JP7144471B2 - タワー部材の積み上げ方法及びタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具 - Google Patents

タワー部材の積み上げ方法及びタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具 Download PDF

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本発明は、風車のタワーを構成するタワー部材の積み上げ方法等に関するものである。
風力発電に使用される風車は、タワーと、ナセルと、ブレードと、を含む。タワーは、高さ方向に分割された複数のタワー部材により構成される。
従来、タワー部材を積み上げてタワーを構築する場合には、特許文献1の図5にあるように、タワー部材の上端部に吊りピースを形成し、これをクレーンで吊り上げる作業を繰り返し行う。
特許4854804号公報
しかしながら、縦長のタワー部材を吊り上げる際に、タワー部材の上端部を吊り上げることとすると、タワー部材の高さの分だけ高い位置でタワー部材を吊り上げるために大型のクレーンが必要となり、風車の組み立てコストが上昇してしまう。また、風車は風が強い場所に設置されるためタワー部材に吊りピースを形成してそのまま運用することは風力発電設備の性能へ影響を与える可能性があり望ましくない。
本発明は、こうした事情を鑑み、タワー部材を吊り上げるための吊りピースをタワー部材に形成することなく、また、タワー部材を下部で吊り上げることができる風車のタワー部材の積み上げ方法等を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材における、下端部に外側に張り出した突部を有する一の前記タワー部材を、他の前記タワー部材の上に積み上げるタワー部材の積み上げ方法であって、前記他のタワー部材の外周よりも大きな内周を有する枠体と吊り上げ部とを有する吊り上げ用器具における前記枠体により前記突部を下方から支持させたまま、前記吊り上げ部を吊り上げることにより前記一のタワー部材を吊り上げる吊り上げ工程と、前記吊り上げた前記一のタワー部材を前記他のタワー部材に載置する載置工程と、を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、前記載置工程の後に、前記他のタワー部材の外周を通して前記枠体を下ろす下降工程を、含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具であって、前記突部を下方から支持する枠体と、前記枠体に設けられた吊り上げ部と、を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の吊り上げ用器具であって、前記枠体が、複数に分割可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材における、一の前記タワー部材を他の前記タワー部材の上に積み上げるタワー部材の積み上げ方法であって、前記一のタワー部材を下方から支持する支持部と吊り上げ部とを有する吊り上げ用器具の前記支持部を前記一のタワー部材の下方に設置する設置工程と、前記支持部により前記一のタワー部材を下方から支持させたまま、前記吊り上げ部を吊り上げることにより前記一のタワー部材を吊り上げる吊り上げ工程と、前記吊り上げた前記一のタワー部材を前記他のタワー部材の内側から上方に突出するジャッキに載置する第1載置工程と、前記一のタワー部材が前記ジャッキにより支持されている状態において、前記吊り上げ用器具を分解する分解工程と、前記吊り上げ用器具が分解された後に、前記一のタワー部材を支持したまま前記ジャッキを下ろし、前記一のタワー部材を前記他のタワー部材に載置する第2載置工程と、を含むことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、前記一のタワー部材の内側には前記ジャッキが当接する当接部が設けられ、前記第1載置工程では、前記ジャッキが前記当接部に当接するように前記一のタワー部材を載置することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、前記支持部は平面視十字形状をしており、前記設置工程では、前記吊り上げ用器具と前記一のタワー部材を平面視した場合に、前記支持部と前記当接部が重ならない位置に前記吊り上げ用器具を設置することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7の何れか一項に記載のタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具であって、前記一のタワー部材を下方から支持する支持部と吊り上げ部とを有することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、吊り上げ用器具における枠体により一のタワー部材の下端部外側に張り出した突部を下方から支持させたまま、吊り上げ部を吊り上げることにより一のタワー部材を吊り上げ、他のタワー部材に載置することから、一のタワー部材を吊り上げるための吊りピースを一のタワー部材に形成する必要が無く、また、一のタワー部材を下部で吊り上げることができる。
請求項5に記載の発明によれば、支持部と吊り上げ部とを有する吊り上げ用器具の支持部により一のタワー部材を下方から支持させたまま、吊り上げ部を吊り上げることにより一のタワー部材を吊り上げ、他のタワー部材の内側から上方に突出するジャッキに載置して、吊り上げ用器具を分解してから、一のタワー部材を他のタワー部材に載置することから、一のタワー部材を吊り上げるための吊りピースを一のタワー部材に形成する必要が無く、また、一のタワー部材を下部で吊り上げることができる。
請求項9に記載の発明によれば、一のタワー部材の下部の外側に取り外し可能に取り付けられた吊り上げ用器具を吊り上げることにより一のタワー部材を吊り上げ、他のタワー部材に載置することから、一のタワー部材を吊り上げるための吊りピースを一のタワー部材に形成する必要が無く、また、一のタワー部材を下部で吊り上げることができる。
