JP2007039633A - マーキング剤 - Google Patents

マーキング剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2007039633A
JP2007039633A JP2005377814A JP2005377814A JP2007039633A JP 2007039633 A JP2007039633 A JP 2007039633A JP 2005377814 A JP2005377814 A JP 2005377814A JP 2005377814 A JP2005377814 A JP 2005377814A JP 2007039633 A JP2007039633 A JP 2007039633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
marking agent
marking
dye
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005377814A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4986451B2 (ja
Inventor
Shinichiro Isobe
信一郎 礒部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2005377814A priority Critical patent/JP4986451B2/ja
Publication of JP2007039633A publication Critical patent/JP2007039633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4986451B2 publication Critical patent/JP4986451B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】蛍光色素を用いたマーキング剤において、マーキング対象物に対する付着力が強く、耐熱性や耐光性に優れたマーキング剤を提供することを目的とした。
【解決手段】1種以上の蛍光色素と溶媒を含むマーキング剤であって、その蛍光色素は有機EL色素からなる。有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光色素を含むマーキング剤であって、可視光下では不可視のマーキング剤に関する。
マーキング物質として蛍光色素を含むマーキング剤は、通常の可視光下では不可視であるが、紫外線等の励起光を照射することにより蛍光色素を発光させて視認することができる。この性質を利用し、犯罪防止や犯罪捜査を目的として、物品や人体等の識別や物質の検出等に使用されている。
例えば、近年のカラー複写機やプリンタの複写性能の向上は、株券や商品券等の有価証券、IDカード、そして紙幣等の複写による偽造を容易にしている。この複写による偽造を防止するための技術の一つとして、蛍光色素を含むマーキング剤を用いる方法が知られている。例えば、マーキング剤を用いて不可視模様を形成し、ブラックライト等により可視可能として真偽判定を行う方法(例えば、特許文献1)や、機械読み取り可能なバーコード等の識別符号を蛍光インクを用いて形成する方法(特許文献2)や、そして偽造防止印刷物に蛍光インク部を形成し、複写機のランプにより蛍光インク部から可視光を発光させ、印刷情報とは異なる色相の複写物が得られるようにする方法(例えば、特許文献3)等が提案されている。
また、犯罪発生後、短時間で犯罪者を特定することが容易ではないという問題もある。例えば、近年多くなっている電車、バスなど公共の場での痴漢犯罪がその例である。被疑者として検挙されてもその殆どは被疑者の自供に頼っており、特定には困難を極めている。また、被疑者として逮捕された場合、それが冤罪である場合でもその場において証明をすることは不可能であり、冤罪裁判など社会問題となっている。また、強盗事件、窃盗事件などでも初動捜査で検挙しなければならない。更に、内定捜査などで被疑者の所有物(車、自転車、バイクなど)にマーキングをする場合も必要となる。また、所持品(自動車、オートバイ、自転車などのパーツ)に番号等のマーキングをしておくことで、盗難後の所有者の確認が容易に行える。
これらの捜査過程で、犯人を特定する技術の一つとして、蛍光色素を含むマーキング剤を用いる方法が提案されている。すなわち、マーキング剤を犯人や着衣あるいは車両に噴射して付着させ、そのマーキング物質により犯人や車両を特定する(例えば特許文献4)。蛍光色素をマーキング物質に用いると、日光下では蛍光を示さず、ブラックライト等の励起光源の使用によってのみ確認可能であることから、着色剤や接着剤や香料を用いる場合に比べ、付着したことが犯人に気付かれにくいという特徴がある。そのため、マーキング物質の付着に気付いた犯人が着衣を着替えたり、着衣あるいは身体を洗浄することにより、それらのマーキング物質が除去されることが少ないという利点がある。
また、マーキング剤は潜在指紋の検出にも使用されている。潜在指紋は、指頭から分泌された物質が犯罪現場の遺留品に付着した際に、指紋隆線の形で印象されたものである。潜在指紋の検出には、従来、マーキング物質にアルミナ粉末等の粉末を用い、その粉末を分泌物中の水分及び脂肪分に付着させて物体と粉末の色調差を利用して検出する固体法や、マーキング物質に呈色試薬を用い、その発色試薬を分泌物中のアミノ酸や塩分と反応させて呈色させる液体法や、マーキング物質にヨウ素やシアノアクリレートモノマーを用い、密閉容器中で分泌物中の脂肪分とそれらの蒸気を反応させて呈色させる気体法等が用いられている。これに対し、液体法において呈色試薬に蛍光色素を用いる方法が提案されている(例えば特許文献5)。
特開2003−1935号公報 特開平7−57065号公報 特開2002−326443号公報 特開2000−298779号公報 特開平2−16166号公報
しかしながら、従来のマーキング剤は耐熱性や耐光性が不十分であり、長時間日光に曝されたり、高温環境下に置かれたような場合、発光強度が大きく低下し、識別が困難になるという問題や、蛍光色素の発光強度が不十分であり、マーキング対象物の下地色が黒色、青色、緑色等の濃色の場合、発光を識別するのが困難であるという問題があった。さらに、偽造防止に用いた場合、マーキング剤として用いる特殊インクが高価であるという問題もあった。さらに、犯人や車両の特定に用いる場合、犯人や車両に対する蛍光色素の付着力が弱いため、擦ったり洗浄することにより蛍光色素が除去され易いという問題もあった。さらに、指紋検出に用いる場合、指紋隆線に対する付着力が弱いため検出感度が変動したり、指紋隆線以外の部分にも蛍光色素が付着し指紋隆線が不鮮明となるという問題もあった。
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、耐熱性や耐光性に優れるとともに高い発光強度を有し、低コストで、物品、人体、そして被検出物質等のマーキング対象物に対する付着力が向上したマーキング剤を提供することを目的とした。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意努力した結果、蛍光色素として有機EL色素を含
マーキング剤が従来のマーキング剤に比べて優れた特性を有することを見出して本発明を完成させたものである。すなわち、本発明のマーキング剤は、1種以上の蛍光色素と溶媒を含むマーキング剤であって、該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むことを特徴とする。
本発明のマーキング剤に用いる上記有機EL色素には、上記5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とから成る縮合多環化合物を用いることができる。
また、上記縮合多環化合物には、アゾール誘導体又はイミダゾール誘導体を用いることもできる。
また、上記アゾール誘導体には、以下の一般式(1)、(2)又は(3)のいずれか1種で示される化合物を用いることができる。
Figure 2007039633
ここで、式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示し、Xは置換基を有していてもよい窒素原子又は硫黄原子又は酸素原子又はセレン原子を示し、R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。
また、上記イミダゾール誘導体には、以下の一般式(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)のいずれか1種で表される化合物を用いることができる。
Figure 2007039633
Figure 2007039633

