JP2004352282A - キャップ及びキャップの製造方法 - Google Patents

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JP2004352282A JP2003151117A JP2003151117A JP2004352282A JP 2004352282 A JP2004352282 A JP 2004352282A JP 2003151117 A JP2003151117 A JP 2003151117A JP 2003151117 A JP2003151117 A JP 2003151117A JP 2004352282 A JP2004352282 A JP 2004352282A
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元彦 鎌田
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Abstract

【課題】ボトル内圧が上昇した場合において、キャップがボトルの口金部から外れることなく、開放する内圧値を高精度に設定することができるキャップ及びキャップの製造方法を提供することにある。
【解決手段】圧延材により形成され、天面部11と天面部11の周縁から略垂下してなる側面部12とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャップ10であって、側面部12に、その周方向に延在するベントホール21が少なくとも一つ形成され、このベントホール21は、キャップ天面部11を平面視して、キャップ10の軸芯を通り、かつ、圧延材の圧延方向に対して平行な直線と、該ベントホール21の延在方向中央部と前記軸芯とを通る直線とが、天面部11表面上でなす角度が、30°未満になるように、側面部12の周長の4%以上15%以下の長さで形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に飲料用等の容器として使用されるボトルの口金部に被着されるキャップ及びキャップの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなボトルとしては、例えば、純AlやAl合金製の金属材料により形成されたボトル缶や、ガラス等により形成されたボトル(瓶)がある。
一般に、前者のボトルとしてのボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金製の金属材料板を絞り加工(Drawing)と、次いで行われるしごき加工(Ironing)とによって成形される、一般にDI缶と呼ばれている缶の上部に、口金部が形成されて製造されている。このボトル缶に内容物を充填した後、ボトル缶の口金部にキャップが被着され、キャップ付ボトル缶とされる。
【0003】
この種のボトル缶の口金部は、図13(a)に示すように、雄ねじ部1とカール部2とかぶら部4とを備えている。一方、キャップ3は、図13(b)に示すように、天面部3aとこの天面部3aの周縁から略垂下した側面部3bとを備え、この側面部3bは、ボトル缶の雄ねじ部1に倣って押圧成形される雌ねじ部5と、この雌ねじ部5の下方に形成された破断部8と、この破断部8の下部に形成されたピルファープルーフ部9とを備えている。この構成において、以下、破断部8より天面部3a側の部分をキャップ本体部という。
【0004】
キャップ3の外径Aは、一般に、28mm,33mm,38mmの三つの規格があり、ボトル缶1の口金部の外径Bは、キャップ3の外径Aよりも小さく形成されている。
【0005】
そして、このように構成されたキャップ3は、ボトル缶の口金部に次のようにして被着され、キャップ付ボトル缶とされる。
すなわち、図13(c)に示すように、キャップ3の雌ねじ部5が口金部の雄ねじ部1に螺合されるとともに、キャップ3の天面部3aの内面に配設されたライナー(図示せず)とカール部2とが密接することでボトル缶の開口部を密封し、さらに、キャップ3のピルファープルーフ部9が、かぶら部4の下方を巻き込むように折り曲げられ、キャップ付ボトル缶とされる。この際、例えば、38mmの外径からなるキャップ3がボトル缶の雄ねじ部1に螺合される場合、ねじとして有効に機能する部分の巻数である有効ねじ巻数は、1.5〜1.7巻程度に形成される。
【0006】
キャップ3の破断部8は、キャップ本体部とピルファープルーフ部9とを連結するブリッジ8bと、周方向に連続して設けられた複数の切り込みであるスコア8aとを備えている。このキャップ3は、キャップ付ボトル缶の開栓時にボトル缶に対して回転されると、ボトル缶の口金部に形成された雄ねじ部1のリードに従いキャップ3が上方に移動される一方で、ピルファープルーフ部9がボトル缶の口金部のかぶら部4に係止されているので、ブリッジ8aが破断されるようになっている。このようにして、キャップ3が破断部8を境にして分離され、この破断部8より上方の部分,すなわちキャップ本体部がボトル缶から離脱され、ピルファープルーフ部9がボトル缶の口金部に残され、キャップ付ボトル缶は開栓されるようになっている。
【0007】
ところで、この種のキャップ付ボトル缶の内容物が天然果汁を含む果汁飲料である場合には、キャップ3を一旦開栓し、この内容物を大気と接触させた後に、これらを室温以上の温度下に長時間置くと、この内容物が発酵することになる。この際、キャップ3をボトル缶にリキャップした状態においては、缶内圧が上昇し、さらに前記内容物の発酵が進行すると、これに伴い、缶内圧は上昇し続けることになる。
【0008】
このような缶内圧の上昇により、キャップ天面部3aの内面には、キャップ付ボトル缶の軸線方向上方へ向かう力が作用し、これにより、キャップ3の雌ねじ部5は、前記軸線方向上方かつボトル缶口金部の雄ねじ部1の傾斜方向に沿って移動することになる。すなわち、キャップ3は、側面部3bが拡径するように変形し、さらに、缶内圧値が所定値以上となった場合には、キャップ3の雌ねじ部5が、口金部の雄ねじ部1のねじ山を乗越えることになり、キャップ3がボトル缶の口金部から外れるという問題があった。
【0009】
このような問題を解決するための手段として、缶内圧が過剰に上昇すると、この内圧を開放させる開放路がキャップに形成される構成が数多く開示されている。例えば、下記特許文献1には、ライナーに切欠きを形成しておき、缶内圧が過剰に上昇すると、このライナーが少なくとも部分的に変形して前記切欠きを通る内圧開放路が形成され、この開放路を介して缶内圧を開放する構成が開示されている。
【0010】
しかしながら、この従来のキャップにおいては、缶内圧が所定値を超過したときに初めて、前記開放路が形成され缶内圧が開放される構成とすることが困難であるという問題があった。すなわち、缶内圧が前記所定値になる前に前記開放路が形成されたり、逆に、前記所定値になっても前記開放路が形成されない場合があった。
【0011】
【特許文献1】
特公平04−40268号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、缶内圧が異常に上昇した際、キャップがボトルの口金部から外れることを確実に抑制することができるとともに、開放する内圧値を高精度に設定することができるキャップ及びキャップの製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、圧延材により形成され、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャップであって、前記側面部に、その周方向に延在するベントホールが少なくとも一つ形成され、前記ベントホールは、前記キャップ天面部を平面視して、キャップ軸芯を通り、かつ、前記圧延材の圧延方向に対して平行な直線、若しくは、前記キャップの軸芯を通り、かつ、前記天面部表面に沿った方向における、前記圧延材の圧延方向に対して90°傾いた直線と、該ベントホールの延在方向中央部と前記軸芯とを通る直線とが、前記天面部表面でなす角度が、30°未満になるように、前記側面部の周長の4%以上15%以下の長さで形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2に係る発明は、圧延材により形成され、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャップであって、前記側面部に、その周方向に延在するベントホールが少なくとも一つ形成され、前記ベントホールは、この延在方向中央部が、前記キャップ天面部を平面視して、キャップ軸芯を通り、かつ、前記圧延材の引張強度が最も低い方向に対して平行な直線を基準に、前記キャップ軸芯を中心に15°以下の領域を回避した領域に位置するように、前記側面部の周長の4%以上15%以下の長さで形成されていることを特徴とする。
【0015】
これらの発明に係るキャップによれば、前記側面部に、前記ベントホールが前記長さで形成されているので、ボトル口金部にキャップが被着された構成において、ボトル内圧が上昇した場合には、次のような作用を奏することになる。
すなわち、キャップ天面部の表面において、前記ベントホールが形成されている周縁部からキャップの軸芯に向かった領域が、この天面部表面における他部より先行して膨出することになる。換言すれば、キャップに膨出容易部を具備させることができる。