本実施形態に係る風車の側面図である。 本実施形態に係るジャッキ付き架台におけるタワーの組み立て時の様子を示す図である。 本実施形態に係るジャッキ付き架台におけるタワーの組み立て時の様子を示す図である。 本実施形態に係るジャッキ付き架台におけるタワーの組み立て時の様子を示す図である。 本実施形態に係るジャッキ付き架台におけるタワーの組み立て時の様子を示す図である。 (A)は本実施形態に係るガイドスライダーの平面図であり、(B)は本実施形態に係るガイドスライダーの部分側面図であり、(C)は本実施形態に係るガイドスライダーのA矢視図である。 (A)は本実施形態に係る水平支持装置(閉状態)の平面図であり、(B)は本実施形態に係る水平支持装置(開状態)の平面図である。 本実施形態における第1積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の平面図である。 本実施形態における第1積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の、タワー部材を支持している時の平面図である。 図9のA-A断面図である。 本実施形態における第1積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の、タワー部材を支持している時の側面の拡大図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、本実施形態における第1積み上げ方法の流れを示す図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、それぞれ、図12(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の部分拡大図である。 本実施形態における第2積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の平面図である。 本実施形態における第2積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の正面一部拡大図である。 本実施形態における第2積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の、タワー部材を支持している時の平面図である。 図16のB-B断面図である 本実施形態における第2積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具によりタワー部材を支持している時のタワー部材の下部フランジ近傍を示す平面図である。 (A)は、本実施形態における第2積み上げ方法において下のタワー部材内の油圧ジャッキ上のタワー部材を載置する際の正面図であり、(B)はその側面図である。 (A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、本実施形態における第2積み上げ方法の流れを示す図である。 (A)、(B)、(C)は、それぞれ、図20(B)、(C)、(D)の部分拡大図である。 (A)は、本実施形態における第3積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の側面図であり、(B)は、本実施形態における第3積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具のタッププレートの正面図であり、(C)は、本実施形態における第3積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具の本体部の正面図である。
本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は風車100を示す図である。風車100は、タワー110と、ナセル120と、ブレード130と、を含む。なお、タワー110は、円筒形状をしており、例えば100m前後の高い塔状の構造物となる。
タワー110は、高さ方向に分割された3つの円筒状のタワー部材111A、111B、111Cにより構成される(以下、3つのタワー部材を総称してタワー部材111という場合がある)。なお、タワー部材111Aが最上段のタワー部材であり、タワー部材111Bが上から2段目のタワー部材であり、タワー部材111Cが上から3段目(最下段)のタワー部材である。
ナセル120は、軸受けや発電装置等を格納する。発電装置は、ブレードの回転数を引き上げる増速機や、発電機(誘導発電機、同期発電機等)や、風車100の運転状況等を監視する監視装置を含む。ナセル120は、最上段のタワー部材111Aの上部に取り付けられる。また、ナセル120には、複数のブレード130が取り付けられる。
次に、図2-図7を用いて、タワー110の組み立てに用いられるジャッキ架台について説明する。
台座10は、地盤の弱い土地に後述するジャッキ付き架台やタワー110、後述するクローラクレーン等の重量物を乗せる台座として機能する。台座10は、鋼製であり、地盤上に設置されて、ジャッキ付き架台やクローラクレーンからの荷重を広く地面に分散する。
台座10は、タワー110の組み立て及び保管に用いられる。
クローラクレーン20は、台座10上に配置される。
ジャッキ付き架台30は、台座10を基礎として台座10上に構築される。つまり、ジャッキ付き架台30の基礎は、直接地盤に設けられない。ジャッキ付き架台30は、ストランド32を引き上げることによりタワー部材111及びタワー110を吊り上げる揚重機としてのジャッキ31と、タワー部材111及びタワー110を移動させる台車33と、組み立て中のタワー部材111及びタワー110の横振れや転倒を防止する支持手段(後述するガイドスライダー及び後述する水平支持装置)と、を有する。なお、ジャッキ31は、タワー部材111及びタワー110を安定して吊り上げるため複数点以上で吊り上げることが好ましいことから、複数(本実施形態では4つ、図2ではそのうち2つを示している)設けることとする。