Figure 2007039633
ここで、式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示し、R1、 R2、R3、R4、R5は同じでも異なっていても良く、R'、R''は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。
本発明のマーキング剤は、有機EL色素がマーキング対象物と反応する反応性基を有し、その反応性基に共有結合性基又はアニオン性基を用いることができる。
また、アニオン性基には、カルボキシル基、スルホニル基、硫酸塩基、リン酸塩基及びそれらの組合せからなる群から選択された1種を用いることができる。
また、共有結合性基には、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、そして活性エステル化したカルボニル基からなる群から選択された1種を用いることができる。
本発明のマーキング剤は、例えば以下の方法を用いて検出することができる。すなわち、本発明のマーキング剤の検出方法は、マーキング対象物に付着したマーキング剤を検出する方法であって、マーキング剤が、1種以上の蛍光色素と溶媒を含み、該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含んでなり、マーキング対象物に付着したマーキング剤に励起光を照射して蛍光色素を発光させ、該蛍光色素からの発光を肉眼又は検出器により検出することを特徴とする。
さらに、本発明の検出方法は、マーキング剤が発光色の異なる2種以上の蛍光色素を含んでおり、励起光の照射により、2種以上の発光色及び/又はそれらの混色を検出する方法を用いることができる。
本発明のマーキング剤は、例えば、以下のスプレー装置を用いてマーキング対象物に付着させることができる。すなわち、本発明のスプレー装置は、噴霧手段を備えた容器内に噴霧溶液を収容してなるスプレー装置であって、該噴霧溶液に、1種以上の蛍光色素と溶媒を含み、該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むマーキング剤を用いることを特徴とする。
本発明のマーキング剤は、蛍光色素に、共役系を有する5員環化合物を含み、その5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む有機EL色素を用いており、擦ったり、引っ掻いたり、摩擦等によっても、さらに洗剤等で洗浄しても容易にマーキング対象物から剥がすことのできない大きな付着力を有している。また、有機EL色素は耐水性、耐熱性、そして耐光性に優れており経時的な発光強度の低下が少ない。また乾燥状態で高い量子収率を示すことから発光強度が大きく低濃度でも容易に確認することができる。
本発明のマーキング剤は、1種以上の蛍光色素と溶媒を含むマーキング剤であって、蛍光色素は有機EL色素からなり、有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むものである。
本発明のマーキング剤の対象物は、偽造や盗難等の犯罪の防止や犯罪捜査の対象となる物品や人体が含まれる。例えば、紙幣、小切手、株券、各種証明書等の重要文書や、自動車、オートバイ、自転車、美術品、家具、ブランド品、衣服等の物品、人体の皮膚、頭髪、爪等の身体表面部分、潜在指紋等の遺留物質等を挙げることができる。さらに、対象物を構成する材料に関しては、上質紙、OCR紙、ノーカーボン紙、アート紙等の紙や、塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のプラスチックや、金属や、ガラスや、セラミックスや、羊毛、木綿、絹、麻等の天然繊維や、再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維や、人体皮膚や体液中のタンパク質等を挙げることができる。
本発明のマーキング剤に含まれる有機EL色素には、マーキング対象物と反応する共有結合性基やアニオン性基等の反応性基を有するものと、反応性基を有さないものが含まれる。いずれのタイプもマーキング対象となる基体の表面の深部に浸透して付着するため、擦ったり、引っ掻いたりしても容易に剥がすことはできない。また、共有結合性基又はアニオン性基は、マーキング対象物の表面に存在する官能基と化学結合を形成するため、さらに基体に強固に付着する。ここで、マーキング対象物の表面に存在する官能基とは、人体の表面であればタンパク質のアミノ基、イミノ基、チオール基、ヒドロキシル基等、衣服であればヒドロキシル基、アミノ基やチオール基等である。また、潜在指紋であれば、指頭から分泌される物質の官能基であり、アミノ酸やタンパク質のアミノ基、イミノ基、チオール基、ヒドロキシル基等である。
ここで、共有結合性基は、マーキング対象物のアミノ基、イミノ基、チオール基又はヒドロキシル基と反応し、アミド結合、イミド結合、ウレタン結合、エステル結合、又はグアニジン結合を形成させる官能基が好ましい。その官能基には、例えば、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化したカルボニル基等を用いることができる。好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化したカルボニル基から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。より好ましくは、イソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化したカルボニル基から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。マーキング対象物のアミノ基とアミド結合を形成することができ、またイミノ基に直接結合する事ができるからである。さらに好ましくはトリアジン基、カルボジイミド基又は活性エステル化したカルボニル基である。また、これらの有機EL色素がカルボン酸基を有する場合、カルボジイミド誘導体、トリアジン誘導体の存在下で、マーキング対象物に存在するアミノ基およびイミノ基を直接修飾する事も可能である。
例えば、N−ヒドロキシ−スクシンイミドを用いることにより、以下のスキーム1の式(
I)に示すように、縮合剤としてDCCを用いることによりN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル体を経由してアミド結合により有機EL色素とマーキング対象物が結合する。また、スキーム1の式(II)に示すように、活性エステル化したカルボニル基には、トリアジン誘導体を用いることもできる。また、カルボジイミド基には、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)や1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド等のカルボジイミド試薬を用いることができる。カルボジイミド体を経由してアミド結合により有機EL色素とマーキング対象物を結合させることができる(式(III))。また、分子内に予めカルボジイミド基、トリアジン基を導入した有機EL色素を、マーキング対象物のアミノ基、イミノ基に対して直接結合させる事もできる(式(V))。ここで、Rは炭化水素基、芳香族基、ヘテロ原子を含む環状芳香族基またはヘテロ原子を含む環状炭化水素基等の置換基を有しても良い、芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。
Figure 2007039633
また、アニオン性基は、タンパク質のアミノ基、イミノ基等の正荷電基と静電結合する、カルボキシル基、スルホニル基、硫酸塩基、リン酸塩基及びそれらの組み合わせのいずれかを用いることができるが、スルホニル基を用いることが好ましい。アニオン性基を有する有機EL色素には、有機EL色素を構成する共役系を有する5員環化合物及び/又は6員環化合物にアニオン性基を有する化合物が含まれる。さらに、以下に述べる連結部を介して有機EL色素にアニオン性基が導入された化合物も含まれる。この場合、例えば、上記の式(V)の方法により活性エステル体を経由してスルホニル基を導入した有機EL色素を用いることができる。
また、本発明のマーキング剤は、反応性基として、アニオン性基と共有結合性の両者を含むこともできる。これには、有機EL色素を構成する共役系を有する5員環化合物及び/又は6員環化合物に、上述のアニオン性基、すなわちカルボキシル基、スルホニル基、硫酸塩基、リン酸塩基及びそれらの組み合わせのいずれか1種以上と、上述の共有結合性基、すなわちイソチオシアネート基、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化スルホニル基、塩化アシル基、ハロゲン化アルキル基、グリオキザル基、アルデヒド基、トリアジン基、カルボジイミド基そして活性エステル化したカルボニル基等いずれか1種以上の両者を含むものを挙げることができる。
また、反応性基を有する有機EL色素には、有機EL色素に直接反応性基が結合したものと、反応性基が連結部を介して有機EL色素に結合したものが含まれる。連結部には、一般式A1-A2 (1)で表される化合物を用いることができる。ここで、Aは有機EL色素(発色部)と結合する第1結合基、Aは反応性基と結合し、スペーサ基を兼ねる第2結合基である。第1結合基には、置換又は未置換のアルキル基、エーテル基、チオエーテル基、置換又は未置換のイミノ基、アミド基、そしてエステル基からなる群から選択されたいずれか1種を用いることが好ましい。また、第2結合基には、アルキレン基又は主鎖にヘテロ原子を含むアルキレン基を用いることが好ましい。アルキレン基には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基を用いることが好ましい。主鎖にヘテロ原子を含むアルキレン基としては、エチレンオキサイド基を用い、繰り返し数を1から5とすることが好ましい。
また、本発明のマーキング剤に用いる蛍光色素には、本発明者が国際特許出願/JP2005/016847号で提案したインターカレータを用いることもできる。特に人体の皮膚、頭髪、爪等の身体表面部分、潜在指紋等の遺留物質のマーキングに好適に用いることができる。インターカレータは、二本鎖DNAと結合する結合部の片側又は両側に連結部を介して有機EL色素が結合した構造を有する。
ここで、結合部には、ヘテロ原子を含んでもよい単環又は多環芳香族基、好ましくは多環芳香族基、さらに好ましくは平面性の大きい縮合芳香族基を用いることができる。具体例を挙げれば、アントラセン基、フェナントレン基、ピレン基、フルオレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイミド基、ナフタレンイミド基、アクリジン基、フェニルジイミド基、ベンゾチアゾール基、ベンゾイミダゾール基、キノリン基、フェナントリジン基そしてインドール基から成る群から選択されたいずれか1種、さらに好ましくはアントラセン基、アクリジン基又はナフタレンジイミド基を用いることができる。なお、ナフタレンジイミド基には、1,8,4,5-ナフタレンジイミドと2,3,6,7-ナフタレンジイミドが含まれる。
また、結合部に、リジン、アルギニン、ヒスチジン及びオルニチンからなる群から選択された1種のアミノ酸から構成されるペプチド化合物を用いることもできる。さらに、アクリジンをペプチド化合物に導入することもできる。
連結部には、上記の一般式A1-A2 (1)で表される化合物を用いることができる。第2結合基Aを結合部に結合させれば良い。
本発明に用いる有機EL色素は、一対の陽極と陰極との間に固体状態で挟持され、陽極から注入された正孔と陰極から注入された電子とが再結合する際のエネルギーにより発光可能な色素であれば特に限定されない。例えば、テトラフェニルブタジエンやペリレン等の多環芳香族化合物、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、クマリン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、アクリドン誘導体、キナクドリン誘導体、スチルベン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラジノピリジン誘導体、アゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体そしてチオフェン誘導体等を用いることができる。
上記有機EL色素の具体例としては、多環芳香族化合物として、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカサイクレン、コロネン、テトラフェニルブタジエン、テトラフェニルシクロブタジエン、ペンタフェニルシクロブタジエンを挙げることができる。シクロペンタジエン誘導体としては、1,2,3,4−テトラフェニル−1,3−シクロペンタジエン、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1,3−シクロペンタジエンを挙げることができる。オキサジアゾール誘導体としては、2−(4’−t−ブチルフェニル)−5−(4’−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサジアゾールを挙げることができる。クマリン誘導体としては、クマリン1,クマリン6,クマリン7,クマリン30を挙げることができる。ジスチリルピラジン誘導体としては、2,5−ビス−(2−(4−ビフェニル)エテニル)ピラジン、2,5−ビス−(4−エチルステリル)ピラジン、2,9−ビス−(4−メトキシステリル)ピラジンを挙げることができる。アクリドン誘導体としてはアクリドンおよびその誘導体を挙げることができる。キナクドリン誘導体としてはキナクドリンおよびその誘導体を挙げることができる。スチルベン誘導体としては、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを挙げることができる。アゾール誘導体、イミダゾール誘導体、カルバゾール誘導体、チオフェン誘導体は本明細書中に一般式で記載したもの使用することができる。
本発明のマーキング剤に用いる好ましい有機EL色素は、共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、その5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むものを挙げることができる。さらに、詳しくは共役系を有する5員環化合物から成る単環化合物と、その5員環化合物と共役系を有する6員環化合物から成る縮合多環化合物を挙げることができる。固体状態であっても、量子収率が大きく、強い蛍光を示すからである。5員環化合物には、アゾール誘導体あるいはイミダゾール誘導体が好ましい。さらに、アゾール誘導体あるいはイミダゾール誘導体は1以上の4級アンモニウム基を有することが好ましい。水溶性を向上させことができるからである。
以下に、縮合多環化合物の具体例について説明する。
(モノアゾール誘導体1)
Figure 2007039633

