JP2005036142A - エチレン共重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents

エチレン共重合体組成物およびその製造方法 Download PDF

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Kazuyuki Nakada
田 一 之 中
Norihiko Takeda
田 紀 彦 武
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Abstract

【解決手段】 本発明のエチレン共重合体組成物は、特定の重合体組成物[X]と、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを特定比で含んでなり、重合体組成物[X]は、特定のエチレン−ビニルエステル共重合体および特定のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)と、特定の二元以上の多元プロピレン共重合体、または該プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)とを、特定量の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られ、また、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]は、特定のポリオルガノシロキサン(P1)に、(メタ)アクリル酸エステル(P2)、又は(P2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(P3)30重量%以下の混合物を特定の割合でグラフト共重合してなるものである。
【効果】 耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れ、しかも耐傷性に優れる成形体を調製することができる、流動性、生産性などに優れるエチレン共重合体組成物およびその製造方法を提供できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エチレン系共重合体が本来有する好ましい諸特性および成形加工性に適した流動性を維持しながら、耐熱性も改善され、さらに表面の耐傷つき性が改良された成形体が得られるようなエチレン共重合体組成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れ、さらに耐傷付き性にも優れた成形体を調製することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法に関する。
従来より、エチレン系共重合体は優れた特性を有しており、各種成形材料として広く用いられている。
しかしながら、この共重合体は溶融軟化点が低いため高温条件下で熱変形を起こすという特性があり、使用範囲が大幅に制限されるという問題を有していた。
こうしたエチレン系共重合体の耐熱性を改善する目的でポリプロピレンのような高融点の樹脂をブレンドすることも試みられているが、この場合は、十分な耐熱性を得ることができないばかりでなく、樹脂同士の相溶性が悪いことに起因する機械的物性の低下をもたらす傾向が見られる。
また、特公平1−26616号公報(特許文献1)に開示されているように、エチレン系共重合体、過酸化物分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性を改善する方法が知られている。
しかしながら、このような方法では、溶融混練時に架橋あるいは低分子化等の副反応が起こるため、重合体組成物の流動性を制御することが困難であるという問題があった。
さらに、特開2001−31801号公報(特許文献2)では、エチレン系共重合体、数平均分子量が50,000以下のポリプロピレンワックス、数平均分子量が100,000以上のエチレン−ラジカル分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性に優れるエチレン系共重合体を得ている。
しかしながら、ポリプロピレンワックスを使用している上に、相溶化剤的な第三成分が必要であり、生産技術面で未だ問題があった。
そこで、本願発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系共重合体からなる樹脂と、特定の二元以上の多元プロピレン共重合体、または該プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂とを特定の比率で配合した上で、有機過酸化物の存在下に動的に架橋したところ、エチレン系共重合体が本来有する、成形加工に適した流動性を維持したままで、優れた耐熱性を有する重合体組成物およびその製造方法を開発したが、さらに鋭意研究して、この重合体組成物に、特定のアクリル変性ポリオルガノシロキサンを特定量で配合すると、得られるエチレン共重合体組成物から各種成形体を形成した場合にはさらに耐傷性などにも優れることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
特公平1−26616号公報 特開2001−31801号公報
本発明の目的は、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れ、しかも耐傷性にも優れる成形体を調製することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、容易にしかも安価に製造することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る第1のエチレン共重合体組成物は、下記の重合体組成物[X]と、下記の
アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを含み、該重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で含むことを特徴としている。
重合体組成物[X]:
ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
%)とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られる少なくとも部分的に架橋された重合体組成物、
アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]
下記一般式
[式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭化水素基、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又は−SiR456(R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭化水素基、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基)で示される基を表し、mは10,000以下の整数、nは1以上の整数であり、シロキサン鎖には分岐があってもよい]で示されるポリオルガノシロキサン(P1)に、
(メタ)アクリル酸エステル(P2)、又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(P3)30重量%以下の混合物(但し、(P2)+(P3)=100重量%)を重量比[(P1)/[(P2)+(P3)]5/95〜95/5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン。
上記重合体組成物[X]としては、
120℃に設定したオーブン中に100時間吊した後の自重による変形・重量変化が5%以下になる、厚み2mmのJIS 3号ダンベル(JIS K6760)を調製することができるものであるか、あるいは、
