JP2004122178A - 金属製ボトル缶およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】口金部において十分な強度を有する金属製ボトル缶およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】金属製の有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶において、金属鋳塊15に熱間粗圧延Aに続いて冷間粗圧延Bを行った後、連続中間焼鈍Cを行って所定板厚の金属中間板材16が形成され、金属中間板材16に最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延Dを施して最終板厚の金属板材17が形成され、金属板材17にボトル形成加工が施されて形成されることを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、飲料用の缶として広く使われている金属製ボトル缶は、金属板材を絞り加工(Drawing)と、次いで行われるしごき加工(Ironing)とによって形成される、一般にDI缶と呼ばれている缶の上部に、縮径部が形成されて上端の高さが揃えられた後に、縮径部の上部に雄ネジ部を有する口金部が形成されて製造されている。この金属製ボトル缶に内容物を充填した後、金属製ボトル缶の口金部にキャップが被着されて、キャップ付ボトル缶とされる。
従来、このような金属製ボトル缶の材料としてアルミニウム板材が用いられており、アルミニウム板材の形成工程において40%以上の最終圧下率の冷間仕上圧延が施されていた。
【0003】
図7に示すように、キャップ付ボトル缶1の金属製ボトル缶2は、円筒状の缶胴4から上方に向かって縮径する縮径部5が設けられ、縮径部5の上方に口金部6が設けられている。口金部6には、雄ネジ部7と膨出部8とカール部9とが形成されている。また、キャップ3には、天面部10と雌ネジ部11とピルファープルーフ部12とブリッジ部13とが形成されており、天面部10の内面にはシール材であるライナー14が貼着されている。金属製ボトル缶2の雄ネジ部7とキャップ3の雌ネジ部11とが嵌合し、膨出部8の下方にピルファープルーフ部12の下端が巻き込む状態で、キャップ3は金属製ボトル缶2に被着しており、カール部9とライナー14とが密着することで密封されている。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【特許文献1】
特開平6−101002号公報(第1項)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記金属製ボトル缶において、DI缶の上部に縮径部が形成され、さらに雄ネジ部を有する口金部が形成されるため、口金部における加工度合いが高く、従来の形成工程において形成された金属板材にボトル形成加工を施すことによって、金属板材の加工限度を越えてしまうという問題があった。加工限度を越えてしまうことにより、口金部における強度が低下することや、亀裂、割れ、およびしわなどが発生することが問題となっていた。つまり、金属板材に加工を施すと、加工硬化によって強度が増加するが、金属の強度が増加することのできる加工限度が決まっており、加工限度を越えて加工が施されると加工軟化が起こるのである。このように、口金部において加工限度を越えてしまうことによって、たとえばキャッピング工程のコラム荷重によって座屈が生じたり、口金部加工工程においてカール部や雄ネジ部に亀裂などが生じたりするという問題があった。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたものであって、口金部において十分な強度を有する金属製ボトル缶およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る金属製ボトル缶は、金属製の有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶において、金属鋳塊に圧延および焼鈍を施して所定板厚の金属中間板材が形成され、該金属中間板材に最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を施して最終板厚の金属板材が形成され、該金属板材にボトル形成加工が施されて形成されることを特徴とする。
【0008】
