JP2005035846A - ジルコニア粉末、ジルコニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼結密度が高い焼結体を収縮率を制御することができるジルコニア粉末及びこの粉体を用いて簡易なプロセスにより焼結体を製造する。
【解決手段】ロジン・ラムラーの分布関数の定数n値が1.3以下の範囲にあるジルコニア混合粉末を、平均粒径が0.8〜1.6μm、且つ、かさ密度が0.4〜0.8Mg/m3のジルコニア粉末(A)と、平均粒径が3.0〜8.0μm、且つ、かさ密度が0.9〜1.3Mg/m3のジルコニア粉末(B)とを、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]が0.9以下、0.6以上の割合で混合し、102MPaの圧力でプレス成形した後、焼成温度1200〜1400℃、焼成時間2〜5hで焼成して、収縮率が10〜25%、且つ、焼結密度が4.0Mg/m3〜5.0Mg/m3の焼結体とする。
【選択図】なし
【解決手段】ロジン・ラムラーの分布関数の定数n値が1.3以下の範囲にあるジルコニア混合粉末を、平均粒径が0.8〜1.6μm、且つ、かさ密度が0.4〜0.8Mg/m3のジルコニア粉末(A)と、平均粒径が3.0〜8.0μm、且つ、かさ密度が0.9〜1.3Mg/m3のジルコニア粉末(B)とを、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]が0.9以下、0.6以上の割合で混合し、102MPaの圧力でプレス成形した後、焼成温度1200〜1400℃、焼成時間2〜5hで焼成して、収縮率が10〜25%、且つ、焼結密度が4.0Mg/m3〜5.0Mg/m3の焼結体とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、特に反射防止膜材料として有用なジルコニア粉末及びその焼結体並びにその製造方法に関する。
ジルコニアは、カメラやメガネ等の光学部品、あるいは表示パネル、ディスプレイ等のOA電子機器における表示部等の反射防止膜の材料として用いられる。このジルコニア製反射防止膜は、ジルコニアの融点が高く高速で蒸着膜を形成する必要があることから、ジルコニア焼結体を真空中で電子銃や抵抗加熱によって溶融した後、所定の基板に蒸着することにより製造される(真空蒸着法)。また、ジルコニア焼結体は、ジルコニウム粉末を乾式プレス成形し、その後焼結することにより製造される。
上記の真空蒸着法は、蒸着を行う前処理として装置内を真空にする必要があるが、蒸着可能な真空度に達するまでの時間が長い。このため、この工程をなるべく少なくすることが工業的に有利である。一方、蒸着材料に関して言えば、ジルコニア焼結体の密度が高いほど一度の作業に充填するジルコニア容量が多くなる。これにより装置に蒸着材料をセットする回数が少なくなるため、装置内を真空にする頻度を少なくすることができ、作業効率が向上する。ジルコニアの理論密度は5.6Mg/m3であるが、密度が高すぎると1200℃以上の焼成温度によりジルコニアの結晶系が単斜晶から正方晶へ変化することに伴う体積収縮の変化が大きくなり過ぎ、焼結体に亀裂が生じる若しくは破損する等の不具合が生じる。
特許文献1では、イットリア等の安定化剤を添加したジルコニア焼結体についてであるが、高密度化により成形時や焼結時に亀裂が発生しやすくなると記載されている。また、特許文献2では、安定化剤を添加したジルコニア焼結体の密度を3.0〜5.5Mg/m3に定めることで、機械的強度、耐衝撃性に優れた焼結体を製造できることを記載している。純粋なジルコニアについては、ジルコニア焼結体の密度は4.0〜5.0Mg/m3のものが良いとされている。焼結体のサイズは蒸着に使用する装置毎に様々であり、各ユーザーで要求している焼結体のサイズは異なる。焼結体のサイズが装置と合わないと、装置にセットするときに焼結体が詰まり故障の原因となることから、収縮率による焼結体のサイズ制御は重要である。
特開平7−82019号公報、(請求項)
特開2000−327417号公報、(請求項)
特開平5−193948号公報、([0016]4頁34行〜49行)
一般的に焼結密度の高いジルコニア焼結体を得るためには、平均粒径の小さいジルコニア粉末を用いるとよい。平均粒径の小さいジルコニアは焼結活性が高く、容易に高密度の焼結体が得られる。しかしながら、焼成時に焼結体が収縮し過ぎることにより、割れが生じやすくなる問題が生じる。
また平均粒径の大きいジルコニア粉末については、焼結活性が低いため、焼結密度の低い焼結体しか得られない。焼成温度を高く設定することにより、焼結密度を上げることは可能であるが、焼成温度を高くし過ぎると工業的には不利である。
一方、高い焼結密度を得るプロセスと同様に、装置にセットする焼結体のサイズが決まっているために、焼結体の収縮率を±1.0%以内に制御することが要求される。また、装置毎に焼結体のサイズが異なっているため、装置毎に焼結体のサイズを調整することが必要となる。
