JP2005027654A - 転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド及びこれをコードするポリヌクレオチド、並びにその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】 遺伝子の転写を抑制する方法において、従来よりも簡便かつ広範囲に適用可能な遺伝子の転写を抑制する技術と、その利用方法とを提供する。
【解決手段】 本発明にかかるペプチドは、α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leuで表されるアミノ酸配列、配列番号63又は、配列番号66のアミノ酸配列を有している。但し、式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。このペプチドは、極めて短いサイズであるため、その合成が簡単であり、特定の遺伝子を標的にした転写抑制を効率的に行なうことができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド及びこれをコードするポリヌクレオチド、並びにその利用方法に関するものであり、例えば、特定の遺伝子の転写を抑制することで、新規な植物の創出等植物への応用が可能であり、さらには、ガン遺伝子の転写抑制によるヒトも含む動物への応用の可能性も見出される、各種遺伝子の転写抑制方法に好適に利用することができる転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド及びこれをコードするポリヌクレオチド、並びにその利用方法に関するものである。
生体において、遺伝子発現調節又は転写制御は、種々の遺伝子の機能を解析することに有用であるだけでなく、様々な産業にも応用が期待される。特に転写制御のうち、転写抑制については、応用分野として、例えば、がん遺伝子等疾患の原因となる遺伝子の発現を抑制する等の医療産業や、植物の改良等のアグリビジネス産業等が挙げられる。上記転写抑制の具体的な手段としては、従来より、アンチセンス法又はリボザイム法が知られている。
アンチセンス法では、転写を抑制しようとする標的遺伝子、又はこれを転写したmRNA等の特異部位と結合させるため、当該特異部位と相補的な配列を有するポリヌクレオチド(アンチセンスDNA又はRNA)を用いる。しかしながら、この方法では、調製されたアンチセンスDNA又はRNAは上記標的遺伝子以外の遺伝子の発現を抑制することには使用できない。それゆえ、他の標的遺伝子に対してはその配列に合わせて新たにアンチセンスDNA又はRNAを調製する必要がある。従って、アンチセンス法は、転写抑制の方法としては汎用性に欠けるという課題を有している。
一方、リボザイム法では、リボザイムすなわち酵素活性を有するRNA分子を用いる。しかしながら、この方法でも、アンチセンス法と同様に、リボザイムは、特異部位と結合させるための相補的な配列を有する必要があり、さらには、所定の位置で特異部位を切断可能なようにリボザイムを設計する必要がある。従って、リボザイム法も、転写抑制の方法としては汎用性に欠けるという課題を有している。
加えてリボザイム法では、リボザイムを実際にホスト細胞中に導入すると、転写されたリボザイムに余分な配列が付加されてリボザイム活性が失われる場合がある。具体的には、例えば、植物をホスト細胞とする場合、標的遺伝子を切断するように設計されたリボザイムを用いたとする。このとき、当該リボザイムをプロモーター(カリフラワーモザイクウィルスの35Sプロモーター等)及びターミネーター(転写終結配列)に連結してベクターを構築し、実際に植物細胞中に導入した場合、上記のようなリボザイム活性が失われるという現象が生じる場合がある。従って、リボザイム法では、条件によっては再現性が低いという課題も有している。
また、上記各方法では、当然のことながら、標的遺伝子の特定及び塩基配列の決定が不可欠となっている。
ところで、本発明者らは、シロイヌナズナ由来のAtERF3、AtERF4、AtERF7、及びAtERF8タンパク質を転写因子に結合させたタンパク質が、遺伝子の転写を顕著に抑制するとの知見を得た。そこで、上記タンパク質をそれぞれコードする遺伝子及びこれから切り出したDNAを含むエフェクタープラスミドを構築し、これを植物細胞に導入することにより、実際に遺伝子の転写を抑制することに成功した(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4参照)。
さらに本発明者らは、Class II ERF(ethylene responsive element binding factor)遺伝子群の一つであるタバコERF3(例えば特許文献5参照)、イネOsERF3タンパク質をコードする遺伝子(特許文献6参照)、及びZnフィンガータンパク(Zinc finger Protein)の遺伝子群の一つであるシロイナズナZAT10、同ZAT11をコードする遺伝子についてもまた、上記と同様な試験を行ったところ、遺伝子の転写を抑制することを見出している。
上記各遺伝子の塩基配列はまちまちであるが、これらの遺伝子がコードするタンパク質又はペプチドには、7つのアミノ酸からなる共通のモチーフが存在することを明らかにした(例えば非特許文献1、2参照)。
なお、このようなキメラ遺伝子を用いた遺伝子の転写抑制の技術は、上記と同様、幾つかの植物で報告されており(非特許文献3、4参照)、さらに動物でも報告されている(非特許文献5〜9)。
特開2001−269177号公報(公開日:平成13(2001)年10月2日) 特開2001−269178号公報(公開日:平成13(2001)年10月2日) 特開2001−292776号公報(公開日:平成13(2001)年10月23日) 特開2001−292777号公報(公開日:平成13(2001)年10月23日) 特開2001−269176号公報(公開日:平成13(2001)年10月2日) 特開2001−269179号公報(公開日:平成13(2001)年10月2日) Ohta. M., Matsui. K., Hiratsu, K., Shinshi, H., and Ohme-Takagi, M., The Plant Cell, Vol.13, 1959-1968, August, 2001 Hiratsu. K., Ohta. M., Matsui. K., and Ohme-Takagi, M., FEBS letter, Vol.514, 351-354, 2002 Guan, X., Stege, J., Kim, M., Dahmani, Z., Fan, N., Heifetz, P., Barbas, C.F. III. and Briggs, S.P., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. Vol.99, 13296-13301, 2002 Markel, H., Chandler, J. and Werr, W., Nuclelic Acids Res. Vol.30, 4709-4719. 2002 Badiani, P., Corbella, P., Kioussis, D., Marvel, J. and Weston, K., Genes Dev. Vol.8, 1994 Beerli, R.R., Segal, D.J., Dreier, B. and Barbas, C.F. III., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. Vol.95, 14628-14633, 1998 Beerli, R.R., Dreier, B. and Barbas, C.F. III., Proc. Nat. Acad. Sci. USA. Vol.97, 1495-1500, 2000 de Haan, G., Chusacultanachai, S., Mao, C., Katzenellenbogen, B.S. and Shapiro, D.J., J. Biol. Chem. Vol.275, 13493-13501, 2000 John, A., Smith, S.T. and Jaynes, J.B., Development Vol.121, 1801-1813, 1995
上記アンチセンス法又はリボザイム法等の転写制御方法では、上述したように、汎用性が欠ける、条件によっては再現性が低い、塩基配列まで特定された遺伝子にしか利用できない等の課題を有している。そのため、その用途が限られるといった問題点が生じる。
