JP2005041847A - フェロセンを置換基に有する光学活性リンキラルジホスフィン化合物、該化合物の中間体、該化合物の製造方法及び該化合物を用いる不斉合成反応、並びに該化合物を配位子として有する金属錯体触媒及び該金属錯体触媒を用いる不斉合成反応をする方法 - Google Patents
フェロセンを置換基に有する光学活性リンキラルジホスフィン化合物、該化合物の中間体、該化合物の製造方法及び該化合物を用いる不斉合成反応、並びに該化合物を配位子として有する金属錯体触媒及び該金属錯体触媒を用いる不斉合成反応をする方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、フェロセンを置換基に有する光学活性リンキラルジホスフィン化合物、該化合物の中間体、該化合物の製造方法及び該化合物を用いる不斉合成反応、並びに該化合物を配位子として有する金属錯体触媒及び該金属錯体触媒を用いる不斉合成反応をする方法に関するものである。
光学活性な触媒(以下、不斉触媒と言う。)を用いて行う触媒的不斉合成反応は、ごく少量の不斉触媒を用いて大量の光学活性化合物を合成することができるので、工業的な利用価値が高い。中でも不斉還元と呼ばれる合成方法は、その高い反応効率に加えて水素ガスを原料として用いることから、無機塩等の副生成物を伴わないという利点を有するので、経済的かつ環境調和的な合成方法である。
この触媒的不斉合成反応は、光学的に高純度の生成物を得るのが目的であり、光学純度は、反応に用いる不斉触媒の性能に左右される。そして、不斉触媒としては、通常遷移金属錯体が用いられるが、その遷移金属に配位している配位子により、反応場においてどのような不斉空間が構築されているかによって、反応生成物の光学純度の大部分が決定されることとなる。従って、不斉触媒の開発においては、優れた触媒活性および立体選択性を実現するために、配位子の立体構造を設計することが重要となる。
そこで、近年、不斉配位子が盛んに研究され、種々の不斉配位子が開発されている。中でも光学活性ホスフィン配位子は、これらの遷移金属錯体を用いる触媒的不斉合成反応において重要な役割を担っており、今日までに膨大な数の配位子が設計、合成されている。
また、不斉空間の構築という観点から有利なため、前記光学活性ホスフィンの置換基としてフェロセンが用いられている。フェロセン化合物はその特異な分子構造故に中心不斉、面性不斉、C2対称不斉、およびそれらの組合わせというように、多彩なキラリティーを持つことが可能である。
これらのことから、様々な光学活性フェロセニルホスフィン配位子が合成されており、特開平6−41171号公報には、式(6):
しかし、前記した配位子はいずれもリン原子以外の原子が不斉点となるものであり、リン原子が不斉点となる配位子(以下、リンキラルホスフィン配位子と呼ぶ)ではない。リンキラルホスフィン配位子を用いた不斉触媒又は触媒的不斉合成反応については、非特許文献2のG.Z.Naturforsch.1984年396巻512頁に式(7):
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、(i)(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンは、結晶性が良く、光学的に高純度の光学活性化合物として単離することができること、(ii)(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを、脱ボラン処理して得られる(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンは、光学純度が低下せず、光学的に高純度であること、(iii) (S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを配位子に用いた遷移金属錯体が、不斉反応の触媒として有用であること等を見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明(1)は、式(1):
本発明(2)は、式(2):
本発明(3)は、上記式(2)で表される構造を有する(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを脱ボラン処理して上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを製造する方法を提供するものである。
本発明(4)は、上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンと遷移金属錯体を反応させて得られる反応生成物を触媒として用いる不斉還元方法を提供するものである。
本発明(5)は、水素ガス雰囲気下で行う本発明(4)記載の不斉還元方法を提供するものである。
本発明(6)は、上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンと遷移金属錯体を反応させて得られる反応生成物を触媒として用いるオレフィン類のアリル位の不斉置換方法を提供するものである。
本発明(6)は、上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンと遷移金属錯体を反応させて得られる反応生成物を触媒として用いるオレフィン類のアリル位の不斉置換方法を提供するものである。
本発明(7)は、一般式(4): [M(A)p(B)q(L)] (4)
(式中、Mは遷移金属を示し、AはLと配位子交換する電子供与性の配位子を示し、BはLと配位子交換しない配位子を示し、Lは上記式(1)の(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン示し、pは0〜2の整数を示し、qは0〜2の整数を示し且つp+qは1以上である。)
又は一般式(5):[Mx(A)r(B)s(L)]+Y− (5)
(式中、M、A、B及びLは前記と同じであり、xは1又は2の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、sは0〜4の整数を示し且つr+sは1以上でり、Yはアニオン基を示す。)で表される遷移金属錯体触媒を提供するものである。
