JP3965893B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子に関し、詳しくは特定の正孔輸送性ポリマーを用いることにより、素子作製を容易にし、更に安定性が向上し、大面積化が容易な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
電界発光素子(以下、「EL素子」と記述する)は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。しかし、従来のEL素子としては無機螢光体を用いたものが主流であり、例えば無機材料のII−VI族化合物半導体であるZn、CaS、SrS等に、発光中心であるMnやEu、Ce、Tb、Sn等の希土類元素をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、駆動に200V以上の交流電圧が必要なため製造コストが高く、フルカラー化が困難であり、輝度も不十分である等の問題点を有している。
【0003】
そこで、上記問題点の改良のため有機薄膜を用いたEL素子の開発が盛んに行われるようになった。有機材料の電界発光現象が1963年にポープ(Pope)らによってアントラセン単結晶で観測されて以来、米国特許3172862号、米国特許3710167号、J.Chem.Phys.44(1966)2902、J.Chem.Phys.50(1969)14364、J.Chem.Phys.58(1973)1542に報告されるように、共役の有機ホスト物質と縮合ベンゼン環を持つ共役有機活性化剤とで有機発光物質を形成した研究が行われた。ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ピレン、ベンゾピレン、クリセン、ピセン、カルバゾール、フルオレン、ビフェニル、ターフェニル、トリフェニレンオキサイド、ジハロビフェニル、タランス−スチルベン及び1,4−ジフェニルブタジエン等が有機ホスト物質の例として示され、アントラセン、テトラセン、及びペンタセン等が活性化剤の例として挙げられるが、有機発光物質を用いた場合においても、無機EL素子同様に発光には高電界が必要であった。
【0004】
しかし、近年、タン(Tang)らは(Appl.Phys.Lett.51(1987)913あるいは米国特許4356429号)、陽極と陰極との間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高輝度を実現した。この種の積層型有機ELデバイスはその後も活発に研究され、例えば特開昭59−194393号公報、米国特許4539507号、特開昭59−194393号公報、米国特許4720432号、特開昭63−264692号公報、Appl.Phys.Lett.55(1989)1467、特開平3−163188号公報等に記載されている。また更に、Jpn.J.Appl.Phys.27(1988)L269、L713には、キャリア輸送と発光の機能を分離した3層構造のEL素子が報告されており、発光色を決める発光層の色素の選定に際してもキャリア輸送性能の制約が緩和され選択の自由度がかなり増し、更には中央の発光層にホールと電子(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて発光の向上を図る可能性も示唆される。
【0005】
このような研究開発の経過を経て、有機EL素子は、数V〜数十V程度の直流低電圧で、発光が可能となり、また蛍光性有機化合物の種類を選択することにより、種々の色(例えば、赤色、青色、緑色)の発光が可能となってきた。以上のような特徴を有する有機EL素子は、種々の発光素子、表示素子等への応用が期待されている。
しかしながら、このタイプのEL素子では、複数の蒸着工程において0.1μm以下の薄膜を形成していくためピンホールを生じ易く、十分な性能を得るためには厳しく管理された条件下で膜厚の制御を行うことが必要である。従って、生産性が低くかつ大面積化が難しいという問題がある。また、このEL素子は数mA/cm2という高い電流密度で駆動されるため、大量のジュール熱を発生する。従って、蒸着によってアモルファスガラス状態で製膜された正孔輸送性低分子化合物や螢光性有機低分子化合物が次第に結晶化して最後には融解し、輝度の低下や絶縁破壊が生じるという現象が多く見られ、熱安定性に対する問題も有していた。
【0006】
そこで、EL素子の熱安定性に関する問題の解決のために、正孔輸送材料として安定なアモルファスガラス状態が得られるスターバーストアミンを用いたり(第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−SZK−14(1993)等)、ポリフォスファゼンの側鎖にトリフェニルアミンを導入したポリマーを用いる(第42回高分子討論会予稿集20J21(1993))ことが報告されている。しかし、これら単独では正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルに起因するエネルギー障壁が存在するため、陽極からのホール注入性或いは発光層へのホール注入性を満足するものではない。また、前者のスターバーストアミンの場合、溶解性が小さいために精製が難しく純度を上げることが困難であることや、後者のポリマーの場合、高い電流密度が得られず十分な輝度が得られていない等の問題も存在する。
【0007】
一方、これらの問題の解決を目指し、単層構造のEL素子についても研究・開発が進められ、ポリ(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子を用いたり(Nature,Vol.357,477(1992)等)、正孔輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子輸送材料と螢光色素を混入した(第38回応用物理学関係連合講演会予稿集31p−G−12(1991))素子が提案されているが、未だ輝度、発光効率等が有機低分子化合物を用いた積層型EL素子には及ばない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、製造が容易で十分な輝度が得られ、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するため電荷輸送材料に関し鋭意検討した結果、下記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーが、有機EL素子として好適なホール注入特性、ホール移動度、薄膜形成能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子において、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマー(以下、「特定の電荷輸送性ポリマー」と呼ぶことがある。)を1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子である。