これに対して、本発明者らによって見出された、上記タンパク質から得られる知見を利用すれば、汎用性や再現性の向上を図ることが可能である。
従って、本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、従来のアンチセンス法又はリボザイム法のように標的遺伝子の塩基配列に合わせて、その都度DNA又はRNAの設計を行なう必要がなく、簡便でかつ広く適用可能な遺伝子の転写を抑制する技術と、その利用方法とを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、Asp−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号41)のアミノ酸配列からなる極めて単純な構造のペプチドが、上記遺伝子の転写を抑止するという事実を発見した。この知見に基づき、種々のアミノ酸配列からなるペプチドについて、さらに検討を重ねた結果、以下に記載するごとく単純な構造を有するペプチドが、転写因子を転写抑制因子に変換する機能を有するという驚くべき発見をし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(A):次に示す一般式(1)
α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu ・・・(1)
(但し、式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。)
で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
(B):次に示す一般式(2)、(3)又は(4)
α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu ・・・(2)
α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu ・・・(3)
α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu ・・・(4)
(但し、各式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、β2はAsn、Arg、Thr、Ser又はHisを示し、γ2はGln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。)
で表されるアミノ酸配列を有している上記(A)のペプチド。
(C):配列番号1、4、7、10、13、16、19、31、34、42、45、48、51、54、57、60、69、72又は75で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
(D):配列番号63又は66で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
(E):上記(A)、(B)、(C)又は(D)のペプチドと転写因子とを融合させてなることを特徴とするキメラタンパク質。
(F):上記(A)、(B)、(C)又は(D)のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
(G):上記(F)のポリヌクレオチドと転写因子をコードする遺伝子とを連結してなるキメラ遺伝子。
(H):上記(F)のポリヌクレオチドと、これに隣接する1つ以上の制限酵素認識部位とを含む組換え発現ベクター。
(I):上記(G)のキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクター。
(J):上記(H)又は(I)の組換え発現ベクターを導入した形質転換体。
(K):上記組換え発現ベクターが導入されるホストが植物である(J)に記載の形質転換体。
(L):上記(F)のポリヌクレオチドと、転写因子をコードする遺伝子と、プロモーターとを含む組換え発現ベクターを得る工程と、
得られた組換え発現ベクターを宿主細胞に導入して、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチドと転写因子とを融合させたキメラタンパク質を発現させる工程とを含んでいる遺伝子の転写抑制方法。
(M):上記宿主が植物である上記(L)の遺伝子の転写抑制方法。
上記の構成によれば、これまで困難であった特定の遺伝子の発現を効果的に抑制することができる。それゆえ、たとえば、癌遺伝子の発現抑制や植物の優良品種、新品種の作出等の広範な分野において有用な手段を提供することができる。
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、少なくとも6つのアミノ酸残基からなるEAR(ERF-associated Amphihilic Repression)モチーフを含むものである。このEARモチーフは極めて短いペプチドであるため、合成が容易であり、標的遺伝子の転写抑制を効率的に行なうことができる。そのため、本発明は、転写抑制を利用した様々な用途に用いることができる。
以降の説明では、本発明に係るEARモチーフ、その有用性、並びにその利用についてそれぞれ説明する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、適宜略称を用いることがある。同じく説明の便宜上、例えば、配列番号Xで示されるアミノ酸配列を有するペプチドを、適宜、「配列番号Xのペプチド」と略すことがある。塩基配列についても同様である。
(I)EARモチーフ
本発明者は、植物特異的なERF転写因子群(非特許文献1参照)及びTFIIIA−Type Zinc Finger転写(SUPERMANを含む、非特許文献2参照)の中で、転写抑制因子(リプレッサー)として機能する因子のカルボキシル基末端に共通して存在するアミノ酸配列を見出した。このアミノ酸配列、すなわちEARモチーフは、7〜12のアミノ酸からなっている。さらに、本発明者は、これらEARモチーフの構造について鋭意検討した結果、新たに6つのアミノ酸からなる新規なEARモチーフを見出した。
<EARモチーフの構造>
本発明に係る新規なEARモチーフは、具体的には、次に示す一般式(1)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドを挙げることができる。
α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu ・・・(1)
但し、上記式(1)中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。
なお、本発明では、上記一般式(1)で表されるペプチドを、便宜上、次に示す一般式(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるアミノ酸配列を有しているペプチドに分類する。
α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu ・・・(2)
α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu ・・・(3)
α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu ・・・(4)
Asp−Leu−β3−Leu−Arg−Leu ・・・(5)
但し、上記各式中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示す。また、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、β2はAsn、Arg、Thr、Ser又はHisを示し、β3は、Glu、Asp又はGlnを示す。さらに、γ2は、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。
本発明に係る新規なEARモチーフのより具体的な例としては、配列番号1、4、7、10、13、16、19、31、34、42、45、48、51、54、57、60、69、72又は75で表されるアミノ酸配列を有するペプチドを挙げることができる。このうち、配列番号31、34、45、51、69、72又は75のペプチドは、一般式(2)に示されるペプチドに相当し、配列番号1、10、54、57又は60のペプチドは、一般式(3)に示されるペプチドに相当し、配列番号13、16、19、42、又は48のペプチドは、一般式(4)に示されるペプチドに相当し、配列番号4又は7のペプチドは、一般式(5)に示されるペプチドに相当する。
