JP2003176388A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法

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JP2003176388A
JP2003176388A JP2002159648A JP2002159648A JP2003176388A JP 2003176388 A JP2003176388 A JP 2003176388A JP 2002159648 A JP2002159648 A JP 2002159648A JP 2002159648 A JP2002159648 A JP 2002159648A JP 2003176388 A JP2003176388 A JP 2003176388A
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thermoplastic elastomer
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ethylene
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Kazuyuki Nakada
田 一 之 中
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Dow Mitsui Polychemicals Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはそのア
イオノマーと、(B)パーオキサイド架橋性材料と、必要
に応じて鉱物油系軟化剤を押出機に供給し、パーオキサ
イド(C)の存在下に、動的に熱処理して得られることを
特徴とする。この共重合体の不飽和カルボン酸含有量は
2〜35重量%であることが好ましい。本発明の熱可塑
性エラストマー組成物の製造方法は、上記組成物の製造
方法である。 【効果】本発明によれば、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性に
優れるとともに、高強度かつ低硬度でゴム弾性、加工安
定性を有する成形体、あるいは、柔軟性、耐熱性、耐摩
耗性に優れるとともに、耐圧縮永久歪み性にも優れ、し
かも、高強度かつ低硬度でゴム弾性、加工安定性を有す
る成形体を調製することが可能な、流動性に優れる熱可
塑性エラストマー組成物およびその製造方法を提供でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、熱可塑性エラストマー組
成物およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、柔軟
性、耐熱性、耐摩耗性に優れるとともに、高強度かつ低
硬度でゴム弾性、加工安定性を有する成形体を調製する
ことが可能な、流動性に優れる熱可塑性エラストマー組
成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来、熱可塑性エラストマー組成
物として、たとえばエチレン・プロピレン共重合体ゴム
またはエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体
ゴムによって代表されるペルオキシド架橋型オレフィン
共重合体ゴムとポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂とからなる、ゴム成分が部分架橋している熱可塑性エ
ラストマー組成物が従来より知られており、種々の態様
で製造されている。
【0003】たとえば特開昭58−25340号公報に
は、粒子状ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴ
ムたとえばエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合
体、およびペルオキシド分解型ポリオレフィン系樹脂た
とえばポリプロピレンを二軸押出機に直接供給し、有機
ペルオキシドの存在下に、特定の条件にて動的熱処理を
行なうことを特徴とする部分架橋ゴム−樹脂組成物(熱
可塑性エラストマー組成物)の製造方法が開示されてい
る。
【0004】この熱可塑性エラストマー組成物は、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂の有機ペルオキシド
分解性を利用して、エチレン・プロピレン・非共役ポリ
エン共重合体ゴムを部分的に架橋させている。本願発明
者らは、このようなポリオレフィン樹脂の有機ペルオキ
シド分解性を利用せずに、ゴム成分が部分的に架橋して
いる熱可塑性エラストマー組成物であって、柔軟性、耐
熱性、耐摩耗性に優れるとともに、高強度かつ低硬度で
ゴム弾性、加工安定性を有する成形体を調製することが
可能な、流動性に優れる熱可塑性エラストマー組成物お
よびその製造方法を開発することを目的として鋭意研究
し、エチレン・メタクリル酸共重合体等のエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマーと、エ
チレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸メ
チルを押出機(好ましくは二軸押出機)に供給し、有機
ペルオキシドの存在下に動的に熱処理したところ、上記
の目的とする熱可塑性エラストマー組成物が得られるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。この新規な熱
可塑性エラストマー組成物は、エチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体またはそのアイオノマーのパーオキサイド
による架橋性が非常に低いという特徴を利用したもので
ある。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、エチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体またはそのアイオノマーを用いて、柔軟
性、耐熱性、耐摩耗性に優れるとともに、高強度かつ低
硬度でゴム弾性、加工安定性を有する成形体を調製する
ことが可能な、流動性に優れる熱可塑性エラストマー組
成物、およびその製造方法を提供することにある。
【0006】また、本発明の他の目的は、エチレン・不
飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマーを用い
て、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性に優れるとともに、耐圧
縮永久歪み性にも優れ、しかも、高強度かつ低硬度でゴ
ム弾性、加工安定性を有する成形体を調製することが可
能な、流動性に優れる熱可塑性エラストマー組成物、お
よびその製造方法をも提供することにある。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成
物は、(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A
1)またはそのアイオノマー(A2)と、(B)パーオ
キサイド架橋性材料と、必要に応じて鉱物油系軟化剤を
押出機に供給し、パーオキサイド(C)の存在下に、動
的に熱処理して得られることを特徴としている。
