JP2005041498A - キャップ及びキャップ付ボトル缶 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャップ付ボトル缶において、開栓後において、破断されたブリッジの高さは低く形成され、また、ブリッジの断面もキャップ周方向と略平行に形成されるキャップおよびキャップ付ボトル缶を提供する。
【解決手段】ボトル缶の口金部51に形成されたねじ山に嵌合する雌ねじ部14が設けられるキャップ本体上部12と、ボトル缶の口金部51に形成されたかぶら部53に係止されるピルファープルーフ部20が設けられるキャップ材本体下部11とが、ブリッジ13によって連結されているキャップであって、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さが0.1mm以上0.2mm以下に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】ボトル缶の口金部51に形成されたねじ山に嵌合する雌ねじ部14が設けられるキャップ本体上部12と、ボトル缶の口金部51に形成されたかぶら部53に係止されるピルファープルーフ部20が設けられるキャップ材本体下部11とが、ブリッジ13によって連結されているキャップであって、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さが0.1mm以上0.2mm以下に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、清涼飲料水等を充填するキャップ及びキャップ付ボトル缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属を絞り・しごき成形によって口金部を有するボトル缶本体を形成し、この口金部にキャップを被着させてなる構成のキャップ付ボトル缶が広く普及している。この種のボトル缶においては、前記ボトル缶本体の先端側に形成された口金部にカール部と雄ねじ部が形成されている。キャップは、カップ状に形成された本体と、本体の天板の内側に装着されるライナとからなっている。また、キャップ本体は、ボトル缶の口金部に設けられた雄ねじ山に嵌合されるキャップ上部と、ボトル缶の口金部に形成されたかぶら部に係止されるキャップ下部とからなり、これらキャップ本体上部と下部とがブリッジにより連結されている。なお、従来のキャップにおいては、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが0.3mmに形成され、キャップ周方向の長さが0.6mm以上0.9mm以下に形成されているものが広く用いられていた。
【0003】
上記のように形成されているキャップをボトル缶の口金部から開栓すると、キャップの上部が上方へ移動することにより、ブリッジを介して上部に連結された下部も上方へ引き上げられる。このとき、下部の内面がボトル缶のかぶら部下側外面に対して強く押圧されるようになり、かぶら部とキャップ本体下部との間の摩擦が大きくなる。このため、キャップの本体上部が上方へ移動するのに伴い、キャップ本体下部は、上部の回転方向と逆方向の摩擦力を受けて、上部と一体に回転し難くなる。つまり、上部に比べて回転速度が小さくなった下部に対して、相対的に上部が回転されることになる。したがって、ブリッジには上下方向と、横方向の引っ張り力とが加えられ、この結果、ブリッジは斜め方向に引っ張られることになる。一方、上下方向の引っ張り力を加えられることによってブリッジに生じる最大剪断応力線は、応力集中部分であるブリッジと上部とのなす回転方向前側の隅部近傍と、ブリッジと下部とのなす回転方向後側の隅部近傍とを結ぶ斜めの線である。そして、ブリッジはこの最大剪断応力線に沿って破断すると考えられる。このように、ブリッジが破断すると、破断されたブリッジがバリとしてキャップ本体上部と、かぶら部に係止されるキャップ本体下部とに形成されることになる。(特許文献1参照)
【0004】
このように、キャップの開栓により、ブリッジは斜め方向に破断されるため、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状となり、さらに、破断後のバリがキャップ軸方向に長く形成されることになる。このため、キャップまたはキャップ付ボトル缶を開栓した後、リシールしたものを、鞄等の収納物に収納した場合に、この収納物を傷つけるおそれがあるという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−302194号公報(図1、図8、図10)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような事情を考慮してなされてものであり、その目的は、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状に形成されることを防止するとともに、破断後に形成されるバリがキャップ軸方向に長く形成されることを防止することにより、開栓後、リシールしたキャップ及びキャップ付ボトル缶を収納物に収納した場合においても、収納物を傷つけないキャップ及びキャップ付ボトル缶を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。 請求項1に係る発明は、ボトル缶の口金部に形成されたねじ山に嵌合する雌ねじ部が設けられるキャップ本体上部と、ボトル缶の口金部に形成されたかぶら部に係止されるピルファープルーフ部が設けられるキャップ本体下部とが、ブリッジによって連結されているキャップであって、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが0.1mm以上0.2mm以下に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係るキャップによれば、ブリッジのキャップ軸方向の長さを上記の範囲に設定したので、開栓時にキャップを回動してブリッジが破断された場合において、ブリッジの破断面がキャップ周方向と略平行に位置するように破断され、さらに、キャップ本体上部と下部に形成されるバリが小さく抑えられることになる。なお、ブリッジのキャップ周方向の長さを従来のブリッジと同等とすることにより、従来と同等の開栓トルクでの開栓を可能とすることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたキャップにおいて、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るキャップによれば、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に設定されているので、開栓時にキャップを回動することによりブリッジが破断された場合において、ブリッジの破断面がキャップの周方向と略平行に位置するように破断され、さらに、キャップ本体上部と下部とに形成されるバリが小さく抑えられることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でSi:0.01%以下0.60%以上、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でSi:0.1%以上0.5%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上0.8%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項3から請求項6に記載されたキャップによれば、ブリッジを形成する際に、誤差の小さい加工がされることになるため、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが確実に0.1mm以上0.2mm以下に形成されることになり、また、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に確実に形成されることになる。さらに、キャッピングの際に破断され難いブリッジが形成されることになる。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のキャップをボトル缶の口金部に被着してなるキャップ付ボトル缶を特徴とする。