ジャッキ付き架台30は、荷受けエリア41、タワー組立エリア42及び保管エリア43の3つのエリアを有する。荷受けエリア41は、タワー部材111が搬入されるエリアである。タワー組立エリア42は、最上段のタワー部材111Aの下に、上から2段目以降のタワー部材111B、111Cを順次継ぎ足してタワー110を組み立てるエリアである。保管エリア43は、タワー組立エリア42にてタワー110の組み立てが完了した場合に、そのタワー110を保管するエリアである。このように、荷受けエリア41、タワー組立エリア42及び保管エリア43は、順に配置されている。
次に、図6(A)、(B)、(C)を用いて、ガイドスライダー34について説明する。ガイドスライダー34は、タワー部材111又はタワー110の側面を囲う正方形状のフレーム51と、フレーム51の4辺にそれぞれ取り付けられる4つの押圧装置52を含む。4つの押圧装置52はタワー部材111又はタワー110の側面を4方向から押圧して支持することにより、タワー部材111又はタワー110の横振れや転倒を防止する。また、ガイドスライダー34は、台車33と同期して、ジャッキ付き架台30の中段の梁30A(図2参照)上を水平方向に移動する。具体的には、ジャッキ付き架台30の中段の梁30Aには、レール55が敷設されており、ガイドスライダー34はレール55を移動する。ガイドスライダー34は、荷受けエリア41から保管エリア43までの範囲を移動することができる。
押圧装置52は、支持ローラ52a及びシリンダ52bを有し、H形鋼で形成されるフレーム51に取り付けられる。支持ローラ52aは、シリンダ52bの力によりタワー部材111又はタワー110の側面を押圧する。タワー部材111は吊られた状態で上げられたり下げられたりと上下に移動するが、支持ローラ52aは何れの場合もタワー部材111の高さ方向に沿って回転し、タワー部材111を支持する。また、フレーム51におけるレール55に沿う2つの辺に対応する部分の下部には、ガイドスライダー34がレール55上を移動するためのローラ54と、水平の力を受けるための水平力受ローラ53が設けられている。進行方向の力はガイドスライダー34及び台車33の牽引用ジャッキ(図示しない)で受け、支持することができる。
フレーム51の4隅には、それぞれ、牽引用ジャッキ(図示しない)にストランド58を介して接続された牽引フック57及び牽引具56が取り付けられており、ガイドスライダー34は、牽引用ジャッキ(図示しない)に牽引され水平方向に移動する。このとき、ガイドスライダー34と台車33のそれぞれを牽引する牽引用ジャッキが電子制御により同期して牽引を行うことにより、ガイドスライダー34と台車33は同期して移動する。これによりタワー部材111又はタワー110を自立した状態で水平に移動させることができる。
次に、図7(A)、(B)を用いて、水平支持装置60について説明する。水平支持装置60は、タワー組立エリア42や保管エリア43におけるジャッキ付き架台30の上部の梁30B(図2参照)上に設けられ、持ち上げられたタワー部材111や組み立てが完了したタワー110の側面を支持し、横振れや転倒を防止する。
図7(A)に示すように、水平支持装置60は、平面視正方形の枠体からなり、枠体の内部にはタワー部材111の側面を支持する4つのガイドローラ61が取り付けられている。タワー部材111は吊られた状態で上げられたり下げられたりと上下に移動するが、ガイドローラ61は何れの場合もタワー部材111の高さ方向に沿って回転し、タワー部材111を支持する。また、枠体における、タワー110又はタワー部材111が移動する方向(図7の紙面の横方向)に位置する壁面が、扉部材62A、62Bで構成されており、タワー110が移動する場合にはこれらが観音開きのように開閉(図7(A)は閉状態を示し、図7(B)は開状態を示す)することにより移動を妨げない。なお、水平支持装置60の枠体と同様のものをガイドスライダー34に設けて、転倒防止機能を向上させることとしてもよい。
次に、タワー110の組み立て方法について説明する。
[1.搬入工程]
まず、搬入工程について説明する。搬入工程は、台座10上に配置されたクローラクレーン20により、輸送車により輸送されてきたタワー部材111をジャッキ付き架台30内の荷受けエリア41に配置された台車33に搬入する工程である。台車33は、図示しないジャッキに接続されたストランドにより牽引されて荷受けエリア41から保管エリア43までの範囲で移動する。
ジャッキ付き架台30にタワー部材111が搬入されると、台車33及びガイドスライダー34は同期して移動し、タワー組立エリア42にタワー部材111を移動させる。この荷受けエリア41からタワー組立エリア42へのタワー部材111の移動は、後述する配置工程を兼ねる。タワー部材111をタワー組立エリア42に移動させると、荷受けエリア41に別の台車33を配置し、その次に搬入されるタワー部材111の荷受けをする。
[2.組立工程]
図2-図5を用いて組立工程について説明する。組立工程は、タワー組立エリア42にて複数のタワー部材111を組み立てる工程である。組立工程では、最上段のタワー部材111Aの下に、上から2段目以降のタワー部材111を下から順次継ぎ足してタワー部材111の組み立てを行う。組立工程は、タワー部材111を下から継ぎ足す際に、タワー部材111A又はそれまでに組み立てられた組み立て済みタワー部材111を吊り上げる吊り上げ工程と、吊り上げ工程で吊り上げられたタワー部材111A又は組み立て済みタワー部材111の下に、継ぎ足すタワー部材111を配置する配置工程と、配置工程で配置されたタワー部材111に、吊り上げ工程で吊り上げたタワー部材111A又は組み立て済みタワー部材111を載置する載置工程と、配置工程で配置されたタワー部材111と、載置工程で載置されたタワー部材111A又は組み立て済みタワー部材111を接合する接合工程と、を含む。そして、吊り上げ工程、配置工程、載置工程、接合工程を繰り返すことにより、タワー部材111を組み立てる。
[2.1.吊り上げ工程]
