JP2005042313A - 塔型構造物の組立方法及び組立装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造物の連結体の安定した支持を実現しながら塔型構造物の組立に要する労力やコストを低減する。
【解決手段】基礎B上で風車Wを構成する構造物S(または構造物Sの連結体J)を昇降させる昇降装置2と、架台6の上下方向にわたって設けられた案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿った相対的な移動が可能とされた駆動部12とを備え、構造物Sの上下方向の固定位置の変更を行う固定装置3とを用意する。構造物Sの昇降を行う際に、昇降装置2による構造物Sの昇降動作と固定装置3による構造物Sの固定位置の変更動作とを同期させて行う。
【選択図】 図2
【解決手段】基礎B上で風車Wを構成する構造物S(または構造物Sの連結体J)を昇降させる昇降装置2と、架台6の上下方向にわたって設けられた案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿った相対的な移動が可能とされた駆動部12とを備え、構造物Sの上下方向の固定位置の変更を行う固定装置3とを用意する。構造物Sの昇降を行う際に、昇降装置2による構造物Sの昇降動作と固定装置3による構造物Sの固定位置の変更動作とを同期させて行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塔型構造物の組立方法及び塔型構造物の組立装置(以下、単に「組立装置」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の鉄塔や風力発電用風車のタワー部分などの塔型構造物には、複数の構造物を上下に連結した構成のものがある。このように複数の構造物からなる塔型構造物は、例えば後述する特許文献1に示すように、基礎の上方に持ち上げられた構造物の下方に新たに構造物を連結し、このようにして得られた構造物の連結体を再度持ち上げてこの連結体の下方に新たに構造物を連結していくことによって組立てられる(この組立方法をリフトアップ工法という)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−254668号公報(段落0018、図16〜図19)
【0004】
連結体は、構造物の連結数が増えてその高さが増すにつれて重心の位置が高くなるので、基礎から持ち上げた状態ではバランスを崩しやすくなる。特に、風力発電用風車の場合には、連結体の最上部に風車回転翼及びナセルが設置されるために重心の位置がより高い上、設置場所は風の強い場所であるので、風の影響を受けて連結体のバランスがより崩れやすい。
このような連結体Jの転倒を防止するため、リフトアップ工法では、例えば図8に示すように、基礎B上に連結体Jの上下移動を可能にしつつ支持する架台101を設置して、図示せぬジャッキ等の昇降装置によって連結体Jの昇降を行う。
架台101は、構造物Sの昇降方向に沿って設けられるガイドレール102を有している。このガイドレール102に沿って、連結体Jの側面に取り付けられたガイドローラ103が上下動する。ガイドローラ103は、連結体Jの側面に対して、上下方向に離間させて複数箇所に取り付けられている。
連結体Jは、上下に配置されたガイドローラ103によって傾きを防止されながら昇降する。
【0005】
上下に配置されたガイドローラ103間の間隔Dは、ガイドレール102に対して連結体Jが揺動する際の支点・力点間の距離となる。すなわち、てこの原理により、この距離Dが大きいほど連結体Jの傾きに対する支持が強固になり、安定して連結体Jを支持することができる。そして、連結体Jを安定して支持するためには、この間隔Dをある程度確保する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のリフトアップ工法は、次のような問題がある。
連結体Jの傾きを抑えるためには、上下に離間されたガイドローラ103のいずれもがガイドレール102に対して接触しうるようになっていなければならない。そうすると、ガイドローラ103を最上方に持ち上げることができる位置は、せいぜい、上側のガイドローラ103がガイドレール102の最上端に達したところまでである。したがって、架台101の高さは、少なくとも、連結体Jを昇降させる高さに加えて、さらにガイドローラ103の上下方向の間隔Dを加えた高さが余計に必要となる。
このように架台が間隔Dだけ大きくなるため、架台設置に必要な資材も多くなり、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが必要となるので、塔型構造物の設置コストが高くなってしまう。さらに、架台の設置及び除去に手間がかかり、工期が長くなるので、これもコストアップの要因となる。
また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所での塔型構造物の設置が困難となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造物の連結体の安定した支持を実現しながら塔型構造物の組立に要する労力やコストを低減することができる塔型構造物の組立方法及び組立装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明にかかる塔型構造物の組立方法は、基礎の上方に持ち上げられた構造物の下方に新たに構造物を連結することによって、前記基礎上に、複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物を組み立てる塔型構造物の組立方法であって、前記基礎上に設置された架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と、前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部を備えた、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置とを用い、前記構造物の昇降を行う際に、前記昇降装置による前記構造物の昇降動作と前記固定装置による前記構造物の固定位置の変更動作とを同期させて行うことを特徴としている。
【0009】
案内部材を把持する把持部によって、昇降装置により昇降される構造物の上下方向の位置の固定を行うとともに該構造物の固定位置の変更をすることとしたので、昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することで、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降が行われる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
【0010】
この塔型構造物の組立方法において、基礎から構造物を持ち上げる前に、前記案内部材に張力を与えるようにしてもよい。
案内部材に張力を与えることによって案内部材の剛性が増す。そして、この張力は、把持部を介して固定された構造物を元の姿勢に保つように作用するので、構造物の傾きがより効果的に防止される。張力の与え方としては、例えば、昇降装置による構造物の上昇動作と固定装置による構造物の固定位置の下方への変更動作とのうちのいずれか一方、もしくは両方を行えばよい。
また、構造物の傾きが大きくなると、構造物が倒れようとする力(すなわち構造物を元の姿勢に戻すのに要する力)が大きくなり、構造物の傾きを戻すことが困難になるが、このように予め張力を発生させておくことで、構造物が傾き始める段階(すなわち構造物が倒れようとする力がごく小さい段階)から張力を作用させて傾きが抑えられる上、構造物の傾きが同じであれば予め張力を発生させていない場合に比べて張力(構造物を元の姿勢に戻す力)が大きいので、構造物の傾きがより効果的に防止される。
また、基礎から構造物を持ち上げる前に張力を与えることとしたので、構造物を持ち上げている間であっても張力が加わっていることになり、構造物が傾くことがない。
【0011】
本発明にかかる組立装置は、複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物の組立てに用いる組立装置であって、基礎上に設置された架台と;該架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と;前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材と、前記案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部とを備え、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置と;を有していることを特徴としている。
