JP2002110359A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2002110359A JP2000303664A JP2000303664A JP2002110359A JP 2002110359 A JP2002110359 A JP 2002110359A JP 2000303664 A JP2000303664 A JP 2000303664A JP 2000303664 A JP2000303664 A JP 2000303664A JP 2002110359 A JP2002110359 A JP 2002110359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が容易で十分な輝度が得られ、耐久性に
優れた有機電界発光素子を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一方が透明又は半透明である
陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の
有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子におい
て、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式
(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択され
る少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よ
りなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有することを特
徴とする有機電界発光素子である。式中、Ar1〜Ar6
は、それぞれ独立に、置換もしくは未置換のアリール基
等を表し、R1〜R3は、それぞれ独立に、水素原子、ア
ルキル基等を表し、X1及びX2は、それぞれ独立に、置
換又は未置換の2価の芳香族基を表し、Tは、炭素数1
〜6の2価の直鎖状炭化水素基等を表し、kは0又は1
を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を
表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電界発光素子
に関し、詳しくは特定の正孔輸送性ポリマーを用いるこ
とにより、素子作製を容易にし、更に安定性が向上し、
大面積化が容易な有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電界発光素子(以下、「EL素子」と記
述する)は、自発光性の全固体素子であり、視認性が高
く衝撃にも強いため、広く応用が期待されている。しか
し、従来のEL素子としては無機螢光体を用いたものが
主流であり、例えば無機材料のII−VI族化合物半導
体であるZn、CaS、SrS等に、発光中心であるM
nやEu、Ce、Tb、Sn等の希土類元素をドープし
たものが一般的であるが、上記の無機材料から作製した
EL素子は、駆動に200V以上の交流電圧が必要なた
め製造コストが高く、フルカラー化が困難であり、輝度
も不十分である等の問題点を有している。
【0003】そこで、上記問題点の改良のため有機薄膜
を用いたEL素子の開発が盛んに行われるようになっ
た。有機材料の電界発光現象が1963年にポープ(P
ope)らによってアントラセン単結晶で観測されて以
来、米国特許3172862号、米国特許371016
7号、J.Chem.Phys.44(1966)29
02、J.Chem.Phys.50(1969)14
364、J.Chem.Phys.58(1973)1
542に報告されるように、共役の有機ホスト物質と縮
合ベンゼン環を持つ共役有機活性化剤とで有機発光物質
を形成した研究が行われた。ナフタレン、アントラセ
ン、フェナントレン、テトラセン、ピレン、ベンゾピレ
ン、クリセン、ピセン、カルバゾール、フルオレン、ビ
フェニル、ターフェニル、トリフェニレンオキサイド、
ジハロビフェニル、タランス−スチルベン及び1,4−
ジフェニルブタジエン等が有機ホスト物質の例として示
され、アントラセン、テトラセン、及びペンタセン等が
活性化剤の例として挙げられるが、有機発光物質を用い
た場合においても、無機EL素子同様に発光には高電界
が必要であった。
【0004】しかし、近年、タン(Tang)らは(A
ppl.Phys.Lett.51(1987)913
あるいは米国特許4356429号)、陽極と陰極との
間に2つの極めて薄い層(電荷輸送層と発光層)を真空
蒸着で積層したEL素子を考案し、低い駆動電圧で高輝
度を実現した。この種の積層型有機ELデバイスはその
後も活発に研究され、例えば特開昭59−194393
号公報、米国特許4539507号、特開昭59−19
4393号公報、米国特許4720432号、特開昭6
3−264692号公報、Appl.Phys.Let
t.55(1989)1467、特開平3−16318
8号公報等に記載されている。また更に、Jpn.J.
