JP2005038658A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高輝度、高効率、長寿命であり、ピンホール等の不良も少なく、且つ、大面積化も容易な有機電界発光素子を提供すること。
【解決手段】一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、該有機化合物層の少なくとも一層が、ピリジン骨格とベンゾチアゾール骨格とを含む化合物、および/または、ピリジニウム骨格とベンゾチアゾール骨格とを含む化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する素子に関し、表示素子、液晶等のバックライト、照明光源、電子写真用露光装置、標識、看板等の分野に好適に使用できる有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。電界発光素子には、無機化合物を用いたもの、有機化合物を用いたものがある。無機化合物を用いた電界発光素子は、駆動に200V以上、50〜1000Hzの交流電圧を必要とするためランニングコストが高く、また輝度が不十分であるなどの問題点を有している。
【0003】
一方、有機化合物を用いた電界発光素子研究は、最初アントラセン等の単結晶を用いて始まったが、膜厚が1mm程度と厚く、100V以上の駆動電圧が必要であった。そのため蒸着法による薄膜化が試みられている(非特許文献1参照)。これら素子の発光は、電極の一方から電子が注入され、もう一方の電極から正孔が注入されることにより、素子中の発光材料が高いエネルギー準位に励起され、励起された発光体が基底状態に戻る際の余分なエネルギーを光として放出する現象である。しかしながら、駆動電圧は30Vと未だ高く、素子中における電子・正孔キャリアの密度は低いため、キャリアの再結合によるフォトンの生成確率が低く十分な輝度が得られず実用化には至らなかった。
【0004】
ところが、1987年にTangらにより透明電極基板上に正孔輸送性有機低分子化合物と電子輸送能を持つ蛍光性有機低分子化合物を用いて真空蒸着法により極めて薄い薄膜を順次積層した機能分離型の有機電界発光素子で、10V程度の低電圧で1000cd/m以上の高輝度が得られるものが報告(非特許文献2、特許文献1参照)された。それ以来、有機電界発光素子の研究・開発が活発に行われている。これら、積層構造の電界発光素子は、有機発光体と電荷輸送性の有機物(電荷輸送材料)を電極に積層した構造であり、それぞれの正孔と電子が電荷輸送材料中を移動して、再結合することにより発光する。有機発光体としては8−キノリノールアルミニウム錯体やクマリン化合物など蛍光を発する有機色素などが用いられる。また、電荷輸送材料としては、N,N−ジ(m−トリル)N,N‘−ジフェニルベンジジン、1,1−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノフェニル]シクロヘキサンといったジアミノ化合物、または4−(N,N−ジフェニル)アミノベンズアルデヒドーN,N−ジフェニルヒドラゾン化合物等が挙げられる。
【0005】
しかしながら、様々な用途を考えた場合、さらなる高輝度化、高効率発光素子の開発が必要である。また、フルカラーディスプレイ、または光源をとしての用途を考えた場合、三原色あるいは白色を発光する有機発光体が必要とされる。8−キノリノールアルミニウム錯体の発光色は緑色であり、他の発光色を有する電界発光素子の開発が望まれる。これまで、緑色以外の発光する有機化合物が種々開発されているものの発光輝度、耐熱性が低いなどの問題があり、さらなる材料開発が望まれている。
【0006】
一方、低分子化合物の代わりに高分子材料を用いる電界発光素子についても研究・開発が進められており、ポリ(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子(例えば、非特許文献3、特許文献2等)、ポリフォスファゼンの側鎖にトリフェニルアミンを導入したポリマー(非特許文献4参照)、正孔輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子輸送材料と蛍光色素を混入した素子(非特許文献5参照)が提案されている。
【0007】
しかしながら、ポリ(p−フェニレンビニレン)においては、可溶性前駆体をスピンコート後、熱処理するため、主鎖共役系高分子中に欠陥が入りやすく発光特性を著しく低下させ、フォスファゼンはイオン化ポテンシャルが高く電荷注入特性か低下してしまう。ポリビニルカルバゾールは、高いガラス転移点を有し耐熱性に優れているが、トラップ等の問題や低分子化合物を高分子に混入させる場合は低分子が可塑剤として作用して発光特性を著しく低下させる。また、有機低分子化合物を有機高分子化合物に分散して塗布した素子では、発熱したジュール熱等により有機低分子化合物が凝集し均質な面状発光が難しく、輝度が低下するといった課題があった。
【0008】
また、高分子化合物を用いた電界発光素子の作製は塗布方式が主体であり、低分子化合物の蒸着法に比べ製造の簡略化、加工性、大面積化、コスト等の観点から高分子化合物、およびそれを用いた電界発光素子の研究開発が望まれている。しかしながら、高分子化合物を用いた電界発光素子は、未だ発光輝度、発光効率等が蒸着法で作製した有機低分子化合物を用いた積層型電界発素子には及ばず、高輝度、高効率化等が大きな課題となっていた。
【0009】
【特許文献1】
特開昭59−194393号公報
【特許文献2】
特開平10−92576号公報
【非特許文献1】
Thin Solid Films,94,171(1982)
【非特許文献2】
Appl.Phys.Lett.,51,913(1987)
【非特許文献3】
Nature,357,477(1992)
【非特許文献4】
第42回高分子討論会予稿集20J21(1993)
【非特許文献5】
第38回応用物理学関係連合講演会予稿集31p−G−12(1991)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来の技術における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明の目的は、発光時の熱安定性、保存安定性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れた発光機能を有するピリジン骨格(あるいはピリジニウム骨格)とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含む化合物を用い、発光強度が大きく、発光効率が高く、素子寿命が長い有機電界発光素子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、塗布方法で作製しても、発光強度が大きく、発光効率が高く、素子寿命が長い、有機電界発光素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討した結果、ピリジン骨格(あるいはピリジニウム骨格)とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含む化合物が、有機電界発光素子として好適な薄膜形成能、発光特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の有機電界発光素子は、
【0012】
<1> 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
該有機化合物層の少なくとも一層が、ピリジン骨格とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含むピリジン・ベンゾチアゾール化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0013】
