JP2005035285A - フレキシブル金属箔ポリイミド積層板 - Google Patents

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道生 相澤
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雅浩 薄
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Abstract

【解決手段】 ポリイミドフィルム、金属箔、及びこれらポリイミドフィルムと金属箔の間に介在されたポリイミド系樹脂層の全3層からなるフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
【効果】 本発明によれば、耐熱性や耐溶剤性において、ポリイミドフィルムの有する優れた特性を全く損ねることのないポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。更にポリイミドフィルムとポリイミド系樹脂層を種々組み合わせることができるので、特徴のあるフレキシブルポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子工業分野において普及しつつあるフレキシブル金属箔ポリイミド積層板に関するものであり、特に寸法安定性や耐熱性に優れたフレキシブルポリイミド金属箔積層板に関するものである。
フレキシブル金属箔積層板は、主として可撓性を有するプリント配線板用の基材として使用される。従来のフレキシブル金属箔積層板は、エポキシ樹脂等の接着剤を用いて、市販のポリイミドフィルムに金属箔を貼り合わせることにより製造されているために、耐熱性・耐薬品性・難燃性・電気特性等は使用される接着剤の特性に支配され、ポリイミドフィルムの優れた諸特性が充分に生かされず、特に耐熱性の点で充分なものではなかった。この接着剤を有する従来のフレキシブル金属箔積層板の欠点を克服するために、金属箔上にポリイミド樹脂又はポリイミド樹脂前駆体(ポリアミド酸)ワニスを直接流延・塗布することにより、接着層のないポリイミドフレキシブル金属箔積層板が開発されている。
例えば、ポリイミド樹脂形成時の収縮に伴う反りを防止するため、化学構造の異なるポリイミド樹脂を多層積層する方法が報告されている。この場合、金属箔との密着力を確保するために金属箔と接する層のポリイミド樹脂のガラス転移点(Tg)は他の層のそれより低いのが一般的である。また、同様に反りを防止するために、変性したポリイミド樹脂、例えばシリコーン変性のポリイミド樹脂やポリアミドイミドなどを用いる場合もある。
このようなフレキシブル金属箔積層板は、従来のエポキシ樹脂による接着層を持つフレキシブル金属箔積層板に比較して耐熱性などにおいて大いに改善されているものの、ポリイミドフィルムの優れた特性が充分に生かされているとはいい難い。例えば、特許第3320516号公報(特許文献1)では、接着に関わるポリイミド樹脂のガラス転移点が192℃[合成例1]であり、市販のポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名:カプトンH)のガラス転移点430℃よりはるかに低い。
また、特開2002−326280号公報(特許文献2)には、熱可塑性樹脂を接着層とする3層構造の積層体の製造は加熱圧着の温度が一般的に200℃以上であることが必要なことに伴う諸問題を開示している。
特許第3320516号公報 特開2002−326280号公報
本発明は、優れた耐熱性・耐薬品性・難燃性・電気的特性等を有する耐熱性ポリイミドフィルムの特性を充分に生かしたフレキシブル金属箔ポリイミド積層板を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリイミドフィルムと金属箔の間にポリイミド系樹脂層を形成すること、特にポリイミドフィルムと同等以上のガラス転移点や溶剤不溶性を与えるポリイミド樹脂層を設けることで、本発明の上記目的が達成されることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、ポリイミドフィルムもしくは金属箔にポリイミド系樹脂の前駆体溶液を塗布して、両者を貼り合わせた後に、前駆体溶液からの溶媒の除去、イミド化などによりポリイミド系樹脂層を設けたポリイミドフィルム、金属箔、及びこれらポリイミドフィルムと金属箔の間に介在されたポリイミド系樹脂層の3層からなるフレキシブル金属箔ポリイミド積層板を提供する。
本発明によれば、耐熱性や耐溶剤性において、ポリイミドフィルムの有する優れた特性を全く損ねることのないポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。更にポリイミドフィルムとポリイミド系樹脂層を種々組み合わせることができるので、特徴のあるフレキシブルポリイミド金属箔積層板を容易に供することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板の形成に用いるポリイミドフィルムとしては、従来からこの種の積層板に使用されているいずれのポリイミドフィルムを用いてもよく、下記一般式(I)で表されるジアミン化合物と下記一般式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物とから得られる下記一般式(III)で表されるポリイミド樹脂のフィルムを用いることができ、市販品を使用してもよい。市販品としては、
鐘淵化学工業(株)製 商品名:アピカル
東レ・デュポン社製 商品名:カプトン
等が使用し得る。
2N−R1−NH2 (I)
(式中、R1は脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族が直接又は架橋員により連結された非縮合環式芳香族基からなる群より選ばれる2価の基を示す。)
Figure 2005035285
(式中、R2は脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接又は架橋員により連結された非縮合環式芳香族基からなる群より選ばれる4価の基を示す。)
Figure 2005035285
(式中、R1、R2は上記の通り。)