【0012】
昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することで、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降が行われる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
【0013】
この組立装置は、昇降装置及び固定装置の動作を同期させて制御可能な制御装置を有していてもよい。
【0014】
この構成では、手作業で昇降装置及び固定装置の動作を制御する場合に比べて、昇降装置の動作と固定装置の動作とを容易かつ正確に同期させることができるので、構造物がその傾きを確実に防止した状態で昇降させられる。
【0015】
案内部材は基礎と架台上部との間に設けられていてもよい。
案内部材が基礎と架台上部との間に設けられているので、構造物は架台と基礎との両方に支持されるので、構造物の支持がより確実となり、その傾きが効果的に防止される。
【0016】
この組立装置は、構造物の外周を保持する保持架台を有し、昇降装置及び固定装置は、保持架台を介して構造物と接続されており、架台は、保持架台の上下方向の移動を案内するガイドを兼ねていてもよい。
【0017】
この構成では、基礎上に設けられる架台によって、構造物を保持する保持架台が案内されて、保持架台の揺れや傾きが防止された状態で構造物の昇降が行われる。
【0018】
この組立装置において、保持架台には、保持架台と構造物とを接続するとともに接続する構造物の大きさや形状に応じて寸法や形状を変更可能な固定具が設けられていてもよい。
この構成では、大きさや水平断面形状の異なる構造物を連結してなる塔型構造物の組立てを行う際にも、保持架台に設けられる固定具の寸法や形状を、各構造物の大きさや水平断面形状に応じて変更することで、同一の保持架台を用いてこれら構造物の昇降を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態にかかる塔型構造物の組立方法及びこれに用いる組立装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、一例として、複数の構造物が上下に連結されてなる風力発電用風車(以下、単に「風車」という。)の組立方法及び組立装置について説明する。
【0020】
まず、この風車の組立てに用いる組立装置について説明する。
図1及び図2に示すように、組立装置1は、風車Wが設置される基礎B上に設置されるものであって、基礎B上で風車Wを構成する構造物S(または構造物Sの連結体J)を昇降させる昇降装置2と、昇降装置2により昇降される構造物Sの上下方向の位置の固定を行うとともにこの構造物Sの固定位置の変更が可能な固定装置3とを有している。
また、組立装置1には、昇降装置2と固定装置3の動作を同期させて制御可能な制御装置4が設けられている(図2参照)。
【0021】
この組立装置1は、基礎B上に設けられる架台6を有しており、この架台6には、昇降装置2を介して、構造物Sの外周を保持する保持架台7が吊り下げられている。本実施の形態では、架台6及び保持架台7をトラス構造によって構成している。
保持架台7には、さらに固定装置3が接続されていて、昇降装置2によって保持架台7の昇降が行われるとともに、固定装置3によって保持架台7の上下方向の位置の固定が行われるようになっている。すなわち、本実施の形態に示す組立装置1では、昇降装置2によって保持架台7を昇降させることにより構造物Sの昇降が行われ、固定装置3によって保持架台7を固定することにより構造物Sの固定が行われる。
【0022】
基礎Bは、例えば、図3(図1のα−α矢視断面図)に示すように、平面視略正方形に形成される。
架台6は、この基礎Bの各コーナーからそれぞれ略鉛直に立設される四本の支柱6aを有している。これら支柱6aは、保持架台7の上下方向の移動を案内するガイドを兼ねている。
また、図4(図1のβ−β矢視断面図)に示すように、これら支柱6aの上端には、これら支柱6aの上端を各頂点とする四角形の各辺に沿って、支柱6a同士を接続する桁部6bが設けられている。
【0023】
保持架台7は、平面視において中央に構造物Sが挿通される空間が設けられている。また、周縁部において架台6の支柱6aの側面に対向する部位には、支柱6aの側面によって受けられる受け部が設けられており、保持架台7は、支柱6aの側面によって上下方向の移動を案内されるようになっている。本実施の形態では、保持架台7には、受け部として、各辺の端部に側方へ突出する突出部7aが設けられており(すなわち、保持架台7は平面視略#字形状をなしている)、隣り合う突出部7a間に架台6の支柱6aが挟み込まれるようになっている。また、この突出部7aは、架台6の桁部6bの鉛直下方に位置している(図3及び図4参照)。
保持架台7上には、図3に示すように、保持架台7と構造物Sとを接続し固定する固定具8が設けられている。この固定具8は、保持架台7及び構造物Sに対して、ボルト止め等によって着脱を可能にして接続される。
この固定具8は、例えば複数部品に分割可能な構成とされていて、各部材同士の接続位置を変更したり各部材間に新たな部材を設けることで、接続する構造物Sの大きさや形状に応じて内径寸法や形状を変更可能とされている。
本実施の形態では、固定具8は、平面視略四角形枠形状とされており、その内周側には、隣接する各辺間にまたがって補強部材8aが設けられていて、固定具8のねじれが防止されている。
【0024】
昇降装置2は、構造物Sの昇降方向に沿って設けられる棒状の案内部材11と、案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿って相対的な移動が可能とされた駆動部12とを有するものであって(図2参照)、図4に示すように、架台6の桁部6b上の複数箇所に設けられている。
ここで、昇降装置2の設置数は、要求される出力に応じて適宜設定されるものであり、またその配置も、昇降させる構造物Sのバランスが適切に保たれるように設定されるものである。本実施の形態では、昇降装置2は、平面視において対向する一対の桁部6bにおいてそれぞれの端部近傍に4つ設けられている。
各昇降装置2の駆動部12は、それぞれ桁部6bに固定されており、案内部材11は、上端側を駆動部12に保持され、下端を保持架台7(本実施の形態では駆動部12の直下に位置する突出部7a)に固定されている(図3参照)。
このように構成される昇降装置2は、駆動部12によって案内部材11を上下方向に送り出すことによって保持架台7を上下方向に移動させるようになっている。
【0025】
固定装置3は、昇降装置2と同様に、構造物Sの昇降方向に沿って設けられる棒状の案内部材11と、案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿って相対的な移動が可能とされた駆動部(把持部)12とを有するものである。案内部材11は、図1及び図2に示すように、架台6の桁部6bと基礎Bとの間にわたって設けられている。
ここで、固定装置3の設置数は、要求される出力に応じて適宜設定されるものであり、またその配置も、固定する構造物Sのバランスが適切に保たれるように設定されるものである。本実施の形態では、固定装置3は、図4に示すように、桁部6bのうち、昇降装置2が設けられる対とは異なる対においてそれぞれの端部近傍に4つ設けられている。
具体的には、固定装置3の案内部材11は、下端を基礎Bに固定され、上端は、桁部6bを貫いて設けられて、架台6上に設けられる支持台6cに保持されている。また、駆動部12は、保持架台7上(本実施の形態では支持台6cの直下に位置する突出部7a)上に固定されている。
このように構成される固定装置3は、駆動部12を停止させて案内部材11の移動を規制することによって保持架台7の上下方向の移動を規制し、また、駆動部12を動作させて案内部材11を上下方向に相対的に送り出すことによって、保持架台7の固定位置(すなわち構造物Sの固定位置)を上下方向に変更するようになっている。
【0026】
次に、昇降装置2及び固定装置3の詳細な構成について説明する。
図5に示すように、案内部材11は、鋼材等の棒状部材の外周面に、長手方向に沿って略等間隔に切り欠きCを設けたものである。
