JP2010184789A - 乗客コンベア - Google Patents

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Chuichi Saito
忠一 齋藤
Masatoshi Naganuma
政利 長沼
Takeshi Fuse
毅 布施
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Hitachi Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、滑り止め部材の変形による浮上りや外れがない安全性の高い乗客コンベアを提供することにある。
【解決手段】本発明は、乗降床5の乗客歩行部に凹部8を形成し、シート状滑り止め部材9を前記凹部8内に接着剤10を介して固定したのである。
このように、シート状滑り止め部材9を接着剤10によって乗降床5上に固定することで、長期使用時においてもシート状滑り止め部材9が浮上ったり外れたりすることをなくすことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は傾斜区間で隣接踏板間に段差が生じるエスカレーターや傾斜区間において隣接踏板間に段差が生じない電動道路などの乗客コンベアに係り、特に、乗降口における乗降客の安全を考慮した乗客コンベアに関する。
乗降口における乗降客の安全を考慮した乗客コンベアは、例えば特許文献1に記載されているように、既に提案されている。
この特許文献1に記載されている乗客コンベアは、金属製の乗降床に凹部を形成し、この凹部内に滑り止め体を載置するものである。
特開平9−323880号公報
上記特許文献1に記載の乗客コンベアにおいては、滑り止め体によって、乗客の乗降時の滑りを防止して転倒事故を未然に防止することができる。
しかしながら、金属製の乗降床上に滑り止め体が載置されているだけなので、長期使用の間に滑り止め体が変形したりすると、金属製乗降床の凹部から滑り止め体が突出して浮上り、乗客がそれに躓いて転倒する危険性がある。また、真空掃除機で乗降床表面の汚泥等を清掃中に、滑り止め体が凹部から外れたりする問題がある。
本発明の目的は、滑り止め部材の変形による浮上りや外れがない安全性の高い乗客コンベアを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、乗降床の乗客歩行部に凹部を形成し、シート状滑り止め部材を前記凹部内に接着剤を介して固定したのである。
このように、シート状滑り止め部材を接着剤によって乗降床上に固定することで、長期使用時においてもシート状滑り止め部材が浮上ったり外れたりすることをなくすことができる。
以上説明したように本発明によれば、滑り止め部材の変形による浮上りや外れがない安全性の高い乗客コンベアを得ることができる。
本発明による乗客コンベアに一実施の形態であるエスカレーターの乗降部を示す平面図。 図1のA−A線に沿う拡大断面図。 図2のB−B線に沿う拡大図。
以下本発明による乗客コンベアの一実施の形態を、図1〜図3に示すエスカレーターに基づいて説明する。
エスカレーター1は、無端状に連結されて循環移動する複数の踏板2と、これら踏板2の幅方向両側で移動方向に沿って固定部材に立設された欄干3と、この欄干3の周縁に案内されて循環移動する移動手摺4と、前記踏段2の移動方向の両端部に設置された乗降床5と、この乗降床5の踏板2側端部に取付けられ前記踏板2のクリート(図示せず)と非接触で噛合う櫛板6とを備えている。尚、前記踏段2のクリートは、前記踏板2の進行方向に沿って長く形成されていると共に踏段2の幅方向に複数平行に形成されている。
前記乗降床5は、階床側踏板5Aと踏板側床板5Bとに分割されて形成されており、いずれも金属薄板により形成されている。そして、階床側踏板5Aと踏板側床板5Bは、その表面にプレス加工等により滑り止めのための凹凸模様7が形成されている。
この凹凸模様7によって、通常は乗客が乗降床5上で滑ることは防止できるが、雨天時に凹凸模様7の凸部表面が濡れると、滑り易くなることがあり、また、冬季時に積雪があると、凹凸模様7の凹部に雪が詰まって凹凸模様7が平面状になって滑り易くなることがある。
そこで、本実施の形態においては、乗降床5の階床側踏板5Aの乗客歩行部に亘って一つの凹部8を形成し、この凹部8内に一枚のシート状滑り止め部材9を接着剤10によって固定したのである。
シート状滑り止め部材9としては、例えば、合成樹脂繊維などによる不織布や、このような不織布にゴム系樹脂を含浸させたものなどで形成されるものである。
ところで、階床側踏板5Aの乗客歩行部とは、左右の欄干3の内側寸法Wよりもやや狭い乗客が通行可能な範囲であり、この範囲に亘って一つの凹部8を形成してシート状滑り止め部材9を固定している。
そして、シート状滑り止め部材9は、望ましくは前記凹凸模様7の頂部高さと略面一となる厚さを有する。しかしながら、シート状滑り止め部材9の材質によっては長期使用中に乗客の歩行により圧縮されて薄くなることが予想されるので、シート状滑り止め部材9の厚さを前記凹凸模様7の頂部高さ寸法より僅かに高くなる厚さに形成しても良く、また、エスカレーター1が設置される環境によっては、シート状滑り止め部材9の厚さを前記凹凸模様7の頂部高さ寸法より僅かに低くなる厚さに形成しても良い。
尚、シート状滑り止め部材9を階床に面一に連なる階床側踏板5Aにのみ貼付したのは、乗客の階床から階床側踏板5Aへの移動又は階床側踏板5Aから階床への移動を円滑に行うためであり、これら階床−階床側踏板5A間の移動時に滑り事故の発生する確率が高いからである。したがって、少なくとも階床側踏板5Aにシート状滑り止め部材9を貼付したのである。
このように、本実施の形態によれば、凹凸模様7の代わりにシート状滑り止め部材9を固定することで、晴天時は勿論のこと雨天時に雨水によって濡れても、シート状滑り止め部材9によって滑りずらくしているので、乗客の階床−階床側踏板5A間への移動時における転倒を軽減させることができる。さらに、冬季時に積雪がある場所に設置されるエスカレーター1においては、シート状滑り止め部材9の色や材質を融雪に適したもの、例えば黒系統の色や材質とすることで、少なくともシート状滑り止め部材9の範囲は融雪されるので、積雪が固まって平面状になることで発生する乗客の滑りによる転倒を防止することができる。
このほか、本実施の形態によれば、シート状滑り止め部材9を凹部8内に接着剤10によって固定することで、長期使用時に変形して浮上ることがなくなり、その結果、シート状滑り止め部材9の浮上りにより乗客が躓いて転倒することを防止することができる。
さらに、シート状滑り止め部材9の裏面に予め接着剤10を塗布しておくことで、乗降床5への接着剤10の塗布作業を省略することができ、シート状滑り止め部材9を固定するための作業性を向上させることができると共に、滑り止め部材9がシート状であるために、凹部8の任意の形状に合わせて切断加工して接着することが容易になる。
さらにまた、シート状滑り止め部材9に、注意喚起用の文字や方向表示、さらにはその階床の案内表示等の情報表示を、着色剤の吹き付けや塗布あるいは印刷などで施すことで、乗客を安全に乗降させることができる。
ところで、上記実施の形態は、床側踏板5Aの乗客歩行部にのみシート状滑り止め部材9を固定した例を説明したが、踏板側床板5Bにも同様な手段によってシート状滑り止め部材9を固定してもよい。即ち、乗降床5の乗降方向にシート状滑り止め部材9を複数設けるとことで、安全性を高めるようにしてもよい。
さらに、以上の説明は乗客コンベアとしてエスカレーター1を説明したが、電動道路にも本発明が適用できるのは云うまでもない。
1…エスカレーター、2…踏板、3…欄干、4…移動手摺、5…乗降床、5A…床側踏板、5B…踏板側床板、6…櫛板、7…凹凸模様、8…凹部、9…シート状滑り止め部材、10…接着剤。