一般式(I)で表されるジアミン化合物としては、例えばo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、2−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、4−クロロ−1,2−フェニレンジアミン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,4−ジアミノトルエン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミン、4−メトキシ−1,3−フェニレンジアミン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]フェニル]ケトン、ビス[4−[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
また、上記に例示されたジアミン化合物の中で、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを使用することが好ましい。
一般式(II)で表されるテトラカルボン酸二無水物としては、一般式(II)において、例えば、R2が脂肪族基であるエチレンテトラカルボン酸二無水物等、R2が環式脂肪族基であるシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等、R2が単環式芳香族基である1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、ピロメット酸二無水物、R2が縮合多環式芳香族基である2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等、R2が芳香族基を直接連結した非縮合環式芳香族基である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、R2が芳香族基を架橋員により連結した非縮合環式芳香族基である3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、4,4’−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4’−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上混合して使用される。
また、上記に例示されたテトラカルボン酸二無水物の中で、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用することが好ましい。
なお、ポリイミドフィルムの厚さは適宜選定され、特に限定されるものではないが、通常10〜50μm、特に12〜25μmである。
一方、本発明に用いられる金属箔の種類には特に限定はなく、通常は銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレス鋼、ベリリウム銅合金等が使用されることが多く、印刷回路を形成するための金属箔としては銅箔が多く用いられる。銅箔については、圧延銅箔、電解銅箔のいずれも使用できる。また、金属箔に直接接しているポリイミドと金属箔との接着力を高めるために、金属箔上に金属単体やその酸化物や合金、例えば金属箔が銅箔の場合には、銅単体、酸化銅、ニッケル−銅合金や亜鉛−銅合金等の無機物層を形成させてもよく、また、無機物以外にもアミノシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン等のカップリング剤を金属箔上に塗布してもよい。
金属箔の厚さも適宜選定され、特に制限されるものではないが、通常3〜50μm、特に5〜35μmである。
本発明においては、上記ポリイミドフィルムと金属箔との間にポリイミド系樹脂層を介在させる。
本発明に用いられるポリイミド系樹脂層は、ポリイミド系樹脂前駆体溶液の状態にてポリイミドフィルムもしくは金属箔上に塗布した後、両者を貼り合わせ、イミド化することで得ることが好ましい。
特には、ポリイミド系樹脂前駆体溶液の状態にてポリイミドフィルムに塗布した後、金属箔を貼り合わせて、イミド化することが好ましい。
また、本発明のポリイミド系樹脂層は、好ましくはガラス転移点が350℃以上、より好ましくは350〜500℃であるもの、特には350〜450℃にあるものを選択することで、極めて耐熱性のある積層板を得ることができる。
更に、本発明のポリイミド系樹脂層は、耐溶剤性が熱可塑性ポリイミドよりも高いものを選択することで、極めて耐溶剤性のある積層板を得ることができる。
ここでいう耐溶剤性とは、溶媒に浸漬して測定したときの剥離強度で表す。溶媒としては、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、硫酸ジメチル、スルホラン、ブチロラクトン、クレゾール、フェノール、ハロゲン化フェノール、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ダイグライム等が挙げられる。
ここで、ポリイミド系樹脂層としては、上記したポリイミドフィルムの製造において説明した式(I)及び例示したジアミンと同様のジアミンと、式(II)及び例示したテトラカルボン酸二無水物とから得られるものを使用することができ、ジアミン化合物としてp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましく、またテトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明のポリイミド系樹脂層は、熱可塑性ポリイミドではないものを選択できるので、溶媒に耐えるものを使用することができる。そのため、溶媒に浸漬する前後にて剥離強度の低下を50%以下、より好ましくは30%以下、特には20%以下に抑えることができる。
また、本発明において、耐溶剤性低下率が50%以下、より好ましくは30%以下、特には20%以下に抑えられたフレキシブル金属箔ポリイミド積層板が得られる。
本発明にいう熱可塑性ポリイミドとは、一般にガラス転移点が350℃未満であり、特許第3320516号公報(特許文献1)及び特開2002−326280号公報(特許文献2)、もしくは特開平1−244841号公報、特開2000−103010号公報、特開平6−190967号公報等に示される構造物である。
なお、上記耐溶剤性の測定方法、条件は後述する通りである。
上記ポリイミド系樹脂層の厚さは1〜10μm、特に2〜5μmとすることが好ましい。