<2> 前記ピリジン骨格と、前記ベンゾチアゾール骨格とが共役系を形成していることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0014】
<3> 前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物が、下記一般式(I)で表されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物であることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【化5】
Figure 2005038658
〔一般式(I)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、aおよびbは0〜4の整数を表し、nは1以上の整数を表し、iは0または1を表す。〕
【0015】
<4> 前記有機化合物層の少なくとも一層が、前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物を含む金属錯体化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0016】
<5> 前記有機化合物層が、少なくとも発光層を含む2以上の層から構成され、前記発光層が、前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物を1種以上含有することを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0017】
<6> 前記有機化合物層が、前記発光層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<5>に記載の有機電界発光素子である。
【0018】
<7> 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層を含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<5>に記載の有機電界発光素子である。
【0019】
<8> 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<5>に記載の有機電界発光素子である。
【0020】
<9> 前記有機化合物層が、電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成されることを特徴とする<1>に記載の有機電界発光素子である。
【0021】
<10> 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
該有機化合物層の少なくとも一層が、ピリジニウム骨格とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含むピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0022】
<11> 前記ピリジニウム骨格と、前記ベンゾチアゾール骨格とが共役系を形成していることを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子である。
【0023】
<12> 前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が、下記一般式(II)で表されるビピリジニウムベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物であることを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子である。
【化6】
Figure 2005038658
〔一般式(II)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、RおよびRは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、cおよびdは0〜4の整数を表し、mは1以上の整数を表し、jは0または1を表す。〕
【0024】
<13> 前記有機化合物層の少なくとも一層が、前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を含む金属錯体化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子である。
【0025】
<14> 前記有機化合物層が、少なくとも発光層を含む2以上の層から構成され、前記発光層が、前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を1種以上含有することを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子である。
【0026】
<15> 前記有機化合物層が、前記発光層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<14>に記載の有機電界発光素子である。
【0027】
<16> 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層を含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<14>に記載の有機電界発光素子である。
【0028】
<17> 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする<14>に記載の有機電界発光素子である。
【0029】
<18> 前記有機化合物層が、電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成されることを特徴とする<10>に記載の有機電界発光素子である。
【0030】
<19> 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で表されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物、および、下記一般式(II)で表されるビピリジニウムベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子である。
【化7】
Figure 2005038658
〔一般式(I)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、aおよびbは0〜4の整数を表し、nは1以上の整数を表し、iは0または1を表す。〕
【化8】
Figure 2005038658
〔一般式(II)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、RおよびRは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、cおよびdは0〜4の整数を表し、mは1以上の整数を表し、jは0または1を表す。〕
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明または半透明である陽極および陰極よりなる一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、前記有機化合物層の少なくとも1層が、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を含有することを特徴とする。
