JP2010054499A - 起動中の腐食からbwr原子炉を保護する方法 - Google Patents

起動中の腐食からbwr原子炉を保護する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010054499A
JP2010054499A JP2009168660A JP2009168660A JP2010054499A JP 2010054499 A JP2010054499 A JP 2010054499A JP 2009168660 A JP2009168660 A JP 2009168660A JP 2009168660 A JP2009168660 A JP 2009168660A JP 2010054499 A JP2010054499 A JP 2010054499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
additive
bwr
mitigation
during
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009168660A
Other languages
English (en)
Inventor
Christopher John Wood
クリストファー,ジョン,ウッド
Susan Elaine Garcia
スーザン,エレイン,ガルシア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Electric Power Research Institute Inc
Original Assignee
Electric Power Research Institute Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Electric Power Research Institute Inc filed Critical Electric Power Research Institute Inc
Publication of JP2010054499A publication Critical patent/JP2010054499A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C17/00Monitoring; Testing ; Maintaining
    • G21C17/02Devices or arrangements for monitoring coolant or moderator
    • G21C17/022Devices or arrangements for monitoring coolant or moderator for monitoring liquid coolants or moderators
    • G21C17/0225Chemical surface treatment, e.g. corrosion
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23FNON-MECHANICAL REMOVAL OF METALLIC MATERIAL FROM SURFACE; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL; MULTI-STEP PROCESSES FOR SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL INVOLVING AT LEAST ONE PROCESS PROVIDED FOR IN CLASS C23 AND AT LEAST ONE PROCESS COVERED BY SUBCLASS C21D OR C22F OR CLASS C25
    • C23F11/00Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent
    • C23F11/08Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids
    • C23F11/10Inhibiting corrosion of metallic material by applying inhibitors to the surface in danger of corrosion or adding them to the corrosive agent in other liquids using organic inhibitors
    • C23F11/14Nitrogen-containing compounds
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C1/00Reactor types
    • G21C1/04Thermal reactors ; Epithermal reactors
    • G21C1/06Heterogeneous reactors, i.e. in which fuel and moderator are separated
    • G21C1/08Heterogeneous reactors, i.e. in which fuel and moderator are separated moderator being highly pressurised, e.g. boiling water reactor, integral super-heat reactor, pressurised water reactor
    • G21C1/084Boiling water reactors
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C19/00Arrangements for treating, for handling, or for facilitating the handling of, fuel or other materials which are used within the reactor, e.g. within its pressure vessel
    • G21C19/28Arrangements for introducing fluent material into the reactor core; Arrangements for removing fluent material from the reactor core
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】BWRの炉水の酸化性化学環境が、原子炉冷却材系配管および容器内部に使用されるステンレス鋼とニッケルとをベースとする合金の粒界型応力腐食割れを助長する主な要因である。この割れは、水素注入を用いる出力運転中に典型的には軽減される。しかしながら、この方法は、原子炉が出力している場合に効果的であるにすぎない。