従って、ボトル内圧が所定値を超過した際、まず、キャップ天面部における前記膨出容易部が前記軸線方向上方へ膨出して前記ベントホールが上方へ開くことになる。そして、この部分におけるシール面圧が低下することにより、ボトル内圧が開放され易くなり、この面圧低下部分と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放される、または、前記膨出容易部におけるシール部材としてのライナーとボトル口金部の上端部との間に間隙が生ずることにより、この間隙と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放されることになる。すなわち、ボトル内圧が所定値を超過すると、前記膨出容易部におけるシール面圧を、前記他部におけるシール面圧より確実に低下させることができ、または、前記膨出容易部におけるライナーとボトル口金部の上端部との間に間隙を生じさせることができ、これにより、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放できる構成を確実に実現することができる。
【0016】
ここで、前記キャップは、このキャップを形成した後に、これをホッパーに投入し、このホッパーから逐次的にキャップを取出して、このキャップを梱包する工程を経る場合には、次のような不具合が発生することが想定される。
すなわち、前記ベントホールは前記長さで形成されているので、キャップ側面部の外表面における前記ベントホールの開口周縁部は他部より強度が低下しており、さらに、ホッパーに投入されたキャップは取出されるまでの間に、キャップ同士が互いに衝突し合うことになるため、前記開口周縁部に凹みが発生し易く、前記ベントホールの開口部が大形となってしまうことが想定される。さらに、このキャップをボトル口金部に被着する際には、このボトルの内容物の密封性を確保するため、キャップをボトル口金部に被せた状態で、キャップ天面部の周縁部を径方向内方かつ軸線方向下方に押圧することにより、この周縁部に段差部を形成するが、この際に、前記ベントホールの開口部はさらに大形となってしまうことが想定される。このようなキャップは、美観に優れず、また、キャップ開栓時に指が引っ掛かる場合も考えられ、さらに、衛生上も好ましくない。
【0017】
しかしながら、前記ベントホールは、キャップ側面部のうち、前記圧延材の引張強度が著しく低下する方向を避けて、比較的高い方向に限定して形成されているので、前記凹み発生を最小限に抑制することができる。
以上により、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放することができるとともに、このような構成においても、前記不具合を発生させることなく良好かつ確実に前記キャップを形成することができるようになる。
【0018】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のキャップにおいて、前記圧延材は、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項3記載のキャップにおいて、前記圧延材は、溶製してスラブに鋳造した後、これに熱間圧延と第1冷間圧延とをこの順に施し、その後、300℃以上590℃以下の温度下で第1中間焼鈍を施し、そして、第2冷間圧延を施した後、300℃以上590℃以下の温度下で第2中間焼鈍を施し、その後、最終冷間圧延率を50%より大きく80%以下として第2冷間圧延を施した後、これに160℃以上260°以下の温度下で最終調質焼鈍を施すことにより形成された構成であることを特徴とする。
【0020】
これらの発明に係るキャップによれば、5000系のAl材において、低い耳率を維持しつつ、引張強度の向上を図ることができる。従って、このキャップが被着されたボトルの内圧が過剰に上昇した場合においても、この内圧により、キャップがボトルから外れることを抑制することができるようになり、ボトル内圧が所定値を超過した際、まず、前記膨出容易部を膨出させることができる。これにより、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放できる構成を確実に実現することができる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項1または2に記載のキャップにおいて、前記圧延材は、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とする。
【0022】
請求項6に係る発明は、請求項5記載のキャップにおいて、前記圧延材は、溶製してスラブに鋳造した後、これに熱間圧延と第1冷間圧延とをこの順に施し、その後、300℃以上590℃以下の温度下で第1中間焼鈍を施し、そして、第2冷間圧延を施した後、300℃以上590℃以下の温度下で第2中間焼鈍を施し、その後、最終冷間圧延率を30%より大きく80%以下として第2冷間圧延を施した後、これに150℃以上250°以下の温度下で最終調質焼鈍を施すことにより形成された構成であることを特徴とする。
【0023】
これらの発明に係るキャップによれば、3000系のAl材において、低い耳率を維持しつつ、引張強度の向上を図ることができる。従って、このキャップが被着されたボトルの内圧が過剰に上昇した場合においても、この内圧により、キャップがボトルから外れることを抑制することができるようになり、ボトル内圧が所定値を超過した際、まず、前記膨出容易部を膨出させることができる。これにより、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放できる構成を確実に実現することができる。
【0024】
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれかに記載のキャップにおいて、前記圧延材は、引張強度が210MPa以上300MPa以下とされていることを特徴とする。
【0025】
この発明に係るキャップによれば、前記圧延材は引張強度が210MPa以上300MPa以下とされているので、キャップにボトル口金部への必要十分な嵌合強度を確実に具備させることができる。これにより、ボトル内圧の上昇により、キャップがボトル口金部から外れることを確実に抑制することができる。
従って、ボトル内圧が上昇して所定値を超過した際、この内圧により、キャップはボトル口金部から外れず、まず、キャップ天面部における前記膨出容易部が前記軸線方向上方へ膨出して前記ベントホールが上方へ開くことになる。そして、この部分におけるシール面圧が低下することにより、ボトル内圧が開放され易くなり、この面圧低下部分と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放される、または、前記膨出容易部におけるシール部材としてのライナーとボトル口金部の上端部との間に間隙が生ずることにより、この間隙と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放されることになる。
さらに、前記圧延材の引張強度を高めたことにより、前記ベントホールが上方へ開く際の変形態様がキャップ毎にばらつくことも有効に抑制される。
以上により、ボトル内圧が前記所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧が開放され始める構成を容易かつ高精度に実現することができる。
【0026】
ところで、圧延材を請求項3から6のいずれかに記載の組成及び条件で形成し、かつ、この引張強度を前記範囲にまで高めると、圧延方向に対する引張強度の異方性が増加することが知られている。例えば、圧延方向における引張強度と、強度が最も低い引張方向における引張強度、又は/及び、圧延方向に対して45°傾いた方向における引張強度との差は、8MPaを超過することが知られている。
従って、前記ベントホールを、キャップ側面部に、強度が最も低い引張方向、又は/及び、圧延方向に対して45°傾いた方向に形成した場合と、圧延方向に形成した場合、または圧延方向に対して90°傾いた方向に形成した場合とでは、この側面部の外表面における前記ベントホールの開口周縁部の変形に対する剛性が顕著に異なることになる。すなわち、キャップが、前記ホッパーを介して梱包される工程を経ると、前述した前記ベントホールの形成位置の相違により、前記開口周縁部の凹み量が異なり、特に、前記ベントホールを、強度が最も低い引張方向、又は/及び、圧延方向に対して45°傾いた方向におけるキャップ側面部に形成した場合には、前記凹み量が大きくなる。
【0027】
しかしながら、前記ベントホールは、キャップ側面部のうち、前記圧延材の強度が比較的低い引張方向を避けて、比較的高い方向に限定して形成されているので、前記凹み発生を抑制することができる。さらに、前記圧延材が、210MPa以上300MPa以下に高められているので、前記凹み発生を確実に抑制することができる。
以上により、ボトル内圧が開放され始める内圧値を容易かつ確実に高精度に設定することができるとともに、このような構成においても、前述した外観上、操作上、及び衛生上の不具合を発生させることなく良好かつ確実に前記キャップを形成することができるようになる。
【0028】
請求項8に係る発明は、圧延材表面に、少なくとも文字,図形,または記号を構成するインキ層を形成する印刷工程と、前記圧延材に、前記インキ層の形成位置に対応させて、打抜き加工及び絞り加工を施し、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備えたキャップ素体を形成するキャップ素体形成工程と、少なくとも、前記キャップ素体の側面部の上部に、その周長の4%以上15%以下の長さで周方向に延在するベントホールを形成するキャップ形成工程とを有するキャップの製造方法であって、前記ベントホールは、前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めを行った後に形成することを特徴とする。