Appl.Phys.27(1988)L269、L7
13には、キャリア輸送と発光の機能を分離した3層構
造のEL素子が報告されており、発光色を決める発光層
の色素の選定に際してもキャリア輸送性能の制約が緩和
され選択の自由度がかなり増し、更には中央の発光層に
ホールと電子(あるいは励起子)を有効に閉じ込めて発
光の向上を図る可能性も示唆される。
【0005】このような研究開発の経過を経て、有機E
L素子は、数V〜数十V程度の直流低電圧で、発光が可
能となり、また蛍光性有機化合物の種類を選択すること
により、種々の色(例えば、赤色、青色、緑色)の発光
が可能となってきた。以上のような特徴を有する有機E
L素子は、種々の発光素子、表示素子等への応用が期待
されている。しかしながら、このタイプのEL素子で
は、複数の蒸着工程において0.1μm以下の薄膜を形
成していくためピンホールを生じ易く、十分な性能を得
るためには厳しく管理された条件下で膜厚の制御を行う
ことが必要である。従って、生産性が低くかつ大面積化
が難しいという問題がある。また、このEL素子は数m
A/cm2という高い電流密度で駆動されるため、大量
のジュール熱を発生する。従って、蒸着によってアモル
ファスガラス状態で製膜された正孔輸送性低分子化合物
や螢光性有機低分子化合物が次第に結晶化して最後には
融解し、輝度の低下や絶縁破壊が生じるという現象が多
く見られ、熱安定性に対する問題も有していた。
【0006】そこで、EL素子の熱安定性に関する問題
の解決のために、正孔輸送材料として安定なアモルファ
スガラス状態が得られるスターバーストアミンを用いた
り(第40回応用物理学関係連合講演会予稿集30a−
SZK−14(1993)等)、ポリフォスファゼンの
側鎖にトリフェニルアミンを導入したポリマーを用いる
(第42回高分子討論会予稿集20J21(199
3))ことが報告されている。しかし、これら単独では
正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルに起因するエネル
ギー障壁が存在するため、陽極からのホール注入性或い
は発光層へのホール注入性を満足するものではない。ま
た、前者のスターバーストアミンの場合、溶解性が小さ
いために精製が難しく純度を上げることが困難であるこ
とや、後者のポリマーの場合、高い電流密度が得られず
十分な輝度が得られていない等の問題も存在する。
【0007】一方、これらの問題の解決を目指し、単層
構造のEL素子についても研究・開発が進められ、ポリ
(p−フェニレンビニレン)等の導電性高分子を用いた
り(Nature,Vol.357,477(199
2)等)、正孔輸送性ポリビニルカルバゾール中に電子
輸送材料と螢光色素を混入した(第38回応用物理学関
係連合講演会予稿集31p−G−12(1991))素
子が提案されているが、未だ輝度、発光効率等が有機低
分子化合物を用いた積層型EL素子には及ばない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、製造が容易で十分な輝度が得
られ、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため電荷輸送材料に関し鋭意検討した結果、
下記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造か
ら選択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り
返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーが、有機EL素子
として好適なホール注入特性、ホール移動度、薄膜形成
能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
即ち、 <1> 少なくとも一方が透明又は半透明である陽極及
び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の有機化
合物層が挾持されてなる有機電界発光素子において、該
有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式(I−
1)及び(I−2)で表される構造から選択される少な
くとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よりなる
電荷輸送性ポリマー(以下、「特定の電荷輸送性ポリマ
ー」と呼ぶことがある。)を1種以上含有することを特
徴とする有機電界発光素子である。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、A
5及びAr6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル
基、アルコキシル基、置換アミノ基、ハロゲン原子、置
換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の
アラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香
環を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素
原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、
置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香
環、又は1価の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それ
ぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、
Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭
素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは
0又は1を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上