(式中、Mは遷移金属を示し、AはLと配位子交換する電子供与性の配位子を示し、BはLと配位子交換しない配位子を示し、Lは上記式(1)の(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン示し、pは0〜2の整数を示し、qは0〜2の整数を示し且つp+qは1以上である。)
又は一般式(5):[Mx(A)r(B)s(L)]+Y− (5)
(式中、M、A、B及びLは前記と同じであり、xは1又は2の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、sは0〜4の整数を示し且つr+sは1以上でり、Yはアニオン基を示す。)で表される遷移金属錯体触媒を提供するものである。
本発明(8)は、前記発明(7)記載の遷移金属錯体触媒を用いる不斉還元方法を提供するものである。
本発明(9)は、前記発明(7)記載の遷移金属錯体触媒を用いるオレフィン類のアリル位の不斉置換方法を提供するものである。
本発明に係る(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンは、遷移金属触媒用の配位子として用いることができ、該配位子を用いた遷移金属触媒は、触媒的不斉合成反応を良好に行うことができる。また、本発明の(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを脱ボラン処理することにより、高い光学純度の(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを得ることができる。
本発明に係る(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンは、前記式(1)で表される立体構造を有するリンキラルジホスフィン化合物であり、2つのリン原子上の絶対配置が等しいC2対称の構造である。そして、このC2対称の構造であることが、不斉合成に寄与する。また、式(1)の化合物は、リン原子に結合するフェロセンがアリール基であるため、空気中でも安定で、取扱い易い。また、化合物内に結晶性の良いフェロセンを2分子持つため、配位子そのものの結晶性が向上し、再結晶等の結晶化操作により、容易に高純度のリンキラルジホスフィン化合物を単離することができる。
本発明に係る(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンは、前記式(2)で表される立体構造を有するリンキラルジホスフィンボラン錯体化合物であり、式(1)の化合物の製造中間体である。式(2)の化合物もC2対称化合物であり、式(1)の化合物と同様、空気中でも安定で、取扱い易く、容易に高純度のリンキラルジホスフィン化合物を単離することができる。
次に、式(1)の化合物及び式(2)の化合物の製造方法の一例を下記反応式:
式(2)の化合物は、原料のフェロセンに、tert−ブチルリチウム(以下「t−BuLi」と記載する。)を作用させ、モノリチオフェロセン(A)を得る第1工程と、該モノリチオフェロセン(A)に、三塩化リン、メチルマグネシウムブロミド及びボラン−テトラヒドロフラン錯体を順に添加して反応させ、フェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)を得る第2工程と、該フェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)2分子をカップリングさせ、式(2)の化合物を得る第3工程を順次行うことで得られる。また、式(1)の化合物は、式(2)の化合物を脱ボラン処理する第4工程を行うことにより得られる。
第1工程は、フェロセンとt−BuLiを溶媒中で反応させ、モノリチオフェロセン(A)を得る工程である。フェロセンとしては、市販されているものを用いることができ、特級試薬レベルの純度であれば精製することなく用いることができるが、昇華などにより精製をすることが後の精製工程での精製効率を高める点で好ましい。t−BuLiは、市販されているものを用いることができ、事前に滴定し正確な濃度を求めておくことが、適量の添加ができ副反応を防ぐことができる点で好ましい。使用する溶媒としては、自らが反応試薬等と反応しないものであれば特に制限されないが、ジエチルエーテル、n−ヘキサン又はテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記載する。)の単独あるいはそれらを二種以上混合したものが、反応温度の設定及び反応後の溶媒の除去が容易である点で好ましく、n−ヘキサンとTHFの混合溶媒又はジエチルエーテルとTHFの混合溶媒が、副生する1,1’−ジリチオフェロセンの生成を抑え、効率的にモノリチオフェロセンを得ることができる点で特に好ましい。また、当該溶媒は、常法により脱水したものを使用することが、t−BuLiの失活を防ぐことができる点で好ましい。
また、反応温度としては、−20〜25℃が好ましく、特に好ましくは−20〜0℃である。−20℃未満では反応の進行が遅く、また、25℃を超えると副反応が起こり易い。反応時間は0.5〜2時間が好ましく、特に好ましくは0.5〜1時間である。また、反応装置は良く乾燥したものを用い、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが、t−ブチルリチウムの水分による失活及び生成するモノリチオフェロセン(A)の加水分解を防ぐことができる点で好ましい。
第2工程では、まず、第1工程とは別の反応容器で三塩化リン溶液を調製し、該三塩化リン溶液中に、前記モノリチオフェロセン(A)の溶液を加え、三塩化リンとモノリチオフェロセン(A)を反応させる。三塩化リンとしては、市販のものを用いることができるが、蒸留等により精製したものを用いることが好ましい。使用する溶媒としては、自らが反応試薬等と反応しないものであれば特に制限されないが、第1工程で用いたものと同種のものが好ましい。該三塩化リン溶液は、−78〜−40℃に冷却することが、副反応を抑制できる点で好ましい。また、モノリチオフェロセン(A)の溶液の添加は、カニュラ等を用いることにより水分の混入を防止することができる。