【0010】
【化2】
Figure 0003965893
【0011】
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは0又は1を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)
<2> 透明電極上に、前記有機化合物層として、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有する正孔輸送層と、発光層とをこの順に有する前記<1>に記載の有機電界発光素子である。
<3> 前記有機化合物層が単層である前記<1>に記載の有機電界発光素子である。
<4> 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する前記<3>に記載の有機電界発光素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、一つ又は複数の有機化合物層を有してなり、更に必要に応じて、その他の層や部材を有してなる。
【0013】
前記有機化合物層は、単層からなる場合には、その層中に、前記特定の電荷輸送性ポリマーを1種以上含有し、2以上の複層からなる場合には、少なくとも一層に、前記特定の電荷輸送性ポリマーを1種以上含有する。
まず、本発明の有機EL素子に関して、前記特定の電荷輸送性ポリマーについて説明する。本発明において使用する前記特定の電荷輸送性ポリマーは、下記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる正孔輸送材料である。
【0014】
【化3】
Figure 0003965893
【0015】
式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表す。これらのなかでも、輸送能が高い点で、置換もしくは未置換のアリール基(特に、フェニル基)が好ましい。アリール基の有する置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、1価の多核芳香環、1価の縮合芳香環等が挙げられる。
【0016】
式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表す。これらのなかでも、合成の点で、水素原子及びアルキル基(特に、メチル基)が好ましい。
式中、X1及びX2は、それぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、kは0又は1を表す。
前記X1及びX2は、例えば以下の式(1)〜(7)から選択される基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
【化4】
Figure 0003965893
【0018】
式中、R4は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、又は置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R5〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、置換もしくは未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル基、又はハロゲン原子を表し、aは0又は1を表し、Vは下記の式(8)〜(17)から選択される基を表す。
【0019】
【化5】
Figure 0003965893
【0020】
式中、bは1〜10の整数を表し、cは1〜3の整数を表す。
また、前記一般式(I−1)及び(I−2)におけるTは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、好ましくは炭素数が2〜6の2価の直鎖状炭化水素基及び炭素数3〜7の2価の分枝鎖状炭化水素基から選ばれる基である。具体的な構造例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
【0021】
【化6】
Figure 0003965893
【0022】
本発明で用いられる前記特定の電荷輸送性ポリマーは、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる。即ち、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される1種の構造のみを有するホモポリマー、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される2種以上の構造を有するコポリマー、あるいは、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸等の通常付加重合によってポリマーを形成する化合物との共重合で形成されるコポリマーのいずれであってもよい。好ましくは、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される1種の構造のみを有するホモポリマー、及び前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される2種以上の構造を有するコポリマーである。
【0023】
前記一般式(I−1)及び(I−2)におけるm及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表し、重合度は5〜100,000の整数であるが、好ましくは100〜10,000の整数である。また、重合の比については特に限定されるものではない。また、重量平均分子量Mwは、500〜2,000,000の範囲が好ましく、1,000〜1,000,000の範囲がより好ましい。
下記表1〜表3に前記一般式(I−1)で表される構造の具体例を示し、下記表4〜表5に前記一般式(I−2)で表される構造の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0024】
