JP2005029331A - エレベータの防災装置 - Google Patents

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Michiyuki Takazawa
理志 高澤
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Abstract

【課題】簡単な構成で確実に、また美観を損ねることなくエレベータホールと昇降路との間の気密性を高め、エレベータホールでの火災の発生時における昇降路の煙突化を防止することができるエレベータの防災装置を提供する。
【解決手段】建屋のエレベータホールと昇降路との間の乗降部に設けられた三方枠3と、この三方枠3の下部に設けられた敷居9と、前記三方枠3と対向して前記敷居9の上に配置された両開き式のドアパネル12とを具備し、前記ドアパネル12と前記三方枠3の側枠部4および幕板部5、ならびに前記敷居9との間の各隙間をゴム等の弾性体からなる密閉部材17,24,37によりそれぞれ密閉してエレベータホールと昇降路との間の気密性を高める。三方枠3の幕板部5とドアパネル12との間の隙間を密閉する密閉部材17は断面U字状の板ばねを用いて幕板部5に固定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータの昇降路とエレベータホールとの間の気密性を高めて、火災発生時の煙の流通を遮断するエレベータの防災装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建屋のエレベータホールと昇降路との間には、エレベータに対する乗降部が設けられ、この乗降部に三方枠および敷居が取り付けられている。そして、三方枠に対向して前記敷居の上にドア装置が設置されている。ドア装置は、昇降路内を昇降するかごが当該エレベータホールに着床する際に開放し、そのかごが当該エレベータホールから離れる際に閉合する。
【0003】
ところで、ドア装置と三方枠や敷居との間には僅かな隙間があり、このためエレベータホールで火災が発生した際に、その煙が前記隙間を通して昇降路内に流入し、昇降路が煙を上昇させる煙突として働き、火勢を強めてしまう恐れがある。
【0004】
このため、従来においては、三方枠の前方側に、火災発生時に収納状態から展開してドア装置を含む三方枠の前面側全体を覆うスクリーンを設け、このスクリーンでエレベータホール側から昇降路内への煙の流入を防止する防災装置が設けられることが多くなってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、火災発生時にスクリーンを収納状態から展開させて三方枠の前面側全体を覆うような手段では、動作に時間がかかり、昇降路内への煙の流入を速やかに遮断することが困難であるばかりでなく、その煙の流入を遮断する性能も低く、さらにコストもかかり、またスクリーンの巻取り装置を三方枠の前面に設けるためエレベータホールの美観を損ねる恐れがある。
【0006】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、安価にかつ確実に、また美観を損ねることなくエレベータホールと昇降路との間の気密性を高めて昇降路の煙突化を防止することができるエレベータの防災装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、建屋のエレベータホールと昇降路との間の乗降部に設けられた三方枠と、この三方枠の下部に設けられた敷居と、前記三方枠と対向して前記敷居の上に配置されたドアパネルと、前記ドアパネルと前記三方枠の側壁部との間の隙間を密閉する密閉部材と、前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材と、基部とリップ部とを有し、前記基部が前記三方枠の幕板部に設けられた差込み部内に差し込まれ、前記リップ部が前記ドアパネルに接触して該ドアパネルと前記幕板部との間の隙間を密閉する密閉部材と、前記幕板部の差込み部内に弾性的に差し込まれ、その弾性的な差込みにより前記密閉部材の基部を前記三方枠の幕板部に圧着させて固定する弾性部材とを具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、前記弾性部材が、ほぼU字状に屈曲する板ばねであることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、前記弾性部材が、該弾性部材を前記幕板部の差込み部に係止する係止手段を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項4の発明は、建屋のエレベータホールと昇降路との間の乗降部に設けられた三方枠と、この三方枠の下部に設けられた敷居と、前記三方枠と対向して前記敷居の上に配置されたドアパネルと、前記ドアパネルと前記三方枠の側壁部との間の隙間を密閉する密閉部材と、前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材と、基部とリップ部とを有し、前記基部が前記三方枠の幕板部に設けられた差込み部内に弾性的に圧入されて前記差込み部に固定され、前記リップ部が前記ドアパネルに接触して該ドアパネルと前記幕板部との間の隙間を密閉する密閉部材とを具備することを特徴としている。
【0011】
請求項5の発明は、前記密閉部材の基部が、該基部の前記差込み部に対する抜け止め用の抜け止め手段を備えることを特徴としている。
【0012】
請求項6の発明は、前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材が、前記ドアパネルと、該ドアパネルの裏面に取り付けられた複数のガイドシューとの間に配置されていると共に、前記ドアパネルの幅方向に沿って一連に並ぶ複数の分割体に分割されていることを特徴としている。
【0013】
請求項7の発明は、前記密閉部材の各分割体の端部が、前記ガイドシューと対向しない位置にあり、その位置において締結部材により各分割体がドアパネルに締結固定されていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図9には第1の実施形態を示してある。図1は、エレベータの乗降部を昇降路側から見た正面図で、この乗降部の建物壁1の中央開口部に三方枠3が取り付けられている。
【0015】
