JP2007332225A - 重合体組成物および該組成物を用いた食品包装用材料および食品用容器 - Google Patents

重合体組成物および該組成物を用いた食品包装用材料および食品用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸発残留物が食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた規格を満たす重合体組成物および、それからなる食品包装用材料、食品用容器を提供すること。
【解決手段】重合体組成物は、ビニルエステル含量が5〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸含量が5〜50重量%未満のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる樹脂(A)95〜50重量%と、プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている多元プロピレン共重合体からなる樹脂(B)5〜50重量%とを、(A)と(B)の合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に動的に熱処理して得られる、少なくとも部分的に架橋されてなり厚生省告示第370号に定められた条件でのn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋された重合体組成物および、それからなる食品包装材および食品用容器に関する。さらに詳しくは、エチレン系共重合体が本来有する、成形加工に適した流動性を維持したままで、優れた耐熱性を有し、食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた蒸発残留物に関する規格を満たす重合体組成物および、それからなる食品包装用材料および食品用容器に関する。
従来、エチレン系共重合体は優れた特性を有しており、各種成形材料として広く用いられている。しかしながら、この共重合体は溶融軟化点が低いため高温条件下では熱変形を起こすことがあり、使用範囲が制限されるという問題を有していた。こうしたエチレン系共重合体の耐熱性を改善する目的でポリプロピレンのような高融点の樹脂をブレンドすることも試みられているが、この場合は、十分な耐熱性を得ることができないばかりでなく、樹脂同士の相溶性が悪いことに起因する機械的物性の低下をもたらす傾向が見られる。
また、特公平1−26616号公報(特許文献1)に開示されているように、エチレン系共重合体、過酸化物分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性を改善する方法が知られている。しかしながら、このような方法では、溶融混練時に架橋あるいは低分子化等の副反応が起こるため、重合体組成物の流動性を制御することが困難であるという問題があった。
さらに、特開2001−31801号公報(特許文献2)では、エチレン系共重合体、数平均分子量が50,000以下のポリプロピレンワックス、数平均分子量が100,000以上のエチレン−ラジカル分解型オレフィン系共重合体、および有機過酸化物を同時に溶融混練することにより耐熱性に優れるエチレン系共重合体を得ている。しかしながら、ポリプロピレンワックスを使用している上に、相溶化剤的な第三成分が必要であり、生産技術面で未だ問題があった。
さらに近年コンビニエンスストアーやスーパーマーケットの惣菜売り場の充実等により食品用の耐熱容器の需要が高まっており、食品用の耐熱容器に使用しうるような食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた規格を満たす食品包装用材料および食品用容器が求められている。
そこで、本願発明者は、エチレン系共重合体が本来有する、成形加工に適した流動性を維持したままで、優れた耐熱性を有し、かつ食品用容器に使用しうる重合体組成物を開発することを目的として鋭意研究し、特定のエチレン系共重合体からなる樹脂と、特定の二元以上の多元プロピレン共重合体、または該プロピレン共重合体とプロピレン単独重合体とのブレンド物からなる樹脂とを特定の比率で配合した上で、有機過酸化物の存在下に動的に架橋することにより、上記の目的とする重合体組成物および、それからなる食品包装用材料および食品用容器が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
特公平1−26616号公報 特開2001−31801号公報
本発明の目的は、優れた成形加工性および耐熱性を有し、食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた蒸発残留物に関する規格を満たす重合体組成物および、それか
らなる食品包装用材料および食品用容器を提供することにある。
本発明に係る重合体組成物は、
酢酸ビニル含量が5〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸含量が5〜50重量%未満のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体からなる樹脂(B)5〜50重量%とを、