【表1】
Figure 0003965893
【0025】
【表2】
Figure 0003965893
【0026】
【表3】
Figure 0003965893
【0027】
【表4】
Figure 0003965893
【0028】
【表5】
Figure 0003965893
【0029】
前記特定の電荷輸送性ポリマーは、下記一般式(II−1)及び(II−2)で表される構造から選択される少なくとも1種の電荷輸送性モノマーを、例えば、第4版実験化学講座第28巻(丸善、1992)、新高分子実験学第2巻(共立出版、1995)等に記載された公知の方法で重合させることによって合成することができる。
【0030】
【化7】
Figure 0003965893
【0031】
式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは0又は1を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
【0032】
即ち、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーは、次のようにして合成することができる。具体的には、前記一般式(II−1)及び(II−2)で表される構造から選択される少なくとも1種の電荷輸送性モノマーを、ラジカルを使用した溶液重合、乳化重合、懸濁重合や、アニオン重合、カチオン重合等によって重合することによって得られる。
【0033】
ラジカルを使用した重合法の場合、モノマーと重合開始剤を混合した系を、真空下もしくは窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、加熱もしくは光照射することにより重合が行われる。前記重合開始剤としては公知のものが用いられ、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチル、過硫酸カリウム、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、ジシクロペルオキシジカルボナート等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス酪酸メチル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、クメンヒドロペルオキシドとFe(II)塩、過酸化水素とFe(II)塩、過硫酸カリウム又は過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウム及び硫酸セリウム(IV)とアルコール又はアミン又はデンプン、過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物とジメチルアニリン等のレドックス系低温開始剤、過酸化水素やヒドロペルオキシド等の過酸化物とAlEt2やBET2やZnEt2等の有機金属化合物からなるレドックス系低温開始剤、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジルジケトン、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、キサントン、チオキサントン、2−エチルアントラキノン、ローダミンB、エリトロシン、エオシン、アリザリン、リホブラフィン、ルミフラビン等の光増感剤が挙げられる。これらの重合開始剤は、溶液重合の場合はモノマーを溶解する溶媒に可溶なものが、乳化重合の場合はモノマーに不溶で水に可溶なものが、懸濁重合の場合はモノマーに可溶で水に不溶なものが選択される。また、分子量や重合速度の制御のために禁止剤、抑制剤及び連鎖移動剤を、乳化重合の場合には乳化剤を、懸濁重合の場合には分散剤を、必要に応じ適宜加えてもよい。
【0034】
また、アニオン重合の場合、モノマーと重合開始剤を、真空下もしくは窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で混合して溶液重合することにより行われる。前記重合開始剤としては公知のものが用いられ、例えば、LiやNaやK等のアルカリ金属、アルカリ金属と多核もしくは縮合環系の芳香族炭化水素のアニオンラジカル錯体、アルキルアルカリ金属化合物等が挙げられる。
【0035】
また、カチオン重合の場合、モノマーと重合開始剤を、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で混合して溶液重合することにより行われる。前記重合開始剤としては公知のものが用いられ、例えば、塩酸や硫酸、トリフルオロ酢酸、CF3SO3H、HClO4等のプロトン酸、BF3やAlCl3やTiCl4やSnCl4等のルイス酸とプロトン酸や水やアルコール等のカチオン源との混合物が挙げられる。また、光・熱によりカチオンを生成する化合物を用いてもよい。
【0036】
次に、本発明の有機EL素子における有機化合物層の層構成及び一対の電極について説明する。本発明において、有機化合物層が一つの場合は、該有機化合物層はキャリア輸送能を持つ発光層を意味する。また、有機化合物層が複数の場合は、その一つが発光層であり、他の有機化合物層は、正孔輸送層、電子輸送層、あるいは正孔輸送層と電子輸送層よりなるものを意味する。
【0037】
図1及び図2は、本発明の有機EL素子の層構成の一例を説明するための概略断面図である。本発明は、これらの層構成に限定されるものではない。図1は、有機化合物層が複数の場合の一例であり、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、発光層4、及び背面電極6がこの順に形成されている。図2は、有機化合物層が1つの場合の例であり、透明絶縁体基板1上に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層5、及び背面電極6がこの順に形成されている。本発明で使用される電極は、少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極であればよい。
【0038】
図1及び図2における透明絶縁体基板1は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。透明であるということは、可視領域の光の透過率が10%以上であることを示しており、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
