JPH05263073A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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Publication number
JPH05263073A
JPH05263073A JP4060148A JP6014892A JPH05263073A JP H05263073 A JPH05263073 A JP H05263073A JP 4060148 A JP4060148 A JP 4060148A JP 6014892 A JP6014892 A JP 6014892A JP H05263073 A JPH05263073 A JP H05263073A
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JP
Japan
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group
benzene
light emitting
hole transport
organic
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Pending
Application number
JP4060148A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Onishi
敏博 大西
Masanobu Noguchi
公信 野口
Masato Kuwabara
眞人 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05263073A publication Critical patent/JPH05263073A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱的安定性が良好な有機エレクトロルミネッセ
ンス素子を提供する。 【構成】 有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸
送性材料として、1,4−ビス(ジフェニルアミノメチ
ル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(N−メチ
ルフェニルアミノメチル)ベンゼン、4,4' −ビス
(ジフェニルアミノメチル)ビフェニル等の芳香族環に
特定のアミノメチル基が置換された芳香族アミン化合物
を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機エレクトロルミネッ
センス素子に関するものである。詳しくは正孔輸送材料
としてアミノメチル基を有する芳香族化合物を用いた有
機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無機エレクトロルミネッセンス素子は、
従来、例えばバックライトとしての面状光源,フラット
パネルディスプレイ等の表示装置等に用いられている
が、発光させるのに高電圧の交流が必要であった。最
近、Tangらは有機蛍光色素を発光層とし、それにト
リフェニルジアミン誘導体よりなる正孔輸送層を積層し
た2層構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子
(以下有機EL素子という)を作製し、低電圧直流駆
動、高効率、高輝度の有機EL素子を実現させた(特開
昭59−194393号公報)。有機EL素子は無機E
L素子に比べ、低電圧駆動,高輝度、加えて多数の色の
発光が容易に得られるという特長があることから、素子
構造や有機蛍光色素、有機電荷輸送化合物について多く
の試みが報告されている(ジャパニーズ・ジャーナル・
オブ・アプライド・フィジックス(Jpn.J.App
l.Phys.) 27巻、L269(1988年)〕、
〔ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J.
Appl.Phys.)第65巻、3610頁(198
9年) 〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】また、これまで報告さ
れてきた有機EL素子は高輝度ではあるが、発光素子の
寿命が短いという問題がある。その理由としては素子の
発熱により有機層の構造変化が生じ、劣化することが言
われている。そのため熱的に安定な有機層を構成する正
孔輸送材料が求められていた。本発明の目的は熱安定性
に優れた有機EL素子を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、有機EL
素子の耐熱性向上を鋭意検討した結果、正孔輸送性材料
として、ベンゼン環を骨格に持つ芳香族アミン化合物の
なかで、2つ以上のアミノメチル基を含有する化合物を
用いることにより、有機EL素子の熱的安定性が改良さ
