JP2005033496A - 圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】SAWデバイスの高周波化及び高精度化に対応できるように、弾性率の小さい接着剤でSAW素子を接着固定しかつ良好な接合状態でのワイヤボンディングを実現する高品質・高信頼性の圧電デバイスを提供する。
【解決手段】SAW素子15を実装するためのパッケージ14は、その実装面16にSAW素子上面のボンディングパッド20に対応する突起部21を有する。SAW素子は、各ボンディングパッドを対応する突起部に整合させかつその下面を該突起部に当接させた状態で、柔らかい弾性接着剤17によりパッケージの実装面16に接着固定する。SAW素子のボンディングパッドとパッケージの接続端子22とは、ウエッジボンディング法を用いてボンディングワイヤ23で電気的に接続される。
【選択図】 図1
【解決手段】SAW素子15を実装するためのパッケージ14は、その実装面16にSAW素子上面のボンディングパッド20に対応する突起部21を有する。SAW素子は、各ボンディングパッドを対応する突起部に整合させかつその下面を該突起部に当接させた状態で、柔らかい弾性接着剤17によりパッケージの実装面16に接着固定する。SAW素子のボンディングパッドとパッケージの接続端子22とは、ウエッジボンディング法を用いてボンディングワイヤ23で電気的に接続される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば弾性表面波(SAW:surface acoustic wave )素子をパッケ−ジ内に実装したSAWデバイスのような圧電デバイスの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圧電基板の表面に形成した交差指電極からなるIDT(すだれ状トランスデューサ)と反射器とを備え、IDTから励振した弾性表面波を利用するSAW素子を用いた共振子、フィルタ、発振器等のSAWデバイスが様々な電子機器に広く使用されている。特に最近は、通信機器などの分野で、通信の高速化に対応したSAWデバイスの高周波化及び高精度化が要求されている。
【0003】
一般にSAWデバイスは、図6(A)に例示するように、セラミック材料からなるベース1の上端に金属製のリッド2を、シールリング3を介してシーム溶接により気密に接合封止したパッケージ4を有し、その中にSAW素子5を実装する。SAW素子5はその下面を接着剤6でベース1内の空所底面に接着固定し、その上面に設けられた電極接続用の各ボンディングパッド7が、それぞれパッケージ4内の対応する接続端子8とボンディングワイヤ9で電気的に接続される。これは、通常アルミニウム系材料のボンディングワイヤを使用し、その先端部をボンディングパッド7面に、図6(B)に示すように、ウエッジツール10で加圧しつつ超音波振動を加えて接合するウエッジボンディング法により行う(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
金属製リッド2は、シーム溶接の際、その発熱により200〜500℃程度の高温になり、熱膨張率の小さいセラミック製ベース1よりも熱膨張した状態で接合されるが、気密封止後に常温に戻るとベース1よりも収縮する。そのため、ベース1には、これを下向き凸に変形させるような応力が発生し、接着剤6を介してSAW素子5に伝達されて、その特性に影響を及ぼす虞があり、特にSAWデバイスの高周波化及び高精度化には好ましくない。また、接着剤6が硬化する際に幾分収縮するので、それによる応力がSAW素子5に作用する。そこで、パッケージのキャビティ底面にシリコン樹脂層を形成しかつその上にシリコン樹脂系の弾性接着剤を用いてSAW素子を接着固定し、シーム溶接による熱変形などの応力を吸収する構造が提案されている(特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−110401号公報
【特許文献2】特開2002−16476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
SAWデバイスの高周波化及び高精度化に対応するために、SAW素子を接着固定する弾性接着剤は、その硬化後にシーム溶接による熱変形や接着剤硬化時の収縮による応力を十分に吸収し得る柔らかさ、即ちより小さい弾性率が要求される。しかしながら、弾性接着剤が柔らか過ぎると、図6(B)において想像線5´で示すように、ウエッジツール10でボンディングワイヤ9先端部をボンディングパッド7面に押し付け加圧したとき、接着剤6が変形してSAW素子5が大きく沈み込む。ウエッジボンディング法によるボンディングワイヤの接合状態は、超音波の出力、ボンディングワイヤへの荷重、処理時間、及びこれらのバランスに左右されるから、SAW素子の沈み込みが大き過ぎると、ボンディングワイヤへの荷重及び超音波振動が逃げてしまい、良好な接合状態が得られないという問題が生じる。
