JP2005029613A - メタクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

メタクリル系重合体の製造方法 Download PDF

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正樹 徳井
Koji Ishizaka
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Abstract

【課題】生産性よく、高品質の重合体を安定に製造できるメタクリル系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】メチルメタクリレートを含むモノマー組成物と、ラジカル重合開始剤とを、各々連続的に完全混合型反応器に供給してメタクリル系重合体を製造する方法であって、ラジカル重合開始剤の供給量を増減することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合し、引き続き連続的に揮発物を除去して重合体を得るメタクリル系重合体の製造方法;さらに、完全混合型反応器に連続的に供給するモノマー組成物の温度を調節することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタクリル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメチルメタクリレート(PMMA)の連続塊状重合または連続溶液重合による重合方法は、バッチ式の懸濁重合に比べて生産性に優れること、分散剤等の補助剤を必要としないために得られる重合体が非常に透明性に優れていること、さらには、反応域に供給するラジカル重合開始剤が非常に少量で済むために得られる重合体が非常に耐熱分解性に優れていること等の理由から、古くから研究が行われている。
【0003】
優れた品質の重合体を得るためには、重合温度を一定にして塊状重合することが必要であるが、連続塊状重合や連続溶液重合に用いる完全混合型反応器において液相部や気相部の周りにジャケットを設けて加熱・冷却する方法が一般的であった。なかには、さらに完全混合型反応器の上部に多菅式熱交換器を設けてその気相部を冷却する方法も知られている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平3−111408号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その方法では、重合反応における微妙な温度制御が困難になるなどの問題がある。本発明の目的は、これらの課題を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、 メチルメタクリレートを含むモノマー組成物と、ラジカル重合開始剤とを、各々連続的に完全混合型反応器に供給してメタクリル系重合体を製造する方法であって、ラジカル重合開始剤の供給量を増減することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合し、引き続き連続的に揮発物を除去して重合体を得るメタクリル系重合体の製造方法にある。
【0007】
重合温度が0.2℃高くなった際には重合開始剤の添加量を5質量%以内の範囲で減量させ、重合温度が0.2℃低くなった際には重合開始剤の添加量を5質量%以内の範囲で増量することが好ましい。
【0008】
さらに、完全混合型反応器に連続的に供給するモノマー組成物の温度を調節することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明は、メタクリル系重合体、すなわち、メチルメタクリレートの重合体または共重合体の製造に適用される。特に、メチルメタクリレートの単独重合体、または、80質量%以上のメチルメタクリレート単位と20質量%以下のアルキル(メタ)アクリレート(メチルメタクリレートを除く)単位とを含む共重合体の製造に好ましく適用される。これらは、それぞれ、メチルメタクリレートの単独重合、または、メチルメタクリレートとアルキル(メタ)アクリレート(メチルメタクリレートを除く)とを含む単量体混合物の共重合によって得られる。ここで、アルキル(メタ)アクリレートとは、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートのことをいう。
【0011】
共重合を行う場合、モノマーとしてメチルメタクリレートとともに使用するアルキルアクリレートは、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基を有するものであり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ステアリル等のアルキル基を有するアルキルアクリレートが挙げられる。
【0012】
また、モノマーとしてメチルメタクリレートとともに使用するアルキルメタクリレートは、好ましくは炭素数2〜18のアルキル基を有するものであり、例えば、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、ステアリル等のアルキル基を有するアルキルメタクリレートが挙げられる。
【0013】
アルキル(メタ)アクリレート(メチルメタクリレートを除く)は、1種を用いても2種以上を併用してもよい。なお、アルキルアクリレート1種以上と、メチルメタクリレートを除くアルキルメタクリレート1種以上とを併用してもよい。
【0014】
本発明によって得られるメタクリル系重合体としては、特に、メチルメタクリレートの単独重合体、すなわち、ポリメチルメタクリレート、または、メチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレートまたはブチルアクリレートのいずれか1種以上との共重合体が好ましい。共重合体については、前述の通り、メチルメタクリレート単位を80質量%以上含むことがさらに好ましい。