次に、反応液の温度を−20〜0℃に昇温し、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム等のメチルグリニアル試薬を加える。当該メチルグリニアル試薬は、別の反応容器で調製し、カニュラ等を用いて添加することができる。そして、メチルグリニアル試薬の添加終了後、さらに反応液の温度を40〜50℃に昇温し、0.5〜2時間反応を行う。
続いて、反応液の温度を−20〜0℃に冷却し、ボラン−THF錯体溶液を加える。ボラン−THF錯体溶液としては、市販のものを用いることができる。そして、0.5〜2時間反応を行い、反応液を冷無機水溶液に加え、反応を停止させる(クエンチ)。該冷無機水溶液の無機酸は、1当量/l程度の濃度に調製した水溶液を、0〜5℃に冷却したものを用いることが好ましい。有機層と水層の混合液から、有機層を分液し、水層を酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム等の有機溶剤を用いて抽出する。1つに集めた有機層を、洗浄、脱水を行い、有機溶剤を除去し、乾燥すれば粗フェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)を得ることができる。
続いて、反応液の温度を−20〜0℃に冷却し、ボラン−THF錯体溶液を加える。ボラン−THF錯体溶液としては、市販のものを用いることができる。そして、0.5〜2時間反応を行い、反応液を冷無機水溶液に加え、反応を停止させる(クエンチ)。該冷無機水溶液の無機酸は、1当量/l程度の濃度に調製した水溶液を、0〜5℃に冷却したものを用いることが好ましい。有機層と水層の混合液から、有機層を分液し、水層を酢酸エチル、ジエチルエーテル、クロロホルム等の有機溶剤を用いて抽出する。1つに集めた有機層を、洗浄、脱水を行い、有機溶剤を除去し、乾燥すれば粗フェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)を得ることができる。
得られた粗フェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)は、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華等の常法によって精製する。例えば未反応のフェロセン及び低沸点不純物を昇華によって除去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒を用いて再結晶することにより、純度99%以上のフェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)を得ることができる。
第3工程は、まず、反応容器内に(−)−スパルテイン及び有機溶媒を加え、−50℃以下まで冷却し、さらにsec−ブチルリチウム溶液を加え、攪拌し、sec−ブチルリチウム/(−)−スパルテイン錯体を調製する。反応温度は−50℃以下、好ましくは−70℃以下である。当該sec−ブチルリチウム/(−)−スパルテイン錯体は、プロキラルなメチル基からの立体選択的脱プロトン化反応に有効な試薬である。
次に、精製したフェロセニルジメチルホスフィンボラン(B)を有機溶媒に溶解させた溶液を、当該sec−ブチルリチウム/(−)−スパルテイン錯体溶液に加え、−50〜−78℃で、3〜6時間反応させる。続いて塩化銅を加え、攪拌しながら反応液を徐々に加温し、2〜3時間かけて室温に戻し、さらに室温において3〜15時間反応させる。塩化銅は、事前に乳鉢などでよくすりつぶし、よく乾燥した物を用いることが好ましい。
また、使用する有機溶媒は、(−)−スパルテインのリチウムへの配位を阻害せず、且つ低温で凝固しない非プロトン性有機溶媒であれば特に制限されず、単独又は二種以上混合して用いることができるが、ジエチルエーテルが当該sec−ブチルリチウム/(−)−スパルテイン錯体の形成速度が速い点で好ましい。反応容器は、反応前に良く乾燥し、不活性ガスで置換し、また、反応中は不活性ガスの気流下で行うことが、sec−ブチルリチウム/(−)−スパルテイン錯体の失活を防ぐことができる点で好ましい。
その後、反応液に無機塩の水溶液を加えて反応を停止させ、反応の際に用いた有機溶媒を除いた後、有機溶媒で抽出し、洗浄、脱水後、抽出溶媒を除いて、式(2)の化合物の粗生成物を得る。次に、当該粗生成物を再結晶等の通常の手段によって精製すれば式(2)の化合物を得ることができる。この時の式(2)の化合物の光学純度は99%以上であり、該光学純度は市販の光学活性カラム、例えばダイセル社製キラルAD−Hカラムを用いた、HPLC分析により測定することができる。
第4工程は、第3工程により得られた式(2)の化合物を脱ボラン処理する工程である。本発明において脱ボラン処理とは、式(1)の化合物のリン原子の非共有電子対に結合しているボラナート基を除去する処理方法を指す。ボラナート基を除去する処理方法としては特に制限されず、一般的に用いられる脱ボラン処理方法であればよく、例えばアミン系溶媒中で加熱する処理方法、トリフルオロメタンスルホン酸等の超強酸と反応させ、続いてアルカリで中和する処理方法等が挙げられる。このうち、アミン系溶媒であるモルホリン、ピロリジン、N−メチルピロリジン等を用いて加熱する処理方法が、得られる式(1)の化合物の収率が高く、不純物又は溶媒を除去し易い点で好ましい。また、塩基性溶媒中で加熱する処理方法において、反応温度は50〜80℃であり、好ましくは60〜70℃である。反応温度が50℃未満であると反応速度が遅く、80℃を超えると光学純度が低下する。反応時間は、好ましくは1〜3時間である。
第4工程により得られる式(1)の化合物の光学純度は99%以上であり、該光学純度は、式(1)の化合物を再度ボラン錯体である式(2)の化合物へと導き、その光学純度を測定することにより確認することができる。