【0007】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特にSAWデバイスの高周波化及び高精度化に対応して、弾性率の小さい接着剤を使用してSAW素子を接着固定すると同時に、良好な接合状態でのワイヤボンディングを実現し得る構造を有する、高品質・高信頼性の圧電デバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記目的を達成するために、圧電素子と、該圧電素子を実装するためのパッケージとを備え、圧電素子の下面を弾性接着剤によりパッケージの実装面に接着固定し、圧電素子上面のボンディングパッドとパッケージの接続端子とをボンディングワイヤで接続した圧電デバイスにおいて、パッケージの実装面が圧電素子のボンディングパッドに対応する突起部を有し、圧電素子が、ボンディングパッドを対応する突起部に整合させかつその下面を該突起部に当接させて、実装面に接着されている圧電デバイスが提供される。
【0009】
このように、圧電素子がボンディングパッドの直下ではパッケージ実装面の突起部に直接支持され、かつ他の部分では弾性接着剤で固定される構成により、ボンディングワイヤをウエッジボンディングする際に、ウエッジツールでボンディングワイヤ先端部から圧電素子のボンディングパッド面に大きな荷重を加えても、圧電素子が沈み込む虞が無い。そのため、圧電素子を固定する弾性接着剤に硬化後の弾性率が小さく柔らかいものを用いた場合でも、ボンディングワイヤとボンディングパッドとの接合部に十分な超音波振動及び荷重をかけることができ、良好な接合状態が得られる。従って、パッケージの変形や接着剤の収縮などによる応力、及び落下などにより外部からパッケージに加わる衝撃を弾性接着剤で吸収して、圧電素子に与える影響を抑制しつつ、ワイヤボンディングの良好な接合状態を確保でき、高精度で高品質の圧電デバイスを得ることができる。
【0010】
或る実施例では、パッケージの実装面が突起部の近傍に突設された仕切りを有し、該仕切りと突起部との間で圧電素子を実装面に接着する弾性接着剤よりも、仕切りの外側で圧電素子を実装面に接着する弾性接着剤の弾性率が小さい圧電デバイスが提供される。このように硬化後の弾性率が異なる2種の接着剤で圧電素子を実装面に接着し、狭い仕切りと突起部との間では比較的硬い弾性接着剤を使用し、仕切りの外側では柔らかい弾性接着剤を使用することにより、突起部を小さくして圧電素子の接着強度を高めることができると共に、そのようにしても仕切りの内側では、接着剤に或る程度の硬さが確保されるので、良好な接合状態でのワイヤボンディングが可能である。そして、圧電素子下面の大部分は柔らかい弾性接着剤で固定されるから、パッケージからの応力や外部からの衝撃を十分に吸収でき、圧電素子の所望の動作及び特性が確保される。
【0011】
別の実施例では、多くの圧電デバイスがそうであるように、パッケージが、実装面を有するセラミック材料からなるベースと、該ベースにシーム溶接で気密に接合されるリッドとを有する場合に、シーム溶接の際にリッドに生じる熱膨張でベースが変形しても、その応力が圧電素子に与える影響を排除することができる。
【0012】
また、或る実施例では、圧電素子がSAW素子であり、該SAW素子にパッケージからの応力や外部からの衝撃が及ぼし得る影響を排除できると同時に、良好な状態でのワイヤボンディングが確保されることによって、高周波化及び高精度化に対応したSAWデバイスが実現される。
【0013】
更に或る実施例では、圧電素子のボンディングパッド及びボンディングワイヤがアルミニウム系材料からなると、ウエッジボンディングに適していることから好ましく、また加工性が良くかつ低コストである点からも好都合である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による圧電デバイスの好適実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1(A)、(B)は、本発明を適用したSAWデバイスの第1実施例の構成を示している。このSAWデバイスは、上部を開放した矩形箱状のべース11の上端に金属薄板のリッド12を、シールリング13を介してシーム溶接により気密に接合したパッケージ14を有し、その中にSAW素子15が実装封止されている。べース11は、複数のアルミナ等セラミック材料からなる薄板を積層して構成され、その内部に画定される空所底部の実装面16に、SAW素子15が弾性接着剤17で固定されている。
【0016】
SAW素子15は、水晶、リチウムタンタレート、リチウムニオベートなどの圧電材料からなる矩形基板の上面中央に1対の交差指電極18、18からなるIDTが形成され、その長手方向両側に格子状の反射器19、19が形成されている。各交差指電極18、18には、そのバスバーに連続して前記基板の長手方向辺縁近傍にボンディングパッド20、20が形成されている。本実施例の交差指電極、反射器及びボンディングパッドは、加工性及びコストの観点からアルミニウムで形成されているが、それ以外の一般に使用されているアルミニウム合金などの導電性金属材料を使用することができる。