【0039】
図1及び図2における透明電極2は、前記透明絶縁体基板と同様に発光を取り出すため透明であって、かつホールの注入を行うため仕事関数の大きなものがよく、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。具体例として、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化膜、及び蒸着或いはスパッタされた金、白金、パラジウム等が用いられる。電極のシート抵抗は、低いほど好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。また、透明絶縁体基板同様に、可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透過率が75%以上であることが好ましい。
【0040】
前記特定の電荷輸送性ポリマーを含有する有機化合物層は、図1に示される有機EL素子の層構成の場合、正孔輸送層3であり、また、図2に示される有機EL素子の層構成の場合、キャリア輸送能を持つ発光層5である。尚、図1における発光層4が、前記特定の電荷輸送性ポリマーを含有していてもよい。
【0041】
図1に示される有機EL素子の層構成の場合、正孔輸送層3は前記特定の電荷輸送性ポリマーの単独で形成されていてもよいが、ホール移動度を調節するために他の正孔輸送材料を1重量%ないし50重量%の範囲で分散させて形成されていてもよい。このような正孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体、ポルフィリン系化合物等が挙げられるが、なかでもテトラフェニレンジアミン誘導体が好ましい。また、他の汎用の樹脂との混合でもよい。
【0042】
図1における発光層4には、固体状態で高い蛍光量子収率を示す化合物が発光材料として用いられる。前記発光材料が有機低分子の場合、真空蒸着法もしくは低分子と結着樹脂を含む溶液又は分散液を塗布・乾燥することにより、良好な薄膜形成が可能であることが条件である。また、高分子の場合、それ自身を含む溶液又は分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成が可能であることが条件である。好適には、有機低分子の場合、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体等が、高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアセチレン誘導体等が用いられる。
前記発光材料の好適な具体例として、下記の化合物(IV−1)〜(IV−15)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。尚、n及びxは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。
【0043】
【化8】
Figure 0003965893
【0044】
【化9】
Figure 0003965893
【0045】
また、有機EL素子の耐久性向上或いは発光効率の向上を目的として、上記の発光材料中にゲスト材料として発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。真空蒸着によって発光層を形成する場合、共蒸着によってドーピングを行い、溶液又は分散液を塗布・乾燥することで発光層を形成する場合、溶液又は分散液中に混合することでドーピングを行う。発光層中における色素化合物のドーピングの割合としては0.001〜40重量%程度、好ましくは0.001〜10重量%程度である。このようなドーピングに用いられる色素化合物としては、発光材料との相容性がよく、かつ発光層の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、好適にはDCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘導体、ポルフィリン等が用いられる。
前記色素化合物の好適な具体例として、下記の化合物(V−1)〜(V−4)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【化10】
Figure 0003965893
【0047】
また、発光材料として、真空蒸着や溶液又は分散液を塗布・乾燥することが可能であるが良好な薄膜とならないものや、明確な電子輸送性を示さないものを用いる場合には、有機EL素子の耐久性向上或いは発光効率の向上を目的として、発光層4と背面電極6との間に電子輸送層を挿入してもよい。このような電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、真空蒸着法により良好な薄膜形成が可能な有機化合物が好ましく、好適にはオキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が用いられる。
前記電子輸送材料の好適な具体例として、下記の化合物(VI−1)〜(VI−3)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
【化11】
Figure 0003965893
【0049】
図2に示される有機EL素子の層構成の場合、キャリア輸送能を持つ発光層5は、少なくとも前記特定の電荷輸送性ポリマー中に発光材料を50重量%以下分散させた有機化合物層であり、発光材料としては前記例示した化合物(IV−1)〜(IV−15)が好適に用いられるが、有機EL素子に注入されるホールと電子のバランスを調節するために電子輸送材料を10〜50重量%分散させてもよく、或いはキャリア輸送能を持つ発光層5と背面電極6との間に、電子輸送材料よりなる電子輸送層を挿入してもよい。このような電子輸送材料としては、前記特定の電荷輸送性ポリマーと強い電子相互作用を示さない有機化合物が用いられ、好適には下記の化合物(VII)が用いられるが、これに限られるものではない。同様にホール移動度を調節するために、他の正孔輸送材料、例えばテトラフェニレンジアミン誘導体を適量同時に分散させて用いてもよい。また、発光材料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。
【0050】
【化12】
Figure 0003965893
【0051】