また、上記一般式(1)〜(5)に示されるペプチド以外にも配列番号63又は66が、EARモチーフの例としてあげることができる。
後述する実施例に示すように、これらEARモチーフは、任意の転写因子を転写抑制因子に変換する機能を有している。それゆえ、本発明に係るEARモチーフは、キメリックリプレッサーサイレンシング技術(CRES−T)に利用することができる。
<EARモチーフをコードするポリヌクレオチド>
上記EARモチーフは、任意の転写因子をコードする遺伝子(説明の便宜上、転写因子遺伝子と称する)と連結することによりキメラ遺伝子を構築して、ホスト(宿主)細胞に導入することにより、当該転写因子を転写抑制因子に変換することができる。ここで、上記EARモチーフをコードするポリヌクレオチド(説明の便宜上、EARポリヌクレオチドと称する)の具体的な構成は特に限定されるものではなく、遺伝暗号表に基づいて、上記一般式(1)に示されるアミノ酸配列、配列番号63、又は66の配列のペプチドをコードする塩基配列を有していればよい。
上記EARポリヌクレオチドとしては、例えば、配列番号81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、78、79又は80又はで表される塩基配列を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。
なお、配列番号1のペプチドは、配列番号81又は82の塩基配列にコードされており、配列番号4のペプチドは、配列番号83又は84の塩基配列にコードされており、配列番号7のペプチドは、配列番号85又は86の塩基配列にコードされており、配列番号10のペプチドは、配列番号87又は88の塩基配列にコードされており、配列番号13のペプチドは、配列番号89又は90の塩基配列にコードされており、配列番号16のペプチドは、配列番号91又は92の塩基配列にコードされており、配列番号19のペプチドは、配列番号93又は94の塩基配列にコードされており、配列番号31のペプチドは、配列番号95又は96の塩基配列にコードされており、配列番号34のペプチドは、配列番号97又は98の塩基配列にコードされており、配列番号42のペプチドは、配列番号99又は100の塩基配列にコードされており、配列番号45のペプチドは、配列番号101又は102の塩基配列にコードされており、配列番号48のペプチドは、配列番号103又は104の塩基配列にコードされており、配列番号51のペプチドは、配列番号105又は106の塩基配列にコードされており、配列番号54のペプチドは、配列番号107又は108の塩基配列にコードされており、配列番号57のペプチドは、配列番号109又は110の塩基配列にコードされており、配列番号60のペプチドは、配列番号111又は112の塩基配列にコードされており、配列番号63のペプチドは、配列番号113又は114の塩基配列にコードされており、配列番号66のペプチドは、配列番号115又は116の塩基配列にコードされており、配列番号69のペプチドは、配列番号117又は118の塩基配列にコードされており、配列番号72のペプチドは、配列番号119又は78の塩基配列にコードされており、配列番号75のペプチドは、配列番号79又は80の塩基配列にコードされている。
なお、上記EARポリヌクレオチドは、必要により、転写因子をコードする遺伝子と連結するための連結部位となる塩基配列を含むものであってもよい。また、上記一般式(1)に示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列のアミノ酸読み枠と転写因子をコードする遺伝子の読み枠とが一致しないような場合に、これらを一致させるための付加的な塩基配列を含むものであってもよい。
本発明では、例えば、後述する実施例で具体的に説明するように、上記EARポリヌクレオチドとして、配列番号2、3、5、6、8、9、11、12、14、15、17、18、20、21、32、33、35、36、43、44、46、47、49、50、52、53、55、56、58、59、61、62、64、65、67、68、70、71、73、74、76又は77で表される塩基配列を有するポリヌクレオチドを挙げることができる。これら塩基配列には、酵母GAL4タンパク質DNA結合ドメインをコードする塩基配列のアミノ酸読み枠と、EARポリヌクレオチドの読み枠とを一致させるために、付加的な塩基配列を含んでいる。
なお、配列番号1のペプチドは、配列番号2又は3の塩基配列にコードされており、配列番号4のペプチドは、配列番号5又は6の塩基配列にコードされており、配列番号7のペプチドは、配列番号8又は9の塩基配列にコードされており、配列番号10のペプチドは、配列番号11又は12の塩基配列にコードされており、配列番号13のペプチドは、配列番号14又は15の塩基配列にコードされており、配列番号16のペプチドは、配列番号17又は18の塩基配列にコードされており、配列番号19のペプチドは、配列番号20又は21の塩基配列にコードされており、配列番号31のペプチドは、配列番号32又は33の塩基配列にコードされており、配列番号34のペプチドは、配列番号35又は36の塩基配列にコードされており、配列番号42のペプチドは、配列番号43又は44の塩基配列にコードされており、配列番号45のペプチドは、配列番号46又は47の塩基配列にコードされており、配列番号48のペプチドは、配列番号49又は50の塩基配列にコードされており、配列番号51のペプチドは、配列番号52又は53の塩基配列にコードされており、配列番号54のペプチドは、配列番号55又は56の塩基配列にコードされており、配列番号57のペプチドは、配列番号58又は59の塩基配列にコードされており、配列番号60のペプチドは、配列番号61又は62の塩基配列にコードされており、配列番号63のペプチドは、配列番号64又は65の塩基配列にコードされており、配列番号66のペプチドは、配列番号67又は68の塩基配列にコードされており、配列番号69のペプチドは、配列番号70又は71の塩基配列にコードされており、配列番号72のペプチドは、配列番号73又は74の塩基配列にコードされており、配列番号75のペプチドは、配列番号76又は77の塩基配列にコードされている。
なお、本発明における「ポリヌクレオチド」には、DNAおよびRNAが含まれる。DNAには、例えばクローニングや化学合成技術又はそれらの組み合わせで得られるようなcDNAやゲノムDNAなどが含まれる。DNAは二本鎖でも一本鎖でもよく、一本鎖DNAは、センス鎖となるコードDNAであっても、アンチセンス鎖となるアンチコード鎖であってもよい。
<EARモチーフおよびEARポリヌクレオチドの取得(生産)方法>
本発明に係るEARモチーフの取得(生産)方法は特に限定されるものではなく、EARモチーフを含むタンパク質からEARモチーフを切断して得てもよい。特に、本発明に係るEARモチーフは6つのアミノ酸残基からなっているので、シンセサイザーにより合成することでも容易に生産することができる。
同様に、本発明に係るEARポリヌクレオチドの取得(生産)方法も特に限定されるものではなく、EARポリヌクレオチドを含む遺伝子からEARポリヌクレオチドのみを切断して得てもよいし、シンセサイザーにより合成して得てもよい。また、得られたEARポリヌクレオチドを鋳型としてPCR等により増幅することで、EARポリヌクレオチドを大量に取得してもよい。
従来の転写制御方法であるアンチセンス法やリボザイム法等では、前述したように、特定の塩基配列の遺伝子にしか利用できないため汎用性が欠ける、条件によっては再現性が低い等の課題があった。
これに対して、本発明では、転写因子を転写抑制因子に換えるため、その転写制御下の遺伝子であれば特に限定されることなく、効率的にその転写を抑制することが可能である。またEARモチーフが短いペプチドであるため、その合成が容易である。それゆえ、転写抑制方法としての汎用性や利便性を高めることが可能となる。また、本発明では、リボザイム法のように、余分な配列が付加されてリボザイム活性が失われるといった事態も回避されるので、再現性が低くなる等の課題も回避することができる。
(II)EARモチーフの有用性
本発明に係るEARモチーフ又はEARポリヌクレオチドを用いれば、各種遺伝子の転写抑制方法に好適に利用することができる。すなわち、本発明を用いることで、特定の遺伝子の転写を抑制することが可能となるので、新規な植物の創出等植物への応用が可能となり、さらには、ガン遺伝子の転写抑制によるヒトも含む動物への応用の可能性も見出すことができる。