の整数を表す。) <2> 透明電極上に、前記有機化合物層として、前記
一般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選
択される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し
単位よりなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有する正
孔輸送層と、発光層とをこの順に有する前記<1>に記
載の有機電界発光素子である。 <3> 前記有機化合物層が単層である前記<1>に記
載の有機電界発光素子である。 <4> 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸送材
料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する前記
<3>に記載の有機電界発光素子である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、
一つ又は複数の有機化合物層を有してなり、更に必要に
応じて、その他の層や部材を有してなる。
【0013】前記有機化合物層は、単層からなる場合に
は、その層中に、前記特定の電荷輸送性ポリマーを1種
以上含有し、2以上の複層からなる場合には、少なくと
も一層に、前記特定の電荷輸送性ポリマーを1種以上含
有する。まず、本発明の有機EL素子に関して、前記特
定の電荷輸送性ポリマーについて説明する。本発明にお
いて使用する前記特定の電荷輸送性ポリマーは、下記一
般式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択
される少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単
位よりなる正孔輸送材料である。
【0014】
【化3】
【0015】式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar
5及びAr6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル
基、アルコキシル基、置換アミノ基、ハロゲン原子、置
換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の
アラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香
環を表す。これらのなかでも、輸送能が高い点で、置換
もしくは未置換のアリール基(特に、フェニル基)が好
ましい。アリール基の有する置換基としては、例えば、
アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プロピ
ル基、n−プロピル基、t−ブチル基等)、アルコキシ
ル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基
等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基
等)、1価の多核芳香環、1価の縮合芳香環等が挙げら
れる。
【0016】式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立
に、水素原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリ
ール基、置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多
核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表す。これらのなか
でも、合成の点で、水素原子及びアルキル基(特に、メ
チル基)が好ましい。式中、X1及びX2は、それぞれ独
立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、kは0
又は1を表す。前記X1及びX2は、例えば以下の式
(1)〜(7)から選択される基が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0017】
【化4】
【0018】式中、R4は、水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基、置換もしくは未置換のフェニル基、又は置
換もしくは未置換のアラルキル基を表し、R5〜R
11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、置換もしくは
未置換のフェニル基、置換もしくは未置換のアラルキル
基、又はハロゲン原子を表し、aは0又は1を表し、V
は下記の式(8)〜(17)から選択される基を表す。
【0019】
【化5】
【0020】式中、bは1〜10の整数を表し、cは1
〜3の整数を表す。また、前記一般式(I−1)及び
(I−2)におけるTは、炭素数1〜6の2価の直鎖状
炭化水素基、又は炭素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化
水素基を表し、好ましくは炭素数が2〜6の2価の直鎖
状炭化水素基及び炭素数3〜7の2価の分枝鎖状炭化水
素基から選ばれる基である。具体的な構造例を以下に示
すが、これらに限定されるものではない。
【0021】
【化6】
【0022】本発明で用いられる前記特定の電荷輸送性
ポリマーは、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表
される構造から選択される少なくとも1種を部分構造と
して含む繰り返し単位よりなる。即ち、前記一般式(I
−1)及び(I−2)で表される構造から選択される1
種の構造のみを有するホモポリマー、前記一般式(I−
1)及び(I−2)で表される構造から選択される2種
以上の構造を有するコポリマー、あるいは、スチレン、
アクリル酸、メタクリル酸等の通常付加重合によってポ
リマーを形成する化合物との共重合で形成されるコポリ
マーのいずれであってもよい。好ましくは、前記一般式