【0008】上記の、本発明に係る熱可塑性エラストマ
ー組成物のメルトフローレートは、鉱物油系軟化剤を配
合しない場合には、JIS K6760に準拠して19
0℃、10kg荷重の条件下で測定したメルトフローレ
ートが0.1g/10分以上であることが望ましく、ま
た、鉱物油系軟化剤を配合した場合には、JIS K6
760に準拠して230℃、10kg荷重の条件下で測
定したメルトフローレートが0.01g/10分以上で
あることが望ましい。
【0009】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
としては、曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)が1
00MPa以下の成形体を調製することができる熱可塑
性エラストマー組成物、あるいは、引張破断点強度(JI
S K 6760)が8MPa以上で、かつ、伸び(JIS K 676
0)が300%以上の成形体を調製することができる熱
可塑性エラストマー組成物、あるいは、テーバー摩耗試
験(摩耗輪:CS17/1kg荷重)を行なった場合
に、摩耗輪1000回転後のテーバー摩耗量が300m
g以下となる成形体を調製することができることが熱可
塑性エラストマー組成物、あるいは圧縮永久歪み(C
S)(JIS K6301に準拠:70℃×22時間)
が50%以下の成形体を調製することができる熱可塑性
エラストマー組成物が好ましい。
【0010】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
の製造方法は、(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重
合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)と、
(B)パーオキサイド架橋性材料と、必要に応じて鉱物
油系軟化剤を押出機に供給し、パーオキサイド(C)の
存在下に、動的に熱処理することを特徴としている。
【0011】上記の、本発明に係る熱可塑性エラストマ
ー組成物およびその製造方法において、前記エチレン・
不飽和カルボン酸共重合体(A1)の不飽和カルボン酸
から誘導される構成単位含有量、または前記アイオノマ
ー(A2)を構成するエチレン・不飽和カルボン酸共重
合体(A1)の不飽和カルボン酸から誘導される構成単
位含有量は、2〜35重量%であることが好ましい。
【0012】前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(A1)または前記アイオノマー(A2)のメルトフロ
ーレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、通常
0.1〜300g/10分である。前記パーオキサイド
架橋性材料(B)としては、たとえば不飽和炭素結合を
有する樹脂もしくはゴム、酢酸ビニル基を有する樹脂も
しくはゴム、または(メタ)アクリル酸エステル基を有
する樹脂もしくはゴムが挙げられる。
【0013】また本発明において、前記の成分(A)お
よび成分(B)の合計量100重量部に対して、成分
(A)が5〜90重量部の量で用いられ、成分(B)が
95〜10重量部の量で用いられ、かつ、成分(C)が
0.001〜4.0重量部の量で用いられることが好ま
しい。すなわち、成分(A)5〜90重量部と成分
(B)95〜10重量部(ただし、(A)+(B)=1
00重量部)ならびに(A)成分と(B)成分の合計量
100重量部に対し、成分(C)0.01〜4.0重量
部を含有することが好ましい。さらに鉱物油系軟化剤を
配合する場合、鉱物油系軟化剤は、成分(A)および成
分(B)の合計量100重量部に対して、0.1〜8重
量部の量で用いられることが好ましい。
【0014】前記(A)エチレン・不飽和カルボン酸共
重合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)は、前
記の成分(A)および成分(B)の合計量100重量部
に対して、パーオキサイド(C)を0.1重量部添加
し、200℃にて5分混練した場合に、メルトフローレ
ート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)の低下率が5
0%以下となる、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
またはそのアイオノマーであることが好ましい。
【0015】前記押出機としては、二軸押出機が好適で
あり、L/Dが30以上で滞留時間が1分以上稼げる押
出機を使用し、その押出条件は、反応ゾーンの温度を1
40〜250℃の範囲に設定することである。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る熱可塑性エラ
ストマー組成物およびその製造方法について具体的に説
明する。(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A1)ま
たは そのアイオノマー(A2) 本発明で用いられるエチレン・不飽和カルボン酸共重合
体(A1)は、エチレン・α,β- 不飽和カルボン酸共
重合体である。
【0017】エチレンと共重合させるα,β- 不飽和カ
ルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリ
ル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレ
イン酸等の炭素原子数3〜8のα,β- 不飽和カルボン
酸共重合体などが挙げられる。これらの中では、アクリ
ル酸、メタクリル酸が好ましい。エチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体(A1)としては、具体的には、エチレ
ン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重
合体、エチレン・エタクリル酸共重合体、エチレン・マ
レイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチ
レン・無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
【0018】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A
1)におけるエチレンから誘導される構成単位含有量
(エチレン含有量)は、好ましくは65〜98重量%、
さらに好ましくは70〜97重量%であり、不飽和カル
ボン酸から誘導される構成単位含有量(不飽和カルボン
酸含有量)は、好ましくは2〜35重量%であり、さら
に好ましくは3〜30重量%である。不飽和カルボン酸
含有量が上記範囲内にあるエチレン・不飽和カルボン酸
共重合体(A1)は、パーオキサイドによる架橋が起こ
り難く、架橋性樹脂とのブレンドおよび動的架橋押し出
しを行なうことができる。上記範囲以外のエチレン・不
飽和カルボン酸共重合体を使用すると、動的架橋押し出
しが不安定になり、目的とするエラストマーを得ること
ができない。
【0019】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A
1)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190
℃、2.16kg荷重)は、通常0.1〜300g/10分、