【0017】
この発明に係るキャップ付ボトル缶によれば、開栓後において、ブリッジの破断面がキャップ周方向と略平行に形成されることになり、さらに、キャップ本体上部と下部とに形成されるバリが小さく抑えられるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照し、この発明の実施形態について説明する。図1〜図6は、この発明の一実施形態を示すものである。
【0019】
図1に示されるように、キャップCは、天板10と、この天板10の周縁部から略垂下した周壁部15とから概略構成されている。キャップ本体上部12には凹部と凸部を周方向に繰り返したナール部17が形成されている。また、ナール部17の下側には、雌ねじ部14が形成されており、ボトル缶50の雄ねじ部52に螺着されている。さらに、この雌ねじ部14の下側にはピルファープルーフ部20が形成されており、ボトル缶50のかぶら部53に係止されている。また、キャップ本体上部12とキャップ本体下部11との間にはスリット16が設けられている。さらに、スリット16間に設けられたブリッジ13によって、キャップ本体上部12とキャップ本体下部11とが連結されている。また、キャップCの内側にはライナ21が圧着されている。
【0020】
ここで、図3において、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mm以上0.2mm以下に設定されている。さらに、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAと、キャップ周方向の長さBとの間にはA/Bの値が、0.11以上0.25以下となるように設定されている。上記のように、ブリッジ13のキャップ軸方向長さAを上記の範囲に設定し、ブリッジ13のキャップ軸方向長Aさをキャップ周方向長さBで除した値を上記の範囲に設定したのは、開栓時にキャップCを回動させた場合に、破断後におけるブリッジ13の破断面がキャップ周方向と略平行となり、さらに、バリの高さが小さく形成されるように配慮されているからである。
【0021】
ここで、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mm以上0.2mm以下に設定されているのは、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mmよりもキャップ軸方向に短く形成されたのでは、キャッピングの際にブリッジ13が破断する恐れがあり、また、0.2mmよりもキャップ軸方向にブリッジ13が長く形成されたのでは、破断後のブリッジ13がキャップ軸方向に長く形成されることを防止することが困難なものとなるからである。その一方で、ブリッジ13のキャップ軸方向長さAを、キャップ周方向の長さBで除したときの値、A/Bを0.11以上0.25以下に設定することにした理由は、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAを、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBで除した場合の値が0.11よりも小さくなると、ブリッジのキャップ軸方向の長さAが短く形成されることになり、キャッピングの際にブリッジ13が破断する恐れがあるからであり、また、A/Bが0.25よりも大きくなると、最大剪断応力線40はキャップ周方向と平行になり難く、これに沿ってブリッジ13が破断することから、キャップ本体上部12と下部11とに形成されるバリが鋭利な先端を有する形状となる恐れがあるからである。
なお、ブリッジ13の軸方向の長さAは、スリット16のスリット幅L1として捉えることができ、また、ブリッジ13の周方向長さBは、スリット16とスリット16との間のキャップ周方向の距離として捉えることができる。
【0022】
図2において、本実施形態においては、ボトル缶50の口金部51に被着される前のキャップCの内径D1は、38mmに形成されている。さらに、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBは、0.8mmに形成され、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAは、0.2mmに形成されている。また、ブリッジ13は、キャップCの周方向に9箇所設けられている。
また、キャップCの素材は、5000系のAl材または3000系のAl材により形成されている。
【0023】
ここで、キャップCの素材が5000系のAl材である場合には、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg1.5%以上2.1%以下を含有し、Cr:0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。この組成のうち、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部をAl及び不可避添加物にすると好ましい。
【0024】
また、キャップCの素材が、3000系のAl材である場合には、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4以下を含有し、残部をAl及び不可避添加物からなる組成を有している。この組成のうち、重量%でSi:0.1%以上0.5%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上1.4以下を含有し、残部をAl及び不可避添加物にすると好ましい。
【0025】
これらの組成を有する素材としての圧延材は、引張強度が、210Mpa以上300Mpa以下とされ、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.98Nで測定した場合の硬さHv0.1が、68以上94以下とされ、0.2%耐力は、190MPa以上265Mpa以下とされている。
【0026】
ここで、前述したキャップCを形成する圧延材の例について説明する。 まず、圧延材を5000系のAl材としたときに、この圧延材が、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している例について説明する。
【0027】
このような組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で450℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。ここで、中間焼鈍とは、バッチ式の焼鈍の場合、300℃以上450℃以下の温度下で1時間以上10時間以下焼鈍処理することをいい、急速加熱方式による焼鈍の場合、400℃以上590℃以下の温度下で1秒以上60秒以下焼鈍処理することをいう。
【0028】
そして、前記一回目の中間焼鈍を経た後に、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.6mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を5000系のAl材とした場合においては、160℃以上260℃以下,好ましくは200℃以上230℃以下で焼鈍処理することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。
以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(5000系Al材)」という。
【0029】
次に、高強度材(5000系のAl材)において、さらに、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる例(後述する表1における実施例1〜8)について説明する。