図1及び図2における背面電極6には、真空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金属が使用されるが、特に好ましくはマグネシウム、アルミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金である。
【0052】
これら本発明の有機EL素子において、前記正孔輸送層3は、前記特定の電荷輸送性ポリマー、更に必要に応じて、他の正孔輸送材料を用い、前記キャリア輸送能を持つ発光層5は、前記特定の電荷輸送性ポリマー、発光材料、更に必要に応じて、色素化合物、電子輸送材料、他の正孔輸送材料を用い、有機溶媒中に溶解或いは分散し、得られた塗布液を用いて前記透明電極2上にスピンコーティング法、ディップ法等を用いて製膜することによって形成される。
正孔輸送層3、発光層4及びキャリア輸送能を持つ発光層5の膜厚は、それぞれ0.03〜2μmが好ましい。発光材料の分散状態は、分子分散状態でも微粒子分散状態でも構わない。分子分散状態とするためには、分散溶媒は前記特定の電荷輸送性ポリマー、発光材料、電子輸送材料、他の正孔輸送材料の共通溶媒を用いる必要があり、微粒子分散状態とするためには、分散溶媒は発光材料の分散性と、電子輸送材料、前記特定の電荷輸送性ポリマー及び他の正孔輸送材料の溶解性を考慮して選択する必要がある。微粒子状に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイントシェイカー、アトライター、ホモジェナイザー、超音波法等が利用できる。
【0053】
次いで、上記のようにして形成された前記特定の電荷輸送性ポリマーを含有する有機化合物層上に、各有機EL素子の層構成に応じて、それぞれ、発光材料、電子輸送材料、背面電極を真空蒸着法を用いて形成する。それにより容易に有機EL素子を作製することが可能である。積層する電子輸送能を持つ発光層及び電子輸送層の膜厚は、各々0.3μm以下が好ましく、0.03〜0.1μmがより好ましい。
本発明の有機EL素子は、一対の電極間に、例えば、4〜20Vで、電流密度1〜200mA/cm2の直流電圧を印加することによって発光させることができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。本実施例で用いた前記特定の電荷輸送性ポリマーは、以下のように合成した。
【0055】
[合成例1]
下記化合物(VIII)5.0gをトルエン15ml中に溶解した溶液に、窒素気流下において60℃にてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)50mgを添加し、5時間反応させた。更に、80℃にて3時間反応を続けた後、反応液をメタノール300mlに滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポリマーを濾取し乾燥させた後、テトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液をメタノール300mlに滴下する再沈殿を3回繰り返すことによって、表4中No.49の構造単位を有する電荷輸送性ポリマーの精製品3.5gを得た。収率は68%であった。分子量はGPCにて測定し、Mw=6.80×104(スチレン換算)であり、モノマーの分子量から求めたnは約105であった。
【0056】
【化13】
Figure 0003965893
【0057】
(実施例1)
図1に示す構成と同様の有機EL素子を作製した。
合成例1で得られた電荷輸送性ポリマー(Mw=6.80×104)の5重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電極2を形成したもの)上に、ディップ法により塗布し、膜厚約0.1μmの正孔輸送層3(有機化合物層)を形成した。充分乾燥させた後、発光材料として昇華精製した前記例示化合物(IV−1)をタングステンボートに入れ、真空蒸着法により蒸着して、正孔輸送層3上に膜厚0.05μmの発光層4(有機化合物層)を形成した。この時の真空度は1.33×10-3Pa、ボート温度は300℃であった。続いてMg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極6をITO電極と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0058】
(実施例2)
図2に示す構成と同様の有機EL素子を作製した。
合成例1で得られた電荷輸送性ポリマー(Mw=6.80×104)1重量部、及び発光材料である前記例示化合物(IV−1)1重量部を混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電極2を形成したもの)上に、ディップ法により膜厚約0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層5(有機化合物層)を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極6をITO電極と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0059】
(実施例3)
図2に示す構成と同様の有機EL素子を作製した。
合成例1で得られた電荷輸送性ポリマー(Mw=6.80×104)2重量部、色素化合物である前記例示化合物(V−1)0.1重量部、及び電子輸送材料である前記例示化合物(VI−1)1重量部を混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電極2を形成したもの)上に、ディップ法により塗布して、膜厚約0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層5(有機化合物層)を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極6をITO電極と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0060】
(実施例4)
実施例1において、表1中No.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=4.80×104)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0061】
(実施例5)