【0015】
本発明では、上記のようなモノマーを塊状重合または溶液重合により重合する。特に、耐熱分解性に優れた重合体が得られるので、塊状重合を行うことが好ましい。
【0016】
本発明を溶液重合で行う場合、不活性溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルベンゼン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル等の公知の溶剤が使用できる。不活性溶媒は1種を用いても2種以上を併用してもよい。
【0017】
溶液重合を行う場合、不活性溶媒の使用量は、反応液組成物中5質量%未満であることが好ましい。不活性溶媒を使用しない塊状重合を行うことがより好ましいが、不活性溶媒の使用量が反応液組成物中5質量%未満であれば、従来の溶液重合の欠点である耐熱分解性をほとんど損なうことなく、また、塊状重合と同様に、ゲル効果を利用することにより、少量のラジカル重合開始剤の使用によって効果的に重合率を高めることができる。
【0018】
本発明では、まず、メチルメタクリレートを含むモノマー組成物に窒素等の不活性ガスを導入するか、または、モノマー組成物を減圧下で一定時間保持することにより、溶存酸素を好ましくは2質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下とする。不活性溶媒を使用する溶液重合の場合も、不活性溶媒を含むモノマー組成物に対して同様の操作を行い、溶存酸素を好ましくは2質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下とする。溶存酸素を2質量ppm以下とすると、重合反応が安定に進み、また、重合工程で長時間、高温に保持されても着色成分をほとんど生じず、高品質の重合体が得られる。なお、本発明においてはメチルメタクリレートのみからなるものであっても、便宜的にモノマー組成物という。
【0019】
このようにして溶存酸素を除去したモノマー組成物と、ラジカル重合開始剤ととを各々連続的に完全混合型反応器に供給する。ラジカル重合開始剤は、単独で供給してもよく、モノマー組成物の一部に添加して、他のモノマー組成物とは別個に供給してもよい。
【0020】
ここで添加するラジカル重合開始剤は、ラジカル重合開始剤が反応器内に均一に分散する前にはほとんど分解せず、十分高いラジカル重合開始剤の利用効率が得られるので、完全混合型反応器における重合温度において半減期が10秒以上、特に120秒以上であることが好ましい。ラジカル重合開始剤の半減期が短くても攪拌強度を大きくしてラジカル重合開始剤が分解する前に分散させることも可能であるが、そのためには非常に大きい攪拌動力が必要になり、経済的に不利になる傾向がある。
【0021】
また、ここで添加するラジカル重合開始剤は、反応器内での重合体塊の生成が抑制され、安定に運転できるので、また、停電等で急に運転が停止した場合でも反応液の重合が進んで高粘度となることがあまりなく、再スタートがしやすいので、完全混合型反応器における重合温度において半減期が1時間以下、特に30分以下であることが好ましい。例えば、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ヘキシル−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサネート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物、または、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、2、2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロパン)等のアゾ化合物などから重合温度を考慮して選択することができる。
【0022】
ここで添加するラジカル重合開始剤の使用量は、完全混合型反応器における重合温度、平均滞在時間、目標とする重合率によって適宜決めればよいが、重合体の末端二重結合量の少ない耐熱分解性に優れた重合体を得るためにはモノマー1モルに対して5.0×10−5モル以下であることが好ましく、また、工業的生産性を考慮するとモノマー1モルに対して5.0×10−6モル以上であることが好ましい。
【0023】
また本発明では、連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤としては、メルカプタン化合物やβ−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノーレン等が挙げられる。メルカプタン化合物としては、n−ブチル、イソブチル、n−オクチル、n−ドデシル、sec−ブチル、sec−ドデシル、tert−ブチルメルカプタン等のアルキル基または置換アルキル基を有する第1級、第2級または第3級メルカプタン;フェニルメルカプタン、チオクレゾール、4−tert−ブチル−O−チオクレゾール等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸とそのエステル;エチレンチオグリコール等の炭素数3〜18のメルカプタンが好ましく挙げられる。これらは単独で用いても、また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、tert−ブチルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンを用いることが好ましい。
【0024】