吊り上げ工程は、タワー組立エリア42にあるタワー部材111又は組み立て済みタワー部材111を吊り上げる工程である。最上段のタワー部材111Aがタワー組立エリア42に移動された場合には、タワー部材111A(図2参照)を吊り上げる。このとき、タワー部材111Aの下方に、次に搬入されるタワー部材111Bが立ち姿勢で配置できる高さまでタワー部材111Aを持ち上げる。一方、荷受けエリア41に上から2段目以降のタワー部材111が搬入された場合には、それまでに組み立てられた組み立て済みタワー部材111(図3であれば、タワー部材111A及びタワー部材111B)を吊り上げて、荷受けエリア41のタワー部材111がタワー組立エリア42に配置されるのを待機する。なお、吊り上げ工程にて、タワー部材111又は組み立て済みタワー部材111は、吊り上げられている際にガイドスライダー34及び水平支持装置60により支持されているため横振れや転倒が発生しないようになっている。
[2.2.配置工程]
ジャッキ31によりタワー部材111A又は組み立て済みタワー部材111が吊り上げられると、台車33及びガイドスライダー34が同調して移動し、荷受けエリア41に搬入されたタワー部材111が、吊り上げられたタワー部材111の下に配置される(図3参照)。
[2.3.載置工程]
次に、ジャッキ31は、タワー組立エリア42に配置されたタワー部材111上に、吊り上げ工程で吊り上げたタワー部材111を載置する(図3参照)。
[2.4.接合工程]
次に、タワー組立エリア42に配置されたタワー部材111と載置工程で載置されたタワー部材111のそれぞれに形成されたフランジを接合することにより、タワー部材111同士を接合する(図3参照)。
吊り上げ工程、配置工程、載置工程、接合工程を繰り返し、タワー部材111A、タワー部材111B及びタワー部材111Cを接合するとタワー110の完成となる(図4参照)。完成したタワー110は保管エリア43に保管される(図5参照)。
[3.タワー部材の積み上げ方法]
ここで、吊り上げ工程と載置工程を含むタワー部材の積み上げ方法として、3つの方法(それぞれ「第1積み上げ方法」、「第2積み上げ方法」、「第3積み上げ方法」という)について説明する。なお、ここでは、タワー部材111Aを立てた状態でその下部を吊り上げ、その下に配置されたタワー部材111Bの上に載置することとする。つまり、吊り上げ対象のタワー部材111はタワー部材111Aであり、載置対象のタワー部材111はタワー部材111Bである。
[3.1.第1積み上げ方法]
図8-図13を用いて、第1積み上げ方法について説明する。
第1積み上げ方法では、図8等に示す吊り上げ用器具300を用いてタワー部材111Aを吊り上げる。
一般的なタワー部材は、側面の上端部及び下端部に、平面視内側に張り出したフランジ(上部フランジ及び下部フランジ)を有している。これに対して第1積み上げ方法におけるタワー部材111Aは、下部フランジ152が平面視外側にも張り出しており突部152a(「突部」の一例)を形成している。
吊り上げ用器具300は、リング枠301(「枠体」の一例)と4つの吊りピース302(「吊り上げ部」の一例)を有している。4つの吊りピース302は、リング枠301の上面に等間隔で設けられている。吊りピース302には、タワー部材111Aをジャッキ31で吊り上げる際のワイヤやフックが挿通される挿通孔302aが形成されている。
リング枠301の内径(「内周」の一例)は、タワー部材111Aの突部152aが形成されている部分の外径(「外周」の一例)よりも小さく、且つ、タワー部材111Bの外径(最も太い部分の外径)よりも大きい。これにより吊り上げ用器具300は、突部152aを下方より支持した状態(突部152aを下方からリング枠301に引っ掛けた状態)でジャッキ31により吊り上げられることによりタワー部材111Aを吊り上げることができる。また、タワー部材111Aがタワー部材111Bに載置された後は、タワー部材111Bの外側面に沿って地上に吊り下ろすことで容易に撤去することができる。
なお、吊り上げ用器具300は、例えば、平面視半円ずつ(2分割)など複数に分割可能な構造としておくことにより、タワー部材111Aの積み上げを終えて地上に下ろした際にタワー部材111A、111Bを持ち上げることなく、容易に撤去することができる。また、運搬する際も小分けにして運搬することができ、運搬コストを抑制することができる。
第1積み上げ方法では、まず、図12(A)、図13(A)に示すように、タワー部材111Aの下に吊り上げ用器具300のリング枠301を配置する。例えば、荷受けエリア41において台車33上に吊り上げ用器具300を用意しておき、クローラクレーン20によりタワー部材111Aを吊り上げ用器具300のリング枠301上に配置してもよいし、また、荷受けエリア41からタワー組立エリア42へタワー部材111を移動させてから、クローラクレーン20によりタワー部材111Aを少し吊り上げ、その下に吊り上げ用器具300を設置した後に、タワー部材111Aを下げて吊り上げ用器具300のリング枠301上に載置することとしてもよい。
次いで、図12(B)、図13(B)に示すように、ジャッキ31のアンカーハウジング31aと吊りピース302を接続する。次いで、吊り上げ用器具300のリング枠301により突部152aを下方から支持させた状態で、吊りピース302をジャッキ31により吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げる。
次いで、図12(C)、図13(C)に示すように、タワー部材111Aの下方に、タワー部材111Bを配置する。
次いで、吊り上げ用器具300及びタワー部材111Aを下降させ、タワー部材111Bに載置する。このようにしてタワー部材111Bの上にタワー部材111Aを積み上げる。
次いで、タワー部材111Aの下部フランジ152とタワー部材111Bの上部フランジ172をボルト接合することにより、タワー部材111Aとタワー部材111Bを接合する。
次いで、図12(D)、図13(D)に示すように、吊り上げ用器具300をタワー部材111Bの外周を通して下降させ、図12(E)、図13(E)に示すように、地上まで下ろす(「下降工程」の一例)。
次いで、吊り上げ用器具300を分解して撤去する。