ここで、式中、R1、 R2、 R3、 R4、 R6、 R7は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。R1、 R2、 R3、 R4、 R6、 R7は同じでも異なっていてもよい。R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。なお、以下の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(モノアゾール誘導体2)
Figure 2007039633

ここで、式中、R8、R9は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。R8、R9は同じでも異なっていてもよい。なお、以下の一般式においても、特に断らない限り同様である。また、nは1以上の整数、好ましくは1〜5であり、以下の一般式中でも同様である。
(ジアゾール誘導体1)
Figure 2007039633
(ジアゾール誘導体2)
Figure 2007039633


(ジアゾール誘導体3)
Figure 2007039633

ここで、式中、R1、 R2、 R3、 R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。R1、 R2、 R3、 R4、 R6、 R7は同じでも異なっていてもよい。R2、 R3は、置換基を有しても良い芳香族炭化水素基を用いることが好ましい。また、Xは、置換基を有しても良い窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子又はボロン原子であり、特に断らない限り以下の一般式中でも同様である。
(ジアゾール誘導体4)
Figure 2007039633
(ジアゾール誘導体5)
Figure 2007039633

ここで、N→Oは、窒素原子が酸素原子に配位結合している状態を示す。
(ジアゾール誘導体6)
Figure 2007039633
(ジアゾール誘導体7)
Figure 2007039633
(ジアゾール誘導体8)
Figure 2007039633
Figure 2007039633