この発明の金属製ボトル缶において、最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を施して形成された金属板材に、ボトル形成加工を施して金属製ボトル缶が形成されるので、十分な強度を有するとともに、亀裂などの発生しない金属製ボトル缶が形成される。つまり、最終圧下率80%以下の冷間仕上圧延による加工は、加工限度よりも低い加工度合いとされ、このように形成された金属板材にボトル形成加工を施しても加工限度を越えることがないのである。また、最終圧下率45%以上の冷間仕上圧延による加工によって形成された金属板材にボトル形成加工を施すことで、ボトル形成加工における加工硬化によって十分な強度とすることができるのである。これにより、口金部において十分な強度を有する金属製ボトル缶を形成することができる。
【0009】
また、本発明に係る金属製ボトル缶の製造方法は、金属製の有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶の製造方法において、金属鋳塊に圧延および焼鈍を施して所定板厚とされた金属中間板材に最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を施して、最終板厚の金属板材を形成する金属板材形成工程と、前記金属板材に絞り加工およびしごき加工を施して、有底筒状体を形成するDI加工工程と、前記有底筒状体に複数段階の絞り加工を施して、縮径部を有するボトル形状体を形成するネックイン加工工程と、前記ボトル形状体の縮径部の上部にネジ加工を施して、雄ネジ部を有するボトル形状体を形成する口金部加工工程とを有することを特徴とする。
【0010】
この発明の金属製ボトル缶の製造方法は、最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を有する金属板材形成工程によって金属板材が形成され、この金属板材にDI加工工程、ネックイン加工工程、および口金部加工工程を有するボトル形成加工を施すので、金属板材の加工硬化によって強度が増加するとともに、加工限度を越えることのない製造方法である。これにより、口金部においても十分な強度を有するとともに、亀裂などの発生しない金属製ボトル缶を製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、アルミニウム合金を用いて形成されるアルミニウム製ボトル缶(金属製ボトル缶)2について説明を行う。
まず、アルミニウム板材形成工程を図1に示す。半連続鋳造して得たアルミニウム合金スラブ(金属鋳塊)15を熱間粗圧延Aに続いて冷間粗圧延Bを行った後、加熱速度10〜200℃/秒、保持温度400〜560℃、保持時間1〜30秒、冷却速度10〜200℃/秒なる条件で連続焼鈍Cを行ってアルミニウム中間板材16を形成し、さらに最終圧下率45〜80%で最終板厚0.300〜0.450mmまで冷間仕上圧延Dを行ってアルミニウム板材(金属板材)17を形成する工程である。アルミニウム中間板材16の板厚は、0.550〜2.250mmとされ、最終圧下率によって決定される。
【0012】
連続焼鈍Cにおいて、加熱速度を10℃/秒以上とするのは、板材の強度を確保するためである。ただし200℃/秒を越えて急速加熱すると割れが発生するおそれがあるので好ましくない。保持温度を400℃以上とするのは、Si,Cu,Mg等の溶体化を促進させ、析出硬化性が付与されて製缶時の焼付塗装などの加熱処理で十分な材料強度を確保するためである。溶体化効果を高めるためには、加熱温度を高くし、保持時間を長くするのが有効である。ただし、保持温度が560℃を越えると板の破断が起こり易くなるので、過度の高温は好ましくない。保持時間を長くするには連続焼鈍装置の長さを長くするか、材料の通過速度を遅くする必要があるが、いずれも生産性に影響するので、400〜560℃の温度帯での保持時間は1秒以上とし、上限は30秒に押さえることとした。
【0013】
材料強度にとって高温保持後の冷却速度も重要である。冷却速度があまり遅過ぎると粗大結晶の析出が生じて、後続の塗装焼き付け時に十分な析出硬化が起こらないので、冷却速度の下限は10℃/秒とする。また、冷却速度が200℃/秒を越えると板材に歪みが発生し易くなる。従って焼鈍後の冷却速度は10〜200℃/秒とするのが適当である。
【0014】
冷間仕上圧延Dで所望の板厚の材料とする際、ボトル形成加工によって最適な強度を有する材料とするためには、最適な最終圧下率とする必要がある。冷間仕上圧延Dでの最終圧下率が45%未満ではボトル形成加工の加工硬化によっても材料の強度不足となり、最終圧下率が80%を越えるとボトル形成加工において加工限度を越えてしまう。したがって、冷間仕上圧延Dにおける最終圧下率は、45〜80%の範囲、より好ましくは45〜69%の範囲で圧延するのが適する。