第1積み上げ方法によれば、タワー部材111Aとタワー部材111Bの接合に際し、溶接やピン接合等の作業を行う必要が無い。なお、タワー部材111Aの下部フランジ152はタワー部材111同士の接続部であり、非常に堅固であり、強度の高い部分であることから、吊り上げポイントとして好適である。
また、リング枠301と下部フランジ152の突部152aは円状に接触するため、非常に大きなせん断面積を確保することができ、吊り上げ時に掛かる荷重を容易に分散できる。そのため、下部フランジ152に対して永久ひずみや破断のリスクが無い。
更に、4つのジャッキ31で吊り上げ用器具300を支持することができ、リング型であっても、荷重を分散でき、強度的に非常に有利である。吊り上げ完了後は、吊り上げ用器具300をそのままタワー部材111Bを通して地上に降ろすことで撤去できる。なお、タワー部材111A及びタワー部材111Bを吊り上げた状態であれば、地上まで下ろした吊り上げ用器具300をそのまま撤去することができる。また、2分割構造にすれば、タワー部材111A及びタワー部材111Bが吊り上げられておらず吊り上げ用器具300がタワー部材111Bを抱え込んだ状態であっても、吊り上げ用器具300を分割することにより撤去することができる。また、タワー部材111が台車33の上にある状態において吊り上げ用器具300を取り付ける場合には、タワー部材111を抱え込むように、吊り上げ用器具300を組み立てることだけにより容易に取り付けることができる。
なお、タワー部材111Aをタワー部材111Bの上に載置する場合に用いる吊り上げ用器具300のリング枠301のサイズと、上にタワー部材111Aが接合されたタワー部材111Bをタワー部材111Cの上に載置する場合に用いる吊り上げ用器具300のリング枠301のサイズは異なる。図1に示したように、前者の吊り上げ対象であるタワー部材111Aと、後者で吊り上げ対象であるタワー部材111Bは外周が異なるためである。すなわち、タワー部材111Aよりもタワー部材111Bの方が外周が大きいため、タワー部材111Bを吊り上げる際には、リング枠301のサイズが大きな吊り上げ用器具300が用いられる。但し、この吊り上げ用器具300におけるリング枠301の内径は、タワー部材111Bの突部(図示しない)が形成されている部分の外径よりも小さく、且つ、タワー部材111Cの外径よりも大きい。これにより吊り上げ用器具300は、タワー部材111Bにおける下端部の突部を下方より支持した状態でジャッキ31により吊り上げられることによりタワー部材111Bを吊り上げることができる。また、タワー部材111Bがタワー部材111Cに載置された後は、タワー部材111Cの外側面に沿って地上に吊り下ろすことで容易に撤去することができる。なお、リング枠301の内径が、タワー部材111Aの突部152aが形成されている部分の外径及びタワー部材111Bの下部フランジの突部(図示しない)が形成されている部分の外径よりも小さくなるとともに、タワー部材111Bの外径(最も太い部分の外径)及びタワー部材111Cの外径(最も太い部分の外径)よりも大きくなるようにタワー部材111A、タワー部材111B及び吊り上げ用器具300を設計することで、一つの吊り上げ用器具300をタワー部材111A及びタワー部材111Bに共用することができる。
[3.2.第2積み上げ方法]
図14-図21を用いて、第2積み上げ方法について説明する。
第2積み上げ方法は、図14等に示す吊り上げ用器具400を用いてタワー部材111Aを吊り上げて行う。
吊り上げ用器具400は、タワー部材111Aを支持する十字天秤部401(「支持部」の一例)と吊りピース402(「吊り上げ部」の一例)とを有する。図14、図15に示すように、十字天秤部401は、中心部401aと4つの端部401bに分割可能となっている。例えば、両者に掛け渡したプレートをボルトで固定することにより、両者を合体させることができる。吊りピース402には、タワー部材111Aをジャッキ31で吊り上げる際のワイヤやフックが挿通される挿通孔402aが形成されている。吊りピース402は、各端部401bの上面にそれぞれ設けられている。
図18に示すように、第2積み上げ方法におけるタワー部材111Aの下部フランジ202は、平面視内側に張り出した8つのジャッキ受け202a(「当接部」の一例)が等間隔に形成されている。図19(A)、(B)に示すように、ジャッキ受け202aの上面部分には、ジャッキ受け202aが下方からの力を十分に受けられるようにリブ203が設けられている。
一方、第2積み上げ方法におけるタワー部材111Bの側面251の内側上部には、タワー部材111Aのジャッキ受け202aと同様に、8つの油圧ジャッキJをそれぞれ設置するためのジャッキ台253が設けられている。ジャッキ台253に設置された各油圧ジャッキJは、側面251の内側から伸びる保持具254により支持されつつ、シリンダJaから出たピストンロッドJbが上部フランジ252より上方に突出し、タワー部材111Aのジャッキ受け202aに当接し、タワー部材111Aとタワー部材111Bが接触しない状態でタワー部材111Aを支持する。
第2積み上げ方法では、まず、図20(A)に示すように、タワー部材111Aの下に吊り上げ用器具400の十字天秤部401を配置する。例えば、荷受けエリア41において台車33上に吊り上げ用器具400を用意しておき、クローラクレーン20によりタワー部材111Aを吊り上げ用器具400の十字天秤部401上に配置してもよいし、また、荷受けエリア41からタワー組立エリア42へタワー部材111を移動させてから、クローラクレーン20によりタワー部材111Aを少し吊り上げ、その下に吊り上げ用器具400を設置した後に、タワー部材111Aを下げて吊り上げ用器具400の十字天秤部401上に載置することとしてもよい。
なお、タワー部材111Aの下方に十字天秤部401を配置する際、図18に示すように、吊りピース402の位置とジャッキ受け202aの位置が重ならないよう吊り上げ用器具400を配置する。これにより、後に、タワー部材111Aを油圧ジャッキJに載置する際に、十字天秤部401と油圧ジャッキJが接触することを回避できる。