【0017】
べース11の実装面16には、SAW素子15の各ボンディングパッド20、20に対応する位置に突起部21、21がそれぞれ一体に形成されている。SAW素子15は、各ボンディングパッド20、20をそれぞれ対応する突起部21、21に整合させて位置決めし、その下面を各突起部の上に当接させた状態で弾性接着剤17により接着固定される。本実施例の弾性接着剤は、硬化後の弾性率が0.1Gpa以下の柔らかいシリコン樹脂系接着剤である。
【0018】
べース11の内部には、SAW素子15の幅方向の両側に段差が設けられ、その上面に各ボンディングパッド20、20に対応する接続端子22、22が形成されている。前記各ボンディングパッドと対応する各接続端子とは、それぞれボンディングワイヤ23、23で電気的に接続されている。本実施例のボンディングワイヤには、共晶による接合強度の低下を防止するために、前記ボンディングパッドと同じ導電材料のアルミニウム線を使用する。前記接続端子は、例えばW、Mo等の金属配線材料をべース11のセラミック薄板の表面にスクリーン印刷しかつその上にNi、Auをめっきすることにより形成され、前記セラミック薄板に設けた配線パターンやビアホール(図示せず)を介して、べース11外面の外部端子に接続されている。
【0019】
ボンディングワイヤ23とボンディングパッド20、20とは、その表面から機械的清浄化により酸化膜を除去した後、加圧と超音波振動とを利用したウエッジボンディング法により接続する。図2に示すように、ウエッジツール24の下端でボンディングワイヤ23の先端部をボンディングパッド20面に所定の荷重で加圧し、超音波振動を加えて両者を接合する。このとき、SAW素子16は、各ボンディングパッド20、20の直ぐ下側で突起部21、21に支持されているので、ウエッジツール24の加圧及び超音波振動が逃げる虞が無く、良好な接合状態が得られる。
【0020】
このようにSAW素子15を実装しかつ結線した後、シーム溶接でリッド12をべース11上端にシールリング13に接合して、パッケージ14を気密に封止するが、SAW素子16は、その下面が上述した柔らかい弾性接着剤17で接着されているので、シーム溶接の高熱でリッド12に生じる熱膨張でベース11が変形し、また弾性接着剤17が硬化時に収縮しても、その応力がSAW素子15の動作に実質的に影響を及ぼす虞がない。従って、本発明のSAWデバイスは、高周波化及び高精度化を図ると同時に、高品質かつ高信頼性を達成できる。
【0021】
図3(A)、(B)は、図1に示すSAWデバイスの変形例を示している。この変形例では、両ボンディングパッド20、20がSAW素子15の長手方向の一方の端部付近に配置され、かつこれに対応して両突起部21、21が、べース実装面16の長手方向の同じ一方の端部付近に形成されている。このようにボンディングパッド及び突起部は、必要に応じて図1の実施例とは異なる様々な位置及びレイアウトに適宜配置でき、それによってパッケージの変形又は接着剤の硬化収縮による応力をより効果的に吸収し、SAW素子16への影響を排除することが期待される。
【0022】
図4(A)、(B)は、本発明によるSAWデバイスの第2実施例を示している。第2実施例では、パッケージ11の実装面16に、各突起部21、21の近傍に仕切り24、24がそれぞれ突設されている。各仕切り25、25は、SAW素子15の内方に関して突起部21、21を部分的に囲むようにかつそれと略同じ高さに形成され、接着剤の硬化前の流動を規制する流れ止めとしての役目を有する。図4(C)に良く示すように、各突起部21、21と仕切り25、25との間では、エボキシ系樹脂のような比較的硬い接着剤26、例えば硬化後の弾性率が0.3Gpa以上の接着剤を用いて、SAW素子16下面を実装面16に接着する。仕切り25、25の外側では、第1実施例と同じ弾性率の小さい、柔らかい弾性接着剤17でSAW素子15下面を実装面16に接着する。
【0023】
このように弾性率の異なる2種の接着剤を使用し、前記仕切りと突起部間の狭い領域では、比較的硬い接着剤によってSAW素子15がしっかりと固定され、かつ接着剤に或る程度の硬さが確保されるので、第1実施例と同様に良好な接合状態でのワイヤボンディングが可能である。仕切りの外側即ちSAW素子15下面の大部分の領域では、柔らかい弾性接着剤によって固定されるから、パッケージからの応力や外部からの衝撃を十分に吸収し、SAW素子15の所望の動作及び特性を確保することができる。
【0024】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、これに様々な変形・変更を加えて実施し得ることは当業者に明らかである。例えば、SAW素子以外の圧電素子をパッケージに実装した様々な圧電デバイスについても、または音叉型その他の圧電振動片であっても、同様に適用することができる。