本発明の積層板は、ポリイミドフィルムとポリイミド系樹脂層を意図的に組み合せることが可能なので、特定の特性を強調したポリイミド金属箔積層体を形成することも可能である。例えば、予めプラズマ処理したポリイミドフィルムを用いれば、接着シートとの接着力に優れたポリイミド金属箔積層体が得られる(ポリイミド金属箔積層体のポリイミドフィルム層をプラズマ処理することも可能であるが、予めプラズマ処理したポリイミドフィルムを用いる方法が工業的に有利である)。このものは接着シートを使用して製造する多層フレキシブルプリント回路の製造に極めて有益である。
また、例えば、HDDや光ピックアップ用途には、屈曲性に優れ、かつ柔軟性に優れたポリイミド金属箔積層板が望ましい。屈曲性は金属箔に接する接着層の弾性率やガラス転移点が高いほど有利である。一方、柔軟性は全樹脂層の弾性率が低いほど有利である。従って、高い弾性率とガラス転移点を与えるポリイミド系樹脂層を用いて、中−低弾性率のポリイミドフィルムを貼り合わせることにより、目的に合ったポリイミド金属箔積層体を得ることができる。
なお、本発明にかかわるポリイミドフィルムやポリイミド系樹脂層には、金属箔との接着力を高くするためにカップリング剤を添加したり、表面平滑性を高めるために界面活性剤を添加したり、その他の特性を変化させるための添加剤やフィラーを添加してもよい。また、ポリイミドフィルムの接着性を向上させるために、予めコロナ処理、エッチング処理、プラズマ処理等の処理をしてもよい。
本発明にかかわるポリイミドフィルムやポリイミド系樹脂を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法が適用できる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[合成例1]
撹拌機と滴下ロート付き三つ口フラスコを氷水浴中に据えて、窒素ガスを流した。このフラスコに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.422gとジメチルアセトアミド(DMAc)200gを加え、30分間撹拌した。次いで、p−フェニレンジアミン10.814gをDMAc100gに溶解した溶液を滴下ロートより15分以上かけて加えた。この混合物を10〜15℃で2時間、更に25℃で6時間撹拌して、ポリアミック酸からなる均一なポリイミド樹脂前駆体ワニスを得た。
[合成例2]
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.422g、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.003g、p−フェニレンジアミン9.192gを用い、溶剤としてジメチルアセトアミド(DMAc)/N−メチルピロリドン(NMP)=2.5/1(質量比)混合溶剤、合計300gを用いる他は合成例1と同様にてポリイミド樹脂前駆体ワニスを得た。
[実施例1]
市販の厚さ9μmの電解銅箔(古河サーキットホイル社製、商品名:FI−WS)に合成例1のポリイミド樹脂前駆体ワニスを厚さ50μmになるように塗工し、送風乾燥機で乾燥した後に、これと市販の厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、商品名:ユーピレックス−S)とをロールプレス機を用い、温度80℃で貼り合わせた。次いで、150℃の送風乾燥機で残留溶媒を除去し、窒素ガス雰囲気下、350℃まで昇温して上記前駆体をイミド化して、ポリイミドフィルムとポリイミド樹脂層、銅箔よりなるフレキシブル銅箔積層板を得た。得られた積層板の半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
[実施例2]
市販の厚さ18μmの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製、商品名:BHY)に合成例2のポリイミド樹脂前駆体ワニスを厚さ50μm塗工し、実施例1と同様に送風乾燥機で乾燥した後、実施例1と同様な方法で市販の厚さ25μmのポリイミドフィルム(鐘淵化学工業(株)製、商品名:アピカルNPI)を貼り合わせ、次いで、実施例1と同様にしてフレキシブルポリイミド銅箔積層板を得た。得られた積層板の半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
[比較例1]
熱可塑性ポリイミド[市販されているユピセルN(宇部興産(株)製)]をポリイミドフィルムに塗布してから銅箔と貼り合わせ、実施例1と同様にして半田耐熱性、ガラス転移点、耐溶剤性を測定した。
なお、ユピセルNのガラス転移点は、242℃(カタログ値)であり、イミド化率は、100%であった。
半田耐熱性の測定
積層板試験片(長さ25mm×幅25mm)を350℃の半田浴に30秒間浸漬し、剥がれや膨れの有無を目視で観察して、下記の基準で評価した。
評価基準
○:剥がれ、膨れなし
×:剥がれ、もしくは膨れあり
ガラス転移温度の測定
合成例1及び2のポリイミド樹脂前駆体をガラス板に塗布し、50℃にて30分乾燥して溶媒を除去した後、ガラス板より剥がして、厚さ3mmの該ポリイミド前駆体樹脂溶液組成物シート試料を得た。この試料を350℃にて5時間処理してイミド化した。このイミド化して得られたものを熱分析計(レオメトリックサイエンス社製、:分析装置名:RSA−III)を用いてガラス転移点を測定した。
耐溶剤性
JIS C6471に準拠して、1mm巾の回路を作製し、引張り速度50mm/分、引き剥がし角度90°で剥離強度をジメチルアセトアミドに室温(25℃)で5時間浸漬する前後で測定した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005035285

Claims (3)

  1. ポリイミドフィルム、金属箔、及びこれらポリイミドフィルムと金属箔の間に介在されたポリイミド系樹脂層の全3層からなるフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
  2. ポリイミド系樹脂層のガラス転移点が350℃以上であることを特徴とする請求項1記載のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。
  3. ポリイミド系樹脂層の耐溶剤性が熱可塑性ポリイミドより高いことを特徴とする請求項1又は2記載のフレキシブル金属箔ポリイミド積層板。

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