【解決手段】したがって、本発明は、BWR原子炉の起動段階中の電気化学的腐食電位を低下させる方法を提案する。この方法は、BWR原子炉の電気化学的腐食を低減させるようになっている軽減添加剤を提供するステップと、オンライン化されている水素注入の前に所定位置でBWR原子炉に軽減添加剤を注入するステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、BWR原子炉の腐食に関する。特に、本発明は、BWR原子炉の起動段階中の電気化学的腐食電位を低下させる方法に関する。
本願は、2008年7月31日に出願された仮出願第61/085,260号の利益を請求する。
BWRの炉水の酸化性化学環境が、原子炉冷却材系配管および容器内部を構成するために使用されるステンレス鋼とニッケルとをベースとする合金の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)を助長する主な要因である。BWRにおける粒界型応力腐食割れ(IGSCC)は通常、水素注入(HWC)または水素注入を伴う貴金属注入(NMCA+HWC)による出力運転中に軽減される。
しかしながら、これらの方法は、原子炉が出力している場合に完全に効果的であるにすぎない。水素注入は、HWC系の設計に応じて原子炉が運転温度にあり、また原子炉の出力が約5%〜30%を超えるまで行われない。したがって、冷温停止中に大気にさらされることにより最初は溶存酸素レベルが高い原子炉水は、加熱および低出力運転中酸化性である。その結果、燃料補給停止後、HWCが有効となる前に最高亀裂進展速度が現在のところ起動中に生じる。さらに、電気化学的腐食電位(ECP)が非常に高い。
運転温度においてよりも、プラント起動および停止プロセス中の中間温度においてIGSCC速度が速いことをデータが示している。その結果、水素注入が行われていない場合に、プラント停止プロセス中および燃料補給または周期中間における停止からの起動中に割れが始まることがあり、また亀裂成長が生じることがある。NMCA+HWCを伴うユニットでは、起動および停止プロセス中の亀裂成長により、水素注入が行われた後であっても既存の亀裂が成長し続けることができる亀裂フランキング(crack flanking)が生じることがある。
したがって、BWR原子炉の起動段階中の電気化学的腐食電位を低下させる方法が必要である。
先行技術のこれらのおよび他の欠点は本発明によって対処される。本発明は、起動段階中BWR原子炉にアミンを注入することによってBWR原子炉の起動段階中の電気化学的腐食電位を低下させる方法を提供する。
本発明の一態様によれば、BWR原子炉を保護する方法が、BWR原子炉の電気化学的腐食を低減させるようになっている軽減添加剤を提供するステップと、オンライン化されている水素注入の前に所定位置でBWR原子炉に軽減添加剤を注入するステップとを含む。
本発明の別の態様によれば、起動中腐食からBWR原子炉を保護する方法が、BWR原子炉の電気化学的腐食を低減させるようになっている軽減添加剤を提供するステップと、静水圧試験中にBWR原子炉に軽減添加剤を注入するステップとを含む。
添付の図面と併せて以下の説明を参照することによって、本発明を最も良く理解することができる。
ECP対温度を示す。 ECP対温度を示す。 RWCU注入点を示す。 追加のRWCU注入点を示す。 RPV静水圧試験の図である。 原子炉冷却材温度データを示す。 BWR起動プロセスの図である。 起動中のプロセスフロー図である。 原子炉冷却材および復水の溶存酸素濃度を示す。
通常水質(NWC)の下では、一次系材料のECPが、典型的には0〜+250mV(SHE)の範囲にある。しかしながら、増感ステンレス鋼のEPCが−230mV(SHE)未満まで低下し、原子炉冷却材の導電率が25℃(77°F)で0.3μS/cm未満である場合に、BWR配管の粒界型応力腐食割れ(IGSCC)が軽減されることが試験により示されている。現在、原子炉水への水素注入を行うことによって、定格出力動作条件時にIGSCCが軽減される。これにより、ステンレス鋼とニッケルとをベースとする合金の電気化学的腐食電位(ECP)が低減され、それによりIGSCCが軽減される。
水素注入(HWC)は、配管ならびに原子炉内部の保護を対象にしている。水素添加により、炉心領域中の水の放射線分解が抑制され、それにより酸素や過酸化水素などの酸化種の形成が減少する。この水素注入は、下降管領域で過剰の溶存水素も提供し、これにより再循環水中の残留酸化剤の放射線再結合が促進される。原子炉水中の酸化剤の濃度が3ppb(等価O)未満まで低減されている領域においては、IGSCCのECP駆動力がなくなる。HWCの欠点は、HWCにより主蒸気管放射線レベルが、N−16の生成および蒸気によるキャリーオーバー(carryover)のために水素注入なしのレベルの数倍分増加することである。
貴金属注入を伴う水素注入(NMCA+HWC)により、主蒸気管放射線レベルの大幅な増加なくHWCのIGSCC保護を実現する手段が提供される。NMCAは、原子炉冷却剤と接触している浸水表面上への少量の貴金属(すなわち、白金、ロジウム)の堆積を伴う。これらにより、それら表面における、水素の酸素および過酸化水素との再結合反応が触媒される。処理済み表面のECP応答は白金のECP応答と類似している。原子炉水中の全酸化剤に対する水素のモル比が2以上の値に達すると保護ECPは実現され、この値には、HWCに必要とされる給水水素濃度よりも約一桁少ない非常に低い給水水素濃度(通常0.1ppm〜0.3ppm)で到達する。
NMCAの大きな利点は、低い水素添加レベルではN−16放射能による主蒸気管放射線の増加がほとんどない、または全くないことである。しかしながら、水素が利用不可能である期間中に起こる、または伝播することがある割れが、水素が取り戻される場合には軽減されないことがある。亀裂が限界長さを超えて成長すると、バルク水中の酸化剤が新たな亀裂表面のEPCを−230mV(SHE)を超えて上昇させることがある。この現象は「亀裂フランキング」と称される。
材料への温度の影響も、IGSCCにおいては重要となることがある。利用可能なデータに基づくと、純度が比較的高い/非過渡の(non−transient)/アクションレベル1を下回るBWR環境中においては、タイプ304ステンレス鋼や600合金などのBWR構造材料の亀裂進展速度が、約150℃〜200℃(302°F〜392°F)で最大値に到達する。純度が低い/過渡型環境(たとえば、>1μS/cm)中においては、温度の上昇に伴って亀裂進展速度が増大することが予想される。
本発明においては、約38℃(100°F)未満から、150℃〜200℃(302°F〜392°F)温度範囲を通じ正常な運転温度約288℃(550°F)まで、早期起動プロセス中原子炉内部および再循環配管のECPを低下させるために、ヒドラジンおよびカルボヒドラジドを含めたアミン類などの添加軽減添加剤を使用する。