【0025】
【実施例】
上述した本発明の第1実施例の構造を有し、弾性率0.05Gpaのシリコン系弾性接着剤を用いたSAWデバイスを製造し、ボンディングワイヤの接合状態を、ボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み及び超音波振動の振幅波形、接合強度、及び接合部におけるワイヤのつぶれ状態により評価した。比較例1として、弾性率0.3Gpaの硬い接着剤を用いた従来のSAWデバイス、及び比較例2として、ベース実装面に本発明の突起部を備えていない従来構造のパッケージに弾性率0.05Gpaのシリコン系弾性接着剤を用いたSAWデバイスについて、それぞれ同様にボンディングワイヤの接合状態を評価した。
【0026】
図5(A)〜(C)は、それぞれ本実施例及び比較例1、2のボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み波形W1と超音波振動の振幅波形W2とを示している。ウエッジツールの沈み込み波形W1はワイヤ先端部のつぶれの進み具合を表す。図5(A)に示すように、本実施例は、沈み込み波形W1及び振幅波形W2共に、図5(B)の比較例1と同様の傾向を示している。これに対し、図5(C)の比較例2は、沈み込み波形W1の変化が無く、ワイヤ先端部のつぶれが進んでいないこと、振幅波形W2の振幅及び作用時間が小さいことを示している。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、接合部に十分に超音波振動が作用し、良好な接合状態を得られることが推察される。
【0027】
接合強度は、ワイヤ引張試験を採用し、ボンディングプル強度及び破壊モードを測定した。破壊モードは、ワイヤの破壊個所によって、パッケージ接合端子との界面剥離をA、パッケージ接合端子との接合部直近での切断をB、ワイヤの引張位置での切断をC、SAW素子ボンディングパッドとの接合部直近での切断をD、ボンディングパッドとの界面剥離をEで表す。この結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
本実施例では、比較例1と略同等のプル強度が得られ、かつ破壊モードが比較例1と同様にB又はDである。これに対し、比較例2は、プル強度が半分以下であり、かつ破壊モードがEである。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、十分な接合強度が得られ、良好に接合されていることが分かる。
【0030】
ワイヤのつぶれ状態は、その接合部におけるつぶれ幅を測定した。この結果を以下の表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
本実施例ではワイヤのつぶれ幅が比較例1と略同等であるのに対し、比較例2はつぶれ幅が約30%小さい。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、接合部に十分に超音波振動が作用し、良好な接合状態を得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)図は本発明を適用したSAWデバイスの第1実施例を示す平面図、(B)図はそのI−I線における断面図。
【図2】図1のSAWデバイスにおいて、SAW素子のボンディングパッドにワイヤボンディングする要領を示す部分拡大断面図。
【図3】(A)図は図1のSAWデバイスの変形例を示す平面図、(B)図はそのIII−III線における断面図。
【図4】(A)図は本発明によるSAWデバイスの第2実施例を示す平面図、(B)図はそのIV−IV線における断面図、(C)図はその要部を部分的にかつ拡大して、SAW素子の一部を省略して示す平面図。
【図5】(A)〜(C)図は、それぞれ本実施例及び比較例1、2のボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み波形W1及び超音波振動の振幅波形W2を示す線図。
【図6】(A)図は従来のSAWデバイスを示す断面図、(B)図はSAW素子のボンディングパッドにワイヤボンディングする要領を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1,11…ベース、2,12…リッド、3,13…シールリング、4,14…パッケージ、5,16…SAW素子、6…接着剤、7,20…ボンディングパッド、8,22…接続端子、9,23…ボンディングワイヤ、10,24…ウエッジツール、16…実装面、17…弾性接着剤、18…交差指電極、19…反射器、21…突起部、25…仕切り、26…接着剤。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば弾性表面波(SAW:surface acoustic wave )素子をパッケ−ジ内に実装したSAWデバイスのような圧電デバイスの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、圧電基板の表面に形成した交差指電極からなるIDT(すだれ状トランスデューサ)と反射器とを備え、IDTから励振した弾性表面波を利用するSAW素子を用いた共振子、フィルタ、発振器等のSAWデバイスが様々な電子機器に広く使用されている。特に最近は、通信機器などの分野で、通信の高速化に対応したSAWデバイスの高周波化及び高精度化が要求されている。