(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択され
る1種の構造のみを有するホモポリマー、及び前記一般
式(I−1)及び(I−2)で表される構造から選択さ
れる2種以上の構造を有するコポリマーである。
【0023】前記一般式(I−1)及び(I−2)にお
けるm及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表
し、重合度は5〜100,000の整数であるが、好ま
しくは100〜10,000の整数である。また、重合
の比については特に限定されるものではない。また、重
量平均分子量Mwは、500〜2,000,000の範
囲が好ましく、1,000〜1,000,000の範囲
がより好ましい。下記表1〜表3に前記一般式(I−
1)で表される構造の具体例を示し、下記表4〜表5に
前記一般式(I−2)で表される構造の具体例を示す
が、これらに限定されるものではない。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】前記特定の電荷輸送性ポリマーは、下記一
般式(II−1)及び(II−2)で表される構造から
選択される少なくとも1種の電荷輸送性モノマーを、例
えば、第4版実験化学講座第28巻(丸善、199
2)、新高分子実験学第2巻(共立出版、1995)等
に記載された公知の方法で重合させることによって合成
することができる。
【0030】
【化7】
【0031】式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar
5及びAr6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル
基、アルコキシル基、置換アミノ基、ハロゲン原子、置
換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換の
アラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香
環を表し、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素
原子、アルキル基、置換もしくは未置換のアリール基、
置換もしくは未置換のアラルキル基、1価の多核芳香
環、又は1価の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それ
ぞれ独立に、置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、
Tは、炭素数1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭
素数2〜10の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは
0又は1を表し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上
の整数を表す。
【0032】即ち、前記一般式(I−1)及び(I−
2)で表される構造から選択される少なくとも1種を部
分構造として含む繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリ
マーは、次のようにして合成することができる。具体的
には、前記一般式(II−1)及び(II−2)で表さ
れる構造から選択される少なくとも1種の電荷輸送性モ
ノマーを、ラジカルを使用した溶液重合、乳化重合、懸
濁重合や、アニオン重合、カチオン重合等によって重合
することによって得られる。
【0033】ラジカルを使用した重合法の場合、モノマ
ーと重合開始剤を混合した系を、真空下もしくは窒素や
アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で、加熱もしくは光照
射することにより重合が行われる。前記重合開始剤とし
ては公知のものが用いられ、例えば、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジ−t−ブチル、過硫酸カリウム、ジイソプ
ロピルペルオキシジカルボナート、ジシクロペルオキシ
ジカルボナート等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBN)、アゾビス酪酸メチル、アゾ
ビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソブチ
ルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉
草酸等のアゾ系開始剤、クメンヒドロペルオキシドとF
e(II)塩、過酸化水素とFe(II)塩、過硫酸カ
リウム又は過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、過
塩素酸ナトリウムと亜硫酸ナトリウム及び硫酸セリウム
(IV)とアルコール又はアミン又はデンプン、過酸化
ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物とジメチル
アニリン等のレドックス系低温開始剤、過酸化水素やヒ
ドロペルオキシド等の過酸化物とAlEt2やBET2
ZnEt2等の有機金属化合物からなるレドックス系低
温開始剤、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイ
ンエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,
2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジ
ルジケトン、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニ
ル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)
オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン、ミヒラーズケ