ヒドラジンは酸素と以下のように反応する。
+O→N+2H
反応生成物、窒素および水は、BWRにおいて腐食の懸念をもたらすことがない。カルボヒドラジドは酸素と直接反応して、窒素、二酸化炭素および水を生成する。
2O+(NCO→2N+3HO+CO
ヒドラジンと同様に、カルボヒドラジドの酸素との反応の速度は、温度が上昇するにつれて、またはより高いpHでは増大する。温度が上昇するにつれて、ヒドラジンと二酸化炭素とへのカルボヒドラジド分解が顕著となるため、酸素との反応が直接(上述のように)起こることも、または生成されたヒドラジンと間接的に起こることもある。
O+(NCO→2N+CO
2O+2N→2N+4H
カルボヒドラジドは、温度が121℃(250°F)を超えるとヒドラジンに分解し始め、176℃(350°F)でほぼ完全にヒドラジンに分解する。
プラントが65℃〜121℃(150°F〜250°F)の加熱状態にある間に、ヒドラジン処理を使用して溶存酸素を取り除くことができる。ヒドラジン処理は、溶存酸素が機械的方法によって数ppmにまで低減されている場合に最も有効である。ヒドラジンは加熱プロセス中早期に添加すべきである。というのは、より低温では減速して反応が進行するように時間を見込んで温度が65℃(150°F)に到達するためである。反応速度論は、温度が93℃〜121℃(200°F〜250°F)に上昇するにつれて大幅に向上する。
ヒドラジン注入により、93℃〜204℃(200°F〜400°F)の温度範囲にわたって、未処理膜状試料のECPよりもNMCA処理済み試料の測定ECPが大幅に減少することを、ループ試験結果が示している。このことは、NMCA処理により表面における酸素/ヒドラジン反応の触媒効果が高まることを示す。これらの結果は、ヒドラジン対酸素濃度比が増大されるにつれて、また温度が上昇するにつれてECPが減少することも示している。NMCA処理済み試料を用いると、ヒドラジン注入なしの2ppb未満の酸素における測定ECPと比較して、93℃〜149℃(200°F〜300°F)では酸素を超える過剰なヒドラジンにより大幅なECP減少が実現されるが、一方204℃(400°F)では、試験した範囲にわたるヒドラジン注入ありのECPが、2ppb未満の酸素によるECPと類似している。2ppb未満の酸素におけるECPと比較して93℃および149℃(200°Fおよび300°F)におけるヒドラジン注入ありのあらかじめ薄膜で覆った未処理試料のECP減少は、ヒドラジン対酸素比が大きくても、NMCA処理済み試料についてのECP減少よりも小さい。
2ppb以下の酸素濃度で低温におけるECPに近いECP(SHE)では、5〜10を超えるヒドラジン対酸素比が確立される場合に、ヒドラジン注入によって軽減を実現することができることを試験結果が示した。上述のループ試験による2ppb以下の酸素濃度における測定ECP値を、図2に示す。これらの結果を260℃(500°F)に当てはめると、未処理試料については−231mV(SHE)のECP値が、NMCA試料については−532mV(SHE)のECP値が示される。
あらかじめ薄膜で覆った未処理試料の消極的反応は予期しなかった。というのは、酸素を5ppb未満まで減少させた場合は、動作温度における−500mV(SHE)以下の腐食電位を貴金属コーティングの非存在下で実現することができることを、実験室および操作の経験が示しているからである。図1からのOが250ppbのデータに関連して、NMCA処理試料についての曲線を使用して、様々な温度においてIGSCC軽減に関連するECP抑制を確立することができる。たとえば、93℃(200°F)では、ECPを80mV超減少させなければならず、149℃(300°F)では290mV超、204℃(400°F)では500mVまで減少させなければならない。
停止から出力全開までの典型的なプラント起動展開中、原子炉冷却材温度が93℃(200°F)を超え、またIGSCCが軽減されないかなりの期間がある。というのも、水素注入は出力が30〜50%になるまで開始されないからである。この期間は、原子炉容器再組立ておよび圧力漏れ試験によるものである。原子炉冷却材温度は燃料補給条件時には49℃(120°F)未満に維持されるが、容器圧力漏れ試験(静水圧試験)中には100℃(212°F)よりも高くまで温度が上昇する。原子炉ヘッドのセッティング(setting)およびテンショニング(tensioning)を支援するために、冷却材温度を最初に通常の停止温度よりも高く上昇させる。ヘッドがテンショニングされると、プラントが圧力漏れ試験に対し準備を整えられる。
プラント手順書により、圧力漏れ試験中の加熱および冷却速度についての制限が設けられている。試験中100℃(212°F)を上回る時間はプラントに特有で、試験の範囲に応じて変わることがある。たとえば、この時間は、短ければ4〜8時間、長ければ12〜24時間の範囲に及ぶ。漏れ試験が完了した後、停止時冷却を用いて冷却材温度を93℃(200°F)未満まで下げる。ステーションが最終的な原子炉再組立てを完了すると、この温度は典型的には54℃〜65℃(130°F〜150°F)に維持される。最終的な原子炉再組立てを完了するためには、成功した漏れ試験の後1〜2シフト(12〜24時間)が通常必要とされる。
起動に向けた準備中、制御棒駆動装置(CRD)、原子炉水浄化系(RWCU)および復水系が稼働中で、長経路給水フラッシュを完成させる。原子炉ヘッド通気口は開いている。復水系は最初、稼働中の1つまたは複数の脱塩器により短経路再循環で動作している。
起動すると、停止時冷却が確保され、原子炉再循環ポンプを始動させる。最初の制御棒の引き抜きによって原子炉を臨界条件とし、93℃(200°F)を上回る加熱が開始する。最初は、原子炉容器内で数ポンドの圧力が確立されるまで、原子炉ヘッド通気口は開いていてよい。主復水器に任意の濃縮液体を向かわせるために、主蒸気管ドレンもまた同様に開いている。復水器真空度は最初、機械的真空ポンプを用いて確立され、その後原子炉圧力が200psig〜300psigまで上昇し、十分な蒸気流量が入手可能となったら、蒸気式空気抽出器系を用いて確立される。
100psigの原子炉圧力では、蒸気式空気抽出器(SJAE)およびオフガス予熱器を主蒸気へと切り替える。原子炉圧力容器(RPV)レベルをもはやCRD流量によって維持することができない場合には、ホットウエルへのRWCUブローダウンを確保する。第1のタービンバイパス弁が、約150psigの原子炉圧力で約10〜20%開いている。
主蒸気流は、タービンバイパス弁を通って主復水器へと送られる。復水/給水流量が増大するにつれて、必要に応じ追加のポンプを使い始める。原子炉圧力が約1000psigまで増大したら原子炉をRunモードにし、その後主要タービンを回し、発電機をグリッドに同期させる。次いで、100%の出力が確立されるまで、プラントの技術仕様書の制限内速度で出力上昇が継続する。