【0029】
この発明に係るキャップの製造方法によれば、前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めを行った後に、前記ベントホールを形成するので、このベントホールを、前記圧延材を形成する際の圧延方向に対する特定の位置に形成することができるようになる。従って、前記ベントホールを、前記側面部における、例えば、圧延方向または圧延方向に対して90°傾いた方向に形成することができる。これにより、キャップをホッパー内に投入した後、このホッパーから逐次的にキャップを取出して、キャップを梱包する梱包工程において、ホッパー内でのキャップ同士の衝突により、前記側面部における前記ベントホールの開口周縁部の凹み発生を最小限に抑制できるキャップを確実に形成することができるようになる。
【0030】
請求項9に係る発明は、請求項8記載のキャップの製造方法において、前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めは、前記印刷工程で前記インキ層を形成する際に形成された位置決め用マークを検出することにより行うことを特徴とする。
【0031】
この発明に係るキャップの製造方法によれば、前記ベントホールを、前記圧延材を形成する際の圧延方向に対する特定位置に確実に形成することができるようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るキャップ及びキャップ付ボトル並びにキャップ付ボトルの内圧開放方法の一実施形態を、図1から図12を参照しながら説明する。
【0033】
キャップ10は、図1に示すように、Al合金等からなる圧延材により形成され、天面部11とこの天面部11の周縁から略垂下した側面部12とから概略構成されている。
ここで一般に、圧延材は、均質な状態で製造されると、この圧延材を製造する際の圧延方向における引張強度(以下、「圧延0°方向の引張強度」という)が最も高く、圧延方向に対して45°傾いた方向における引張強度(以下、「圧延45°方向の引張強度」という)が最も低くなることが知られている。ここで、均質な状態で製造された圧延材とは、例えば、圧延材を組成する成分が均一に分布している場合や、圧延材を製造する装置において、一対の圧延ロールが傾くことなく、互いが平行に配設された状態で製造されたものや、この圧延材を製造する過程において、前記圧延ロールの回転数が一定の状態に維持されて製造されたもの等、理想的な状態で製造されたものをいう。従って、圧延材の組成成分が不均一に分布している場合や、前記圧延ロールが傾いた状態で製造された場合や、前記圧延ロールの回転数がばらついた状態で製造された場合等の圧延材においては、前記各引張強度を有する圧延方向に対する傾き位置がばらつくことになる。
そこで、本実施形態においては、以下、説明の便宜のため、圧延0°方向の引張強度が最も高く、圧延方向45°方向の引張強度が最も低いことを前提として説明するが、これらの圧延方向に対する傾き位置は前記に限定されるものではなく、引張強度が最も高い方向、低い方向であればよい。
【0034】
このキャップ10は、5000系のAl材または3000系のAl材により形成されている。
キャップ10の素材が5000系のAl材である場合には、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
また、キャップ10の素材が3000系のAl材である場合には、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有している。
【0035】
これらの組成を有する素材としての圧延材は、引張強度が210MPa以上300MPa以下とされ、より好ましくは、圧延0°方向の引張強度が220MPa以上300MPa以下とされ、かつ、引張強度が最も低い方向としての、圧延45°方向の引張強度が210MPa以上280MPa以下とされている。また、この圧延材は、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.98Nで測定した場合の硬さHv0.1が、68以上94以下とされ、0.2%耐力は、190MPa以上265MPa以下とされている。また、キャップ10は、板厚を0.22〜0.30mmとし、外径を28〜38mmとして形成されている。
【0036】
ここで、このような圧延材を形成することができる実施例について説明する。
まず、圧延材を5000系のAl材としたときの実施例について説明する。
前述した組成において、具体的には表1に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で450℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。ここで、中間焼鈍とは、バッチ式の焼鈍の場合、300℃以上450℃以下の温度下で1時間以上10時間以下焼鈍処理することをいい、急速加熱方式による焼鈍の場合、400℃以上590℃以下の温度下で1秒以上60秒以下焼鈍処理することをいう。
【0037】
そして、前記一回目の中間焼鈍を経た後に、再度冷間圧延を行い板厚を例えば0.6mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。そして、この板厚0.25mmの板材に表1に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、前記圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を5000系のAl材とした場合においては、160℃以上260℃以下,好ましくは200℃以上230℃以下で焼鈍処理することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(5000系Al材)」という。
【0038】
次に、以上により形成された高強度材(5000系Al材)の、引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。ここで、耳率とは、円筒状に絞ったカップの周縁部に山部および谷部(これらの凹凸を耳と呼ぶ)が生じた際の、カップ高さに対する耳高さの割合のことをいい、カップの耳率は、山部の平均高さをh1、谷部の平均高さをh2、カップの平均高さをh3とした場合、(h1−h2)/h3×100により算出されるものである。これらの結果を表1に示す。この表において、最終冷間圧延率とは、前述した工程において、二回目の中間焼鈍を経た後に、冷間圧延により、この板厚を最終板厚0.25mmにする際における板厚の変化率のことをいう。例えば、板厚0.6mmから最終板厚0.25mmとすると、最終冷間圧延率は58%となる。なお、この最終冷間圧延率は、圧延材が5000系のAl材である場合、50%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
【0039】
【表1】
Figure 2004352282
【0040】
この結果から、圧延材の引張強度は210MPa以上300MPa以下であり、より詳細には、215MPa以上266MPa以下であり、また、伸び率は3.0%以上となっており、耳率は3.5%以下となっていることが確認できた。さらに、表1に記載された実施例1から8のうち、任意に選択した圧延材において、圧延0°方向の引張強度と圧延45°方向の引張強度とを各々測定し、これらの差を確認したところ、8MPaを超過していることが確認できた。
【0041】
次に、圧延材を3000系のAl材としたときの実施例について説明する。
前述した組成において、具体的には表2に示す組成のAl材を溶製し、スラブに鋳造した後、熱間圧延で板厚を6mmとし、次に、冷間圧延で板厚を2.5mmとした後、これを連続焼鈍炉で460℃の温度下で一回目の中間焼鈍を行った。そして、再度冷間圧延を行い板厚を0.50mmとした後、これを前記連続焼鈍炉で前述と同様にして二回目の中間焼鈍を行い、その後、これを最終板厚0.25mmまで冷間圧延した。
【0042】
そして、この板厚0.25mmの板材に表2に示す温度下で最終調質焼鈍を施し、前記圧延材を形成した。ここで、最終調質焼鈍とは、圧延材を3000系のAl材とした場合においては、150℃以上250℃以下,好ましくは190℃以上230℃以下で焼鈍することをいい、バッチ式の焼鈍の場合では1時間以上10時間以下、急速加熱方式の場合では1秒以上60秒以下で焼鈍処理することをいう。なお、最終冷間圧延率は、圧延材が3000系のAl材である場合、30%より大きく80%以下にすると、低い耳率を維持しながら、引張強度の向上を図ることができる。
以上により形成された圧延材を以下、「高強度材(3000系Al材)」という。
【0043】
次に、以上により形成された高強度材(3000系Al材)の、引張強度,伸び率,及び耳率を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 2004352282
【0045】