【0003】
一般にSAWデバイスは、図6(A)に例示するように、セラミック材料からなるベース1の上端に金属製のリッド2を、シールリング3を介してシーム溶接により気密に接合封止したパッケージ4を有し、その中にSAW素子5を実装する。SAW素子5はその下面を接着剤6でベース1内の空所底面に接着固定し、その上面に設けられた電極接続用の各ボンディングパッド7が、それぞれパッケージ4内の対応する接続端子8とボンディングワイヤ9で電気的に接続される。これは、通常アルミニウム系材料のボンディングワイヤを使用し、その先端部をボンディングパッド7面に、図6(B)に示すように、ウエッジツール10で加圧しつつ超音波振動を加えて接合するウエッジボンディング法により行う(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
金属製リッド2は、シーム溶接の際、その発熱により200〜500℃程度の高温になり、熱膨張率の小さいセラミック製ベース1よりも熱膨張した状態で接合されるが、気密封止後に常温に戻るとベース1よりも収縮する。そのため、ベース1には、これを下向き凸に変形させるような応力が発生し、接着剤6を介してSAW素子5に伝達されて、その特性に影響を及ぼす虞があり、特にSAWデバイスの高周波化及び高精度化には好ましくない。また、接着剤6が硬化する際に幾分収縮するので、それによる応力がSAW素子5に作用する。そこで、パッケージのキャビティ底面にシリコン樹脂層を形成しかつその上にシリコン樹脂系の弾性接着剤を用いてSAW素子を接着固定し、シーム溶接による熱変形などの応力を吸収する構造が提案されている(特許文献2を参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−110401号公報
【特許文献2】特開2002−16476号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
SAWデバイスの高周波化及び高精度化に対応するために、SAW素子を接着固定する弾性接着剤は、その硬化後にシーム溶接による熱変形や接着剤硬化時の収縮による応力を十分に吸収し得る柔らかさ、即ちより小さい弾性率が要求される。しかしながら、弾性接着剤が柔らか過ぎると、図6(B)において想像線5´で示すように、ウエッジツール10でボンディングワイヤ9先端部をボンディングパッド7面に押し付け加圧したとき、接着剤6が変形してSAW素子5が大きく沈み込む。ウエッジボンディング法によるボンディングワイヤの接合状態は、超音波の出力、ボンディングワイヤへの荷重、処理時間、及びこれらのバランスに左右されるから、SAW素子の沈み込みが大き過ぎると、ボンディングワイヤへの荷重及び超音波振動が逃げてしまい、良好な接合状態が得られないという問題が生じる。
【0007】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特にSAWデバイスの高周波化及び高精度化に対応して、弾性率の小さい接着剤を使用してSAW素子を接着固定すると同時に、良好な接合状態でのワイヤボンディングを実現し得る構造を有する、高品質・高信頼性の圧電デバイスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記目的を達成するために、圧電素子と、該圧電素子を実装するためのパッケージとを備え、圧電素子の下面を弾性接着剤によりパッケージの実装面に接着固定し、圧電素子上面のボンディングパッドとパッケージの接続端子とをボンディングワイヤで接続した圧電デバイスにおいて、パッケージの実装面が圧電素子のボンディングパッドに対応する突起部を有し、圧電素子が、ボンディングパッドを対応する突起部に整合させかつその下面を該突起部に当接させて、実装面に接着されている圧電デバイスが提供される。
【0009】