引張破断点強度(JIS K 6760)が5MPa以上で、かつ、伸び(JIS K 6760)が200%以上の成形体を調製することができるものであるか、あるいは
曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)が300MPa以下の成形体を調製することができるものであることが好ましい。
本発明に係る第1のエチレン共重合体組成物の製造方法は、
ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
%)とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して、重合体組成物[X]を得、次いで、
得られた重合体組成物[X]と、前記アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを混合することを特徴としている。
上記の本発明に係るエチレン共重合体組成物およびその製造方法において、前記樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1〜300g/10分であることが望ましい。
前記樹脂(B)としては、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238
,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分である樹脂が望ましい。
本発明に係るエチレン共重合体組成物、および本発明に係る製造方法により得られるエチレン共重合体組成物のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上である。
上記の本発明に係るエチレン共重合体組成物およびその製造方法において、上記重合体組成物[X]中の前記樹脂(A)および樹脂(B)の少なくとも一方は、部分的または完全に架橋されている。
本発明に係る第2のエチレン共重合体組成物は、下記の重合体組成物[X]’と、上記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを含み、該重合体組成物[X]’とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で含むことを特徴としている。
重合体組成物[X]’:
ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
%)とを、
必須成分として含み、その少なくとも一方が部分的または完全に架橋されてなる重合体組成物。
本発明の第2のエチレン共重合体組成物の製造方法では、上記の重合体組成物[X]’と、上記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを、該重合体組成物[X]’とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で混合することを特徴としている。
本発明によれば、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れ、しかも耐傷性にも優れる成形体を調製することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法が提供される。
また、本発明によれば、容易にしかも安価に製造することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法が提供される。
以下、本発明に係るエチレン共重合体組成物およびその製造方法について具体的に説明する。
[エチレン共重合体組成物]
本発明に係るエチレン共重合体組成物には、下記の重合体組成物[X]と、下記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とが含まれ、該重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]は、通常、0.5〜20重量部の割合で、好ましくは0.5〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部、とくに好ましくは0.5〜5重量部の割合で含まれることが成形体の耐傷性の向上、樹脂組成物の生産性、成形体の耐傷性の向上、引張り強度や伸びの維持などの点から望ましい。
<重合体組成物[X]>
まず、重合体組成物[X]を調製する際に用いられる成分について説明する。
樹脂(A)
本発明で用いられる樹脂(A)は、エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)およびエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる。すなわち、樹脂(A)は、これらの共重合体単独からなる樹脂のみであってもよいし、また共重合体(A1)と共重合体(A2)とをブレンドした樹脂であってもよい。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)におけるエチレンと共重合可能なビニルエステルとしては、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどが挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)としては、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−n-酪酸ビニル共重合
体、エチレン−パーサティック酸ビニル共重合体、エチレン−ラウリン酸ビニル共重合体、エチレン−ステアリン酸ビニル共重合体、エチレン−安息香酸ビニル共重合体、エチレン−サリチル酸ビニル共重合体、エチレン−シクロヘキサンカルボン酸ビニル共重合体などが挙げられる。
エチレン−ビニルエステル共重合体(A1)は、エチレンから導かれる構成単位含量(エチレン含量)が95〜40重量%、好ましくは93〜42重量%、さらに好ましくは90〜45重量%であり、ビニルエステル成分から導かれる構成単位含量(ビニルエステル成分含量)が5〜60重量%、好ましくは7〜58重量%、さらに好ましくは10〜55重量%である(但し、共重合体(A1)中の全成分含量:100重量%)。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどが挙げられる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)としては、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−フマル酸共重合体、エチレン−イタコン酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水イタコン酸共重合体、エチレン−マレイン酸モノメチル共重合体、エチレン−マレイン酸モノエチル共重合体などが挙げられる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)は、エチレン含量が99〜75重量%、好ましくは98〜77重量%、さらに好ましくは97〜80重量%であり、不飽和カルボン酸成分から導かれる構成単位含量(不飽和カルボン酸成分含量)が1〜25重量%、好ましくは2〜23重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である(但し、共重合体(A2)中の全成分含量:100重量%)。
これらの共重合体(A1)、(A2)は、三元以上の多元エチレン系共重合体であってもよく、エチレンと共重合が可能な上記成分の他に、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;プロピレン、ブテン、1,3-ブタジエン、ペンテン、1,3-ペンタジエン、1-ヘキセン、3-ヘキセン、1-オクテン、4-オクテン等の不飽和炭化水素;ビニル硫酸、ビニル硝酸等の酸化合物;塩化ビニル、弗化ビニル、沃化ビニル等のハロゲン化合物;ビニル基含有1、2級アミン化合物およびアミド化合物;一酸化炭素、二酸化硫黄等が第三成分としてエチレン等と共重合されていてもよい。