製品強度を保ちつつ成形加工が可能な適度な重合度(一般的に成形材料として工業的に使用される範囲は、最終的に揮発分を除去した後の重合体の重量平均分子量が7万〜15万である)を得るとともに、耐熱分解性に優れた重合体を製造することができるので、連鎖移動剤の使用量は、モノマーに対して0.01モル%以上、特に0.05モル%以上であることが好ましく、また、1モル%以下、特に0.5モル%以下であることが好ましい。連鎖移動剤は、予めモノマー組成物に添加してもよく、別途、連続的に供給してもよい。
【0025】
そして、このモノマー組成物と、ラジカル重合開始剤とを、各々完全混合型反応器に連続的に供給し、重合を行う。以下、完全混合型反応器内の液を反応液組成物という。
【0026】
本発明の工程では、完全混合型反応器において、反応液組成物の重合温度が110〜170℃の範囲で、反応液組成物を実質的に均一に攪拌混合する。このとき、重合温度は一定の温度に保つようにする。本発明における一定の温度とは、所望する温度に対して±0.4℃の範囲のことをいう。この範囲内に保つためには重合温度が0.2℃高くなった際には重合開始剤の供給量を5質量%以内の範囲で減量させ、重合温度が0.2℃低くなった際には重合開始剤の供給量を5質量%以内の範囲で増量することが好ましい。所望する温度に対して0.3℃変動したときや、0.1℃変動したときに、ラジカル重合開始剤の供給量を増減させることもできる。
【0027】
更に完全混合型反応器の周りに設置したジャケット、反応域内に設置したドラフトチューブあるいはコイル等への熱媒循環による伝熱除熱あるいは加熱、モノマー組成物の冷却供給、環流冷却等の方法を併用して、一定の重合温度に制御することができる。
【0028】
これらのなかでも、モノマー組成物を冷却して完全混合型反応器に供給する際に、その重合温度の変動によって、冷却温度を調節して一定の重合温度に制御する方法を併用することが好ましい。冷却温度の調節の目安としては、重合温度が0.2℃高くなった際にはモノマー組成物の供給温度を5℃以内の範囲で低下させ、重合温度が0.2℃低くなった際には5℃以内の範囲で上昇させることが好ましい。所望する温度に対して0.3℃変動したときや、0.1℃変動したときに、モノマー組成物の供給温度を調節することもできる。
【0029】
重合温度が110℃より低いと、ゲル効果による重合速度の加速現象が大きくなるために重合率が低い条件でしか安定に運転することが困難であり、経済的に不利である。重合温度は、120℃以上であることが好ましい。
【0030】
一方、重合温度が170℃より高いと、重合反応は安定に進むので重合率を高くすることができるが、二量体の生成が多くなるために揮発分除去後の重合体の透明性、機械的強度が低下する傾向がある。また、重合体の立体規則性においてシンジオタクチックの比率が低下するために重合体の熱変形温度が低下する傾向がある。また、共重合成分のアルキルアクリレートの含有量が多いほど重合体の熱変形温度は低下するが、耐熱分解性は向上することが知られている。一方、メチルメタクリレートとアルキルアクリレートの比率が同じ重合体を製造する場合、重合温度が低い方がシンジオタクチックの比率が高くなり、重合体の熱変形温度が高くなる。そのため、重合温度が低ければ、重合温度が高い場合と比較して、アルキルアクリレートの含有量を多くして耐熱分解性を向上させたにもかかわらず熱変形温度の低下が小さく、高い熱変形温度と耐熱分解性とを兼ね備えた重合体として工業的優位性が非常に大きい。重合温度は、140℃以下であることが好ましい。
【0031】
完全混合型反応器での平均滞在時間は、ラジカル重合開始剤の使用量を抑制できるために重合反応の制御が容易であり、重合体の末端二重結合量が十分少なくなって耐熱分解性に優れた重合体が得られるので、1時間以上、特に2時間以上であることが好ましい。また、完全混合型反応器での平均滞在時間は、高い生産性が得られ、二量体の生成も十分少なくなるので、6時間以下、特に5時間以下であることが好ましい。完全混合型反応器での平均滞在時間を上記の範囲内にすることにより、重合制御を安定にすることができるとともに、成形加工性に優れた重合体を製造することができる。
【0032】
さらに、本発明の工程では、完全混合型反応器において、反応液組成物の重合体含有率を35〜70質量%の範囲で実質的に一定のある値に維持するようにすることが好ましい。重合体含有率は、65質量%以下であることが好ましく、40質量%以上であることが好ましい。
【0033】
本発明で用いられる完全混合型反応器としては、供給口、取り出し口および攪拌装置を備えた槽型反応装置を用いることができ、攪拌装置は反応域全体にわたる混合性能を持つことが必要である。
【0034】
本発明では、完全混合型反応器からギアポンプ等の市販のものを用いて反応液組成物を連続的に抜き出し、これにラジカル重合開始剤を添加し、スタティックミキサーを内装したジャケット付き管型反応器等において、さらに重合反応を進めることもできる。
【0035】
本発明では、このような重合工程の後、連続的に抜き出された反応液組成物を揮発物除去工程に送り、未反応モノマーを主成分とする揮発物を分離除去して、メタクリル系重合体を製造することができる。
【0036】
このようにして製造したメタクリル系重合体を成形材料として用いる際には、高級アルコール類、高級脂肪酸エステル類等の滑剤を添加することができる。また、必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、帯電防止剤等を添加することができる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0038】
[実施例1]