このように、圧電素子がボンディングパッドの直下ではパッケージ実装面の突起部に直接支持され、かつ他の部分では弾性接着剤で固定される構成により、ボンディングワイヤをウエッジボンディングする際に、ウエッジツールでボンディングワイヤ先端部から圧電素子のボンディングパッド面に大きな荷重を加えても、圧電素子が沈み込む虞が無い。そのため、圧電素子を固定する弾性接着剤に硬化後の弾性率が小さく柔らかいものを用いた場合でも、ボンディングワイヤとボンディングパッドとの接合部に十分な超音波振動及び荷重をかけることができ、良好な接合状態が得られる。従って、パッケージの変形や接着剤の収縮などによる応力、及び落下などにより外部からパッケージに加わる衝撃を弾性接着剤で吸収して、圧電素子に与える影響を抑制しつつ、ワイヤボンディングの良好な接合状態を確保でき、高精度で高品質の圧電デバイスを得ることができる。
【0010】
或る実施例では、パッケージの実装面が突起部の近傍に突設された仕切りを有し、該仕切りと突起部との間で圧電素子を実装面に接着する弾性接着剤よりも、仕切りの外側で圧電素子を実装面に接着する弾性接着剤の弾性率が小さい圧電デバイスが提供される。このように硬化後の弾性率が異なる2種の接着剤で圧電素子を実装面に接着し、狭い仕切りと突起部との間では比較的硬い弾性接着剤を使用し、仕切りの外側では柔らかい弾性接着剤を使用することにより、突起部を小さくして圧電素子の接着強度を高めることができると共に、そのようにしても仕切りの内側では、接着剤に或る程度の硬さが確保されるので、良好な接合状態でのワイヤボンディングが可能である。そして、圧電素子下面の大部分は柔らかい弾性接着剤で固定されるから、パッケージからの応力や外部からの衝撃を十分に吸収でき、圧電素子の所望の動作及び特性が確保される。
【0011】
別の実施例では、多くの圧電デバイスがそうであるように、パッケージが、実装面を有するセラミック材料からなるベースと、該ベースにシーム溶接で気密に接合されるリッドとを有する場合に、シーム溶接の際にリッドに生じる熱膨張でベースが変形しても、その応力が圧電素子に与える影響を排除することができる。
【0012】
また、或る実施例では、圧電素子がSAW素子であり、該SAW素子にパッケージからの応力や外部からの衝撃が及ぼし得る影響を排除できると同時に、良好な状態でのワイヤボンディングが確保されることによって、高周波化及び高精度化に対応したSAWデバイスが実現される。
【0013】
更に或る実施例では、圧電素子のボンディングパッド及びボンディングワイヤがアルミニウム系材料からなると、ウエッジボンディングに適していることから好ましく、また加工性が良くかつ低コストである点からも好都合である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による圧電デバイスの好適実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1(A)、(B)は、本発明を適用したSAWデバイスの第1実施例の構成を示している。このSAWデバイスは、上部を開放した矩形箱状のべース11の上端に金属薄板のリッド12を、シールリング13を介してシーム溶接により気密に接合したパッケージ14を有し、その中にSAW素子15が実装封止されている。べース11は、複数のアルミナ等セラミック材料からなる薄板を積層して構成され、その内部に画定される空所底部の実装面16に、SAW素子15が弾性接着剤17で固定されている。
【0016】
SAW素子15は、水晶、リチウムタンタレート、リチウムニオベートなどの圧電材料からなる矩形基板の上面中央に1対の交差指電極18、18からなるIDTが形成され、その長手方向両側に格子状の反射器19、19が形成されている。各交差指電極18、18には、そのバスバーに連続して前記基板の長手方向辺縁近傍にボンディングパッド20、20が形成されている。本実施例の交差指電極、反射器及びボンディングパッドは、加工性及びコストの観点からアルミニウムで形成されているが、それ以外の一般に使用されているアルミニウム合金などの導電性金属材料を使用することができる。
【0017】
べース11の実装面16には、SAW素子15の各ボンディングパッド20、20に対応する位置に突起部21、21がそれぞれ一体に形成されている。SAW素子15は、各ボンディングパッド20、20をそれぞれ対応する突起部21、21に整合させて位置決めし、その下面を各突起部の上に当接させた状態で弾性接着剤17により接着固定される。本実施例の弾性接着剤は、硬化後の弾性率が0.1Gpa以下の柔らかいシリコン樹脂系接着剤である。
【0018】
べース11の内部には、SAW素子15の幅方向の両側に段差が設けられ、その上面に各ボンディングパッド20、20に対応する接続端子22、22が形成されている。前記各ボンディングパッドと対応する各接続端子とは、それぞれボンディングワイヤ23、23で電気的に接続されている。本実施例のボンディングワイヤには、共晶による接合強度の低下を防止するために、前記ボンディングパッドと同じ導電材料のアルミニウム線を使用する。前記接続端子は、例えばW、Mo等の金属配線材料をべース11のセラミック薄板の表面にスクリーン印刷しかつその上にNi、Auをめっきすることにより形成され、前記セラミック薄板に設けた配線パターンやビアホール(図示せず)を介して、べース11外面の外部端子に接続されている。