焼結密度を制御するには、ジルコニア粉末の平均粒径、かさ密度を調整する方法があり、ジルコニア製造時の反応条件を変更することによりこれらを調整することが出来る。特許文献3では、平均粒径を反応条件で制御することにより焼結性に優れたジルコニア粉末が製造できることが記載されている。しかし反応条件を調整する方法では、焼結密度が高くなると収縮率が大きくなり過ぎ、収縮率を所定の値に合わせ込むと密度が上がらなくなり、両者を同時に制御することは難しい。もし、両者を同時に制御出来る条件を見出したとしても、連続した製造を行う上で、工程の品質変動による収縮率±1%の変化を補正することは困難である。また、求められる焼結体の密度・収縮率毎に反応を行うため、何種類もの蒸着原料の作り分けが必要となり工業的に非効率である。
本発明は、上記の欠点を解消することにより、焼結密度が高く、かつ焼結体の収縮率を制御することのできる蒸着材原料用ジルコニア粉末及びジルコニア焼結体を提供すること、ならびに、このジルコニア粉末を簡易なプロセスにより製造することの出来る方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、粒度分布の広いジルコニア粉体を使用することに着目した。そこで、粒度分布幅の広狭を示す基準にはロジン・ラムラーの分布関数を用いて、従来の焼結用に用いられているジルコニア粉末の粒度分布を測定した。その結果、従来の焼結用に用いられているジルコニア粉末の粒度分布(n値)は、例えば、2.06、6.36、1.50、1.61、1.62、3.50など大きな値(粒度分布幅が狭い)であることが分かった。本発明では、n値を1.3以下と粒度分布幅を従来の焼結用のジルコニア粉末よりも広くすることにより成形時に大粒径の空隙に小粒径の粉体が入り込み、粉体がより良く充填されるため成形密度が大きくなり、より成形性、焼結特性に優れ、高密度の焼結体を製造できることを見出した。 また、粒度分布を広くする方法として、焼結活性に優れており高密度の焼結体を製造できる平均粒径の小さい粉と、成形性に優れている平均粒径の大きい粉の混合を採用する。これにより、粒度分布の広い粉を簡易に提供することができると共に、焼結密度、収縮率の調整を簡易に行なうことができる。
即ち、本発明は次のジルコニア粉末、及びこのジルコニウム粉末を用いたジルコニア焼結体並びにその製造方法に係る。
(1)ロジン・ラムラー(Rosin-Rammler)の分布関数の定数n値が1.3以下の範囲にあるジルコニア粉末。
(2) 平均粒径が0.8〜1.6μm、且つ、かさ密度が0.4〜0.8Mg/m3のジルコニア粉末(A)と、平均粒径が3.0〜8.0μm、且つ、かさ密度が0.9〜1.3Mg/m3のジルコニア粉末(B)とを、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]が0.9以下、0.6以上の割合で混合してなる(1)に記載のジルコニア混合粉末。
(3) Hfを含む純分が99.5wt%以上である(1)又は(2)に記載のジルコニア混合粉末。
(3)(1)〜(3)のいずれかに記載のジルコニウム混合粉末を、102MPaの圧力でプレス成形した後、焼成温度1200〜1400℃、焼成時間2〜5hで焼成して、収縮率が10〜25%、且つ、焼結密度が4.0Mg/m3〜5.0Mg/m3の焼結体とすることを特徴とする焼結体及びその製造方法。
本明細書において、粒子のロジン・ラムラー(Rosin-Rammler)の分布関数の定数n値は、
R{Dp}=100・exp(−bDpn)…(1)
で表される式中の(R{Dp}:積算ふるい上重量%、Dp:粒径、b:定数)より求められ、n値が大きいほど、粒径分布範囲は狭くなる。
R{Dp}=100・exp(−bDpn)…(1)
で表される式中の(R{Dp}:積算ふるい上重量%、Dp:粒径、b:定数)より求められ、n値が大きいほど、粒径分布範囲は狭くなる。
本明細書において、ジルコニア粉末(ジルコニア混合粉末)の係る「平均粒径」とは、レーザー回折法による粒度分布測定装置(島津レーザー式粒度分析器SALD2000)を用いて測定した積算分布の50%に対応する粒度D50を指す。
本明細書において、焼結体の「収縮率%」とは[1−(焼結体の直径)/(成形体の直径)]×100で表したものを指す。
また、本発明のジルコニア混合粉末は、(A),(B)2種類のジルコニアのみを混合したものに限らず、本発明の目的を阻害しない範囲で、他のジルコニア粉末を混合することも可能である。
以上で説明したようなプロセスにより得られた混合粉を成形、焼成することにより、焼結密度を4.0〜5.0Mg/m3、収縮率を10〜25%のジルコニア焼結体を簡易に製造することができる。
以下本発明について詳細を説明する。本発明では、粒度分布が広い粉体であることを特徴とし、平均粒径、かさ密度の異なる少なくとも2種類の粉体を混合して使用することで、焼成温度1200〜1400℃、焼成時間2〜5hで簡易に焼成密度を4.0〜5.0Mg/m3で、かつ、焼結体の収縮率を10〜25%に制御することのできるジルコニア焼結体を得ることができる。