れることを見い出し、本発明に至った。
【0005】すなわち、本発明は、少なくとも一方が透
明または半透明である一対の電極間に少なくとも発光材
料および正孔輸送性材料を含む発光層、または少なくと
も発光層と正孔輸送性材料を含む正孔輸送層を有する有
機エレクトロルミネッセンス素子において、該正孔輸送
性材料として、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、ア
ントラセンから選ばれる芳香族環に下記化3および化4
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】 (上記化1および化2中、R1 〜R15、R17〜R28およ
びR30〜R37はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜12の
アルキル基およびアルコキシ基、炭素数6〜14のアリ
ール基およびアリールオキシ基、ニトロ基ならびに複素
環化合物基から選ばれた基、R16、R29はそれぞれ独立
に水素、炭素数1〜12のアルキル基から選ばれた基)
から選ばれた少なくとも1種のアミノメチル基を少なく
とも2個有する芳香族アミン化合物を用いることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子を提供するこ
とにある。以下、本発明による有機EL素子について詳
細に説明する。
【0008】本発明に使用される発光材料としては特に
限定されず、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン
およびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体、ポリメ
チン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの
色素類、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金
属錯体、芳香族アミン類、テトラフェニルシクロペンタ
ジエンおよびその誘導体、テトラフェニルブタジエンお
よびその誘導体等、特開昭57−51781号、同59
−194393号公報等に記載されている公知のものが
使用可能である。
【0009】さらに、特開平3ー71453号公報に記
載の共役鎖長の比較的短いポリ(p−フェニレンビニレ
ン)、ポリ(2,5−ジヘプチルオキシ−p−フェニレ
ンビニレン)などの共役系高分子も発光材料として用い
ることができる。
【0010】これら発光材料は公知の方法、例えば真空
蒸着法、あるいは溶液に溶かした後のスピンコーテイン
グ法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート
法、ロールコート法などの塗布法等を用いる化合物に応
じて適宜採用するにより発光層を形成することができ
る。発光材料が高分子化合物でない場合、膜厚の微妙な
制御を行うという点では真空蒸着法を用いることが好ま
しい。
【0011】本発明に用いられる正孔輸送性材料として
は前記したように、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレ
ン、アントラセンから選ばれる芳香族環に化3および化
4から選ばれたアミノメチル基が置換した芳香族アミン
化合物である。この中でベンゼン、ビフェニルが反応の
容易さから好ましい。置換基は前記化3または化4で表
わされるジフェニルアミノメチル基、フェニルアミノメ
チル基、N−アルキルフェニルアミノメチル基、ジ−2
−ピリジルアミノメチル基、2−ピリジルアミノメチル
基、N−アルキル−2−ピリジルアミノメチル基、N−
カルバゾイルメチル基、およびそれらの基のフェニル
基、2−ピリジル基に炭素数1〜12のアルキルまたは
アルコキシ基、炭素数6〜14のアリールまたはアリー
ルオキシ基またはニトロ基、複素環化合物基が核置換さ
れた誘導体である。また、R16、R29はそれぞれ独立に
水素、炭素数1〜12のアルキル基である。これらのな
かでは成膜性が良好なジフェニルアミノメチル基および
その誘導体、およびジ−2−ピリジルアミノメチル基お
よびその誘導体、N−アルキルフェニルアミノメチル基
およびその誘導体が好ましい。
【0012】ここで、炭素数1〜12のアルキル基とし
ては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オ
クチルなどであり、メチル、エチルが好ましい。または
炭素数1〜12のアルコキシ基としてはメトキシ、エト
キシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘプトキシなどであり、
メトキシ、エトキシが好ましい。アリール基としてはフ
ェニル基、4−C1 〜C6 アルキルフェニル基、4−C
1 〜C6 アルコキシフェニル基(、1−ナフタレン基、
2−ナフタレン基、アリールオキシ基としてはフェノキ