次いで、ジャッキ31のアンカーハウジング31aと吊りピース402を接続する。次いで、吊り上げ用器具400の十字天秤部401によりタワー部材111Aを下方から支持させたまま、吊りピース402をジャッキ31により吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げる。
次いで、タワー部材111Aの下方に、タワー部材111Bを配置する。
次いで、図20(B)、図21(A)に示すように、タワー部材111Bに設置された8つの油圧ジャッキJのピストンロッドJbを伸長させた後、タワー部材111Aを下降させ、吊り上げ用器具400の8つのジャッキ受け202aと8つ油圧ジャッキJのピストンロッドJbとが当接するように位置調整を行ってタワー部材111Aを油圧ジャッキJに載置する。このとき、タワー部材111Aの下部フランジ202とタワー部材111Bの上部フランジ252に、ガイドボルトを挿入して、タワー部材の芯を合わせる。
次いで、タワー部材111Aを油圧ジャッキJに載置した状態で、吊り上げ用器具400のみを下降させ、吊り上げ用器具400からタワー部材111Aの荷重を抜いたら、図20(C)、図21(B)に示すように、吊り上げ用器具400を中心部401aと4つの端部401bに分割する。タワー部材111のフランジ接続部には作業用の床を設けられているので、そこで分割作業を行う。そして、図20(D)、図21(C)に示すように、中心部401aと4つの端部401bを撤去する。具体的には、端部401bはジャッキ31によりタワー部材111Bの外側を吊り下ろして撤去し、一方、中心部401aはタワー内部で更に細分化した後、タワー内部の昇降手段(階段、エレベータ等)を用いて搬出する。
次いで、作業用の床で油圧ジャッキJを操作して、ガイドボルト(図示しない)に沿って、ジャッキダウンを行い、タワー部材111Aをタワー部材111Bに載置する。このようにしてタワー部材111Bの上にタワー部材111Aを積み上げる。
次いで、図20(E)に示すように、タワー部材111Aの下部フランジ202とタワー部材111Bの上部フランジ252をボルト接合することにより、タワー部材111Aとタワー部材111Bを接合する。
第2積み上げ方法では、タワー部材111Aをタワー部材111Bに載置する前に、一旦、油圧ジャッキJでタワー部材111Aを仮支えして吊り上げ用器具400を取り外すこととしているが、仮に分割ができない構成であれば、油圧ジャッキJが邪魔をして取り外すことができなくなってしまうという問題が生ずるが、吊り上げ用器具400は分割可能な構成となっていることから容易に取り外すことができる。
[3.3.第3積み上げ方法]
図22を用いて、第3積み上げ方法について説明する。
第3積み上げ方法は、図22に示す吊り上げ用器具500を用いてタワー部材111Aを吊り上げて行う。
吊り上げ用器具500は、吊りピース501とタッププレート502を有する。タッププレート502は厚板形状であり、複数の雌ネジ(ボルト孔)が形成されている。また、タッププレート502は、タワー部材111Aの外側下部に溶接等により取り付けられる。タッププレート502はタワー部材111Aの重量を支持できる厚みが必要であるが、タワー部材111Aの直径に比べれば、非常にわずかである。
吊りピース501は、本体部501aとプレート部501cを有し、本体部501aには、タワー部材111Aをジャッキ31で吊り上げる際のワイヤやフックが挿通される挿通孔501bが形成されている。プレート部501cには、タッププレート502に重ね合わせた場合にタッププレート502のボルト孔が重なる位置にボルト孔を有している。吊りピース501は、タッププレート502のボルト孔とプレート部501cのボルト孔をそれぞれ位置合わせした上でボルトを挿入して締め上げることによりタッププレート502(タワー部材111)に取り付けられる。
なお、第1積み上げ方法及び第2積み上げ方法と同様に、タワー部材111Aを4点で吊り上げるために、4つの吊り上げ用器具500がタワー部材111Aの周方向に等間隔で取り付けられる。
第3積み上げ方法では、まず、吊り上げ用器具500の吊りピース501をジャッキ31により吊り上げられることによりタワー部材111Aを吊り上げる。
次いで、タワー部材111Aの下方に、タワー部材111Bを配置する。
次いで、吊り上げ用器具300及びタワー部材111Aを下降させ、タワー部材111Bに載置する。
第3積み上げ方法では以上のようにしてタワー部材111Bの上にタワー部材111Aを積み上げる。そして、タワー部材111Aの下部フランジ202とタワー部材111Bの上部フランジ252をボルト接合することにより、タワー部材111Aとタワー部材111Bを接合する。
なお、タワーの組み立てが完了したら、タッププレート502から吊りピース501を取り外すこととする。吊りピース501を取り外した後のタッププレート502は、風雨の影響により腐食しやすいため、ボルト孔を利用して保護カバーを取り付けて腐食を防止することが好ましい。また、その保護カバーの形状を流線形にすることにより、風の影響を最小限に抑えることができる。
以上説明した第1積み上げ方法、第2積み上げ方法及び第3積み上げ方法では、タワー部材111Aの下部で吊り上げることから、タワー部材111Aの上部が横振れして転倒又は落下する危険性があるが、本実施形態ではジャッキ付き架台30のガイドスライダー34及び水平支持装置60により上部を支持しているためそうした危険性を低減させることができる。
また、ここで説明したタワー部材111の積み上げ方法を逆手順で行うことで、容易にタワー110を解体することができる。
以上説明したように、本実施形態における第1積み上げ方法は、風車100のタワー110を高さ方向に分割してできた複数のタワー部材111における、下端部に外側に張り出した突部152aを有するタワー部材111A(「一のタワー部材」の一例)を、タワー部材111B(「他のタワー部材」の一例)の上に積み上げるタワー部材111の積み上げ方法であって、タワー部材111A及びタワー部材111Bの外周よりも大きな内周を有するリング枠301(「枠体」の一例)と吊りピース302(「吊り上げ部」の一例)とを有する吊り上げ用器具300におけるリング枠301によりタワー部材111Aの突部152aを下方から支持させたまま、吊りピース302を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げる吊り上げ工程と、吊り上げたタワー部材111Aをタワー部材111Bに載置する載置工程と、含む。