ここで、耳率とは、円筒状に絞ったカップの周縁部に山部および谷部(これらの凹凸を耳と呼ぶ)が生じた際の、カップ高さに対する耳高さの割合のことをいい、カップの耳率は、山部の平均高さをh1、谷部の平均高さをh2、カップの平均高さをh3とした場合、(h1−h2)/h3×100により算出されるものである。
【0030】
この例における圧延材は、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部をAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
【0031】
このような組成において、具体的には、後述する表1に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、これに560℃の温度下で4時間の均質化処理を施す。ここで、均質化処理とは、450℃以上590℃以下で加熱することをいい、この処理により、この圧延材の耳率がさらに低減される。その後、前記高強度材(5000系Al材)を形成したときと同様にして、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これに一回目の中間焼鈍を施し、そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば、0.8mmとした後に、二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に表1に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、前記圧延材を形成した。
以上により形成された圧延材を以下、「適正高強度材(5000系Al材)」という。
【0032】
以上により形成された適正高強度材(5000系Al材)の、引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
この表において、最終冷間圧延率とは、前述した工程において、二回目の中間焼鈍を経た後に、冷間圧延により、この板厚を最終板厚0.25mmにする際における板厚の変化率のことをいう。例えば、二回目の中間焼鈍を経た後の板厚が0.8mmで、その後、最終板厚0.25mmまで冷間圧延した場合、最終冷間圧延率は69%となる。なお、この最終冷間圧延率を50%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
【0035】
次に、圧延材を3000系のAl材としたときに、この圧延材が、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している例について説明する。
【0036】
このような組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で460℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.50mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を3000系のAl材とした場合においては、150℃以上250℃以下,好ましくは190℃以上230℃以下で焼鈍することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。
以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(3000系Al材)」という。
【0037】
次に、高強度材(3000系のAl材)において、さらに、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる例(後述する表2における実施例1〜8)について説明する。
この例における圧延材は、重量%でSi:0.10%以上0.50%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上0.8%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
【0038】
このような組成において、具体的には、後述する表2に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、これに560℃の温度下で4時間の均質化処理を施す。その後、前記第3の例と同様にして、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これに一回目の中間焼鈍を施し、そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.45mmとした後に、二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に表2に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。なお、最終冷間圧延率は、圧延材が3000系のAl材である場合、30%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
以上により形成された圧延材を以下、「適正高強度材(3000系Al材)」という。
【0039】
次に、以上により形成された適正高強度材(3000系Al材)の引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
次に、本実施形態に係るキャップCの製造方法について、説明する。
表1の実施例1から8に示された5000系のAl材または表2の実施例1から8に示された3000系のAl材からなるシート材をプレス用小板に切断し、このプレス用小板をカップ状のキャップシェルDに成形する。図4に示されるように、スリット成形装置60は、回転成形によりキャップシェルDにスリット16を成形する。このスリット成形装置60は、上方に開口部が向けられたキャップシェルDを先端側に設置するバックセンター61と、キャップシェルDの開口部側からキャップシェルDの内面側に挿入されたインナーツール62と、キャップシェルDの外面側に位置させて、インナーツール62と協働してキャップシェルDにスリット16を加工するアウターツール63とを備えている。
【0042】
そして、図4、図5に示されるように、インナーツール62は先端側にキャップシェルDを被冠させた状態で、アウターツール63の外周面を自転しながら移動する。これにより、アウターツール63に設けられたカッター64によって、キャップシェルDの側面にスリット16が形成されることになる。本実施形態においては、カッター64の先端部の幅L4と、カッター先端部の角度θと、カッター64の切り込み量L5とを調節することによって、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBが0.8mmに形成され、キャップ軸方向の長さAが0.2mmに形成されることになっている。さらに、このキャップシェルDにナール部17等が形成されることにより、キャップCが形成されることになる。なお、本実施形態においては、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材または、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材を用いており、このようなAl材は、だれが生じ難い性質を有するものであるので、スリット加工の際、誤差が生じにくいことになっている。
【0043】
ここで、このように形成されたキャップCが被着されるボトル缶50について説明する。図6に示されるように、ボトル缶50は、大径の胴部54と、この胴54の上端から上方に向かうに従い漸次縮径して形成されたテーパ部55と、このテーパ部55の上端から上方に延在して形成された小径の口金部51とを備えている。口金部51は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部53と、このかぶら部53の上方かつ当該口金部51の中央部に形成されたネジ部52と、口金部51の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部56とを備えている。