シ基、4−C1 〜C6 アルキルフェノキシ基、4−C1
〜C6 アルコキシフェノキシ基が例示される。複素環化
合物基としては2−チエニル基、2−ピリジル基、3−
ピリジル基、4−ピリジル基が例示される。また、N−
アルキルフェニルアミノメチル基やN−アルキル−2−
ピリジルアミノメチル基において用いられるアルキル基
は炭素数1〜12のアルキル基であり、メチル基、エチ
ル基が好ましい。
【0013】また、上記化3および化4のアミノメチル
置換基の数は特に限定されないが、合成等の容易さか
ら、通常ベンゼン環の場合は2〜4個が好ましく、ビフ
ェニル、ナフタレン、アントラセン環の場合は2〜6個
が好ましく、2〜4個が特に好ましい。
【0014】具体的な化合物として1,4−ビス(N,
N−ジフェニルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス
(N,N−ジ−2−ピリジルアミノメチル)ベンゼン、
1,4−ビス(N−カルバゾイルメチル)ベンゼン、
1,4−ビス(N−メチル−N−フェニルアミノメチ
ル)ベンゼン、1,4−ビス(N−メチル−N−2−ピ
リジルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N
−ジ−4−メチルフェニルアミノメチル)ベンゼン、
1,4−ビス(N,N−ジ−2,5−キシリルアミノメ
チル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N−ジ−4−ビフ
ェニルアミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(N,N
−ジ−3−ニトロ−フェニルアミノメチル)ベンゼン、
1,4−ビス(N−メチル−N−4(2−チエニル)フ
ェニルアミノメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス
(N,N−ジフェニルアミノメチル)ベンゼン、1,
2,4−トリス(N−メチル−N−フェニルアミノメチ
ル)ベンゼン、1,2,4−トリス(N,N−ジ−2−
ピジリジルアミノメチル)ベンゼン、1,2,4−トリ
ス(N,N−ジ−4−トリルアミノメチル)ベンゼン、
1,2,4−トリス(N−カルバゾイルメチル)ベンゼ
ン、1,2,4−トリス(N,N−ジ−3−ニトロ−フ
ェニルアミノメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス
(N−メチル−N−4(2−チエニル)フェニルアミノ
メチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(N,
N−ジフェニルアミノメチル)ベンゼン、1,2,4,
5−テトラキス(N,N−ジ−4−メチルフェニルアミ
ノメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(N
−メチル−N−フェニルアミノメチル)ベンゼン、1,
2,4,5−テトラキス(N,N−ジ−2−ピリジルア
ミノメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス
(N−カルバゾイルメチル)ベンゼン、4,4’−ビス
(N,N−ジフェニルアミノメチル)ビフェニル、4,
4’−ビス(N,N−ジ−2,5−キシリルアミノメチ
ル)ビフェニル、4,4’−ビス(N,N−ジ−2−ピ
リジルアミノメチル)ビフェニル、3,5,3’,5’
−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノメチル)ビフ
ェニル、3,5,3’,5’−テトラキス(N,N−ジ
−2−ピリジルアミノメチル)ビフェニル、2,3,
6,7−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノメチ
ル)−ナフタレン、2,3,6,7−テトラキス(N,
N−ジ−2−ピリジルアミノメチル)−ナフタレン、
2,3,6,7−テトラキス(N,N−ジフェニルアミ
ノメチル)−アントラセン、2,3,6,7−テトラキ
ス(N,N−ジ−2−ピリジルアミノメチル)−アント
ラセンなどが例示される。これらの中で1,4−ビス
(N,N−ジフェニルアミノメチル)ベンゼン、1,4
−ビス(N,N−ジ−2−ピリジルアミノメチル)ベン
ゼン、1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジフェニ
ルアミノメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキ
ス(N−メチル−N−フェニルアミノメチル)ベンゼ
ン、1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジ−2−ピ
リジルアミノメチル)ベンゼン、4,4’−ビス(N,
N−ジフェニルアミノメチル)ビフェニルが好ましい。
また、上記の芳香族アミン化合物は単独で、または2種
以上混合して用いることができる。