実施例2において、表1中No.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=4.80×104)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
【0062】
(実施例6)
実施例3において、表1中No.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=4.80×104)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
【0063】
(実施例7)
実施例1において、表2中No.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=5.20×104)を用いた以外は、実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0064】
(実施例8)
実施例2において、表2中No.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=5.20×104)を用いた以外は、実施例2と同様にして有機EL素子を作製した。
【0065】
(実施例9)
実施例3において、表2中No.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=5.20×104)を用いた以外は、実施例3と同様にして有機EL素子を作製した。
【0066】
(比較例1)
下記構造式(IX)で表される正孔輸送材料を1重量部、発光材料である前記例示化合物(IV−1)を1重量部、及び結着樹脂としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を1重量部混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して、膜厚0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0067】
【化14】
Figure 0003965893
【0068】
(比較例2)
電荷輸送性ポリマーとしてポリビニルカルバゾール(PVK)を2重量部、色素化合物である前記例示化合物(V−1)を0.1重量部、及び電子輸送材料である前記例示化合物(VI−1)を1重量部混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成したガラス基板上に、ディップ法により塗布して、膜厚約0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15m厚の背面電極をITO電極と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0069】
以上のように作製した有機EL素子を、真空中(0.133Pa)でITO電極側をプラス(陽極)、Mg−Ag背面電極をマイナス(陰極)として直流電圧を印加し、発光について測定を行い、このときの最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果を下記表6に示す。また、乾燥窒素中で有機EL素子の発光寿命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が50cd/m2となるように電流値を設定し、定電流駆動により輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子寿命と共に下記表6に示す。
【0070】
【表6】
Figure 0003965893
【0071】
表6の結果から、前記特定の電荷輸送性ポリマーを用いた実施例1〜9の本発明の有機EL素子は、高輝度であり、素子寿命が長いことがわかる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、製造が容易で十分な輝度が得られ、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供することができる。前記特定の電荷輸送性ポリマーは、有機EL素子に好適なイオン化ポテンシャル及びホール移動度を持ち、また、スピンコーティング法、ディップ法等を用いて良好な薄膜を形成することができ、これを用いて形成された本発明の有機EL素子は、十分に高い輝度を示し、また、膜厚を比較的厚く設定できるため、ピンホール等の不良が少なく、大面積化も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の有機電界発光素子の他の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁体基板
2 透明電極
3 正孔輸送層(有機化合物層)
4 発光層(有機化合物層)
5 キャリア輸送能を持つ発光層(有機化合物層)
6 背面電極

Claims (4)

  1. 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子において、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有することを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 0003965893
    (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは0又は1を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。)
  2. 透明電極上に、前記有機化合物層として、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有する正孔輸送層と、発光層とをこの順に有する請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 前記有機化合物層が単層である請求項1に記載の有機電界発光素子。
  4. 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸送材料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する請求項3に記載の有機電界発光素子。
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