原子炉圧力容器漏れ試験は重要である。というのは、試験中の温度が93℃(200°F)を超えるまで上昇し、93℃(200°F)を上回って費やす時間はIGSCCが軽減されない時間と見なされるからである。
制御棒の引き抜きは、冷却材温度が100℃(212°F)になるまで継続し、この時点で主蒸気隔離弁(MSIV)を開くことができる。MSIVを開くための要件は、RPV圧力が正でなければならないことである。100°F/時間未満で加熱速度を維持しながら棒の引き抜きを継続する。原子炉冷却材溶存酸素ホールドポイントが、50psig(296°Fまで)を超える前に確立される。
最初の制御棒の引き抜きの時間から、原子炉冷却材温度が93℃(200°F)に達する時間までは、通常約4時間である。ヒドラジン注入は、停止時冷却を確保した直後に始まる必要があり、温度が最初に93℃(200°F)に達した際に可用性が失われないことを確実にするために、第2の原子炉再循環ポンプを始動させる。ヒドラジン注入は、第2の原子炉給水ポンプが稼働中となるまで開始することができない。このことは、主発電機をグリッドに同期させた後、約33%の出力で生じる。冷却材が最初に93℃(200°F)に達してから第2の給水ポンプを稼働させるまでの時間は、遭遇する問題と、特定の起動中に必要とされる原子炉隔離時冷却(RCIC)や高圧注入冷却(HPIC)操作性試験などの監視試験の数とに応じて大幅に変化することがある。試験中、原子炉圧力は一定に維持される。この期間中の冷却材温度は、より速い亀裂進展速度が生じることがある中間範囲内にある。
燃料補給停止からのプラント起動中、通常水素注入系を始動させる前に原子炉冷却材温度が72時間またはそれ以上93℃(200°F)を超えることがあることが考えられる。
ヒドラジンまたはカルボヒドラジドを、液体溶液としての流動プラント水流に注入する。化学薬品注入を行うことになる起動のすべての段階において同じ注入系を使用することができると好ましいはずである。
化学薬品注入スキッドを使用することになるが、このスキッドは、溶液タンクと、定量ポンプと、弁と、管類と、計装と、制御機器とを備える。化学薬品を化学薬品注入スキッドから計量し駆動水スキッドへと送る。この駆動水スキッドは、ポンプと、流量計測器と、制御機器とを備え、プラントプロセスラインへと化学薬品導入用希釈水を提供する。
複雑さを最小限に抑えるために、選択する注入位置の数を制限することが好ましい。単一の位置であれば、化学薬品を複数の位置へ十分な量輸送する物流を考慮する必要が回避され、また2つ以上の注入系が必要となる可能性が回避されるはずである。ある位置から別の位置へ化学薬品を移動させると、流出の危険性が増大することがあり、このことは、プラント、HVACおよびドレンへの人員アクセスに影響を及ぼすことがある。
本明細書中では、3つの注入位置について議論する。第一は、RWCU廃液系への注入である。原子炉容器圧力漏れ試験(浄化脱塩容器がバイパスされている)中、また加熱および起動プロセス全体を通して、流れは通常RWCU系を循環している。RWCU系の入口は原子炉再循環ループからと、容器底部ドレンからで、大部分のプラントが、この流れから原子炉サンプルパネルへと送られる通常原子炉水サンプルを引き込む。大部分のプラントにおけるRWCU戻り流が、給水加熱器すべての下流の、また原子炉容器接続部のすぐ上流の給水系へと向かう。RWCU戻り流経路は、再生熱交換器の殻側を通る。電位注入抱き合わせ(tie−in)位置は、再生熱交換器の上流であっても下流であってもよいが、原子炉容器に入る前のヒドラジン反応についての接触表面積を最小限に抑えるためには、下流が好ましいことになる。RWCU構成材料の大部分が炭素鋼である場合、注入点は、流動加速腐食の問題に対処するためにRWCU還元が給水系と結合する地点にできるだけ近いべきである。
BWR−4の設計におけるRWCU系に対する化学薬品注入向けの可能な抱き合わせ位置の例を図3に示す。図3は、確実に系を起動に向けて適切に通気し、維持のために排水することができるように配管に多くの接続タップが備わっている典型的なRWCU系構成である。
容器の静水圧試験中および初期加熱中は、実質的には給水流がない。抱き合わせ地点における給水配管は、停止であってもプラント特有であってもよい静水圧試験についての限界に応じて、完全であっても不完全であってもよい。RWCU戻り流のみであれば、給水配管における速度は遅く、このことは、ヒドラジン分解用炭素鋼給水パイプ表面との滞留および接触時間を増大させる。
ヒドラジンを原子炉水再循環系に直接添加することができる第2の注入位置は、原子炉再循環系内にある。この手法は、古典的な貴金属用途に使用される注入手法と類似している。原子炉水再循環系への古典的な貴金属注入のために通常使用されるタップは、再循環ポンプ差圧計タップ、または再循環ポンプ流量計タップである。主要格納容器の外側でアクセスすることができるこれらのタップは直径が小さく、主要格納容器の外側への原子炉冷却材の目に余る漏れを防止するために過流量逆止め弁を典型的には含む。
別の注入位置として可能性があるのは、再循環系サンプル点(sample point)の根元接続部への位置など、原子炉水再循環ループへの位置である。これを図4に示す。大部分のBWRにおいて、このサンプル点が、原子炉水再循環ポンプの1つの排気配管からとなっている(図4に示す例については、サンプル点接続部が「B」原子炉再循環ポンプ放出内にある)。このサンプル系は通常、機内および機外格納容器隔離弁を含む。配管は、燃料補給停止中に格納容器隔離弁の極部漏洩速度試験(LLRT)を行うために使用するドレン接続部を典型的には含む。LLRTドレン接続部一式は、典型的には格納容器の外側、機外隔離弁のすぐ上流に位置する。考えられる限りでは、機外格納容器隔離弁を閉じ、機内弁を開き、格納容器隔離弁間のLLRTドレン接続部にヒドラジンを注入することができる。再循環ポンプ差圧または流量計ラインへの注入と異なり、油圧感知計測器は影響を受けない。大部分のプラントで、主要な原子炉冷却材サンプル点がRWCU系への入口の中にあり、このサンプルは、原子炉再循環系サンプル地点を用いることで影響を受けることはないはずである。しかしながら、注入に使用する原子炉再循環系サンプル点は、化学薬品を注入している場合には、代替または予備サンプル点としては利用不可能となってしまう。原子炉再循環系サンプルラインは、化学薬品注入後使用前に十分にすすがなければならなくなる。
格納容器の外側、機外隔離弁の上流のLLRT接続部が利用不可能である場合、機外格納容器隔離弁の下流の原子炉再循環サンプルラインに化学薬品注入ラインを接続することが可能となることがある。これは、別のドレンライン接続部を通っていても、化学サンプルステーションにおけるサンプルライン抱き合わせの直前であってもよい。再循環系注入点地点は、RWCU系注入点に比べ、RWCUポンプ操作性に依存しないという利点を提供する。