【0044】
ボトル缶50は、アルミ合金の金属板材に絞り・しごき加工の加工処理が行われることよって、缶基体が形成され、次いで、その缶基体の上端部が切断されることによって缶基体の高さが調節されるトリミング処理が行われる。さらに、ネックイン処理により、缶基体の上端部が絞り・しごき加工されることにより細い形状となり、口金部51が設けられる。その後、口金部51の上端部を軽く膨出させ、さらにねじ切り処理によって、かぶら部53及び、ねじ部52が設けられる。このねじ部52の形成時には上端を外側に折り返してねじ部52の先端に、キャップCの内面側に圧着されているライナ21と密着させるカール部56が形成される。
【0045】
このように構成されたボトル缶50の口金部51には、プレッシャーブロックインサートと、ROローラと、PPローラとを備えるキャッピング装置によりキャップCが被着される。まず、ボトル缶50に内容物等を充填した後、このボトル缶50の口金部51にキャップCを被せる。
【0046】
ここで、キャップCを口金部51に被せた後、キャッピング装置に設けられたプレッシャーブロックインサートがボトル缶50の口金部51に被せられたキャップCの天板10を缶底方向に押圧する。この際、天板10の周縁部を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工することで、図1に示されるように、キャップCの周縁部に絞り部11aが形成される。
【0047】
また、ROローラがボトル缶50の雄ネジ部52に沿って回転することで、キャップCの周壁部15に雌ねじ部14を形成する。さらに、PPローラがかぶら部53に沿って転動することでピルファープルーフ部20がキャップCの下部に形成されることになり、キャップCが口金部51に被着されることになる。
【0048】
次に、図1において、上記構成からなるキャップ付ボトル缶の開栓を行うには、キャップCのナール部17に指をかけて、キャップCを一方向に回動させる。この際、キャップCの上部の雌ねじ部14がボトル缶50の雄ねじ部52に沿って上方に持ち上がりながら回転する一方、ピルファープルーフ部20が形成されたキャップCの下部がボトル缶50かぶら部53に係止され、キ ャップCの上部と一体に持ち上がらずに回転する。すると、キャップC上部と、キャップC下部とが徐々に離間するので、これらを連結するブリッジ13が上下方向に引っ張られ、ブリッジ13が周方向に破断され、スリット16及びブリッジ13の形成位置を介して上部がボトル缶50の口金部51から取外され、キャップ本体下部11が口金部51に残存することになる。
【0049】
ここで、開栓によりブリッジ13が破断された場合、キャップ本体上部12と下部11に破断されたブリッジ13が形成される場合においても、本実施形態においては、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAは、0.2mmに形成されているため、破断されたブリッジ13の高さが短く形成されることになる。
【0050】
また、図2、図3に示されるように、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.2mmに形成され、キャップ周方向の長さBが0.8mmに形成されていることから、開栓によりブリッジ13が最大剪断応力線40に沿って破断したとしても、破断面は、キャップ周方向と略平行に形成されることになる。このため、破断後のブリッジ13の断面には、キャップ本体上と下部とに形成されるブリッジ13の断面が鋭利な先端を有さないことになる。
【0051】
すなわち、上記のように、本実施形態に係るキャップCにおいては、開栓によりブリッジ13が破断された場合において、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状にならず、また、バリのキャップ軸方向の長さも抑えられることから、開栓後にリシールしたキャップCまたはキャップ付ボトル缶を鞄等の収納物に収納したとしても、収納物を傷つけることなく収納することができる。
さらに、本実施形態においては、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材又は、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材が用いられている。これらのAl材は、だれが生じ難い性質を有していことから、カッター64によるスリット16の加工時において、誤差の小さい加工ができることになっている。このため、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAを確実に0.1mm以上0.2mm以下に形成することができることになり、また、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAをキャップ周方向の長さBで除した値を0.11以上0.25以下に確実にすることができる。また、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材又は、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材は引張強度が強い性質を有していることから、キャッピングの際にブリッジ13が破断されることを防止することができる。
【0052】
なお、本実施の形態においては、ブリッジ13のキャップ周方向の長さは、0.8mmに形成されているが、従来のキャップCと同様に0.6mm以上0.9mm以下に形成されていてもよい。また、本実施形態は、キャップ径が38mmであるが、この径のキャップに限られない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、開栓によりブリッジが破断された場合において、ブリッジの断面が周方向と略平行に形成されるため、断面に鋭利な部分が形成されないことになり、さらに、破断されたブリッジの高さは低く形成されることから、開栓後にリシールしたキャップまたはキャップ付ボトル缶を鞄等の収納物に収納したとしても、収納物を傷つけることなく収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るキャップ付ボトル缶を示す図であって、キャップの一部を断面視した正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るキャッピングされる前のキャップの一部を断面視した正面図である。
【図3】本実施形態に係るキャップのブリッジ周辺部の拡大図である。
【図4】キャップシェルにスリットを形成するスリット成形装置の概略図である。
【図5】図4の一部拡大図である。
【図6】本実施形態に係るボトル缶の正面図である。
【符号の説明】
C キャップ
13 ブリッジ
16 スリット
40 最大剪断応力線
【発明の属する技術分野】
本発明は、清涼飲料水等を充填するキャップ及びキャップ付ボトル缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属を絞り・しごき成形によって口金部を有するボトル缶本体を形成し、この口金部にキャップを被着させてなる構成のキャップ付ボトル缶が広く普及している。この種のボトル缶においては、前記ボトル缶本体の先端側に形成された口金部にカール部と雄ねじ部が形成されている。キャップは、カップ状に形成された本体と、本体の天板の内側に装着されるライナとからなっている。また、キャップ本体は、ボトル缶の口金部に設けられた雄ねじ山に嵌合されるキャップ上部と、ボトル缶の口金部に形成されたかぶら部に係止されるキャップ下部とからなり、これらキャップ本体上部と下部とがブリッジにより連結されている。なお、従来のキャップにおいては、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが0.3mmに形成され、キャップ周方向の長さが0.6mm以上0.9mm以下に形成されているものが広く用いられていた。