【0015】本発明において正孔輸送材料として使用さ
れる芳香族アミン化合物の合成法としては特に限定され
ず、公知の方法を利用することができる。例えば、所定
の位置にハロゲン化メチル置換基を有するベンゼン、ナ
フタレン、ビフェニルまたはアントラセン誘導体と、相
当するアミン、カルバゾールを反応させて合成すること
ができる。また、これらの化合物を有機EL素子の正孔
輸送層として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、合成後、再沈精製、昇華精製等の純化をす
ることが望ましい。
【0016】上記芳香族アミン化合物を含む正孔輸送層
は、真空蒸着法、あるいは溶液に溶かした後のスピンコ
ーティング法、キャスティング法、ディッピング法、バ
ーコート法、ロールコート法等の塗布法等公知の方法で
形成することができる。なお、塗布法により薄膜化した
場合には、溶媒を除去するため、減圧下あるいは不活性
雰囲気下、30〜200℃、好ましくは60〜100℃
の温度で熱処理することが望ましい。膜厚の微妙な制御
を行うという点では真空蒸着法を用いるのが好ましい。
【0017】また、本発明においては、これら正孔輸送
性の芳香族アミン化合物を既知の高分子を媒体としてこ
れに分散した層として用いることも含まれる。高分子化
合物としては、特に限定されないが、正孔輸送性を極度
に阻害しないものが好ましく、例えば、ポリ(N−ビニ
ルカルバゾール)、ポリアニリン及びその誘導体、ポリ
チオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニ
レン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニ
レン)及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリシロキ
サン、ならびにポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニ
ル系重合体、ポリエーテルスルホンなどが例示される。
なお、ここでポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリア
ニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導
体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、
ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体は
正孔輸送性化合物としての作用も有する。また本発明に
おいては、本発明の目的を損なわない限りにおいて、こ
れら正孔輸送性の上記芳香族アミン化合物に既知の正孔
輸送性の芳香族アミン化合物を分散させた層として用い
ることも含まれる。既知の芳香族アミン化合物として
は、特に限定されないが、例えば、4, 4’ービス(N
−3−メチルフェニル−N−フェニルアミノ)ビフェニ
ル、1, 3, 5ートリス(N,N−ジフェニルアミノ)
ベンゼン及びそれらの誘導体が例示される。
【0018】高分子媒体との混合層の形成は高分子およ
び該芳香族アミン化合物を溶液状態または溶融状態で混
合し、芳香族アミン化合物を分散させた後、上記の塗布
法を用いて行うことができる。この場合、高分子に分散
させる芳香族アミンの量に特に制限はないが、高分子1
00重量部に対して通常1〜200重量部、好ましくは
10〜100重量部である。
【0019】ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその
誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその
誘導体などの共役系高分子の前駆体高分子を使用した場
合は溶液状態で該芳香族アミン化合物と混合後、不活性
雰囲気下、30〜200℃、好ましくは60〜100℃
の温度で熱処理を行い、前駆体高分子を共役系高分子に
変換させる。
【0020】本発明においては、前記正孔輸送性の芳香
族アミン化合物と前記発光材料とを既知の高分子を媒体
とし、これに分散した層として用いることも可能であ
る。発光材料と正孔輸送性材料の混合比は特に限定され
ないが、好ましくは0.1:100〜1:1(重量)の
範囲であり、高分子とこれら材料の和との比も特に限定
されないが、好ましくは100:0.01〜1:3(重
量)の範囲である。この場合、使用の高分子化合物は前
述のもので可視光に対する吸収が強くないものが好適に
用いられる。具体的にはポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリ(p−フェ
ニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエ
ニレンビニレン)及びその誘導体、ポリカーボネート、
ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホ
ン、ポリシロキサンなどが例示される。混合層の形成は
上記と同様な手法が採用できる。また、これらの層を一
層のみで使用することができるが、必要に応じて公知の
電子輸送性材料の層を設けてもよい。
【0021】本発明の有機EL素子の構造について以下
に述べる。素子の構造としては、これまで述べた陽極/
正孔輸送層/発光層/陰極(/は層を積層したことを示
す)、あるいは陽極/正孔輸送・発光層/陰極(・は混
合したことを示す)の構造以外に、陽極と正孔輸送層と
の間に導電性高分子層を有する組み合わせの構造をとる
こともできるし、発光層と陰極との間に電子輸送層を有
する組み合わせの構造をとることもできる。更に、陽極
/導電性高分子/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰
極の構造をとることもでき、また、場合によっては異な
る正孔輸送材料を用い、各材料のそれぞれについて正孔
輸送層とし、適宜積層することもできるなど、本発明の
範囲内で改変も可能である。
【0022】有機EL素子の作製について陽極/正孔輸
送層/発光層/陰極の構造のものを例にとって作製法を
以下に述べる。一対の電極で透明または半透明な電極と
してはガラス、透明プラスチック等の透明基板の上に透
明または半透明電極を形成する。これを陽極とする。電
極の材料としては導電性の金属酸化物膜、半透明の金属
薄膜等が用いられる。具体的にはインジウム・スズ・オ
キサイド (ITO) 、酸化スズ(NESA)、Au、P
t、Ag、Cu等が用いられる。作製方法としては、真
空蒸着法、スパッタリング法、メッキ法などが用いられ
る。
【0023】次いで前記の正孔輸送層を設けるが、膜厚
としては5Å〜10μm、好ましくは10Å〜1μmで
ある。電流密度を上げて発光輝度を上げるためには20
〜2000Åの範囲が好ましい。
【0024】次に正孔輸送層の上に発光層を設けるが、
発光層の膜厚は、少なくともピンホールが発生しないよ
うな厚みが必要であるが、あまり厚いと素子の抵抗が増
加し、高い駆動電圧が必要となり好ましくない。したが
って、発光層の膜厚は5Å〜10μm、好ましくは10
Å〜1μm、さらに好ましくは50〜2000Åであ
る。なお、正孔輸送性材料と発光材料との混合層の場合
もこの範囲が好ましい。
【0025】次いで、発光層の上に電極を設ける。この
電極は電子注入陰極となる。その材料としては、特に限
定されないが、仕事関数の小さい材料が好ましい。例え
ば、Al、In、Mg、Mg−Ag合金、Mg−In合
金、グラファイト薄膜等が用いられる。陰極の作製方法
としては公知の真空蒸着法,スパッタリング法等が用い
られる。
【0026】上記のようにして本発明の有機EL素子を
作製することができるが、別の構造のものについても同
様な方法で作製が可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 スパッタリングにより200Åの厚みでITO膜を付け
たガラス基板に正孔輸送層として1,4−ビス(N,N
−ジフェニルアミノメチル)ベンゼンを3×10-6To
rrの真空下で蒸着により920Åの厚みで成膜した。
次いで、その上に発光層としてトリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム(以下Alq3)を1000Å、更にそ
の上に陰極としてインジウムを6000Å蒸着して有機
EL素子を作製した。蒸着のときの真空度はすべて3×
10-6Torr以下であった。この素子に電圧30Vを
印加したところ、電流密度79mA/cm2 の電流が流
れ、輝度42cd/m2 の緑色のEL発光が観察され
た。輝度は電流密度に比例していた。この素子を真空中
で80℃まで加熱したものの蛍光スペクトルを分光蛍光
光度計(日立(株)製、850型分光蛍光光度計)によ
り測定したが蛍光スペクトルのピーク強度に大きな変化
は見られなかった。なお、1,4−ビス(N,N−ジフ
ェニルアミノメチル)ベンゼンの融点をSSC5020
熱分析システム(セイコー電子工業(株)製)で測定し
たところ融点は176℃であった。
【0029】実施例2 スパッタリングにより200Åの厚みでITO膜を付け
たガラス基板に正孔輸送層として1,2,4,5−テト
ラキス(N−メチル−N−フェニルアミノメチル)ベン
ゼンを3×10-6Torrの真空下で蒸着により990
Åの厚みで成膜した。次いで、その上に発光層としてA
lq3 を1000Å、更にその上に陰極としてインジウ
ムを6000Å蒸着して有機EL素子を作製した。蒸着
のときの真空度はすべて3×10-6Torr以下であっ
た。この素子に電圧32Vを印加したところ、電流密度
20mA/cm2 の電流が流れ、輝度35cd/m2
緑色のEL発光が観察された。輝度は電流密度に比例し
ていた。この素子を真空中で加熱しながら電圧を印加し
たところ100℃でも5cd/m2 のEL発光が観察さ
れた。また、実施例1と同様にこの素子を真空中で80