三方枠3は、上下方向に延びて両側に配置する一対の側枠部4と、これら側枠部4の上部間に配置する幕板部5とから門形をなし、この三方枠3の内側の空間が出入口6となっている。
【0016】
建物壁1の昇降路側前面の上部には左右方向に延びるヘッダーケース7が図示しないバックアングルにより取り付けられ、このヘッダーケース7にドアレール8が水平に架設されている。ヘッダーケース7の下部は三方枠3における幕板部5の上面側の内側に連結されて支持されている。また、三方枠3の下部には敷居9が取り付けられ、この敷居9は昇降路側に突出して左右方向に延びるように水平に支持されている。
【0017】
三方枠3の昇降路側には、図2に示すように、三方枠3と対向してドア装置としての例えば両開き式の一対のドアパネル12が設けられている。なお、図2は図1中のA−A線に沿う断面図である。
【0018】
各ドアパネル12の上部には図1に示すように、それぞれハンガー13が取り付けられ、これらハンガー13にそれぞれドアローラ14が回転自在に設けられ、これらドアローラ14が前記ドアレール8の上に転動自在に懸架され、これにより前記各ドアパネル12がドアレール8に沿って左右に移動し、この移動で前記出入口6が開閉されるようになっている。
【0019】
図3および図4には、ドアパネル12の上部と三方枠3の幕板部5との対向部分の構造を拡大して示してあり、各ドアパネル12の上部と三方枠3の幕板部5の起立壁5aとの間には僅かな隙間G1が設けられている。そして幕板部5には、その隙間G1を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材17が設けられている。
【0020】
この密閉部材17は、基部17aを有し、この基部17aの片面に金属製の押え板18が接着されている。幕板部5の起立壁5aと幕板部5に連結された前記ヘッダーケース7との間は差込み部となっており、前記密閉部材17の基部17aは前記押え板18と一体的に前記差込む部内、つまり幕板部5における起立壁5aの内側に挿入されている。
【0021】
さらに基部17aに接着された押え板18と幕板部5に連結されたヘッダーケース7との間の隙間内にはU字状に屈曲する板ばね19が所定の間隔をあけて複数圧入され、これら板ばね19の弾性力により押え板18を介して基部17aが幕板部5の起立壁5aの内面に圧着され、この圧着により密閉部材17が幕板部5に固定されている。
【0022】
各板ばね19の一側縁には、係止手段としてその外側に傾斜して突出する爪片19aが一体に突出形成されている。前記ヘッダーケース7には、前記各爪片19aに対応するスリット状の係合孔7aが形成され、これら係合孔7a内に前記各爪片19aが板ばね19の弾性力で進入して係合し、これにより板ばね19がヘッダーケース7に係止されて抜け止めが図られ、密閉部材17が安定して幕板部5に固定されている。
【0023】
密閉部材17の上部側は、基部17aから斜め上方に延びるリップ部17bとなっており、このリップ部17bはドアパネル12の表面に対して傾斜する姿勢を保ちつつその先端縁部が円弧状に反るように湾曲してドアパネル12の表面に弾性的に接触し、この接触でドアパネル12と幕板部5との間の隙間G1が気密的に密閉されている。なお、ドアパネル12が左右に開閉移動する際には、密閉部材17のリップ部17bはそのドアパネル12と摺動する。
【0024】
ところで、ドアパネル12は、通常時にはロック装置により閉合状態にロックされ、かごがそのドアパネル12のフロアに着床した際に、その着床の動作で前記ロック装置のロックが解除され、かごのドアと連動してドアパネル12が開放されるようになっている。そして、保守点検時等にドアパネル12を手動で開放するときには、作業員がエレベータホール側から図3および図4に示す解除用キーKを隙間G1を通してその上方側に差込み、この解除用キーKで前記ロック装置のロックを解除操作してドアパネル12の開放を可能にする。
【0025】
この際、解除用キーKの差込みが密閉部材17のリップ部17bにより妨げられる恐れがあり、そこで本実施形態においては、図4に示すようにリップ部17bの一部の区間に一対の切込み20を形成し、これら切込み20によりリップ部17bの一部の区間を他の部分から分離して変形可能としてあり、その変形可能な区間を通して容易に解除用キーKを差込むことができるようになっている。
【0026】
なお、図5に示すように、前記切込み20に代えてリップ部17bの一部の区間に切欠部20aを形成し、その切欠部20aを通して解除用キーKを差込むことができるように構成することも可能である。
【0027】
両開き式の一対のドアパネル12は、図6に示すように、その一端側の側縁部が互いに突き当る状態にあり、その双方のドアパネル12の側縁部にその戸当り部間の隙間G2を密閉する密閉部材21が取り付けられている。
【0028】
これら密閉部材21は、塩化ビニール等の弾性材料からなり、ドアパネル12の上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、ねじ等によりドアパネル12の側縁部に固定されている。
【0029】
これら密閉部材21は、中空状の比較的軟質な密着部21aと、これら密着部21aの外側に一体に延びるベース部21bとを有し、前記密着部21aが互いに接触し、これにより一方のドアパネル12と他方のドアパネル12との戸当り部間の隙間が気密的に密閉されている。
【0030】
なお、ドアパネル12が戸開方向に移動する際には、前記一対の密閉部材21は互いに離間する。また、前記密閉部材21は、ドアパネル12の戸閉時における戸当りの衝撃や騒音を吸収するクッション材を兼ねている。
【0031】
各ドアパネル12の戸当りの反対側の側縁部と三方枠3の側枠部4との間には、図7に示すように僅かな隙間G3が設けられている。そしてドアパネル12の側縁部の端面には、その隙間G3を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材24が設けられている。
【0032】
この密閉部材24は、基部24aを有し、この基部24aに金属製の押え板25が接着剤で接着され、この状態でその基部24aが押え板25と一体的にドアパネル12の端面に締結部材としてのねじ26を介して締結固定されている。
【0033】
この密閉部材24は、ドアパネル12の上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、所定のピッチごとにねじ26を介してドアパネル12に固定されている。
【0034】