好ましくは0.15〜250g/10分、さらに好まし
くは0.2〜200g/10分の範囲内にある。また、
本発明で用いられるアイオノマー(A2)は、上記のよ
うなエチレン・α,β- 不飽和カルボン酸共重合体(A
1)のカルボン酸基の一部、通常0%を超え、かつ90
%以下、好ましくは0%を超え、かつ85%以下を金属
イオンにより中和した熱可塑性の樹脂である。
【0020】エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A
1)のカルボン酸基に中和する金属イオンは、1〜3価
の原子価を有する金属イオン、特に元素周期律表におけ
るI、II、III、IV AおよびVII族の1〜3価の原子価
を有する金属イオンであり、具体的には、Na+、K+
Li+、Cs+、Ag+、Hg+、Cu+、Be++、M
+ +、Ca++、Sr++、Ba++、Cu++、Cd++、Hg
++、Sn++、Pb++、Fe+ +、Co++、Ni++、Z
++、Al+++、Sc+++、Fe+++、Y+++などが挙げら
れる。これらの金属イオンは2種以上の混合成分であっ
ても差し支えないし、またアンモニウムイオンとの混合
成分であっても差し支えない。これらの金属イオンの中
では、特にZn++、Na+が好ましい。
【0021】アイオノマー(A2)のメルトフローレー
ト(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、通
常0.1〜300g/10分、好ましくは0.15〜2
50g/10分、さらに好ましくは0.2〜200g/
10分の範囲内にある。(A)エチレン・不飽和カルボ
ン酸共重合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)
としては、成分(A)および成分(B)の合計量100
重量部に対して、パーオキサイド(C)を0.1重量部
添加し、200℃にて5分混練した場合に、メルトフロ
ーレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)の低下率
が50%以下となる、エチレン・不飽和カルボン酸共重
合体またはそのアイオノマーが好ましい。
【0022】成分(A)すなわちエチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体(A1)またはそのアイオノマー(A
2)は、成分(A)および成分(B)の合計量100重
量部に対して、好ましくは5〜90重量部、さらに好ま
しくは10〜75重量部、特に好ましくは15〜60重
量部の量で用いられる。成分(A)を上記範囲内の量で
用いると、流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成物
が得られ、この組成物から機械的強度特性に優れるとと
もに柔軟性に優れる成形体を調製することができる。
【0023】パーオキサイド架橋性材料(B) 本発明で用いられるパーオキサイド架橋性材料(B)と
しては、たとえば不飽和炭素結合を有する樹脂もしくは
ゴム、酢酸ビニル基を有する樹脂もしくはゴム、または
(メタ)アクリル酸エステル基を有する樹脂もしくはゴ
ムが挙げられる。
【0024】不飽和炭素結合を有する樹脂もしくはゴム
としては、具体的には、エチレンと炭素原子数3〜20
のα- オレフィンとを共重合したエチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム、エチレンと炭素原子数3〜20のα
- オレフィンとジエン等のポリエンとを共重合したエチ
レン・α- オレフィン・ポリエン共重合体ゴム、エチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムなどの実質的に非晶質の弾
性共重合体、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン
ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレン
ゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ビニルメチル
シリコーンゴム(VMQ)などが挙げられる。中でも、
エチレン・α- オレフィン・ポリエン共重合体ゴムが好
ましく用いられる。
【0025】エチレンと共重合させる炭素原子数3〜2
0のα- α- オレフィンとしては、具体的には、プロピ
レン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、2-メチル-1
- プロペン、3-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペン
テン、5-メチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、
1-エイコセンなどが挙げられる。また、ポリエンとして
は、たとえば、ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエ
ン、ジシクロオクタジエン、メチレン-ノルボルネン、
エチリデン-ノルボルネン等の非共役ジエンなどが挙げ
られる。
【0026】本発明では、上記のようなエチレン・α-
オレフィン・ポリエン共重合体ゴムの内でも、エチレン
成分単位とα- オレフィン成分単位とのモル比(エチレ
ン成分単位/α- オレフィン成分単位)が約50/50
〜95/5、好ましくは約55/45〜85/15の範
囲内にあり、非共役ポリエンの含有量がヨウ素価表示で
5〜50、好ましくは10〜40のエチレン・α- オレ
フィン・非共役ジエン共重合体ゴムが望ましい。また、
この共重合体ゴムは、ムーニー粘度ML1+4(100
℃)が約10〜200、好ましくは約12〜150であ
ることが望ましい。エチレン・α- オレフィン・非共役
ジエン共重合体ゴムの中でも、特にエチレン・プロピレ
ン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)が好ましく
用いられる。
【0027】酢酸ビニル基を有する樹脂もしくはゴムと
しては、具体的には、エチレン・酢酸ビニル共重合体
(EVA)、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル・
一酸化炭素共重合体などが挙げられる。これらの酢酸ビ
ニル基含有樹脂もしくはゴムの酢酸ビニル含量は通常、
12〜60重量%、好ましくは15〜50重量%であ
る。酢酸ビニル基を含有する樹脂もしくはゴムの中で
は、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)が好まし
く、この中でも酢酸ビニル基含有量12〜60重量%、
特に15〜50重量%のEVAが好ましい。
【0028】(メタ)アクリル酸エステル基を有する樹
脂もしくはゴムとしては、具体的には、ポリ(メタ)ア
クリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ
(メタ)アクリル酸ブチル、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸イソブチル
共重合体などが挙げられる。また、エチレン・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体・反応性モノマーの三元共
重合体であってもよい。