この結果から、圧延材の引張強度は210MPa以上300MPa以下であり、より詳細には、216MPa以上260MPa以下であり、また、伸び率は3.0%以上となっており、耳率は3.5%以下となっていることが確認できた。さらに、表2に記載された実施例1から8のうち、任意に選択した圧延材において、圧延0°方向の引張強度と圧延45°方向の引張強度とを各々測定し、これらの差を確認したところ、8MPaを超過していることが確認できた。
【0046】
以上の圧延材により形成されたキャップ10は、図1に示すように、キャップ側面部12に、上端部に全周に亘って複数の凹凸形状が形成されたナール13と、このナール13の下端に連続し当該ナール13より小径に形成されたグルーブ14と、このグルーブ14の下端に連続し当該グルーブ14より大径に形成されたネジ部形成予定部15と、このネジ部形成予定部15の下端に連続し当該ネジ部形成予定部15より大径に形成されたビード16と、このビード16の略中央部に周方向に所定の間隙を有し複数形成され当該側面部12を貫通するスコア−17と、ビード16の下端に連続し下方に向かうに従い漸次拡径したピルファープルーフ部18とを備えている。そして、天面部11の内面にライナー19が配設されている。
【0047】
ここで、キャップ側面部12のナール13は、周方向に所定の間隙を有し複数形成された小形の凹部13aと、周方向に延在して形成された1つの大形の凹部13bとを備え、これら小形の凹部13a同士の間、及び大形の凹部13bと小形の凹部13aとの間に、凸部13cが配設された構成となっている。そして、このナール13の上部に、図1,図2に示すように、この側面部12を貫通し、周方向に所定の間隙を有し複数形成された第1のベントホール20と、周方向に延在して形成された第2のベントホール21とが形成されている。
第1のベントホール20は、周方向に形成された短い切込み形状であって、ナール13の小形の凹部13aの上部に幅1〜2mm程度で形成されている。
【0048】
第2のベントホール21は、キャップ10の外表面周長、例えばナール13を構成する各凸部13cにおける径方向に最も突出した部分同士を軸芯O回りに順次結んだ長さ(以下、単に「周長」という)の4%以上15%以下、より好ましくは6%以上10%以下で、ナール13の大形の凹部13bの上部に形成されている。
【0049】
ここで、第2のベントホール21は、図3(a)に示すように、キャップ天面部11を平面視して、キャップ10の軸芯Oを通り、かつ、前記圧延材を製造する際の圧延方向Cに対して平行な直線L4と、このベントホール21の延在方向中央部Dと軸芯Oとを通る直線L5とが、キャップ天面部11表面でなす角度θ1が、30°未満、より好ましくは20°以下、さらに好ましくは15°以下になるように形成されている。
なお、第2のベントホール21を、図3(b)に示すように、キャップ天面部11を平面視して、キャップ10の軸芯Oを通り、かつ、前記圧延方向Cに対して90°傾いた直線L6と、前記直線L5とが、キャップ天面部11の表面でなす角度θ2を30°未満、より好ましくは20°以下、さらに好ましくは15°以下としてもよい。
【0050】
ここで、図3(a),図3(b)に示した形態を換言すると、本実施形態においては、前述したように、強度が最も低下する引張方向が圧延45°方向であるので、第2のベントホール21の延在方向中央部Dは、キャップ天面部11を平面視して、軸芯Oを通り、かつ、圧延45°方向に対して平行な直線L7,L7を基準に、キャップ軸芯Oを中心に15°以下、より好ましくは20°未満、さらに好ましくは30°未満の領域を回避した領域に位置している。
【0051】
以上のように構成されたキャップ10がボトル缶の口金部に被着されたキャップ付ボトル缶において、この缶内圧が上昇し天面部11を上方へ膨出させようとする力が作用すると、以下のような作用を奏することになる。すなわち、図2に示すように、天面部11の表面において、第2のベントホール21が形成されている周縁部から軸芯Oに向かった領域(以下、「膨出容易部11b」という)における前記力に抗する耐力は、この領域を除く他部における前記耐力と比べ小さくなる。従って、缶内圧が上昇すると、天面部11の表面において、膨出容易部11bは、この膨出容易部11bを除く他部より先行して膨出することになる。
【0052】
ここで、キャップ天面部11の内面に配設されたライナー19は、図2に示すように、その周縁部に、キャップ側面部12の周方向における第2のベントホール21の形成位置と対応して、その周縁に開口する平面視矩形状の切欠き部19aが形成されている。すなわち、切欠き部19aは、第2のベントホール21の延在方向における略中央部に向かって開口するように、ライナー19の周縁部に形成されている。これにより、キャップ付ボトル缶において、この缶内圧が上昇して所定値を超過すると、キャップ10の膨出容易部11bが膨出変形して第2のベントホール21が上方へ開き、この部分におけるライナー19とボトル缶上端部との間の面圧が低下すると、この面圧低下部分のうち、まず、切欠き部19aの形成位置からボトル缶内圧が開放され始めるようになっている。
【0053】
以上のように構成されたキャップ10の製造方法について図4に従い説明する。
まず、図4(a)において、圧延方向Cに圧延されて製造された圧延材30表面の略全面に、例えばポリエステル系樹脂等の弾性係数が比較的低い材料からなる図示しないサイズコート層またはベースコート層を形成する。ここで、圧延材30の表面は、所定の間隙を有した複数の、略円形状とされた後述するキャップ素体の形成予定部30aを備えており、この形成予定部30a表面に、形成するキャップ10の外観を構成する文字,図形,または記号と、位置決め用マーク31とを有するインキ層を形成する。位置決め用マーク31は、キャップ素体の形成予定部30a表面のうち、この形成予定部30aの軸芯を通り、かつ、圧延方向Cに対して45°傾いた方向に延在する仮想基準直線L3上に2つ形成する。そして、圧延材30の表面全体に、サイズコート層またはベースコート層及びインキ層を覆うように、ポリエステル/アミノ系樹脂,ポリエステル/アクリル系樹脂等の弾性係数が比較的高い材料からなる、図示しないオーバーバーニッシュ層を形成する。
【0054】
次に、図4(b)に示すように、この圧延材30に、前記文字等と位置決め用マーク31とからなる前記インキ層の形成位置、すなわち、キャップ素体の形成予定部30aに対応させて、打抜き加工及び絞り加工を施し、天面部11とこの天面部11の周縁から略垂下してなる側面部12とを備えたキャップ素体32を形成する。この際、位置決め用マーク31は、キャップ素体32の側面部12の外表面に位置している。
【0055】
次に、キャップ素体32を、側面部12にナール13(小形の凹部13a及び大形の凹部13b)、第1,第2のベントホール20,21、及びスコア−17を形成するキャップ形成装置に搬送する。
このキャップ形成装置は、キャップ側面部12に大形の凹部13b、及び第2のベントホール21を形成する第1の形成装置33aと、キャップ側面部12に小形の凹部13a、第1のベントホール20、及びスコア−17を形成する第2の形成装置33bとを備えている。
【0056】
第1の形成装置33aは、キャップ素体32を載置,保持する保持テーブル34と、この保持テーブル34上に天面部11表面を介して保持されたキャップ素体32の位置決め用マーク31を検出する検出手段35と、キャップ素体32の側面部12を内表面側から押圧する第1のインナーツール36aと、キャップ素体32の側面部12を外表面側から押圧する第1のアウターツール37aとを備えている。
第2の形成装置33bは、キャップ素体32を載置,保持する保持テーブル34と、キャップ素体32の側面部12を内表面側から押圧する第2のインナーツール36bと、キャップ素体32の側面部12を外表面側から押圧する第2のアウターツール37bとを備えている。
【0057】
このように構成されたキャップ形成装置において、搬送されたキャップ素体32は、まず、図4(c)に示すように、第1の形成装置33aの保持テーブル34上に、天面部11を介して載置,保持され、その後、保持テーブル34がその軸線回りに、検出手段35がキャップ素体32の側面部12に形成された位置検出用マーク31を検出するまで回転する。そして、この保持テーブル34の上方に配設されていた第1のインナーツール36aと第1のアウターツール37aとを下降させ、第1のインナーツール36aをキャップ素体32の内面側に位置させるとともに、第1のアウターツール37aをキャップ素体32の外面側に位置させる。この際、第1のインナーツール36a及び第1のアウターツール37aは、図4(c)に示すように、検出手段35の、キャップ側面部12の周方向に沿った配設位置からキャップ軸芯Oを中心に時計回りに45°回転した位置に位置するとともに、キャップ軸芯Oを通り、かつ、キャップ天面部11表面に沿った方向における、圧延方向Cに平行な直線L4に対して略線対称に位置する。
【0058】
そして、第1のアウターツール37aにより、キャップ素体32の側面部12外表面のうち、検出手段35の配設位置からキャップ軸芯Oを中心に時計回りに45°回転した部分を径方向内方へ向かって押圧するとともに、この部分における内表面を、第1のインナーツール36aにより径方向外方に向かって押圧することにより、側面部12の上部に大形の凹部13bを形成するとともに、この凹部13bの上部に側面部12を貫通し、かつ、その周方向に延在する第2のベントホール21を形成する。この際、第2のベントホール21は、前記直線L4に対して、側面部12の周方向に長さが略均等に割振られるように形成される。
【0059】