【0003】
上記のように形成されているキャップをボトル缶の口金部から開栓すると、キャップの上部が上方へ移動することにより、ブリッジを介して上部に連結された下部も上方へ引き上げられる。このとき、下部の内面がボトル缶のかぶら部下側外面に対して強く押圧されるようになり、かぶら部とキャップ本体下部との間の摩擦が大きくなる。このため、キャップの本体上部が上方へ移動するのに伴い、キャップ本体下部は、上部の回転方向と逆方向の摩擦力を受けて、上部と一体に回転し難くなる。つまり、上部に比べて回転速度が小さくなった下部に対して、相対的に上部が回転されることになる。したがって、ブリッジには上下方向と、横方向の引っ張り力とが加えられ、この結果、ブリッジは斜め方向に引っ張られることになる。一方、上下方向の引っ張り力を加えられることによってブリッジに生じる最大剪断応力線は、応力集中部分であるブリッジと上部とのなす回転方向前側の隅部近傍と、ブリッジと下部とのなす回転方向後側の隅部近傍とを結ぶ斜めの線である。そして、ブリッジはこの最大剪断応力線に沿って破断すると考えられる。このように、ブリッジが破断すると、破断されたブリッジがバリとしてキャップ本体上部と、かぶら部に係止されるキャップ本体下部とに形成されることになる。(特許文献1参照)
【0004】
このように、キャップの開栓により、ブリッジは斜め方向に破断されるため、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状となり、さらに、破断後のバリがキャップ軸方向に長く形成されることになる。このため、キャップまたはキャップ付ボトル缶を開栓した後、リシールしたものを、鞄等の収納物に収納した場合に、この収納物を傷つけるおそれがあるという問題点があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−302194号公報(図1、図8、図10)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような事情を考慮してなされてものであり、その目的は、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状に形成されることを防止するとともに、破断後に形成されるバリがキャップ軸方向に長く形成されることを防止することにより、開栓後、リシールしたキャップ及びキャップ付ボトル缶を収納物に収納した場合においても、収納物を傷つけないキャップ及びキャップ付ボトル缶を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。 請求項1に係る発明は、ボトル缶の口金部に形成されたねじ山に嵌合する雌ねじ部が設けられるキャップ本体上部と、ボトル缶の口金部に形成されたかぶら部に係止されるピルファープルーフ部が設けられるキャップ本体下部とが、ブリッジによって連結されているキャップであって、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが0.1mm以上0.2mm以下に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係るキャップによれば、ブリッジのキャップ軸方向の長さを上記の範囲に設定したので、開栓時にキャップを回動してブリッジが破断された場合において、ブリッジの破断面がキャップ周方向と略平行に位置するように破断され、さらに、キャップ本体上部と下部に形成されるバリが小さく抑えられることになる。なお、ブリッジのキャップ周方向の長さを従来のブリッジと同等とすることにより、従来と同等の開栓トルクでの開栓を可能とすることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたキャップにおいて、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係るキャップによれば、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に設定されているので、開栓時にキャップを回動することによりブリッジが破断された場合において、ブリッジの破断面がキャップの周方向と略平行に位置するように破断され、さらに、キャップ本体上部と下部とに形成されるバリが小さく抑えられることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でSi:0.01%以下0.60%以上、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明は請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、重量%でSi:0.1%以上0.5%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上0.8%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0015】
請求項3から請求項6に記載されたキャップによれば、ブリッジを形成する際に、誤差の小さい加工がされることになるため、前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが確実に0.1mm以上0.2mm以下に形成されることになり、また、ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に確実に形成されることになる。さらに、キャッピングの際に破断され難いブリッジが形成されることになる。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載のキャップをボトル缶の口金部に被着してなるキャップ付ボトル缶を特徴とする。
【0017】
この発明に係るキャップ付ボトル缶によれば、開栓後において、ブリッジの破断面がキャップ周方向と略平行に形成されることになり、さらに、キャップ本体上部と下部とに形成されるバリが小さく抑えられるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照し、この発明の実施形態について説明する。図1〜図6は、この発明の一実施形態を示すものである。
【0019】
図1に示されるように、キャップCは、天板10と、この天板10の周縁部から略垂下した周壁部15とから概略構成されている。キャップ本体上部12には凹部と凸部を周方向に繰り返したナール部17が形成されている。また、ナール部17の下側には、雌ねじ部14が形成されており、ボトル缶50の雄ねじ部52に螺着されている。さらに、この雌ねじ部14の下側にはピルファープルーフ部20が形成されており、ボトル缶50のかぶら部53に係止されている。また、キャップ本体上部12とキャップ本体下部11との間にはスリット16が設けられている。さらに、スリット16間に設けられたブリッジ13によって、キャップ本体上部12とキャップ本体下部11とが連結されている。また、キャップCの内側にはライナ21が圧着されている。
【0020】
ここで、図3において、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mm以上0.2mm以下に設定されている。さらに、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAと、キャップ周方向の長さBとの間にはA/Bの値が、0.11以上0.25以下となるように設定されている。上記のように、ブリッジ13のキャップ軸方向長さAを上記の範囲に設定し、ブリッジ13のキャップ軸方向長Aさをキャップ周方向長さBで除した値を上記の範囲に設定したのは、開栓時にキャップCを回動させた場合に、破断後におけるブリッジ13の破断面がキャップ周方向と略平行となり、さらに、バリの高さが小さく形成されるように配慮されているからである。