精製されたメチルメタクリレート98質量%とメチルアクリレート2質量%とからなるモノマー混合物に窒素を導入し、溶存酸素0.5質量ppmとした後、モノマー混合物に対してn−オクチルメルカプタン0.171モル%(0.25質量%)を添加、混合してモノマー組成物Aを得た。また、同様に調整したモノマー混合物に対してラジカル重合開始剤として1,1―ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1.0×10−3モル/モノマー混合物1モル(0.3質量%)を添加し、混合した。これを重合開始剤液Aとする。
【0039】
そして、このモノマー組成物A;100質量部に対して重合開始剤液A;1質量部の割合で、重合温度135℃で攪拌混合されている完全混合型反応器に各々連続的に供給し、反応域での平均滞在時間を3.0hrとして重合を実施した。供給されるモノマー組成物Aの温度は15℃で一定とした。完全混合型反応器の液相部は熱媒によって120℃に加熱し、気相部は冷媒によって60℃に冷却した。用いたラジカル重合開始剤の重合温度(135℃)における半減期は230秒である。
【0040】
途中、重合温度が135.2℃に達した時には、重合開始剤液Aの供給量を2質量%減量、即ち、0.98質量部にし、重合温度が135.0℃に戻った時点で重合開始剤液Aの供給量を1質量部に戻した。また、重合温度が134.8℃に低下した時には、重合開始剤液Aの供給量を2質量%増量、即ち、1.02質量部にし、重合温度が135.0℃に戻った時点で重合開始剤液Aの供給量を1質量部に戻した。なお、連続的に反応液組成物を抜き出し、脱揮押出機にて未反応のメチルメタクリレートを主成分とする揮発物を除去してメタクリル系重合体を得た。このように重合開始剤液Aの供給量を微調整することによって、運転期間中、完全混合型反応器のジャケット温度及び供給するモノマー組成物Aの温度を微調整することなく、重合温度を135℃±0.4℃の範囲で維持しながら、5日間の連続運転を行った。
【0041】
[実施例2]
ラジカル重合開始剤をtert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサネート3.0×10−3モル/モノマー混合物1モル(0.7質量%)に変更して重合開始剤液Bとしたこと以外は実施例1と同様にして、重合反応を行った。用いたラジカル重合開始剤の重合温度(135℃)における半減期は810秒である。
【0042】
途中、重合温度が135.2℃に達した時には、重合開始剤液Bの供給量を3質量%減量、即ち、0.97質量部にし、重合温度が135.0℃に戻った時点で重合開始剤液Bの供給量を1質量部に戻した。また、重合温度が134.8℃に低下した時には、重合開始剤液Bの供給量を3質量%増量、即ち、1.03質量部にし、重合温度が135.0℃に戻った時点で重合開始剤液Bの供給量を1質量部に戻した。このように重合開始剤液Bの供給量を微調整することによって、運転期間中、完全混合型反応器のジャケット温度及び供給するモノマー組成物Aの温度を微調整することなく、重合温度を135℃±0.4℃の範囲で維持しながら、5日間の連続運転を行った。
【0043】
[実施例3]
重合温度が135.2℃に達した時には、供給されるモノマー組成物Aの温度を13℃に変更し、重合温度が135.0℃に戻った時点で供給されるモノマー組成物Aの温度を15℃にした。また、重合温度が134.8℃に低下した時にはモノマー組成物Aの温度を17℃に変更し、重合温度が135.0℃に戻った時点でモノマー組成物Aの温度を15℃にした運転方法を併用したこと以外は実施例1と同様にして完全混合型反応器のジャケット温度を微調整することなく、重合温度を135℃±0.3℃の範囲で維持しながら、5日間の連続運転を行った。
【0044】
[比較例1]
ラジカル重合開始剤の供給量をモノマー組成物A;100質量部に対して重合開始剤液B;1質量部の割合で一定として、完全混合型反応器の液相部の熱媒による加熱と、気相部の冷媒による冷却によって重合温度を一定にしようとしたこと以外は実施例1と同様にして3日間の連続運転を行った。運転期間中、重合温度が135.2℃に上昇した時には、液相部の熱媒温度設定及び気相部の冷媒温度設定を3℃低下させたが、熱媒温度及び冷媒温度はすぐには低下せず、重合温度は136.4℃まで上昇した。また、重合温度が134.8℃に低下した時には、熱媒温度設定及び冷媒温度設定を3℃上昇させたが、熱媒温度及び冷媒温度はすぐには上昇せず、重合温度は134.0℃まで低下した。また、目標とする重合温度(135.0℃)に再び制御出来るまでに40分を要し、この作業の時間を短縮するとハンチング現象を伴い、安定に運転を継続することが出来なかった。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、生産性よく、高品質の重合体を安定に製造できるメタクリル系重合体の製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. メチルメタクリレートを含むモノマー組成物と、ラジカル重合開始剤とを、各々連続的に完全混合型反応器に供給してメタクリル系重合体を製造する方法であって、ラジカル重合開始剤の供給量を増減することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合し、引き続き連続的に揮発物を除去して重合体を得るメタクリル系重合体の製造方法。
  2. 重合温度が0.2℃高くなった際には重合開始剤の添加量を5質量%以内の範囲で減量させ、重合温度が0.2℃低くなった際には重合開始剤の添加量を5質量%以内の範囲で増量する請求項1に記載のメタクリル系重合体の製造方法。
  3. さらに、完全混合型反応器に連続的に供給するモノマー組成物の温度を調節することによって110〜170℃の範囲内の一定温度で重合する請求項1または2に記載のメタクリル系重合体の製造方法。
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