JP2005035285A - フレキシブル金属箔ポリイミド積層板 - Google Patents
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Abstract
【効果】 本発明によれば、耐熱性や耐溶剤性において、ポリイミドフィルムの有する優れた特性を全く損ねることのないポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。更にポリイミドフィルムとポリイミド系樹脂層を種々組み合わせることができるので、特徴のあるフレキシブルポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。
【選択図】 なし
Description
また、特開2002−326280号公報(特許文献2)には、熱可塑性樹脂を接着層とする3層構造の積層体の製造は加熱圧着の温度が一般的に200℃以上であることが必要なことに伴う諸問題を開示している。
本発明のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板の形成に用いるポリイミドフィルムとしては、従来からこの種の積層板に使用されているいずれのポリイミドフィルムを用いてもよく、下記一般式(I)で表されるジアミン化合物と下記一般式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物とから得られる下記一般式(III)で表されるポリイミド樹脂のフィルムを用いることができ、市販品を使用してもよい。市販品としては、
鐘淵化学工業(株)製 商品名:アピカル
東レ・デュポン社製 商品名:カプトン
等が使用し得る。
H2N−R1−NH2 (I)
(式中、R1は脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族が直接又は架橋員により連結された非縮合環式芳香族基からなる群より選ばれる2価の基を示す。)
また、上記に例示されたジアミン化合物の中で、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用することが好ましい。
また、上記に例示されたテトラカルボン酸二無水物の中で、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。
特には、ポリイミド系樹脂前駆体溶液の状態にてポリイミドフィルムに塗布した後、金属箔を貼り合わせて、イミド化することが好ましい。
ここでいう耐溶剤性とは、溶媒に浸漬して測定したときの剥離強度で表す。溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ダイグライム等が挙げられる。
ここで、ポリイミド系樹脂層としては、上記したポリイミドフィルムの製造において説明した式(I)及び例示したジアミンと同様のジアミンと、式(II)及び例示したテトラカルボン酸二無水物とから得られるものを使用することができ、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましく、またテトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
また、本発明において、耐溶剤性低下率が50%以下、より好ましくは30%以下、特には20%以下に抑えられたフレキシブル金属箔ポリイミド積層板が得られる。
なお、上記耐溶剤性の測定方法、条件は後述する通りである。
撹拌機と滴下ロート付き三つ口フラスコを氷水浴中に据えて、窒素ガスを流した。このフラスコに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.422gとジメチルアセトアミド(DMAc)200gを加え、30分間撹拌した。次いで、p−フェニレンジアミン10.814gをDMAc100gに溶解した溶液を滴下ロートより15分以上かけて加えた。この混合物を10〜15℃で2時間、更に25℃で6時間撹拌して、ポリアミック酸からなる均一なポリイミド樹脂前駆体ワニスを得た。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.422g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.003g、p−フェニレンジアミン9.192gを用い、溶剤としてジメチルアセトアミド(DMAc)/N−メチルピロリドン(NMP)=2.5/1(質量比)混合溶剤、合計300gを用いる他は合成例1と同様にてポリイミド樹脂前駆体ワニスを得た。
市販の厚さ9μmの電解銅箔(古河サーキットホイル社製、商品名:FI−WS)に合成例1のポリイミド樹脂前駆体ワニスを厚さ50μmになるように塗工し、送風乾燥機で乾燥した後に、これと市販の厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、商品名:ユーピレックス−S)とをロールプレス機を用い、温度80℃で貼り合わせた。次いで、150℃の送風乾燥機で残留溶媒を除去し、窒素ガス雰囲気下、350℃まで昇温して上記前駆体をイミド化して、ポリイミドフィルムとポリイミド樹脂層、銅箔よりなるフレキシブル銅箔積層板を得た。得られた積層板の半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
市販の厚さ18μmの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製、商品名:BHY)に合成例2のポリイミド樹脂前駆体ワニスを厚さ50μm塗工し、実施例1と同様に送風乾燥機で乾燥した後、実施例1と同様な方法で市販の厚さ25μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学工業(株)製、商品名:アピカルNPI)を貼り合わせ、次いで、実施例1と同様にしてフレキシブルポリイミド銅箔積層板を得た。得られた積層板の半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
熱可塑性ポリイミド[市販されているユピセルN(宇部興産(株)製)]をポリイミドフィルムに塗布してから銅箔と貼り合わせ、実施例1と同様にして半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
なお、ユピセルNのガラス転移点は、242℃(カタログ値)であり、イミド化率は、100%であった。
半田耐熱性の測定
積層板試験片(長さ25mm×幅25mm)を350℃の半田浴に30秒間浸漬し、剥がれや膨れの有無を目視で観察して、下記の基準で評価した。
評価基準
○:剥がれ、膨れなし
×:剥がれ、もしくは膨れあり
ガラス転移温度の測定
合成例1及び2のポリイミド樹脂前駆体をガラス板に塗布し、50℃にて30分乾燥して溶媒を除去した後、ガラス板より剥がして、厚さ3mmの該ポリイミド前駆体樹脂溶液組成物シート試料を得た。この試料を350℃にて5時間処理してイミド化した。このイミド化して得られたものを熱分析計(レオメトリックサイエンス社製、:分析装置名:RSA−III)を用いてガラス転移点を測定した。
耐溶剤性
JIS C6471に準拠して、1mm巾の回路を作製し、引張り速度50mm/分、引き剥がし角度90°で剥離強度をジメチルアセトアミドに室温(25℃)で5時間浸漬する前後で測定した。
以上の結果を表1に示す。
Claims (3)
- ポリイミドフィルム、金属箔、及びこれらポリイミドフィルムと金属箔の間に介在されたポリイミド系樹脂層の全3層からなるフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
- ポリイミド系樹脂層のガラス転移点が350℃以上であることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
- ポリイミド系樹脂層の耐溶剤性が熱可塑性ポリイミドより高いことを特徴とする請求項1又は2記載のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
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