上記の様に、式(2)の化合物は、脱ボラン処理方法により、リン原子上の立体を保持したままで式(1)の化合物が得られる点で、式(1)の化合物の製造に適した化合物である。
上記の様に、式(2)の化合物は、脱ボラン処理方法により、リン原子上の立体を保持したままで式(1)の化合物が得られる点で、式(1)の化合物の製造に適した化合物である。
また、式(1)の化合物及び式(2)の化合物の立体構造の確認は、単結晶X線構造解析を用いて行うことができる。
式(1)の化合物は、一般式(3):[M(A)p(B)q]n (3)
で表される遷移金属錯体との反応により、式(1)の化合物を配位子として有する遷移金属錯体触媒を反応系中で生成し、生成した該遷移金属錯体触媒は、触媒的不斉合成反応を行うことができる。
で表される遷移金属錯体との反応により、式(1)の化合物を配位子として有する遷移金属錯体触媒を反応系中で生成し、生成した該遷移金属錯体触媒は、触媒的不斉合成反応を行うことができる。
一般式(3)中、Mは当該遷移金属錯体の中心金属となる遷移金属であり、好ましくはロジウム、パラジウム、ルテニウム又は銅である。
一般式(3)中、Aは当該遷移金属錯体の配位子であって、式(1)の化合物と反応系中で配位子交換をする電子供与性の配位子であり、エチレン、炭化水素系ジエン類、カルボニル基、アリルアニオン又は2−メチルアリルアニオンが、配位子交換が起こり易く、反応系中で式(1)の化合物を配位子に有する不斉金属錯体触媒を生成し易い点で特に好ましい。ここで、炭化水素系ジエン類としては、例えば、シクロオクタ−1,5−ジエン(以下、codとも記載する。)、ノルボルナジエン(以下、nbdとも記載する。)等が挙げられる。
一般式(3)中、Bは当該遷移金属錯体の配位子であって、式(1)の化合物とは配位子交換をしない配位子であり、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アセトキシル基(以下、OAcとも記載する。)、トリフラート基(以下、OTfとも記載する。)、ニトリル基又はジメチルホルムアミドが挙げられる。
一般式(3)中、pは0〜2の整数を示し、qは0〜2の整数を示し、p+qは1以上を示し、nは1又は2の整数を示すが、これらの値は、中心金属であるMの種類及び価数により変化する。また、p=1又は2の場合、例えばRh[(cod)Cl]2であれば、式(1)の化合物はcodとの配位子交換によって、p=0の場合、例えばCu(OTf)2であれば、式(1)の化合物は配位子交換することなく直接銅に配位し、遷移金属錯体触媒を生成する。
そして、一般式(3)の遷移金属錯体が存在する反応系中に、式(1)の化合物を加えると、配位子交換又は直接の配位により、反応系中で遷移金属錯体触媒が生成し、該遷移金属錯体触媒は、配位子の式(1)の化合物が有効な不斉空間を構築するので、触媒的不斉合成反応を行うことができる。
反応系中で生成する当該遷移金属錯体触媒が行う不斉合成反応としては、不斉還元方法(以下、不斉還元反応ともいう。)又はオレフィン類のアリル位の不斉置換方法(以下、オレフィン類のアリル位の不斉置換反応ともいう。)が挙げられる。本発明においてオレフィン類のアリル位の不斉置換反応とは、アリル位に脱離基を持つオレフィン類と求核剤との置換反応により、アリル位に立体選択性を持たせる反応を言う。
不斉還元反応の原料としては、置換基を有するオレフィン類、ケトン類、イミン類等が挙げられ、具体的には、デヒドロアミノ酸等の置換アルケンが例示される。また、不斉還元反応に用いる還元剤としては、特に制限されないが、水素ガスが、反応後に無機塩等の副生成物を伴わない点で好ましい。
不斉還元反応の原料としては、置換基を有するオレフィン類、ケトン類、イミン類等が挙げられ、具体的には、デヒドロアミノ酸等の置換アルケンが例示される。また、不斉還元反応に用いる還元剤としては、特に制限されないが、水素ガスが、反応後に無機塩等の副生成物を伴わない点で好ましい。
また、オレフィン類のアリル位の不斉置換反応の原料としては、アリル位に脱離基を持つオレフィン類であれば特に制限されず、例えば、ハロゲン化アリル、酢酸アリル等が挙げられ、求核剤としては、求核置換反応をすることができる求核剤であれば特に制限されない。
式(1)の化合物と一般式(3)の遷移金属錯体は、両者が同一の反応系中に存在すれば、速やかに遷移金属錯体触媒を生成するため、原料及び溶媒を加えた例えば不斉還元反応容器中に、式(1)の化合物と一般式(3)の遷移金属錯体を順次添加して、原料を含む反応系中で不斉遷移金属錯体を生成させる方法、又は予め、式(1)の化合物と一般式(3)の遷移金属錯体を混合して遷移金属錯体触媒を生成させてから、原料を含む例えば不斉還元反応系中に加える方法のいずれでも行うことができる。
反応温度は、反応の種類、原料の種類又は使用する遷移金属錯体の中心金属により異なるが、概ね−20〜60℃である。−20℃未満であると反応速度が遅く、また、60℃を超えると光学純度が低くなり易い。反応時間もまた、反応の種類、原料の種類又は使用する遷移金属錯体の中心金属により異なるが、概ね1〜24時間である。
また、反応に使用する溶媒としては、特に制限されず、ヘキサン等の飽和炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル又はTHF等のエーテル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル等のニトリル類が挙げられる。該溶媒は、予め、常法により脱水処理をしたものを用いることが、遷移金属錯体触媒の失活を防ぐことができる点で好ましい。
一般式(3)の遷移金属錯体のうち、Mがルテニウム、ロジウムのものは特に不斉還元反応に、パラジウムのものは特にオレフィン類のアリル位の不斉置換反応に適している。
次に本発明に係る遷移金属錯体触媒について説明する。本発明に係る遷移金属錯体触媒は、一般式(4)又は一般式(5)で表される構造である。
一般式(4)中、Lは式(1)の化合物を示し、中心金属に配位することにより、不斉空間を構築する。また、M、A、B、p及びqは、前記一般式(3)の遷移金属錯体の場合と同様のものが挙げられ、p及びqの値は、中心金属であるMの種類及び価数により変化する。