図4に示すプラント構成では、「B」再循環系サンプルタップは、耐久性モニタにも流れを供給する。一方、大部分のプラントでは、通常原子炉冷却材サンプル流および耐久性モニタへの流れを、RWCU系入口から取り込むため、上述のような再循環系への注入が実行可能である。
再循環ループにおいて、また下降管においてIGSCCの軽減が望まれる場合、ループは共に、両ループに注入されたヒドラジンにより稼動中となるべきである。両再循環ループ(2ループプラント)への化学薬品注入が有効性を確保するために必要となる場合、おそらく一方のループには計器タップを使用しなければならないが、他方のループにはサンプル/LLRT接続部を使用することができるはずである。注入点の実際の選択は、サイト特有となるはずである。
RWCU戻りラインを通る給水へのヒドラジン注入は、炉心流量域を回避し、下降管の上端へヒドラジンを運ぶ利点を有し、このことは、炉心隔壁O.D.の、またジェットポンプビームや再循環ライザー溶接をはじめとする下降管構成部品のIGSCCが軽減されるよう十分にヒドラジン対酸化剤比を確実に高くするには有益である。これは、復水をフラッディング(flooding)に使用する場合には、ハイドロ試験のための氾濫(floodup)中に優れた注入点となることがある。しかしながら、復水流なしのRWCU運転中、給水ラインを通る流量は小さくなる(1%RWCU系による全出力の1%まで)が、プラントの幾何学的形状に応じて体積は大きくなることがある。炭素鋼配管との表面触媒反応によって、ヒドラジンのかなりの損失が生じることがある。この注入モードでは、容器および再循環系全体にヒドラジンの均一な分布をもたらすために、両方の再循環ループが運転中であるべきである。
炉心スプレーによるハイドロ試験用に氾濫するプラントでは、アクセス可能な接続部が利用可能である場合には炉心スプレー系に化学薬品を注入することが可能となることがある。低圧炉心スプレー系は、注入に使用することができるポンプ吸引時の試験用接続部を典型的には備える。
第3の注入位置はCRD系内にある。CRD系は、冷温停止から出力運転を通して稼働中で、したがって好都合な電位の化学薬品注入位置を提供する。関心深いプラント加熱および起動期間中、復水脱塩器廃液からCRD吸引水が供給されるため、CRD吸引水への注入は、復水脱塩器系廃液温度および圧力で行うことになる。注入点は、CRDポンプ配管と関連しているドレン接続部においてとなるはずである。
注入が起こることになる段階が3つある。第1段階において、原子炉容器からの通気がごくわずかである場合には、原子炉静水圧漏れ試験および起動時の初期加熱中にヒドラジン注入が起こることになる。第2段階において、原子炉出力が非常に低く(<1%)、蒸気流量がごくわずかである場合には、水素注入が起こることになる。第3段階において、出力が最大5%まで増大し、蒸気流量が重大となる場合には、水素注入が起こることになる。
RPV静水圧試験は、原子炉冷却材温度が93℃(200°F)を上回るまで加熱される起動向け準備の初期段階(第1段階)を表している。RPV静水圧試験中重要となるプラントシステムの簡略プロセス図を図5に示す。この図は、RWCU浄水機器がバイパスされて作動するRWCU系を示している。CRDが容器に復水を供給し、通常主復水器へと送られるRWCUからの降下流路が存在する。図5に示す流路は、復水貯蔵タンク(CST)へと手配されたCRD吸引水を示すが、復水ポンプが作動し、復水脱塩器系が利用可能である場合には、復水脱塩器系廃液からCRD吸引水流を提供することができる。原子炉再循環ポンプ熱を用いて93℃(200°F)を上回るまで温度を上昇させる。先に議論した、ヒドラジン注入点として可能性のあるものを図5に示す。
BWR−4におけるRPV静水圧試験の前、最中および後の原子炉冷却材温度データ例を図6に示す。この展開では、原子炉冷却材温度が約129℃(265°F)でピークに達し、総時間約18時間の間93℃(200°F)を上回った。この例では、93℃(200°F)を上回る時間が18時間だったが、容認し難い漏れにより試験を繰り返さなければならなかった場合には、この時間がより長くなる可能性がある。
図6に示す例では、約56℃(133°F)の初期レベルから約67℃(153°F)へと、冷却材温度を段階的に上昇させ、加熱の開始前約5時間は温度が一定のままであった。67℃(153°F)から93℃(200°F)超えるまで温度を上昇させるために約6時間かかった。温度が約88℃(190°F)に達すると最初に原子炉圧力の上昇が示され、約1067psigのピーク圧力に約9時間で達した。ピーク圧力を約5時間の間保持した。その後圧力を約28psigまで下げた。圧力試験の完了後、温度はピーク値の129℃(265°F)から93℃(200°F)超まで約3時間で低下した。
冷却材温度が93℃(200°F)を超えた時点で十分なヒドラジンが確実に存在するように、注入がより早く始まる必要がある。したがって、静水圧試験の前最初の容器充填中にヒドラジン添加を開始することが有利となるはずである。容器充填にかかる時間は、プラント特有の手順に依存する。充填開始時に水レベルが、正常な運転レベルである場合には、静水圧試験に必要なレベルに達するために、大量の水を添加しなければならなくなる。
加えて、冷却材温度が65℃から93℃(150°Fから200°F)へと上昇する6時間の間にヒドラジンを注入することもできる。この期間中、CRD流量により原子炉容器へと酸素が輸送され、また炉心ガンマ線束(core gamma flux)からの過酸化水素の生成が継続するはずである。RWCUからの降下流も同時に起こる。
温度が93℃(200°F)を超える温度に達した後、追加のヒドラジンを添加しなければならないことがある。静水圧試験中にCRDを介して添加される水が空気飽和レベルに近づくことがあるが、これは大部分のプラントでそのとき復水器真空度が確立されないためである。可能な場合には、ECPデータを使用して、追加のヒドラジンが必要となるかどうかを判断することができる。
静水圧試験中は、再循環系サンプルラインまたは再循環ポンプ差圧もしくは流量タップを通じての注入が、RWCUへの注入よりも好ましい。給水流がないため、RWCUの流れからの大型の給水パイプ中における速度が非常に遅い。再循環系への注入により、配管内および原子炉容器中でより良い混合がもたらされるはずである。
静水圧試験中、水中の酸素源は空気飽和からであって、放射線分解からではない。他の発生源がないと仮定すれば、酸素の在庫量を消費するためには少なくとも等量のヒドラジンが必要となる。酸素とのヒドラジン反応の速度は、加熱前の低温(49℃または120°Fまで)では遅いことが示され、原子炉水温度がより高く、反応がより急速に進行する93℃(200°F)に近づくまでヒドラジン注入を遅らせることが賢明であることがある。残留ヒドラジンおよびその分解生成物は、下降流により取り除かれるはずである。