<植物における転写抑制の例>
本発明に係る転写制御方法の一例としては、各種植物の転写因子を転写抑制因子(リプレッサー)に変換する例を挙げることができる。
具体的な転写因子としては、例えば、EIN3タンパク質(Chao. Q., Rothenberg. M., Solano. R., Roman. G., Terzaghi. W., Echer. J. R., Cell, Vol.89, 1133-1144, 1997参照)、CUC1タンパク質(Takada. S., Hibara. K., Ishida. T., Tasaka. M., Development Vol.128, 1127-1135, 2001参照)・CUC2タンパク質(Aida. M., Ishida. T., Fukaki. H., Fujisawa. H., Tasaka. M., Plant Cell, Vol.9, 841-857, 1997参照)、PAP1タンパク質(Borevitz. J. O., Xia. Y., Blount. J., Dixon. R. A., Lamb. C., Plant Cell, Vol.12, 2383-2393, 2000参照)、AtMYB23タンパク質(Kirik. V., Schnittger. A., Radchuk. V., Alder. K., Hulskamp. M., Baumlein. H., Development Biology Vol.235, 366-377, 2001参照)等を挙げることができる。
上記各転写因子のリプレッサーへの変換は、本発明に係るEARポリヌクレオチドと、これら転写因子をコードする転写因子遺伝子とを連結させて、最終的にキメラタンパク質(キメラリプレッサー)を作製することにより実現される。
より具体的に説明すると、上記転写因子遺伝子のアミノ酸コード領域を、開始コドンATGを含むプライマーおよび終始コドンを除くように設計したプライマーを用いて増幅し、DNA断片を得る。これにEARモチーフを含むペプチドをコードする相補鎖DNA(EARポリヌクレオチド)を合成し、2本鎖にしたものとライゲーションする。このDNA断片を、カリフラワーモザイクウィルス35Sタンパク質遺伝子のプロモーター(35Sと略す)と、Nosターミネーターを組み込んだ植物形質転換ベクターに挿入する。これによって、キメラリプレッサーを発現するプラスミドを構築する。このプラスミドを用いてホストとなる植物、例えばシロイヌナズナを形質転換する。
上記各転写因子のキメラリプレッサーを発現させた植物体についての具体的な結果を次に示す。なお、以下の結果では、説明の便宜上、例えば、EIN3タンパク質のキメラリプレッサーをEIN3リプレッサーと略す。他の転写因子も同様である。
(a)EIN3タンパク質の場合
植物ホルモンであるエチレン存在下で植物を生育させると、細胞伸張が抑制され、結果として矮性の植物となる。転写因子EIN3タンパク質はエチレンのシグナル伝達を制御する機能を有している。それゆえ、EIN3リプレッサーを発現させた植物は、エチレンに対して感受性を持たない植物体となる。同時に、EIN3で制御されていた遺伝子の発現が抑制される。
(b)CUC1タンパク質(CUC2タンパク質も含む)の場合
CUC1タンパク質およびCUC2タンパク質は、何れも転写因子として機能的に重複している。それゆえ、CUC1リプレッサーを発現した植物は、CUC1タンパク質及びCUC2タンパク質が制御する遺伝子の発現を、これら内在性の転写因子に優先して抑制する。その結果、CUC1遺伝子およびCUC2遺伝子がともに不活性なCUC1/CUC2二重変異体と同様な表現型が発現する。この表現型は、子葉が融合したcup shaped cotyledon型の表現型となる。
(c)PAP1タンパク質の場合
PAP1タンパク質は、フェニルプロパノイド合成関連遺伝子の発現を活性化させる転写因子である。フェニルプロパノイド合成関連遺伝子としては、例えば、CHS遺伝子、PAL遺伝子、DFR遺伝子等が挙げられ、これら遺伝子の発現はストレス存在下で上昇する。PAP1リプレッサーを発現した植物は、野生型では見られる、ストレス存在下でのCHS遺伝子、PAL遺伝子、DFR遺伝子等の発現上昇が見られない。また、PAP1リプレッサーを発現した植物は、3%のショ糖存在下で生育させた場合に野生型植物で観察されるアントシアニンの蓄積も起こらない。
(d)AtMYB23タンパク質の場合
AtMYB23タンパク質は、葉の表面で発達するトリコームの発生に関連する転写因子であると考えられている。AtMYB23リプレッサーを発現した植物は、野生型では見られるトリコームが無い植物体となる。また、トリコーム発生に関与している遺伝子の内、GL2遺伝子の発現抑制に関わっていることが明らかになった。
<産業上の有用性>
このように、本発明は、これまでの技術では困難であった遺伝子の発現抑制を可能とする技術である。それゆえ、本発明を用いれば、遺伝子を発現させないことによって有用な効果をもたらす各種産業分野に利用することが可能となる。
具体的には、植物を用いた産業分野としては、例えば、本発明を用いてエチレン非感受性植物、すなわち枯れにくい植物や切り花を創製する用途を挙げることができる。
また、これまでにない色・形をもつ植物や園芸作物や、特定のタンパク質の含量を抑制した植物を創製することも可能となる。例えば、色素代謝系の酵素をコードする遺伝子の発現を抑制することによって、これまでには得られなかった色違いの花弁を有する花を創製することが可能になる。また、アレルゲンとなるタンパク質の発現を抑制することで、アレルゲンの少ない食物(例えば、低アレルゲン米)を創製することが可能になる。また、特定のタンパク質の発現を抑制することで、雑味の無い米(吟醸米等)を創製することも可能となる。
さらには、本発明を用いて、リグニン合成の遺伝子の発現を抑制することもできる。これによって、リグニン含量の少ない木を創製し、高品質のパルプを生産することも可能となる。
さらに本発明は、有用物質等の効率的生産への応用が可能である。植物が産生する二次代謝物質には、医療分野、食糧分野並びに工業的応用に有用とされている物質が数多く存在する。例えば、フラボノイドおよびテルペノイドの一部は、健康を促進する食品として、またある種のアルカロイドは、薬理作用を持つことが知られ、医薬品として利用されている。
植物の二次代謝産物の生合成経路を人為的に操作し、目的とする物質の収量を増加させる試みは、これまでにも多くなされている。しかし、多くの場合は、目的の物質生合成に関わる合成酵素を強発現させる等の方法であり、収量も十数パーセントの増加といったもので高効率の物質生産に結びつかないものが多い(Sato et al., PNAS, 98, 367-372 (2001)参照)。
このような問題を解決し、目的とする植物の二次代謝産物をより効率的且つ簡便に生産する方法においても本発明を応用することが可能である。
その手法の一例を図1に示した。これはシロイヌナズナにおけるAnthocyanins, Flavonols およびProanthocyanidinsといったフラボノイド生合成経路を示している(Plant Cell, 13, 2099-2114 (2001): Nesi et al. から引用)。
例えば、Flavonolsのみを選択的に大量に生産したい場合、 AnthocyaninsやProanthocyanidinsに分岐する経路に関わる酵素を制御する遺伝子を本発明により抑制する。つまり、TT2やTT8といった転写因子を、本発明を用いてレプレッサーに変換させ、dihyfroflavonolsをleucoanthocyanidinsに変換する酵素であるDFR(dihydroflavonol4-reductase)の発現を抑制する。このことによりフラボノイド生合成経路の中間産物であるdehydroflavonolsが、AnthocyaninsやProanthocyanidins生合成に利用されず、図1の矢印で示すように、より選択的にFlavonols生合性系に利用されるといった手法である。
つまり、生合成に関わる初期物質を増やしてやれば(インプット量)効率的および計画的に目的物質(アウトプット)を得ることができると考えられる。
上述した例では、主に、植物を用いた産業分野を挙げたが、本発明はもちろんこれに限定されるものではなく、動物を用いた産業分野にも好適に用いることができる。