前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られる少なくとも部分的に架橋された重合体組成物からなり、食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた条件でのn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下であることを特徴としている。
本発明に係る食品包装用材料および食品用容器は、前記重合体組成物からなることを特徴としている。
本発明によれば、優れた成形加工性および耐熱性を有し、食品衛生法に則った厚生省告示第370号に定められた蒸発残留物に関する規格を満たす重合体組成物および、それからなる食品包装用材料および食品用容器を提供することができる。
以下、本発明に係る重合体組成物および、それからなる食品包装用材料および食品用容器について具体的に説明する。
まず、重合体組成物の調製に用いられる成分について説明する。
樹脂(A)
本発明で用いられる樹脂(A)は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)およびエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる。すなわち、樹脂(A)は、これらの共重合体単独からなる樹脂のみであってもよいし、また共重合体(A1)と共重合体(A2)とをブレンドした樹脂であってもよい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)は、エチレンから導かれる構成単位含量(エチレン含量)が95〜50重量%、好ましくは93〜55重量%、さらに好ましくは90〜60重量%であり、酢酸ビニルから導かれる構成単位含量(酢酸ビニル含量)が5〜50重量%、好ましくは7〜45重量%、さらに好ましくは10〜40重量%である。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)は、エチレンと不飽和カルボン酸から導かれるものであり、通常エチレンから導かれる構成単位含量(エチレン含量)が50%以上のものを用いる。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが挙げられ、ポリオレフィン等衛生協議会のポジティブリスト(以下、ポジティブリスト)に記載されているものが好ましい。
エチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)としては、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。尚、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位含量(不飽和カルボン酸
含量)は5〜50重量%未満である。特にアクリル酸は25重量%以下、メタアクリル酸
は20重量%以下であり、ポジティブリストに記載された範囲内であることが好ましい。
これらの共重合体(A1)、(A2)は、三元以上の多元エチレン系共重合体であってもよく、エチレンと共重合が可能な上記成分の他に、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル;プロピレン、ブテン、1,3‐ブタジエ
ン、ペンテン、1,3‐ペンタジエン、1‐ヘキセン、3‐ヘキセン、1‐オクテン、4
‐オクテン等の不飽和炭化水素が第三成分としてエチレン等と共重合されていてもよい。第三成分としては、ポジティブリストに記載されたものを用いるのがより好ましい。
多元エチレン系共重合体としては、たとえば、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−アクリル酸n−ブチル共重合体等の三元エチレン系共重合体等が挙げられる。
本発明で用いられる樹脂(A)のメルトフローレート(JIS K7210:1999,190℃、2160g荷重)は、通常0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分である。
樹脂(A)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、95〜50重量%、好ましくは93〜53重量%、さらに好ましくは90〜55重量%の割合で用いられる。
樹脂(B)
重合体組成物の調製に用いられる樹脂(B)は、二元以上の多元プロピレン共重合体である。
この二元以上の多元プロピレン共重合体におけるプロピレンと共重合可能なプロピレン以外の成分としては、具体的には、エチレン、または、1‐ブテン、4‐メチル‐1‐ペンテンなどの炭素数4〜20のα−オレフィンが挙げられる。これらの成分は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、本発明で用いるこの二元以上の多元共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、ランダム共重合体が特に好ましい。
上記プロピレン共重合体におけるプロピレン以外の成分から導かれる構成単位(例えば、α−オレフィン単位)の含有量は、0.1〜20モル%、好ましくは0.2〜18モル%、さらに好ましくは0.5〜15モル%である。
二元以上の多元プロピレン共重合体としては、具体的には、プロピレン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・1‐ブテンランダム共重合体またはプロピレン・1‐ブテンブロック共重合体、プロピレン・4‐メチル‐1‐ペンテンランダム共重合体またはプロピレン・4‐メチル‐1‐ペンテンブロック共重合体等のプロピレン二元共重合体、プロピレン・1‐ブテン・エチレンランダム共重合体またはプロピレン・1‐ブテン・エチレンブロック共重合体等のプロピレン三元共重合体が例示でき、ポジティブリストに記載されているものが好ましい。