多元エチレン系共重合体としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル−一酸化炭素共重合体、エチレン−アクリル酸−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−アクリル酸n−ブチル共重合体等の三元エチレン系共重合体などが挙げられる。
これらの共重合体における第三成分から導かれる構成単位含量(第三成分含量)は、好
ましくは0.01〜40重量%、特に好ましくは0.1〜30重量%であり、エチレン含量は、好ましくは95〜40重量%であり、特に好ましくは90〜50重量%である。
好ましいエチレン系共重合体としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体などが挙げられる。
本発明で用いられる樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)は、通常0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分である。
樹脂(A)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、95〜50重量%、好ましくは93〜53重量%、さらに好ましくは90〜55重量%の割合で用いられる。
樹脂(B)
本発明で用いられる樹脂(B)は、二元以上の多元プロピレン共重合体、または、このプロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる。
この二元以上の多元プロピレン共重合体におけるプロピレンと共重合可能なプロピレン以外の成分としては、具体的には、エチレン、または、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペン
テンなどの炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらの成分は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、本発明で用いるこの二元以上の多元共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、ランダム共重合体が特に好ましい。
二元以上の多元プロピレン共重合体としては、具体的には、プロピレン・エチレンランダムまたはブロック共重合体、プロピレン・1‐ブテンランダムまたはブロック共重合体
、プロピレン・4‐メチル‐1‐ペンテンランダムまたはブロック共重合体等のプロピレン二元共重合体、プロピレン・1-ブテン・エチレンランダムまたはブロック共重合体等のプロピレン三元共重合体が例示できる。これらの中では、プロピレン・1-ブテン・エチレン三元ランダム共重合体が最も好ましい。
上記プロピレン共重合体におけるプロピレン以外の成分から導かれる構成単位(例えば、α−オレフィン単位)の含有量は、0.1〜20モル%、好ましくは0.2〜18モル%、さらに好ましくは0.5〜15モル%である。
本発明で用いられる樹脂(B)としては、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分、好ましくは2〜45g/10分、さらに好ましくは3〜40g/10分である樹脂が望ましい。
樹脂(B)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、5〜50重量%、好ましくは7〜47重量%、さらに好ましくは10〜45重量%の割合で用いられる。
有機過酸化物(C)
本発明では、架橋剤として有機過酸化物(C)が好ましく用いられる。
有機過酸化物(C)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジ
メチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチ
ルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p‐クロロベンゾイルペルオキシド、2,4‐ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert‐ブチルペルオキシベンゾエート、tert‐ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert‐ブチルクミルペルオキシドなどが挙げられる。
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐
ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキ
シン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐
ブチルペルオキシ)バレレートなどが好ましく、なかでも、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(te
rt‐ブチルペルオキシ)へキサンが最も好ましい。
有機過酸化物(C)は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.001〜3重量部、好ましくは0.002〜2.5重量部、さらに好ましくは0.003〜2.0重量部の量で用いられる。有機過酸化物(C)を上記範囲内の量で用いると、流動性に優れ、成形加工性に優れたエチレン共重合体組成物が得られる。このエチレン共重合体組成物から耐熱性および外観に優れ、耐傷性に優れた成形体を調製することができる。
<重合体組成物[X]の製造方法>
上記のような重合体組成物[X]は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得られる。また、本発明では、重合体組成物[X]は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、必要に応じて後述するような鉱物油系軟化剤、酸化防止剤、架橋助剤などの添加剤とともに、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得てもよい。
なお、添加剤の添加時期は、後述する、重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との混合時などでもよい。
溶融混練装置としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロールなどが挙げられる。これらの中では、一軸または二軸押出機を用いることが特に好ましい。
溶融混練は、通常120〜250℃の温度で、30秒〜30分間行なわれる。なお、動的熱処理(溶融混練)は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
このようにして得られる重合体組成物[X]は、樹脂(A)および樹脂(B)を必須成分として含み、樹脂(A)および樹脂(B)の少なくとも一方が部分的または完全に(高度に)架橋された重合体組成物となっている。
すなわち、この重合体組成物[X]は、前記重合体組成物[X]’に相当している。
なお、本発明において「部分的または完全に(高度に)架橋された」とは、熱処理(架橋)前の樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物[X]のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)に対して、熱処理(架橋)後に得られる樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物[X]のMFRの低下率が20%以上となる状態を意味する。得られる重合体組成物[X]の架橋度が低すぎると