【0021】
ここで、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mm以上0.2mm以下に設定されているのは、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.1mmよりもキャップ軸方向に短く形成されたのでは、キャッピングの際にブリッジ13が破断する恐れがあり、また、0.2mmよりもキャップ軸方向にブリッジ13が長く形成されたのでは、破断後のブリッジ13がキャップ軸方向に長く形成されることを防止することが困難なものとなるからである。その一方で、ブリッジ13のキャップ軸方向長さAを、キャップ周方向の長さBで除したときの値、A/Bを0.11以上0.25以下に設定することにした理由は、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAを、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBで除した場合の値が0.11よりも小さくなると、ブリッジのキャップ軸方向の長さAが短く形成されることになり、キャッピングの際にブリッジ13が破断する恐れがあるからであり、また、A/Bが0.25よりも大きくなると、最大剪断応力線40はキャップ周方向と平行になり難く、これに沿ってブリッジ13が破断することから、キャップ本体上部12と下部11とに形成されるバリが鋭利な先端を有する形状となる恐れがあるからである。
なお、ブリッジ13の軸方向の長さAは、スリット16のスリット幅L1として捉えることができ、また、ブリッジ13の周方向長さBは、スリット16とスリット16との間のキャップ周方向の距離として捉えることができる。
【0022】
図2において、本実施形態においては、ボトル缶50の口金部51に被着される前のキャップCの内径D1は、38mmに形成されている。さらに、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBは、0.8mmに形成され、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAは、0.2mmに形成されている。また、ブリッジ13は、キャップCの周方向に9箇所設けられている。
また、キャップCの素材は、5000系のAl材または3000系のAl材により形成されている。
【0023】
ここで、キャップCの素材が5000系のAl材である場合には、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg1.5%以上2.1%以下を含有し、Cr:0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。この組成のうち、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部をAl及び不可避添加物にすると好ましい。
【0024】
また、キャップCの素材が、3000系のAl材である場合には、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4以下を含有し、残部をAl及び不可避添加物からなる組成を有している。この組成のうち、重量%でSi:0.1%以上0.5%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上1.4以下を含有し、残部をAl及び不可避添加物にすると好ましい。
【0025】
これらの組成を有する素材としての圧延材は、引張強度が、210Mpa以上300Mpa以下とされ、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.98Nで測定した場合の硬さHv0.1が、68以上94以下とされ、0.2%耐力は、190MPa以上265Mpa以下とされている。
【0026】
ここで、前述したキャップCを形成する圧延材の例について説明する。 まず、圧延材を5000系のAl材としたときに、この圧延材が、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している例について説明する。
【0027】
このような組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で450℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。ここで、中間焼鈍とは、バッチ式の焼鈍の場合、300℃以上450℃以下の温度下で1時間以上10時間以下焼鈍処理することをいい、急速加熱方式による焼鈍の場合、400℃以上590℃以下の温度下で1秒以上60秒以下焼鈍処理することをいう。
【0028】
そして、前記一回目の中間焼鈍を経た後に、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.6mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を5000系のAl材とした場合においては、160℃以上260℃以下,好ましくは200℃以上230℃以下で焼鈍処理することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。
以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(5000系Al材)」という。
【0029】
次に、高強度材(5000系のAl材)において、さらに、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる例(後述する表1における実施例1〜8)について説明する。
ここで、耳率とは、円筒状に絞ったカップの周縁部に山部および谷部(これらの凹凸を耳と呼ぶ)が生じた際の、カップ高さに対する耳高さの割合のことをいい、カップの耳率は、山部の平均高さをh1、谷部の平均高さをh2、カップの平均高さをh3とした場合、(h1−h2)/h3×100により算出されるものである。
【0030】
この例における圧延材は、重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部をAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
【0031】
このような組成において、具体的には、後述する表1に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、これに560℃の温度下で4時間の均質化処理を施す。ここで、均質化処理とは、450℃以上590℃以下で加熱することをいい、この処理により、この圧延材の耳率がさらに低減される。その後、前記高強度材(5000系Al材)を形成したときと同様にして、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これに一回目の中間焼鈍を施し、そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば、0.8mmとした後に、二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に表1に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、前記圧延材を形成した。
以上により形成された圧延材を以下、「適正高強度材(5000系Al材)」という。
【0032】
以上により形成された適正高強度材(5000系Al材)の、引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
