量で、b,cは水素,還元性窒素注入により酸素濃度低減目標値に達する還元性窒素注入量を示している。水素注入量が多い▲2▼の場合、酸素濃度低減目標値(b)に達する還元性窒素注入量は少なくてすむが、その還元性窒素注入量に達する前に主蒸気配管の線量率が上昇し始める(a)。一方、水素注入量が少ない▲1▼の場合、酸素濃度低減目標値(c)に達する還元性窒素注入量は▲2▼の場合よりも多くなるが、その量では主蒸気配管の線量率が上昇しない(d)。水素注入量▲1▼の場合のようになる最大の▲1▼を求めることが、経済性の観点から望ましい。水素,還元性窒素化合物の注入量を段階的に変化させ、図13の関係を求めれば、適正な水素,還元性窒素化合物注入量の範囲を求めることができる。
【0051】
一方、図13の関係から水素注入量を減らすと酸素濃度低減に必要な還元性窒素化合物の注入量が増加することが予測される。従ってこれらを利用することにより効率よく適正な水素,還元性窒素化合物注入量の範囲を求めることができる。この方法を図14及び図15を使って説明する。
【0052】
図14に示すように原子炉圧力容器底部冷却材中の酸素濃度やアンモニア濃度を指標に、段階的に還元性窒素化合物,水素を注入すればよい。具体的には、図15に示すフロー線図に従って、水素注入量,還元性窒素化合物注入量を変化させる。最初に主蒸気配管の線量率が目標下限値以下になる限界の水素注入量で水素注入を行う。次に還元性窒素化合物濃度を段階的に増加させていく。その途中で、主蒸気配管の線量率が所定の値を超えた場合水素注入量を一定量減少させる。酸素濃度が目標下限値以下になるのを目指して還元性窒素濃度を増加させる。この操作により酸素濃度が目標値以下になる還元性窒素化合物注入量を求める。更に、第2の実施例と同様還元性窒素化合物注入量を段階的に増加させアンモニア濃度が目標上限値以下となる還元性窒素化合物注入量の範囲を求める。以上の手順により還元性窒素化合物の注入範囲を酸素濃度が目標下限値以下となる注入量を最小値、アンモニ濃度が目標上限値を越える直前の注入量を最大値と設定する。
【0053】
以降の運転期間、このようにして求めた水素,還元性窒素化合物注入量に制御する。主蒸気配管の線量率の変わりに原子炉圧力容器底部の水素濃度を指標に水素注入量を制御してもよい。この場合、予め水素注入のみを実施し水素注入量に対する主蒸気配管線量率,原子炉圧力容器底部の水素濃度の関係を求め、更に主蒸気配管線量率と原子炉圧力容器底部の水素濃度の関係を求めておけばよい。尚、水素濃度は水素濃度計を使えば連続モニターできる。また、実施例2で述べたように、酸素濃度の代わりに、冷却水中に浸漬させたプラント構成材のECPを指標にしてもよい。
【0054】
(実施例4)
以下、第4の実施例として、水素と還元性窒素化合物,アルコールを冷却水中に注入する方法を示す。第3の実施例と同様に、水素を注入する場合は原子炉圧力容器底部冷却水中の水素濃度が増加し、一定量を超えると主蒸気配管の線量率が増加する可能性がある。またアルコールを注入する場合、炭酸イオンによりpHが小さくなったり、導電率が上昇する可能性がある。従って還元性窒素化合物と共にアルコール、水素注入量を制御し、最適化する必要がある。
【0055】
第3の実施例で示した方法により還元性窒素と水素注入量を決めた後に、還元性窒素とアルコールを置換させるようにアルコールを注入する。その量は(数式13)に従って計算する。
(アルコールの注入濃度)=(過酸化水素1mol と反応するのに必要なアルコールのモル数)/(過酸化水素1mol と反応するのに必要な還元性窒素化合物のモル数)×(減じる還元性窒素化合物の注入濃度)…(数式13)
具体的には、図16に示すように、冷却水の導電率変化を目標値以下となるのを確認しながら段階的に還元性窒素化合物とアルコールを置換していくと良い。
【0056】
あるいは、図17に示すように導電率が目標値以下となるアルコール注入量を求め、次に段階的に還元性窒素化合物を注入してもよい。アルコールから生じる溶存CO 濃度は(数式7),(数式8)から計算できる。図18に示す溶存CO濃度と室温pH,導電率の関係から、導電率が目標値以下となる溶存CO濃度を読み取ることができる。従って、導電率を目標値以下にするアルコール濃度を求めることができる。但し、この場合、還元性窒素化合物がアルコールより先に消費される可能性があるので、冷却水の酸素濃度や冷却水中に浸漬させたプラント構成材のECPを指標に効果を確認すると良い。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、原子炉炉水に酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入することにより、コバルトCo−60濃度の上昇等の副作用を生じさせずに原子炉構造材料の応力腐食割れを緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したBWRを示す図。
【図2】304SSの腐食電位とき裂進展速度との関係を示す図。
【図3】酸素及び過酸化水素と腐食電位との関係を示す図。
【図4】給水水素濃度と実効酸素濃度,水素濃度,主蒸気配管線量率相対値との関係を示す図。
【図5】ヒドラジン添加濃度と腐食電位の関係を示す図。
【図6】ヒドラジン添加濃度と酸素,アンモニア,水素濃度の関係を示す図。
【図7】給水水素濃度と実効酸素濃度との関係を示す図。
【図8】メタノールを添加し、γ線照射を行った場合及びγ線照射を行わなかった場合の304SSの腐食電位を示す図。
【図9】本発明を適用したBWRを示す図。
【図10】還元性窒素化合物注入装置を示す図
【図11】本発明の第2の実施例における還元性窒素化合物注入量の制御方法を示す図。
【図12】アンモニア濃度とpH及び導電率との関係を示す図。
【図13】素注入量一定で還元性窒素化合物注入量を変化させた場合の、酸素濃度,水素濃度,アンモニア濃度,主蒸気配管線量率と還元性窒素化合物注入量との関係を示す図。
【図14】本発明の第3の実施例における還元性窒素化合物注入量,水素注入量の制御方法を示す図。
【図15】本発明の第3の実施例における還元性窒素化合物注入量,水素注入量制御のフロー図。
【図16】本発明の第4の実施例における還元性窒素化合物注入量,アルコール注入量,水素注入量の制御方法を示す第1の図。
【図17】本発明の第4の実施例における還元性窒素化合物注入量,アルコール注入量,水素注入量の制御方法を示す第2の図。
【図18】溶存CO 濃度とpH及び導電率との関係を示す図。
【符号の説明】
3…復水ろ過脱塩器、5…給水加熱器、6…給水系配管、8…ボトムドレン配管、10…原子炉冷却水浄化系配管、12…原子炉冷却水ろ過脱塩器、16…原子炉冷却水再循環系配管。

Claims (19)