トン、キサントン、チオキサントン、2−エチルアント
ラキノン、ローダミンB、エリトロシン、エオシン、ア
リザリン、リホブラフィン、ルミフラビン等の光増感剤
が挙げられる。これらの重合開始剤は、溶液重合の場合
はモノマーを溶解する溶媒に可溶なものが、乳化重合の
場合はモノマーに不溶で水に可溶なものが、懸濁重合の
場合はモノマーに可溶で水に不溶なものが選択される。
また、分子量や重合速度の制御のために禁止剤、抑制剤
及び連鎖移動剤を、乳化重合の場合には乳化剤を、懸濁
重合の場合には分散剤を、必要に応じ適宜加えてもよ
い。
【0034】また、アニオン重合の場合、モノマーと重
合開始剤を、真空下もしくは窒素やアルゴン等の不活性
ガス雰囲気下で混合して溶液重合することにより行われ
る。前記重合開始剤としては公知のものが用いられ、例
えば、LiやNaやK等のアルカリ金属、アルカリ金属
と多核もしくは縮合環系の芳香族炭化水素のアニオンラ
ジカル錯体、アルキルアルカリ金属化合物等が挙げられ
る。
【0035】また、カチオン重合の場合、モノマーと重
合開始剤を、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で
混合して溶液重合することにより行われる。前記重合開
始剤としては公知のものが用いられ、例えば、塩酸や硫
酸、トリフルオロ酢酸、CF 3SO3H、HClO4等の
プロトン酸、BF3やAlCl3やTiCl4やSnCl 4
等のルイス酸とプロトン酸や水やアルコール等のカチオ
ン源との混合物が挙げられる。また、光・熱によりカチ
オンを生成する化合物を用いてもよい。
【0036】次に、本発明の有機EL素子における有機
化合物層の層構成及び一対の電極について説明する。本
発明において、有機化合物層が一つの場合は、該有機化
合物層はキャリア輸送能を持つ発光層を意味する。ま
た、有機化合物層が複数の場合は、その一つが発光層で
あり、他の有機化合物層は、正孔輸送層、電子輸送層、
あるいは正孔輸送層と電子輸送層よりなるものを意味す
る。
【0037】図1及び図2は、本発明の有機EL素子の
層構成の一例を説明するための概略断面図である。本発
明は、これらの層構成に限定されるものではない。図1
は、有機化合物層が複数の場合の一例であり、透明絶縁
体基板1上に、透明電極2、正孔輸送層3、発光層4、
及び背面電極6がこの順に形成されている。図2は、有
機化合物層が1つの場合の例であり、透明絶縁体基板1
上に、透明電極2、キャリア輸送能を持つ発光層5、及
び背面電極6がこの順に形成されている。本発明で使用
される電極は、少なくとも一方が透明又は半透明である
陽極及び陰極よりなる一対の電極であればよい。
【0038】図1及び図2における透明絶縁体基板1
は、発光を取り出すため透明なものが好ましく、ガラ
ス、プラスチックフィルム等が用いられる。透明である
ということは、可視領域の光の透過率が10%以上であ
ることを示しており、更に透過率が75%以上であるこ
とが好ましい。
【0039】図1及び図2における透明電極2は、前記
透明絶縁体基板と同様に発光を取り出すため透明であっ
て、かつホールの注入を行うため仕事関数の大きなもの
がよく、仕事関数が4eV以上のものが好ましい。具体
例として、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ
(NESA)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の酸化膜、
及び蒸着或いはスパッタされた金、白金、パラジウム等
が用いられる。電極のシート抵抗は、低いほど好まし
く、数百Ω/□以下が好ましい。また、透明絶縁体基板
同様に、可視領域の光の透過率が10%以上で、更に透
過率が75%以上であることが好ましい。
【0040】前記特定の電荷輸送性ポリマーを含有する
有機化合物層は、図1に示される有機EL素子の層構成
の場合、正孔輸送層3であり、また、図2に示される有
機EL素子の層構成の場合、キャリア輸送能を持つ発光
層5である。尚、図1における発光層4が、前記特定の
電荷輸送性ポリマーを含有していてもよい。
【0041】図1に示される有機EL素子の層構成の場
合、正孔輸送層3は前記特定の電荷輸送性ポリマーの単
独で形成されていてもよいが、ホール移動度を調節する
ために他の正孔輸送材料を1重量%ないし50重量%の
範囲で分散させて形成されていてもよい。このような正
孔輸送材料としては、テトラフェニレンジアミン誘導
体、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導体、
スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体、ポルフィリ
ン系化合物等が挙げられるが、なかでもテトラフェニレ
ンジアミン誘導体が好ましい。また、他の汎用の樹脂と
の混合でもよい。
【0042】図1における発光層4には、固体状態で高
い蛍光量子収率を示す化合物が発光材料として用いられ
る。前記発光材料が有機低分子の場合、真空蒸着法もし
くは低分子と結着樹脂を含む溶液又は分散液を塗布・乾
燥することにより、良好な薄膜形成が可能であることが
条件である。また、高分子の場合、それ自身を含む溶液
又は分散液を塗布・乾燥することにより良好な薄膜形成
が可能であることが条件である。好適には、有機低分子
の場合、キレート型有機金属錯体、多核又は縮合芳香環
化合物、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、スチリルア
リーレン誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導
体、オキサチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体
等が、高分子の場合、ポリパラフェニレン誘導体、ポリ
パラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導
体、ポリアセチレン誘導体等が用いられる。前記発光材
料の好適な具体例として、下記の化合物(IV−1)〜