、モルホロジー制御が不完全となり引張強度が著しく低下したり、目標の耐熱性が得られないことがある。
上記のようにして得られる重合体組成物[X]のメルトフローレート(JIS K 6760、19
0℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.15〜30g/10分
であることが望ましい。
<アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]>
本発明で用いるアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]のベースポリマーであるポリオルガノシロキサン(P1)は、下記の一般式(I):
で示されるものである。上記式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭化水素基であり、ハロゲンのような置換基を有することができる。より具体的には、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどのアルキル基、フェニル、トリル、キシリル、ナフチルなどのアリール基、あるいはこれらの基における水素原子の1個以上がハロゲンで置換したハロゲン置換体などを例示することができる。
上記式(I)中、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基であって、具体的に
はビニル、アリル、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタクリロキシプロピルなどのラジカル反応性基やγ−メルカプトプロピルなどの−SH基を持つ有機基を例示することができる。また上記式(I)中、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子、メチル、エチル、イ
ソプロピル、n−プロピル、イソブチル、n−ブチルなどの低級アルキル基又は−SiR456で示される基である。ここにR4、R5及びR6は、それぞれ独立にR1、R2及びR3で示したようなハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基、Yで示したようなラジカ
ル反応性基又は−SH基を持つ有機基を表す。
上記式(I)中、mは10,000以下の整数、好ましくは500〜8000、nは1以
上の整数で、好ましくは1〜500ある。またm個の重合単位におけるR1,R2、n個の重合単位におけるR3、Yはそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。上記式(I)で示されるポリオルガノシロキサンには若干の分岐があってもよい。
このようなポリオルガノシロキサン(P1)は、上記のような基を有する鎖状や環状の低分子量ポリオルガノシロキサンやアルコキシシランを用いて、加水分解や重合、平衡化の手段を用いて製造することができる。また分岐を有するポリオルガノシロキサンは、原料としてトリアルコキシシランやテトラアルコキシシランなどを重合時に少量使用することにより得ることができる。加水分解、重合、平衡化は、公知の技術により水中に乳化した状態で行うことができる。例えば上記のような基を有するポリオルガノシロキサンあるいはアルコキシシランの混合溶液を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸等のスルホン酸を用い、ホモジナイザー等を用いて、水と緊密に混合させながら重合させる方法によってポリオルガノシロキサン(P1)の微粒子として得ることができる。
本発明におけるアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]は、上記ポリオルガノシロキサン(P1)に、(メタ)アクリル酸エステル(P2)又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(P3)30重量%以下との混合物(但し、(P2)+(P3)=100重量%)を重量比[(P1)/[(P2)+(P3)]が、5/95〜95/5となるような割合でグラフト共重合させることによって得ることができる。
上記(メタ)アクリル酸エステル(P2)としては、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、アルコキシアルキルエステルなどであり、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸−2−ヒドロ
キシエチル、アクリル酸−2−メトキシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-プロピル、
メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-へキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸n-ラウリル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸−2−エトキシエチルなどのメタクリル酸エステルを例示することができる。これらは1種又は2種以上組合せて使用することができる。これらの中ではとくにメタクリル酸メチルを少なくとも一成分として使用することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(P2)と共重合可能な他の単量体(P3)としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンのようなスチレン系化合物、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸のような不飽和カルボン酸等の二重結合を1個有する単量体の他にエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多不飽和単量体を代表例として挙げることができる。これらは2種以上使用することができる。
アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]は、上記のようにして得られるポリオルガノシロキサン(P1)の乳化液に、(メタ)アクリル酸エステル(P2)、又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)とこの(メタ)アクリル酸エステル(P2)と共重合可能な他の単量体(P3)との混合物((P2)+(P3))を加え、ラジカル開始剤の存在下でグラフト共重合することによって得ることができる。
ラジカル開始剤としては、過硫酸塩や有機過酸化物のような通常の乳化重合用のものを使用することができる。
ポリオルガノシロキサン(P1)と、(メタ)アクリル酸エステル(P2)又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)と共重合可能な他の単量体(P3)との混合物の使用比率は、(P1)/[(P2)+(P3)](重量比)で5/95〜95/5、好ましくは40/60〜80/20の範囲である。重合終了後は、塩析、凝固させることによってアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を分離、回収することができる。
本発明においては、重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対し、このようなアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、とくに好ましくは0.5〜5重量部の割合で配合することが望ましい。これにより