Claims (6)

  1. 循環移動する無端状に連結された複数の踏板と、これら踏板の移動方向両端部に設置された乗降床とを備えた乗客コンベアにおいて、前記乗降床の乗客歩行部に凹部を形成し、シート状滑り止め部材を前記凹部内に接着剤を介して固定したことを特徴とする乗客コンベア。
  2. 前記凹部は、前記乗客歩行部の全幅に亘って一つ形成されており、この凹部内に一枚のシート状滑り止め部材を固定したことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア。
  3. 前記凹部は、前記乗客歩行部の全幅に亘って一つ形成されていると共に、乗降方向に複数設けられており、これら凹部内に夫々一枚のシート状滑り止め部材を固定したことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア。
  4. 前記シート状滑り止め部材は、予め裏面に接着剤が塗布されているシート状滑り止め部材であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の乗客コンベア。
  5. 前記シート状滑り止め部材は、表面に情報表示がなされていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の乗客コンベア。
  6. 循環移動する無端状に連結された複数の踏板と、これら踏板の移動方向両端部に設置され表面に凹凸模様が形成された乗降床とを備えた乗客コンベアにおいて、前記乗降床を階床側床板と踏板側床板とに形成し、階床側床板の乗客歩行部に亘って一つの凹部を形成し、この凹部内にシート状滑り止め部材を接着剤を介して固定し、このシート状滑り止め部材の厚さを前記凹凸模様の頂部と略同じ高さ寸法とすると共に表面にシート状滑り止め部材の表面に情報表示を施したことを特徴とする乗客コンベア。
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