この表において、最終冷間圧延率とは、前述した工程において、二回目の中間焼鈍を経た後に、冷間圧延により、この板厚を最終板厚0.25mmにする際における板厚の変化率のことをいう。例えば、二回目の中間焼鈍を経た後の板厚が0.8mmで、その後、最終板厚0.25mmまで冷間圧延した場合、最終冷間圧延率は69%となる。なお、この最終冷間圧延率を50%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
【0035】
次に、圧延材を3000系のAl材としたときに、この圧延材が、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している例について説明する。
【0036】
このような組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で460℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.50mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を3000系のAl材とした場合においては、150℃以上250℃以下,好ましくは190℃以上230℃以下で焼鈍することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。
以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(3000系Al材)」という。
【0037】
次に、高強度材(3000系のAl材)において、さらに、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる例(後述する表2における実施例1〜8)について説明する。
この例における圧延材は、重量%でSi:0.10%以上0.50%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上0.8%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
【0038】
このような組成において、具体的には、後述する表2に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、これに560℃の温度下で4時間の均質化処理を施す。その後、前記第3の例と同様にして、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これに一回目の中間焼鈍を施し、そして、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.45mmとした後に、二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に表2に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、圧延材を形成した。なお、最終冷間圧延率は、圧延材が3000系のAl材である場合、30%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
以上により形成された圧延材を以下、「適正高強度材(3000系Al材)」という。
【0039】
次に、以上により形成された適正高強度材(3000系Al材)の引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
次に、本実施形態に係るキャップCの製造方法について、説明する。
表1の実施例1から8に示された5000系のAl材または表2の実施例1から8に示された3000系のAl材からなるシート材をプレス用小板に切断し、このプレス用小板をカップ状のキャップシェルDに成形する。図4に示されるように、スリット成形装置60は、回転成形によりキャップシェルDにスリット16を成形する。このスリット成形装置60は、上方に開口部が向けられたキャップシェルDを先端側に設置するバックセンター61と、キャップシェルDの開口部側からキャップシェルDの内面側に挿入されたインナーツール62と、キャップシェルDの外面側に位置させて、インナーツール62と協働してキャップシェルDにスリット16を加工するアウターツール63とを備えている。
【0042】
そして、図4、図5に示されるように、インナーツール62は先端側にキャップシェルDを被冠させた状態で、アウターツール63の外周面を自転しながら移動する。これにより、アウターツール63に設けられたカッター64によって、キャップシェルDの側面にスリット16が形成されることになる。本実施形態においては、カッター64の先端部の幅L4と、カッター先端部の角度θと、カッター64の切り込み量L5とを調節することによって、ブリッジ13のキャップ周方向の長さBが0.8mmに形成され、キャップ軸方向の長さAが0.2mmに形成されることになっている。さらに、このキャップシェルDにナール部17等が形成されることにより、キャップCが形成されることになる。なお、本実施形態においては、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材または、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材を用いており、このようなAl材は、だれが生じ難い性質を有するものであるので、スリット加工の際、誤差が生じにくいことになっている。
【0043】
ここで、このように形成されたキャップCが被着されるボトル缶50について説明する。図6に示されるように、ボトル缶50は、大径の胴部54と、この胴54の上端から上方に向かうに従い漸次縮径して形成されたテーパ部55と、このテーパ部55の上端から上方に延在して形成された小径の口金部51とを備えている。口金部51は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部53と、このかぶら部53の上方かつ当該口金部51の中央部に形成されたネジ部52と、口金部51の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部56とを備えている。
【0044】
ボトル缶50は、アルミ合金の金属板材に絞り・しごき加工の加工処理が行われることよって、缶基体が形成され、次いで、その缶基体の上端部が切断されることによって缶基体の高さが調節されるトリミング処理が行われる。さらに、ネックイン処理により、缶基体の上端部が絞り・しごき加工されることにより細い形状となり、口金部51が設けられる。その後、口金部51の上端部を軽く膨出させ、さらにねじ切り処理によって、かぶら部53及び、ねじ部52が設けられる。このねじ部52の形成時には上端を外側に折り返してねじ部52の先端に、キャップCの内面側に圧着されているライナ21と密着させるカール部56が形成される。
【0045】
このように構成されたボトル缶50の口金部51には、プレッシャーブロックインサートと、ROローラと、PPローラとを備えるキャッピング装置によりキャップCが被着される。まず、ボトル缶50に内容物等を充填した後、このボトル缶50の口金部51にキャップCを被せる。
【0046】
ここで、キャップCを口金部51に被せた後、キャッピング装置に設けられたプレッシャーブロックインサートがボトル缶50の口金部51に被せられたキャップCの天板10を缶底方向に押圧する。この際、天板10の周縁部を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工することで、図1に示されるように、キャップCの周縁部に絞り部11aが形成される。
【0047】
また、ROローラがボトル缶50の雄ネジ部52に沿って回転することで、キャップCの周壁部15に雌ねじ部14を形成する。さらに、PPローラがかぶら部53に沿って転動することでピルファープルーフ部20がキャップCの下部に形成されることになり、キャップCが口金部51に被着されることになる。
【0048】