次に、このキャップ素体32は、第2の形成装置33bに搬送された後、図4(d)に示すように、保持テーブル32上に、天面部11を介して載置,保持される。その後、保持テーブル32の上方に配設された第2のインナーツール36bと第2のアウターツール37bとを下降させ、第1のインナーツール36bをキャップ素体32の内面側に位置させるとともに、第1のアウターツール37bをキャップ素体32の外面側に位置させる。
【0060】
そして、第1のアウターツール37bによりキャップ素体32の側面部12外表面を径方向内方へ向かって押圧するとともに、第1のインナーツール36bによりキャップ素体32の側面部12内表面を径方向外方に向かって押圧する。これにより、側面部12の上部には、大形の凹部13bの非形成部に、小形の凹部13aが形成されるとともに、この凹部13aの上部に側面部12を貫通する第1のベントホール20が形成され、側面部12の下部には、フレアー17が形成される。そして、第2のインナーツール36b及び第2のアウターツール37bをそれぞれの回転軸線回りに回転させることにより、側面部12に、小形の凹部13a、第1のベントホール20、及びフレアー17を側面部12の周方向に所定の間隙を有し複数形成する。以上により、図1に示すキャップ10が形成される。
【0061】
次に、このキャップ天面部11の内表面に、切欠き部19aを備えたライナー19を配設し、このライナー19を介してキャップ天面部11の内表面を加熱押圧することにより、この表面にライナー19を接合する。この際、ライナー19は、この切欠き部19aが、図2に示すように、キャップ側面部12に形成された第2のベントホール21の延在方向における略中央部に向かって開口するように配設される。
【0062】
そして、内面にライナー19が配設されたキャップ10を、図4(e)に示すように、梱包装置38を構成するホッパー39内に投入する。ここで、ホッパー39は、搬送コンベア39aと、ストッパー39bとを備えており、このホッパー39内に投入された複数のキャップ10は、図示しないエアー供給口からのエアーにより掻き回されつつ、搬送コンベア39aによりホッパー出口路39c側へ移送され、この移送されたキャップ10は、ホッパー出口路39c内への流入を、ストッパー39bがホッパー39内に出没することにより制御される。そして、ホッパー出口路39c内に移送されたキャップ10は、この出口路39cから逐次的に取出され、梱包される。
【0063】
ここで、キャップ10の第2のベントホール21は、その延在方向中央部Dが、図3(a)に示すように、キャップ天面部11を平面視して、軸芯Oを通り、かつ、強度が最も低下する引張方向としての、圧延45°方向に対して平行な直線L7,L7を基準に、キャップ軸芯Oを中心に15°以下、より好ましくは20°未満、さらに好ましくは30°未満の領域を回避した領域に位置しているので、キャップ側面部12における第2のベントホール21の開口周縁部の剛性低下は最小限に抑制される。従って、ホッパー39内に投入されたキャップ10が、出口路39cに至るまでの間にキャップ10同士が互いに衝突し合うことになるにも拘わらず、側面部12の前記開口周縁部における凹みや、開口部の大形化の発生は抑制されることになる。さらに、キャップ10は、引張強度が210MPa以上300MPa以下の圧延材により形成されているので、この側面部12の前記凹みや前記開口部の大形化の発生は確実に抑制されることになる。
【0064】
このような、第2のベントホール21の圧延方向Cに対する形成位置の相違による、前記凹み発生の評価試験を行った。評価対象及び評価結果を図5に示す。評価対象として、7種類のキャップ(ケースI〜ケースVII)を各別に10個ずつ形成し、これらのキャップ各々について、第2のベントホール21を周方向に約10mm延在させて形成するとともに、この延在方向中央部Dを圧延方向Cに対して各種類(ケース)毎で異ならせて形成した。なお、これらのキャップは全て同一の周長とし、この周長を約119mm(外径38mm)として形成した。
【0065】
すなわち、図5(a)に示すように、ケースIは、キャップの第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して45°傾いた方向に平行な直線L7上に位置するように形成したものであり、ケースIIは、キャップの第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して時計回りに15°傾いた方向に平行な直線L8上に位置するように形成したものであり、ケースIIIは、第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して75°傾いた方向に平行な直線L9上に位置するように形成したものであり、ケースIVは、第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して平行な直線L4上に位置するように形成したものであり、ケースVは、第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して90°傾いた方向に平行な直線L6上に位置するように形成したものであり、ケースVIは、第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して30°傾いた方向に平行な直線L10上に位置するように形成したものであり、ケースVIIは、第2のベントホール21を、この延在方向中央部Dが、軸芯Oを通り、かつ、圧延方向Cに対して60°傾いた方向に平行な直線L11上に位置するように形成したものである。
【0066】
このように形成されたキャップを各ケースI〜VII毎で10個同時に、ホッパー39内に投入し、これらのキャップを約30分間ホッパー39内で掻き回した後、ホッパー出口路39bから逐次的に取出し、各キャップについて、キャップ側面部12における第2のベントホール21の開口周縁部に凹みが生じているか否かを目視により確認した。結果を図5(b)に示す。
【0067】
この図より、キャップ天面部11を平面視して、前記直線L7を基準に、軸芯Oを中心にして15°以下の領域に、前記延在方向中央部Dが位置しているケースI,ケースVI,及びケースVIIにおいて、前記凹みが発生し易いことが確認できる。特に、前記直線L7上に前記延在方向中央部Dが位置しているケースIにおいて、最も前記凹みが発生し易いことが確認できる。
【0068】
これに対し、前記直線L4、若しくは、前記直線L6を基準に、軸芯Oを中心にして30°以下の領域に、前記延在方向中央部Dが位置しているケースII、ケースIII,ケースIV,及びケースVにおいて、前記凹みが発生し難いことが確認できる。
以上により、第2のベントホール21は、キャップ天面部11を平面視して、前記直線L4、若しくは、前記直線L6を基準に、軸芯Oを中心にして30°未満の領域、より好ましくは20°以下、さらに好ましくは15°以下の領域に、前記延在方向中央部Dが位置するようにキャップ側面部12に形成されると、キャップ10が、ホッパー39を介して梱包される工程を経た場合においても、前記凹みが発生し難いことが確認できる。
換言すれば、第2のベントホール21は、強度が最も低下する引張方向に延在する前記直線L7を基準に、キャップ軸芯Oを中心に15°以下、より好ましくは20°未満、さらに好ましくは30°未満の領域を回避した領域に、前記延在方向中央部Dが位置するように形成されると、前記凹みが発生し難いことが確認できる。
【0069】
次に、キャップ10が被着されるボトル缶1について、図6,図7に従い説明する。
ボトル缶50は、大径の胴部51と、この胴部51の上端から上方に向かうに従い漸次縮径して形成されたテーパ部52と、このテーパ部52の上端から上方に延在して形成された小径の口金部53とを備えている。口金部53は、その下端部に径方向に膨出して形成されたかぶら部54と、このかぶら部54の上方かつ当該口金部53の軸方向略中央部に形成された雄ねじ部55と、口金部53の上端縁を径方向外方へ折り曲げて形成されたカール部56とを備えている。なお、このカール部56は、スロット加工されることで潰され、これにより若干のアールを有する突出部が形成される。
【0070】
この実施形態では、ボトル缶50の口金部53に形成された雄ねじ部55の有効ねじ巻数は2.2巻とされている。ここで、有効ねじ巻数とは、図7に示す有効ねじ部Xの巻数のことをいう。
図7は、雄ねじ部55の上面図を簡略的に示した説明図であり、この図において、Y,Zが不完全ねじ部、Wが完全ねじ部で、Oがキャップ付ボトル缶の軸芯である。雄ねじ部55は、山部55aと谷部55bとから形成されており、口金部53の上端側に始まり側の不完全ねじ部Yが形成され、口金部53の基端側に終わり側の不完全ねじ部Zが形成されている。不完全ねじ部Yと不完全ねじ部Zとの間の完全ねじ部Wは、山部55aと谷部55bがそれぞれ規定の外径で形成されている。不完全ねじ部Yは、その端点Y1から完全ねじ部Wの始点W1まで徐々にねじ山が拡径されており、不完全ねじ部Zは、完全ねじ部Wの終点W2からその端点Z2まで徐々にねじ谷が拡径されている。
【0071】
有効ねじ部Xは、不完全ねじ部Yの中間の有効ねじ始点X1から、完全ねじ部Wすべてを含み、不完全ねじ部Zの中間の有効ねじ終点X2までのねじ部である。有効ねじ始点X1は、図7に示す雄ねじ部55の上面視における、端点Y1と軸芯Oと始点W1で作られる不完全ねじ部Yの狭角∠αの2等分線L1と不完全ねじ部Yとの交点であり、有効ねじ終点X2は、終点W2と軸芯Oと端点Z2で作られる不完全ねじ部Zの狭角∠βの2等分線L2と不完全ねじ部Zの交点である。この有効ねじ部Xにおける、山部55aの頂部と谷部55bの底部との距離、すなわちねじ山高さは、従来より高い0.61mm以上0.78mm以下、より好ましくは0.66mm以上0.78mm以下で形成されている。