必要となるヒドラジンの量を最小限に抑えるために、実用的な範囲で機械的手段によって原子炉水から酸素を取り除くべきである。利用可能な機械的手段は、機械的真空ポンプを用いて復水器真空度を確立すること、および原子炉容器を真空に引くことが可能となるように主蒸気ラインドレンを開く(ヘッド通気口も開いていなければならない)ことになる。
静水圧試験の後、ヒドラジン注入の次の機会は、初期加熱中および早期起動中である。ヒドラジンを静水圧試験中に添加した場合、CRDからの連続入力のために、静水圧試験が完了した後冷却材中の溶存酸素レベルが増大することになる。典型的には、静水圧試験が完了した後24時間以内に起動が始まる。この期間は、緊急の作業または課題のためにより長くなることがあり、これにより起動時の溶存酸素含有量がさらに増大することがある。
早期起動段階において、原子炉冷却材への酸素入力は復水/給水からで、原子炉臨界を確立する際の放射線分解からの寄与は小さい。最初は、復水/給水系から原子炉容器に入る水が、空気からの酸素溶解により多いが、復水器真空度の確立を受けて酸素含有量が減少する。加熱中、機械的真空ポンプを用いて最初の復水器真空度を確立した場合、原子炉冷却材溶存酸素は通常約250ppbである。冷却材中の溶存酸素レベルは、溶解度の低下により温度が上昇するにつれて減少し始めることになる。復水の酸素含有量を100ppb未満にまで下げるためには、蒸気式空気抽出器系の運転が通常必要となる。開いたMSIVおよび主蒸気ラインドレンによる復水器真空度の確立により、原子炉容器から加熱により放出される酸素が引き出される。
最初に制御棒を移動させる前に、プラント手順では、原子炉再循環系の始動および停止時冷却の確保が必要となる。これは、ヒドラジン注入の開始に適した時期となる。というのも、再循環ポンプの始動により原子炉容器内における混合がもたらされるからだ。
第2段階においては、加熱が始まると、原子炉温度が約177℃(350°F)に達するのに長くはかからない(6〜10時間)。この温度における対応する原子炉圧力は、約134psigである。この時点で、かなりの蒸気通気が生じる。タービンバイパス弁を開き、HPCIおよびRCICタービン駆動ポンプ(大部分のプラントにおける設計)を用いて操作性試験を行い、一部のステーションにおいては、蒸気式空気抽出器を稼働させるための十分な蒸気流量がある。温度が260℃(500°F)を上回るまで上昇するにつれて酸素含有量が減少し続け、このことは放射線分解からの入力が少ないことを示している。出力上昇が継続するにつれて、溶存酸素源が主に放射線分解からとなる。
起動プロセス中の簡略フロー図を図7に示す。先に議論した電位注入点も示す。加熱中の再循環系への注入が実行可能である。RWCU注入点について、プラントは最初、原子炉水位制御のために降下型のラインアップとなっていることがある。蒸気流量が増大するにつれ、降下が確保される。
この注入手法は、第1の原子炉再循環ポンプを始動させ、停止時冷却を確保し次第、ヒドラジン注入を開始することである。冷却材温度が93℃(200°F)に達したら軽減を実現することができるように、十分なヒドラジンを添加して在庫を構築すべきである。早期起動中にECPデータが利用不可能である場合には、原子炉冷却材サンプルの溶存気体(酸素および水素)測定を用いてヒドラジンの有効性を評価することが可能となることがある。ヒドラジン注入速度に対する変更のための基準として、これらの測定を使用することもできる。
上で議論したとおり、原子炉冷却材温度が約177℃(350°F)まで上昇すると、第1のタービンバイパス弁の開放を必要とするために、また緊急系蒸気駆動ポンプの操作性試験を行うために十分な蒸気流量が利用可能となる(第3段階)。補助蒸気源を有するプラントでは、この温度でSJAE系を稼働させることができる。稼働させていない場合には、SJAE系を稼働させることが、典型的には、圧力が150psigを超えて上昇するさなかに行われる最初の活動の1つである。
起動中のプロセスフロー図を図8に示す。この図は、タービンバイパスから復水器への蒸気流を示している。この時点で、復水/給水系を通る流れがいくらかあるが、給水加熱器への蒸気流がないため、給水温度が、通常のプラント運転条件と比較して冷たい。
復水ブースタポンプを考慮してプラントを設計する場合、原子炉圧力が150psig〜200psigであると、典型的には第1のブースタポンプを稼働させる。第1の原子炉給水ポンプは通常、原子炉圧力が400psig〜500psigである場合に稼働させる。第1の原子炉給水ポンプを稼働させたら、原子炉温度が260℃(500°F)を超えるよう、また原子炉圧力が950psig〜1000psigとなるようさらなる制御棒移動を実行する。典型的なBWR−4起動データは、177℃(350°F)から約271℃(520°F)まで原子炉温度を上昇させるための時間長が約12時間であることを示している(平均温度上昇速度1時間当たり約14°F)。
水素注入開始前の、起動中および出力上昇中にNMCAを伴うBWR−4についての原子炉冷却材および復水の溶存酸素濃度の例が、図9にプロットしてある。原子炉冷却材温度および原子炉出力の傾向も示してある。復水器真空度を確立することによる酸素レベルへの影響が明確に示されている。700ppb超から100ppbをはるかに下回るまでの復水酸素の急激な減少は、SJAE運転の開始と一致する。一般に、爆発性混合ガスおよび放射性物質放出に関連する懸念があるため、出力5%を超える前に機械的真空ポンプを確保することがプラントに要求される。原子炉冷却材溶存酸素が、106℃(223°F)の温度における約400ppbから、約184℃(363°F)の温度における約100ppbまで減少した。復水酸素が100ppb未満まで減少した際、冷却材溶存酸素は約16ppbであった。
図9のプラント出力データ点は、冷却材温度がまず260℃(500°F)を上回るまで上昇した時、出力が8〜9%であったことを示している。
出力5%による重大な蒸気流量点(約150psigにある原子炉圧力)からECPを下げるためのヒドラジン要求は、水素注入開始前の、図9に示す溶存酸素傾向に基づくと比較的低い。この期間中にRWCUへの注入を行うことに問題はない。というのは、この段階中にRWCUからの下降が確保され、給水流量の増大により給水配管中の滞留時間がより短くなるためである。再循環系サンプルラインへの注入も許容範囲にあるはずである。可能な場合には、RWCU溶存ガス測定およびECPを用いて有効性の監視を行うことができる。
出力5%に達した後、プラントは、回転およびグリッドへの同期のための準備中に主要タービンの加温開始に十分な蒸気を提供するために、原子炉の圧力および温度を上昇させることに重点を置くことになる。プラントは、典型的には出力約20%でグリッドと同期する。原子炉冷却材溶存酸素レベルは、放射線分解反応からの酸化剤により、また場合によっては、副系としての空気漏入量(air inleakage)の増大による復水/給水系からの酸素入力の増大からの酸化剤により増大することになり、復水器と直接連通している構成部品をまず稼働させる。