具体的には、例えば、医薬産業・医療産業分野の一例として、ガン遺伝子抑制が挙げられる。動物において遺伝子の発現抑制に関与する他の因子を同定し、それらの複合体(キメラリプレッサー)を作製して動物細胞に作用させれば、より特異的な制ガン効果が期待できる。特に、本発明に係るEARモチーフおよびキメラリプレッサーは、植物由来であり動物には存在しないので、この特異性を利用すれば動物に内在する因子と競合せず、標的遺伝子あるいは細胞(ガン等)に対する特異性を向上させることも可能となる。
(III)EARモチーフの利用
本発明に係るEARモチーフの具体的な利用方法は特に限定されるものではないが、上記(II)の項で述べた有用性から明らかなように、例えば、次に示すような利用方法を挙げることができる。
(ア)EARモチーフと転写因子とを融合させてなるキメラタンパク質。
(イ)EARポリヌクレオチドと転写因子遺伝子とを連結してなるキメラ遺伝子。
(ウ)EARポリヌクレオチドと、これに隣接する1つ以上の制限酵素認識部位とを含む組換え発現ベクター。
(エ)上記(ウ)のキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクター。
(オ)上記(ウ)又は(エ)の組換え発現ベクターを導入した形質転換体。
(カ)上記組換え発現ベクターが導入されるホストが植物である形質転換体、すなわち形質転換植物。
<キメラタンパク質>
上記キメラタンパク質は、公知の方法で作製・生産することができるが、一般的には、上記キメラ遺伝子を含む組換え発現ベクターを用いて、ホスト(宿主)細胞中で発現させることにより容易に生産することができる。したがって、本発明に係るキメラタンパク質を用いる場合、任意のホストを選択することによって、キメラタンパク質を大量に発現・生産させて、これを回収して本発明に係るキメラタンパク質として用いてもよいし、最初から上記組換え発現ベクターをホスト細胞に導入することで、細胞内で発現させる形で用いてもよい。
また、上記キメラタンパク質には、付加的なポリペプチドが含まれていてもよい。このようなポリペプチドが付加される場合としては、例えば、HisやMyc、Flag等によって上記キメラタンパク質がエピトープ標識されるような場合が挙げられる。
<組換え発現ベクター>
上記組換え発現ベクターの作製には、プラスミド、ファージ、又はコスミドなどを用いることができるが特に限定されるものではない。また、上記組換え発現ベクターには、種々のDNAセグメントが含まれていてもよい。DNAセグメントとしては、例えば、キメラタンパク質を発現させるために公知のプロモーターを含んでいると好ましい。また、必要に応じてターミネーターを含んでいてもよい。
さらに、EARポリヌクレオチドのみを含タイプの組換え発現ベクターであれば、DNAセグメントとして、EARポリヌクレオチドに隣接する位置に、マルチクローニングサイトのような制限酵素認識部位が設けられていればよい。これによって、後に任意の転写因子遺伝子を導入することで、キメラ遺伝子を含む組換え発現ベクターを構築することができる。
上記組換え発現ベクターの増殖方法(生産方法)も特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。一般的には大腸菌をホストとして当該大腸菌細胞内で増殖させればよい。このときベクターの種類に応じて、好ましい大腸菌の種類を選択してもよい。
<形質転換体>
上記形質転換体は、上記キメラタンパク質をコードする遺伝子が導入された形質転換体であればよい。ここで、「遺伝子が導入された」とは、公知の遺伝子工学的手法(遺伝子操作技術)により、対象細胞(宿主細胞)内に発現可能に導入されることを意味する。従って、本発明に係る形質転換体には、上記キメラ遺伝子を含む上記組換え発現ベクターをホストとなる各種生物に導入したものを挙げることができる。
上記「形質転換体」とは、細胞のみならず、各種生物の組織・器官、さらには植物や動物等の個体も含む意味である。対象となる生物としては、特に限定されるものではなく、例えば、未知の遺伝子又は塩基配列の特定されていない遺伝子を標的として転写抑制により機能を解析する用途であれば、どのような生物あってもよい。実験用に用いられる生物としては、植物であればシロイヌナズナ等を、動物であれば、マウス、ラット、ショウジョウバエ、線虫等を挙げることができる。
あるいは、前述した植物を用いた産業分野に本発明を適用する場合、各種作物(農林水産業で生産される植物、農作物)を挙げることができる。具体的には、例えば、イネ、コムギ、トウモロコシ等の穀物;各種野菜・花卉類;マツ、スギ、ヒノキ等の材木類;等を挙げることができる。さらに、医薬産業・医療産業分野では、ヒト又はヒト由来の培養細胞等を対象とすることもできる。
<転写抑制方法>
本発明には、上記EARモチーフをコードするEARポリヌクレオチドを用いて実施される遺伝子の転写抑制方法も含まれる。より具体的には、本発明に係る転写抑制方法には、上記EARポリヌクレオチドと、転写因子遺伝子と、プロモーターとを含む組換え発現ベクターを得る工程(組換え発現ベクター作製工程)と、得られた組換え発現ベクターを宿主細胞に導入して、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチドと転写因子とを融合させたキメラタンパク質を発現させる工程(キメラタンパク質発現工程)とを含んでいればよい。
上記発現ベクター作製工程の具体的な方法は特に限定されるものではなく、EARポリヌクレオチドおよび転写因子遺伝子、並びにプロモーター等のDNAセグメントを公知のベクターに公知の方法で導入すればよい。また、得られた組換え発現ベクターを増殖する方法も特に限定されるものではなく、大腸菌等をホストとして用いて公知の方法により増殖すればよい。
上記キメラタンパク質発現工程の具体的な方法も特に限定されるものではなく、ホストの種類に応じた適切な形質転換方法を用いて、上記組換え発現ベクターをホストに導入すればよい。本発明では、ホスト(宿主)として特に植物を好ましく用いることができるが、この場合の形質転換方法も特に限定されるものではなく、パーティクルガンによる方法、プロトプラスト/スフェロプラスト法、アグロバクテリウム法、エレクトロポレーション法(電気穿孔法)、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。
本発明にかかる遺伝子がホスト細胞に導入されたか否か、さらにはホスト細胞中で確実に発現しているか否かを確認するために、各種マーカーを用いてもよい。例えば、ホスト細胞中で欠失している遺伝子をマーカーとして用い、このマーカーと本発明の遺伝子とを含むプラスミド等を発現ベクターとしてホスト細胞に導入する。これによってマーカー遺伝子の発現から本発明の遺伝子の導入を確認することができる。あるいは、本発明にかかるタンパク質を融合タンパク質として発現させてもよく、例えば、オワンクラゲ由来の緑色蛍光タンパク質GFP(Green Fluorescent Protein)をマーカーとして用い、本発明にかかるタンパク質をGFP融合タンパク質として発現させてもよい。さらに、上記組換え発現ベクターには、形質転換植物における発現部位を可視化してモニターするための遺伝子を導入することもできる。このような遺伝子の一例としては、β−グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子を挙げることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。それゆえ、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例および図2〜図4に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例においては、種々の合成した遺伝子断片について、酵母のGAL4転写因子のDNA結合ドメインをコードしている領域と連結し、さらに植物細胞で機能するカリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターの下流につないで、エフェクタープラスミドを構築するとともに、カリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーターのエンハンサー領域とGAL4タンパク質結合DNA配列とさらにカリフラワーモザイクウィルス35SプロモーターのTATA領域をプロモーター領域に結合した、ルシフェラーゼ遺伝子からなるレポーター遺伝子を構築し、これらエフェクターとレポーター遺伝子を同時に、シロイヌナズナ葉にパーティクルガンを用いて導入し、レポーター遺伝子であるルシフェラーゼ遺伝子の活性を測定することによって調べたものである。
〔実施例1:転写抑制因子として機能するペプチド配列の同定〕