上記多元プロピレン共重合体の中では、とりわけ、1−ブテン単位含量1〜10モル%およびエチレン単位含量1〜10モル%、残部がプロピレンであるプロピレン・1−ブテン・エチレン三元ランダム共重合体が最も好ましい。
重合体組成物の調製に樹脂(B)としては、融点が120℃以上で、メルトフローレート(JIS K7210:1999,230℃、2160g荷重)が1〜50g/10分、好ましくは2〜45g/10分、さらに好ましくは3〜40g/10分である樹脂が望ましい。
樹脂(B)は、樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量%に対し、5〜50重量%、好ましくは7〜47重量%、さらに好ましくは10〜45重量%の割合で用いられる。
有機過酸化物(C)
有機過酸化物(C)としては、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert‐ブチルペ
ルオキシベンゾエート、tert‐ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエートなどが挙げられ、ポジティブリストに記載されたものを使用することが好ましい。
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキシン‐3、1,3‐ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル
)ベンゼン、1,1‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシク
ロヘキサン、n‐ブチル‐4,4‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)バレレートなど
が好ましく、なかでも、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(tert‐ブチルペルオキシ)へキサンが最も好ましい。
有機過酸化物(C)は、樹脂(A)および樹脂(B)の合計量100重量部に対して、0.001〜3重量部、好ましくは0.002〜2.5重量部、さらに好ましくは0.003〜2.0重量部の量で用いられる。有機過酸化物(C)を上記範囲内の量で用いると、流動性に優れ、成形加工性に優れた重合体組成物が得られる。この重合体組成物から耐熱性および外観に優れた成形体を調製することができる。
成分(D)
重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、成分(D)としてグラフト変性ポリオレフィンを添加してもよい。
必要に応じて用いられる成分(D)は、不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物によるグラフト変性ポリオレフィンである。
グラフトモノマーである不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、などが挙げられる。
不飽和カルボン酸もしくはその酸無水物によるグラフト変性ポリオレフィンとしては、具体的には、マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(不飽和カルボン酸グラフト変性ポリオレフィン);無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン(不飽和カルボン酸無水物グラフト変性ポリエチレン)などが挙げられ、ポジティブリストに記載されているものが好ましい。
上記グラフト変性ポリオレフィン(D)は、樹脂(A)、樹脂(B)およびグラフト変性ポリオレフィン(D)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。
成分(E)
重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、成分(E)として熱可塑性エラストマーを添加してもよい。
必要に応じて用いられる成分(E)としては、従来公知のオレフィン系ゴム(オレフィン系エラストマー)を用いることができる。
オレフィン系ゴム(エラストマー)としては、たとえば、エチレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、プロピレン・α‐オレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムなどが挙げられ、ポジティブリストに記載されているものを用いるのが好ましい。上記α‐オレフィンとしては炭素数3〜12のα‐オレフィンが好ましい。
熱可塑性エラストマー(E)のメルトフローレート(MFR;JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)は、0.1〜300g/10分、好ましくは0.2〜250g/10分、さらに好ましくは0.5〜200g/10分であることが望ましい。
熱可塑性エラストマー(E)は、樹脂(A)、樹脂(B)および熱可塑性エラストマー(E)の合計100重量部に対し、0〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いられる。