【0015】
以上詳説したような各条件下でアルミニウム合金スラブ15を圧延加工して得られたアルミニウム板材17からアルミニウム製ボトル缶2を形成するボトル形成加工を図2を用いて説明する。
【0016】
所定の大きさの円形状板にアルミニウム板材17を打ち抜いて形成されたアルミニウム円板20に、まずDI加工工程が施されることによってDI缶24が形成される。
DI加工工程は、アルミニウム円板20からカップ21を形成する絞り加工と、カップ21を所定の高さの有底筒状体22に形成する再絞り加工およびしごき加工と、有底筒状体22の上端23を切り揃えてDI缶24とするトリミング加工とを備えている。アルミニウム円板20の板厚とほぼ同じ厚みのカップ21は、再絞り加工およびしごき加工によって所定の厚みおよび高さの有底筒状体22に加工されるが、その際に、有底筒状体22の上端23の高さが一様に変形されずに、山谷状に変形される。この山谷状の部分は通常「耳」と呼ばれ、トリミング加工によって切断される。
【0017】
DI加工工程によって形成されたDI缶24に、複数段階の絞り加工を有するネックイン加工工程を施すことで、縮径部26および小径部27を有するボトル形状体25が形成される。縮径部26は、アルミニウム製ボトル缶2の縮径部5とされ、小径部27は、後の加工により口金部6とされる部分である。
図3に、ネックイン加工工程の絞り加工の一段階を示す。DI缶24の開口部上方にその中心軸が一致するように絞り型41および中子42を有する絞り加工機40が配置される。絞り型41は、DI缶24の外径より小さい内円筒面43と、縮径部26を形成するためのテーパー面44とを有し、中子42は絞り型41の内円筒面43よりDI缶24の肉厚分だけ小径となる外円筒面45を有している。そして、絞り型41の内円筒面43と中子42の外円筒面45との間にDI缶24の上部が挿入されて、DI缶24が縮径されるとともにテーパー面44によって縮径部26の一部分26aが形成される。このような絞り加工が複数段階にわたって順次内径が小さくなるように施されることで、縮径部26が形成されるとともに、縮径部26の上部に小径部27が形成される。
【0018】
ネックイン加工工程によって形成されたボトル形状体25の小径部27にネジ加工およびカール部加工を有する口金部加工工程を施すことで、アルミニウム製ボトル缶2が形成される。
図4に示すように、ネジ形状形成用の凹凸形状を有する中子50および外子51が用いられてネジ加工が行われる。ボトル形状体25の小径部27の内側および外側から中子50および外子51が互いの凹凸形状間に小径部27を挟み込み、中子50と外子51とが互いに押圧した状態で、小径部27を中心に回転することで、雄ネジ部7が形成される。ネジ加工の後、必要に応じて小径部27の上端にトリミング加工が施され、上端の高さが揃えられる。
つぎに、図5に示すように、拡開用金型55および折り返し用金型56が用いられてカール部加工が行われる。カール部加工において、拡開用金型55が口金部6の上端を外方に開くとともに、その開いた開口端が折り返し用金型56によって折り返されることによりカール部9が形成される。
【0019】
上述したように形成されたアルミニウム製ボトル缶2に内容物(飲料)が充填された後に、キャッピング工程において口金部6にキャップ3が被着される。
図6に示すように、キャッピング装置60が用いられてキャッピング工程が施される。口金部6に被せられた円筒状の側壁部を有するキャップ材に、プレッシャーブロック61によって荷重(コラム荷重)が加えられ、ライナー14がカール部9に押し付けられる。この状態で、ネジ部形成ローラ62をキャップ材の側壁部に押圧させながら回転させることによって、雄ネジ部7に倣って雌ネジ部11が形成される。雌ネジ部11が形成されると同時に、裾巻きローラ63によってピルファープルーフ部12が膨出部8の下方に巻き込まれ、口金部6にキャップ3が被着される。
【0020】
上述したようなアルミニウム板材形成工程によって形成されたアルミニウム板材17を用いて製造されたアルミニウム製ボトル缶2は、ネックイン加工工程および口金部加工工程によっても加工限度を越えることがないので、加工軟化が発生することなく十分な強度を有することができ、キャッピング工程のコラム荷重によって座屈することを防止することができる。また、ネジ加工やカール部加工においても、雄ネジ部7やカール部9に亀裂などが発生することを防止することができる。