【0019】
ボンディングワイヤ23とボンディングパッド20、20とは、その表面から機械的清浄化により酸化膜を除去した後、加圧と超音波振動とを利用したウエッジボンディング法により接続する。図2に示すように、ウエッジツール24の下端でボンディングワイヤ23の先端部をボンディングパッド20面に所定の荷重で加圧し、超音波振動を加えて両者を接合する。このとき、SAW素子16は、各ボンディングパッド20、20の直ぐ下側で突起部21、21に支持されているので、ウエッジツール24の加圧及び超音波振動が逃げる虞が無く、良好な接合状態が得られる。
【0020】
このようにSAW素子15を実装しかつ結線した後、シーム溶接でリッド12をべース11上端にシールリング13に接合して、パッケージ14を気密に封止するが、SAW素子16は、その下面が上述した柔らかい弾性接着剤17で接着されているので、シーム溶接の高熱でリッド12に生じる熱膨張でベース11が変形し、また弾性接着剤17が硬化時に収縮しても、その応力がSAW素子15の動作に実質的に影響を及ぼす虞がない。従って、本発明のSAWデバイスは、高周波化及び高精度化を図ると同時に、高品質かつ高信頼性を達成できる。
【0021】
図3(A)、(B)は、図1に示すSAWデバイスの変形例を示している。この変形例では、両ボンディングパッド20、20がSAW素子15の長手方向の一方の端部付近に配置され、かつこれに対応して両突起部21、21が、べース実装面16の長手方向の同じ一方の端部付近に形成されている。このようにボンディングパッド及び突起部は、必要に応じて図1の実施例とは異なる様々な位置及びレイアウトに適宜配置でき、それによってパッケージの変形又は接着剤の硬化収縮による応力をより効果的に吸収し、SAW素子16への影響を排除することが期待される。
【0022】
図4(A)、(B)は、本発明によるSAWデバイスの第2実施例を示している。第2実施例では、パッケージ11の実装面16に、各突起部21、21の近傍に仕切り24、24がそれぞれ突設されている。各仕切り25、25は、SAW素子15の内方に関して突起部21、21を部分的に囲むようにかつそれと略同じ高さに形成され、接着剤の硬化前の流動を規制する流れ止めとしての役目を有する。図4(C)に良く示すように、各突起部21、21と仕切り25、25との間では、エボキシ系樹脂のような比較的硬い接着剤26、例えば硬化後の弾性率が0.3Gpa以上の接着剤を用いて、SAW素子16下面を実装面16に接着する。仕切り25、25の外側では、第1実施例と同じ弾性率の小さい、柔らかい弾性接着剤17でSAW素子15下面を実装面16に接着する。
【0023】
このように弾性率の異なる2種の接着剤を使用し、前記仕切りと突起部間の狭い領域では、比較的硬い接着剤によってSAW素子15がしっかりと固定され、かつ接着剤に或る程度の硬さが確保されるので、第1実施例と同様に良好な接合状態でのワイヤボンディングが可能である。仕切りの外側即ちSAW素子15下面の大部分の領域では、柔らかい弾性接着剤によって固定されるから、パッケージからの応力や外部からの衝撃を十分に吸収し、SAW素子15の所望の動作及び特性を確保することができる。
【0024】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、これに様々な変形・変更を加えて実施し得ることは当業者に明らかである。例えば、SAW素子以外の圧電素子をパッケージに実装した様々な圧電デバイスについても、または音叉型その他の圧電振動片であっても、同様に適用することができる。
【0025】
【実施例】
上述した本発明の第1実施例の構造を有し、弾性率0.05Gpaのシリコン系弾性接着剤を用いたSAWデバイスを製造し、ボンディングワイヤの接合状態を、ボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み及び超音波振動の振幅波形、接合強度、及び接合部におけるワイヤのつぶれ状態により評価した。比較例1として、弾性率0.3Gpaの硬い接着剤を用いた従来のSAWデバイス、及び比較例2として、ベース実装面に本発明の突起部を備えていない従来構造のパッケージに弾性率0.05Gpaのシリコン系弾性接着剤を用いたSAWデバイスについて、それぞれ同様にボンディングワイヤの接合状態を評価した。
【0026】
図5(A)〜(C)は、それぞれ本実施例及び比較例1、2のボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み波形W1と超音波振動の振幅波形W2とを示している。ウエッジツールの沈み込み波形W1はワイヤ先端部のつぶれの進み具合を表す。図5(A)に示すように、本実施例は、沈み込み波形W1及び振幅波形W2共に、図5(B)の比較例1と同様の傾向を示している。これに対し、図5(C)の比較例2は、沈み込み波形W1の変化が無く、ワイヤ先端部のつぶれが進んでいないこと、振幅波形W2の振幅及び作用時間が小さいことを示している。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、接合部に十分に超音波振動が作用し、良好な接合状態を得られることが推察される。