この密閉部材24の一側縁側は、基部24aから三方枠3における側枠部4の配置側に延びるリップ部24bとなっており、このリップ部24bが側枠部4の表面に対して傾斜する姿勢を保ちつつ円弧状に反るように湾曲してその中間部の側面が側枠部4の角部に弾性的に接触し、この接触でドアパネル12と側枠部4との間の隙間G3が気密的に密閉されている。
【0035】
ドアパネル12が戸開方向に移動する際には、密閉部材24のリップ部24bが側枠部4から離れ、またドアパネル12が戸閉方向に移動して閉合する際にリップ部24bが側枠部4の角部に接触し、隙間G3が密閉される。
【0036】
各ドアパネル12の下部には、図8および図9に示すように、ガイドシュー31が取り付けられている。ガイドシュー31は、図9に示すようにドアパネル12の両側に分かれるように複数、例えば一対設けられている。そしてこれらガイドシュー31は、シュー部材31aとこのシュー部材31aを支持した支持部材31bとからなり、支持部材31bがドアパネル12にねじ32を介して固定され、シュー部材31aがドアパネル12の下端部からその下方に突出するように支持されている。
【0037】
三方枠3の下部に設けられた敷居9の上面には、その長手方向に沿ってガイド溝35が形成され、このガイド溝35内に前記ガイドシュー31のシュー部材31aが摺動自在に挿入され、前記ガイド溝35に沿って各ドアパネル12が左右に開閉移動する。なお、ガイド溝35の底面には、ごみ等の異物を排出するための排出孔35aが形成されている。
【0038】
各ドアパネル12の下部と敷居9の上面との間には、僅かな隙間G4が設けられている。そして各ドアパネル12には、その隙間G4を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材37が設けられている。
【0039】
各ドアパネル12に設けられた密閉部材37は、図9に示すようにそのドアパネル12に取り付けられたガイドシュー31の数に対応する複数、つまり二つの分割体38に分割されている。すなわち、密閉部材37は、左右に分かれる二つの分割体38に分割され、これら分割体38がドアパネル12の幅方向に沿って一連に並ぶようにドアパネル12に取り付けられている。
【0040】
さらに詳しく述べると、密閉部材37の各分割体38は、基部38aを有し、この基部38aに金属製の押え板39が接着され、この状態でその基部38aが押え板39と一体的にドアパネル12の内面に設けられた下梁40に締結部材としてのねじ41を介して締結固定されている。双方の分割体38の端部同士は互いに密着するように接触し、その双方の分割体38がドアパネル12の左右方向のほぼ全長区間に渡って連続的に延びるように下梁40に取り付けられている。
【0041】
密閉部材37の各分割体38は、ドアパネル12の表面板12aと前記ガイドシュー31の支持部材31bとの間に配置されている。そして各分割体38の両端側が前記支持部材31bの左右側つまり前記支持部材31bと対向しない位置にまで延出し、その両延出部において前記ねじ41が昇降路の中央側から押え板39および分割体38を貫通して下梁40に挿入され、これらねじ41の締め付けにより分割体38が下梁40に固定されている。
【0042】
密閉部材37の各分割体38の下部側は、基部38aから斜め下方に延びるリップ部38bとなっており、このリップ部38bは敷居9の上面に対して傾斜する姿勢を保ちつつその先端縁部が円弧状に反るように湾曲して敷居9の上面に弾性的に接触し、この接触でドアパネル12と敷居9との間の隙間G4が密閉されている。なお、ドアパネル12が左右に開閉移動する際には、各分割体38のリップ部38bは敷居9の上面と摺動する。
【0043】
敷居9の上面はガイド溝35により昇降路側とエレベータホール側とに隔てられているが、前記各分割体38のリップ部38bは前記ガイド溝35よりもエレベータホール側にずれる位置に配置して敷居9の上面に接触しており、この接触でドアパネル12と敷居9との間の隙間G4が密閉されている。
【0044】
このような構成においては、各ドアパネル12と三方枠3の幕板部5との間の隙間G1、各ドアパネル12と三方枠3の側枠部4との間の隙間G2、両ドアパネル12の戸当り部間の隙間G3、各ドアパネル12と敷居9との間の隙間G4がそれぞれ密閉部材17,21,24,37により密閉されており、このためエレベータホールから昇降路内への空気の流通が遮断され、エレベータホールのフロアで火災が発生した際に、その火災による煙がエレベータホールから昇降路内に流入するようなことがなく、したがって昇降路の煙突化を防止して火災の発展を抑えることができ、また他の階のフロアへの煙の拡散を防止することができる。
【0045】
図8に示すように、敷居9に設けられたガイド溝35の底面には異物排出用の排出孔35aが形成されているが、密閉部材37はエレベータホールとガイド溝35との間における敷居9の上面に接触して隙間G4を密閉しており、このため前記排出孔35aを通してエレベータホール側の煙が昇降路内に流入するようなことがない。
【0046】
この発明の防災装置は、ドアパネル12と三方枠3および敷居9との間やドアパネル12の戸当り部に、単に弾性体からなる密閉部材17,21,24,37を設けるだけでよく、このため構造が簡単で安価に構成することができる。
【0047】
従来のスクリーンを用いる防災装置では、火災発生時にそのスクリーンを収納状態から展開させる動作時間が必要となるが、この発明の防災装置ではそのような動作時間が不要で、火災発生時に的確に昇降路内への煙の流入を防止でき、またドアパネル12と三方枠3および敷居9との間やドアパネル12の戸当り部に単に密閉部材17,21,24,37を設けるだけで、その密閉部材17,21,24,37がエレベータホール側に露出するようなことがなく、このためエレベータホールの外観的な美観を損ねるようなこともない。
【0048】
ドアパネル12と幕板部5との間の隙間G1を密閉する密閉部材17においては、図3に示すように、そのリップ部17bがドアパネル12の表面に対して傾斜する状態を保ちながらその先端縁部が円弧状に反るように湾曲してドアパネル12に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実であり、またリップ部17bの先端縁部が摩耗してもドアパネル12との接触状態を適正に維持でき、耐久性を高めることができる。
【0049】
幕板部5に密閉部材17を取り付ける際の手順について説明すると、まず幕板部5における起立壁5aとヘッダーケース7との間の差込み部内に密閉部材17の基部17aを挿入し、さらに前記差込み部内に板ばね19をその弾性力に抗して差込み、この板ばね19の爪片19aをヘッダーケース7の係合孔7aに嵌め込む。
【0050】
これにより、板ばね19の弾性力で密閉部材17の基部17aが幕板部5の起立壁5aに圧着し、安定して密閉部材17を幕板部5に固定することができる。板ばね19は爪片19aが係合孔7aに係合することによりその抜け止めが図られ、このため長期に渡って安定して密閉部材17を幕板部5に保持することができる。
【0051】
一方、長期の使用等により密閉部材17が劣化したような場合には、その劣化した密閉部材17を取り外して新規の密閉部材17と交換する必要がある。この場合には、板ばね19をその弾性力に抗してつぼめて引き抜くだけで容易に能率よく密閉部材17を取り外し、新規の密閉部材17と交換することができる。
【0052】
ところで、起立壁5aの外面側からねじを挿入して密閉部材17の基部17aを起立壁5aに固定することも考えられるが、この場合には多数のねじを要し、かつその多数のねじを締め付ける作業が必要となり、このため手数がかかり、能率が低下する。また、密閉部材17の交換に際しても、その多数のねじを一つずつ抜き取る必要があり、作業能率が大幅に低下する。特に、高層建物における各階のエレベータ乗降部の密閉部材17を交換するようなときには、相当の時間と労力を要し、能率がより一層低下してしまう。
【0053】
これに対し、本実施形態においては、ねじを要することなく、単に板ばね19を差し込む作業だけで容易に能率よく密閉部材17を固定でき、また密閉部材17が劣化したときには、その板ばね19を引き抜くだけで容易に能率よくその密閉部材17を取り外して新規の密閉部材17と交換することができる。
【0054】
幕板部5の起立壁5aとドアパネル12との間の隙間G1の寸法は、法規上一定以下とすることが義務付けられているが、上述のように、起立壁5aの外面側からねじを挿入して密閉部材17を固定する構造であると、そのねじの頭が起立壁5aの外面に突出して配置し、この結果、ドアパネル12の開閉時にそのドアパネル12が前記ねじの頭に接触して傷が付いてしまう恐れがある。
【0055】
これを避けるためには、ねじとして皿ねじを用い、起立壁5aの外面に皿もみ加工を施し、ねじの頭と起立壁5aの外面とが面一となるような方策を講じる必要が生じてコストアップとなってしまうが、本実施形態においてはそのような方策を要することなく、起立壁5aの外面を平滑に保ってドアパネル12に対する傷付きを防止することができる。
【0056】
ドアパネル12の側縁部と三方枠3の側枠部4との間の隙間G3を密閉する密閉部材24においては、図7に示すように、そのリップ部24bが側枠部4の表面に対して傾斜する状態を保ちながらその中間部が円弧状に反るように湾曲して側枠部4の角部に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実に達成される。
【0057】
前記密閉部材24の基部24aには、予め接着剤で押え板25が取り付けられ、この状態でその基部24aがドアパネル12の端面にねじ26で固定されており、このためその基部24aが前記押え板25で補強され、無用な変形が防止され、安定してドアパネル12の端面に取り付けることができる。
【0058】
ドアパネル12と敷居9との間の隙間G4を密閉する密閉部材37においては、図8および図9に示すように、その密閉部材37を構成する分割体38のリップ部38bが敷居9の上面に対して傾斜する状態を保ちながらその先端縁部が円弧状に反るように湾曲して敷居9の上面に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実であり、またリップ部38bの先端縁部が摩耗しても敷居9との接触状態を適正に維持でき、耐久性を高めることができる。
【0059】
密閉部材37を構成する分割体38の基部38aには、予め接着剤で押え板39が取り付けられ、この状態でその基部38aがドアパネル12の下梁40にねじ41で固定されており、このためその基部38aが前記押え板39で補強され、無用な変形が防止され、安定してドアパネル12の下梁40に取り付けることができる。
【0060】
基部38aをドアパネル12の下梁40に固定するねじ41は、昇降路の中央側から下梁40に挿入されており、このためその挿入作業を容易に行なえ、能率よく分割体38をドアパネル12の下梁40に取り付けることができる。
【0061】
密閉部材37が長期の使用等により劣化した場合には、その密閉部材37をドアパネル12から取り外して新規の密閉部材37と交換するわけであるが、密閉部材37はガイドシュー31の支持部材31bとドアパネル12の表面板12aとの間に配置されており、このため密閉部材37が一連の長尺物であると、前記ガイドシュー31の支持部材31bがその取り外しの邪魔となり、したがってねじ32を外してガイドシュー31を一旦取り外してからでなければ密閉部材37を交換することができない。
【0062】
ところが、本実施形態においては、密閉部材37が二つの分割体38に分割され、その個々の分割体38が短寸となっており、このため各ねじ41を抜き取り、二つの分割体38を個々別々にドアパネル12から取り外すことにより、支持部材31bが邪魔となることなく、つまりガイドシュー31をいちいち取り外すことなく各分割体38を容易に能率よくドアパネル12から取り外して交換することができる。
【0063】
分割体38を固定する各ねじ41は、ガイドシュー31の支持部材31bの両側に延出する部分において挿入されており、したがって前記支持部材31bが邪魔となることなくその各ねじ41を容易に能率よく取り外すことができ、また前記各ねじ41を緩めて分割体38の上下の位置を調整する作業も容易に能率よく行なうことができる。
【0064】
図10ないし図18には第2の実施形態を示してある。前記第1の実施形態の場合は、一対のドアパネル12が垂直な同一平面上に配置し、その一対のドアパネル12が互いに逆方向に移動することにより出入口を開閉する両開き式のドア装置の場合であるが、この第2の実施形態においては、図10に示すように、一対のドアパネル12a,12bが前後に段違い状に配置し、その一対のドアパネル12a,12bが同じ方向に異なる速度で移動することにより出入口を開閉する片開き式のドア装置となっている。
【0065】
この第2の実施形態の場合には、一対のドアパネル12a,12bが前後に段違い状に配置する構造であるから、図10に示すように、三方枠3の幕板部5もそれに応じるように、左右方向の中間部に段部5bを有する段違い状となっている。すなわち、幕板部5は、段部5bを境とする左側の前列区間部5cと右側の後列区間部5dとに分かれている。
【0066】
そしてこのドア装置の場合には、図10に示す戸閉状態から一方のドアパネル12aが左方向に低速で移動し、他方のドアパネル12bが左方向に高速で移動して戸開し、またその戸開状態から一方のドアパネル12aが右方向に低速で移動し、他方のドアパネル12bが右方向に高速で移動して戸閉する。
【0067】
各ドアパネル12a,12bの上部と三方枠3の幕板部5における前列区間部5cおよび後列区間部5dとの間には、図11に示すように、それぞれ僅かな隙間G5が設けられている。そして幕板部5の前列区間部5cおよび後列区間部5dに、その各隙間G5を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材43が設けられている。
【0068】
これら密閉部材43は、基部43aを有し、この基部43aの片面に金属製の押え板44が接着され、この状態でその基部43aが押え板44と一体的に幕板部5の起立壁5aとヘッダーケース7との間の差込み部内に挿入されている。
【0069】
さらに基部43aに接着された押え板44とヘッダーケース7との間の隙間内にU字状に屈曲する板ばね19が圧入され、この板ばね19の弾性力により押え板44を介して基部43aが幕板部5の起立壁5aの内面に圧着され、この圧着により密閉部材43が幕板部5に固定されている。
【0070】
幕板部5の前列区間部5cに設けられた密閉部材43はその前列区間部5cのほぼ全長区間に渡って連続して延び、幕板部5の後列区間部5dに設けられた密閉部材43はその後列区間部5dのほぼ全長区間に渡って連続して延びている。
【0071】
板ばね19の一側縁にはその外側に傾斜して突出する爪片19aが一体に突出形成され、この爪片19aがヘッダーケース7に形成された係合孔7aに弾性的に係合し、これにより板ばね19の抜け止めが図られ、密閉部材43が安定して幕板部5に固定されている。
【0072】
密閉部材43の上部側は、基部43aから斜め上方に延びるリップ部43bとなっており、このリップ部43bはドアパネル12a,12bの表面に対して傾斜する姿勢を保ちつつその先端縁部が円弧状に反るように湾曲してドアパネル12a,12bの表面に弾性的に接触し、この接触でドアパネル12a,12bと幕板部5との間の隙間G5が気密的に密閉されている。
【0073】
なお、ドアパネル12bが左方向に移動して戸開する際には、そのドアパネル12bが密閉部材43から離れ、ドアパネル12bが右方向に移動して戸閉する際に再び密閉部材43に接触するが、この際、ドアパネル12bが密閉部材43に円滑に接触することができるように、ドアパネル12bの端面に図12に示すようにガイド部材47が取り付けられている。
【0074】
このガイド部材47は、テーパ面47aを有し、ドアパネル12bが右方向に移動して戸閉するときに、前記テーパ面47aが密閉部材43のリップ部43bの縁部に当接し、この当接でリップ部43bがドアパネル12bの表面に円滑に接触するようにガイドされ、これによりドアパネル12bの戸閉時にドアパネル12bと幕板部5との間の隙間G5を的確に密閉することができる。
【0075】
片開き式の一対のドアパネル12a,12bは、その戸閉状態のもとでは、図13に示すように、一端側の側縁部が互いに前後に隙間G6をあけて重なり合う状態にあり、その隙間G6を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材49がドアパネル12bの端面に取り付けられている。
【0076】
この密閉部材49は、基部49aを有し、この基部49aに金属製の押え板50が接着剤で接着され、この状態でその基部49aが押え板50と一体的にドアパネル12bの端面に締結部材としてのねじ51を介して締結固定されている。
【0077】
この密閉部材49は、ドアパネル12bの上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、所定のピッチごとにねじ51を介してドアパネル12bに固定されている。
【0078】
この密閉部材49の一側縁側は、基部49aからドアパネル12aの配置側に延びるリップ部49bとなっており、このリップ部49bがドアパネル12aの側縁部の表面に対して傾斜する姿勢を保ちつつ円弧状に反るように湾曲してその中間部の側面がドアパネル12aのパネル縁に接触し、この接触でドアパネル12a,12bの側縁部間の隙間G6が気密的に密閉されている。
【0079】
ドアパネル12a,12bが戸開方向に移動する際には、その速度の差によりドアパネル12bにおける密閉部材49のリップ部49bがドアパネル12aのパネル縁から離れ、またドアパネル12a,12bが戸閉方向に移動して閉合する際には、その速度の差によりドアパネル12bにおける密閉部材49におけるリップ部49bがドアパネル12aのパネル縁に接触し、隙間G6が密閉される。
【0080】
ドアパネル12aの他方側の側縁部と三方枠3の側枠部4との間には、図14に示すように僅かな隙間G7が設けられている。そしてドアパネル12aの側縁部の端面にその隙間G7を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材54が設けられている。
【0081】
この密閉部材54は、基部54aを有し、この基部54aに金属製の押え板55が接着剤で接着され、この状態でその基部54aが押え板55と一体的にドアパネル12aの端面に締結部材としてのねじ56を介して締結固定されている。
【0082】
この密閉部材54は、ドアパネル12aの上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、所定のピッチごとにねじ56を介してドアパネル12aに固定されている。
【0083】
この密閉部材54の一側縁側は、基部54aから三方枠3における側枠部4の配置側に向って延びるリップ部54bとなっており、このリップ部54bが三方枠3における側枠部4の表面に対して傾斜する姿勢を保ちつつ円弧状に反るように湾曲してその中間部の側面が側枠部4の角部に接触し、この接触でドアパネル12aと側枠部4との間の隙間G7が気密的に密閉されている。
【0084】
ドアパネル12aが戸開方向に移動する際には、密閉部材54のリップ部54bが三方枠3の側枠部4から離れ、またドアパネル12aが戸閉方向に移動して閉合する際には、密閉部材54のリップ部54bが側枠部4の角部に接触し、隙間G7が密閉される。
【0085】
三方枠3の図10に示す右側の側枠部4は、ドアパネル12bの側縁部が突き当る戸当り部となっており、この戸当り部には図15に示すように戸当り板61が設けられ、この戸当り板61にドアパネル12bの戸閉に応じてその側縁部が突き当るようになっている。そしてその戸当り部間の隙間G8を密閉するための密閉部材63がドアパネル12bと戸当り板61とにそれぞれ取り付けられている。
【0086】
これら密閉部材63は、塩化ビニール等の弾性材料からなり、一方の密閉部材63はドアパネル12bの上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、ねじ等によりドアパネル12bに固定され、他方の密閉部材63は戸当り板61の上下方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、接着剤およびボルト64を介して戸当り板61に固定されている。
【0087】
これら密閉部材63は、中空状の比較的軟質な密着部63aと、これら密着部63aの外側に一体に延びるベース部63bとを有し、前記密着部63aが互いに接触し、これによりドアパネル12bと戸当り板61とが突き当る戸当り部間の隙間G8が気密的に密閉されている。なお、前記密閉部材63は、ドアパネル12bの戸当り時の衝撃や騒音を吸収するクッション材を兼ねている。
【0088】
図16には、敷居9の平面図を示してあり、この敷居9の上にドアパネル12a,12bが前後に段違い状に位置をずらして配置されている。各ドアパネル12a,12bの下部には、ガイドシュー65が取り付けられている。ガイドシュー65は各ドアパネル12a,12bの両側に分かれて一対設けられ、それぞれドアパネル12a,12bの下端部からその下方に突出する状態にある。
【0089】
敷居9の上面には、前記一方のドアパネル12aのガイドシュー65が嵌合する第1のガイド溝66aと、前記他方のドアパネル12bのガイドシュー65が嵌合する第2のガイド溝66bとが敷居9の長手方向に沿って形成されている。なお、各ガイド溝66a,66bの底面には、ごみ等の異物を排出するための排出孔67が形成されている。
【0090】
ドアパネル12aの下部と敷居9の上面との間には、図17に示すように、僅かな隙間G9が設けられている。そしてドアパネル12aには、その隙間G9を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材69が設けられている。
【0091】
この密閉部材69は、基部69aを有し、この基部69aに金属製の押え板70に接着剤で接着され、この状態でその基部69aが押え板70と一体的にドアパネル12aの内面に設けられた下梁71に締結部材としてのねじ72を介して締結固定されている。
【0092】
この密閉部材69は、ドアパネル12aの左右方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、所定のピッチごとにねじ72を介してドアパネル12aの下梁71に固定されている。各ねじ72は昇降路の中央側からドアパネル12aの下梁71に挿入されている。
【0093】
この密閉部材69の下部側は、基部69aから斜め下方に向って延びるリップ部69bとなっており、このリップ部69bは敷居9の上面に対して傾斜する姿勢を保ちつつその先端縁部が円弧状に反るように湾曲して前記敷居9の上面に弾性的に接触している。
【0094】
密閉部材69のリップ部69bが接触する敷居9の上面の位置は、敷居9に形成された前記ガイド溝66aよりもエレベータホール側にずれる位置となっている。
【0095】
また、図18に示すように、ドアパネル12bの下部と敷居9の上面との間には僅かな隙間G10が設けられている。そしてドアパネル12bには、その隙間G10を密閉するゴム等の弾性材料からなる密閉部材75が設けられている。
【0096】
この密閉部材75は、基部75aを有し、この基部75aに金属製の押え板76が接着剤で接着され、この状態でその基部75aが押え板76と一体的にドアパネル12bの内面に設けられた下梁77に締結部材としてのねじ78を介して締結固定されている。
【0097】
この密閉部材75は、ドアパネル12bの左右方向のほぼ全長区間に渡って連続して延び、所定のピッチごとにねじ78を介してドアパネル12bの下梁77に固定されている。各ねじ78は昇降路の中央側からドアパネル12bの下梁77に挿入されている。
【0098】
この密閉部材75の下部側は、基部75aから斜め下方に向って延びるリップ部75bとなっており、このリップ部75bは敷居9の上面に対して傾斜する姿勢を保ちつつその先端縁部が前記敷居9の上面に弾性的に接触している。
【0099】
密閉部材75のリップ部75bが接触する敷居9の上面の位置は、敷居9に形成された前記ガイド溝66bよりもエレベータホール側にずれる位置となっている。
【0100】
ところで、図16に示すように、敷居9の上面にはガイド溝66aが形成されているため、図16に矢線Wで示すように、ガイド溝66aを通ってエレベータホール側から昇降路側に抜ける通路が通路が生じる。
【0101】
そこで、ドアパネル12aの側縁部の下部端面には、ゴム等の弾性材料からなる密閉部材80が取り付けられ、この密閉部材80の下部が前記ガイド溝66a内に挿入され、この密閉部材80によりエレベータホール側と昇降路側とを連通させる前記通路が遮断されている。
【0102】
このような構成においては、各ドアパネル12a,12bと三方枠3の幕板部5との間の隙間G5、両ドアパネル12a,12b間の隙間G6、ドアパネル12aと三方枠3の一方の側枠部4との間の隙間G7、ドアパネル12bと三方枠3の他方の側枠部4の戸当り部間の隙間G8、各ドアパネル12a,12bと敷居9との間の隙間G9,G10がそれぞれ密閉部材43,49,54,63,69,75により密閉されており、このためエレベータホールから昇降路内への空気の流通が遮断され、エレベータホールのフロアで火災が発生した際に、その火災による煙がエレベータホールから昇降路内に流入するようなことがなく、したがって昇降路の煙突化を防止して火災の発展を抑えることができ、また他の階のフロアへの煙の拡散を防止することができる。
【0103】
敷居9に設けられたガイド溝66a,66bの底面には異物排出用の排出孔67が形成されているが、密閉部材69,75はガイド溝66a,66bよりもエレベータホール側の位置に配置して敷居9の上面に接触しており、このため前記排出孔67を通してエレベータホール側の煙が昇降路内に流入するようなことがない。
【0104】
また、図16に矢線Wで示す、エレベータホール側と昇降路側との通路が密閉部材80で遮断されているから、その通路を通してエレベータホール側の煙が昇降路内に流入するようなこともない。
【0105】
ドアパネル12a,12bと幕板部5との間の隙間G5を密閉する密閉部材43においては、図11に示すように、そのリップ部43bがドアパネル12a,12bの表面に対して傾斜する状態を保ちながらその先端縁部が円弧状に反るように湾曲してドアパネル12a,12bの表面に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実であり、またリップ部43bの先端縁部が摩耗してもドアパネル12a,12bとの接触状態を適正に維持でき、高い耐久性を得られる。
【0106】
両ドアパネル12a,12bの重なり間の隙間G6を密閉する密閉部材49においては、図13に示すように、そのリップ部49bが円弧状に反るように湾曲してドアパネル12aのパネル縁に接触しており、このためその密閉が確実に達成される。
【0107】
前記密閉部材49の基部49aには、予め接着剤で押え板50が取り付けられ、この状態でその基部49aがドアパネル12bの端面にねじ51で固定されており、このためその基部49aが前記押え板50で補強され、無用な変形が防止され、安定して密閉部材49をドアパネル12bの端面に取り付けることができる。
【0108】
ドアパネル12aの側縁部と三方枠3の側枠部4との間の隙間G7を密閉する密閉部材54においては、図14に示すように、そのリップ部54bが側枠部4の表面に対して傾斜する状態を保ちながらその中間部が円弧状に反るように湾曲して側枠部4の角部に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実に達成される。
【0109】
前記密閉部材54の基部54aには、予め接着剤で押え板55が取り付けられ、この状態でその基部54aがドアパネル12aの端面にねじ56で固定されており、このためその基部54aが前記押え板55で補強され、無用な変形が防止され、安定して密閉部材54をドアパネル12aの端面に取り付けることができる。
【0110】
ドアパネル12aと敷居9との間の隙間G9を密閉する密閉部材69においては、図17に示すように、そのリップ部69bが敷居9の上面に対して傾斜する状態を保ちながらその先端縁部が円弧状に反るように湾曲して敷居9の上面に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実であり、またリップ部69bの先端縁部が摩耗しても敷居9との接触状態を適正に維持でき、高い耐久性を得られる。
【0111】
前記密閉部材69の基部69aには、予め接着剤で押え板70が取り付けられ、この状態でその基部69aがドアパネル12aの下梁71にねじ72で固定されており、このためその基部69aが前記押え板70で補強され、無用な変形が防止され、安定して密閉部材69をドアパネル12aの下梁71に取り付けることができる。基部69aをドアパネル12aの下梁71に固定するねじ72は、昇降路の中央側がら下梁71に挿入されており、このためその挿入作業を容易に行なえ、能率よく密閉部材69をドアパネル12aの下梁71に取り付けることができる。
【0112】
ドアパネル12bと敷居9との間の隙間G10を密閉する密閉部材75においては、図18に示すように、そのリップ部75bが敷居9の上面に対して傾斜する状態を保ちながらその先端縁部が円弧状に反るように湾曲して敷居9の上面に弾性的に接触しており、このためその密閉が確実であり、またリップ部75bの先端縁部が摩耗しても敷居9との接触状態を適正に維持でき、高い耐久性を得られる。
【0113】
前記密閉部材75の基部75aには、予め接着剤で押え板76が取り付けられ、この状態でその基部75aがドアパネル12bの下梁77に締結部材としてのねじ78で固定されており、このためその基部75aが前記押え板76で補強され、無用な変形が防止され、安定して密閉部材75をドアパネル12bの下梁77に取り付けることができる。基部75aをドアパネル12bの下梁77に固定するねじ78は、昇降路の中央側がら下梁77に挿入されており、このためその挿入作業を容易に行なえ、能率よく密閉部材75をドアパネル12bの下梁77に取り付けることができる。
【0114】
なお、前記第2実施形態においては、2枚のドアパネルが段違い状に重なり合って同一方向に移動する片開き式のドア装置としたが、3枚あるいはそれ以上の枚数のドアパネルが段違い状に重なり合って同一方向に移動する片開き式のドア装置の場合であっても差し支えない。
【0115】
図19には、幕板部5とドアパネル12との間の隙間G1を密閉する密閉構造の変形例を示してあり、この変形例においては、幕板部5の起立壁5aとヘッダーケース7との間の差込み部内に、密閉部材17の基部17aおよびU字状に屈曲する板ばね19が差し込まれている。
【0116】
板ばね19には、一端側の側面上部に係止手段としてその外方側に突出する突起19bが一体に形成され、またこの板ばね19の一端側の縁部にその内方側に傾斜して延びる摘み部19cが形成されている。
【0117】
そして、前記ヘッダーケース7に前記突起19bに対応する係合孔7bが形成され、この係合孔7bに前記突起19bが板ばね19の弾性力で係合し、これにより板ばね19がヘッダーケース7に係止されてその抜け止めが図られている。
【0118】
この構造の場合においても、板ばね19の弾性力で密閉部材17の基部17aを幕板部5の起立壁5aに圧着して安定して密閉部材17を幕板部5に固定することができる。板ばね19は突起19bが係合孔7bに係合することにより、その抜け止めが図られ、このため長期に渡って安定して密閉部材17を幕板部5に保持することができる。
【0119】
そして、板ばね19を抜き取る際には、板ばね19の一端側端部の摘み部19cに指先を掛けて板ばね19を内側につぼめ、突起19bと係合孔7bとの係合を外すことにより、容易に能率よく板ばね19を抜き取ることができる。
【0120】
図20には、幕板部5とドアパネル12との間の隙間G1を密閉する密閉構造のさらに異なる変形例を示してあり、この変形例においては、密閉部材17の基部17aが比較的厚肉となっており、この厚肉の基部17aから薄肉のリップ部17bが一体に延出している。
【0121】
厚肉の基部17aは中空状となっており、この基部17aの両側面には抜け止め手段として断面鋸歯状の凹凸17cが形成されている。そしてこの基部17aが幕板部5の起立壁5aとヘッダーケース7との間の差込み部内に弾性的に圧入され、この圧入により密閉部材17が幕板部5に固定されている。
【0122】
基部17aの両側面には断面鋸歯状の凹凸17cが形成されており、このため基部17aの両側面と起立壁5aおよびヘッダーケース7と間に大きな摩擦が生じ、これにより基部17aの抜け止めが図られ、密閉部材17が幕板部5に安定して保持される。
【0123】
密閉部材17を幕板部5に取り付ける際には、単に基部17aを起立壁5aとヘッダーケース7との間の差込み部内に差し込むだけでよく、このためその取り付けをより一層容易に能率よく行なうことができる。
【0124】
また、取り外す際にも、単に基部17aをその弾性力に抗して抜き取るだけでよく、したがって密閉部材17が劣化した際のその交換を容易に能率よく行なうことができる。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、簡単な構成で確実に、また美観を損ねることなくエレベータホールと昇降路との間の気密性を高め、エレベータホールでの火災の発生時における昇降路の煙突化を防止して火災の発展を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、エレベータの乗降部を昇降路側から見た正面図。
【図2】図1中のA−A線に沿う密閉構造部の断面図。
【図3】図1中のB−B線に沿う密閉構造部の断面図。
【図4】その密閉構構造部の斜視図。
【図5】その密閉構造部の密閉部材に切欠部を形成する場合の例を示す斜視図。
【図6】図1中のC−C線に沿う密閉構造部の断面図。
【図7】図1中のD−D線に沿う密閉構造部の断面図。
【図8】図1中のE−E線に沿う密閉構造部の断面図。
【図9】その密閉構造部の斜視図。
【図10】この発明の第2の実施形態を示す断面図。
【図11】図7中のF−F線に沿う密閉構造部の断面図。
【図12】第2の実施形態におけるドアパネルに設けられたガイド部材を示す斜視図。
【図13】図10中のH部の拡大断面図。
【図14】図10中のI部の拡大断面図。
【図15】図10中のJ部の拡大断面図。
【図16】第2の実施形態における敷居を示す平面図。
【図17】図16中のK−K線に沿う断面図。
【図18】図16中のL−L線に沿う断面図。
【図19】三方枠の幕板部とドアパネルと間の隙間を密閉する密閉構造の変形例を示す断面図。
【図20】三方枠の幕板部とドアパネルと間の隙間を密閉する密閉構造のさらに異なる変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1…建物壁、3…三方枠、4…側枠部、5…幕板部、6…出入口、7…ヘッダーケース、7a…係合孔、9…敷居、12,12a,12b…ドアパネル、17,21,24,37,43,49,54,63,69,75…密閉部材、17a,24a,37a,43a,49a,54a,69a,75a…基部、17b,24b,37b,43b,49b,54b,69b,75b…リップ部、17c…凹凸、19…板ばね、19a…爪片、19b…突起、19c…摘み部。

Claims (7)

  1. 建屋のエレベータホールと昇降路との間の乗降部に設けられた三方枠と、
    この三方枠の下部に設けられた敷居と、
    前記三方枠と対向して前記敷居の上に配置されたドアパネルと、
    前記ドアパネルと前記三方枠の側壁部との間の隙間を密閉する密閉部材と、
    前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材と、
    基部とリップ部とを有し、前記基部が前記三方枠の幕板部に設けられた差込み部内に差し込まれ、前記リップ部が前記ドアパネルに接触して該ドアパネルと前記幕板部との間の隙間を密閉する密閉部材と、
    前記三方枠の幕板部の差込み部内に弾性的に差し込まれ、その弾性的な差込みにより前記密閉部材の基部を前記幕板部に圧着させて固定する弾性部材と、
    を具備することを特徴とするエレベータの防災装置。
  2. 前記弾性部材は、ほぼU字状に屈曲する板ばねであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの防災装置。
  3. 前記弾性部材は、該弾性部材を前記幕板部の差込み部に係止する係止手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のエレベータの防災装置。
  4. 建屋のエレベータホールと昇降路との間の乗降部に設けられた三方枠と、
    この三方枠の下部に設けられた敷居と、
    前記三方枠と対向して前記敷居の上に配置されたドアパネルと、
    前記ドアパネルと前記三方枠の側壁部との間の隙間を密閉する密閉部材と、
    前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材と、
    基部とリップ部とを有し、前記基部が前記三方枠の幕板部に設けられた差込み部内に弾性的に圧入されて前記差込み部に固定され、前記リップ部が前記ドアパネルに接触して該ドアパネルと前記幕板部との間の隙間を密閉する密閉部材と、を具備することを特徴とするエレベータの防災装置。
  5. 前記密閉部材の基部は、該基部の前記差込み部に対する抜け止め用の抜け止め手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの防災装置。
  6. 前記ドアパネルと前記敷居との間の隙間を密閉する密閉部材は、前記ドアパネルと、該ドアパネルの裏面に取り付けられた複数のガイドシューとの間に配置されていると共に、前記ドアパネルの幅方向に沿って一連に並ぶ複数の分割体に分割されていることを特徴とする請求項1または4に記載のエレベータの防災装置。
  7. 前記密閉部材の各分割体の端部は、前記ガイドシューと対向しない位置にあり、その位置において締結部材により各分割体がドアパネルに締結固定されていることを特徴とする請求項6に記載のエレベータの防災装置。
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