一般式(5)中、Lは式(1)の化合物を示し、Yは遷移金属錯体が正電荷を持つ場合に、対アニオンとなるものであり、例えば、四フッ化ホウ酸基(BF4 −)、過塩素酸基(ClO4 −)、六フッ化リン酸基(PF6 −)又は六フッ化アンチモン基(SbF6 −)が挙げられ、M、A及びBは、前記一般式(3)の遷移金属錯体の場合と同様のものが挙げられる。また、xは1又は2の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、sは0〜4の整数を示し且つr+sは1以上であり、x、r及びsの値は、中心金属であるMの種類及び価数により変化する。
ロジウム錯体触媒としては、例えば、[RhCl(L)]2、[RhBr(L)]2、[RhI(L)]2、[Rh(OAc)(L)]2等を挙げることができ、ルテニウム錯体触媒としては、例えば、[RuBr2(L)]、[RhCl2(L)]、[RuCl2(L)(DMF)]、[Ru2Cl4(L)2]NEt3等を挙げることができ、パラジウム錯体触媒としては、例えば[PdCl(L)]2、[PdCl2(L)]、[Pd(C2H4)2L]等を挙げることができ、銅錯体触媒としては、例えば、[Cu(OTf)2(L)]、[CuCN(L)]、[CuI(L)]等を挙げることができる。
当該一般式(4)又は(5)の遷移金属錯体触媒は、公知の方法、社団法人日本化学会編、「第4版実験化学講座18、有機金属錯体」、丸善株式会社、1991年に記載の方法によって製造することができる。また、ロジウム錯体を製造する方法としては、社団法人日本化学会編、「第4版実験化学講座18、有機金属錯体」、第327〜第353頁、丸善株式会社、1991年;J.Am.Chem.Soc.1994,116,4062−4066の方法が、ルテニウム錯体を製造する方法としては、講談社サイエンティフィック編、「合成化学者のための実験有機金属化学」、第137〜第139頁、講談社、1992年に記載の方法が、パラジウム錯体を製造する方法としては、社団法人日本化学会編、「第4版実験化学講座18、有機金属錯体」、第391〜第411頁、丸善株式会社、1991年に記載の方法が、銅錯体を製造する方法としては、社団法人日本化学会編、「第4版実験化学講座18、有機金属錯体」、第440〜第450頁、丸善株式会社、1991年に記載の方法等が挙げられる。
一例を挙げると、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩のTHF溶液に、式(1)の化合物のTHF溶液を加えて、配位子交換することにより、[Rh(シクロオクタ−1,5−ジエン)(L)]+BF4 −を得ることができる。式(1)の化合物を配位子として有するロジウム錯体であることは、31P−NMR分析により得られるケミカルシフト及びカップリング定数により確認することができる。
一般式(4)又は(5)の遷移金属錯体触媒は、配位子である式(1)の化合物が有効な不斉空間を構築しているので、触媒的不斉合成反応に適している。従って、一般式(4)又は(5)の遷移金属錯体触媒は、触媒的な不斉還元反応又は触媒的なオレフィン類のアリル位の不斉置換反応を良好に行うことができる。反応原料、還元剤、求核剤、使用する溶媒、反応温度、反応時間等は、前記した反応系中で遷移金属錯体触媒を生成させる不斉合成反応と同様である。
また、一般式(4)又は(5)の遷移金属錯体触媒のうち、Mがルテニウム、ロジウムのものは特に不斉還元触媒に、パラジウムのものは特にオレフィン類のアリル位の不斉置換触媒に適している。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
(参考例1)
<フェロセニルジメチルホスフィンボランの合成>
(第1工程)
良く乾燥した200mlのフラスコに、フェロセン14.88g(80mmol)と、溶媒としてヘキサン及びTHFをそれぞれ40ml加え、氷浴を用いて0 ℃に冷却した。このフラスコに、アルゴン気流下撹拌しながらtert−ブチルリチウムのヘキサン溶液56ml(80mmol)を滴下ロートを用いて滴下後、0℃で1時間撹拌し、モノリチオフェロセン溶液を調製した。
(第2工程)
別に良く乾燥した2リットルのフラスコを用意し、三塩化リン10.99g(80mmol)及びTHF160mlを加え、よく攪拌後、−78℃に冷却した。この2リットルのフラスコに、カニュラを用いて200mlのフラスコから第1工程で調製したモノリチオフェロセン溶液を加え、−78℃で1時間攪拌後、2時間かけて0℃まで昇温した。次にメチルマグネシウムブロミドのTHF溶液200ml(192mmol)を滴下ロートを用いて加えた。滴下終了後、反応液を50℃で1時間加熱した。その後、再びこの溶液を0℃に冷却し、ボラン−THF錯体のTHF溶液87ml(90mmol)をシリンジを用いて加え、0℃で1時間反応させた後、この溶液を0℃の1N−塩酸水溶液に注意深く加えて反応を停止した。分液ろ斗を用いて有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。得た有機層を1つに集め、1N−HCl水溶液、純水、飽和食塩水を用いて、この順番で洗浄し、無水硫酸ナトリウム加えて脱水、濾過後、エバポレーターを用いて溶媒を除去、乾燥し、粗フェロセニルジメチルホスフィンボランを得た。次に、粗フェロセニルジメチルホスフィンボランから、未反応のフェロセン及び低沸点不純物を昇華により除去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒を用いて、再結晶により精製し、フェロセニルジメチルホスフィンボラン7.9gを得た。収率は38%であった。得たフェロセニルジメチルホスフィンボランの物性値を、表1に示す。
(参考例1)
<フェロセニルジメチルホスフィンボランの合成>
(第1工程)
良く乾燥した200mlのフラスコに、フェロセン14.88g(80mmol)と、溶媒としてヘキサン及びTHFをそれぞれ40ml加え、氷浴を用いて0 ℃に冷却した。このフラスコに、アルゴン気流下撹拌しながらtert−ブチルリチウムのヘキサン溶液56ml(80mmol)を滴下ロートを用いて滴下後、0℃で1時間撹拌し、モノリチオフェロセン溶液を調製した。