駆動部12は、この案内部材11の切り欠きCに対して係合及び係合の解除が可能な上下一対のクランプ装置(上クランプ21,下クランプ22とする)と、上下のクランプ21,22間に設けられてこれら上下のクランプ21,22間の距離を変更するシリンダ機構23とを有している。
また、下クランプ22と保持架台7もしくは架台6との間には、これらの間隔を調整可能な間隔調整装置24が設けられており、各昇降装置2、固定装置3の下クランプ22の上下方向の位置の差や案内部材11の伸び量の差を吸収させて、昇降装置2、固定装置3に保持される保持架台7が水平を保つことができるようになっている。
また、案内部材11と架台6または基礎Bとの接続部、及び駆動部12の間隔調整装置24と架台6または保持架台7との間には、球座25が設けられていて、これらの相対的な傾きが許容されており、これらの間に曲げ応力が生じないようになっている。
【0027】
このように構成される駆動部12は、次のように動作するものである。
駆動部12の上クランプ21と下クランプ22とのうち少なくともいずれか一方が案内部材11に係合させられており、これによって駆動部12が案内部材11に固定されている。
まず、上クランプ21と下クランプ22とのうちのいずれか一方のクランプを案内部材11に係合させた状態で、他方のクランプと案内部材11との係合を解除し、シリンダ機構23によって他方のクランプを押圧して一方のクランプから離間させる。
そして、この他方のクランプを案内部材11に係合させた後に、一方のクランプと案内部材11との係合を解除し、シリンダ機構23によって一方のクランプを他方のクランプに引き寄せ、以降は上記の手順を必要回数繰り返すことで(すなわち、尺取虫と同じ動作を行うことによって)、駆動部12が案内部材11に沿って相対的に移動する。
【0028】
以下、駆動部12のより詳細な構成について説明する。
駆動部12は、基本的な部分について、特許第2509498号公報に示された油圧ジャッキと同様である。
上クランプ21は、図6(a)に示すように、案内部材11が挿通されるとともに 下端内面は、下方に向かうにつれて縮径されたテーパー面をなす円筒状のクランプ本体26と、クランプ本体26内で案内部材11が挿通された状態にして設けられて切り欠きCとの係合及び係合の解除が可能なコレット27と、クランプ本体26においてコレット27の上方に上下動可能にして設けられるコレットピストン28と、コレットピストン28を下方に向けて付勢する付勢部材29、及び付勢部材29に逆らってコレットピストン28を上方向に油圧にて押し上げる(コレットを開く)コレットシリンダ30とを有している。
【0029】
コレット27は、外力を受けていない状態ではコレットシリンダ30への油圧注入により内径が案内部材11の外径以上に保たれていて案内部材11の通過を許容するものである。
このコレット27は、通常は付勢部材29によってコレットシリンダ28を介して下方に付勢されて下端がクランプ本体26のテーパー面に押し付けられており、これによってコレット27の下端が径方向内側に押圧されて切り欠きCと係合するようになっている。
また、コレット27に対して案内部材11が相対的に上方に移動させられ、更にコレットシリンダ30への油圧注入が行われた場合には、コレット27の下端内面が押し広げられて、コレット27と切り欠きCとの係合が解除されるようになっている。
上クランプ21は、このようにコレット27を案内部材11の切り欠きCに係合させることによって案内部材11の相対的な移動を規制し、コレット27と切り欠きCとの係合を解除することによって案内部材11の相対的な移動を許容するものである。
【0030】
下クランプ22も、図6(b)に示すように、上クランプ21とほぼ同様の構成を有しており、その作動原理も上クランプ21と同じである。
【0031】
シリンダ機構23は、図5に示すように、シリンダロッドの先端が上方に向けられて上クランプ21のクランプ本体26に接続される上シリンダ機構23aと、シリンダロッドの先端が下方に向けられて下クランプ21のクランプ本体26に接続される下シリンダ機構23bとを有している。
【0032】
上シリンダ機構23aは、ピストンロッドを収縮して上クランプ21のクランプ本体26を下方に引き寄せることで、上クランプ21のコレット27に対して案内部材11を相対的に上方に移動させることとなる。すなわち、上シリンダ機構23aのピストンロッドを収縮させることによってコレット27と切り欠きCとの係合が解除されて、上クランプ21が案内部材11に沿って相対的に下方に移動することとなる。
一方、上シリンダ機構23aのピストンロッドを伸張させると、案内部材11がコレット27を押し広げずに係合したままとなるので、コレット27と切り欠きCとが係合して上クランプ21に対する案内部材11の相対的な移動が規制される。
【0033】
下シリンダ機構23bは、ピストンロッドを伸張させて下クランプ22を押し下げることで、下クランプ22のコレット27に対して案内部材11を相対的に上方に移動させることとなる。すなわち、下シリンダ機構23bのピストンロッドを伸張させることによってコレット27と切り欠きCとの係合が解除されて、下クランプ22が案内部材11に沿って相対的に下方に移動することとなる。一方、下シリンダ機構23bのピストンロッドを収縮して下クランプ22のクランプ本体26を上方に引き寄せると、案内部材11がコレット27を押し広げずに係合したままとなるので、コレット27と切り欠きCとが係合して下クランプ22に対する案内部材11の相対的な移動が規制される。
【0034】
間隔調整装置24としては、例えばピストンロッドを略鉛直にして下クランプ22に接続され、シリンダ本体を保持架台7もしくは架台6と接続されるシリンダ機構が用いられる。そして、このシリンダ機構のピストンロッドの突出量を調整することで、下クランプ22と保持架台7もしくは架台6との間隔を調整できるようになっている。
【0035】
次に、このように構成される組立装置1を用いた風車Wの組立方法について、図7を用いて説明する。なお、図7では、基礎B上に組立装置1を設置して、風車Wを構成する構造物Sをすでにいくつか連結した段階での組立作業の様子を示しているが、基本的に、どの段階における連結作業も、下記の作業と同一の手順で行われる。
【0036】
まず、新たに構造物Sを連結するにあたって、構造物Sの連結体Jのうち、最下段に位置する構造物Sの外周に、固定具8を介して保持架台7を取り付ける(図7(a)参照)。本実施の形態では、固定具8は、連結体Jの外周に予め設けられているボルト穴に対してボルト止めされることによって連結体Jと接続している。
続いて、昇降装置2を動作させて連結体Jを保持架台7ごと基礎B上に持ち上げる。この工程の前に、昇降装置2による連結体Jの上昇動作と固定装置3による連結体Jの固定位置の下方への変更動作とのうちのいずれか一方を行い、昇降装置2と固定装置3との間に張力を発生させておく。例えば、昇降装置2の駆動部12を案内部材11に対して固定した後、固定装置3の駆動部12を案内部材11に対して下方に移動させる。これにより、昇降装置2の駆動部12から昇降装置2の案内部材11と保持架台7との接続部にかけての案内部材11と、固定装置3の駆動部12から固定装置3の案内部材11と基礎Bとの接続部にかけての案内部材11とに張力が発生する。
このように張力を発生させた後、昇降装置2によって連結体Jを持ち上げて、連結体Jの下に、新たに連結する構造物Sを搬入するスペースを確保する(図7(b)参照)。
【0037】
ここで、連結体Jは、昇降装置2によって昇降される一方で、固定装置3によって上下方向の位置の固定が行われることでその傾きが防止される。
すなわち、昇降装置2と固定装置3とはそれぞれ制御装置4によってその動作が制御されており、このように連結体Jを昇降させる際には、昇降装置2の動作と同期して、固定装置3による保持架台7の上下方向の位置の変更動作も行われるので、連結体Jの傾きを防止しつつ、連結体Jの昇降が行われる。
また、昇降装置2と固定装置3とは、制御装置4によって同期させられるので、昇降装置2の動作と固定装置3の動作とを手作業で同期させる場合に比べて、昇降装置2の動作と固定装置3の動作とを容易かつ正確に同期させることができ、連結体Jはその傾きがより確実に防止された状態で昇降させられる。
【0038】
さらに、前記のように連結体Jを持ち上げるに先立って昇降装置2と固定装置3との間に発生させた張力は、連結体Jを元の姿勢に保つように作用するので、連結体Jの傾きがより効果的に防止される。また、構造物Sの傾きが大きくなると、構造物Sが倒れようとする力(すなわち構造物Sを元の姿勢に戻すのに要する力)が大きくなり、構造物Sの傾きを戻すことが困難になるが、このように予め張力を発生させておくことで、構造物Sが傾き始める段階(すなわち構造物Sが倒れようとする力がごく小さい段階)から傾きが抑えられる上、予め張力を発生させていない場合に比べて構造物Sを元の姿勢に戻す力が大きいので、構造物Sの傾きがより効果的に防止される。