重合体組成物[X]の物性を実質的に損なうことなく、外観が優れ、耐傷付き性の改良された成形体が得られるようなエチレン共重合体組成物を得ることができる。なお本発明においてはアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]はその粒径に制限はないが、100μ以下のものを使用するのが特に好ましい。
このような本発明に係るエチレン共重合体組成物を製造するには、上記重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを上記のような量で配合し、混練等すればよい。その際には、上記重合体組成物[X]の調製の際に用いたと同様の混練機などを用い、また加熱、加圧、混練、せん断等を加えることができる。
溶融混練は、通常120〜250℃の温度で、30秒〜30分間行なわれる。なお、溶融混練は、大気中で行ってもよいが、必要により、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なってもよい。
上記のようにして得られるエチレン共重合体組成物のメルトフローレート(MFR、JI
S K 6760、190℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.2〜30g/10分であることが望ましい。
また、このエチレン共重合体組成物からなる成形体体の「学振試験」(東洋精機(株)製摩耗試験機、綿帆布10号使用、往復100回、無加重判定。)の結果は、傷が僅かに観察されるかあるいは観察されず、耐傷性に優れている。
その他の成分>
グラフト変性ポリオレフィン(成分(D))
本発明においては、重合体組成物[X]の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後、例えば、重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との混合の際などに、必要に応じて、成分(D)としてグラフト変性ポリオレフィンを添加してもよい。
本発明で必要に応じて用いられる成分(D)は、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物によるグラフト変性ポリオレフィンである。具体的には、マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、イタコン酸グラフト変性ポリエチレン等の不飽和カルボン酸グラフト変性ポリオレフィン;無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水イタコン酸グラフト変性ポリエチレン等の不飽和カルボン酸無水物グラフト変性ポリエチレンなどが挙げられる。
グラフトモノマーである不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
上記グラフト変性ポリオレフィン(D)は、樹脂(A)、樹脂(B)およびグラフト変性ポリオレフィン(D)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。特に、樹脂(A)、樹脂(B)および成分(D)の合計100重量部に対し、3〜10重量部の量で成分(D)を用いると、柔軟性と耐熱性とのバランス、強度などに優れるエチレン共重合体組成物が得られる。
熱可塑性エラストマー(成分(E))
本発明においては、重合体組成物[X]の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後、例えば、重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との混合の際などに、必要に応じて、成分(E)として熱可塑性エラストマーを添加してもよい。
本発明で必要に応じて用いられる成分(E)としては、従来公知のオレフィン系ゴム(オレフィン系エラストマー)やスチレン系ブロック共重合体およびその水添物を用いることができる。
オレフィン系ゴム(エラストマー)としては、たとえば、エチレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、プロピレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。上記α‐オレフィンとしては炭素数3〜12のα‐オレフィンが好ましい。
また、スチレン系ブロック共重合体およびその水添物としては、スチレン‐ブタジエン‐スチレンブロック共重合体(SBS),その水添物であるスチレン‐エチレン・ブチレン‐スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)、その水添物であるスチレン‐エチレン・プロピレン‐スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン‐エチレン‐エチレン・プロピレン‐スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。
熱可塑性エラストマー(E)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238、190℃、21
60g 荷重)は、0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分であることが望ましい。
熱可塑性エラストマー(E)は、樹脂(A)、樹脂(B)および熱可塑性エラストマー(E)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。特に、樹脂(A)、樹脂(B)および成分(E)の合計100重量部に対し、3〜20重量部の量で成分(E)を用いると、柔軟性と耐熱性とのバランスなどに優れるエチレン共重合体組成物が得られる。
本発明のエチレン共重合体組成物には、必要に応じ、上記以外の種々の添加剤をさらに配合することができる。このような添加剤としては、従来公知の架橋助剤、鉱物油系軟化剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、スリップ剤(滑剤)、ブロッキング防止剤、離型剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
本発明においては、これらの添加剤は、重合体組成物[X]の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後の重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との混合によるエチレン共重合体組成物の製造の際に、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
架橋助剤としては、具体的には、p‐キノンジオキシム、p,p‐ジベンゾイルキノン
オキシム等のキノンオキシム類;ラウリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート等の(メタ)アクリレート類;ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等のアリル類;マレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド類;その他、硫黄、無水マレイン酸、イタコン酸、ジビニールベンゼン、ビニルトルエン、1,2‐ポリブ
タジエンなどを挙げることができる。
架橋助剤は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0〜3重量部、好ましくは0〜2.5重量部、さらに好ましくは0〜2.0重量部の量で用いられる
。架橋助剤を上記範囲内の量で用いると、エチレン系共重合体が本来有する優れた特性である成形加工に適した流動特性を維持することができる。