(IV−15)が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。尚、n及びxは、それぞれ独立に、1以上
の整数を表す。
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】また、有機EL素子の耐久性向上或いは発
光効率の向上を目的として、上記の発光材料中にゲスト
材料として発光材料と異なる色素化合物をドーピングし
てもよい。真空蒸着によって発光層を形成する場合、共
蒸着によってドーピングを行い、溶液又は分散液を塗布
・乾燥することで発光層を形成する場合、溶液又は分散
液中に混合することでドーピングを行う。発光層中にお
ける色素化合物のドーピングの割合としては0.001
〜40重量%程度、好ましくは0.001〜10重量%
程度である。このようなドーピングに用いられる色素化
合物としては、発光材料との相容性がよく、かつ発光層
の良好な薄膜形成を妨げない有機化合物が用いられ、好
適にはDCM誘導体、キナクリドン誘導体、ルブレン誘
導体、ポルフィリン等が用いられる。前記色素化合物の
好適な具体例として、下記の化合物(V−1)〜(V−
4)が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0046】
【化10】
【0047】また、発光材料として、真空蒸着や溶液又
は分散液を塗布・乾燥することが可能であるが良好な薄
膜とならないものや、明確な電子輸送性を示さないもの
を用いる場合には、有機EL素子の耐久性向上或いは発
光効率の向上を目的として、発光層4と背面電極6との
間に電子輸送層を挿入してもよい。このような電子輸送
層に用いられる電子輸送材料としては、真空蒸着法によ
り良好な薄膜形成が可能な有機化合物が好ましく、好適
にはオキサジアゾール誘導体、ニトロ置換フルオレノン
誘導体、ジフェノキノン誘導体、チオピランジオキシド
誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体等が用いられ
る。前記電子輸送材料の好適な具体例として、下記の化
合物(VI−1)〜(VI−3)が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0048】
【化11】
【0049】図2に示される有機EL素子の層構成の場
合、キャリア輸送能を持つ発光層5は、少なくとも前記
特定の電荷輸送性ポリマー中に発光材料を50重量%以
下分散させた有機化合物層であり、発光材料としては前
記例示した化合物(IV−1)〜(IV−15)が好適
に用いられるが、有機EL素子に注入されるホールと電
子のバランスを調節するために電子輸送材料を10〜5
0重量%分散させてもよく、或いはキャリア輸送能を持
つ発光層5と背面電極6との間に、電子輸送材料よりな
る電子輸送層を挿入してもよい。このような電子輸送材
料としては、前記特定の電荷輸送性ポリマーと強い電子
相互作用を示さない有機化合物が用いられ、好適には下
記の化合物(VII)が用いられるが、これに限られるも
のではない。同様にホール移動度を調節するために、他
の正孔輸送材料、例えばテトラフェニレンジアミン誘導
体を適量同時に分散させて用いてもよい。また、発光材
料と異なる色素化合物をドーピングしてもよい。
【0050】
【化12】
【0051】図1及び図2における背面電極6には、真
空蒸着可能で、電子注入を行うため仕事関数の小さな金
属が使用されるが、特に好ましくはマグネシウム、アル
ミニウム、銀、インジウム及びこれらの合金である。
【0052】これら本発明の有機EL素子において、前
記正孔輸送層3は、前記特定の電荷輸送性ポリマー、更
に必要に応じて、他の正孔輸送材料を用い、前記キャリ
ア輸送能を持つ発光層5は、前記特定の電荷輸送性ポリ
マー、発光材料、更に必要に応じて、色素化合物、電子
輸送材料、他の正孔輸送材料を用い、有機溶媒中に溶解
或いは分散し、得られた塗布液を用いて前記透明電極2
上にスピンコーティング法、ディップ法等を用いて製膜
することによって形成される。正孔輸送層3、発光層4
及びキャリア輸送能を持つ発光層5の膜厚は、それぞれ
0.03〜2μmが好ましい。発光材料の分散状態は、
分子分散状態でも微粒子分散状態でも構わない。分子分
散状態とするためには、分散溶媒は前記特定の電荷輸送
性ポリマー、発光材料、電子輸送材料、他の正孔輸送材
料の共通溶媒を用いる必要があり、微粒子分散状態とす
るためには、分散溶媒は発光材料の分散性と、電子輸送
材料、前記特定の電荷輸送性ポリマー及び他の正孔輸送
材料の溶解性を考慮して選択する必要がある。微粒子状
に分散するためには、ボールミル、サンドミル、ペイン
トシェイカー、アトライター、ホモジェナイザー、超音
波法等が利用できる。
【0053】次いで、上記のようにして形成された前記
特定の電荷輸送性ポリマーを含有する有機化合物層上
に、各有機EL素子の層構成に応じて、それぞれ、発光
材料、電子輸送材料、背面電極を真空蒸着法を用いて形
成する。それにより容易に有機EL素子を作製すること
が可能である。積層する電子輸送能を持つ発光層及び電
子輸送層の膜厚は、各々0.3μm以下が好ましく、
0.03〜0.1μmがより好ましい。本発明の有機E
L素子は、一対の電極間に、例えば、4〜20Vで、電
流密度1〜200mA/cm2の直流電圧を印加するこ
とによって発光させることができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。本実
施例で用いた前記特定の電荷輸送性ポリマーは、以下の
ように合成した。
【0055】[合成例1]下記化合物(VIII)5.0
gをトルエン15ml中に溶解した溶液に、窒素気流下
において60℃にてアゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)50mgを添加し、5時間反応させた。更に、8
0℃にて3時間反応を続けた後、反応液をメタノール3
00mlに滴下し、ポリマーを析出させた。得られたポ
リマーを濾取し乾燥させた後、テトラヒドロフラン(T
HF)30mlに溶解し、この溶液をメタノール300
mlに滴下する再沈殿を3回繰り返すことによって、表