(第2工程)
別に良く乾燥した2リットルのフラスコを用意し、三塩化リン10.99g(80mmol)及びTHF160mlを加え、よく攪拌後、−78℃に冷却した。この2リットルのフラスコに、カニュラを用いて200mlのフラスコから第1工程で調製したモノリチオフェロセン溶液を加え、−78℃で1時間攪拌後、2時間かけて0℃まで昇温した。次にメチルマグネシウムブロミドのTHF溶液200ml(192mmol)を滴下ロートを用いて加えた。滴下終了後、反応液を50℃で1時間加熱した。その後、再びこの溶液を0℃に冷却し、ボラン−THF錯体のTHF溶液87ml(90mmol)をシリンジを用いて加え、0℃で1時間反応させた後、この溶液を0℃の1N−塩酸水溶液に注意深く加えて反応を停止した。分液ろ斗を用いて有機層を分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。得た有機層を1つに集め、1N−HCl水溶液、純水、飽和食塩水を用いて、この順番で洗浄し、無水硫酸ナトリウム加えて脱水、濾過後、エバポレーターを用いて溶媒を除去、乾燥し、粗フェロセニルジメチルホスフィンボランを得た。次に、粗フェロセニルジメチルホスフィンボランから、未反応のフェロセン及び低沸点不純物を昇華により除去した後、ヘキサン/酢酸エチルの混合溶媒を用いて、再結晶により精製し、フェロセニルジメチルホスフィンボラン7.9gを得た。収率は38%であった。得たフェロセニルジメチルホスフィンボランの物性値を、表1に示す。
第1工程において、200mlのフラスコに加えるヘキサン及びTHFの混合溶媒に代えて、THF及びジエチルエーテルの混合溶媒に変更した以外は、参考例1と同様の方法でフェロセニルジメチルホスフィンボランの合成を行った。収率は28%であった。
(参考例3)
(第1工程)
アルゴン気流下、良く乾燥した200mlのフラスコにフェロセン14.88g(80mmol)、ヘキサン140ml、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)12.1g(104mmol)を加えた。この溶液にn−ブチルリチウム67ml(104mmol)をシリンジを用いて加え、室温にて一晩撹拌しし、モノリチオフェロセン溶液を調製した。
(第2工程)
第2工程は、参考例1の第2工程と同様の方法で行った。但し、粗フェロセニルジメチルホスフィンボランは、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により精製して、フェロセニルジメチルホスフィンボラン得た。収率は12%であった。
<(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンの合成>
良く乾燥した200mlのフラスコをアルゴン置換し、ここに(−)−スパルテイン7.73g(33mmol)とジエチルエーテル65mlを加え、−78℃に冷却した。このフラスコに、sec−ブチルリチウムをヘキサンとシクロヘキサンの混合溶媒に溶解させたsec−ブチルリチウム溶液34ml(33mmol)を、シリンジを用いて加え、30分撹拌した。このフラスコに、参考例1で作成したフェロセニルジメチルホスフィンボラン3.9g(15mmol)のトルエン溶液20mlを、滴下ロートを用いて加えた。反応液を−78℃で5時間撹拌した後、塩化銅3.09g(23mmol)を一度に加え、反応液を2時間かけて室温に戻した。さらに15時間撹拌した後、25%アンモニア水溶液45mlを加えて反応を停止させた。エバポレーターを用いて、反応液から有機溶媒を除去した後、クロロホルム100mlと25%アンモニア水溶液45mlを加え、激しく撹拌した。有機層を分液し、水層をクロロホルムで抽出し、得た有機層を1つに集め、5%アンモニア水溶液、2N−HCl、純水、飽和食塩水を用いて、この順番で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。エバポレーターにて溶媒を留去し、粗(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを得た。次に、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、更にクロロホルム/ヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶を行い、メソ体を約2%含んだ(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン1.7gを得た。これをさらに熱トルエンを用いて再結晶により精製を行い、(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン1.3を得た。収率は33%であり、光学純度は99%以上であった。表2に得た(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンの物性を示す。なお、光学純度の測定は、カラムにダイセル製キラルAD−Hカラムを用い、展開溶媒として、2−プロパノール:ヘキサン:酢酸=5:95:0.05の混合溶媒を用い、展開速度を1ml/分とするHPLC分析により行った。この時、(R,R)体の保持時間は17.0分、(S,S)体の保持時間は18.5分 、メソ体の保持時間は20.4分であった。