鉱物油系軟化剤としては、たとえばパラフィン系あるいはナフテン系のプロセスオイルが挙げられる。特に、40℃における粘度が300〜1000mPa・Sの範囲内にあるパラフィン系プロセスオイルを用いると、ブリード現象の発生を防止することができる。鉱物油系軟化剤の配合量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部の量で用いることが望ましい。
本発明に係るエチレン共重合体組成物においては、柔軟性、耐屈曲性を一層改善するために可塑剤(オイル)を配合することが効果的である。
本発明で必要に応じて用いられる可塑剤としては、具体的には、
プロセスオイル、エクステンダー油等の鉱物油系軟化剤;
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジn‐オクチルフタレート、ジ(2‐エチ
ルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル等のトリメリット酸エステル、ピロメリット酸オクチルエステル等のピロメリット酸エステルのような芳香族エステル系可塑剤;
ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジn‐ブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ(2‐エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチ
ルアゼレート、ジ(2‐エチルヘキシル)アゼレート、ジ(2‐エチルヘキシル)セバケート、メチルアセチルリシノレート、ジペンタエリスリトールエステル等の脂肪族エステル系可塑剤;
ポリエチレングリコールエステル等のグリコールエステル系可塑剤;
エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポキシ系可塑剤;
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2‐エチルヘキシル)ホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリセチルホスフェー
ト、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル、2‐エチルヘキシルジフェニルホスフェート、縮合リン酸
エステル等のリン酸エステル系可塑剤などを挙げることができる。これらの中では、芳香族エステル系可塑剤の使用が最も好ましい。可塑剤の配合量は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜8重量部の量で用いることが望ましい。
充填剤(フィラー)としては、たとえばカーボンブラック、タルク、クレー、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アスベスト、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえばフェニル‐α‐ナフチルアミン、2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール、テトラキス〔メチレン(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕などが挙げられる。
また、本発明に係るエチレン共重合体組成物にはポリオレフィン樹脂が含まれていてもよく、このポリオレフィン樹脂は、用いられた成分(A)、(B)が部分的または完全に
(高度に)架橋されている重合体組成物[X]100重量部に対して、必要に応じて0〜100重量部の量で用いてもよい。このポリオレフィン樹脂は、例えば、混合機内に、重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]と一緒に添加し混合してもよく、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]の添加前または後に添加混合してもよく、その添加混合方法は特に限定されない。
本発明において、動的熱処理後等に必要に応じて添加混合されるポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、4‐メチル‐1‐ペンテンなどの1‐
オレフィンの単独重合体、その2種以上の共重合体、あるいはα−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共重合体、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物質のものが挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂のメルトインデックス(ASTM D1238‐65T、190℃、ただし、プロピレン系重合体は230℃)は、0.5〜100g/10分、特に1〜50g/10分であることが好ましい。
<用途>
本発明に係る重合体組成物は、上記のような効果を有するので、自動車の内・外装部品、ハウジング等の部品、建材、家電部品、制振材料、スポーツ用品、ハロゲン系素材の代替材料などの用途に使用することができ、とくに高い耐傷性が要求される自動車用モールディングの本体材やリップ材、建材シート、壁紙保護フィルム等の用途に好適に用いられる。
また、本発明に係るエチレン共重合体組成物は、他の樹脂との積層、あるいは樹脂以外の他の素材と積層して使用してもよい。本発明に係るエチレン共重合体組成物からなる成形物表面には、必要に応じて、粘着剤を塗布して他の部材等と接合するなどして用いることもできる。
<発明の効果>
本発明によれば、耐熱性、引張強度特性、柔軟性および高周波ウェルダー性に優れ、耐傷性に優れた成形体を調製することができる、流動性と生産性に優れるエチレン共重合体組成物およびその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、容易にしかも安価に製造することができるエチレン共重合体組成物およびその製造方法を提供することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られたエチレン共重合体組成物(熱可塑性エラストマー組成物)あるいは該組成物を用いてなる成形体について、MFR、曲げ剛性率、硬度(ショアAおよびD)、引張特性(引張破断点強度、引張破断点伸び)および学振試験などを下記の方法に従って測定した。また、耐熱性試験を下記の方法に従って行ない、評価した。
[物性評価方法]
(1)MFR
MFRは、JIS K 6760(190℃、2160g加重)に準拠して測定した。(2)曲げ剛性率(オルゼン式)
曲げ剛性率(オルゼン式)は、JIS K7106に従って測定した。
(3)硬度(ショアAおよびD)
硬度(ショアAおよびD)は、JIS K7215に従って測定した。
(4)引張特性(引張破断点強度および引張破断点伸び)
引張破断点強度および引張破断点伸びは、JIS K6301に従い、3号ダンベル試験片を使用し、引張速度200mm/分で引張試験を行なって測定した。
(5)学振試験
東洋精機(株)製摩耗試験機、綿帆布10号使用、往復100回、無荷重判定。
合格: 傷が僅かに観察される、あるいは観察されない。
不合格:傷が明確に観察される。
また、実施例、比較例で、重合体組成物[X]等を調製する際、あるいはエチレン共重合体組成物を調製する際などに用いた成分は、以下の通りである。
エチレン−ビニルエステル共重合体またはエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A成分)
(A−1):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=19重量%、
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=15g/10分。
(A−2):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=33重量%、