℃まで加熱したが蛍光スペクトルに大きな変化が見られ
なかった。なお、1,2,4,5−テトラキス(N−メ
チル−N−フェニルアミノメチル)ベンゼンの融点を実
施例1と同様に測定したところ199℃であった。
【0030】実施例3 スパッタリングにより200Åの厚みでITO膜を付け
たガラス基板に正孔輸送層として4,4' −ビス(N,
N−ジフェニルアミノメチル)ビフェニルを3×10-6
Torrの真空下で蒸着により600Åの厚みで成膜し
た。次いで、その上に発光層としてAlq3 を400
Å、更にその上に陰極としてインジウムを6000Å蒸
着して有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度は
すべて3×10-6Torr以下であった。この素子に電
圧30Vを印加したところ、電流密度3.6mA/cm
2 の電流が流れ、輝度11.7cd/m2 の緑色のEL
発光が観察された。輝度は電流密度に比例していた。こ
の素子を真空中で加熱しながら電圧を印加したところ1
00℃でも5cd/m2 のEL発光が観察された。ま
た、この素子を実施例1と同様に真空中で80℃まで加
熱したが蛍光スペクトルに大きな変化が見られなかっ
た。なお、4,4' −ビス(N,N−ジフェニルアミノ
メチル)ビフェニルの融点を実施例1と同様に測定した
ところ232℃であった。上記の結果より、この有機E
L素子は良好な熱安定性を有していると判定した。
【0031】実施例4 スパッタリングにより200Åの厚みでITO膜を付け
たガラス基板に正孔輸送層として1,2,4−トリス
(N,N−ジフェニルアミノメチル)ベンゼンを3×1
-6Torrの真空下で蒸着により600Åの厚みで成
膜した。次いで、その上に発光層としてAlq3 を40
0Å、更にその上に陰極としてインジウムを6000Å
蒸着して有機EL素子を作製した。蒸着のときの真空度
はすべて3×10-6Torr以下であった。この素子に
電圧43Vを印加したところ、電流密度1.2mA/c
2 の電流が流れ、輝度25cd/m2 の緑色のEL発
光が観察された。輝度は電流密度に比例していた。この
素子を真空中で加熱しながら電圧を印加したところ80
℃でも28cd/m2 のEL発光が観察された。また、
この素子を実施例1と同様に真空中で80℃まで加熱し
たが蛍光スペクトルに大きな変化が見られなかった。
【0032】比較例 実施例1の1,4−ビス(N,N−ジフェニルアミノメ
チル)ベンゼンの代わりに4,4’−ビス(N−3−メ
チルフェニル−N−フェニルアミノ)ビフェニルを用い
て実施例1と同様にして有機EL素子を作成した。この
素子を真空中で加熱しながら電圧を印加したところ80
℃でEL発光が極めて弱くなり、100℃では全く発光
しなかった。また、この素子を真空中で60℃まで加熱
した後に実施例1と同様にして蛍光スペクトルを測定し
たところ、室温の蛍光スペクトル強度と比較して大きく
変化した。なお、4,4’−ビス(N−3−メチルフェ
ニル−N−フェニルアミノ)ビフェニルの融点を実施例
1と同様に測定したところ融点は169℃であった。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機EL
素子は、従来のものに比較して熱的安定性が向上し、発
光素子の寿命の延長を図ることができ、バックライトと
しての面状光源,フラットパネルディスプレイ等の表示
装置に好適に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明または半透明である
    一対の電極間に少なくとも発光材料および正孔輸送性材
    料を含む発光層、または少なくとも発光材料を含む発光
    層および正孔輸送性材料を含む正孔輸送層を有する有機
    エレクトロルミネッセンス素子において、該正孔輸送性
    材料として、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アン
    トラセンから選ばれる芳香族環に下記化1 【化1】 および、下記化2 【化2】 (上記化1および化2中、R1 〜R15、R17〜R28およ
    びR30〜R37はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜12の
    アルキル基およびアルコキシ基、炭素数6〜14のアリ
    ール基およびアリールオキシ基、ニトロ基ならびに複素
    環化合物基から選ばれた基、R16、R29はそれぞれ独立
    に水素、炭素数1〜12のアルキル基から選ばれた基)
    から選ばれた少なくとも1種のアミノメチル基を少なく
    とも2個有する芳香族アミン化合物を用いることを特徴
    とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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