良く乾燥した200mlのフラスコをアルゴン置換し、ここに(−)−スパルテイン7.73g(33mmol)とジエチルエーテル65mlを加え、−78℃に冷却した。このフラスコに、sec−ブチルリチウムをヘキサンとシクロヘキサンの混合溶媒に溶解させたsec−ブチルリチウム溶液34ml(33mmol)を、シリンジを用いて加え、30分撹拌した。このフラスコに、参考例1で作成したフェロセニルジメチルホスフィンボラン3.9g(15mmol)のトルエン溶液20mlを、滴下ロートを用いて加えた。反応液を−78℃で5時間撹拌した後、塩化銅3.09g(23mmol)を一度に加え、反応液を2時間かけて室温に戻した。さらに15時間撹拌した後、25%アンモニア水溶液45mlを加えて反応を停止させた。エバポレーターを用いて、反応液から有機溶媒を除去した後、クロロホルム100mlと25%アンモニア水溶液45mlを加え、激しく撹拌した。有機層を分液し、水層をクロロホルムで抽出し、得た有機層を1つに集め、5%アンモニア水溶液、2N−HCl、純水、飽和食塩水を用いて、この順番で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。エバポレーターにて溶媒を留去し、粗(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを得た。次に、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで精製し、更にクロロホルム/ヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶を行い、メソ体を約2%含んだ(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン1.7gを得た。これをさらに熱トルエンを用いて再結晶により精製を行い、(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン1.3を得た。収率は33%であり、光学純度は99%以上であった。表2に得た(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンの物性を示す。なお、光学純度の測定は、カラムにダイセル製キラルAD−Hカラムを用い、展開溶媒として、2−プロパノール:ヘキサン:酢酸=5:95:0.05の混合溶媒を用い、展開速度を1ml/分とするHPLC分析により行った。この時、(R,R)体の保持時間は17.0分、(S,S)体の保持時間は18.5分 、メソ体の保持時間は20.4分であった。
(−)−スパルテインの使用量7.73(33mmol)に代えて3.98g(18mmol)、sec−ブチルリチウム溶液の使用量34ml(33mmol)に代えて19ml(19mmol)とした以外は、実施例1と同様の方法で行った。収率は12%であり、光学純度は99%以上であった。
<(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンの合成>
アルゴン気流下、実施例1で製造した(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン104mg(0.2mmol)のピロリジン溶液(3ml)を65℃で90分加熱し、脱ボラン反応を行った。反応終了後ピロリジンをエバポレーターで除去し、固形分をアルミナカラム(展開溶媒はトルエン)にて精製し、留分を濃縮して77mgの(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを得た。収率は78%であった。また、得た(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを再度ボラン錯体へと導き、前記HPLC分析を行い、光学純度が99%以上であり、光学純度の損失がないことを確認した。表3に物性データを示す。
アルゴン気流下、実施例1で製造した(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタン104mg(0.2mmol)のピロリジン溶液(3ml)を65℃で90分加熱し、脱ボラン反応を行った。反応終了後ピロリジンをエバポレーターで除去し、固形分をアルミナカラム(展開溶媒はトルエン)にて精製し、留分を濃縮して77mgの(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを得た。収率は78%であった。また、得た(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを再度ボラン錯体へと導き、前記HPLC分析を行い、光学純度が99%以上であり、光学純度の損失がないことを確認した。表3に物性データを示す。
<不斉還元反応>
(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン5.8mg(0.012mmol)とロジウム錯体[RhCl(cod)]2 1.2mg(0.005mmol)をアルゴン気流下、脱水メタノール5mlに加え、撹拌した。この溶液を、表4に示すデヒドロアミノ酸誘導体1mmolを仕込んだ50mlオートクレーブに加え、これをドライアイス−エタノール冷媒で冷却しながら、水素置換を4回繰り返した。置換終了後水素圧を所定の圧力に設定し、冷媒を外してマグネチックスターラーで水素の消費が止まるまで所定温度で撹拌した。反応終了後、反応液をキラルHPLCまたはキラルGCにて分析した。各反応条件、収率及び光学純度を表4に示す。
(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン5.8mg(0.012mmol)とロジウム錯体[RhCl(cod)]2 1.2mg(0.005mmol)をアルゴン気流下、脱水メタノール5mlに加え、撹拌した。この溶液を、表4に示すデヒドロアミノ酸誘導体1mmolを仕込んだ50mlオートクレーブに加え、これをドライアイス−エタノール冷媒で冷却しながら、水素置換を4回繰り返した。置換終了後水素圧を所定の圧力に設定し、冷媒を外してマグネチックスターラーで水素の消費が止まるまで所定温度で撹拌した。反応終了後、反応液をキラルHPLCまたはキラルGCにて分析した。各反応条件、収率及び光学純度を表4に示す。
<オレフィン類のアリル位の不斉置換反応>