ここで、式中、R10、R11は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。R10、R11は同じでも異なっていてもよい。また、R12は、置換基を有してもよいオレフィン基又はパラフィン基であり、nは1から3の整数、好ましくは1である。なお、以下の一般式においても、特に断らない限り同様である。
(ジアゾール誘導体9)
Figure 2007039633
Figure 2007039633
上記のジアゾール誘導体ではあれば特に限定されないが、以下の一般式で表されるオキサジアゾロピリジン誘導体を好適に用いることができる。
Figure 2007039633
オキサジアゾロピリジン誘導体は、そのカルボン酸誘導体を合成後、例えば、以下のスキーム2に示す反応により、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を縮合剤として用い、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルを含む活性エステル体へ誘導したものを用いることが好ましい。
Figure 2007039633
(トリアゾール誘導体1)
Figure 2007039633
(トリアゾール誘導体2)
Figure 2007039633
(トリアゾール誘導体3)
Figure 2007039633
(トリアゾール誘導体4)
Figure 2007039633
5員環化合物として、チオフェン基を含む以下の誘導体を用いることもできる。
(チオフェン誘導体1)
Figure 2007039633
(チオフェン誘導体2)
Figure 2007039633
(チオフェン誘導体3)
また、チオフェン誘導体の場合、非縮合系の化合物であり、以下の一般式で示される2,3,4,5-テトラフェニルチオフェン誘導体を用いることもできる。
Figure 2007039633

ここで、式中、R12,R13,R14はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表し、Ar1およびAr2は置換または未置換のアリール基を表し、さらに、Ar1とAr2は結合している窒素原子と共に含窒素複素環を形成してもよい。また、Y1およびY2は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、置換または未置換のアリール基、置換または未置換のアラルキル基、あるいは置換または未置換のアミノ基を表す。
(チオフェン誘導体4)
また、以下の一般式で示される2,3,4,5-テトラフェニルチオフェン誘導体を用いることもできる。
Figure 2007039633

ここで、式中、Ar1〜Ar6はそれぞれ独立に、置換または未置換のアリール基を表し、さらに、Ar1とAr2、Ar3とAr4およびAr5とAr6は結合している窒素原子と共に含窒素複素環を形成していても良い。
また、5員環化合物にイミダゾールを用い、以下の一般式で示すイミダゾール誘導体を用いることもできる。
(イミダゾール誘導体1)
Figure 2007039633
(イミダゾール誘導体2)
Figure 2007039633
(イミダゾール誘導体3)
Figure 2007039633
(イミダゾール誘導体5)
Figure 2007039633
Figure 2007039633

ここで、イミダゾール骨格は中央のベンゼン環R8, R9, R10, R11 の任意の位置に複数ユニットが結合していても良い。また、R12は、置換基を有してもよいオレフィン基又はパラフィン基であり、nは1から3の整数、好ましくは1である。
(カルバゾール誘導体)
また、以下の一般式で示されるカルバゾール誘導体を用いることもできる。
Figure 2007039633
また、共役系を有する5員環化合物であって、1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含む単環化合物を用いることもできる。特に限定されないが、例えば、以下の一般式で表されるアゾール誘導体を用いることができる。
Figure 2007039633