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=14g/10分。
(A−3):エチレンメタクリル酸共重合体
メタクリル酸=9重量%、
MFR(JIS K6760,190℃、2160g荷重)=12g/10分。
プロピレン共重合体、プロピレン単独重合体(B成分)
(B−1);
三元系プロピレンランダム共重合体:
プロピレン含量=93.5モル%、
エチレン含量=3モル%、
ブテン含量=3.5モル%、
MFR(ASTM D1238,230℃、2160g荷重)=7g/10分。
有機過酸化物(C)
(C−1);商品名 ルパゾール101、
アトケム吉富(株)製の2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン。
添加剤(架橋助剤、(D))
(D−1):略号「Si−A」、
アクリル変性ポリオルガノシロキサン(商品名「シャリーヌR170S」、平均粒径30μm、日信化学工業(株)製。)。
樹脂(E)
(E−1):略号「L−LDPE」
直鎖低密度ポリエチレン(密度920kg/m3、メルトフローレート2.1g/10
分(190℃、2160g)。
(E−2):略号「SEBS」
スチレン・(エチレン/ブテン)・スチレンブロック共重合体、
(スチレン含量27重量%、密度910kg/m3、MFR1.0g/10分(230℃
、2160g))。
(E−3):略号「LDPE」
低密度ポリエチレン(密度923kg/m3、メルトフローレート3.7g/10分(
190℃、2160g))。
(E−4):略称「ミラストマー」
熱可塑性エラストマー(三井化学(株)製、商品名「ミラストマー9020N」、密度
890kg/m3、メルトフローレート12g/10分(230℃/10kg)。
(E−5):略号「HDPE」
高密度ポリエチレン(三井化学(株)製、「ハイゼックス7000F」、密度956kg/m3)。
[重合体組成物の調製例1]
<重合体組成物[X−1]>
表1に示すように、前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A−1)、三元系プロピレン
ランダム共重合体(B−1)、及び有機過酸化物(C−1)を、(A−1)/(B−1)/(C−1)=70/30/0.05(重量部)の割合で、ヘンシェルミキサーに供給し、ヘンシェルミキサー中で60秒間予備混合し、ペレタイザーを備えた40mmφの単軸押出機[ナカタニ機械(株)製、品番 VSK40m/m]に上記混合物をフィードし、下記の押出条件(ないし溶融混練条件)で溶融混練して造粒し、(A)成分および(B)成分の少なくとも一方が部分的に(あるいは高度に)架橋された重合体組成物[X−1]のペレットを得た。
上記単軸押出機における押出条件は、次の通りである。
L/D:28、
バレル温度(℃);
C1=180、C2=200、C3=200、C4=200、
A=200、D=200、
スクリュー回転数:40rpm、
押出量:8kg/h、
滞留時間:80秒、
ミキシングゾーン温度:200℃。
得られた重合体組成物[X−1]のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)は、0.83(g/10分)であり、MFR低下率は、92%であった。
[重合体組成物の調製例2]
<重合体組成物[X−2]>
表1に示すように、上記「重合体組成物の調製例1」において、前記エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(A−2)、三元系プロピレンランダム共重合体(B−1)、及び有機過酸化物(C−1)を、(A−2)/(B−1)/(C−1)=80/20/0.05(重量部)の割合で用いた以外は、「重合体組成物の調製例1」と同様にして、重合体組成物[X−2]を調製した。
得られた重合体組成物[X−2]のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)は、0.19(g/10分)であり、MFR低下率は、98%であった。
[重合体組成物の調製例3]
<重合体組成物[X−3]>
表1に示すように、上記「重合体組成物の調製例1」において、前記エチレン・メタク
リル酸共重合体(A−3)、三元系プロピレンランダム共重合体(B−1)、及び有機過酸化物(C−1)を、(A−3)/(B−1)/(C−1)=80/20/0.05(重量部)の割合で、ヘンシェルミキサーに供給し、ヘンシェルミキサー中で60秒間予備混合し、ペレタイザーを備えた40mmφの単軸押出機[ナカタニ機械(株)製、品番 VSK40m/m]に上記混合物をフィードし、下記の押出条件(ないし溶融混練条件)で溶融混練して造粒し、(A)成分および(B)成分の少なくとも一方が部分的に(あるい
は高度に)架橋された重合体組成物[X−3]のペレットを得た。
得られた重合体組成物[X−3]のメルトフローレート(MFR;JIS K6760、190℃、2160g荷重)は、6.33(g/10分)であり、MFR低下率は、40%であった。
表2に示すように、重合体組成物[X−1]に、(Si−A)を、[X−1]/(Si−A)=95/5(重量部)の割合で配合し、ヘンシェルミキサー中で60秒間予備混合し、ペレタイザーを備えた40mmφの単軸押出機[ナカタニ機械(株)製、品番 VSK40m/m]に上記混合物をフィードし、200℃の温度で10分間溶融混練して、ペレット化した。
得られたエチレン共重合体組成物のペレットを、200℃に設定したプレス成形機にて、150mm角のシートを作製した。
上記のようにして得られたプレスシートについて、MFR、曲げ剛性率、硬度(ショアD、JIS-A)、引張特性(引張破断点強度、引張破断点伸び)を上記方法に従って測
定し、また学振試験を行った。
結果を表2に示す。
実施例1において、重合体組成物[X]として重合体組成物[X−1]に代えて、前記重合体組成物[X−2]を用いた以外は、実施例1と同様にしてプレスシートを作成し、同様の試験等を行った。
結果を表2に示す。
実施例1において、重合体組成物[X]として重合体組成物[X−1]に代えて、前記重合体組成物[X−3]を用いた以外は、実施例1と同様にしてプレスシートを作成し、同様の試験等を行った。
結果を表2に示す。
[比較例1〜5]
実施例1において、配合組成を表2に示すように変え、プレスシートを作成して、実施例1と同様の試験等を行った。
結果を表2に示す。

Claims (13)

  1. 下記の重合体組成物[X]と、下記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを含み、該重合体組成物[X]とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で含むことを特徴とするエチレン共重合体組成物:
    重合体組成物[X]:
    ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
    のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
    プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
    %)とを、
    前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られる少なくとも部分的に架橋された重合体組成物、
    アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]:
    下記一般式