【0039】
そして、このように連結体Jを所望の高さまで持ち上げた後は、連結体Jの下方に新たに連結する構造物Sを搬入し(図7(c)参照)、その後連結体Jを降下させて、新たに搬入した構造物S上に載置し、連結体Jの最下段をなす連結体Sと新たに搬入した連結体Sとを連結する(図7(d)参照)。この連結作業は、例えば構造物S同士をボルト止めすることによって行われる。
【0040】
このように連結体Jと新たな構造物Sとの連結作業を終えた後は、連結体Jに対する保持架台7の固定を解除し、連結体Jにおいて保持架台7との固定に用いていたボルト穴を盲ねじなどによって閉じた後に、上記の手順を繰り返して順次構造物Sの連結を行ってゆき、風車Wを完成させる。
ここで、風車Wを構成する構造物Sは、連結体Jの下方に連結されるものほど外径が大きくなっているので、新たな構造物Sに保持架台7を固定する際には、保持架台7と構造物Sとを接続する固定具8を調整して適切な大きさまたは形状にする。
【0041】
以上説明した本実施形態にかかる塔型構造物の組立方法および組立装置1は、以下のような作用効果を奏する。
固定装置3は、保持架台7に設けた固定装置2の駆動部12によって、基礎Bと架台6上の支持台6cとの間にわたって固定された案内部材11を把持することで固定するようになっている。そして、固定装置3は平面視して複数箇所(本実施形態では4箇所)設けられているので、固定装置3が取り付けられた保持架台7が傾くことはない。このように、固定装置3によって構造物Sを支持する保持架台7が傾かないように固定されるので、構造物Sの傾きが防止される。
また、案内部材11に対する固定装置3の固定位置の変更動作と、昇降装置2の昇降動作とを同期させているので、昇降装置2によって構造物Sを昇降させている間であっても、構造物Sの傾きが防止される。
そして、固定装置3は、上下方向における一点(駆動部12が案内部材11を把持している箇所)で保持架台7を固定する。したがって、保持架台7は、架台6の最上端(架台6の桁部6b)まで引き上げることができる。したがって、上下方向に接続点を2点設けて保持架台の傾きを防止する手段(従来の技術参照)のように、架台6の下方に傾き防止のための間隔D(図8参照)を設ける必要がないので、架台6の高さを抑えることができる。これにより、架台設置に必要な資材も少なくて済み、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが不要となるので、塔型構造物の設置コストを低減することができる。また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所でも、塔型構造物の設置が可能となる。さらに、架台の設置及び除去に手間がかからないので、工期を短縮することができ、コストダウンを図ることができる。
また、基礎Bから固定装置3の駆動部12を介して昇降装置2の駆動部12に至るまでの案内部材11に張力をかけることとしたので、案内部材11の剛性が増し、保持部材7の傾きをより効果的に防止することができる。
【0042】
また、構造物Sは、基礎Bと架台6上の昇降装置2との間にわたって固定された棒状の案内部材11を介して保持されている。このため、構造物Sが傾こうとすると、案内部材11には、上下に引き伸ばす向きに力が作用し、これによって案内部材11に生じた応力が構造物の傾きを低減する向きに作用するので、構造物Sの傾きを効果的に防止することができる。
【0043】
また、この組立装置1では、構造物Sは、架台6と基礎Bとの両方から支持されるので、構造物Sの支持がより確実となり、その傾きが効果的に防止される。
さらに、この組立装置1は、構造物Sの外周を保持するとともに昇降装置2によって昇降される保持架台7が、架台6によって上下方向の移動が案内されるので、保持架台7の揺れや傾きが防止された状態で構造物Sの昇降を行うことができる。
【0044】
また、この組立装置1では、保持架台7には、保持架台7と構造物Sとを、構造物Sの大きさや形状に応じて寸法や形状を変更可能な固定具8を介して接続している。このため、大きさや水平断面形状の異なる構造物Sを連結してなる塔型構造物の組立てを行う際にも、保持架台7に設けられる固定具8の寸法や形状を適切に変更することで、同一の保持架台7を用いてこれら構造物Sの昇降を行うことができ、構造物Sの種類ごとに保持架台7を用意する必要がないので、組立装置1にかかるコストを低減することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、基礎Bを平面視正方形状とし、架台6の支柱6aを、基礎Bの各コーナーにそれぞれ配置した例を示したが、これに限られることなく、基礎Bの形状は任意であり、支柱6aの本数及び配置も、必要に応じて適宜選択することができる。
また、本実施の形態では、昇降装置2を架台6に設けて保持架台7を引揚げるように配置し、固定装置3を保持架台7上に置き、基礎Bとの間にわたって設けた例を示したが、これに限られることなく、保持架台7上に昇降装置2及び案内部材11を天地逆にして配置し、架台6より吊下げてもよい。又、昇降装置2及び固定装置3にスクリュージャッキ等を使用し、案内部材11にポール状のネジ等を使用して架台6と基礎Bにそれぞれ固定し、架台6側でテンションをかけて設置する場合は、昇降装置2及び固定装置3をスクリュージャッキ等の1台に兼用させて保持架台7上に設置してもよい。
更に、昇降装置2及び固定装置3には、速度制御の付いたウインチ等のワイヤージャッキも使用出来る。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる塔型構造物の組立方法および組立装置によれば、案内部材を把持する把持部によって、昇降装置により昇降される構造物の上下方向の位置の固定を行うとともに該構造物の固定位置の変更をすることとしたので、昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することとしたので、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降を行うことができる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
これにより、架台設置に必要な資材も少なくて済み、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが不要となるので、塔型構造物の設置コストを低減することができる。また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所でも、塔型構造物の設置が可能となる。
さらに、架台の設置及び除去に手間がかからないので、工期を短縮することができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる組立装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1のα−α矢視断面図である。
【図4】図1のβ−β矢視断面図である。
【図5】本発明にかかる昇降装置、固定装置に用いられる駆動部の構成を示す縦断面図である。
【図6】図5の要部拡大図であって、(a)は駆動部の上部構造を示す縦断面図、(b)は駆動部の下部構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる塔型構造物の組立方法による塔型構造物の組立過程を示す図である。
【図8】従来のリフトアップ工法を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 組立装置
2 昇降装置
3 固定装置
4 制御装置
6 架台
7 保持架台
8 固定具
11 案内部材
12 駆動部(把持部)
B 基礎
S 構造物
W 風車(塔型構造物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、塔型構造物の組立方法及び塔型構造物の組立装置(以下、単に「組立装置」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の鉄塔や風力発電用風車のタワー部分などの塔型構造物には、複数の構造物を上下に連結した構成のものがある。このように複数の構造物からなる塔型構造物は、例えば後述する特許文献1に示すように、基礎の上方に持ち上げられた構造物の下方に新たに構造物を連結し、このようにして得られた構造物の連結体を再度持ち上げてこの連結体の下方に新たに構造物を連結していくことによって組立てられる(この組立方法をリフトアップ工法という)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−254668号公報(段落0018、図16〜図19)