ここで、式中、R1、 R4、 R5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示す。R1、 R4、 Rは同じでも異なっていてもよい。
本発明のマーキング剤には、以上、説明した縮合多環化合物及び単環化合物を用いることができるが、好ましくは以下の一般式で表されるジアゾール誘導体又はイミダゾール誘導体を好適に用いることができる。
Figure 2007039633
Figure 2007039633
さらに、上記のジアゾール誘導体及びイミダゾール誘導体の中で、ジアゾロピリジン誘導体(1)、(3)又はイミダゾロピリジン誘導体(4)、(5)、(6)を好適に用いることができる。
本発明のマーキング剤は、少なくとも、蛍光色素として上記の有機EL色素と溶媒を含むものである。さらに、必要により、通常のマーキング剤に添加される、界面活性剤、電荷付与剤、pH調整剤等の種々の添加剤を用いることもできる。
有機EL色素は、溶媒に分散させた状態で、あるいは溶媒に溶解させた状態でインクとして用いることができる。溶媒に分散させる場合、溶媒には、有機EL色素が不溶あるいは難溶の溶媒を用いることが好ましい。この溶媒には、例えばヘキサン、石油エーテル等の炭化水素系溶媒を用いることができる。ここで、有機EL色素は、粒径が100〜1000nmの結晶粒子の状態で分散していることが好ましい。結晶粒子の状態では、保存安定性が良好となり、またより透明感のある色相が得られる。
また、溶媒に溶解させる場合、環境性の点から、水又は水と水溶性溶剤との混合溶媒を用いることが好ましい。水溶性溶剤には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールメチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等を挙げることができる。水及び水溶性溶剤の混合比は、マーキング対象物に対する付着性や乾燥性を考慮して決定することができる。
なお、指紋検出に用いる場合、アセトン、メタノール、エタノールは、指紋分泌物中の脂質を溶解して指紋隆線を不鮮明にするので好ましくない。指紋検出用の溶媒には水を用いることが好ましい。
また、マーキング剤中の蛍光色素の濃度は用途に応じて適宜設定することができ、例えば、10〜0.01重量%、より好ましくは5〜0.5重量%である。10重量%を超えると濃度消光の影響が大きくなり、また0.01重量%より救いないと発光強度が十分でなくなるからである。また、残留指紋や体液等の遺留物質の場合には、10〜0.001重量%、より好ましくは5〜0.05重量%である。
本発明のマーキング剤は、蛍光色素として有機EL色素を用いているので、マーキング対象物の表面深部に浸透して付着する。さらに、反応性基を有するものは、反応性基がマーキング対象物に結合して付着力を向上させる。したがって、従来のマーキング剤に添加されたバインダー樹脂は不要である。しかし、付着力をさらに向上させるため、バインダー樹脂を添加することもできる。バインダー樹脂には、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アミノ系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂、そしてこれらの共重合体等、インク組成物に用いる公知のバインダー樹脂を用いることができる。さらに、アミノ基を有するバインダー樹脂を用いれば、反応性基である活性エステル体と化学結合するため、マーキング剤をより強固にマーキング対象物に付着させることができる。アミノ基を有するバインダー樹脂には、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の合成高分子やポリオルニチン、ポリリジンなどのアミノ酸ポリマーを挙げることができる。
本発明のマーキング剤を、マーキング対象物に付着させるには、マーキング剤をマーキング対象物に吹き付けたり、滴下したり、あるいはマーキング対象物をマーキング剤中に浸漬したり、あるいはインクジェットプリンタ、ドットインパクトプリンタ、スタンプ式プリンタ等により、マーキング対象物上に所望の模様、文字、数字、バーコードあるいは形状等の認識符号を形成する方法を用いることができる。マーキング対象物に吹き付ける場合には、マーキング剤を含むスプレー装置を用いることができる。スプレー装置には、噴霧手段を備えた容器内に噴霧溶液及び充填ガスを収容したスプレー装置を用いることができる。噴霧手段には、例えば、容器に設けられ押圧操作により押し下げることで溶液を噴射させるノズル付きの押しボタンを用いることができる。スプレー用の溶液として本発明のマーキング剤を用い、充填ガスにはLPGや窒素ガス等を用いる。スプレー装置には、小型の携帯用スプレー装置と、例えば、店舗の出入口や天井等に固定し遠隔操作により吹き付け可能とした固定式スプレー装置が含まれる。
また、店舗の入り口外部などにエアバッグ等の爆発性装置の前に蛍光色素を含む容器を配置しておき、爆発により一瞬で噴霧もしくは拡散させて犯人にマーキング剤を付着させることも有効である。この際、装置が作動するとそれに連動してドアにロックがかかり、立てこもりを防止することも可能である。
また、本発明のマーキング剤は、転写シートを用いてマーキング対象物に付着させることもできる。蛍光色素含有層を含む転写シートを用いて不可視の認識符号を形成する方法は公知であり、例えば、特開平7−68946号公報には、基材上に剥離層、認識符号を形成した蛍光体層、紫外線カット性感熱転写層を順次積層した転写シートを用い、熱昇華感熱転写又は熱溶融転写によりマーキング対象物に転写する方法が開示されている。本発明のマーキング剤を用いて蛍光体層を形成した転写シートを用いれば、マーキング対象物に認識符号を転写することが可能である。
本発明においては、発光色の異なる2種以上の蛍光色素を用いることができる。励起光の照射により、2種以上の発光色及び/又はそれらの混色を検出することができる。なお、フルカラー画像を形成させるためには青、緑、赤の3色に発光する蛍光色素を用いることができる。
本発明のマーキング剤を検出するには、マーキング剤が付着したマーキング対象物に励起光源から励起光を照射し、有機EL色素を発光させ、その発光を肉眼又は検出器により検出する。励起光源には、250〜400nmの近紫外線を放射できる光源が好ましく、例えばブラックライトもしくはLEDを用いることができる。また、検出器には、CCDカメラ等の画像撮影手段を用いることができる。
検出器を用いる検出方法について説明する。
マーキング対象物に付着したマーキング剤に励起光源を照射して、その発光をCCDカメラで撮影する。撮影した画像を画像処理し、発光の波長分布を算出する。波長分布の算出には、測色装置に使用されている公知の画像処理方法を用いることができる。これにより、1種の蛍光色素を用いた場合の蛍光波長、そして複数の蛍光色素を混合して用いた場合の混色あるいは多色の波長分布や発光強度等の色情報を容易に解析することができる。また、複数の蛍光色素を用いた場合、混合比率により混色あるいは多色の波長分布や発光強度が変化することから、蛍光色素の混合比率を解析することもできる。このように、検出器を用いることにより、マーキング剤の有無だけでなく、マーキング剤の色情報からより高精度にマーキング剤を識別することができる。
本発明のマーキング剤は、様々な用途に用いることができる。以下にいくつかの好ましい用途について説明する。
用途1.
本発明のマーキング剤を、紙幣、小切手、株券、各種証明書等の重要文書の偽造防止用のマーキング剤として用いることができる。本発明のマーキング剤を、例えば、インクジェットプリンタ、ドットインパクトプリンタ、スタンプ式プリンタ等により、基体上に所望の模様、文字、数字、バーコードあるいは形状等の認識符号を印刷して印刷物とする。基体上にこれら認識符号を直接印刷しても良く、あるいは蛍光色素含有層を有し認識符号が記録された熱転写シートを形成し、その熱転写シートから認識符号を基体に転写する方法を用いることができる。蛍光色素含有層を有する熱転写シートを形成する方法は特に限定されず公知の方法を用いることができる。紙幣等の重要文書にブラックライト等の励起光源からの光を照射して印刷領域を可視化し、認識符号の有無により真贋判定をすることができる。
なお、必要に応じて公知の有機顔料や無機顔料を添加することができる。これらの顔料を併用することにより、自然光下では、顔料の色相を呈し、ブラックライト等の投光器下では、顔料と有機EL色素の混合比に応じて変化する色相を呈する印刷領域を形成することができる。これにより、模倣がより困難となる。
また、カラー複写機を用いた偽造あるいは違法コピーには、以下の方法を用いることができる。
カラー複写機では、原稿に対して光源ランプからの光が照射されて露光走査が行われる。原稿からの反射光は反射鏡と結像レンズを介して色分解フィルタ(R,G,B)により、シアン、マゼンタ、イエローの3原色成分を抽出し、更にこの3原色成分に対応する各色トナー、場合によりブラックを加えた4色トナーにより原稿の色再現が行われる。しかし、有機EL色素を含む印刷領域を有する印刷物を複写すると、光源ランプ(例えばキセノンランプ又はハロゲンランプ)からの光により有機EL色素が可視光を発光する。色分解フィルタが有機EL色素からの反射光をも検出する結果、原稿からの色相とは異なった色相を有する複写物しか得ることができない。本発明のマーキング剤を含む印刷領域を、例えば「複写物」等の文字情報とすると、色相の違いのみならず、文字情報により複写物であることを表示することもできる。
応用例2.
本発明のマーキング剤は、携帯用スプレー装置や固定式スプレー装置を用いて逃走中又は逃走の可能性のある被疑者及び/又は車両に付着させる防犯用のマーキング剤として使用することもできる。
例えば、電車、バスなどの車内で女性が痴漢にあった場合、マーキング剤を含む携帯用スプレー装置を犯人の手に軽くスプレーすることで被疑者の手などをマーキングすることが可能である。逮捕後、ブラックライトで蛍光を確認することで、早期自供へ持ち込める可能性を高めることができる。また、間違えられて逮捕された場合、その容疑を晴らすことも容易である。ここで用いる蛍光色素は、身体表面のタンパク質と化学結合を形成するために、洗剤等で落とすことは不可能である。また、耐熱性や耐光性に優れており経時変化が少ないため、その場で取り逃がしたとしても、後日、駅や車内などで逮捕することも可能である。この際、女性が所有するスプレー装置に含有される蛍光色素と被疑者に付着した蛍光色素を分析することで科学的な証拠として採用することも可能である。また、金品を奪われる際に、手、顔などにスプレーすることで、犯人にマーキングすることができ、初動捜査(緊急配備など)においてブラックライトで被疑者を確認することができるため、初動捜査などでの検挙率を向上させることが可能である。
また、銀行、郵便局などの金融機関や貴金属店やコンビニエンスストア等の商店では、例えば、出入口及びカウンターなどに固定式スプレー装置を設置し、手元のスイッチを押すこと遠隔操作して、逃走する犯人に噴射することによりマーキングすることが可能である。また、犯人が店舗内に立てこもるのを防ぐため、出口を出たところでエアバッグなどにより発生させた爆風によって色素を付着させることもできる。例えば、エアバッグの爆発装置の前に、爆風の衝撃により直接あるいは間接的に開裂される容器であって蛍光色素を封入した容器を配置し、爆発装置の爆発の衝撃により開裂した容器からマーキング剤をタイミング良く拡散させて犯人に付着させることができる。
また、紙幣へのマーキングも可能であることから、渡す直前に紙幣の表面、または札束であれば横から固定式スプレー装置又は携帯用スプレー装置で噴射することより、証拠品の確認、使用された場合の確認などに用いることが可能である。例を挙げると、店舗、銀行、一般商店などに携帯型のブラックライトを設置しておき、照射することで強奪された紙幣であることが容易に識別でき警察捜査に有用な情報を数多く集めることが可能である。また、多くの店舗にブラックライトを設置し、識別することで、犯人の行動範囲などを容易に推測することができる。札束に標識する場合、身代金等にも応用可能である。
なお、これらの防犯用マーキング剤を含む携帯用スプレー装置や固定式スプレー装置を広告宣伝することにより、あるいは装備していることを店内に表示することにより世間に知らしめることにより、犯罪を防止することも可能である。
応用例3.
また、本発明のマーキング剤を指紋検出用のマーキング剤として用いることもできる。例えば、以下の方法により指紋を検出する。
マーキング剤溶液を検体の表面に噴霧する、あるいは検体をマーキング剤溶液に所定時間浸漬し、液から取り出した後、純水で検体を洗浄する。検体表面を乾燥させた後、ブラックライト等の励起光源を照射して、指紋部分の蛍光像をCCDカメラで撮影する。
また、従来から指紋検出に用いられているアルミ粉に蛍光色素を担持させる方法を用いることもできる。例えば、クロロホルムにアルミ粉を分散させた分散液に蛍光色素を添加して溶解させ、その後クロロホルムを留去して、蛍光色素を担持させたアルミ粉を得る。そのアルミ粉を水に分散させ、その分散液を潜在指紋が存在するであろう箇所に広範囲に噴霧する。その後、少量の霧状の水で余分なアルミ粉を取り除いて、指紋部分に付着したアルミ粉だけを残す。これにより、アルミ粉と蛍光色素の両方で指紋の検出が可能となる。この方法によれば、アルミ粉を分散した液を噴霧することにより、固体のアルミ粉を用いる方法に比べ、広範囲の指紋の検出が可能で、指紋検出に要する時間を短縮することが可能である。また、従来、指紋部分のアルミ粉を残すのに刷毛を用いているが、この操作はかなりの熟練を要する。しかし、霧状の水を噴霧するだけで、指紋部分以外のアルミ粉を容易に除去できるので、指紋隆線を傷つけることなく鮮明に顕在化させることが可能となる。また、蛍光色素を用いているので、より高感度の検出も可能となる。
この用途には、反応性基を有する有機EL色素を含むマーキング剤を用いることが好ましい。その有機EL色素が指紋分泌物中のタンパク質に結合して、指紋隆線を鮮明に顕在化することができる。微量のタンパク質でも反応するため、高感度で指紋を検出することができる。また、本発明のマーキング剤は耐熱性や耐光性に優れているので指紋をマーキングした検体を長期間保管することも可能である。
応用例4.
また、本発明のマーキング剤を血痕検出用のマーキング剤として用いることもできる。
血痕は犯罪捜査や刑事裁判において極めて重要な物的証拠である。血痕の検査は、血液であるか否かを確認する血痕予備試験、人血であるか否かを判定する人血証明試験、そして血液型を検査する血液型検査からなる。ここで、予備試験には、ルミノール法とロイコマラカイト法があり、いずれもヘモグロビンによりルミノール又はロイコマラカイトが酸化された時の色の変化により血痕の有無を確認している。しかし、ルミノールは陽性の場合には発光するので、夜間の捜査でも検出が容易である反面、ヘモグロビンに対する特異性が十分ではない。また、ロイコマラカイトはルミノールよりは特異性が高い反面、無色から緑色という色変化が夜間では確認しにくく、昼間の捜査にしか使えないという問題がある。
本発明のマーキング剤の中で、反応性基を有する有機EL色素を含むマーキング剤を用いれば、その有機EL色素が血痕中のヘモグロビンに結合するので、血痕の有無を昼夜に関係なく高感度に検出することができる。例えば、血痕らしき部分を蒸留水を含んだ濾紙に抽出して濾紙に血痕らしき部分を転写し、その転写部分にマーキング剤を滴下する。転写部分にブラックライトを照射し、有機EL色素の発光により血痕の有無を調べる。
ここで、スルホニル基を有する有機EL色素は、タンパク質である血痕中のヘモグロビンと結合すると、フリーの状態に比べその発光波長がより短波長にシフトするので、血痕部分とそれ以外の部分とを識別することが可能である。タンパク質との結合による波長のシフトについては、本発明者が特願2005-053798号において詳細に説明している。
用途5.
本発明のマーキング剤を不正トランプカードの検査に用いることもできる。
カジノ遊技場において、営業者はトランプゲームにおいて不正が行われないように監視を行っている。例えば、WO2002/064225号公報には、紫外線発色インクでバーコード等の識別コードをトランプカードに印刷し、検査装置によりトランプカードの束を連続して検査する方法が提案されている。
トランプカードには、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックカードが使用されている。本発明のマーキング剤はこれらの不浸透性基体に対しても浸透性が大きく、これらのプラスチックカードに強く結合する。したがって、本発明のマーキング剤を用いて形成した識別コードは摩擦によっても剥がれることがなく、また発光強度が大きい。そのため、本発明のマーキング剤を用いて形成した識別コードは長期に亘って識別力を発揮することができる。
以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明について説明する。
合成例1.活性エステル体3の合成
活性エステル体3は、以下のスキーム2に従い合成した。
Figure 2007039633
50 mL 三口フラスコでオキサジアゾロピリジンカルボン酸1 1.0 g (0.0026 moL)とN-ヒドロキシスクシンイミド2 0.30 g (0.0026 moL)をDMF 20mLに溶解した。これにN, N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド 0.54 g (0.0026 moL)を30分かけて滴下した。滴下後、室温で30時間撹拌した。減圧下、DMFを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で単離精製し、オキサジアゾロピリジン活性エステル体 3を0.76 g 、収率62%で得た。
合成例2.スルホニル体4の合成
50 mL 三口フラスコでオキサジアゾロピリジンカルボン酸スクシンイミジルエステル3 0.5 g (0.0011 moL)とタウリン 0.14 g (0.0011 moL)をDMF 20mLに溶解した。これを室温で5時間撹拌した。減圧下、DMFを留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール)で単離精製し、スルホニル体 4を0.41 g 、収率82%で得た。
Figure 2007039633
Scheme 3
合成例3.エチルエステル体8の合成
Figure 2007039633