【0021】
また、アルミニウム板材17の素材には、重量%(以下、同じ)でSi:0.1〜0.5%、Fe:0.3〜0.7%、Cu:0.05〜0.5%、Mn:0.5〜1.5%、Mg:0.4〜1.5%、Cr:0.001〜0.05%、Zn:0.05〜0.5%、Ti:0.001〜0.05%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成のものを用いることが好ましい。以下にその理由について説明する。
【0022】
シリコン(Si)は同時に含有されるMgとともに化合物を形成し、固溶硬化、析出硬化、分散硬化作用を及ぼすほか、Al、Mn、Feなどとも金属間化合物を形成して、しごき成型時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。Si含有量が0.1%未満では、所望の潤滑性能を発揮できず、ダイスへの焼き付きを防止するのに不十分である。一方、Si含有量が0.5%を越えると脆くなり加工性が劣化する。従ってSiの適正含有量は、0.1〜0.5%と設定する。
【0023】
鉄(Fe)及びクロム(Cr)は結晶の微細化と、しごき成形加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。Feの場合には含有量が0.3%未満では所望の効果が得られず、一方、Fe含有量が0.7%を越えると脆くなり加工性が劣化する。従ってFeの適正含有量は、0.3〜0.7%と設定する。Crの場合には、Cr含有量が0.001%未満では所望の効果が得られず、一方、Cr含有量が0.05%を越えると脆くなり加工性が劣化する。従ってCrの適正含有量は、0.001〜0.05%とする。
銅(Cu)はMgと金属間化合物を形成し、固溶硬化、析出硬化、分散硬化作用を及ぼす。Cu含有量が0.05%未満ではこれらの効果が乏しく、またCu含有量が0.5%を越えると加工性が劣化する。従って、Cuの適正な含有量は0.05〜0.5%に設定する。
【0024】
マンガン(Mn)はFe、Si、Alとともに金属間化合物を形成し、晶出相及び分散相となって分散効果作用を発揮するとともに、しごき成型加工時にダイスに対する焼き付きを防止する効果を発揮する。Mn含有量が0.5%未満では、所望の硬化特性が得られず、一方、Mn含有量が1.5%を越えると脆くなり加工性が劣化する。従ってMnの適正含有量は、0.5〜1.5%と設定する。マグネシウム(Mg)は固溶体強化作用を有し、圧延加工時に加工硬化性を高めるとともに、前記SiやCuと共存することで分散硬化と析出硬化作用を発揮する。Mg含有量が0.4%未満ではこれらの作用効果が十分発揮されず、またMg含有量が1.5%を越えると加工性が劣化し、特にカール加工性が低下する。従って、Mgの適正含有量は0.4〜1.5%、好ましくは0.4〜0.8%に設定する。
【0025】
亜鉛(Zn)は析出するMg、Si、Cuの金属間化合物を微細化する作用を有する。Zn含有量が0.05%未満では効果が不十分で、Zn含有量が0.5%を越えると加工性と耐食性が劣化する。従ってZnの適正な含有量は0.05〜0.5%とする。 チタン(Ti)は結晶粒を微細化し、加工性を改善する効果を発揮する。Ti含有量が0.001%未満ではこれらの効果が発揮されず、また0.05%を越えると粗大な化合物ができて、加工性が劣化する。従って、Tiの適正な含有量は0.001〜0.05%とする。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
素材として、Si:0.3%、Fe:0.4%、Cu:0.2%、Mn:0.9%、Mg:0.7%、Cr:0.01%、Zn:0.1%、Ti:0.01%のアルミニウム合金を使用した。この合金の溶湯を常法により脱ガス、介在物除去を行い、半連続鋳造により厚さ550mm、幅1.5m、長さ4.5mのスラブに鋳造した。ついで、スラブに均熱化処理を施して熱間圧延した後、加熱速度100℃/秒、保持温度550℃、保持時間20秒、冷却速度100℃/秒なる条件で焼鈍を行い、表1に示す最終圧下率で冷間仕上圧延加工を施し、最終板厚0.4mmのアルミニウム板材17を得た。なお、均質化処理はいずれも600℃×6時間とし、熱間租圧延時の仕上げ板厚は6.5mmとした。
【0027】
このようにして得られたアルミニウム板材17に、図2に示した加工工程に従って加工を施し、ネックイン加工工程において18段階の絞り加工が施され形成されたボトル形状体25の小径部27を切断して、コラム強度測定器にて小径部27の座屈強度を測定した。測定には、実施例として、45%,60%,70%,および80%の最終圧下率で形成されたアルミニウム板材17が用いられ、比較例として、30%および90%の最終圧下率で形成されたアルミニウム板材17が用いられた。