本発明で用いるジルコニア粉末は、(1)式に示されるロジン・ラムラーの分布関数の定数n値が1.3以下好ましくは1.2以下の範囲となるものがよい。すなわち、混合粉の粒度分布がなるべく広く分散していることが好ましい。
この定数n値が1.3より大きい場合は、成形体を充填したときに粒子の隙間に小粒子が詰まらずに、大粒子径と小粒子径の充填の効果が得られないため成形密度が上がらず、結果として焼結体の焼結密度を4.0〜5.0Mg/m3、収縮率を10〜25%に調節できなくなる。
本発明で用いる各ジルコニア粉末は、周知されている文献、特許のとおりの製造方法により容易に作られるものである。例えば、加水分解法、中和法、塩基性硫酸塩を中間体とした中和法等の製法により製造される。
小径のジルコニア粉末は、平均粒径が0.8〜1.6μmであり、好ましくは1.0〜1.4μmであるものがよい。かさ密度は0.4〜0.8Mg/m3、好ましくは0.5〜0.7Mg/m3であるものがよい。
平均粒径が0.8μmより小さい場合は、プレス成形時に粒子間同士の凝集力が極めて強くなり、粒子間の摩擦力が大きくなり過ぎてしまい、得られる成形体の密度分布が不均一となりひび割れ、エッジの欠けの原因となる。さらにプレス時に金型壁面と成形体との付着力が大きくなり、金型から成形体を取り出すとき成形体が金型に貼りつきやすい等、成形時のハンドリングが非常に悪くなる。1.6μm以上であると、もう一方の平均粒径の大きいジルコニア粉末と混合したとき、粒子同士が密に充填しないため、成形体内に空隙が出来る。このため成形密度、焼結密度が低下するので混合による効果が期待できない。
かさ密度が0.4Mg/m3未満の場合は、金型への充填時に空隙が大きくなり、プレス成形時に成形体内部に大きな空隙が発生して、成形体の強度が低くなる。0.8Mg/m3以上であると、もう一方のジルコニア粉末と混合したときの効果が期待できない。
大径のジルコニア粉末は、平均粒径が3.0〜8.0μmであり、好ましくは4.0〜6.0μmであるものがよい。かさ密度は0.9〜1.3Mg/m3、好ましくは1.0〜1.2Mg/m3のものがよい。
平均粒径が8.0μmより大きい場合は、特に粗大な凝集粒子を多く含むことになり、それが成形体中に残ることで焼結時に不均一収縮が起こり、焼結体中に気孔が残る。焼結活性も上がらないため焼結体密度も4.0Mg/m3以上の十分なものが得られない。3.0μm以下であると平均粒径の小さいジルコニア粉末と混合したとき、粒子同士の充填が悪くなるため、効果が期待できない。
かさ密度が1.3Mg/m3より大きい場合は、凝集粒子を多く含む場合があるため、それが成形体に残ることで、そこが破壊起点となり焼結体の強度が低下することになる。0.9未満では、もう一方のジルコニア粉末と混合したときの効果が期待できない。
「Hfを含む純分を99.5wt%以上」とするのは、99.5wt%未満では、不純物の影響により均一な蒸着膜が得られないためである。ただし、ZrとHfは共に周期表でIV族に属し、原料からの分離が困難であること、かつ、物理的・化学的に似ていることからHfを特に除く必要がない。
これらのジルコニア粉末は、ナウタミキサー、V型ブレンダなどの機器を用いて混合することができる。ただし、ヘンシェルミキサーや湿式でのボールミル粉砕などの粉体自身を粉砕・解砕する機能を有する機器を用いて混合を行う場合は、粉体の粒子の凝集状態に影響を与えるため、平均粒径、かさ密度が混合前と混合後で異なることがある。従って、その場合、焼結体の密度・収縮率を目論見どおりに制御できなくなるおそれがあるので、その点を特に留意する必要がある。
本発明では、上記の操作により作られた混合粉が、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]が0.9以下、0.6以上となるものが好ましい。
この値が0.9より大きい場合は、固い凝集粒子を多く含むこととなるため、焼結体内部の不均一化、気孔が残る原因となり、焼結密度が低下し、この場合焼結密度を4.0〜5.0Mg/m3、収縮率を10〜25%に調節することが不可能となる。
一方、0.6未満では、細かな凝集粒子が多く含まれることになるため、プレス成形時に粒子−粒子間、金型−粒子聞の摩擦力が大きくなり過ぎてしまい、得られる成形体のひび割れ、エッジの欠け、若しくは成形時のハンドリングが悪くなる原因となる。
これらジルコニア粉の焼成は、焼成温度1200〜1400℃、好ましくは1250〜1350℃、焼成時間2〜5h、好ましくは3〜4hの条件で焼成される。
ジルコニアは1200℃付近の温度により、結晶径が単斜晶から正方晶へ変化し、それに伴い体積収縮を起こすが、焼成温度を1200℃未満とすると体積収縮が不十分であるため、蒸着過程で電子銃を照射したときに体積収縮が起こり焼結体の亀裂、破損などの原因となる。温度を1400℃より高くすると工業的に望ましくない。