その他の成分
重合体組成物の調製(すなわち、動的熱処理前または動的熱処理時)の際に、あるいは動的熱処理後に、必要に応じて、従来公知の架橋助剤、充填剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、スリップ剤(滑剤)等の、好ましくはポジティブリストに記載されている添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
充填剤(フィラー)としては、たとえば、タルク、クレー、炭酸カルシウム、カオリン、けいそう土、グラファイト、ガラス繊維などが挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえばn−オクタデシル・3−(ヒドロキシ−3,5−ジ−t‐ブチルフェニル)、テトラキス〔メチレン(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどが挙げられる。尚、酸化防止剤の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して0.5重量%以下である。
重合体組成物の製造方法
上記のような重合体組成物は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得られる。また、重合体組成物は、樹脂(A)と、樹脂(B)とを、有機過酸化物(C)の存在下に、必要に応じて酸化防止剤、架橋助剤などの添加剤とともに、動的に熱処理(すなわち溶融混練)することにより得てもよい。
溶融混練装置としては、たとえば一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロールなどが挙げられる。これらの中では、一軸または二軸押出機を用いることが特に好ましい。
溶融混練は、通常120〜250℃の温度で、30秒〜30分間行なわれる。なお、動的熱処理(溶融混練)は、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で行なうことが好ましい。
このようにして得られる重合体組成物は、樹脂(A)および樹脂(B)を必須成分として含み、樹脂(A)および樹脂(B)の少なくとも一方が部分的または完全に(高度に)架橋された重合体組成物となっている。
なお、本発明において「部分的または完全に(高度に)架橋された」とは、熱処理(架橋)前の樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物のメルトフローレート(MFR;JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)に対して、熱処理(架橋)後に得られる樹脂(A)および樹脂(B)の二成分からなる重合体組成物のMFRの低下率が20%以上、好ましくは20%〜99%となる状態を意味する。得られる重合体組成物の架橋度が低すぎると、モルホロジー制御が不完全となり引張強度が著しく低下したり、目標の耐熱性が得られないという問題がある。
上記のようにして得られる重合体組成物のメルトフローレート(JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)は、通常0.1g/10分以上、好ましくは0.2〜30g/10分であることが望ましい。
また、本発明においては、部分的または完全に(高度に)架橋された重合体組成物100重量部に対して、必要に応じて更に100重量部以下のポリオレフィン樹脂を混合してもよい。
本発明において動的熱処理後に、必要に応じて混合されるポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ポリブテン−1、ブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン、塩素化ポリプロピレンである。これらのポリオレフィン樹脂のメルトインデックス(JIS K7210:1999、190℃、ただし、プロピレン系重合体は230℃)は、5〜100g/10分、特に10〜50g/10分であることが好ましい。
食品包装用材料、食品用容器
本発明に係る重合体組成物を用いた食品包装用材料および食品用容器は、上記重合体組成物からなり、厚生省告示第370号に定められた条件でのn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下であり、特に好ましくは厚生省告示第370号に規定される適合試験を行った場合に、全項目に対して適合するものである。
本発明の重合体組成物を食品包装用材料として用いる場合は、通常フィルムとして用い、食品用容器として用いる場合は、公知の方法により、各種容器に成形して用いる。
食品包装用材料および食品用容器としては、魚肉、野菜、卵等の生鮮食品用包装材料および容器、弁当、惣菜等持ち帰り食品用包装材料および容器、飲料カップやラーメン等麺類食品の容器、レトルト食品用包装材料および容器、電子レンジにて調理される食品用包装材料および容器、アウトドア用の使い捨て皿などの容器等に制限なく使用することができるが、特に耐熱性が必要な用途に好適に使用することができる。
本発明に係る食品用容器は、上記重合体組成物単身から形成されていてもよく、他の樹脂との積層体、または樹脂以外の他の素材(紙、金属等)との積層体であってもよい。なお、積層体である場合には、食品と接する面が上記食品包装用材料から形成されている。