【0029】ここで、反応性モノマーとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸;マレイン酸モノメチル、マレイン
酸モノエチル、マレイン酸イソプロピル等のマレイン酸
モノエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジルのような不飽和モノカルボン酸グリシジルなど
を例示することができる。上記のようなパーオキサイド
架橋性材料(B)は、成分(A)および成分(B)の合
計量100重量部に対して、好ましくは95〜10重量
部、さらに好ましくは90〜25重量部、特に好ましく
は85〜40重量部の量で用いられる。パーオキサイド
架橋性材料(B)を上記範囲内の量で用いると、流動性
に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られ、しか
も、柔軟性に優れる成形体を調製することができる。
【0030】パーオキサイド(C) 本発明で用いられるパーオキサイド(ペルオキシド)
(C)としては、たとえば有機ペルオキシド、無機ペル
オキシド(たとえばKMnO4)が挙げられる。中で
も、有機ペルオキシドが好ましく用いられる。有機ペル
オキシドとしては、具体的には、ジクミルペルオキシ
ド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-
2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジ
メチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-
3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5
- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(te
rt-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオ
キシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロ
ロベンゾイルペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベ
ンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカー
ボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオ
キシド、tert- ブチルクミルペルオキシドなどが挙げら
れる。
【0031】これらの内では、臭気性、スコーチ安定性
の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチル
ペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブ
チル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート
などが好ましく、なかでも、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(t
ert-ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
【0032】本発明においては、有機ペルオキシド等の
パーオキサイド(C)は、成分(A)および成分(B)
の合計量100重量部に対して、好ましくは0.001
〜4.0重量部、さらに好ましくは0.01〜3.5重
量部、特に好ましくは0.02〜2.5重量部の量で用
いられる。パーオキサイド(C)を上記範囲内の量で用
いると、流動性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が
得られ、しかも、その組成物から引張強度特性および柔
軟性に優れる成形体を調製することができる。
【0033】また、本発明においては、架橋助剤を使用
することもできる。架橋助剤としては、具体的には、p
−キノンジオキシム、p,p−ジベンゾイルキノンオキ
シム等のキノンオキシム類、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールアクリレート等の(メタ)ア
クリレート類;ジアリールフマレート、トリアリールシ
アヌレート等のアリール類;マレイミド、フェニールマ
レイミド等のマレイミド類;その他、無水マレイン酸、
イタコン酸、ジビニールベンゼン、ビニールトルエン、
1,2−ポリブタジエンなどを挙げることができる。
【0034】架橋助剤は、成分(A)および成分(B)
の合計量100重量部に対して、好ましくは0.001
〜5重量部、さらに好ましくは0.01〜4重量部の量
で用いられる。その他の成分 本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物の調製の際
に、あるいは調製した後に、前記した成分(A)、成分
(B)および成分(C)の他に、必要に応じて、従来公
知の鉱物油系軟化剤、充填剤、酸化防止剤、耐熱安定
剤、耐候安定剤等の添加剤を、本発明の目的を損なわな
い範囲で添加することができる。
【0035】鉱物油系軟化剤としては、たとえばパラフ
ィン系あるいはナフテン系のプロセスオイルが挙げられ
るが、この中ではパラフィン系プロセスオイルが好まし
い。特に、本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物中
に、鉱物油系軟化剤(特に好ましくはパラフィン系プロ
セスオイル)が、前記成分(A)および成分(B)の合
計量100重量部に対して0.1〜8重量部の量で配合
されていると、圧縮永久歪み(CS)(JIS K63
01に準拠:70℃×22時間)が50%以下の耐圧縮
永久歪み性に優れる成形体を調製することができるため
好ましい。また、鉱物油系軟化剤として、40℃におけ
る粘度が300〜1000mm2 /sの範囲内にあるパ
ラフィン系プロセスオイルを用いると、ブリード現象の
発生を防止することができる。
【0036】充填剤としては、たとえばカーボンブラッ
ク、タルク、クレー、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシ
ウム、カオリン、けいそう土、シリカ、アルミナ、アス
ベスト、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえばフェニル-α- ナフチル
アミン、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、テトラキス〔メ
チレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕などが挙げられる。
【0037】熱可塑性エラストマー組成物 本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物のメルトフロ
ーレートは、鉱物油系軟化剤を配合しない場合には、J
IS K6760に準拠して190℃、10kg荷重の
条件下で測定したメルトフローレートが0.1g/10
分以上、通常は0.1〜40g/10分、好ましくは
0.15〜30g/10分、さらに好ましくは0.20
〜20g/10分であることが望ましい。一方、鉱物油
系軟化剤を配合した場合には、JIS K6760に準
拠して230℃、10kg荷重の条件下で測定したメル
トフローレートが0.01g/10分以上、通常は0.