〔エフェクタープラスミドpGAL4DBD-RDの構築〕
図2に示すように、クローンテック社製(Clontech社,米国)のプラスミドpBI221を制限酵素XhoIとSacIで切断し、T4ポリメラーゼで平滑末端処理した後、アガロースゲル電気泳動でGUS遺伝子を除き、カリフラワーモザイクウィルス35Sプロモーター(以下CaMV35Sと略す)とノパリン合成酵素遺伝子の転写終止領域(Nosターミネーター、以下Nos−terと略す)を含む35S−Nosプラスミド断片DNAを得た。
クローンテック社製のpAS2-1ベクターを制限酵素HindIIIで消化し、酵母GAL4タンパク質のDNA結合領域(1−147アミノ酸残基)をコードする748bpのDNA断片(以下GAL4DBDと称する)をアガロースゲル電気泳動によって単離した後、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理をした。このGAL4DBDを含むDNA断片を、上記CaMV35SとNos−terと間の平滑末端にした部位に挿入し、CaMV35Sに対して酵母GAL4タンパク質のDNA結合領域のオープンリーディングフレーム(ORF)が順方向に並んでいるものを選抜してp35S-GAL4DBDベクターを構築した。
GAL4DBDのアミノ酸読み枠と、読み枠(フレーム)が一致するように設計した調査対象ペプチドをコードする両鎖のDNAを合成した。以下に合成したアミノ酸配列と、それらがコードしている塩基配列を示す。
アミノ酸配列:Asp−Leu−Asn−Leu−Arg−Leu(配列番号1)
配列番号1に対応する塩基配列:
AGATCTAAACCTCCGTCTGTAAG(配列番号2)
TCGACTTACAGACGGAGGTTTAGATCT(配列番号3)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu(配列番号4)
配列番号4に対応する塩基配列:
AGATCTAGACCTCCGTCTGTAAG(配列番号5)
TCGACTTACAGACGGAGGTCTAGATCT(配列番号6)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Gln−Leu−Arg−Leu(配列番号7)
配列番号7に対応する塩基配列:
AGATCTACAGCTCCGTCTGTAAG(配列番号8)
TCGACTTACAGACGGAGCTGTAGATCT(配列番号9)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Arg−Leu−Arg―Leu(配列番号10)
配列番号10に対応する塩基配列:
AGATCTACGACTCCGTTTGTAAG(配列番号11)
TCGACTTACAAACGGAGTCGTAGATCT(配列番号12)
アミノ酸配列:Glu−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号13)
配列番号13に対応する塩基配列:
AGAGCTAGAACTCCGTTTGTAAG(配列番号14)
TCGACTTACAAACGGAGTTCTAGCTCT(配列番号15)
アミノ酸配列:Asn−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号16)
配列番号16に対応する塩基配列:
AAACCTAGAACTCCGTTTGTAAG(配列番号17)
TCGACTTACAAACGGAGTTCTAGGTTT(配列番号18)
アミノ酸配列:Gln−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号19)
配列番号19に対応する塩基配列:
ACAGCTAGAACTCCGTTTGTAAG(配列番号20)
TCGACTTACAAACGGAGTTCTAGCTGT(配列番号21)
アミノ酸配列:Arg−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号22)
配列番号22に対応する塩基配列:
ACGACTAGAACTCCGTTTGTAAG(配列番号23)
TCGACTTACAAACGGAGTTCTAGTCGT(配列番号24)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Leu−Glu−Leu(配列番号25)
配列番号25に対応する塩基配列:
AGATCTAGAACTCGAGTTGTAAG(配列番号26)
TCGACTTACAACTCGAGTTCTAGATCT(配列番号27)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Leu−Asp−Leu(配列番号28)
配列番号28に対応する塩基配列:
AGATCTAGAACTCGACTTGTAAG(配列番号28)
TCGACTTACAAGTCGAGTTCTAGATCT(配列番号29)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Leu−Asn−Leu(配列番号31)
配列番号31に対応する塩基配列:
AGATCTAGAACTCAACTTGTAAG(配列番号32)
TCGACTTACAAGTTGAGTTCTAGATCT(配列番号33)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Leu−Gln−Leu(配列番号34)
配列番号34に対応する塩基配列:
AGATCTAGAACTCCAGTTGTAAG(配列番号35)
TCGACTTACAACTGGAGTTCTAGATCT(配列番号36)
アミノ酸配列:Thr−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番42)
配列番号42に対応する塩基配列:
AACGCTTGAATTAAGACTCTAAG(配列番号43)
TCGACTTAGAGTCTTAATTCAAGCGTT(配列番号44)
アミノ酸配列:Asp− Leu−Glu−Leu−Thr−Leu(配列番号45)
配列番号45に対応する塩基配列:
AGATCTTGAATTAACGCTCTAAG(配列番号46)
TCGACTTAGAGCGTTAATTCAAGATCT(配列番号47)
アミノ酸配列:Ser−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号48)
配列番号48に対応する塩基配列:
(配列番号49)AAGCCTTGAATTAAGACTCTAAG
(配列番号50)TCGACTTAGAGTCTTAATTCAAGGCTT
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Leu−Ser−Leu(配列番号51)
配列番号51に対応する塩基配列:
AGATCTTGAATTAAGCCTCTAAG(配列番号52)
TCGACTTAGAGGCTTAATTCAAGATCT(配列番号53)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Thr−Leu−Arg−Leu(配列番号54)
配列番号54に対応する塩基配列:
AGATCTTACCTTAAGACTCTAAG(配列番号55)
TCGACTTAGAGTCTTAAGGTAAGATCT(配列番号56)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Ser−Leu−Arg−Leu(配列番号57)
配列番号57に対応する塩基配列:
AGATCTTAGCTTAAGACTCTAAG(配列番号58)
TCGACTTAGAGTCTTAAGCTAAGATCT(配列番号59)
アミノ酸配列:Asp−Leu−His−Leu−Arg−Leu(配列番号60)
配列番号60に対応する塩基配列:
AGATCTTCACTTAAGACTCTAAG(配列番号61)
TCGACTTAGAGTCTTAAGTGAAGATCT(配列番号62)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Glu−Phe−Arg−Leu(配列番号63)
配列番号63に対応する塩基配列:
AGATCTCGAATTTCGTCTCTAAG(配列番号64)
TCGACTTAGAGACGAAATTCGAGATCT(配列番号65)
アミノ酸配列:Asp−Phe−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号66)
配列番号66に対応する塩基配列:
AGATTTCGAACTACGTCTCTAAG(配列番号67)
TCGACTTAGAGACGTAGTTCGAAATCT(配列番号68)
アミノ酸配列:Ser−Leu−Asp−Leu−His−Leu(配列番号69)
配列番号69に対応する塩基配列:
ATCGCTTGATCTACACCTGTAAG(配列番号70)
TCGACTTACAGGTGTAGATCAAGCGAT(配列番号71)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Thr−Leu−Lys−Leu(配列番号72)
配列番号72に対応する塩基配列:
AGATCTTACGCTAAAGCTGTAAG(配列番号73)
TCGACTTACAGCTTTAGCGTAAGATCT(配列番号74)
アミノ酸配列:Asp−Leu−Ser−Leu−Lys−Leu(配列番号75)
配列番号75に対応する塩基配列:
AGATCTTAGCCTAAAGCTGTAAG(配列番号76)
TCGACTTACAGCTTTAGGCTAAGATCT(配列番号77)
上記各ペプチドをコードするDNA断片(前記EARポリヌクレオチド又はその候補)を、制限酵素SmaIとSalIで予め消化しておいたp35S-GAL4DBDベクターに組み込み、各p35S-GAL4DBDにつないだエフェクタープラスミドを構築した。
〔35S-GAL4-LUCレポーター遺伝子の構築〕
図3に示すように、プラスミドpUC18を制限酵素EcoRIとSstIで消化した。次に、pBI221プラスミド(クローンテック社)を制限酵素EcoRIとSstIで消化し、Nos−terを含む270bpのDNA断片をアガロースゲル電気泳動によって単離した。得られた断片を制限酵素EcoRIとSstIで消化しておいたプラスミドpUC18のEcoRI-SstI部位に挿入した。CaMV35SのTATAボックスを含む相補鎖のDNA1(配列番号37)及びDNA2(配列番号38)を合成した。
DNA1:AGCTTAGATCTGCAAGACCCTTCCTCTATATAAGGAAGTTCATTTCATTTGGAGAGGACACGCTG(配列番号37)
DNA2:GATCCAGCGTGTCCTCTCCAAATGAAATGAACTTCCTTATATAGAGGAAGGGTCTTGCAGATCTA(配列番号38)
合成したDNAを90℃で2分加熱した後、60℃で1時間加熱し、その後室温(25℃)で2時間静置してアニーリングさせ2本鎖を形成させた。次に、Nos−terを持つpUC18プラスミドを制限酵素HindIIIとBamHIで消化した。合成した2本鎖DNAをpUC18のHindIII−BamHI部位に挿入し、TATA−BoxとNos−terを含むプラスミドを構築した。このプラスミドを制限酵素SstIで消化し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理を行った。
ホタル・ルシフェラーゼ遺伝子(LUC)をもつプラスミドベクターpGV-CS2(商品名:東洋インキ社製)を制限酵素XbaIとNcoIで消化し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理を行った後、アガロースゲル電気泳動によって、ルシフェラーゼ遺伝子を含む1.65kbのDNA断片を単離精製した。このDNA断片を上記のTATAボックスとNos−terを含むプラスミドに挿入しpTATA-LUCレポーター遺伝子を構築した。
次に、図4に示すように、酵母GAL4タンパク質のDNA結合配列を5コピー持つプラスミドpG5CAT(商品名:クローンテック社製)を制限酵素SmaIとXbaIで消化し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理を行った後、5コピーのGAL4タンパク質のDNA結合配列含むDNA断片をアガロースゲル電気泳動で精製した。pTATA-LUCベクターを制限酵素BglIIで消化し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理を行った。この部位に平滑末端化した5コピーのGAL4タンパク質のDNA結合配列含むDNA断片を挿入し、得られたプラスミドのうちGAL4タンパク質のDNA結合配列が順方向に向いているものを選抜し、レポーター遺伝子pGAL4-LUCを構築した。
プラスミドpBI121を鋳型としてPCRを行い、CaMV35Sの塩基配列のうち−800〜−46番目の領域を含むDNA断片を得た。このときPCRに用いた5末アッパープライマー(プライマー1、配列番号39)及び3末ローワープライマー(プライマー2、配列番号40)を次に示す。
プライマー1:CGCCAGGGTTTTCCCAGTCACGAC(配列番号39)
プライマー2:AAGGGTAAGCTTAAGGATAGTGGGATTGTGCGTCATC(配列番号40)
上記DNA断片を制限酵素HindIIIで消化した後、上記−800〜−46番目の領域を含む760bpのDNA断片をアガロースゲル電気泳動によって単離した。このHindIII断片を、あらかじめ制限酵素HindIIIで消化しておいたレポーター遺伝子pGAL4-LUCに挿入し、CaMV35SプロモーターDNAが順方向に向いているものを選抜し、p35S-GAL4-LUCレポーター遺伝子を構築した。
〔リファレンス遺伝子pPTRLの構築〕
ウミシイタケ由来のルシフェラーゼ遺伝子をもつカセットベクター pRL-null(商品名:プロメガ社製)を制限酵素NheIとXbaI制限酵素で切断し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化処理を行った後、アガロースゲル電気泳動でウミシイタケ・ルシフェラーゼ遺伝子を含む948bpのDNA断片を精製した。このDNA断片をエフェクタープラスミドの構築の際に用いたGUS遺伝子を除いたpBI221ベクターのGUS遺伝子があった領域に挿入した。得られたプラスミドのうち、ウミシイタケ・ルシフェラーゼ遺伝子が順方向に向いているものを選抜した。
〔レポーター遺伝子の活性測定法〕
シロイヌナズナに、レポーター遺伝子とエフェクタープラスミドをパーティクルガン法にて導入し、エフェクターの効果を、レポーター遺伝子の活性を測定することによって調べた。
〔パーティクルガンによる遺伝子導入〕
pGAL4-LUCレポーター遺伝子1.6μgと、エフェクタープラスミドのDNAを1.2μgと、リファレンス遺伝子プラスミド0.32μgを直径1μmの金粒(バイオラッド社製)510μgにコーティングした。生育期間21日目のシロイヌナズナ葉4〜7枚を、水でしめらせた濾紙をおいた9cmシャーレにならべ、バイオラッド社製PDS−1000/Heボンバートメント機をもちいてDNAを打ち込んだ。なお、バイオラッド社製PDS−1000/Heボンバートメントを用いたシロイヌナズナ葉へのDNAの導入は、以下の条件でおこなった。金粒子を葉に導入するためのガス圧を調節するラプチャーディスクは、1100psi用をもちいた。金粒子を打ち込むシロイヌナズナの葉を並べたサンプル台は、ラプチャーディスクの位置より約20cm下の位置にセットするため、器機の高さを調節する段の下から3段目に設置した。それ以外の条件は、器機の操作マニュアルに従った。金粒子を打ち込んだ葉は22℃、6時間明所で静置した後、レポーター遺伝子の活性を測定した。
〔ルシフェラーゼ活性測定〕
6時間静置したシロイヌナズナ葉を、液体窒素中で粉砕し、Dual-LuciferaseTM Reporter Assay System (プロメガ社製)に添付されているPassive Lysis Buffer200μlに懸濁した後、遠心して上清を回収した。この細胞抽出液20μlをDual-LuciferaseTM Reporter Assay System(プロメガ社製)に添付されている測定バッファー100μlに混合し、ルミノメーター(TD20/20,Turener Design社製)を用いてルシフェラーゼ活性測定を行った。ホタル・ルシフェラーゼ及びウミシイタケ・ルシフェラーゼ活性を、測定キットの説明書に従って10秒間の発光を積分モードでカウントして測定した。リファレンス遺伝子の活性値をレポーター遺伝子の活性値で割り、その相対値であるRelative lucifarase activityを測定値として求めた。
実験は、エフェクタープラスミドの種類ごと3回個別にトランジェントアッセイ実験を行い、平均値と標準偏差を求めた。エフェクタープラスミドを入れない場合の、p35S-GAL4-LUCレポーター遺伝子の活性の相対値を100として、エフェクタープラスミドを同時に細胞に導入したときにレポーター遺伝子の活性値の変動によってエフェクターの効果を調査した。