【0032】
なお、本発明において、「ピリジン・ベンゾチアゾール化合物」とは、その分子内に下記構造式(A)で表されるベンゾチアゾール骨格と、下記構造式(B−1)で表されるピリジン骨格とを、それぞれ少なくとも1つ以上含む化合物を意味し、「ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物」とは、その分子内に下記構造式(A)で表されるベンゾチアゾール骨格と、下記構造式(B−2)で表されるピリジニウム骨格とを、それぞれ少なくとも1つ以上含む化合物を意味する。
【0033】
【化9】
Figure 2005038658
【0034】
【化10】
Figure 2005038658
【0035】
【化11】
Figure 2005038658
【0036】
但し、構造式(B−1)において、Rは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、eは0〜4の整数を表す。
また、構造式(B−2)において、Rは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、fは0〜4の整数を表す。
【0037】
なお、構造式(A)で表されるベンゾチアゾ−ル骨格は、ベンゼン環部分に2つの結合手を有する2価の化合物として示されているがこれに限定されるものではなく、ベンゼン環部分に1〜4つの範囲内で結合手を有することができる。
また、構造式(B−1)および(B−2)で示される骨格は、結合手を1つ有する1価の化合物として示されているがこれに限定されるものではなく、窒素原子を除くピリジン環部分に、1〜5つの範囲内で結合手を有することができる。
【0038】
次に、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物について詳細に説明する。
本発明に用いられるピリジン・ベンゾチアゾール化合物は、上記に説明したようにその分子内に構造式(A)で表されるベンゾチアゾール骨格と、構造式(B−1)で表されるピリジン骨格とを、それぞれ少なくとも1つ以上含む化合物であれば特に限定されないが、少なくともベンゾチアゾール骨格と、ピリジン骨格とが共役系を形成していることが好ましい。共役系は、ベンゾチアゾール骨格と、ピリジン骨格とが直接結合することにより形成されてもよく、アセチレン基等の2重結合を有する橋掛構造を介して形成されてもよい。
このようなピリジン・ベンゾチアゾール化合物としては、下記一般式(I)で表されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物を挙げることができる。
【0039】
【化12】
Figure 2005038658
【0040】
但し、一般式(I)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、aおよびbは0〜4の整数を表し、nは1以上の整数を表し、iは0または1を表す。
なお、RおよびRは、電子親和性を向上させることから水素原子であることが特に好ましい。また、置換基としてはアルキル基が好ましく、特に炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基が特に好ましい。
【0041】
このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、置換もしくは未置換のアリール基、ホスホン酸基またはシリル基でも良い。また、一般式(I)において、nは1以上の整数であれば特に限定されないが、合成のし易さ、合成収率のよさ、溶解性の観点から1から3が望ましい。
【0042】
また、一般式(I)で示される化合物は、ベンゾチアゾール骨格と、ピリジン骨格とが共役系を形成しており、両者を結合する橋掛部分の長さを変えることにより発光する光の波長や量子効率を調整することが可能である。加えて、橋掛部分としてアセチレン基を導入することにより、ベンゾチアゾール骨格およびピリジン骨格の芳香環同士の立体的なねじれを抑制でき、量子効率を高くすることができる。
以下に一般式(I)で表される化合物の具体例(化合物1−1〜化合物1−27)を示すが、これに限定されるのもではない。
【0043】
【化13】
Figure 2005038658
【0044】
【化14】
Figure 2005038658
【0045】
【化15】
Figure 2005038658
【0046】
【化16】
Figure 2005038658
【0047】
【化17】
Figure 2005038658
【0048】
前記ビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば以下の1)項および2)項に説明するような合成方法を利用することができる。
【0049】
1)一般式(III)で示されるハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体と一般式(IV)で示されるエチルニルピリジン誘導体とをSonogashira反応を用いて結合することにより合成することができる。
【0050】
【化18】
Figure 2005038658
【0051】
【化19】
Figure 2005038658
【0052】
但し、一般式(III)中、nは1以上の整数を表し、Xはハロゲン基を表し、一般式(IV)中、Rおよびaは一般式(I)と同様である。
【0053】
ハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体とエチルニルピリジン誘導体とを用いて合成する場合、Pd触媒、CuBr触媒、CuI触媒等の触媒下において塩基性溶媒中で加熱することが望ましい。上記反応において、ハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体1当量に対して、1から100当量、好ましくは2から50当量の範囲で用いられる。また、反応溶媒の塩基性溶媒としては、例えばピリジン、ジメチルアミノピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン等が有効であり、THF等有機溶媒との混合溶媒でも有効である。反応温度は、任意設定できるが、50から120度で行なうことが好ましく、80から90度で行なうことがさらに好ましい。
【0054】
2)前記一般式(III)で示されるハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体と下記一般式(V)で示されるアルキルスズピリジン誘導体とをクロスカップリング反応を用いて結合することにより合成することができる。
【0055】
【化20】
Figure 2005038658
【0056】
但し一般式(V)中、Rおよびcは一般式(I)と同様であり、R10は、炭素数1から10のアルキル基を表す。
【0057】
ハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体とアルキルスズピリジン誘導体とを用いて合成する場合、Pd触媒の触媒下において有機溶媒中で加熱することが望ましい。上記反応において、ハロゲン化ベンゾチアゾ−ル誘導体1当量に対して、1から100当量、好ましくは2から50当量の範囲で用いられる。また、反応溶媒の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等が有効である。反応温度は、任意設定できるが、50度から有機溶媒の沸点温度で行なうことが好ましく、有機溶媒の沸点温度で行なうことがさらに好ましい。
【0058】
次に、ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物について詳細に説明する。