また焼成時間を2h未満にすると焼結体内部が均一に焼成されず、収縮率、焼結密度を制御できない。5hより長い焼成時間では、焼成に時間が掛かり過ぎてしまい工業的に望ましくない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は2.37μm、かさ密度は0.85Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.74であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.17であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度4.77Mg/m3、収縮率17.1%の焼結体を得た。
実施例2:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が60:40になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は2.16μm、かさ密度は0.81Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.77であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.16であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmに成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度4.83Mg/m3、収縮率21.3%の焼結体を得た。
実施例3:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が40:60になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は2.88μm、かさ密度は0.89Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.80であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.19であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmに成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度4.23Mg/m3、収縮率12.5%の焼結体を得た。
実施例4:平均粒径0.91μm、かさ密度が0.43Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径4.10μm、かさ密度が0.99Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は1.88μm、かさ密度は0.76Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.75であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.09であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmに成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度4.95Mg/m3、収縮率23.2%の焼結体を得た。
実施例5:平均粒径1.51μm、かさ密度が0.76Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径7.36μm、かさ密度が1.21Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は3.59μm、かさ密度は0.97Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.81であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.11てあった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度4.04Mg/m3、収縮率10.8%の焼結体を得た。
比較例1:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が70:30になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は1.35μm、かさ密度は0.76Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.56であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.38であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度5.21Mg/m3、収縮率25.8%の焼結体を得た。