01〜40g/10分、好ましくは0.015〜30g
/10分、さらに好ましくは0.020〜20g/10
分であることが望ましい。
【0038】また、本発明に係る好ましい熱可塑性エラ
ストマー組成物としては、曲げ剛性率(オルゼン式)(JI
S K 7106)が100MPa以下、通常は0.01〜90
MPa、好ましくは0.05〜80MPa、さらに好ま
しくは0.1〜70MPaの成形体を調製することがで
きる熱可塑性エラストマー組成物、あるいは、引張破断
点強度(JIS K 6760)が8MPa以上で、かつ、伸び
(JIS K 6760)が300%以上の成形体を調製すること
ができる熱可塑性エラストマー組成物、あるいは、テー
バー摩耗試験(摩耗輪:CS17/1kg荷重)を行な
った場合に、摩耗輪1000回転後のテーバー摩耗量が
300mg以下、好ましくは200mg以下、さらに好
ましくは100mg以下となる成形体を調製することが
できる熱可塑性エラストマー組成物、あるいは、圧縮永
久歪み(CS)(JIS K6301に準拠:70℃×
22時間)が50%以下の成形体を調製することができ
る熱可塑性エラストマー組成物が挙げられる。
【0039】熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 上記のような、本発明に係る熱可塑性エラストマー組成
物は、(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A
1)またはそのアイオノマー(A2)と、(B)パーオ
キサイド架橋性材料と、必要に応じて鉱物油系軟化剤を
押出機に供給し、パーオキサイド(C)の存在下に、動
的に熱処理することにより得られる。
【0040】上記の「動的に熱処理する」とは、上記の
ような各成分を融解状態で混練することをいう。この混
練に使用される押出機としては、二軸押出機が好ましく
用いられる。その押出条件(ないし混練条件)は、次の
通りである。すなわち、L/Dが30以上で滞留時間が
1分以上稼げる二軸押出機を使用し、その押出条件は、
反応ゾーンの温度を140〜250℃の範囲に設定する
ことである。
【0041】上記混練は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不
活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン・不飽和カル
ボン酸共重合体またはそのアイオノマーを用いて、柔軟
性、耐熱性、耐摩耗性に優れるとともに、高強度かつ低
硬度でゴム弾性、加工安定性を有する成形体、あるい
は、柔軟性、耐熱性、耐摩耗性に優れるとともに、耐圧
縮永久歪み性にも優れ、しかも、高強度かつ低硬度でゴ
ム弾性、加工安定性を有する成形体を調製することが可
能な、流動性に優れる熱可塑性エラストマー組成物、お
よびその製造方法を提供することができる。
【0043】本発明に係る熱可塑性エラストマー組成物
は、上記のような効果を有するので、自動車の内・外装
部品、ハウジングなどの部品、ゴルフボールの表皮材・
コア材、家電部品、制振材料、接着材、スポーツ用品、
ハロゲン系素材の代替材料などの用途に好適に用いられ
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例で得られた熱可塑性エラ
ストマー組成物の成形体について、曲げ剛性率、硬度、
引張破断点強度、引張破断点伸び、摩耗量、圧縮永久歪
み(CS)を下記の方法に従って測定した。また、耐熱
性試験を下記の方法に従って行ない、評価した。 (1)曲げ剛性率(オルゼン式) 曲げ剛性率(オルゼン式)は、JIS K7106に従
って測定した。 (2)硬度(ショアA) 硬度(ショアA)は、JIS K7215に従って測定
した。 (3)引張破断点強度および引張破断点伸び 引張破断点強度および引張破断点伸びは、JIS K6
760に従い、引張速度200mm/分で引張試験を行
なって測定した。 (4)摩耗量 テーバー摩耗試験を行なって摩耗輪(CS17/1kg
荷重)が1000回転した後の試験片の重量を測定し、
試験前後の重量から摩耗量を測定した。 (5)耐熱性試験 100℃に設定したオーブン中に、2mm厚のJIS
K6301規格で定められている3号ダンベルを100
時間吊し、ダンベルの外観・重量の変化を測定した。自
重による変形・重量変化が5%以下のダンベルを合格と
し、5%を超えるダンベルを不合格とした。 (6)圧縮永久歪み(CS) 圧縮永久歪み(CS)は、JIS K6301に準拠し
て、70℃×22時間の条件で行なった。
【0045】また、実施例および比較例で用いたエチレ
ン・不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマー、低密度
ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、EPD
Mおよびパーオキサイドは、以下の通りである。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマーお
よび低密度ポリエチレン (1)エチレン・メタクリル酸共重合体(A−1) メタクリル酸含量:20重量% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):60g/
10分 MFR低下率(前記した方法で測定。以下同じ。):1
2% (2)エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー
(A−2) メタクリル酸含量:20重量% Zn含量:5モル% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):37g/
10分 MFR低下率:8% (3)エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー
(A−3) メタクリル酸含量:8重量% Zn含量:12.5モル% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):5.7g
/10分 MFR低下率:35% (4)エチレン・メタクリル酸共重合体(A−4) メタクリル酸含有量:4重量% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):7g/1