本発明に用いられるピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物は、上記に説明したようにその分子内に構造式(A)で表されるベンゾチアゾール骨格と、構造式(B−2)で表されるピリジニウム骨格とを、それぞれ少なくとも1つ以上含む化合物であれば特に限定されないが、少なくともベンゾチアゾール骨格と、ピリジニウム骨格とが共役系を形成していることが好ましい。共役系は、ベンゾチアゾール骨格と、ピリジニウム骨格とが直接結合することにより形成されてもよく、アセチレン基等の2重結合を有する橋掛構造を介して形成されてもよい。
このようなピリジニウム・ベンゾチアゾ−ル化合物としては、下記一般式(II)で表されるビピリジニウムベンゾチアゾール骨格を有する化合物を挙げることができる。
【0059】
【化21】
Figure 2005038658
【0060】
但し、一般式(II)中、RおよびRは、一般式(I)に示すRおよびRと同様であり、好ましい構造も同様である。また、RおよびRは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、cおよびdは0〜4の整数を表し、mは1以上の整数を表し、jは0または1を表す。
なお、RおよびRは、電子親和性を向上させることからアルキル基であることが好ましく、特に炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基や、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基であることが非常に好ましい。
【0061】
このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また、ベンジル基、ホスホン酸基、シリル基については、その炭素数は3から40の範囲内であることが好ましく、3から24の範囲内であることが特に好ましく、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられる。また、一般式(II)において、mは1以上の整数であれば特に限定されないが、合成のし易さ、収率のよさ、溶解性の観点から1から3が望ましい。
【0062】
また、一般式(II)で示される化合物は、ベンゾチアゾール骨格と、ピリジニウム骨格とが共役系を形成しており、両者を結合する橋掛部分の長さを変えることにより発光する光の波長や量子効率を調整することが可能である。加えて、橋掛部分としてアセチレン基を導入することにより、ベンゾチアゾール骨格およびピリジニウム骨格の芳香環同士の立体的なねじれを抑制でき、量子効率を高くすることができる。
以下に一般式(II)で表される化合物の具体例(化合物2−1〜化合物2−38)を示すが、これに限定されるのもではない。
【0063】
【化22】
Figure 2005038658
【0064】
【化23】
Figure 2005038658
【0065】
【化24】
Figure 2005038658
【0066】
【化25】
Figure 2005038658
【0067】
【化26】
Figure 2005038658
【0068】
【化27】
Figure 2005038658
【0069】
【化28】
Figure 2005038658
【0070】
【化29】
Figure 2005038658
【0071】
前記ビピリジニウムベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物の合成は特に限定されるものではないが、例えば以下の合成方法を利用することができる。
このような合成方法としては、上記一般式(I)で示されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物のピリジン環部分の窒素原子に、置換基Rおよび置換基Rを導入することにより得ることができる。
置換基Rおよび置換基Rとしてアルキル基を導入する場合は、上記一般式(I)で示されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物を有機溶媒に溶かし、トリフェニルフロロメタンスルフォン酸メチル等を加えることにより得られる。反応溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、DMF等が有効である。反応温度は、任意設定できるが、室温から120度の範囲内で行なうことが好ましく、室温から50度の範囲内で行なうことがさらに好ましい。
【0072】
なお、上記一般式(II)で示される化合物は、カチオンとして存在するので、対となるアニオン(例えば、CFSO 、Cl、Br、I、NO 、HSO 、BF 、ClO 、PF 等)と組み合わされた塩の形態で得られる。
【0073】
また、一般式(I)および(II)で表される化合物は低分子であっても良いし、一般式(I)および(II)で表される化合物の残基が高分子主鎖に接続された高分子化合物(重量平均分子量が好ましくは1000〜5000000、より好ましくは1000〜100000)であっても良い。もしくは、一般式(I)および(II)で表される化合物を主鎖に持つ高分子化合物(重量平均分子量が好ましくは1000〜5000000、より好ましくは1000〜100000)であっても良い。高分子化合物の場合、ホモポリマーであっても良いし、他のポリマーとの共重合体であっても、ブロック共重合体でも良い。
【0074】
一般式(I)および(II)で表される化合物を含む高分子の基本構造としては、特に限定するものではないが、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリスルフィド、ポリエーテルスルフィド、含ケイ素高分子、含ゲルマニウム高分子、および、それらの共重合体高分子等が挙げられる。
【0075】
また、一般式(I)および(II)で表される化合物は、配位子として金属錯体化合物に含まれているものであってもよい。
この場合、一般式(I)および(II)で表される化合物を橋かけ配位子として用いて、金属イオンとで錯生成をさせることにより重合した金属錯体高分子、あるいは、一般式(I)および(II)で表される化合物を配位子として用いた金属錯体低分子のいずれであってもよい。なお、金属錯体を構成する金属原子としては、Pt、Ru、Ir、Fe、Cu、Co、Zr,Si、Ge等を用いることができる。
【0076】
次に、本発明の有機電界発光素子の層構成について詳記する。
本発明の有機電界発光素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、それら電極間に挾持された発光層を含む一つまたは複数の有機化合物層により構成され、該有機化合物層の少なくとも1層にピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を含有してなる。
【0077】
本発明の有機電界発光素子においては、有機化合物層が単層の場合は、有機化合物は電荷輸送能を持つ発光層を意味し、該発光層がピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を含有してなる。
【0078】
一方、有機化合物層が複数層構成の場合(即ち、各層が異なる機能を有する機能分離型の場合)は、少なくとも一層が発光層あるいは電荷輸送能を持つ発光層からなる。この場合、該発光層あるいは該電荷輸送能を持つ発光層と、その他の層からなる層構成は、発光層、電子輸送層および/または電子注入層から構成される層構成(1)、正孔輸送層および/または正孔注入層、発光層、電子輸送層および/または電子注入層から構成される層構成(2)、正孔輸送層および/または正孔注入層、電荷輸送能を持つ発光層から形成される層構成(3)が挙げられ、これら層構成(1)〜(3)の発光層及び電荷輸送能を持つ発光層以外の層は、電荷輸送層として機能を有する。