比較例2:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が30:70になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は3.71μm、かさ密度は0.86Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.93であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.35であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度3.89Mg/m3、収縮率9.2%の焼結体を得た。
比較例3:平均粒径0.71μm、かさ密度が0.28Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.17μm、かさ密度が1.12Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は2.44μm、かさ密度は0.78Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.83であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.41であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度5.10Mg/m3、収縮率26.3%の焼結体を得た。
比較例4:平均粒径1.23μm、かさ密度が0.57Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径11.2μm、かさ密度が1.68Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は5.22μm、かさ密度は1.26Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.84であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.38であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度3.78Mg/m3、収縮率8.9%の焼結体を得た。
比較例5:平均粒径1.37μm、かさ密度が0.61Mg/m3のジルコニア粉末と平均粒径5.44μm、かさ密度が1.22Mg/m3のジルコニア粉末を重量比が50:50になるように調整する。混合粉はv型ブレンダで粉体の混合状態が均一になるように混合を行った。この混合粉の平均粒径は3.20μm、かさ密度は0.92Mg/m3、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]は0.94であった。この混合粉のロジン・ラムラーの分布関数の定数n値は1.45であった。この混合粉をプレスを用いて、直径20mm、厚さ約5mmの成形体に成形した。成形体を1300℃、3hで焼結して、焼結密度3.94Mg/m3、収縮率10.3%の焼結体を得た。
表1から、本発明の条件から外れる場合、混合粉の成形体を1300℃、3hで焼結しても所望の焼結密度及び収縮率の焼結体を得ることができなかったが、本発明によれば、所望の焼結密度及び収縮率の焼結体を得ることができた。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい
Claims (4)
- ロジン・ラムラー(Rosin-Rammler)の分布関数の定数n値が1.3以下の範囲にあるジルコニア粉末。
- 平均粒径が0.8〜1.6μm、且つ、かさ密度が0.4〜0.8Mg/m3のジルコニア粉末(A)と、平均粒径が3.0〜8.0μm、且つ、かさ密度が0.9〜1.3Mg/m3のジルコニア粉末(B)とを、(混合粉の平均粒径)/[{(A)の平均粒径×(A)の配合比率}+{(B)の平均粒径×(B)の配合比率}]が0.9以下、0.6以上の割合で混合してなる請求項1に記載のジルコニア混合粉末。
- Hfを含む純分が99.5wt%以上である請求項1及び2に記載のジルコニア混合粉末。
- 請求項1〜3に記載のジルコニウム混合粉末を、102MPaの圧力でプレス成形した後、焼成温度1200〜1400℃、焼成時間2〜5hで焼成して、収縮率が10〜25%、且つ、焼結密度が4.0Mg/m3〜5.0Mg/m3の焼結体とすることを特徴とする焼結体及びその製造方法。
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