冷間仕上圧延加工の最終圧下率と座屈強度との関係を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 2004122178
【0029】
表1において、座屈強度の評価として1800N以上の座屈強度を○、1800N以上の座屈強度を×とした。この結果から、最終圧下率が30%の比較例1において加工硬化が十分に起こっていないことが分かり、最終圧下率が90%の比較例2においてネックイン加工工程によって加工軟化が生じていることが分かるが、最終圧下率が45%〜80%の実施例1〜4において、十分な座屈強度を有するアルミニウム製ボトル缶2が得られるということが分かる。
【0030】
なお、本実施の形態のアルミニウム板材形成工程以外の形成工程によってアルミニウム板材17を形成してもよく、たとえば図1に示すように、アルミニウム合金スラブ15を熱間粗圧延Aに続いて熱間仕上圧延Eを行った後に連続焼鈍Cを行ってアルミニウム中間板材16を形成してもよい。また、熱間粗圧延Aに続いて熱間仕上圧延Eを行った後に冷間粗圧延Bおよび連続焼鈍Cを行ってアルミニウム中間板材16を形成してもよく、熱間仕上圧延Eを行った後に自己焼鈍(バッチ炉所焼鈍)Fを行ってアルミニウム中間板材16を形成してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る金属製ボトル缶によれば、最終圧下率が45から80%で形成された金属板材が用いられて形成されているので、加工度合いの高い口金部においても加工限度を越えることがなく、加工硬化によって十分な強度を有する金属製ボトル缶を得ることができる。とくに口金部において最適な加工硬化が得られるとともに、亀裂などのない金属製ボトル缶を得ることができる。
【0032】
また、本発明に係る金属製ボトル缶の製造方法によれば、最終圧下率が45から80%で形成された金属板材にDI加工工程、ネックイン加工工程、および口金部加工工程を施すので、金属板材の加工限度を越えることなく加工が施され、十分な強度を得ることができるとともに、亀裂などの発生が防止された金属製ボトル缶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるアルミニウム板材形成工程の概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるアルミニウム製ボトル缶の形成工程の概略説明図である。
【図3】ネックイン加工工程の絞り加工の概略説明図である。
【図4】ネジ加工の概略説明図である。
【図5】カール部加工の概略説明図である。
【図6】キャッピング工程の概略説明図である。
【図7】キャップ付ボトル缶の部分断面側面図である。
【符号の説明】
2 金属製ボトル缶(アルミニウム製ボトル缶)
5 縮径部
7 雄ネジ部
15 金属鋳塊(アルミニウム合金スラブ)
16 金属中間板材(アルミニウム中間板材)
17 金属板材(アルミニウム板材)

Claims (2)

  1. 金属製の有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶において、
    金属鋳塊に圧延および焼鈍を施して所定板厚の金属中間板材が形成され、該金属中間板材に最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を施して最終板厚の金属板材が形成され、該金属板材にボトル形成加工が施されて形成されることを特徴とする金属製ボトル缶。
  2. 金属製の有底円筒体の縮径部の上部に雄ネジ部が形成されてなる金属製ボトル缶の製造方法において、
    金属鋳塊に圧延および焼鈍を施して所定板厚とされた金属中間板材に最終圧下率45〜80%の冷間仕上圧延を施して、最終板厚の金属板材を形成する金属板材形成工程と、
    前記金属板材に絞り加工およびしごき加工を施して、有底筒状体を形成するDI加工工程と、
    前記有底筒状体に複数段階の絞り加工を施して、縮径部を有するボトル形状体を形成するネックイン加工工程と、
    前記ボトル形状体の縮径部の上部にネジ加工を施して、雄ネジ部を有するボトル形状体を形成する口金部加工工程とを有することを特徴とする金属製ボトル缶の製造方法。
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