  1. 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉炉水中に、酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物を注入することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  2. 沸騰水型原子力発電プラントの原子炉炉水中に、酸化数が負の状態の窒素を含む還元性窒素化合物及び水素を注入することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  3. 請求項1又は2において、冷却水中の酸素濃度及びアンモニア濃度を指標として前記還元性窒素化合物の注入を制御することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  4. 請求項1又は2において、冷却水中の酸素濃度が所定の値以下となった場合又は冷却水中のアンモニア濃度が所定の値以上となった場合に前記還元性窒素化合物の注入を停止することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  5. 請求項1又は2において、冷却水中の前記還元性窒素化合物の濃度が9.4 ×10−6モル毎リットル以下となるように前記還元性窒素化合物の注入を制御することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  6. 請求項1又は2において、前記還元性窒素化合物は、原子炉の起動時又は停止運転時に、原子炉冷却水浄化系,原子炉冷却水再循環系,非常用炉心冷却系,制御棒駆動水系のうち少なくとも何れかの系統配管から冷却水中に注入されることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  7. 請求項1又は2において、前記還元性窒素化合物は、原子炉の定格運転時に、給水系,原子炉冷却水浄化系,原子炉冷却水再循環系,非常用炉心冷却系,制御棒駆動水系のうち少なくとも何れかの系統配管から冷却水中に注入されることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  8. 請求項6において、前記原子炉冷却水浄化系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、ろ過脱塩器の下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座及び、ろ過脱塩器出口の水質を測定するために設置されたサンプリング配管の原子炉冷却水浄化系配管での接続部の下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座のうち少なくとも何れかであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  9. 請求項6において、前記原子炉冷却水再循環系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、原子炉冷却水再循環系母管に設置された座及び、原子炉冷却水再循環系の水質を測定するために設置されたサンプリング配管のうち少なくとも何れかであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  10. 請求項6において、前記原子炉制御棒駆動系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、復水脱塩器出口から原子炉制御棒駆動系配管を接続する配管に設置されたポンプの上流に設置された注入座であることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  11. 請求項7において、前記原子炉冷却水浄化系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、ろ過脱塩器の下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座及び、ろ過脱塩器出口の水質を測定するために設置されたサンプリング配管の原子炉冷却水浄化系配管での接続部の下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座のうち少なくとも何れかであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  12. 請求項7において、前記原子炉冷却水再循環系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、原子炉冷却水再循環系母管に設置された座及び、原子炉冷却水再循環系の水質を測定するために設置されたサンプリング配管のうち少なくとも何れかであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  13. 請求項7において、前記原子炉制御棒駆動系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、復水脱塩器出口から原子炉制御棒駆動系配管を接続する配管に設置されたポンプの上流に設置された注入座であることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  14. 請求項7において、前記給水系配管からの前記還元性窒素化合物の注入場所は、給水加熱器の下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座及び、給水系の水質を測定するために設置されたサンプリング配管と給水系配管母管との接続部下流と原子炉圧力容器とを接続する配管に設置された注入座のうち少なくとも何れかであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  15. 請求項1又は2において、前記還元性窒素化合物は、ヒドロキシルアミン,カーボヒドラジド,ヒドラジン,アンモニア及びジアジンのうち少なくともいずれか一種以上の化合物であることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  16. 請求項2において、前記原子炉炉水中に主蒸気配管の線量率が所定の値となるまで水素を注入した後に、前記還元性窒素化合物を前記原子炉炉水中に注入することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  17. 請求項1又は2において、前記還元性窒素化合物とともにアルコールを前記原子炉炉水に注入することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  18. 請求項17において、冷却水中の導電率を指標として前記アルコールの注入を制御することを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
  19. 請求項17において、前記アルコールはメタノールであることを特徴とする原子力発電プラント構造材料の応力腐食割れ緩和方法。
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