0分 MFR低下率:63% (5)低密度ポリエチレン(LDPE)(A−5) 商品名 ミラソンTM 16、三井化学(株)製 MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):3.7g
/10分 MFR低下率:98% (6)エチレン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー
(A−6) メタクリル酸含量:8重量% Zn含量:50モル% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):1.0g
/10分 MFR低下率:35%エチレン・酢酸ビニル共重合体およびEPDM (1)エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−1) 酢酸ビニル含量:46重量% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):2.5g
/10分 (2)エチレン・酢酸ビニル共重合体(B−2) 酢酸ビニル含量:33重量% MFR(JIS K6760,190℃、2.16kg荷重):1.0g
/10分 (3)EPDM(B−3) 商品名 三井EPT3012P、三井化学(株)製 プロピレン含量:20.3重量% ムーニー粘度ML1+4(100℃):15パーオキサイド (1)パーオキサイド(C−1) 商品名 ルパゾール101、アトケム吉富(株)製の2,
5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサ
鉱物油系軟化剤 (1)パラフィン系プロセスオイル(D−1) 商品名 PW−380、出光化学(株)製 粘度(40℃):381.6mm2/s
【0046】
【実施例1】前記エチレン・メタクリル酸共重合体(A
−1)20重量部と、前記エチレン・酢酸ビニル共重合
体(B−1)80重量部と、前記パーオキサイド(C−
1)0.1重量部とを、ヘンシェルミキサー中で60秒
間予備混合し、この混合物をペレタイザーを備えた30
mmφの二軸押出機[池貝(株)製、品番PCM30−
35−3V−1SF]に定量フィーダーで所定量フィー
ドし、下記の押出条件(ないし溶融混練条件)で溶融混
練し、造粒して熱可塑性エラストマー組成物のペレット
を得た。
【0047】上記二軸押出機における押出条件は、次の
通りである。 L/D:35 バレル温度(℃);C1(120),C2(160),C3(16
0),C4−C9(200),A(200),D(200) スクリュー回転数:150rpm 押出量:6kg/h 滞留時間:90秒 ミキシングゾーン温度:200℃ 得られた熱可塑性エラストマー組成物は、MFR(JIS
K6760、190℃、10kg荷重)が4.7g/10分であっ
た。
【0048】また、得られた熱可塑性エラストマー組成
物のペレットを、200℃に設定したプレス成形機に
て、150mm角のシートを作製した。上記のようにし
て得られたプレスシートについて、曲げ剛性率、硬度、
引張破断点強度、引張破断点伸び、摩耗量を上記方法に
従って測定した。また、耐熱性試験を上記方法に従って
行なった。その結果を第1表に示す。
【0049】
【実施例2】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)およびエチレン・酢酸ビニル共重
合体(B−1)の配合量をそれぞれ40重量部、60重
量部に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結
果を第1表に示す。
【0050】
【実施例3】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)の代わりに、前記エチレン・メタ
クリル酸共重合体のアイオノマー(A−2)を用いた以
外は、実施例1と同様に行なった。結果を第1表に示
す。
【0051】
【実施例4】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)20重量部の代わりに、前記エチ
レン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー(A−3)
20重量部を用い、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B
−1)80重量部の代わりに、前記EPDM(B−3)
80重量部を用いた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。結果を第1表に示す。
【0052】
【実施例5】実施例4において、エチレン・メタクリル
酸共重合体のアイオノマー(A−3)およびEPDM
(B−3)の配合量をそれぞれ40重量部、60重量部
に変更した以外は、実施例1と同様に行なった。結果を
第1表に示す。
【0053】
【実施例6】実施例1において、エチレン・酢酸ビニル
共重合体(B−1)の代わりに、前記エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体(B−2)を用いた以外は、実施例1と同
様に行なった。結果を第1表に示す。
【0054】
【比較例1】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)の代わりに、前記エチレン・メタ
クリル酸共重合体(A−4)を用いた以外は、実施例1
と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0055】
【比較例2】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)の代わりに、前記低密度ポリエチ
レン(LDPE)(A−5)を用いた以外は、実施例1
と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0056】
【比較例3】実施例5において、パーオキサイド(C−
1)の配合量を0とした以外は、実施例5と同様に行な
った。結果を第1表に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【実施例7】実施例1において、エチレン・メタクリル
酸共重合体(A−1)20重量部の代わりに、前記エチ
レン・メタクリル酸共重合体のアイオノマー(A−6)
20重量部を用い、パーオキサイド(C−1)の配合量
を0.5重量部に変更し、さらに前記パラフィン系プロ