【0079】
なお、層構成(1)において、発光層、電子輸送層および/または電子注入層の少なくとも一方にピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が含有され、層構成(2)においては、正孔輸送層および/または正孔注入層、発光層、電子輸送層および/または電子注入層の少なくとも一方にピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が含有され、層構成(3)においては、正孔輸送層および/または正孔注入層、電荷輸送能を持つ発光層の少なくとも一方にピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が含有される。
【0080】
また、前記電荷輸送能を持つ発光層、正孔輸送層および/または正孔注入層、電子輸送層および/または電子注入層には、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物以外の電荷輸送性化合物(正孔輸送材料、電子輸送材料)を更に含んでもよい。詳しくは、後述する。
【0081】
以下、図面を参照しつつ、より詳細に説明するが、これに限定されるわけではない。
図1〜図4は、本発明の有機電界発光素子の層構成を説明するための模式的断面図であって、図1、図2、図4の場合は、有機化合物層が複数の層からなる場合の一例であり、図3の場合は、有機化合物層が1層の場合の例を示す。なお、図1〜図4において、同様の機能を有するものは同じ符号を付してある。
【0082】
図1に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、発光層4、電子輸送層5及び背面電極7を順次積層してなる。図2に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5及び背面電極7を順次積層してなる。図3に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層6及び背面電極7を順次積層してなる。図4に示す有機電界発光素子は、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、電荷輸送能を持つ発光層6、及び背面電極7を順次積層してなる。以下、各々を詳しく説明する。
【0083】
なお、図1、図2に示す有機電界発光素子においては、発光層4は、発光材料真空蒸着や、発光材料を含む溶液または分散液を塗布・乾燥する方法を利用して形成することが可能である。なお、発光層4が良好な薄膜にならないものや、明確な電子輸送性を示さない場合でも、発光層4と背面電極7との間に電子輸送層5が設けられているため、有機電界発光素子の熱耐久性向上、キャリアバランスの向上或いは発光効率の向上を図ることができる。
【0084】
本発明に用いられるピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が含まれる有機化合物層は、その構造によっては、図1及び図2に示される有機電界発光素子の層構成の場合、正孔輸送層3、あるいは、電子輸送層5のいずれとしても機能することができ、また、図3及び図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、正孔輸送層3、あるいは、電荷輸送能を持つ発光層6のいずれとしても機能することができる。
【0085】
図1から図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、透明絶縁体基板1は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。当該透明とは、可視領域の光の透過率が10%以上であること意味し、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
透明電極2は、透明絶縁体基板1と同様に発光を取り出すため透明であって、かつ正孔の注入を行うため仕事関数の大きなものが良く、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。具体例として、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム亜鉛等の酸化膜、および蒸着或いはスパッタされた金、白金、パラジウム等が用いられる。透明電極2のシート抵抗は、低いほどが望ましく、数百Ω/□以下が好ましく、さらには100Ω/□以下がより好ましい。また、透明絶縁体基板1同様に、可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
【0086】
図2及び図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、正孔輸送層3は、目的に応じて機能(正孔輸送能)が付与されたピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物単独で形成されていてもよいが、正孔移動度を調節するためにピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物に、これ以外の正孔輸送材料を0.1重量%ないし50重量%の範囲で混合分散して形成されてもよい。
【0087】
このような正孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールヒドラゾン誘導体、ポルフィリン系化合物が挙げられる。なお、正孔輸送層3は、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を用いずに、これら正孔輸送性材料単独で形成されていてもよい。
【0088】
さらに、正孔輸送層3には、成膜性の向上、ピンホール防止等のため、適切な樹脂(ポリマー)、添加剤を加えても良い。具体的な樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリススチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレンブタジエン共重合体、塩化ビニルデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂等を用いることができる。また、添加剤としては、公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を用いることができる。
【0089】
図1及び図2に示される有機電界発光素子の層構成の場合、発光層4には、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/もしくはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物、並びに/または、固体状態で高い蛍光量子収率を示す化合物が発光材料として用いられる。
なお、発光材料が有機低分子の場合、この発光材料は真空蒸着法、もしくは、発光材料と樹脂とを含む溶液・分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが好ましい。有機低分子の発光材料と組み合わせて用いる樹脂としては、正孔輸送層3の形成に際して例示したものが適用できる。また、発光材料が高分子からなる場合、この発光材料は、それ自身を含む溶液または分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが好ましい。