Scheme 4
(1)ジケトン誘導体6の合成
500mL三口フラスコで4-メチルアセトフェノン5を37.5 g (0.28 mol)、亜硝酸ナトリウム0.15 gを酢酸100 mLに溶解した。水浴中、HNO3 100 mLを酢酸100 mLに溶解したものを2時間かけて滴下した。その後、室温で2日間撹拌した。反応混合物を500mLの水にゆっくりと入れ、沈殿を生成させた。沈殿物は濾過し、クロロホルムに溶解した。クロロホルム相を飽和重曹水で洗浄し、10% NaCl 水溶液で2回洗浄した。MgSO4で脱水した後、減圧下、クロロホルムを留去し、オキサジアゾール-N-オキサイド6を34.3 g (収率76%)で得た。
(2)ジケトン誘導体7の合成
500mL三口フラスコでオキサジアゾール-N-オキサイド6を10 g (0.03 mol)、アセトニトリル400 mLに溶解した。それにZn 12.0 g、AcOH 7 mL、Ac2O 20mLを添加した。6時間撹拌して反応終点とした。反応混合物を濾過し、不溶分を除去した。アセトニトリルを減圧下留去して残渣を得た。残渣をクロロホルムで再結晶し、オキサジアゾール-N-オキサイド7を6.75 g (収率71%)で得た。
(3)オキサジアゾロピリジンエチルエステル8の合成
500mL三口フラスコでオキサジアゾール-N-オキサイド7を5.0 g (0.016 mol)、ブタノール300 mLに溶解した。そこへグリシンエチルエステル塩酸塩 32.0 g (0.23 mol)を添加した。リフラックスを12時間行い、反応終点とした。ブタノールを減圧下留去し、残渣を得た。残渣を200mLのクロロホルムに溶解し、10% HCl、飽和NaHCO3、10%NaClで洗浄した。MgSO4で乾燥し、溶媒を留去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにて精製し、オキサジアゾロピリジンエチルエステル8を4.1 g (収率 65%)で得た。
実施例1.
活性エステル体3をメタノールに溶解させたマーキング剤を、手の指に噴霧し、乾燥した。噴霧乾燥後に溶媒のメタノールで擦った後の指にブラックライトを照射した時の写真を図1に示す。黄色の発光を明確に観察できた。
実施例2.
マーキング物質にスルホニル体4を用いた以外は、実施例1と同様の方法により指にマーキング剤を噴霧した。噴霧乾燥後に溶媒で擦った後の指にブラックライトを照射すると、発光を明確に観察できた。
実施例3.
マーキング剤にエチルエステル体8を用いた以外は、実施例1と同様の方法により指にマーキング剤を噴霧した。噴霧乾燥後に溶媒で擦った後の指にブラックライトを照射すると、発光を明確に観察できた。
比較例1.
マーキング物質に、ローダミン6Gを用いた以外は、実施例1と同様の方法により指にマーキング剤を噴霧した。しかし、噴霧乾燥後に溶媒で擦った後の指にブラックライトを照射すると、非常に弱い発光しか認められなかった。
実施例4.
(実験方法)
ガラス板に指を軽く押し付けたものを検体として用いた。検体にスルホニル体4を水溶液に溶解させたものを噴霧した後、自然乾燥させた。検体にブラックライトを照射した時の写真を図2に示す。指紋隆線を明確に確認することができた。
比較例2.
マーキング物質に、ローダミン6Gを用いた以外は、実施例4と同様の方法で行った。
検体にブラックライトを照射しても、指紋隆線を確認することはできなかった。
本発明の実施例1の結果を示す写真である。 本発明の実施例4の結果を示す写真である。