【0072】
このように形成された雄ねじ部55は最大外径が28〜38mmとされ、口金部53は肉厚が0.25〜0.4mmとされている。また、雄ねじ部55は、1インチ当たり7山以上8山以下のネジピッチで、有効ねじ巻数が2.2巻とされ口金部53に形成されている。
【0073】
このように構成されたボトル缶50は、次のようにして口金部53にキャップ10が被着され、キャップ付ボトル缶が形成される。
まず、ボトル缶50に内容物等を充填した後、図8に示すように、このボトル缶50の口金部53にキャップ10を被せる。この際、キャップ10のピルファープルーフ部18は下方へ向かうに従い漸次拡径しているので、口金部53に容易かつ確実に被せられることになる。
【0074】
その後、図9に示すように、筒状のプレッシャーブロック71と、このプレッシャーブロック71の中央に軸方向に移動可能に設けられたプレッシャーブロックインサート72と、ROローラ73、PPローラ74とを備えたキャッピング装置7を用い、ボトル缶50の口金部53に被せられたキャップ10の天面部11をプレッシャーブロックインサート72が缶底方向に押圧する。この際、プレッシャーブロック71が天面部11の周縁部を缶底方向に押圧しながら所望の深さ及び径方向に絞り加工することで、キャップ10の周縁部に段差部11aを形成する。これにより、カール部56の前記突出部がライナー19に食い込んで高い密封性が得られることになる。
【0075】
この段差部11aを形成するのと略同時に、ROローラ73が口金部53の雄ねじ部55に沿って回転することにより、キャップ10のネジ部形成予定部15に、巻数が2.0巻より多く2.5巻より少ない(本実施形態においては、2.2巻)雌ねじ部22を形成するとともに、PPローラ74がかぶら部54の下部に沿って転動することでピルファープルーフ部18が巻締められ、これによってキャップ10が図10に示すように口金部53に被着され、キャップ付ボトル缶101が形成される。
【0076】
ここで、キャップ10は、口金部53の雄ねじ部55に、図7に示す、ねじとして有効に機能する有効ねじ始点X1と有効ねじ終点X2との間に、有効ねじ巻数が2.2巻で被着されている。この有効ねじ巻数を2.0巻より多く2.5巻より少ない構成とすることにより、キャップ10をボトル缶50にリキャップした後、これを再度開栓する際、これを容易に開栓することができるようになるとともに、キャップ10とボトル缶口金部53との良好な嵌合強度を実現することができる。
【0077】
また、有効ねじ巻数を前記範囲に設定することにより、キャップ付ボトル缶101の、この軸線を含む縦断面視において、ボトル缶50の雄ねじ部55とキャップ10の雌ねじ部22とが噛合った個所を、周方向における全ての部分において軸線方向に2箇所以上配設することができる(図10参照)。
【0078】
また、ボトル缶口金部53の雄ねじ部55における前記ねじ山高さは、前述したように従来より高く形成されているが、キャップ10は、前記圧延材により形成されているので、雌ねじ部22を、雄ねじ部55の前記ねじ山高さに適合させるような深さ(0.58mm以上0.75mm以下)で形成しても、ねじ成形荷重を過度に上昇させることがない上に、キャップ側面部12に破れを生じさせることなく良好に形成することができる。従って、キャップ10とボトル缶50との嵌合強度を、従来のキャップ付ボトル缶における嵌合強度より高くすることができる。
【0079】
そして、このように形成されたキャップ付ボトル缶101においては、キャップ10にナール13が形成されているので、キャップ開栓時に、このキャップ10と把持する手との間の摩擦抵抗を増大させることができ、手を滑らせることなく容易にキャップ10を開栓することができる。また、この際、スコア−17同士を繋ぐブリッジ17aが切断されることになるので、スコア−17及びブリッジ17aの形成位置を介して上部がボトル缶50の口金部53から取外され、下部が口金部53に残存することになる。
【0080】
なお、第1,第2のベントホール20,21は、キャップ10が口金部53に被着されたキャップ付ボトル缶101において、図11に示すように、ライナー19及び段差部11aより下方に位置している。
【0081】
次に、以上のように構成されたキャップ付ボトル缶101において、キャップ10を一旦開栓し、これをリキャップした後、この缶内圧が上昇し内圧が開放されるときの作用について、図11,図12に従い説明する。
【0082】
まず、缶内圧が上昇する前は、図11の2点鎖線に示すように、カール部56上端部とライナー19とは密着状態にあり、缶の内容物の密封性が保たれている。そして、缶内圧が上昇し例えば0.6MPaを超過すると、キャップ10はボトル缶口金部53から外れないで、キャップ天面部11における膨出容易部11bが軸線方向上方へ膨出して第2のベントホール21が上方へ開き、これにより、この部分におけるライナー19とボトル缶口金部53の上端部との間の面圧が低下し、この面圧低下部分からボトル缶内圧が開放され易くなる。
【0083】
ここで、この面圧低下部分に位置するライナー19には、その周縁部に、切欠き部19aが形成されているので、ボトル内圧(ヘッドスペースのガス)は、まず、この面圧低下部分のうち、切欠き部19aの形成位置から開放され始めることになる。そして、このように開放された前記ガスは、ボトル缶50とキャップ10との間に形成されている空間100内に流入する。
【0084】
ここで、ライナー19に形成された切欠き部19aは、図2に示すように、第2のベントホール21の延在方向における略中央部に向かって開口しているので、空間100内に流入した前記ガスは、その流入と略同時に、大部分が第2のベントホール21に至り、このベントホール21を介して即座に外部へ流出し、これにより、ボトル缶内圧が外部へ開放されることになる。
【0085】
ここで、キャップ10の雌ねじ部22は、前述したように、ボトル缶50に前記ねじ山高さで形成された雄ねじ部55に適切な螺合深さで螺着され、かつ、キャップ10は、前記圧延材により形成され、かつ、ボトル缶50の雄ねじ部55の有効ねじ巻数が2.2巻とされ、かつ、キャップ10の第2のベントホール21は前記長さに設定されているので、キャップ10の膨出容易部11bを上方へ膨出させる缶内圧は、図12に示すキャップ10の雌ねじ部22の底部22aをボトル缶50の雄ねじ部55の山部55cを乗越えさせ、このキャップ10を軸線方向上方へ位置ずれさせるのに要する缶内圧より小さくなる。従って、缶内圧が例えば0.6MPaを超過した際、キャップ10が前記位置ずれするのに先立って、まず、膨出容易部11bが上方へ膨出して第2のベントホール21が上方へ開くことになる。
【0086】
さらに、圧延材30の引張強度を高めたことにより、第2のベントホール21が上方へ開く際の変形態様がキャップ10毎にばらつくことも有効に抑制することができる。さらにまた、圧延材30に前記硬さを具備させたことにより、第2のベントホール21の前記変形態様のばらつきをより確実に抑制することができる。
以上により、ボトル缶内圧が例えば0.6MPaを超過したときに初めて、ボトル缶内圧が開放され始める構成を容易かつ高精度に実現することができる。
【0087】
しかしながら、第2のベントホール21の形成精度のばらつき、及び前記圧延材を組成する成分の含有量のばらつきや、組成成分の不均一な分布状態等によっては、0.6MPaを超過しても膨出容易部11bが膨出せず、缶内圧が過剰に上昇する場合も想定される。この場合において、ボトル缶内圧が例えば0.8MPaになったときに、ボトル缶内圧が開放され始めるときの作用について説明する。
【0088】
ボトル缶内圧が0.8MPaを超過した際、キャップ10は前記圧延材により形成されているので、缶内圧により、このキャップ10は、その雌ねじ部22がボトル缶口金部53の雄ねじ部55の山部55cを乗越えることなく、キャップ付ボトル缶101の軸線方向上方へ移動することになる。
【0089】
すなわち、キャップ10は、図12の2点鎖線で示すように、その雌ねじ部22が、キャップ付ボトル缶101の軸線方向上方、かつ、ボトル缶口金部53の雄ねじ部55の傾斜方向に沿って移動することにより、側面部12が拡径するように変形しながら、雌ねじ部22の底部22aがボトル缶50の雄ねじ部55の頂部に至る前まで移動することになる。
【0090】
この缶内圧によるキャップ10の前述した移動により、ライナー19とボトル缶口金部53の上端部とのシール面圧が低下するので、缶内圧によりライナー19とボトル缶口金部53の上端部との間に間隙が生じる。従って、キャップ10が前述した移動を開始してシール面圧が低下するのと略同時に、缶内圧は開放され始め、キャップ10が前述した移動をする全過程において、缶内圧は順次開放される。これにより、ボトル缶内圧を、キャップ10の雌ねじ部22の底部22aがボトル缶50の雄ねじ部55の山部55cを乗越えるのに要する内圧値より小さい値に維持することができ、キャップ10の前記位置ずれを、雌ねじ部22の底部22aが、雄ねじ部55の山部55cを乗越える前までに留めることができる。
【0091】
以上により、第2のベントホール21の形成精度のばらつき、及び前記圧延材を組成する成分の含有量のばらつきや、組成成分の不均一な分布状態等により、膨出容易部11bが膨出せず、缶内圧が過剰に上昇した場合においても、キャップ10をボトル缶口金部53から外れさせることなく、この缶内圧を良好かつ確実に開放することができる。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によるキャップ及びキャップ付ボトル缶によれば、キャップ10は、側面部12に、第2のベントホール21を備えているので、ボトル缶内圧が上昇すると、キャップ天面部11の表面のうち、膨出容易部11bが、他部より先行して膨出することになる。
従って、ボトル缶内圧が所定値を超過した際、まず、キャップ天面部11における膨出容易部11bがキャップ付ボトル缶101の軸線方向上方へ膨出して第2のベントホール21が上方へ開くことになる。そして、この部分におけるシール面圧が低下することにより、ボトル缶内圧が開放され易くなり、この面圧低下部分と第2のベントホール21を介してボトル缶内圧が外部へ開放される、または、膨出容易部11bにおけるライナー19とボトル缶口金部53の上端部との間に間隙が生ずることにより、この間隙と第2のベントホール21を介してボトル缶内圧が外部へ開放されることになる。すなわち、ボトル缶内圧が所定値を超過すると、膨出容易部11bにおけるシール面圧を、他部におけるシール面圧より確実に低下させることができ、または、膨出容易部11bにおけるライナー19とボトル缶口金部53の上端部との間に間隙を生じさせることができ、これにより、ボトル缶内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル缶内圧を開放できる構成を確実に実現することができる。
【0093】
また、キャップ10を形成する圧延材30が前記組成を有し、かつ、引張強度が、210MPa以上300MPa以下とされているので、キャップ10にボトル缶口金部53への必要十分な嵌合強度を確実に具備させることができる。これにより、ボトル缶内圧の上昇により、キャップ10がボトル缶口金部53から外れることを確実に抑制することができる。さらに、圧延材30は、JIS規格Z2244に規定された微小ビッカース硬さ試験方法により試験力0.98Nで測定した場合の硬さHv0.1が、68以上94以下とされているので、このキャップ10に前記嵌合強度をより確実に具備させることができる。
【0094】
従って、ボトル缶内圧が上昇して所定値を超過した際、この内圧により、キャップ10をボトル缶口金部53から外れさせず、まず、キャップ天面部11における膨出容易部11bを、キャップ付ボトル缶101の軸線方向上方へ膨出させ、第2のベントホール21を上方へ開かせることができる。これにより、ボトル缶内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル缶内圧を開放できる構成をより確実に実現することができる。
さらに、圧延材30の引張強度を高めたことにより、第2のベントホール21が上方へ開く際の変形態様がキャップ10毎にばらつくことも有効に抑制することができる。
さらにまた、圧延材30に前記硬さを具備させたことにより、第2のベントホール21の前記変形態様のばらつきをより確実に抑制することができる。
以上により、ボトル缶内圧が前記所定値を超過したときに初めて、ボトル缶内圧が開放され始める構成を容易かつ高精度に実現することができる。
【0095】
ところで、前述したように、前記圧延材の引張強度を前記範囲にまで高めたことにより、圧延0°方向の引張強度と圧延45°方向の引張強度との差が8MPaを超過したこと、すなわち、異方性が増加したことが確認された。
従って、第2のベントホール21を、キャップ側面部12に、圧延方向Cに対して45°傾いた方向に形成した場合と、圧延方向Cに形成した場合、または圧延方向Cに対して90°傾いた方向に形成した場合とでは、この側面部12の外表面における第2のベントホール21の開口周縁部の変形に対する剛性が顕著に異なることになる。すなわち、キャップ10が、ホッパー39を介して梱包される工程を経ると、前述した第2のベントホール21の形成位置の相違により、前記開口周縁部の凹み量が異なり、特に、第2のベントホール21を、圧延方向Cに対して45°傾いた方向におけるキャップ側面部12に形成した場合には、前記凹み量が大きくなる。
【0096】
しかしながら、本実施形態によるキャップ10においては、前述したように、第2のベントホール21が、キャップ側面部12のうち、引張強度が比較的高い、圧延方向Cまたは圧延方向Cに対して90°傾いた方向に限定して形成され、さらに、前記圧延材自体の引張強度が高められているので、前記凹みの発生を最小限に抑制することができる。
以上により、ボトル缶内圧が開放され始める内圧値を容易かつ確実に高精度に設定することができるとともに、このような構成においても、外観上、操作上、及び衛生上の不具合を発生させることなく良好かつ確実にキャップ10を形成することができるようになる。
【0097】
さらに、ライナー19の周縁部には、切欠き部19aが形成されているので、ボトル内圧が外部へ開放され始める部分を、前記面圧低下部分のうち、この切欠き部19aの形成位置とすることができる。ここで、この切欠き部19aは、第2のベントホール21の延在方向における略中央部に向かって開口するようにライナー19の周縁部に形成されているので、切欠き部19aの形成位置から開放されたボトル内圧は、その大部分が第2のベントホール21を介して即座に外部へ流出されることになる。従って、ボトル内圧が例えば0.6MPaを超過した際、即座に、ボトル内圧が外部へ開放される構成を実現することができ、ボトル内圧が外部へ開放され始める内圧値の設定をさらに高精度に行うことができるようになる。
【0098】
また、有効ねじの巻数が前記範囲に設定されているので、キャップ付ボトル缶101の、この軸線を含む縦断面視において、ボトル缶50の雄ねじ部55とキャップ10の雌ねじ部22とが噛合った個所を、周方向における全ての部分において軸線方向に2箇所以上配設することができる。これにより、キャップ10のボトル缶口金部53への嵌合強度の向上を確実に図ることができる。
さらに、有効ねじ巻数を2.5巻より少なくしているので、前述のように嵌合強度を向上させた構成においても、キャップ10の良好な開栓性は維持することができる。
【0099】
ここで、キャップ素体32に第2のベントホール21を形成するに際し、予め、キャップ素体32の軸芯O回りの位置決めを行うので、このベントホール21を、圧延材30を形成する際の圧延方向Cに対する特定の位置に形成することができるようになる。従って、第2のベントホール21を、キャップ側面部12における、例えば、圧延方向Cまたは圧延方向Cに対して90°傾いた方向に形成することができ、これにより、梱包装置38を構成するホッパー39内でのキャップ10同士の衝突により、この側面部12における第2のベントホール21の開口周縁部の凹み発生を最小限に抑制できるキャップ10を確実に形成することができる。
【0100】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、キャップ10に第2のベントホール21を1つ形成した構成を示したが、複数個であってもよい。
また、ボトル缶50の口金部53にキャップ10を被着したキャップ付ボトル缶101を示したが、この構成に限らず、ガラス等により形成されたボトルにキャップが被着されたキャップ付ボトルであってもよい。この場合、前記ねじ山高さを1.0mm以上に形成するとよい。
また、圧延材30は、単に、圧延45°方向の引張強度が210MPa以上280MPa以下となるように形成されてもよい。この場合においても、キャップ10に前述した良好な嵌合強度を具備させることができるとともに、第2のベントホール21の前記変形態様のばらつき発生を抑制することができ、ボトル缶内圧が開放され始める構成を容易かつ高精度に実現することができる。また、前記実施形態においては、引張強度が最も低い方向としての、圧延方向に対して45°傾いた方向を回避するように第2のベントホール21を形成したが、単に、圧延方向に対して45°傾いた方向を回避するようにしてもよい。この場合においても、キャップ側面部12における第2のベントホール21の開口周縁部の前記凹み発生を最小限に抑制することができる。
【0101】
さらに、ライナー19の周縁部に切欠き部19aを形成した構成を示したが、これに限らず、ライナー19の周縁及び下方に開口する溝部を形成してもよい。また、第2のベントホール21をキャップ側面部12における、圧延方向Cに形成した構成を示したが、圧延方向Cに対して90°傾いた方向に形成してもよい。この場合も、梱包装置38を構成するホッパー39内でのキャップ10同士の衝突により、この側面部12における第2のベントホール21の開口周縁部の凹み発生を抑制することができる。
【0102】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るキャップ及びキャップ付ボトルによれば、キャップ天面部に膨出容易部を具備させることができるとともに、前記ベントホールは、前記圧延材の引張強度が比較的高い方向に限定して形成されているので、形成されたキャップを梱包する際のホッパー内での移送時に、キャップ同士が衝突し合い、キャップ側面部の外表面における前記ベントホールの開口周縁部に凹みが発生することを最小限に抑制することができる。
また、キャップを前記引張強度を具備する圧延材により形成したことにより、このキャップに、キャップ付ボトルの軸線方向上方への位置ズレ発生を確実に抑制することができるボトル口金部への嵌合強度を具備させることができる。
【0103】
従って、ボトル内圧が所定値を超過した際、まず、キャップ天面部における前記膨出容易部がキャップ付ボトルの軸線方向上方へ膨出して前記ベントホールが上方へ開くことになる。そして、この部分におけるシール面圧が低下することにより、ボトル内圧が開放され易くなり、この面圧低下部分と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放される、または、前記膨出容易部におけるシール部材としてのライナーとボトル口金部の上端部との間に間隙が生ずることにより、この間隙と前記ベントホールを介してボトル内圧が外部へ開放されることになる。すなわち、ボトル内圧が所定値を超過すると、前記膨出容易部におけるシール面圧を、他部におけるシール面圧より確実に低下させることができ、または、前記膨出容易部におけるライナーとボトル口金部の上端部との間に間隙を生じさせることができ、これにより、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放できる構成を確実に実現することができる。
【0104】
以上により、ボトル内圧が所定値を超過したときに初めて、ボトル内圧を開放することができるとともに、このような構成においても、外観上、操作上、及び衛生上の不具合を発生させることなく良好かつ確実に前記キャップを形成することができるようになる。
【0105】
また、本発明に係るキャップの製造方法によれば、前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めを行った後に、前記ベントホールを形成するので、このベントホールを、前記圧延材を形成する際の圧延方向に対する特定の位置に形成することができるようになる。これにより、このキャップをホッパーを介して梱包する工程において、ホッパー内でのキャップ同士の衝突により、前記側面部における前記ベントホールの開口周縁部の凹み発生を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態として示したキャップの一部破断側面図である。
【図2】本発明の一実施形態として示したキャップにおいて、図1のX−X線矢視断面図である。
【図3】本発明の一実施形態として示したキャップにおいて、第2のベントホールの、キャップ側面部の周方向における形成位置を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態として示したキャップの製造方法を示す工程概略図である。
【図5】第2のベントホールの圧延方向に対する形成位置の相違による凹み発生に係る評価試験結果を示す図、及び第2のベントホールの形成位置を示す概略図である。
【図6】本発明の一実施形態として示したボトル缶の側面図である。
【図7】図6に示すボトル缶を上面から見た簡略図及び有効ねじ部を示す説明図である。
【図8】ボトル缶の口金部にキャップを被着するキャッピング装置及びボトル缶の概略図である。
【図9】ボトル缶の口金部にキャップを被着する際の、キャッピング装置の各構成要素と、キャップとの位置関係を示す概略図である。
【図10】本発明の一実施形態として示したキャップ付ボトル缶の概略構成図を示したものである。
【図11】本発明の一実施形態として示したキャップ付ボトル缶において、ベントホールの形成位置を示す概略図である。
【図12】図10に示すキャップ付ボトル缶におけるボトル缶及びキャップの拡大部分断面図である。
【図13】本発明に係る従来例において、ボトル缶、キャップ、及びキャップ付ボトル缶の概略図である。
【符号の説明】
10 キャップ
11 天面部
12 側面部
13a 小形の凹部(第1の凹部)
19 ライナー
19a 切欠き部
20 第1のベントホール
21 第2のベントホール(周方向に延在するベントホール)
22 雌ねじ部
30 圧延材
31 位置決め用マーク
32 キャップ素体
39 ホッパー
50 ボトル缶(ボトル)
53 口金部
55 雄ねじ部
101 キャップ付ボトル缶
C 圧延方向
D 第2のベントホールの延在方向中央部
O キャップ及びキャップ付ボトル缶の軸芯

Claims (9)

  1. 圧延材により形成され、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャップであって、
    前記側面部に、その周方向に延在するベントホールが少なくとも一つ形成され、
    前記ベントホールは、前記キャップ天面部を平面視して、キャップ軸芯を通り、かつ、前記圧延材の圧延方向に対して平行な直線、若しくは、前記キャップの軸芯を通り、かつ、前記天面部表面に沿った方向における、前記圧延材の圧延方向に対して90°傾いた直線と、
    該ベントホールの延在方向中央部と前記軸芯とを通る直線とが、前記天面部表面でなす角度が、30°未満になるように、前記側面部の周長の4%以上15%以下の長さで形成されていることを特徴とするキャップ。
  2. 圧延材により形成され、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備え、ボトルの口金部に被着されるキャップであって、
    前記側面部に、その周方向に延在するベントホールが少なくとも一つ形成され、
    前記ベントホールは、この延在方向中央部が、前記キャップ天面部を平面視して、キャップ軸芯を通り、かつ、前記圧延材の引張強度が最も低い方向に対して平行な直線を基準に、前記キャップ軸芯を中心に15°以下の領域を回避した領域に位置するように、前記側面部の周長の4%以上15%以下の長さで形成されていることを特徴とするキャップ。
  3. 請求項1または2に記載のキャップにおいて、
    前記圧延材は、重量%でFe:0.05%以上0.35%以下、Mn:0.01%以上0.10%以下、Mg:1.5%以上2.1%以下を含有し、Crを0.10%以下に規制し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。
  4. 請求項3記載のキャップにおいて、
    前記圧延材は、溶製してスラブに鋳造した後、これに熱間圧延と第1冷間圧延とをこの順に施し、その後、300℃以上590℃以下の温度下で第1中間焼鈍を施し、そして、第2冷間圧延を施した後、300℃以上590℃以下の温度下で第2中間焼鈍を施し、その後、最終冷間圧延率を50%より大きく80%以下として第2冷間圧延を施した後、これに160℃以上260°以下の温度下で最終調質焼鈍を施すことにより形成された構成であることを特徴とするキャップ。
  5. 請求項1または2に記載のキャップにおいて、
    前記圧延材は、重量%でSi:0.01%以上0.60%以下、Fe:0.1%以上0.7%以下、Cu:0.01%以上0.50%以下、Mn:0.3%以上1.3%以下、Mg:0.1%以上1.4%以下を含有し、残部がAl及び不可避添加物からなる組成を有していることを特徴とするキャップ。
  6. 請求項5記載のキャップにおいて、
    前記圧延材は、溶製してスラブに鋳造した後、これに熱間圧延と第1冷間圧延とをこの順に施し、その後、300℃以上590℃以下の温度下で第1中間焼鈍を施し、そして、第2冷間圧延を施した後、300℃以上590℃以下の温度下で第2中間焼鈍を施し、その後、最終冷間圧延率を30%より大きく80%以下として第2冷間圧延を施した後、これに150℃以上250°以下の温度下で最終調質焼鈍を施すことにより形成された構成であることを特徴とするキャップ。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のキャップにおいて、
    前記圧延材は、引張強度が210MPa以上300MPa以下とされていることを特徴とするキャップ。
  8. 圧延材表面に、少なくとも文字,図形,または記号を構成するインキ層を形成する印刷工程と、
    前記圧延材に、前記インキ層の形成位置に対応させて、打抜き加工及び絞り加工を施し、天面部と該天面部の周縁から略垂下してなる側面部とを備えたキャップ素体を形成するキャップ素体形成工程と、
    少なくとも、前記キャップ素体の側面部の上部に、その周長の4%以上15%以下の長さで周方向に延在するベントホールを形成するキャップ形成工程とを有するキャップの製造方法であって、
    前記ベントホールは、前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めを行った後に形成することを特徴とするキャップの製造方法。
  9. 請求項8記載のキャップの製造方法において、
    前記キャップ素体の軸芯回りの位置決めは、前記印刷工程で前記インキ層を形成する際に形成された位置決め用マークを検出することにより行うことを特徴とするキャップの製造方法。
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JP2009050259A (ja) * 2007-07-31 2009-03-12 Pokka Corp 泡沫の保持性の高い密閉容器入り飲料
JP2011105370A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Ishizuka Glass Co Ltd ピルファープルーフキャップ及びその製造方法

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