【0004】
連結体は、構造物の連結数が増えてその高さが増すにつれて重心の位置が高くなるので、基礎から持ち上げた状態ではバランスを崩しやすくなる。特に、風力発電用風車の場合には、連結体の最上部に風車回転翼及びナセルが設置されるために重心の位置がより高い上、設置場所は風の強い場所であるので、風の影響を受けて連結体のバランスがより崩れやすい。
このような連結体Jの転倒を防止するため、リフトアップ工法では、例えば図8に示すように、基礎B上に連結体Jの上下移動を可能にしつつ支持する架台101を設置して、図示せぬジャッキ等の昇降装置によって連結体Jの昇降を行う。
架台101は、構造物Sの昇降方向に沿って設けられるガイドレール102を有している。このガイドレール102に沿って、連結体Jの側面に取り付けられたガイドローラ103が上下動する。ガイドローラ103は、連結体Jの側面に対して、上下方向に離間させて複数箇所に取り付けられている。
連結体Jは、上下に配置されたガイドローラ103によって傾きを防止されながら昇降する。
【0005】
上下に配置されたガイドローラ103間の間隔Dは、ガイドレール102に対して連結体Jが揺動する際の支点・力点間の距離となる。すなわち、てこの原理により、この距離Dが大きいほど連結体Jの傾きに対する支持が強固になり、安定して連結体Jを支持することができる。そして、連結体Jを安定して支持するためには、この間隔Dをある程度確保する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のリフトアップ工法は、次のような問題がある。
連結体Jの傾きを抑えるためには、上下に離間されたガイドローラ103のいずれもがガイドレール102に対して接触しうるようになっていなければならない。そうすると、ガイドローラ103を最上方に持ち上げることができる位置は、せいぜい、上側のガイドローラ103がガイドレール102の最上端に達したところまでである。したがって、架台101の高さは、少なくとも、連結体Jを昇降させる高さに加えて、さらにガイドローラ103の上下方向の間隔Dを加えた高さが余計に必要となる。
このように架台が間隔Dだけ大きくなるため、架台設置に必要な資材も多くなり、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが必要となるので、塔型構造物の設置コストが高くなってしまう。さらに、架台の設置及び除去に手間がかかり、工期が長くなるので、これもコストアップの要因となる。
また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所での塔型構造物の設置が困難となる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造物の連結体の安定した支持を実現しながら塔型構造物の組立に要する労力やコストを低減することができる塔型構造物の組立方法及び組立装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明にかかる塔型構造物の組立方法は、基礎の上方に持ち上げられた構造物の下方に新たに構造物を連結することによって、前記基礎上に、複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物を組み立てる塔型構造物の組立方法であって、前記基礎上に設置された架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と、前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部を備えた、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置とを用い、前記構造物の昇降を行う際に、前記昇降装置による前記構造物の昇降動作と前記固定装置による前記構造物の固定位置の変更動作とを同期させて行うことを特徴としている。
【0009】
案内部材を把持する把持部によって、昇降装置により昇降される構造物の上下方向の位置の固定を行うとともに該構造物の固定位置の変更をすることとしたので、昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することで、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降が行われる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
【0010】
この塔型構造物の組立方法において、基礎から構造物を持ち上げる前に、前記案内部材に張力を与えるようにしてもよい。
案内部材に張力を与えることによって案内部材の剛性が増す。そして、この張力は、把持部を介して固定された構造物を元の姿勢に保つように作用するので、構造物の傾きがより効果的に防止される。張力の与え方としては、例えば、昇降装置による構造物の上昇動作と固定装置による構造物の固定位置の下方への変更動作とのうちのいずれか一方、もしくは両方を行えばよい。
また、構造物の傾きが大きくなると、構造物が倒れようとする力(すなわち構造物を元の姿勢に戻すのに要する力)が大きくなり、構造物の傾きを戻すことが困難になるが、このように予め張力を発生させておくことで、構造物が傾き始める段階(すなわち構造物が倒れようとする力がごく小さい段階)から張力を作用させて傾きが抑えられる上、構造物の傾きが同じであれば予め張力を発生させていない場合に比べて張力(構造物を元の姿勢に戻す力)が大きいので、構造物の傾きがより効果的に防止される。
また、基礎から構造物を持ち上げる前に張力を与えることとしたので、構造物を持ち上げている間であっても張力が加わっていることになり、構造物が傾くことがない。
【0011】
本発明にかかる組立装置は、複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物の組立てに用いる組立装置であって、基礎上に設置された架台と;該架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と;前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材と、前記案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部とを備え、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置と;を有していることを特徴としている。
【0012】
昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することで、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降が行われる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
【0013】
この組立装置は、昇降装置及び固定装置の動作を同期させて制御可能な制御装置を有していてもよい。
【0014】
この構成では、手作業で昇降装置及び固定装置の動作を制御する場合に比べて、昇降装置の動作と固定装置の動作とを容易かつ正確に同期させることができるので、構造物がその傾きを確実に防止した状態で昇降させられる。
【0015】
案内部材は基礎と架台上部との間に設けられていてもよい。
案内部材が基礎と架台上部との間に設けられているので、構造物は架台と基礎との両方に支持されるので、構造物の支持がより確実となり、その傾きが効果的に防止される。
【0016】
この組立装置は、構造物の外周を保持する保持架台を有し、昇降装置及び固定装置は、保持架台を介して構造物と接続されており、架台は、保持架台の上下方向の移動を案内するガイドを兼ねていてもよい。
【0017】
この構成では、基礎上に設けられる架台によって、構造物を保持する保持架台が案内されて、保持架台の揺れや傾きが防止された状態で構造物の昇降が行われる。
【0018】
この組立装置において、保持架台には、保持架台と構造物とを接続するとともに接続する構造物の大きさや形状に応じて寸法や形状を変更可能な固定具が設けられていてもよい。