起動中腐食からBWR原子炉を保護する方法を上述している。本発明の様々な詳細は、その範囲を逸脱することなく変更することができる。さらに、本発明の好ましい諸実施形態についての上記説明および本発明を実施するための最良の形態は、説明の目的のために提供されているにすぎず、限定の目的のために提供されているのではない。

Claims (20)

  1. BWR原子炉を保護する方法であって、
    BWR原子炉の電気化学的腐食を低減させるようになっている軽減添加剤を提供するステップと、
    オンライン化されている水素注入の前に、所定位置で前記BWR原子炉に前記軽減添加剤を注入するステップとを含む方法。
  2. 前記軽減添加剤がアミンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記軽減添加剤がヒドラジンである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記軽減添加剤がカルボヒドラジドである、請求項1に記載の方法。
  5. 前記軽減添加剤を使用して、摂氏65度から摂氏121度へのプラント加熱中に溶存酸素を取り除く、請求項1に記載の方法。
  6. 前記軽減添加剤が、液体溶液としての流動プラント水流に注入される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記軽減添加剤が、前記BWR原子炉の原子炉水浄化系に注入される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記軽減添加剤が、前記BWR原子炉の原子炉再循環系に注入される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記軽減添加剤が、前記原子炉再循環系の再循環ポンプ差圧計タップに注入される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記軽減添加剤が、前記原子炉再循環系の原子炉水再循環ループに注入される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記軽減添加剤が、前記BWR原子炉の制御棒駆動系に注入される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記軽減添加剤が、原子炉静水圧漏れ試験中に注入される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記軽減添加剤が、原子炉出力が1%未満である場合に注入される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記軽減添加剤が、原子炉出力が最大5%まで増大するさなかに注入される、請求項1に記載の方法。
  15. 起動中腐食からBWR原子炉を保護する方法であって、
    BWR原子炉の電気化学的腐食を低減させるようになっている軽減添加剤を提供するステップと、
    静水圧試験中に前記BWR原子炉に前記軽減添加剤を注入するステップとを含む方法。
  16. 再循環系サンプルラインおよび再循環ポンプ差圧タップからなる群から選択される位置で、前記静水圧試験中に前記BWR原子炉に前記軽減添加剤が注入される、請求項15に記載の方法。
  17. 初期加熱中に前記BWR原子炉に前記軽減添加剤を注入するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記静水圧試験よりも前の初期容器充填中に、前記BWR原子炉に前記軽減添加剤を注入するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  19. 第1の原子炉再循環ポンプが起動し次第、前記BWR原子炉に前記軽減添加剤を注入するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  20. 前記軽減添加剤が、ヒドラジンおよびカルボヒドラジドからなる群から選択されるアミンである、請求項15に記載の方法。
JP2009168660A 2008-07-31 2009-07-17 起動中の腐食からbwr原子炉を保護する方法 Pending JP2010054499A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8526008P 2008-07-31 2008-07-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010054499A true JP2010054499A (ja) 2010-03-11

Family

ID=41608367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009168660A Pending JP2010054499A (ja) 2008-07-31 2009-07-17 起動中の腐食からbwr原子炉を保護する方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20100027731A1 (ja)
JP (1) JP2010054499A (ja)
ES (1) ES2351718B2 (ja)
MX (1) MX2009008202A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062513A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Toshiba Corp 発電プラントの防食管理方法
WO2016024574A1 (ja) * 2014-08-11 2016-02-18 メディサイエンス・エスポア株式会社 酸素水の溶存酸素測定方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11662126B2 (en) 2021-06-17 2023-05-30 Hewlett Packard Enterprise Development Lp Leak mitigation system

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005043051A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Hitachi Ltd 原子力プラント構造材料の応力腐食割れを緩和する方法
JP2005283528A (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Hitachi Ltd 原子力プラントの還元性窒素化合物注入運転方法
JP2006201000A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Hitachi Ltd 応力腐食割れ緩和方法及びそれに用いる装置