セスオイル(D−1)を1重量部用いた以外は、実施例
1と同様にして、熱可塑性エラストマー組成物のペレッ
ト、さらにはプレスシートを作製した。
【0059】上記のようにして得られたプレスシートに
ついて、曲げ剛性率、硬度、引張破断点強度、引張破断
点伸び、摩耗量、圧縮永久歪み(CS)を上記方法に従
って測定した。また、耐熱性試験を上記方法に従って行
なった。その結果を第2表に示す。
【0060】
【実施例8】実施例7において、パーオキサイド(C−
1)およびパラフィン系プロセスオイル(D−1)の配
合量を、それぞれ0.75重量部、1.6重量部に変更
した以外は、実施例7と同様に行なった。結果を第2表
に示す。
【0061】
【実施例9】実施例7において、パーオキサイド(C−
1)およびパラフィン系プロセスオイル(D−1)の配
合量を、それぞれ1重量部、1.6重量部に変更した以
外は、実施例7と同様に行なった。結果を第2表に示
す。
【0062】
【実施例10】実施例7において、パーオキサイド(C
−1)およびパラフィン系プロセスオイル(D−1)の
配合量を、それぞれ1重量部、5重量部に変更した以外
は、実施例7と同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0063】
【実施例11】実施例7において、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体(B−1)80重量部の代わりに前記エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(B−2)を用い、パーオキサ
イド(C−1)およびパラフィン系プロセスオイル(D
−1)の配合量をそれぞれ1重量部、5重量部に変更し
た以外は、実施例7と同様に行なった。結果を第2表に
示す。
【0064】
【実施例12】実施例7において、エチレン・メタクリ
ル酸共重合体のアイオノマー(A−6)20重量部の代
わりに前記エチレン・メタクリル酸共重合体(A−1)
20重量部を用い、パーオキサイド(C−1)およびパ
ラフィン系プロセスオイル(D−1)の配合量を、それ
ぞれ1重量部、5重量部に変更した以外は、実施例7と
同様に行なった。結果を第2表に示す。
【0065】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/02 C08L 101/02 Fターム(参考) 4F070 AA04 AA13 AA37 AA63 AA72 AC56 AE06 BA02 BA10 BB08 GA05 GA07 GA08 GB08 4J002 AC01X AC03X AC06X AC07X AC08X AC09X AE05Y BB07W BB08W BB09W BB10X BB15X BB23W CP14X EK036 EK046 EK056 EK066 FD146 GC01 GJ01 GN00 GQ00

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合
    体(A1)またはそのアイオノマー(A2)と、(B)
    パーオキサイド架橋性材料を押出機に供給し、パーオキ
    サイド(C)の存在下に、動的に熱処理して得られるこ
    とを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重合
    体(A1)またはそのアイオノマー(A2)と、(B)
    パーオキサイド架橋性材料と、鉱物油系軟化剤を押出機
    に供給し、パーオキサイド(C)の存在下に、動的に熱
    処理して得られることを特徴とする熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  3. 【請求項3】前記鉱物油系軟化剤がパラフィン系プロセ
    スオイルであることを特徴とする請求項2に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
    (A1)の不飽和カルボン酸から誘導される構成単位含
    有量、または前記アイオノマー(A2)を構成するエチ
    レン・不飽和カルボン酸共重合体(A1)の不飽和カル
    ボン酸から誘導される構成単位含有量が2〜35重量%
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
    (A1)または前記アイオノマー(A2)のメルトフロ
    ーレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1
    〜300g/10分であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 【請求項6】前記パーオキサイド架橋性材料(B)が、
    不飽和炭素結合を有する樹脂もしくはゴム、酢酸ビニル
    基を有する樹脂もしくはゴム、または(メタ)アクリル
    酸エステル基を有する樹脂もしくはゴムであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマ
    ー組成物。
  7. 【請求項7】前記鉱物油系軟化剤が、40℃における粘
    度が300〜1000mm2/sの範囲内にあるパラフ
    ィン系プロセスオイルであることを特徴とする請求項2
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 【請求項8】前記の成分(A)および成分(B)の合計
    量100重量部に対して、成分(A)が5〜90重量部
    の量で用いられ、成分(B)が95〜10重量部の量で
    用いられ、かつ、前記の成分(A)および成分(B)の
    合計量100重量部に対して、成分(C)が0.001
    〜4.0重量部の量で用いられていることを特徴とする
    請求項1、4〜6のいずれかに記載の熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  9. 【請求項9】前記の成分(A)および成分(B)の合計
    量100重量部に対して、成分(A)が5〜90重量部
    の量で用いられ、成分(B)が95〜10重量部の量で
    用いられ、前記の成分(A)および成分(B)の合計量
    100重量部に対して、成分(C)が0.001〜4.
    0重量部の量で用いられ、かつ、鉱物油系軟化剤が0.