この構成では、大きさや水平断面形状の異なる構造物を連結してなる塔型構造物の組立てを行う際にも、保持架台に設けられる固定具の寸法や形状を、各構造物の大きさや水平断面形状に応じて変更することで、同一の保持架台を用いてこれら構造物の昇降を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態にかかる塔型構造物の組立方法及びこれに用いる組立装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、一例として、複数の構造物が上下に連結されてなる風力発電用風車(以下、単に「風車」という。)の組立方法及び組立装置について説明する。
【0020】
まず、この風車の組立てに用いる組立装置について説明する。
図1及び図2に示すように、組立装置1は、風車Wが設置される基礎B上に設置されるものであって、基礎B上で風車Wを構成する構造物S(または構造物Sの連結体J)を昇降させる昇降装置2と、昇降装置2により昇降される構造物Sの上下方向の位置の固定を行うとともにこの構造物Sの固定位置の変更が可能な固定装置3とを有している。
また、組立装置1には、昇降装置2と固定装置3の動作を同期させて制御可能な制御装置4が設けられている(図2参照)。
【0021】
この組立装置1は、基礎B上に設けられる架台6を有しており、この架台6には、昇降装置2を介して、構造物Sの外周を保持する保持架台7が吊り下げられている。本実施の形態では、架台6及び保持架台7をトラス構造によって構成している。
保持架台7には、さらに固定装置3が接続されていて、昇降装置2によって保持架台7の昇降が行われるとともに、固定装置3によって保持架台7の上下方向の位置の固定が行われるようになっている。すなわち、本実施の形態に示す組立装置1では、昇降装置2によって保持架台7を昇降させることにより構造物Sの昇降が行われ、固定装置3によって保持架台7を固定することにより構造物Sの固定が行われる。
【0022】
基礎Bは、例えば、図3(図1のα−α矢視断面図)に示すように、平面視略正方形に形成される。
架台6は、この基礎Bの各コーナーからそれぞれ略鉛直に立設される四本の支柱6aを有している。これら支柱6aは、保持架台7の上下方向の移動を案内するガイドを兼ねている。
また、図4(図1のβ−β矢視断面図)に示すように、これら支柱6aの上端には、これら支柱6aの上端を各頂点とする四角形の各辺に沿って、支柱6a同士を接続する桁部6bが設けられている。
【0023】
保持架台7は、平面視において中央に構造物Sが挿通される空間が設けられている。また、周縁部において架台6の支柱6aの側面に対向する部位には、支柱6aの側面によって受けられる受け部が設けられており、保持架台7は、支柱6aの側面によって上下方向の移動を案内されるようになっている。本実施の形態では、保持架台7には、受け部として、各辺の端部に側方へ突出する突出部7aが設けられており(すなわち、保持架台7は平面視略#字形状をなしている)、隣り合う突出部7a間に架台6の支柱6aが挟み込まれるようになっている。また、この突出部7aは、架台6の桁部6bの鉛直下方に位置している(図3及び図4参照)。
保持架台7上には、図3に示すように、保持架台7と構造物Sとを接続し固定する固定具8が設けられている。この固定具8は、保持架台7及び構造物Sに対して、ボルト止め等によって着脱を可能にして接続される。
この固定具8は、例えば複数部品に分割可能な構成とされていて、各部材同士の接続位置を変更したり各部材間に新たな部材を設けることで、接続する構造物Sの大きさや形状に応じて内径寸法や形状を変更可能とされている。
本実施の形態では、固定具8は、平面視略四角形枠形状とされており、その内周側には、隣接する各辺間にまたがって補強部材8aが設けられていて、固定具8のねじれが防止されている。
【0024】
昇降装置2は、構造物Sの昇降方向に沿って設けられる棒状の案内部材11と、案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿って相対的な移動が可能とされた駆動部12とを有するものであって(図2参照)、図4に示すように、架台6の桁部6b上の複数箇所に設けられている。
ここで、昇降装置2の設置数は、要求される出力に応じて適宜設定されるものであり、またその配置も、昇降させる構造物Sのバランスが適切に保たれるように設定されるものである。本実施の形態では、昇降装置2は、平面視において対向する一対の桁部6bにおいてそれぞれの端部近傍に4つ設けられている。
各昇降装置2の駆動部12は、それぞれ桁部6bに固定されており、案内部材11は、上端側を駆動部12に保持され、下端を保持架台7(本実施の形態では駆動部12の直下に位置する突出部7a)に固定されている(図3参照)。
このように構成される昇降装置2は、駆動部12によって案内部材11を上下方向に送り出すことによって保持架台7を上下方向に移動させるようになっている。
【0025】
固定装置3は、昇降装置2と同様に、構造物Sの昇降方向に沿って設けられる棒状の案内部材11と、案内部材11を把持しつつ案内部材11に沿って相対的な移動が可能とされた駆動部(把持部)12とを有するものである。案内部材11は、図1及び図2に示すように、架台6の桁部6bと基礎Bとの間にわたって設けられている。
ここで、固定装置3の設置数は、要求される出力に応じて適宜設定されるものであり、またその配置も、固定する構造物Sのバランスが適切に保たれるように設定されるものである。本実施の形態では、固定装置3は、図4に示すように、桁部6bのうち、昇降装置2が設けられる対とは異なる対においてそれぞれの端部近傍に4つ設けられている。
具体的には、固定装置3の案内部材11は、下端を基礎Bに固定され、上端は、桁部6bを貫いて設けられて、架台6上に設けられる支持台6cに保持されている。また、駆動部12は、保持架台7上(本実施の形態では支持台6cの直下に位置する突出部7a)上に固定されている。
このように構成される固定装置3は、駆動部12を停止させて案内部材11の移動を規制することによって保持架台7の上下方向の移動を規制し、また、駆動部12を動作させて案内部材11を上下方向に相対的に送り出すことによって、保持架台7の固定位置(すなわち構造物Sの固定位置)を上下方向に変更するようになっている。
【0026】
次に、昇降装置2及び固定装置3の詳細な構成について説明する。
図5に示すように、案内部材11は、鋼材等の棒状部材の外周面に、長手方向に沿って略等間隔に切り欠きCを設けたものである。
駆動部12は、この案内部材11の切り欠きCに対して係合及び係合の解除が可能な上下一対のクランプ装置(上クランプ21,下クランプ22とする)と、上下のクランプ21,22間に設けられてこれら上下のクランプ21,22間の距離を変更するシリンダ機構23とを有している。
また、下クランプ22と保持架台7もしくは架台6との間には、これらの間隔を調整可能な間隔調整装置24が設けられており、各昇降装置2、固定装置3の下クランプ22の上下方向の位置の差や案内部材11の伸び量の差を吸収させて、昇降装置2、固定装置3に保持される保持架台7が水平を保つことができるようになっている。
また、案内部材11と架台6または基礎Bとの接続部、及び駆動部12の間隔調整装置24と架台6または保持架台7との間には、球座25が設けられていて、これらの相対的な傾きが許容されており、これらの間に曲げ応力が生じないようになっている。
【0027】
このように構成される駆動部12は、次のように動作するものである。
駆動部12の上クランプ21と下クランプ22とのうち少なくともいずれか一方が案内部材11に係合させられており、これによって駆動部12が案内部材11に固定されている。
まず、上クランプ21と下クランプ22とのうちのいずれか一方のクランプを案内部材11に係合させた状態で、他方のクランプと案内部材11との係合を解除し、シリンダ機構23によって他方のクランプを押圧して一方のクランプから離間させる。
そして、この他方のクランプを案内部材11に係合させた後に、一方のクランプと案内部材11との係合を解除し、シリンダ機構23によって一方のクランプを他方のクランプに引き寄せ、以降は上記の手順を必要回数繰り返すことで(すなわち、尺取虫と同じ動作を行うことによって)、駆動部12が案内部材11に沿って相対的に移動する。
【0028】
以下、駆動部12のより詳細な構成について説明する。
駆動部12は、基本的な部分について、特許第2509498号公報に示された油圧ジャッキと同様である。
上クランプ21は、図6(a)に示すように、案内部材11が挿通されるとともに 下端内面は、下方に向かうにつれて縮径されたテーパー面をなす円筒状のクランプ本体26と、クランプ本体26内で案内部材11が挿通された状態にして設けられて切り欠きCとの係合及び係合の解除が可能なコレット27と、クランプ本体26においてコレット27の上方に上下動可能にして設けられるコレットピストン28と、コレットピストン28を下方に向けて付勢する付勢部材29、及び付勢部材29に逆らってコレットピストン28を上方向に油圧にて押し上げる(コレットを開く)コレットシリンダ30とを有している。