【0090】
また、発光材料として、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物およびピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物以外の発光材料を用いる場合には、この発光材料が有機低分子、高分子それぞれの場合において以下に例示するような化合物を用いることができる。
すなわち、発光材料が有機低分子である場合の好適な例としては、キレート型有機金属錯体、多核または縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられ、発光材料が高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体等が用いられる。これら発光材料の好適な具体例としては、下記の化合物(VI−1)〜化合物(VI−15)が挙げられるが、これらに限られるものではない。なお、例示化合物(VI−13)から(VI−15)中、nおよびxは1以上の整数を示す。
【0091】
【化30】
Figure 2005038658
【0092】
【化31】
Figure 2005038658
【0093】
【化32】
Figure 2005038658
【0094】
また、有機電界発光素子の耐久性向上或いは発光効率の向上を目的として、上記の発光材料中にゲスト材料として発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。真空蒸着によって発光層を形成する場合、共蒸着によって色素化合物のドーピングを行い、溶液または分散液を塗布・乾燥することで発光層を形成する場合、溶液または分散液中に色素化合物を混合することでドーピングを行う。
【0095】
発光層4中における色素化合物のドーピングの割合としては好ましくは0.001重量%〜40重量%程度、より好ましくは0.001重量%〜10重量%程度である。このようなドーピングに用いられる色素化合物としては、発光材料との相容性が良く、かつ発光層4の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物を用いることができ、好適にはDCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン等が用いられる。このような有機化合物の好適な具体例として、下記の化合物(VII−1)〜(VII−4)があげられるが、これらに限られるものではない。
【0096】
【化33】
Figure 2005038658
【0097】
図1及び図2に示される有機電界発光素子の層構成の場合、電子輸送層5は、目的に応じて機能(電子輸送能)が付与されたピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物のみで形成されてもよいが、発光効率の向上、電気特性をさらに改善する等の目的で、電子移動度を調整するために、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物と、これ以外の電子輸送材料を0.1重量%から50重量%の範囲で混合分散して形成されてもよい。
【0098】
このような電子輸送材料として、オキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が挙げられる。好適な具体例として、下記の化合物(VIII−1)〜(VIII−3)があげられるが、これらに限られるものではない。なお、正孔輸送層3の形成に際しては、同様に適切な樹脂、添加剤を加えて良い。用いる樹脂としては、正孔輸送層3の場合に例示したものが適用できる。
【0099】
【化34】
Figure 2005038658
【0100】
図3または図4における有機電界発光素子の層構成の場合、電荷輸送機能を持つ発光層6は目的に応じて機能(正孔輸送能、或いは電子輸送能)が付与されたピリジン・ベンゾチアゾール化合物および/またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物に対して、これ以外の化合物からなる発光材料を50重量%以下の割合で混合させて形成した有機化合物層であることが好ましい。
【0101】
この場合の発光材料としては前記化合物(VI−6)ないし化合物(VI−12)が好適に用いられるが、有機電界発光素子に注入される正孔と電子とのバランスを調節するために、電荷輸送機能を持つ発光層6に電子輸送材料を0.1重量%〜50重量%の範囲内で分散させてもよい。
このような電子輸送材料としては、ピリジン・ベンゾチアゾール化合物またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物と強い電子相互作用を示さない有機化合物が用いられることが好ましく、好適には下記の化合物(IX)が用いられるがこれに限られるものではない。同様に正孔移動度を調節するためにピリジン・ベンゾチアゾール化合物およびピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物以外の正孔輸送材料、好ましくはテトラフェニレンジアミン誘導体を適量同時に分散させて用いてもよい。また、正孔輸送層3と同様に適切な樹脂、添加剤を加えても良い。用いる樹脂としては、正孔輸送層3の場合に例示したものが適用できる。また、発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。
【0102】
【化35】
Figure 2005038658
【0103】
図1から図4に示される有機電界発光素子の層構成の場合、背面電極7には、真空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金属、金属酸化物、金属フッ化物等が使用される。金属としてはマグネシウム、アルミニウム、銀、インジウム、リチウム、カルシウムおよびこれらの合金が挙げられる。金属酸化物としては、酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムが挙げられる。また、金属フッ化物としては、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウムが挙げられる。また、背面電極7上には、さらに素子の水分や酸素による劣化を防ぐために保護層を設けてもよい。具体的な保護層の材料としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al等の金属、MgO、SiO、TiO等の金属酸化物、ポリエチレン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂が挙げられる、保護層の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ重合法、CVD法、コーテング法が適用できる。
【0104】
これら図1から図4に示される有機電界発光素子は、まず透明電極2の上に各有機電界発光素子の層構成に応じて、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5及び/又は電荷輸送能を持つ発光層6を形成する。正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5、或いは電荷輸送能を持つ発光層6は、上記各材料を真空蒸着法、もしくは、適切な有機溶媒に溶解或いは分散して得られた塗布液を用いて透明電極2上にスピンコーティング法、キャスト法、ディップ法、インクジェット法等により形成される。
【0105】