したがって、本実施形態における第1積み上げ方法によれば、吊り上げ用器具300におけるリング枠301によりタワー部材111Aの下端部外側に張り出した突部152aを下方から支持させたまま、吊りピース302を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げ、タワー部材111Bに載置することから、タワー部材111Aを吊り上げるための吊りピースをタワー部材111Aに形成する必要が無く、また、タワー部材111Aを下部で吊り上げることができる。
また、本実施形態における第1積み上げ方法は、載置工程の後に、タワー部材111Bの外周を通してリング枠301を下ろす下降工程を、含む。したがって、タワー部材111Aをタワー部材111Bに載置した後、直ちにジャッキ31を用いて吊り上げ用器具300を地上に降ろすことができる。
更に、本実施形態における第1積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具300は、リング枠301が、複数に分割可能である。したがって、吊り上げ用器具300を地上に降ろした後、組み立て済みタワー部材111(タワー部材111Aとタワー部材111B)を吊り上げることなく、容易に吊り上げ用器具300をタワー部材111Bから撤去することができる。
次に、本実施形態における第2積み上げ方法は、風車100のタワー110を高さ方向に分割してできた複数のタワー部材111における、タワー部材111A(「一のタワー部材」の一例)をタワー部材111B(「他のタワー部材」の一例)の上に積み上げるタワー部材111の積み上げ方法であって、タワー部材111Aを下方から支持する十字天秤部401(「支持部」の一例)と吊りピース402(「吊り上げ部」の一例)とを有する吊り上げ用器具400の十字天秤部401をタワー部材111Aの下方に設置する設置工程と、十字天秤部401によりタワー部材111Aを下方から支持させたまま、吊りピース402を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げる吊り上げ工程と、吊り上げたタワー部材111Aをタワー部材111Bの内側から上方に突出する油圧ジャッキJに載置する第1載置工程と、タワー部材111Aが油圧ジャッキJにより支持されている状態において、吊り上げ用器具400を分解する分解工程と、吊り上げ用器具400が分解された後に、タワー部材111Aを支持したまま油圧ジャッキJを下ろし、タワー部材111Aをタワー部材111Bに載置する第2載置工程と、を含む。
したがって、本実施形態における第2積み上げ方法によれば、十字天秤部401と吊りピース402とを有する吊り上げ用器具400の十字天秤部401によりタワー部材111Aを下方から支持させたまま、吊りピース402を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げ、タワー部材111Bの内側から上方に突出する油圧ジャッキJに載置して、吊り上げ用器具400を分解してから、タワー部材111Aをタワー部材111Bに載置することから、タワー部材111Aを吊り上げるための吊りピースをタワー部材111Aに形成する必要が無く、また、タワー部材111Aを下部で吊り上げることができる。
また、本実施形態における第2積み上げ方法において、タワー部材111Aの内側には油圧ジャッキJが当接するジャッキ受け202aが設けられ、第1載置工程では、油圧ジャッキJがジャッキ受け202aに当接するようにタワー部材111Aを載置する。これにより、油圧ジャッキJはタワー部材111Aを安定して支持することができる。
更に、本実施形態における第2積み上げ方法において、十字天秤部401は平面視十字形状をしており、設置工程では、吊り上げ用器具400とタワー部材111Aを平面視した場合に、十字天秤部401とジャッキ受け202aが重ならない位置に吊り上げ用器具400を設置する。したがって、タワー部材111Aを油圧ジャッキJに載置する際に、十字天秤部401と油圧ジャッキJが接触することを回避できる。
なお、本実施形態では、タワー部材111Aを吊り上げる場合について説明したが、タワー部材111Aよりも外径が大きいタワー部材111Bを一つの吊り上げ用器具400により吊り上げるために、中心部401a又は端部401bの何れかについてタワー部材111A用のもの、タワー部材111B用のもの(タワー部材111A用のものより長さが長いもの)を用意し、タワー部材111Aを吊り上げる場合にはタワー部材111A用のものを用い、次いで、タワー部材111Bを吊り上げる場合には、タワー部材111A用のものからタワー部材111B用のものに取り換えて用いることとしてもよい。これにより、中心部401a又は端部401bを共用できるため、タワー部材111A用の吊り上げ用器具400及びタワー部材111B用の吊り上げ用器具400の双方を用意する必要がなく経済的である。
次に、本実施形態における第3積み上げ方法は、風車100のタワー110を高さ方向に分割してできた複数のタワー部材111における、側面271の下部の外側に取り外し可能に取り付けられた吊り上げ用器具500を有するタワー部材111A(「一のタワー部材」の一例)を、タワー部材111B(「他のタワー部材」の一例)の上に積み上げるタワー部材111の積み上げ方法であって、タワー部材111Aにおける吊り上げ用器具500を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げる吊り上げ工程と、吊り上げたタワー部材111Aをタワー部材111Bに載置する載置工程と、を含む。
したがって、本実施形態における第3積み上げ方法によれば、タワー部材111Aの側面271の下部の外側に取り外し可能に取り付けられた吊り上げ用器具500を吊り上げることによりタワー部材111Aを吊り上げ、タワー部材111Bに載置することから、タワー部材111Aを吊り上げるための吊りピースをタワー部材111Aに形成する必要が無く、また、タワー部材111Aを下部で吊り上げることができる。
また、本実施形態における第3積み上げ方法は、載置工程の後に、タワー部材111Aの側面271に固定されるタッププレート502(「固定部」の一例)と、タッププレート502に対して取り外し可能に取り付けられた吊りピース501(「吊り上げ部」の一例)と、を有する吊り上げ用器具500における吊りピース501をタッププレート502から取り外す取り外し工程を含む。これにより、吊りピース501はタワー部材111Aに残されることがなく、風力発電設備の性能への影響を排除することができる。
更に、本実施形態における第3積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具500は、吊りピース501が取り外されたタッププレート502を保護する流線型の保護カバーを更に有することとしてもよい。保護カバーにより、タッププレート502の腐食を防止することができ、また、その保護カバーの形状により、風が風車100に与える影響を最小限に抑えることができる。
10 台座
20 クローラクレーン
30 ジャッキ付き架台
30A 中段の梁
30B 上部の梁
31 ジャッキ
31a ジャッキハウジング
32 ストランド
33 台車
34 ガイドスライダー
41 荷受けエリア
42 タワー組立エリア
43 保管エリア
51 フレーム
52 押圧装置
52a 支持ローラ
52b シリンダ
53 水平力受ローラ
54 ローラ
55 レール
56 牽引具
57 牽引フック
58 ストランド
60 水平支持装置
61 ガイドローラ
62A、62B 扉部材
100 風車
110 タワー
111 タワー部材
120 ナセル
130 ブレード
151 側面
152 下部フランジ
152a 突部
171 側面
172 上部フランジ
201 側面
202 下部フランジ
202a ジャッキ受け
203 リブ
251 側面
252 上部フランジ
253 ジャッキ台
254 保持具271 側面
J 油圧ジャッキ
Ja シリンダ
Jb ピストンロッド
300 吊り上げ用器具
301 リング枠
302 吊りピース
302a 挿通孔
400 吊り上げ用器具
401 十字天秤部
401a 中心部
401b 端部
402 吊りピース
402a 挿通孔
500 吊り上げ用器具
501 吊りピース
501a 本体部
501b 挿通孔
501c プレート部
502 タッププレート

Claims (8)

  1. 風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材における、下端部に外側に張り出した突部を有する一の前記タワー部材を、他の前記タワー部材の上に積み上げるタワー部材の積み上げ方法であって、
    前記他のタワー部材の外周よりも大きな内周を有する枠体と吊り上げ部とを有する吊り上げ用器具における前記枠体により前記突部を下方から支持させたまま、前記吊り上げ部を吊り上げることにより前記一のタワー部材を吊り上げる吊り上げ工程と、
    前記吊り上げた前記一のタワー部材を前記他のタワー部材に載置する載置工程と、
    を含むことを特徴とするタワー部材の積み上げ方法。
  2. 請求項1に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、
    前記載置工程の後に、前記他のタワー部材の外周を通して前記枠体を下ろす下降工程を、含むことを特徴とするタワー部材の積み上げ方法。
  3. 請求項1又は2に記載のタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具であって、
    前記突部を下方から支持する枠体と、
    前記枠体に設けられた吊り上げ部と、
    を有することを特徴とする吊り上げ用器具。
  4. 請求項3に記載の吊り上げ用器具であって、
    前記枠体が、複数に分割可能であることを特徴とする吊り上げ用器具。
  5. 風車のタワーを高さ方向に分割してできた複数のタワー部材における、一の前記タワー部材を他の前記タワー部材の上に積み上げるタワー部材の積み上げ方法であって、
    前記一のタワー部材を下方から支持する支持部と吊り上げ部とを有する吊り上げ用器具の前記支持部を前記一のタワー部材の下方に設置する設置工程と、
    前記支持部により前記一のタワー部材を下方から支持させたまま、前記吊り上げ部を吊り上げることにより前記一のタワー部材を吊り上げる吊り上げ工程と、
    前記吊り上げた前記一のタワー部材を前記他のタワー部材の内側から上方に突出するジャッキに載置する第1載置工程と、
    前記一のタワー部材が前記ジャッキにより支持されている状態において、前記吊り上げ用器具を分解する分解工程と、
    前記吊り上げ用器具が分解された後に、前記一のタワー部材を支持したまま前記ジャッキを下ろし、前記一のタワー部材を前記他のタワー部材に載置する第2載置工程と、
    を含むことを特徴とするタワー部材の積み上げ方法。
  6. 請求項5に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、
    前記一のタワー部材の内側には前記ジャッキが当接する当接部が設けられ、
    前記第1載置工程では、前記ジャッキが前記当接部に当接するように前記一のタワー部材を載置することを特徴とするタワー部材の積み上げ方法。
  7. 請求項6に記載のタワー部材の積み上げ方法であって、
    前記支持部は平面視十字形状をしており、
    前記設置工程では、前記吊り上げ用器具と前記一のタワー部材を平面視した場合に、前記支持部と前記当接部が重ならない位置に前記吊り上げ用器具を設置することを特徴とするタワー部材の積み上げ方法。
  8. 請求項5乃至7の何れか一項に記載のタワー部材の積み上げ方法に用いられる吊り上げ用器具であって、
    前記一のタワー部材を下方から支持する支持部と吊り上げ部とを有することを特徴とする吊り上げ用器具。
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