Claims (13)

  1. 1種以上の蛍光色素と溶媒を含むマーキング剤であって、
    該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むマーキング剤。
  2. 上記有機EL色素が、上記5員環化合物と共役系を有する6員環化合物とから成る縮合多環化合物である請求項1記載のマーキング剤。
  3. 上記縮合多環化合物が、アゾール誘導体又はイミダゾール誘導体である請求項2記載のマーキング剤。
  4. 上記アゾール誘導体が、以下の一般式(1)、(2)又は(3)のいずれか1種で示される化合物である請求項3記載のマーキング剤。
    Figure 2007039633
    (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有してもよい芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示し、Xは置換基を有していてもよい窒素原子又は硫黄原子又は酸素原子又はセレン原子を示し、R'は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。)
  5. 上記イミダゾール誘導体が、以下の一般式(4)、(5)、(6)、(7)又は(8)のいずれか1種で表される化合物である請求項3記載のマーキング剤。
    Figure 2007039633
    Figure 2007039633

    Figure 2007039633
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、あるいはスルホニル基などの置換基を有しても良い芳香族炭化水素基又は炭化水素基又は複素環基又はヘテロ原子を環内に含む芳香族基を示し、R1、 R2、R3、R4、R5は同じでも異なっていても良く、R'、R''は芳香環を含んでも良いアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基あるいは芳香族炭化水素基、An-は、Cl-、Br-、I-等のハロゲン化物イオン、CF3SO3 -、BF4 -、PF6 -を示す。)
  6. 上記有機EL色素がマーキング対象物と反応する反応性基を有し、該反応性基が、共有結合性基又はアニオン性基である請求項1から5のいずれか一つに記載のマーキング剤。
  7. 上記アニオン性基が、カルボキシル基、スルホニル基、硫酸塩基、リン酸塩基及びそれらの組合せからなる群から選択された1種である請求項6記載のマーキング剤。
  8. 上記共有結合性基が、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、そして活性エステル化したカルボニル基からなる群から選択された1種である請求項6記載のマーキング剤。
  9. マーキング対象物が、逃走中又は逃走の可能性のある被疑者及び/又は車両である請求項1記載のマーキング剤。
  10. マーキング対象物が、潜在指紋である請求項1記載のマーキング剤。
  11. マーキング対象物に付着したマーキング剤を検出する方法であって、
    マーキング剤が、1種以上の蛍光色素と溶媒を含み、該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含んでなり、
    マーキング対象物に付着したマーキング剤に励起光を照射して蛍光色素を発光させ、該蛍光色素からの発光を肉眼又は検出器により検出するマーキング剤の検出方法。
  12. 上記マーキング剤が発光色の異なる2種以上の蛍光色素を含んでおり、励起光の照射により、2種以上の発光色及び/又はそれらの混色を検出する請求項11記載の検出方法。
  13. 噴霧手段を備えた容器内に噴霧溶液を収容してなるスプレー装置であって、
    該噴霧溶液に、1種以上の蛍光色素と溶媒を含み、該蛍光色素は有機EL色素からなり、該有機EL色素は共役系を有する5員環化合物を含む化合物であって、該5員環化合物が1種以上のヘテロ原子、セレン原子又はボロン原子を含むマーキング剤を用いるスプレー装置。
JP2005377814A 2005-06-30 2005-12-28 マーキング剤 Expired - Fee Related JP4986451B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005377814A JP4986451B2 (ja) 2005-06-30 2005-12-28 マーキング剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005192046 2005-06-30
JP2005192046 2005-06-30
JP2005377814A JP4986451B2 (ja) 2005-06-30 2005-12-28 マーキング剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007039633A true JP2007039633A (ja) 2007-02-15
JP4986451B2 JP4986451B2 (ja) 2012-07-25