本発明に係る食品用容器は、従来公知の方法で製造することができる。
その他の用途
その他の用途としては、トイレタリー製品の包材および容器、油性薬剤用包材および容器などがある。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で得られた重合体組成物の成形体について、MFR、曲げ剛性率、硬度(ショアD)、引張破断点強度、引張破断点伸びを下記の方法に従って測定した。また、食品衛生試験を下記の方法に従って行ない、評価した。
(1)MFR
JIS K7210:1999に従い、190℃、2160g荷重の条件で測定した。(エチレン・酢酸ビニル共重合体(A−1)〜(A−3)のMFRも同じ方法で測定した。)
(2)曲げ剛性率(オルゼン式)
曲げ剛性率(オルゼン式)は、JIS K7106に従って測定した。
(3)硬度(ショアD)
硬度(ショアD)は、JIS K7215に従って測定した。
(4)引張破断点強度および引張破断点伸び
引張破断点強度および引張破断点伸びは、JIS K6760に従い、引張速度200mm/分で引張試験を行なって測定した。
(5)耐熱性試験
120℃に設定したオーブン中に、2mm厚みのJIS K6301規格で定められている3号ダンベルを100時間吊し、ダンベルの外観・重量の変化を測定した。自重による変形・重量変化が5%以下のダンベルを○とし、5%を超えるダンベルを×とした。
(6)食品衛生試験
厚生省告示第370号試験条件に準拠して行った。
また、実施例、比較例で用いた成分は、以下の通りである。
エチレン系共重合体((A)成分)
(A−1):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=19重量%
MFR=15g/10分
(A−2):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=28重量%
MFR=15g/10分
(A−3):エチレン・酢酸ビニル共重合体
酢酸ビニル含量=33重量%
MFR=14g/10分
プロピレン共重合体((B)成分)
三元系プロピレンランダム共重合体
プロピレン含量=92モル%
エチレン含量=5モル%
ブテン含量=3モル%
MFR=7.3g/10分(JIS K7210:1999,230℃、2160g荷重)
有機過酸化物(C)
(C−1):商品名 ターシャリーブチルパーオクトエイト
アトケム吉富(株)製のtert‐ブチルパーオキシ2‐エチルヘキサノエ
ート
(C−2):商品名 ルパゾール101
アトケム吉富(株)製の2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(tert‐ブチルペルオキシ)へキサン
[実施例1〜4および比較例1]
前記各成分を表1に示す割合でヘンシェルミキサーに供給し、ヘンシェルミキサー中で60秒間予備混合し、ペレタイザーを備えた40mmφの単軸押出機[ナカタニ機械(株)製、品番 VSK40m/m]に上記混合物をフィードし、下記の押出条件(ないし溶融混練条件)で溶融混練して造粒し、(A)成分および(B)成分の少なくとも一方が部分的に(あるいは高度に)架橋された重合体組成物のペレットを得た。
上記単軸押出機における押出条件は、次の通りである。
L/D:28
バレル温度(℃):C1=180、C2=200、C3=200、C4=200、
A=200、D=200
スクリュー回転数:40rpm
押出量:8kg/h
滞留時間:80秒
ミキシングゾーン温度:200℃
得られた重合体組成物のMFRを表1に示す。
また、得られた重合体組成物のペレットを、200℃に設定したプレス成形機にて、150mm角のシートを作製した。
上記のようにして得られたプレスシートについて、曲げ剛性率、硬度(ショアD)、引張破断点強度、引張破断点伸びを上記方法に従って測定した。その結果を表1に示す。また、食品衛生試験を上記方法に従って行った。その結果を表2に示す。
Figure 2007332225
Figure 2007332225

Claims (3)

  1. 酢酸ビニル含量が5〜50重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)および不飽和カルボン酸含量が5〜50重量%未満のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体(A2)から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体からなる樹脂(A)95〜50重量%と、
    プロピレン以外の成分が0.1〜20モル%共重合されている二元以上の多元プロピレン共重合体からなる樹脂(B)5〜50重量%とを、
    前記樹脂(A)と樹脂(B)との合計100重量部に対し0.001〜3重量部の有機過酸化物(C)の存在下に、動的に熱処理して得られる少なくとも部分的に架橋されてなり、厚生省告示第370号に定められた条件でのn−ヘプタン溶出試験における蒸発残留物量が30ppm以下であることを特徴とする重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の重合体組成物からなる食品包装用材料。
  3. 請求項1に記載の重合体組成物からなる食品用容器。
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