    [式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭化水素基、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又は−SiR456(R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭化水素基、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基)で示される基を表し、mは10,000以下の整数、nは1以上の整数であり、シロキサン鎖には分岐があってもよい]で示されるポリオルガノシロキサン(P1)に、
    (メタ)アクリル酸エステル(P2)、又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(P3)30重量%以下の混合物(但し、(P2)+(P3)=100重量%)を重量比[(P1)/[(P2)+(P3)]5/95〜95/5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン。
  2. 前記樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.1〜300g/10分であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン共重合体組成物。
  3. 前記樹脂(B)が、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分である樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のエチレン共重合体組成物。
  4. 重合体組成物[X]のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.1g/10分以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン共重合体組成物。
  5. 上記重合体組成物[X]は、120℃に設定したオーブン中に100時間吊した後の自重による変形・重量変化が5%以下になる、厚み2mmのJIS 3号ダンベル(JIS K 6
    760)を調製することができるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載のエチレン共重合体組成物。
  6. 上記重合体組成物[X]は、引張破断点強度(JIS K 6760)が5MPa以上で、かつ、伸び(JIS K 6760)が200%以上の成形体を調製することができるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン共重合体組成物。
  7. 上記重合体組成物[X]は、曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)が300MPa以下の成形体を調製することができるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエチレン共重合体組成物。
  8. ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
    のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
    プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
    %)とを、
    前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して、重合体組成物[X]を得、次いで、
    得られた重合体組成物[X]と、前記請求項1に記載のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを混合することを特徴とするエチレン共重合体組成物の製造方法。
  9. 前記樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.1〜300g/10分であることを特徴とする請求項8に記載のエチレン共重合体組成物の製造方法。
  10. 前記樹脂(B)が、融点が120℃以上で、メルトフローレート(ASTM D 1238,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分である樹脂であることを特徴とする請求項8〜9の何れかに記載のエチレン共重合体組成物の製造方法。
  11. 重合体組成物[X]のメルトフローレート(JIS K 6760,190℃、2160g荷重)が0.1g/10分以上であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のエチレン共重合体組成物の製造方法。
  12. 下記の重合体組成物[X]’と、下記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを含み、該重合体組成物[X]’とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で含むことを特徴とするエチレン共重合体組成物:
    重合体組成物[X]’:
    ビニルエステル成分含量が5〜60重量%のエチレン−ビニルエステル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸成分含量が1〜25重量%(但し、全成分含量:100重量%)
    のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン
    系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
    プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体、または二元以上の多元プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂(B)5〜50重量%(但し、樹脂(A)+樹脂(B)=100重量
    %)とを、
    必須成分として含み、その少なくとも一方が部分的または完全に架橋されてなる重合体組成物、
    アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]:
    下記一般式
    [式(I)中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に炭化水素基、Yは、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基、X1及びX2は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基又は−SiR456(R4、R5及びR6は、それぞれ独立に炭化水素基、ラジカル反応性基又は−SH基を持つ有機基)で示される基を表し、mは10,000以下の整数、nは1以上の整数であり、シロキサン鎖には分岐があってもよい]で示されるポリオルガノシロキサン(P1)に、
    (メタ)アクリル酸エステル(P2)、又は(メタ)アクリル酸エステル(P2)70重量%以上と共重合可能な他の単量体(P3)30重量%以下の混合物(但し、(P2)+(P3)=100重量%)を重量比[(P1)/[(P2)+(P3)]5/95〜95/5の割合でグラフト共重合してなるアクリル変性ポリオルガノシロキサン。
  13. 上記の重合体組成物[X]’と、上記のアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]とを、該重合体組成物[X]’とアクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]との合計100重量部に対して、アクリル変性ポリオルガノシロキサン[Y]を0.5〜20重量部の割合で混合することを特徴とするエチレン共重合体組成物の製造方法。
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