また、正孔輸送層3、発光層4、電子輸送層5および電荷輸送能を持つ発光層6の膜厚は、各々10μm以下、特に0.001から5μmの範囲であることが好ましい。各々の層における上記各材料(ピリジン・ベンゾチアゾール化合物またはピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物、発光材料等)の分散状態は分子分散状態でも微結晶などの微粒子状態でも構わない。塗布液を用いた成膜法の場合、分子分散状態とするために分散溶媒は上記各材料の分散性及び溶解性を考慮して選択する必要がある。微粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシャイカー、アトライター、ホモジナイザー、超音波法等が利用できる。
【0106】
そして、最後に、電子輸送層5或いは電荷輸送能を持つ発光層6の上に背面電極7を真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することにより図1〜4に示したような本発明の有機電界発光素子が完成される。
【0107】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。だだし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0108】
(実施例1)
透明絶縁基板上に形成されたITO(三容真空社製)を短冊状のフォトマスクを用いてフォトリソグラフィによりパターニングし、さらにエッチング処理することにより短冊状のITO電極(幅2mm)を形成した。次に、このITOガラス基板を中性洗剤、超純水、アセトン(電子工業用、関東化学製)およびイソプロパノール(電子工業用、関東化学製)で超音波を各5分間加えて洗浄し、スピンコーターで乾燥させた後、UV−O洗浄を行なった。
【0109】
次に、この基板のITO電極が設けられた側の面に、正孔輸送層として(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)を膜厚が0.050μmとなるように真空蒸着法(10−4Pa)で形成後、更に、この層上に前記例示化合物(1−1)を膜厚が0.050μmとなるように、それぞれの層を10−4Paの真空中にて真空蒸着法により形成した。続いて短冊状の穴が設けられている金属マスクを化合物(1−1)から構成される層上に設置してLiFおよびAlを蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
【0110】
(実施例2)
実施例1同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板に、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン)からなる層(膜厚0.050μm)、例示化合物(1−1)からなる層(膜厚0.020μm)、例示化合物(VI−1)からなる層(膜厚0.04μm)、をこの順に10−4Paの真空中にて真空蒸着法により形成した。続いて短冊状の穴が設けられている金属性マスクを例示化合物(VI−1)からなる層上に設置してLiFおよびAlを蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
【0111】
(実施例3)
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(1−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0112】
(実施例4)
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(1−16)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0113】
(実施例5)
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(1−17)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0114】
(実施例6)
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(2−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0115】
(実施例7)
実施例1で用いた例示化合物(1−1)の代わりに例示化合物(2−5)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0116】
(実施例8)
ポリビニルカルバゾール(PVK)を1.5重量%含むクロロベンゼン溶液100重量部に対して例示化合物(2−20)を2重量%添加して十分に混合攪拌した後、目開き0.2μmのPTFEフィルターで濾過した溶液を作製した。
次に、この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板上に、実施例1同様にエッチング、洗浄したITOガラス基板のITO電極が設けられた側の面に、スピンコーター法により膜厚約0.10μmの薄膜を形成した。この薄膜を充分乾燥させた後、薄膜上に実施例1と同様に短冊状の穴が設けられている金属マスクを設置してLiFおよびAlを蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。形成された有機電界発光素子の有効面積は0.04cmであった。
【0117】
(比較例1)
上記実施例2で用いた例示化合物(1−1)の代わりに3−ビスエチニルベンゾチアゾールを用いた他は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。
【0118】
(比較例2)
上記実施例2で用いた例示化合物(1−1)の代わりに3−ビスエチニルベンゾベンゾチアゾールを用いた他は実施例1と同様に有機電界発光素子を作製した。
【0119】
以上のように作製した有機電界発光素子を、真空中(10−3Torr)でITO電極側をプラス、LiF−Al背面電極側をマイナスとして直流電圧を印加し、発光について測定を行い、このときの最高輝度、および発光色を評価した。それらの結果を表1に示す。また、乾燥窒素中で有機電界発光素子の発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が50cd/mとなるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子寿命と共に表1に示す。
【0120】
【表1】
Figure 2005038658
【0121】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、熱耐久性、溶剤や樹脂に対する溶解性及び相溶性に優れたピリジン骨格(あるいはピリジニウム骨格)とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含む化合物を用い、高輝度、高効率で素子寿命が長く、加えて、ピンホール等の不良も少なく大面積化も容易な有機電界発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の層構成の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の層構成の他の例を示す概略構成図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の層構成の他の例を示す概略構成図である。
【図4】本発明の有機電界発光素子の層構成の他の例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁体基板