良く乾燥した10mlのフラスコをアルゴン置換し、ここにラセミ体の1,3−ジフェニル−2−プロペニルアセテート252mg(1mmol)、溶媒を実施例11〜17では1ml、実施例18及び19では3ml、表5に示すマロン酸誘導体2mmol、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)470μl(2mmol)、炭酸カリウム14mg(0.1mmol)をこの順に加え攪拌した。ここにパラジウム錯体[Pd(C3H5)Cl]2 (C3H5はアリルアニオンを示す。)を実施例11〜16では1.8mg(0.005mmol)、実施例17〜19では3.6mg(0.01mmol)、(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを実施例11〜16では5.8mg(0.012mmol)、実施例17〜19では11.6mg(0.024mmol)、実施例を順に加えて反応を行った。薄層クロマトグラフィにて原料の存在を確認しながら反応を行い、原料が消失するまで撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒)にて精製を行い、生成物を得た。得られた生成物をダイセル社製キラルAD−Hカラムを用いたHPLC分析にて光学純度を求めた。反応条件、収率及び光学純度を表5に示す。
良く乾燥した10mlのフラスコをアルゴン置換し、ここにラセミ体の1,3−ジフェニル−2−プロペニルアセテート252mg(1mmol)、溶媒を実施例11〜17では1ml、実施例18及び19では3ml、表5に示すマロン酸誘導体2mmol、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)470μl(2mmol)、炭酸カリウム14mg(0.1mmol)をこの順に加え攪拌した。ここにパラジウム錯体[Pd(C3H5)Cl]2 (C3H5はアリルアニオンを示す。)を実施例11〜16では1.8mg(0.005mmol)、実施例17〜19では3.6mg(0.01mmol)、(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを実施例11〜16では5.8mg(0.012mmol)、実施例17〜19では11.6mg(0.024mmol)、実施例を順に加えて反応を行った。薄層クロマトグラフィにて原料の存在を確認しながら反応を行い、原料が消失するまで撹拌した。反応終了後、反応液を酢酸エチルで希釈し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒)にて精製を行い、生成物を得た。得られた生成物をダイセル社製キラルAD−Hカラムを用いたHPLC分析にて光学純度を求めた。反応条件、収率及び光学純度を表5に示す。
アルゴン気流下、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩122mg(0.3mmol)のTHF(5ml)溶液を−20℃に冷却し、ここに(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン152mg(0.33mmol)のTHF(5ml)溶液をシリンジを用いて加えた。この溶液を攪拌しながら反応温度を3時間かけて0℃に上昇させ、反応を完結させた。析出した固体をアルゴン気流下、セライトカラムで濾過し、濾液をエバポレーターを用いて濃縮した。得られたオレンジ色の固体を5mlのジエチルエーテルで3回洗浄し、減圧乾燥をして、ロジウム錯体[Rh(cod)(L)]+BF4 -136mgを得た。収率は60%であった。31P−NMR分析の結果を下記に示すが、該分析のケミカルシフト及びカップリング定数の値から、(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンが配位したロジウム錯体であることが確認できた。
31P−NMR(CDCl3,1H decoupled)δ45.7ppm(d, JPRh=147Hz)
本発明によれば、リン原子に不斉点を持つ(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを光学的に純粋な形で単離することができ、(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンは、有効な不斉空間を構築する配位子として作用するので、配位子として用いることにより、不斉触媒を調製することができ、また、触媒的不斉合成反応、特に不斉水素化触媒、不斉アリル置換触媒を行うことができ、工業的に有用である。
Claims (9)
- 上記式(2)で表される構造を有する(S,S)−1,2−ビス(ボラナート(フェロセニル)メチルホスフィノ)エタンを脱ボラン処理して上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンを製造する方法。
- 上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンと遷移金属錯体を反応させて得られる反応生成物を触媒として用いる不斉還元方法。
- 水素ガス雰囲気下で行う請求項4記載の不斉還元方法。
- 上記式(1)で表される(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタンと遷移金属錯体を反応させて得られる反応生成物を触媒として用いるオレフィン類のアリル位の不斉置換方法。
- 一般式(4): [M(A)p(B)q(L)] (4)
(式中、Mは遷移金属を示し、AはLと配位子交換する電子供与性の配位子を示し、BはLと配位子交換しない配位子を示し、Lは上記式(1)の(S,S)−1,2−ビス(フェロセニルメチルホスフィノ)エタン示し、pは0〜2の整数を示し、qは0〜2の整数を示し且つp+qは1以上である。)
又は一般式(5):[Mx(A)r(B)s(L)]+Y− (5)
(式中、M、A、B及びLは前記と同じであり、xは1又は2の整数を示し、rは0〜2の整数を示し、sは0〜4の整数を示し且つr+sは1以上でり、Yはアニオン基を示す。)で表される遷移金属錯体触媒。 - 請求項7記載の遷移金属錯体触媒を用いることを特徴とする不斉還元方法。
- 請求項7記載の遷移金属錯体触媒を用いることを特徴とするオレフィン類のアリル位の不斉置換方法。
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