JP2005035701A

JP2005035701A - 乗客コンベア

Info

Publication number: JP2005035701A
Application number: JP2003198035A
Authority: JP
Inventors: Kiyomoto Kasuya; 清基糟谷; Michiaki Matsumoto; 通顕松本; Wahei Kojima; 和平小嶋
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 2003-07-16
Filing date: 2003-07-16
Publication date: 2005-02-10

Abstract

【課題】本発明は、滑りにくく、安全性が高く、寿命と経済性にも優れた乗降床を備えた乗客コンベアを提供することにある。
【解決手段】無端状に連結されて移動する複数の踏段２と、この踏段２に乗降移動するための乗降口３と、この乗降口３の表面材を構成し、その表面に多数の凸模様部６Ａと凹模様部６Ｂを有する乗降床６とを備えた乗客コンベアにおいて、前記凸模様部６Ａを、前記踏段２の移動方向に対して直行する方向を長幅、前記踏段の移動方向に沿う方向を短幅と成るように形成し、かつ、前記凹模様部６Ｂの表面に、長幅方向或いは短幅方向のいずれか一方向或いは両方向の形成される凹溝７Ｂを備えた構成。
【選択図】図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エスカレーターや電動道路等の乗客コンベアに係り、特に、乗降口用乗降床を安全面で改善した乗客コンベアに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、乗客コンベアにおいて、乗降の際利用者の足元が滑らないように乗降床の表面に金属溶射層を付ける（例えば、特許文献１等参照）、浮き出し模様を付ける（例えば、特許文献２、特許文献３、特許文献４等参照）、或いは乗降床を滑り止めマットで覆う（例えば、特許文献５等参照）などで転倒防止目的の安全性を高める方法が知られている。
【０００３】
【特許文献１】
特開昭６１−２３５３８９公報（第２頁下段右欄第９行〜１４行、第３図）
【０００４】
【特許文献２】
特開昭５３−６１８８８公報（第２頁下段右欄２０行〜第３頁上段左蘭１８行、第９図）
【０００５】
【特許文献３】
特開平３−５６３９０公報（第２頁上段右欄１０〜２０行、第１図）
【０００６】
【特許文献４】
特開２０００−３４４４５４（段落番号０００６、図６、図８）
【０００７】
【特許文献５】
特開平１０−１８２０４５（段落番号０００８、図１〜図４）
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の金属溶射による滑り止め方法は、製造コストが割高なうえに、溶射粒子が細かいために経年的に磨滅して滑り止めの用をなさないという問題があった。また、浮き出し模様の場合は、平坦な凸模様部、及び凸模様部に相対して溝構造となる凹模様部に付着した水分がたまって転倒事故を誘発する滑りの原因を作るという問題があった。また、滑り止めマットの場合は、雨天時の屋外での利用は想定していない。
【０００９】
本発明の目的は、滑りにくく、安全性が高く、寿命と経済性にも優れた乗降床を備えた乗客コンベアを提供することにある。
【００１０】
本発明は上記目的を達成するために、無端状に連結されて移動する複数の踏段と、この踏段に乗降移動するための乗降口と、この乗降口の表面材を構成し、その表面に多数の凸模様部と凹模様部を有する乗降床とを備えた乗客コンベアにおいて、前記凸模様部を、前記踏段の移動方向に対して直行する方向を長幅、前記踏段の移動方向に沿う方向を短幅と成るように形成し、かつ、前記凹模様部の表面に、長幅方向或いは短幅方向のいずれか一方向或いは両方向の形成される凹溝を備えた構成とした。
【００１１】
このように、凹模様部に凹溝を備えることによって、表面が乾燥した状態での従来の乗降床の滑り止め効果に加え、凹模様部に水分がたまるという滑り要因を排除することができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【００１３】
図１は本発明による第１の実施の形態を示すエスカレーターの要部斜視図、図２は図１のＩ−Ｉ線に沿う断面斜視図、図３は図２の要部拡大図、図４は図１のＩＩ−ＩＩ線またはＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図、図５は本発明による他の実施の形態を示す乗降床の平面図、図６は本発明による他の実施の形態を示す乗降床の平面図である。
【００１４】
一般にエスカレーター１は、無端状に連結されて移動する踏段２が一方の乗降口３から他方の乗降口（図示省略）にかけて乗客輸送を行う機械であり、踏段２と同期移動するハンドレール４と、側壁を構成する欄干５などを備えている。また、利用者が歩行する乗降口３にはエスカレーター１の終端と踏段２までの間、それにエスカレーター１の横幅Ｗ（図１）の範囲に乗降床６を備えている。そして、この乗降床６は、踏段２に乗降するアプローチとしての表面材を構成し、その表面には多数の細かい凸模様部６Ａと凹模様部６Ｂを備えているほか、その裏面には強度保持のための補強体６Ｃを備えている。ここで、凸模様部６Ａと凹模様部６Ｂは、利用者が踏段２から降りる際に踏み出した足が滑って転倒する事故を防ぐことは勿論、特に雨水などが凸模様部６Ａ、凹模様部６Ｂに付着した場合に滑りを防ぐ機能を備えることが重要であり、また、確実な滑り止め効果を維持するために摩滅しにくい機械的寿命も配慮されなければならない。