【0029】
コレット27は、外力を受けていない状態ではコレットシリンダ30への油圧注入により内径が案内部材11の外径以上に保たれていて案内部材11の通過を許容するものである。
このコレット27は、通常は付勢部材29によってコレットシリンダ28を介して下方に付勢されて下端がクランプ本体26のテーパー面に押し付けられており、これによってコレット27の下端が径方向内側に押圧されて切り欠きCと係合するようになっている。
また、コレット27に対して案内部材11が相対的に上方に移動させられ、更にコレットシリンダ30への油圧注入が行われた場合には、コレット27の下端内面が押し広げられて、コレット27と切り欠きCとの係合が解除されるようになっている。
上クランプ21は、このようにコレット27を案内部材11の切り欠きCに係合させることによって案内部材11の相対的な移動を規制し、コレット27と切り欠きCとの係合を解除することによって案内部材11の相対的な移動を許容するものである。
【0030】
下クランプ22も、図6(b)に示すように、上クランプ21とほぼ同様の構成を有しており、その作動原理も上クランプ21と同じである。
【0031】
シリンダ機構23は、図5に示すように、シリンダロッドの先端が上方に向けられて上クランプ21のクランプ本体26に接続される上シリンダ機構23aと、シリンダロッドの先端が下方に向けられて下クランプ21のクランプ本体26に接続される下シリンダ機構23bとを有している。
【0032】
上シリンダ機構23aは、ピストンロッドを収縮して上クランプ21のクランプ本体26を下方に引き寄せることで、上クランプ21のコレット27に対して案内部材11を相対的に上方に移動させることとなる。すなわち、上シリンダ機構23aのピストンロッドを収縮させることによってコレット27と切り欠きCとの係合が解除されて、上クランプ21が案内部材11に沿って相対的に下方に移動することとなる。
一方、上シリンダ機構23aのピストンロッドを伸張させると、案内部材11がコレット27を押し広げずに係合したままとなるので、コレット27と切り欠きCとが係合して上クランプ21に対する案内部材11の相対的な移動が規制される。
【0033】
下シリンダ機構23bは、ピストンロッドを伸張させて下クランプ22を押し下げることで、下クランプ22のコレット27に対して案内部材11を相対的に上方に移動させることとなる。すなわち、下シリンダ機構23bのピストンロッドを伸張させることによってコレット27と切り欠きCとの係合が解除されて、下クランプ22が案内部材11に沿って相対的に下方に移動することとなる。一方、下シリンダ機構23bのピストンロッドを収縮して下クランプ22のクランプ本体26を上方に引き寄せると、案内部材11がコレット27を押し広げずに係合したままとなるので、コレット27と切り欠きCとが係合して下クランプ22に対する案内部材11の相対的な移動が規制される。
【0034】
間隔調整装置24としては、例えばピストンロッドを略鉛直にして下クランプ22に接続され、シリンダ本体を保持架台7もしくは架台6と接続されるシリンダ機構が用いられる。そして、このシリンダ機構のピストンロッドの突出量を調整することで、下クランプ22と保持架台7もしくは架台6との間隔を調整できるようになっている。
【0035】
次に、このように構成される組立装置1を用いた風車Wの組立方法について、図7を用いて説明する。なお、図7では、基礎B上に組立装置1を設置して、風車Wを構成する構造物Sをすでにいくつか連結した段階での組立作業の様子を示しているが、基本的に、どの段階における連結作業も、下記の作業と同一の手順で行われる。
【0036】
まず、新たに構造物Sを連結するにあたって、構造物Sの連結体Jのうち、最下段に位置する構造物Sの外周に、固定具8を介して保持架台7を取り付ける(図7(a)参照)。本実施の形態では、固定具8は、連結体Jの外周に予め設けられているボルト穴に対してボルト止めされることによって連結体Jと接続している。
続いて、昇降装置2を動作させて連結体Jを保持架台7ごと基礎B上に持ち上げる。この工程の前に、昇降装置2による連結体Jの上昇動作と固定装置3による連結体Jの固定位置の下方への変更動作とのうちのいずれか一方を行い、昇降装置2と固定装置3との間に張力を発生させておく。例えば、昇降装置2の駆動部12を案内部材11に対して固定した後、固定装置3の駆動部12を案内部材11に対して下方に移動させる。これにより、昇降装置2の駆動部12から昇降装置2の案内部材11と保持架台7との接続部にかけての案内部材11と、固定装置3の駆動部12から固定装置3の案内部材11と基礎Bとの接続部にかけての案内部材11とに張力が発生する。
このように張力を発生させた後、昇降装置2によって連結体Jを持ち上げて、連結体Jの下に、新たに連結する構造物Sを搬入するスペースを確保する(図7(b)参照)。
【0037】
ここで、連結体Jは、昇降装置2によって昇降される一方で、固定装置3によって上下方向の位置の固定が行われることでその傾きが防止される。
すなわち、昇降装置2と固定装置3とはそれぞれ制御装置4によってその動作が制御されており、このように連結体Jを昇降させる際には、昇降装置2の動作と同期して、固定装置3による保持架台7の上下方向の位置の変更動作も行われるので、連結体Jの傾きを防止しつつ、連結体Jの昇降が行われる。
また、昇降装置2と固定装置3とは、制御装置4によって同期させられるので、昇降装置2の動作と固定装置3の動作とを手作業で同期させる場合に比べて、昇降装置2の動作と固定装置3の動作とを容易かつ正確に同期させることができ、連結体Jはその傾きがより確実に防止された状態で昇降させられる。
【0038】
さらに、前記のように連結体Jを持ち上げるに先立って昇降装置2と固定装置3との間に発生させた張力は、連結体Jを元の姿勢に保つように作用するので、連結体Jの傾きがより効果的に防止される。また、構造物Sの傾きが大きくなると、構造物Sが倒れようとする力(すなわち構造物Sを元の姿勢に戻すのに要する力)が大きくなり、構造物Sの傾きを戻すことが困難になるが、このように予め張力を発生させておくことで、構造物Sが傾き始める段階(すなわち構造物Sが倒れようとする力がごく小さい段階)から傾きが抑えられる上、予め張力を発生させていない場合に比べて構造物Sを元の姿勢に戻す力が大きいので、構造物Sの傾きがより効果的に防止される。
【0039】
そして、このように連結体Jを所望の高さまで持ち上げた後は、連結体Jの下方に新たに連結する構造物Sを搬入し(図7(c)参照)、その後連結体Jを降下させて、新たに搬入した構造物S上に載置し、連結体Jの最下段をなす連結体Sと新たに搬入した連結体Sとを連結する(図7(d)参照)。この連結作業は、例えば構造物S同士をボルト止めすることによって行われる。
【0040】
このように連結体Jと新たな構造物Sとの連結作業を終えた後は、連結体Jに対する保持架台7の固定を解除し、連結体Jにおいて保持架台7との固定に用いていたボルト穴を盲ねじなどによって閉じた後に、上記の手順を繰り返して順次構造物Sの連結を行ってゆき、風車Wを完成させる。
ここで、風車Wを構成する構造物Sは、連結体Jの下方に連結されるものほど外径が大きくなっているので、新たな構造物Sに保持架台7を固定する際には、保持架台7と構造物Sとを接続する固定具8を調整して適切な大きさまたは形状にする。
【0041】
以上説明した本実施形態にかかる塔型構造物の組立方法および組立装置1は、以下のような作用効果を奏する。
固定装置3は、保持架台7に設けた固定装置2の駆動部12によって、基礎Bと架台6上の支持台6cとの間にわたって固定された案内部材11を把持することで固定するようになっている。そして、固定装置3は平面視して複数箇所(本実施形態では4箇所)設けられているので、固定装置3が取り付けられた保持架台7が傾くことはない。このように、固定装置3によって構造物Sを支持する保持架台7が傾かないように固定されるので、構造物Sの傾きが防止される。
また、案内部材11に対する固定装置3の固定位置の変更動作と、昇降装置2の昇降動作とを同期させているので、昇降装置2によって構造物Sを昇降させている間であっても、構造物Sの傾きが防止される。