WO2009088400A2 (en) * 2007-09-28 2009-07-16 Areva Np, Inc. Boiling water reactor nuclear power plant with alcohol injection

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20020031200A1 (en) * 1999-03-12 2002-03-14 Metell H. Michael Method for controlling boiling water reactor vessel chemistry
GB9927315D0 (en) * 1999-11-18 2000-01-12 Champion Technology Inc Inhibitor compositions

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005043051A (ja) * 2003-07-22 2005-02-17 Hitachi Ltd 原子力プラント構造材料の応力腐食割れを緩和する方法
JP2005283528A (ja) * 2004-03-31 2005-10-13 Hitachi Ltd 原子力プラントの還元性窒素化合物注入運転方法
JP2006201000A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Hitachi Ltd 応力腐食割れ緩和方法及びそれに用いる装置
WO2009088400A2 (en) * 2007-09-28 2009-07-16 Areva Np, Inc. Boiling water reactor nuclear power plant with alcohol injection

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012062513A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Toshiba Corp 発電プラントの防食管理方法
WO2016024574A1 (ja) * 2014-08-11 2016-02-18 メディサイエンス・エスポア株式会社 酸素水の溶存酸素測定方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20100027731A1 (en) 2010-02-04
ES2351718A1 (es) 2011-02-09
MX2009008202A (es) 2012-05-29
ES2351718B2 (es) 2012-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2312588B1 (en) Method of operating a nuclear plant
US8194816B2 (en) Boiling water reactor nuclear power plant with alcohol injection
JP2010054499A (ja) 起動中の腐食からbwr原子炉を保護する方法
WO2019176376A1 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP4528637B2 (ja) 応力腐食割れ緩和方法及びそれに用いる装置
US20100136215A1 (en) Method for forming ferrite film onto surface of structural member composing plant, ferrite film formation apparatus and quartz crystal electrode apparatus
US7302917B2 (en) Chemical cleaning of a steam generator during mode 5 generator shut down
JP6751044B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法、及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP6486860B2 (ja) 沸騰水型原子炉の腐食環境緩和方法及び原子力プラント
JP7132162B2 (ja) 炭素鋼配管の腐食抑制方法
JP4555625B2 (ja) 原子力プラントの運転方法
JP6868545B2 (ja) プラントの炭素鋼部材の腐食抑制方法
JP3941503B2 (ja) 原子炉プラント構造部材の応力腐食割れを緩和する方法
JP4437256B2 (ja) 炭素鋼の腐食減肉防止方法
JP2008070207A (ja) 原子炉構造材料の応力腐食割れ緩和方法及び沸騰水型原子力発電プラント
JP7104616B2 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
EP3494090B1 (en) Suppression of radionuclide deposition on nuclear power plant components
JP4366227B2 (ja) 応力腐食割れ抑制方法
WO2019102768A1 (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への貴金属の付着方法及び原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP2019157215A (ja) プラントの炭素鋼部材の腐食抑制方法
Cattant The underestimated role of the oxygen on RCS components failures
JP2003035797A (ja) 原子炉構造部材の応力腐食割れ緩和方法
JP2019164059A (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種の付着抑制方法
JP2019158567A (ja) 原子力プラントの炭素鋼部材への放射性核種付着抑制方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120814

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121113

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121116

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130702