すなわち、p35S-GAL4-LUCレポーター遺伝子と各ペプチド配列のDNAを組み込んだpGAL4DBD-RDエフェクタープラスミドを導入したとき、レポーターの活性値が減少すれば、そのペプチドは、レポーター遺伝子の活性を抑制する効果(リプレッサー機能)があることを示している。以下、レポーターの活性値を測定して、p35S-GAL4-LUCレポーターの相対活性値が100以下になる場合に、導入したエフェクターにはリプレッサー機能が存在するので、どのエフェクターがリプレッサーとして機能するのかをレポーターの活性を測定することによって調べた。
〔リプレッサードメインの同定〕
上記に示した、ペプチド配列のうち、転写抑制効果をもつペプチドを解析するため、レポーター遺伝子p35S-GAL4-LUCとGAL4 DNA結合ドメインと結合したペプチドのエフェクタープラスミドを、パーティクルガンを用いてシロイヌナズナ葉に導入し、レポーター遺伝子の活性を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2005027654
以上の結果から、上記Asp−Leu−Asn−Leu−Arg−Leu(配列番号1)、Asp−Leu−Asp−Leu−Arg−Leu(配列番号4)、Asp−Leu−Gln−Leu−Arg−Leu(配列番号7)、Asp−Leu−Arg−Leu−Arg―Leu(配列番号10)、Glu−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号13)、Asn−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号16)、Gln−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号19)、Asp−Leu−Glu−Leu−Asn−Leu(配列番号31)、Asp−Leu−Glu−Leu−Gln−Leu(配列番号34)、Thr−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番42)、Asp− Leu−Glu−Leu−Thr−Leu(配列番号45)、Ser−Leu−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号48)、Asp−Leu−Glu−Leu−Ser−Leu(配列番号51)、Asp−Leu−Thr−Leu−Arg−Leu(配列番号54)、Asp−Leu−Ser−Leu−Arg−Leu(配列番号57)、Asp−Leu−His−Leu−Arg−Leu(配列番号60)、Asp−Leu−Glu−Phe−Arg−Leu(配列番号63)、Asp−Phe−Glu−Leu−Arg−Leu(配列番号66)、Ser−Leu−Asp−Leu−His−Leu(配列番号69)、Asp−Leu−Thr−Leu−Lys−Leu(配列番号72)、Asp−Leu−Ser−Leu−Lys−Leu(配列番号75)なるペプチド配列が、レポーター遺伝子の活性を、エフェクターを導入しないレポーター遺伝子のみの場合(コントロール)に比べ、48%〜98%減少させる。よって、次に示す一般式(1)
α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu ・・・(1)
(但し、式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。)
で表されるアミノ酸配列を有するペプチド、および配列番号63と66のアミノ酸配列で表されるアミノ酸配列を有するペプチドが、転写抑制能を持つ機能ペプチドとして作用することを証明した。コントロール実験としておこなったペプチド配列を含まないp35S-GAL4DBDは、レポーター遺伝子の活性を低下さなかった。このことは、GAL4DNA結合ドメインに結合したペプチドが、転写を抑制するリプレッサーとして機能していることを示している。
本発明の転写因子を転写抑制因子に変換する機能を有するペプチドは、極めて短いサイズであるため、その合成は極めて簡単であり、しかも効果的に遺伝子の転写を抑制することができるという効果を奏する。
その結果、本発明では、特定の遺伝子の転写を制御することによって、研究用試薬や試料等の生産に関わる産業分野に好適に用いることができるだけでなく、例えば、生物の品種改良、種苗産業、家畜水産業等の応用可能性が見いだされ、さらには医学的・薬学的な分野の応用可能性も見出される。
本発明において、産業上の有用性の一例として、シロイヌナズナにおけるフラボノイド生合成経路の概要を示す模式図である。 試験対象の各種DNA断片を含むpGAL4DBD-RDエフェクタープラスミドを構築する手順を示す工程図である。 レポーター遺伝子p35S-GAL4-LUCを構築する手順の前半部を示す工程図である。 レポーター遺伝子p35S-GAL4-LUCを構築する手順の後半部を示す工程図である。

Claims (13)

  1. 次に示す一般式(1)
    α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu ・・・(1)
    (但し、式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。)
    で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
  2. 次に示す一般式(2)、(3)又は(4)
    α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu ・・・(2)
    α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu ・・・(3)
    α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu ・・・(4)
    (但し、各式中α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、Thr又はSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、Ser又はHisを示し、β2はAsn、Arg、Thr、Ser又はHisを示し、γ2はGln、Asn、Thr、Ser、His、Lys又はAspを示す。)
    で表されるアミノ酸配列を有している請求項1に記載のペプチド。
  3. 配列番号1、4、7、10、13、16、19、31、34、42、45、48、51、54、57、60、69、72又は75で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
  4. 配列番号63又は66で表されるアミノ酸配列を有しており、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチド。
  5. 請求項1、2、3又は4に記載のペプチドと転写因子とを融合させてなることを特徴とするキメラタンパク質。
  6. 請求項1、2、3又は4に記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  7. 請求項6に記載のポリヌクレオチドと転写因子をコードする遺伝子とを連結してなるキメラ遺伝子。
  8. 請求項6に記載のポリヌクレオチドと、これに隣接する1つ以上の制限酵素認識部位とを含む組換え発現ベクター。
  9. 請求項7に記載のキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクター。
  10. 請求項8又は9に記載の組換え発現ベクターを導入した形質転換体。
  11. 上記組換え発現ベクターが導入されるホストが植物である請求項10に記載の形質転換体。
  12. 請求項6に記載のポリヌクレオチドと、転写因子をコードする遺伝子と、プロモーターとを含む組換え発現ベクターを得る工程と、
    得られた組換え発現ベクターを宿主細胞に導入して、転写因子を転写抑制因子に変換するペプチドと転写因子とを融合させたキメラタンパク質を発現させる工程とを含んでいることを特徴とする遺伝子の転写抑制方法。
  13. 上記宿主が植物であることを特徴とする請求項12に記載の遺伝子の転写抑制方法。
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