そして、固定装置3は、上下方向における一点(駆動部12が案内部材11を把持している箇所)で保持架台7を固定する。したがって、保持架台7は、架台6の最上端(架台6の桁部6b)まで引き上げることができる。したがって、上下方向に接続点を2点設けて保持架台の傾きを防止する手段(従来の技術参照)のように、架台6の下方に傾き防止のための間隔D(図8参照)を設ける必要がないので、架台6の高さを抑えることができる。これにより、架台設置に必要な資材も少なくて済み、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが不要となるので、塔型構造物の設置コストを低減することができる。また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所でも、塔型構造物の設置が可能となる。さらに、架台の設置及び除去に手間がかからないので、工期を短縮することができ、コストダウンを図ることができる。
また、基礎Bから固定装置3の駆動部12を介して昇降装置2の駆動部12に至るまでの案内部材11に張力をかけることとしたので、案内部材11の剛性が増し、保持部材7の傾きをより効果的に防止することができる。
【0042】
また、構造物Sは、基礎Bと架台6上の昇降装置2との間にわたって固定された棒状の案内部材11を介して保持されている。このため、構造物Sが傾こうとすると、案内部材11には、上下に引き伸ばす向きに力が作用し、これによって案内部材11に生じた応力が構造物の傾きを低減する向きに作用するので、構造物Sの傾きを効果的に防止することができる。
【0043】
また、この組立装置1では、構造物Sは、架台6と基礎Bとの両方から支持されるので、構造物Sの支持がより確実となり、その傾きが効果的に防止される。
さらに、この組立装置1は、構造物Sの外周を保持するとともに昇降装置2によって昇降される保持架台7が、架台6によって上下方向の移動が案内されるので、保持架台7の揺れや傾きが防止された状態で構造物Sの昇降を行うことができる。
【0044】
また、この組立装置1では、保持架台7には、保持架台7と構造物Sとを、構造物Sの大きさや形状に応じて寸法や形状を変更可能な固定具8を介して接続している。このため、大きさや水平断面形状の異なる構造物Sを連結してなる塔型構造物の組立てを行う際にも、保持架台7に設けられる固定具8の寸法や形状を適切に変更することで、同一の保持架台7を用いてこれら構造物Sの昇降を行うことができ、構造物Sの種類ごとに保持架台7を用意する必要がないので、組立装置1にかかるコストを低減することができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、基礎Bを平面視正方形状とし、架台6の支柱6aを、基礎Bの各コーナーにそれぞれ配置した例を示したが、これに限られることなく、基礎Bの形状は任意であり、支柱6aの本数及び配置も、必要に応じて適宜選択することができる。
また、本実施の形態では、昇降装置2を架台6に設けて保持架台7を引揚げるように配置し、固定装置3を保持架台7上に置き、基礎Bとの間にわたって設けた例を示したが、これに限られることなく、保持架台7上に昇降装置2及び案内部材11を天地逆にして配置し、架台6より吊下げてもよい。又、昇降装置2及び固定装置3にスクリュージャッキ等を使用し、案内部材11にポール状のネジ等を使用して架台6と基礎Bにそれぞれ固定し、架台6側でテンションをかけて設置する場合は、昇降装置2及び固定装置3をスクリュージャッキ等の1台に兼用させて保持架台7上に設置してもよい。
更に、昇降装置2及び固定装置3には、速度制御の付いたウインチ等のワイヤージャッキも使用出来る。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる塔型構造物の組立方法および組立装置によれば、案内部材を把持する把持部によって、昇降装置により昇降される構造物の上下方向の位置の固定を行うとともに該構造物の固定位置の変更をすることとしたので、昇降装置によって構造物を昇降する一方で、固定装置の案内部材を把持する把持部によって構造物の上下方向の位置の固定を行うことができる。これにより、構造物の傾きが防止される。
そして、昇降装置による昇降動作と固定装置による固定位置の変更動作を同期させて行い、構造物の昇降に伴ってその固定位置を変更することとしたので、構造物の傾きを防止しつつ、構造物の昇降を行うことができる。
案内部材を把持部によって把持して固定することとしたので、上下方向に間隔(図8の間隔D参照)を設けなくても構造物を傾かせることなく固定することができる。したがって、架台の高さを低くできる。
これにより、架台設置に必要な資材も少なくて済み、また架台の設置及び除去に大型のクレーンが不要となるので、塔型構造物の設置コストを低減することができる。また、大型のクレーンの搬入が困難な山間部や、水上に浮かべられて波等の影響で揺れが生じる浮体構造物上など、大型クレーンの使用が困難な場所でも、塔型構造物の設置が可能となる。
さらに、架台の設置及び除去に手間がかからないので、工期を短縮することができ、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる組立装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図1のα−α矢視断面図である。
【図4】図1のβ−β矢視断面図である。
【図5】本発明にかかる昇降装置、固定装置に用いられる駆動部の構成を示す縦断面図である。
【図6】図5の要部拡大図であって、(a)は駆動部の上部構造を示す縦断面図、(b)は駆動部の下部構造を示す縦断面図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる塔型構造物の組立方法による塔型構造物の組立過程を示す図である。
【図8】従来のリフトアップ工法を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 組立装置
2 昇降装置
3 固定装置
4 制御装置
6 架台
7 保持架台
8 固定具
11 案内部材
12 駆動部(把持部)
B 基礎
S 構造物
W 風車(塔型構造物)
Claims (7)
- 基礎の上方に持ち上げられた構造物の下方に新たに構造物を連結することによって、前記基礎上に、複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物を組み立てる塔型構造物の組立方法であって、
前記基礎上に設置された架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と、前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部を備えた、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置とを用い、
前記構造物の昇降を行う際に、前記昇降装置による前記構造物の昇降動作と前記固定装置による前記構造物の固定位置の変更動作とを同期させて行うことを特徴とする塔型構造物の組立方法。 - 前記基礎から前記構造物を持ち上げる前に、前記案内部材に張力を与えることを特徴とする請求項1記載の塔型構造物の組立方法。
- 複数の構造物が上下に連結されてなる塔型構造物の組立てに用いる塔型構造物の組立装置であって、
基礎上に設置された架台と、
該架台に設けられるとともに、前記基礎上で前記構造物を昇降させる昇降装置と、
前記架台の上下方向にわたって設けられた案内部材と、前記案内部材を把持しつつ該案内部材に沿った相対的な移動が可能とされた把持部とを備え、前記構造物の上下方向の固定位置の変更を行う固定装置と、
を有していることを特徴とする塔型構造物の組立装置。 - 前記昇降装置及び前記固定装置の動作を同期させて制御可能な制御装置を有していることを特徴とする請求項3記載の塔型構造物の組立装置。
- 前記案内部材は、前記基礎と前記架台上部との間に設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の塔型構造物の組立装置。
- 前記構造物を保持する保持架台を有し、
前記昇降装置及び前記固定装置は、前記保持架台を介して前記構造物と接続されており、
前記架台は、前記保持架台の上下方向の移動を案内するガイドを兼ねていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の塔型構造物の組立装置。 - 前記保持架台には、該保持架台と前記構造物とを接続するとともに接続する構造物の大きさや形状に応じて寸法や形状を変更可能な固定具が設けられていることを特徴とする請求項6記載の塔型構造物の組立装置。
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