    1〜8重量部の量で用いられていることを特徴とする請
    求項2〜7のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組
    成物。
  10. 【請求項10】前記(A)エチレン・不飽和カルボン酸
    共重合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)が、
    前記の成分(A)および成分(B)の合計量100重量
    部に対して、パーオキサイド(C)を0.1重量部添加
    し、200℃にて5分混練した場合に、メルトフローレ
    ート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)の低下率が5
    0%以下となる、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体
    またはそのアイオノマーであることを特徴とする請求項
    1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  11. 【請求項11】前記押出機が二軸押出機であり、L/D
    が30以上で滞留時間が1分以上稼げる押出機を使用
    し、その押出条件は、反応ゾーンの温度を140〜25
    0℃の範囲に設定することを特徴とする請求項1または
    2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  12. 【請求項12】メルトフローレート(JIS K6760、190
    ℃、10kg荷重)が0.1g/10分以上であることを特
    徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  13. 【請求項13】メルトフローレート(JIS K6760、230
    ℃、10kg荷重)が0.01g/10分以上であることを
    特徴とする請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  14. 【請求項14】曲げ剛性率(オルゼン式)(JIS K 7106)
    が100MPa以下の成形体を調製することができるこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の熱可
    塑性エラストマー組成物。
  15. 【請求項15】引張破断点強度(JIS K 6760)が8MP
    a以上で、かつ、伸び(JIS K 6760)が300%以上の
    成形体を調製することができることを特徴とする請求項
    1〜14のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成
    物。
  16. 【請求項16】テーバー摩耗試験(摩耗輪:CS17/
    1kg荷重)を行なった場合に、摩耗輪1000回転後
    のテーバー摩耗量が300mg以下となる成形体を調製
    することができることを特徴とする請求項1〜15のい
    ずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  17. 【請求項17】圧縮永久歪み(JIS K6301に準
    拠:70℃×22時間)が50%以下の成形体を調製す
    ることができることを特徴とする請求項1〜16のいず
    れかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  18. 【請求項18】(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重
    合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)と、
    (B)パーオキサイド架橋性材料を押出機に供給し、パ
    ーオキサイド(C)の存在下に、動的に熱処理すること
    を特徴とする熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】(A)エチレン・不飽和カルボン酸共重
    合体(A1)またはそのアイオノマー(A2)と、
    (B)パーオキサイド架橋性材料と、鉱物油系軟化剤を
    押出機に供給し、パーオキサイド(C)の存在下に、動
    的に熱処理することを特徴とする熱可塑性エラストマー
    組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】前記鉱物油系軟化剤がパラフィン系プロ
    セスオイルであることを特徴とする請求項19に記載の
    熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  21. 【請求項21】前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合
    体(A1)の不飽和カルボン酸から誘導される構成単位
    含有量、または前記アイオノマー(A2)を構成するエ
    チレン・不飽和カルボン酸共重合体(A1)の不飽和カ
    ルボン酸から誘導される構成単位含有量が2〜35重量
    %であることを特徴とする請求項18または19に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  22. 【請求項22】前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合
    体(A1)または前記アイオノマー(A2)のメルトフ
    ローレート(ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.
    1〜300g/10分であることを特徴とする請求項1
    8または19に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製
    造方法。
  23. 【請求項23】前記パーオキサイド架橋性材料(B)
    が、不飽和炭素結合を有する樹脂もしくはゴム、酢酸ビ
    ニル基を有する樹脂もしくはゴム、または(メタ)アク
    リル酸エステル基を有する樹脂もしくはゴムであること
    を特徴とする請求項18または19に記載の熱可塑性エ
    ラストマー組成物の製造方法。
  24. 【請求項24】前記鉱物油系軟化剤が、40℃における
    粘度が300〜1000mm2/sの範囲内にあるパラ
    フィン系プロセスオイルであることを特徴とする請求項
    19に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  25. 【請求項25】前記の成分(A)および成分(B)の合
    計量100重量部に対して、成分(A)が5〜90重量
    部の量で用いられ、成分(B)が95〜10重量部の量
    で用いられ、かつ、前記の成分(A)および成分(B)
    の合計量100重量部に対して、成分(C)が0.00
    1〜4.0重量部の量で用いられていることを特徴とす
    る請求項18、21〜23のいずれかに記載の熱可塑性
    エラストマー組成物の製造方法。
  26. 【請求項26】前記の成分(A)および成分(B)の合
    計量100重量部に対して、成分(A)が5〜90重量
    部の量で用いられ、成分(B)が95〜10重量部の量
    で用いられ、前記の成分(A)および成分(B)の合計
    量100重量部に対して、成分(C)が0.001〜
    4.0重量部の量で用いられ、かつ、鉱物油系軟化剤が
    0.1〜8重量部の量で用いられていることを特徴とす
    る請求項19〜24のいずれかに記載の熱可塑性エラス
    トマー組成物の製造方法。
  27. 【請求項27】前記押出機が二軸押出機であり、L/D
    が30以上で滞留時間が1分以上稼げる押出機を使用
    し、その押出条件は、反応ゾーンの温度を140〜25
    0℃の範囲に設定することを特徴とする請求項18また
    は19に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方
    法。
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