4中No.49の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー
の精製品3.5gを得た。収率は68%であった。分子
量はGPCにて測定し、Mw=6.80×104(スチ
レン換算)であり、モノマーの分子量から求めたnは約
105であった。
【0056】
【化13】
【0057】(実施例1)図1に示す構成と同様の有機
EL素子を作製した。合成例1で得られた電荷輸送性ポ
リマー(Mw=6.80×104)の5重量%ジクロロ
エタン溶液を調製し、0.1μmのポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)フィルターで濾過した。この溶液
を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングに
より形成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電
極2を形成したもの)上に、ディップ法により塗布し、
膜厚約0.1μmの正孔輸送層3(有機化合物層)を形
成した。充分乾燥させた後、発光材料として昇華精製し
た前記例示化合物(IV−1)をタングステンボートに
入れ、真空蒸着法により蒸着して、正孔輸送層3上に膜
厚0.05μmの発光層4(有機化合物層)を形成し
た。この時の真空度は1.33×10-3Pa、ボート温
度は300℃であった。続いてMg−Ag合金を共蒸着
により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電極
6をITO電極と交差するように形成した。作製した有
機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0058】(実施例2)図2に示す構成と同様の有機
EL素子を作製した。合成例1で得られた電荷輸送性ポ
リマー(Mw=6.80×104)1重量部、及び発光
材料である前記例示化合物(IV−1)1重量部を混合
し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μ
mのPTFEフィルターで濾過した。この溶液を用い
て、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形
成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電極2を
形成したもの)上に、ディップ法により膜厚約0.15
μmのキャリア輸送能を持つ発光層5(有機化合物層)
を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸
着により蒸着して、2mm幅、0.15μm厚の背面電
極6をITO電極と交差するように形成した。作製した
有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0059】(実施例3)図2に示す構成と同様の有機
EL素子を作製した。合成例1で得られた電荷輸送性ポ
リマー(Mw=6.80×104)2重量部、色素化合
物である前記例示化合物(V−1)0.1重量部、及び
電子輸送材料である前記例示化合物(VI−1)1重量
部を混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、
0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この溶液
を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチングに
より形成したガラス基板(透明絶縁体基板1上に透明電
極2を形成したもの)上に、ディップ法により塗布し
て、膜厚約0.15μmのキャリア輸送能を持つ発光層
5(有機化合物層)を形成した。充分乾燥させた後、M
g−Ag合金を共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.
15μm厚の背面電極6をITO電極と交差するように
形成した。作製した有機EL素子の有効面積は0.04
cm2であった。
【0060】(実施例4)実施例1において、表1中N
o.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=
4.80×104)を用いた以外は、実施例1と同様に
して有機EL素子を作製した。
【0061】(実施例5)実施例2において、表1中N
o.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=
4.80×104)を用いた以外は、実施例2と同様に
して有機EL素子を作製した。
【0062】(実施例6)実施例3において、表1中N
o.4の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw=
4.80×104)を用いた以外は、実施例3と同様に
して有機EL素子を作製した。
【0063】(実施例7)実施例1において、表2中N
o.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw
=5.20×104)を用いた以外は、実施例1と同様
にして有機EL素子を作製した。
【0064】(実施例8)実施例2において、表2中N
o.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw
=5.20×104)を用いた以外は、実施例2と同様
にして有機EL素子を作製した。
【0065】(実施例9)実施例3において、表2中N
o.37の構造単位を有する電荷輸送性ポリマー(Mw
=5.20×104)を用いた以外は、実施例3と同様
にして有機EL素子を作製した。
【0066】(比較例1)下記構造式(IX)で表され
る正孔輸送材料を1重量部、発光材料である前記例示化
合物(IV−1)を1重量部、及び結着樹脂としてポリ
メチルメタクリレート(PMMA)を1重量部混合し、
10重量%ジクロロエタン溶液を調製し、0.1μmの
PTFEフィルターで濾過した。この溶液を用いて、2
mm幅の短冊型ITO電極をエッチングにより形成した
ガラス基板上に、ディップ法により塗布して、膜厚0.