2 透明電極
3 正孔輸送層
4 発光層
5 電子輸送層
6 電荷輸送能を持つ発光層
7 背面電極

Claims (19)

  1. 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
    該有機化合物層の少なくとも一層が、ピリジン骨格とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含むピリジン・ベンゾチアゾール化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記ピリジン骨格と、前記ベンゾチアゾール骨格とが共役系を形成していることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物が、下記一般式(I)で表されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2005038658
    〔一般式(I)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、aおよびbは0〜4の整数を表し、nは1以上の整数を表し、iは0または1を表す。〕
  4. 前記有機化合物層の少なくとも一層が、前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物を含む金属錯体化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  5. 前記有機化合物層が、少なくとも発光層を含む2以上の層から構成され、前記発光層が、前記ピリジン・ベンゾチアゾール化合物を1種以上含有することを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  6. 前記有機化合物層が、前記発光層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  7. 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層を含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  8. 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
  9. 前記有機化合物層が、電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
  10. 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
    該有機化合物層の少なくとも一層が、ピリジニウム骨格とベンゾチアゾール骨格とを少なくとも含むピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子。
  11. 前記ピリジニウム骨格と、前記ベンゾチアゾール骨格とが共役系を形成していることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
  12. 前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物が、下記一般式(II)で表されるビピリジニウムベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2005038658
    〔一般式(II)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、RおよびRは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、cおよびdは0〜4の整数を表し、mは1以上の整数を表し、jは0または1を表す。〕
  13. 前記有機化合物層の少なくとも一層が、前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を含む金属錯体化合物を少なくとも1種以上含有することを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
  14. 前記有機化合物層が、少なくとも発光層を含む2以上の層から構成され、前記発光層が、前記ピリジニウム・ベンゾチアゾール化合物を1種以上含有することを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
  15. 前記有機化合物層が、前記発光層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  16. 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層を含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  17. 前記有機化合物層が、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層とを含む構成、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子注入層とを含む構成、および、前記発光層と正孔輸送層と正孔注入層と電子輸送層と電子注入層とを含む構成、からなる群より選択された構成を有することを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光素子。
  18. 前記有機化合物層が、電荷輸送機能を持つ発光層のみから構成されることを特徴とする請求項10に記載の有機電界発光素子。
  19. 一対の電極間に挾持された一つまたは複数の有機化合物層より構成される電界発光素子において、
    該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I)で表されるビピリジルベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物、および、下記一般式(II)で表されるビピリジニウムベンゾチアゾ−ル骨格を有する化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2005038658
    〔一般式(I)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、aおよびbは0〜4の整数を表し、nは1以上の整数を表し、iは0または1を表す。〕
    Figure 2005038658
    〔一般式(II)中、RおよびRは、水素原子、炭素数1から10の1価の直鎖状炭化水素基、炭素数2から10の1価の分枝状炭化水素基、または、置換もしくは未置換のアリール基を表し、RおよびRは、炭素数1から6の1価の直鎖状炭化水素基、ホスホン酸基、または、シリル基を表し、cおよびdは0〜4の整数を表し、mは1以上の整数を表し、jは0または1を表す。〕
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JP2013136558A (ja) * 2011-11-28 2013-07-11 Ricoh Co Ltd エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP2014035804A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Ricoh Co Ltd 光電変換素子

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