【0027】
接合強度は、ワイヤ引張試験を採用し、ボンディングプル強度及び破壊モードを測定した。破壊モードは、ワイヤの破壊個所によって、パッケージ接合端子との界面剥離をA、パッケージ接合端子との接合部直近での切断をB、ワイヤの引張位置での切断をC、SAW素子ボンディングパッドとの接合部直近での切断をD、ボンディングパッドとの界面剥離をEで表す。この結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
本実施例では、比較例1と略同等のプル強度が得られ、かつ破壊モードが比較例1と同様にB又はDである。これに対し、比較例2は、プル強度が半分以下であり、かつ破壊モードがEである。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、十分な接合強度が得られ、良好に接合されていることが分かる。
【0030】
ワイヤのつぶれ状態は、その接合部におけるつぶれ幅を測定した。この結果を以下の表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
本実施例ではワイヤのつぶれ幅が比較例1と略同等であるのに対し、比較例2はつぶれ幅が約30%小さい。これから、柔らかい接着剤を用いた場合でも、本実施例の構造を採用することによって、接合部に十分に超音波振動が作用し、良好な接合状態を得られることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)図は本発明を適用したSAWデバイスの第1実施例を示す平面図、(B)図はそのI−I線における断面図。
【図2】図1のSAWデバイスにおいて、SAW素子のボンディングパッドにワイヤボンディングする要領を示す部分拡大断面図。
【図3】(A)図は図1のSAWデバイスの変形例を示す平面図、(B)図はそのIII−III線における断面図。
【図4】(A)図は本発明によるSAWデバイスの第2実施例を示す平面図、(B)図はそのIV−IV線における断面図、(C)図はその要部を部分的にかつ拡大して、SAW素子の一部を省略して示す平面図。
【図5】(A)〜(C)図は、それぞれ本実施例及び比較例1、2のボンディング時におけるウエッジツールの沈み込み波形W1及び超音波振動の振幅波形W2を示す線図。
【図6】(A)図は従来のSAWデバイスを示す断面図、(B)図はSAW素子のボンディングパッドにワイヤボンディングする要領を示す部分拡大断面図。
【符号の説明】
1,11…ベース、2,12…リッド、3,13…シールリング、4,14…パッケージ、5,16…SAW素子、6…接着剤、7,20…ボンディングパッド、8,22…接続端子、9,23…ボンディングワイヤ、10,24…ウエッジツール、16…実装面、17…弾性接着剤、18…交差指電極、19…反射器、21…突起部、25…仕切り、26…接着剤。
Claims (5)
- 圧電素子と、前記圧電素子を実装するためのパッケージとを備え、前記圧電素子の下面を弾性接着剤により前記パッケージの実装面に接着固定し、前記圧電素子の上面のボンディングパッドと前記パッケージの接続端子とをボンディングワイヤで接続した圧電デバイスにおいて、
前記パッケージの実装面が、前記圧電素子のボンディングパッドに対応する突起部を有し、前記圧電素子が、前記ボンディングパッドを対応する前記突起部に整合させかつその下面を前記突起部に当接させて、前記実装面に接着されていることを特徴とする圧電デバイス。 - 前記パッケージの実装面が、前記突起部の近傍に突設された仕切りを有し、前記仕切りと前記突起部との間で前記圧電素子を前記実装面に接着する前記弾性接着剤よりも、前記仕切りの外側で前記圧電素子を前記実装面に接着する前記弾性接着剤の弾性率が小さいことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
- 前記パッケージが、前記実装面を有するセラミック材料からなるベースと、前記ベースにシーム溶接で気密に接合されるリッドとを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイス。
- 前記圧電素子が弾性表面波素子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記圧電素子のボンディングパッド及び前記ボンディングワイヤがアルミニウム系材料からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の圧電デバイス。
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