【００１５】
本発明になる乗降床６は、図２に示すように、板厚ｔが１〜２ｍｍ程度の金属板に対して１０〜５０ｍｍ程度の長幅ｍ、５〜１０ｍｍ程度の短幅ｎ、高さＰの浮き出し模様である凸模様部６Ａを間隔Ｋ１、Ｋ２で踏段２の移動方向に対して長幅ｍが直行する方向に多数形成された突起構成を備えている。ここで、乗降床６の凸模様部６Ａ以外の表面は、相対的に凹模様部６Ｂとなるわけであるが、この両模様部６Ａ、６Ｂの詳細は、図３および図４に示すように、板厚ｔの金属板に対して凹模様部６Ｂ上に深さｕ２（＜ｔ）、幅ｗ２（＜Ｋ１、Ｋ２）の凹溝７Ａが構成され、また、凸模様部６Ａ上に深さｕ１（＜Ｐ）、幅ｗ１（＜ｎ、ｍ）の凹溝７Ｂが構成されるように、板厚方向への加圧によるプレス形成によって凸模様部６Ａ、凹模様部６Ｂが多数形成される構成となっている。そして、凸模様部６Ａ、凹模様部６Ｂ上に凹溝７Ａ、７Ｂが存在することにより、利用者の靴底と乗降床６との接触面積をあまり減らさず、すなわち乗降床６の上面が乾燥した状態での滑りにくさを維持した上で、乗降床６の上面が湿潤の状態での水膜形成を防止し、かつ排水効果を向上させることができ、湿潤状態でも利用者の靴底が滑りにくく、滑りの原因となる水分がたまりにくくする機能を発揮するものである。
【００１６】
なお、凸模様部６Ａ上の凹溝７Ａ、凹模様部６Ｂ上の凹溝７Ｂとも、多数形成するほど、水膜形成防止、及び排水効果がより期待できるものであるが、凹溝を形成することにより、その部分の板厚がｔより小さくなるため、やや磨減寿命が低下する恐れがある。しかし、適用する乗客コンベアの設置環境によって、凹溝形成数を柔軟に変更すれば良い。
【００１７】
本実施形態においては、凸模様部６Ａ上の凹溝７Ａを、踏段２の移動方向に直行する方向、および踏段２の移動方向に沿う方向両方に施してあるが、凹溝７Ａは、排水効果よりも水膜形成防止の効果が期待されるものであり、特に屋外など、雨天時に常に注水されるような状況でない限り、本発明の一実施形態を示す図５のように、前記凹溝７Ａは省略してもよい。また、凹模様部６Ｂ上の凹溝７Ｂも、形成可能個所全てに施してあるが、図５に示すように、凸模様部６Ａから離れた位置に設けた方が形成し易い。更に又、凹溝７Ｂを凸模様部６Ａの短幅、長幅両方向に設けたが、乗客コンベアの設置環境によって一方向或いは両方向にするかの形成数を調整すれば良い。なお、凹溝７Ａ、７Ｂの深さｕ１、ｕ２は、加工元となる金属板の板厚ｔと、プレス成形の容易性を考慮してその寸法を決定すれば良いことである。
【００１８】
また、どの実施形態においても、単一の金属板に単純なプレス加工を施す方法で形成できるので、製品コスト面で経済的効果が高いといえる。
【００１９】
上記実施の形態は、乗客コンベアとしてエスカレーターを例に説明したが、エスカレーターに限らず、踏板間に段差が存在しない電動道路にも適用することができる。この場合、各請求項の踏段を踏板に読み替えることが必要である。
【００２０】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、滑りにくく、安全性が高く、寿命と経済性にも優れた乗降床を備えた乗客コンベアを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による第１の実施の形態を示すエスカレーターの要部斜視図である。
【図２】図１のＩ−Ｉ線に沿う断面斜視図である。
【図３】図２の要部拡大図である。
【図４】図１のＩＩ−ＩＩ線またはＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿う断面図である。
【図５】本発明による他の実施の形態を示す乗降床の平面図である。
【図６】本発明による他の実施の形態を示す乗降床の平面図である。
【符号の説明】
１エスカレーター（電動道路）
２踏段
３乗降口
４ハンドレール
５欄干
６乗降床
６Ａ凸模様部
６Ｂ凹模様部
７Ａ凸模様部上の凹溝
７Ｂ凹模様部上の凹溝

Claims

無端状に連結されて移動する複数の踏段と、この踏段に乗降移動するための乗降口と、この乗降口の表面材を構成し、その表面に多数の凸模様部と凹模様部を有する乗降床とを備えた乗客コンベアにおいて、
前記凸模様部を、前記踏段の移動方向に対して直行する方向を長幅、前記踏段の移動方向に沿う方向を短幅と成るように形成し、かつ、前記凹模様部の表面に、長幅方向或いは短幅方向のいずれか一方向或いは両方向の形成される凹溝を備えたことを特徴とする乗客コンベア。
前記凹模様部の表面に設けられた凹部を、前記凸模様部から離れた位置に設けたことを特徴とする請求項１記載の乗客コンベア。
前記乗降床の凸模様部の頂面に、長幅方向或いは短幅方向のいずれか一方向或いは両方向に形成される凹溝を備えることを特徴とする請求項１または２記載の乗客コンベア。
前記乗降床の凹模様部における凹溝或いは前記乗降床の凸模様部とその頂面における凹溝は、前記表面材を上下方向から加圧して形成され、前記凹模様部につながる浮き出し模様となる構成としたことを特徴とする請求項１〜３いずれかに記載の乗客コンベア。