次に、図1において、上記構成からなるキャップ付ボトル缶の開栓を行うには、キャップCのナール部17に指をかけて、キャップCを一方向に回動させる。この際、キャップCの上部の雌ねじ部14がボトル缶50の雄ねじ部52に沿って上方に持ち上がりながら回転する一方、ピルファープルーフ部20が形成されたキャップCの下部がボトル缶50かぶら部53に係止され、キ ャップCの上部と一体に持ち上がらずに回転する。すると、キャップC上部と、キャップC下部とが徐々に離間するので、これらを連結するブリッジ13が上下方向に引っ張られ、ブリッジ13が周方向に破断され、スリット16及びブリッジ13の形成位置を介して上部がボトル缶50の口金部51から取外され、キャップ本体下部11が口金部51に残存することになる。
【0049】
ここで、開栓によりブリッジ13が破断された場合、キャップ本体上部12と下部11に破断されたブリッジ13が形成される場合においても、本実施形態においては、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAは、0.2mmに形成されているため、破断されたブリッジ13の高さが短く形成されることになる。
【0050】
また、図2、図3に示されるように、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAが0.2mmに形成され、キャップ周方向の長さBが0.8mmに形成されていることから、開栓によりブリッジ13が最大剪断応力線40に沿って破断したとしても、破断面は、キャップ周方向と略平行に形成されることになる。このため、破断後のブリッジ13の断面には、キャップ本体上と下部とに形成されるブリッジ13の断面が鋭利な先端を有さないことになる。
【0051】
すなわち、上記のように、本実施形態に係るキャップCにおいては、開栓によりブリッジ13が破断された場合において、キャップの上下部に残るバリが鋭利な先端を有する形状にならず、また、バリのキャップ軸方向の長さも抑えられることから、開栓後にリシールしたキャップCまたはキャップ付ボトル缶を鞄等の収納物に収納したとしても、収納物を傷つけることなく収納することができる。
さらに、本実施形態においては、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材又は、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材が用いられている。これらのAl材は、だれが生じ難い性質を有していことから、カッター64によるスリット16の加工時において、誤差の小さい加工ができることになっている。このため、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAを確実に0.1mm以上0.2mm以下に形成することができることになり、また、ブリッジ13のキャップ軸方向の長さAをキャップ周方向の長さBで除した値を0.11以上0.25以下に確実にすることができる。また、表1の実施例1から8に示された5000系のAl材又は、表2の実施例1から8に示された3000系のAl材は引張強度が強い性質を有していることから、キャッピングの際にブリッジ13が破断されることを防止することができる。
【0052】
なお、本実施の形態においては、ブリッジ13のキャップ周方向の長さは、0.8mmに形成されているが、従来のキャップCと同様に0.6mm以上0.9mm以下に形成されていてもよい。また、本実施形態は、キャップ径が38mmであるが、この径のキャップに限られない。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、開栓によりブリッジが破断された場合において、ブリッジの断面が周方向と略平行に形成されるため、断面に鋭利な部分が形成されないことになり、さらに、破断されたブリッジの高さは低く形成されることから、開栓後にリシールしたキャップまたはキャップ付ボトル缶を鞄等の収納物に収納したとしても、収納物を傷つけることなく収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るキャップ付ボトル缶を示す図であって、キャップの一部を断面視した正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るキャッピングされる前のキャップの一部を断面視した正面図である。
【図3】本実施形態に係るキャップのブリッジ周辺部の拡大図である。
【図4】キャップシェルにスリットを形成するスリット成形装置の概略図である。
【図5】図4の一部拡大図である。
【図6】本実施形態に係るボトル缶の正面図である。
【符号の説明】
C キャップ
13 ブリッジ
16 スリット
40 最大剪断応力線
Claims (7)
- ボトル缶の口金部に形成されたねじ山に嵌合する雌ねじ部が設けられるキャップ本体上部と、ボトル缶の口金部に形成されたかぶら部に係止されるピルファープルーフ部が設けられるキャップ本体下部とが、ブリッジによって連結されているキャップであって、
前記ブリッジのキャップ軸方向の長さが0.1mm以上0.2mm以下に形成されていることを特徴とするキャップ。 - 請求項1に記載されたキャップにおいて、
ブリッジのキャップ軸方向の長さをAとし、ブリッジのキャップ周方向の長さをBとした場合に、A/Bが0.11以上0.25以下に形成されていることを特徴とするキャップ。 - 請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、
重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。 - 請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、
重量%でFe:0.15%以上0.30%以下、Mn:0.04%以上0.09%以下、Mg:1.7%以上2.1%以下を含有し、Crを0.02%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。 - 請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、
重量%でSi:0.01%以下0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。 - 請求項1または請求項2に記載されたキャップにおいて、
重量%でSi:0.1%以上0.5%以下、Fe:0.3%以上0.7%以下、Cu:0.05%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上0.8%以下、Mg:0.2%以上0.8%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。 - 請求項1から請求項6のいずれかに記載のキャップがボトル缶の口金部に被着されていることを特徴とするキャップ付ボトル缶。
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---|---|---|---|
JP2003200651A JP2005041498A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | キャップ及びキャップ付ボトル缶 |
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---|---|---|---|---|
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JP2008144217A (ja) * | 2006-12-08 | 2008-06-26 | Mitsubishi Alum Co Ltd | キャップ用アルミニウム合金板及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-07-23 JP JP2003200651A patent/JP2005041498A/ja not_active Withdrawn
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