15μmのキャリア輸送能を持つ発光層を形成した。充
分乾燥させた後、Mg−Ag合金を共蒸着により蒸着し
て、2mm幅、0.15μm厚の背面電極をITO電極
と交差するように形成した。作製した有機EL素子の有
効面積は0.04cm2であった。
【0067】
【化14】
【0068】(比較例2)電荷輸送性ポリマーとしてポ
リビニルカルバゾール(PVK)を2重量部、色素化合
物である前記例示化合物(V−1)を0.1重量部、及
び電子輸送材料である前記例示化合物(VI−1)を1
重量部混合し、10重量%ジクロロエタン溶液を調製
し、0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。この
溶液を用いて、2mm幅の短冊型ITO電極をエッチン
グにより形成したガラス基板上に、ディップ法により塗
布して、膜厚約0.15μmのキャリア輸送能を持つ発
光層を形成した。充分乾燥させた後、Mg−Ag合金を
共蒸着により蒸着して、2mm幅、0.15m厚の背面
電極をITO電極と交差するように形成した。作製した
有機EL素子の有効面積は0.04cm2であった。
【0069】以上のように作製した有機EL素子を、真
空中(0.133Pa)でITO電極側をプラス(陽
極)、Mg−Ag背面電極をマイナス(陰極)として直
流電圧を印加し、発光について測定を行い、このときの
最高輝度、及び発光色を評価した。それらの結果を下記
表6に示す。また、乾燥窒素中で有機EL素子の発光寿
命の測定を行った。発光寿命の評価は、初期輝度が50
cd/m2となるように電流値を設定し、定電流駆動に
より輝度が初期値から半減するまでの時間を素子寿命
(hour)とした。この時の駆動電流密度を素子寿命
と共に下記表6に示す。
【0070】
【表6】
【0071】表6の結果から、前記特定の電荷輸送性ポ
リマーを用いた実施例1〜9の本発明の有機EL素子
は、高輝度であり、素子寿命が長いことがわかる。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、製造が容易で十分な輝
度が得られ、耐久性に優れた有機電界発光素子を提供す
ることができる。前記特定の電荷輸送性ポリマーは、有
機EL素子に好適なイオン化ポテンシャル及びホール移
動度を持ち、また、スピンコーティング法、ディップ法
等を用いて良好な薄膜を形成することができ、これを用
いて形成された本発明の有機EL素子は、十分に高い輝
度を示し、また、膜厚を比較的厚く設定できるため、ピ
ンホール等の不良が少なく、大面積化も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機電界発光素子の一例を示す概略
断面図である。
【図2】 本発明の有機電界発光素子の他の一例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
1 透明絶縁体基板 2 透明電極 3 正孔輸送層(有機化合物層) 4 発光層(有機化合物層) 5 キャリア輸送能を持つ発光層(有機化合物層) 6 背面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣瀬 英一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 関 三枝子 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 真下 清和 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 阿形 岳 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 佐藤 克洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB11 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明又は半透明である
    陽極及び陰極よりなる一対の電極間に、一つ又は複数の
    有機化合物層が挾持されてなる有機電界発光素子におい
    て、該有機化合物層の少なくとも一層が、下記一般式
    (I−1)及び(I−2)で表される構造から選択され
    る少なくとも1種を部分構造として含む繰り返し単位よ
    りなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含有することを特
    徴とする有機電界発光素子。 【化1】 (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6
    は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキ
    シル基、置換アミノ基、ハロゲン原子、置換もしくは未
    置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキル
    基、1価の多核芳香環、又は1価の縮合芳香環を表し、
    1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、アル
    キル基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしく
    は未置換のアラルキル基、1価の多核芳香環、又は1価
    の縮合芳香環を表し、X1及びX2は、それぞれ独立に、
    置換又は未置換の2価の芳香族基を表し、Tは、炭素数
    1〜6の2価の直鎖状炭化水素基、又は炭素数2〜10
    の2価の分枝鎖状炭化水素基を表し、kは0又は1を表
    し、m及びnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表
    す。)
  2. 【請求項2】 透明電極上に、前記有機化合物層とし
    て、前記一般式(I−1)及び(I−2)で表される構
    造から選択される少なくとも1種を部分構造として含む
    繰り返し単位よりなる電荷輸送性ポリマーを1種以上含
    有する正孔輸送層と、発光層とをこの順に有する請求項
    1に記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 前記有機化合物層が単層である請求項1
    に記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 前記有機化合物層が、発光材料、正孔輸
    送材料、及び電子輸送材料の少なくとも1種を含有する
    請求項3に記載の有機電界発光素子。
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