Family

ID=37797919

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005377814A Expired - Fee Related JP4986451B2 (ja) 2005-06-30 2005-12-28 マーキング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4986451B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012069411A1 (de) * 2010-11-25 2012-05-31 Bayer Materialscience Ag El-elemente enthaltend eine pigmentschicht mit vernetzenden systemen mit blockierten isocyanat-gruppen
US11161850B2 (en) 2018-07-05 2021-11-02 Incyte Corporation Fused pyrazine derivatives as A2A / A2B inhibitors
US11168089B2 (en) 2018-05-18 2021-11-09 Incyte Corporation Fused pyrimidine derivatives as A2A / A2B inhibitors
US11390624B2 (en) 2019-01-29 2022-07-19 Incyte Corporation Pyrazolopyridines and triazolopyridines as A2A / A2B inhibitors
US11673894B2 (en) 2018-02-27 2023-06-13 Incyte Corporation Imidazopyrimidines and triazolopyrimidines as A2A / A2B inhibitors

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199101A (ja) * 1995-01-26 1996-08-06 Kansai Paint Co Ltd インビジブルマーキング用インキ
JPH08315982A (ja) * 1995-05-12 1996-11-29 Sony Corp 光学的素子
JPH09255947A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Bayer Ag ブレンド系を用いたエレクトロルミネセント集成装置
JP2004217549A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Rikogaku Shinkokai ジピリジルベンゾチアジアゾール誘導体及びジピリジルビスベンゾチアジアゾール誘導体
WO2004080975A1 (ja) * 2003-03-13 2004-09-23 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 新規含窒素複素環誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2004537638A (ja) * 2001-08-10 2004-12-16 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 蛍光性ジケトピロロピロール類似体
JP2005038658A (ja) * 2003-07-17 2005-02-10 Fuji Xerox Co Ltd 有機電界発光素子
JP2005508903A (ja) * 2001-09-11 2005-04-07 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド ジケトピロロピロールの調製方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08199101A (ja) * 1995-01-26 1996-08-06 Kansai Paint Co Ltd インビジブルマーキング用インキ
JPH08315982A (ja) * 1995-05-12 1996-11-29 Sony Corp 光学的素子
JPH09255947A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Bayer Ag ブレンド系を用いたエレクトロルミネセント集成装置
JP2004537638A (ja) * 2001-08-10 2004-12-16 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 蛍光性ジケトピロロピロール類似体
JP2005508903A (ja) * 2001-09-11 2005-04-07 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド ジケトピロロピロールの調製方法
JP2004217549A (ja) * 2003-01-14 2004-08-05 Rikogaku Shinkokai ジピリジルベンゾチアジアゾール誘導体及びジピリジルビスベンゾチアジアゾール誘導体
WO2004080975A1 (ja) * 2003-03-13 2004-09-23 Idemitsu Kosan Co., Ltd. 新規含窒素複素環誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2005038658A (ja) * 2003-07-17 2005-02-10 Fuji Xerox Co Ltd 有機電界発光素子

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012069411A1 (de) * 2010-11-25 2012-05-31 Bayer Materialscience Ag El-elemente enthaltend eine pigmentschicht mit vernetzenden systemen mit blockierten isocyanat-gruppen
CN103329624A (zh) * 2010-11-25 2013-09-25 拜尔材料科学股份公司 包括含具有封端异氰酸酯基团的交联体系的颜料层的el元件
US11673894B2 (en) 2018-02-27 2023-06-13 Incyte Corporation Imidazopyrimidines and triazolopyrimidines as A2A / A2B inhibitors
US11168089B2 (en) 2018-05-18 2021-11-09 Incyte Corporation Fused pyrimidine derivatives as A2A / A2B inhibitors
US11873304B2 (en) 2018-05-18 2024-01-16 Incyte Corporation Fused pyrimidine derivatives as A2A/A2B inhibitors
US11161850B2 (en) 2018-07-05 2021-11-02 Incyte Corporation Fused pyrazine derivatives as A2A / A2B inhibitors
US11999740B2 (en) 2018-07-05 2024-06-04 Incyte Corporation Fused pyrazine derivatives as A2A / A2B inhibitors
US11390624B2 (en) 2019-01-29 2022-07-19 Incyte Corporation Pyrazolopyridines and triazolopyridines as A2A / A2B inhibitors
US11884665B2 (en) 2019-01-29 2024-01-30 Incyte Corporation Pyrazolopyridines and triazolopyridines as A2A / A2B inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
JP4986451B2 (ja) 2012-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6541100B1 (en) Imaged medium comprising sensor-readable indicia
Thirumalai et al. A slippery molecular assembly allows water as a self-erasable security marker
JP4986451B2 (ja) マーキング剤
RU2430423C2 (ru) Изделие с защитным изображением, способ его получения, применение в нём соединения и способ проверки подлинности
Schäferling Nanoparticle‐based luminescent probes for intracellular sensing and imaging of pH
US20050178841A1 (en) System and methods for product and document authentication
EA005794B1 (ru) Способ распознавания подлинника/подделки, предмет для распознавания подлинника/подделки и устройство для разпознавания подлинника/подделки
US6808542B2 (en) Photoluminescent markers and methods for detection of such markers
KR20000005449A (ko) 귀중한 문서
US7767315B2 (en) Document authentification
US20040169847A1 (en) Method for marking articles to allow their authentification
CN110446761A (zh) 光致发光铁掺杂的锡酸钡材料、安全墨组合物及其安全特征
US9255222B2 (en) Fluorescent material for self-erasable writing, authentic security labeling, currency counterfeit prevention and processes for the preparation thereof
JP5498331B2 (ja) 情報記録媒体、その真偽判定方法、及び真偽判定システム
Patsenker et al. Long-wavelength probes and labels based on cyanines and squaraines
Muthamma et al. Water-based flexographic ink with tamper detection fluorescence for security printing applications
JP2013196165A (ja) 識別媒体および識別用インキ
RU2149457C1 (ru) Способ маркирования и устройство идентификации изделий
Pounds et al. Biologic and chemical aspects of latent fingerprint detection
US20020106811A1 (en) Method for authentication of an item
CN102741353B (zh) 用于验证具有蒽醌染料的安全文档或有价证券的方法
Galmiche et al. Use of light in fingerprint detection
Durgi et al. Solid‐State Organic Fluorophore for Latent Fingerprint Detection and Anti‐Counterfeiting Applications
Ravindra et al. Surface Chemistry Provoked Strategy to Develop Sustainable Latent Fingerprints Visualization and Multiple Anti-Counterfeiting Trajectory: Aggregation-Induced Emission Mechanism Based Active Conjugated Imidazole Luminogens
Menzel Lasers in physical evidence examination: an overview

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080129

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120327

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4986451

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees