JP5907483B2 - 脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法、形質転換体、ならびにその方法に用いられる、キメラタンパク質、キメラ遺伝子、dna、組換え発現ベクタおよびキット - Google Patents
脱分化または再分化が促進されるように改変された植物体の生産方法、形質転換体、ならびにその方法に用いられる、キメラタンパク質、キメラ遺伝子、dna、組換え発現ベクタおよびキット Download PDFInfo
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Description
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有する遺伝子
(d)配列番号2に示される塩基配列を含む遺伝子と相補的な塩基配列を含む遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子
(1)X1−Leu−Asp−Leu−X2−Leu−X3
(ここで、式(1)中、X1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、X2はAsnまたはGluを示し、X3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(2)Y1−Phe−Asp−Leu−Asn−Y2−Y3
(ここで、式(2)中、Y1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、Y2はPheまたはIleを示し、Y3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(3)Z1−Asp−Leu−Z2−Leu−Arg−Leu−Z3
(ここで、式(3)中、Z1はLeu、Asp−LeuまたはLeu−Asp−Leuを示し、Z2はGlu、GlnまたはAspを示し、Z3は0〜10個のアミノ酸残基を示す。)
(4)Asp−Leu−Z4−Leu−Arg−Leu
(ここで、式(4)中、Z4はGlu、GlnまたはAspを示す。)
(e)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列を有するペプチド
(f)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するペプチド
(5)α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu
(ここで、式(5)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)
(6)α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu
(7)α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu
(8)α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu
(ここで、各式(6)〜(8)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、β2は、Asn、Arg、Thr、SerまたはHisを示し、γ2は、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)
本実施形態に係る植物体の生産方法で用いられるキメラタンパク質は、上述したように、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたものである。
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子は、植物細胞の脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子であれば特に限定されるものではない。このような転写因子には、種々の植物が有する同様の機能を有する転写因子が含まれる。
本実施形態で用いられる、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチド(以下、「転写抑制転換ペプチド」と称する場合がある)としては、特に限定されるものではなく、転写因子と融合させたキメラタンパク質を形成させることにより、当該転写因子により制御される標的遺伝子の転写を抑制することができるペプチドであればよい。具体的には、例えば、本発明者らによって見出された転写抑制転換ペプチド(特開2001−269177号公報、特開2001−269178号公報、特開2001−292776号公報、特開2001−292777号公報、特開2001−269176号公報、特開2001−269179号公報、国際公開第03/055903号パンフレット、Ohta,M., Matsui,K., Hiratsu,K., Shinshi,H. and Ohme−Takagi,M., The Plant Cell, Vol.13, pp.1959−1968, August,2001、Hiratsu,K., Ohta,M., Matsui,K., Ohme−Takagi,M., FEBS Letters, 514(2002), pp.351−354等を参照)が挙げられる。
(1)X1−Leu−Asp−Leu−X2−Leu−X3
(ここで、式(1)中、X1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、X2はAsnまたはGluを示し、X3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(2)Y1−Phe−Asp−Leu−Asn−Y2−Y3
(ここで、式(2)中、Y1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、Y2はPheまたはIleを示し、Y3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(3)Z1−Asp−Leu−Z2−Leu−Arg−Leu−Z3
(ここで、式(3)中、Z1はLeu、Asp−LeuまたはLeu−Asp−Leuを示し、Z2はGlu、GlnまたはAspを示し、Z3は0〜10個のアミノ酸残基を示す。)
(4)Asp−Leu−Z4−Leu−Arg−Leu
(ここで、式(4)中、Z4はGlu、GlnまたはAspを示す。)
上記式(1)の転写抑制転換ペプチドにおいては、上記X1で表されるアミノ酸残基の数は0〜10個の範囲内であればよい。また、X1で表されるアミノ酸残基を構成する具体的なアミノ酸の種類は特に限定されるものではなく、どのようなものであってもよい。すなわち、上記式(1)の転写抑制転換ペプチドにおいては、N末端側には、1個の任意のアミノ酸または2〜10個の任意のアミノ酸残基を含むオリゴマが付加されていてもよいし、アミノ酸が何も付加されていなくてもよい。
上記式(2)の転写抑制転換ペプチドにおいては、上記式(1)の転写抑制転換ペプチドのX1と同様、上記Y1で表されるアミノ酸残基の数は0〜10個の範囲内であればよい。また、Y1で表されるアミノ酸残基を構成する具体的なアミノ酸の種類は特に限定されるものではなく、どのようなものであってもよい。すなわち、上記式(2)の転写抑制転換ペプチドにおいては、上記式(1)の転写抑制転換ペプチドと同様、N末端側には、1個の任意のアミノ酸または2〜10個の任意のアミノ酸残基を含むオリゴマが付加されていてもよいし、アミノ酸が何も付加されていなくてもよい。
上記式(3)の転写抑制転換ペプチドにおいては、上記Z1で表されるアミノ酸残基は、1〜3個の範囲内でLeuを含むものとなっている。アミノ酸1個の場合は、Leuであり、アミノ酸2個の場合は、Asp−Leuとなっており、アミノ酸3個の場合はLeu−Asp−Leuとなっている。
上記式(4)の転写抑制転換ペプチドは、6個のアミノ酸残基を含むヘキサマ(6mer)であり、その具体的な配列は、配列番号7、16、54に示す。なお、上記Z4がGluの場合のアミノ酸配列が配列番号7に示すアミノ酸配列であり、上記Z4がAspの場合のアミノ酸配列が配列番号16に示すアミノ酸配列であり、上記Z4がGlnの場合のアミノ酸配列が配列番号54に示すアミノ酸配列である。
上述した各式で表される転写抑制転換ペプチドのより具体的な例としては、例えば、配列番号3〜19のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチドが挙げられる。これらオリゴペプチドは、本発明者らが上記転写抑制転換ペプチドであることを見出したものである(例えば、上記国際公開第03/055903号パンフレット参照)。
(e)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列を有するペプチド
(f)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を有するペプチド
本発明者らは、さらに、上記モチーフの構造について検討し、新たに6つのアミノ酸を含むモチーフを見出している。このモチーフは、具体的には、次に示す一般式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドである。これらのペプチドも、上記転写抑制転換ペプチドに含まれる。
(5)α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu
(ここで、式(5)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)
(6)α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu
(7)α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu
(8)α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu
(9)Asp−Leu−β3−Leu−Arg−Leu
(ここで、各式(6)〜(9)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、β2は、Asn、Arg、Thr、SerまたはHisを示し、β3は、Glu、AspまたはGlnを示し、γ2は、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。)
上記で説明した各種転写抑制転換ペプチドは、上記で説明した転写因子と融合してキメラタンパク質とすることにより、当該転写因子を転写抑制因子とすることができる。したがって、本実施形態では、上記転写抑制転換ペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いて、転写因子をコードする遺伝子とのキメラ遺伝子を得れば、キメラタンパク質を生産させることができる。
本実施形態に係る植物体の生産方法は、上記で説明したキメラタンパク質を植物体で生産させる過程を含んでいればよく、特に限定されるものではない。本実施形態に係る植物体の生産方法を具体的な工程で示せば、例えば、発現ベクタ構築工程、形質転換工程、選抜工程等の工程を含む生産方法として挙げられる。このうち、本実施形態では、少なくとも形質転換工程が含まれていればよい。以下、各工程について具体的に説明する。
本実施形態において行われる発現ベクタ構築工程は、上記で説明した転写因子をコードする遺伝子と、上記で説明した転写抑制転換ポリヌクレオチドとを含む組換え発現ベクタを構築する工程であればよく、特に限定されるものではない。組換え発現ベクタは、さらにプロモータを含んでもよい。
本実施形態において行われる形質転換工程は、上記で説明した組換え発現ベクタを植物細胞に導入して、上記で説明したキメラタンパク質を生産させるようになっていればよい。
本実施形態に係る植物体の生産方法においては、上記形質転換工程が含まれていればよく、さらに上記組換え発現ベクタ構築工程が含まれていてもよいが、さらに他の工程が含まれていてもよい。具体的には、形質転換後の植物体から適切な形質転換体を選抜する選抜工程等が挙げられる。
本実施形態に係る植物体の生産方法は、上記キメラタンパク質をコードする遺伝子を植物体で発現させることによる。当該キメラタンパク質における転写因子由来のDNA結合ドメインが、脱分化または再分化の促進に関与すると推定される標的遺伝子に結合する。転写因子は転写抑制因子に転換され、標的遺伝子の転写が抑制される。これにより脱分化または再分化を促進することができる。したがって、本実施形態には、上記植物体の生産方法により得られる植物体も含まれる。
ここで、本実施形態に係る脱分化または再分化が促進される植物体の具体的な種類は特に限定されるものではなく、例えば、脱分化または再分化の促進によりその有用性が高まる植物が挙げられる。そのような植物は、被子植物であってもよいし裸子植物であってもよい。裸子植物としては、例えば、スギ目のスギ科、マツ科、ヒノキ科の植物やマキ科の植物等が挙げられる。また、被子植物としては、単子葉植物であってもよいし、双子葉植物であってもよい。双子葉植物としては、例えば、シロイヌナズナ等のアブラナ科、ツバキ科等の植物等が挙げられる。また、単子葉植物としては、イネ、トウモロコシ、ムギ等のイネ科、ホシクサ科等の植物が挙げられる。
ここで、本実施形態に係る、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを含む形質転換体の具体的な種類は特に限定されるものではなく、例えば、上記形質転換された植物体の他に、アグロバクテリウム、大腸菌、酵母、ウイルス等が挙げられる。
本実施形態に係る植物体の生産方法の利用分野、利用方法は特に限定されるものではないが、一例として、本実施形態に係る植物体の生産方法を行うためのキット、すなわち植物体の脱分化または再分化促進キット等が挙げられる。
本発明者らは、MYB106タンパク質や種々の植物に保存されている同様の転写因子が、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子であることを明らかにし、本発明を完成させるに至った。したがって、そのような転写因子をコードする遺伝子を利用して、脱分化または再分化の促進が制御された植物体を生産する方法も本実施形態に含まれる。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質、
(b)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、1個または複数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加されたアミノ酸配列を含み、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する機能を有するタンパク質
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有する遺伝子、
(d)配列番号2に示される塩基配列を含む遺伝子と相補的な塩基配列を含む遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子
本実施例においては、カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモータと、ノパリン合成酵素遺伝子の転写終止領域との間に、転写抑制転換ペプチドのひとつである12アミノ酸ペプチドLDLDLELRLGFA(SRDX)(配列番号19)をコードするポリヌクレオチドをMYB106遺伝子の下流に結合したポリヌクレオチドを組み込んだ組換え発現ベクタを構築し、これをトレニアにアグロバクテリウム法を用いて導入することにより、トレニアを形質転換した。
形質転換用ベクタ構築用ベクタであるp35SGを、図1に示すように、以下の工程(1)〜(4)の通りに構築した。
5'-ctagaggatccacaattaccaacaacaacaaacaacaaacaacattacaattacagatcccgggggtaccgtcgacgagctc-3'(配列番号142)
5'-cgtcgacggtacccccgggatctgtaattgtaatgttgtttgttgtttgttgttgttggtaattgtggatcct-3'(配列番号143)
転写抑制転換ペプチドをコードするポリヌクレオチドを組み込んだ構築用ベクタであるp35SSRDXGを、図2に示すように、以下の工程(1)〜(2)の通りに構築した。
5'-gggcttgatctggatctagaactccgtttgggtttcgcttaag-3'(配列番号144)
5'-tcgacttaagcgaaacccaaacggagttctagatccagatcaagccc-3'(配列番号145)
(2)p35SGを制限酵素SmaI、SalIで消化し、この領域に上記のSRDXをコードする2本鎖DNAを挿入して、p35SSRDXGを構築した。
構築用ベクタのatt部位で挟まれたDNA断片と組換えるための、2つのatt部位を有する植物形質転換用ベクタであるpBCKHを、図3に示すように、以下の工程(1)〜(3)の通りに構築した。
上記構築用ベクタp35SSRDXGにシロイヌナズナ由来の転写因子MYB106タンパク質をコードする遺伝子を以下の工程(1)〜(3)の通りに組み込んだ。
プライマ1 5'-GATGGGCAGATCGCCATGTTGTGATAAGGC-3'(配列番号136)
プライマ2 5'-GAACATCGTCGCGGAATCGGACGGTGAAGA-3'(配列番号137)
MYB106遺伝子のcDNAおよびコードするアミノ酸配列をそれぞれ配列番号2および1に示す。
上記構築用ベクタ上にあるCaMV35Sプロモータ、キメラ遺伝子、Nos−ter等を含むDNA断片を、植物形質転換用ベクタpBCKHに組換えることにより、植物を宿主とする発現ベクタを構築した。組換え反応はインビトロジェン社のGateway(登録商標)LR clonase(登録商標)を用いて以下の工程(1)〜(3)の通りに行った。
アグロバクテリウム法により、MYB106−SRDX遺伝子を用いて、トレニアの葉片800枚の形質転換を行い、不定芽形成時期と不定芽数とを調査した。
MYB106−SRDX遺伝子の代わりに対照遺伝子としてAt5g58900−SRDX(比較例1:配列番号146、配列番号149のアミノ酸配列に対応)、At3g61120−SRDX遺伝子(比較例2:配列番号147、配列番号150のアミノ酸配列に対応)、At5g03680−ox遺伝子(比較例3:配列番号148、配列番号151のアミノ酸配列に対応)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトレニアの葉片各800枚の形質転換を行い、不定芽形成時期と不定芽数とを比較した。結果を図4に示す。
Claims (21)
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたキメラタンパク質を、植物体で生産させることにより、植物体の脱分化または再分化を促進することを特徴とする植物体の生産方法。
- 請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子が、以下の(a)のタンパク質であることを特徴とする植物体の生産方法。
(a)配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質 - 請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子が、配列番号1に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有し、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する機能を有するタンパク質であることを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項1に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子をコードする遺伝子として、以下の(c)または(d)の遺伝子が用いられることを特徴とする植物体の生産方法。
(c)配列番号2に示される塩基配列をオープンリーディングフレーム領域として有する遺伝子
(d)配列番号2に示される塩基配列を含む遺伝子と相補的な塩基配列を含む遺伝子とストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(1)〜(4)のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(1)X1−Leu−Asp−Leu−X2−Leu−X3
(ここで、式(1)中、X1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、X2はAsnまたはGluを示し、X3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(2)Y1−Phe−Asp−Leu−Asn−Y2−Y3
(ここで、式(2)中、Y1は0〜10個のアミノ酸残基を示し、Y2はPheまたはIleを示し、Y3は少なくとも6個のアミノ酸残基を示す。)
(3)Z1−Asp−Leu−Z2−Leu−Arg−Leu−Z3
(ここで、式(3)中、Z1はLeu、Asp−LeuまたはLeu−Asp−Leuを示し、Z2はGlu、GlnまたはAspを示し、Z3は0〜10個のアミノ酸残基を示す。)
(4)Asp−Leu−Z4−Leu−Arg−Leu
(ここで、式(4)中、Z4はGlu、GlnまたはAspを示す。) - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号3〜19のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の(e)または(f)のペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(e)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列を有するペプチド
(f)配列番号20または21に示されるアミノ酸配列に対して90%以上の同一性を有するペプチド - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(5)で表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(5)α1−Leu−β1−Leu−γ1−Leu
(ここで、式(5)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、γ1は、Arg、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。) - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、以下の式(6)〜(8)のいずれかで表されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。
(6)α1−Leu−β1−Leu−γ2−Leu
(7)α1−Leu−β2−Leu−Arg−Leu
(8)α2−Leu−β1−Leu−Arg−Leu
(ここで、各式(6)〜(8)中、α1は、Asp、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、α2は、Asn、Glu、Gln、ThrまたはSerを示し、β1は、Asp、Gln、Asn、Arg、Glu、Thr、SerまたはHisを示し、β2は、Asn、Arg、Thr、SerまたはHisを示し、γ2は、Gln、Asn、Thr、Ser、His、LysまたはAspを示す。) - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号22〜37、133、59、60のいずれかに示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記機能性ペプチドが、配列番号38または39に示されるアミノ酸配列を有するペプチドであることを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項1〜11のいずれか1項に記載の植物体の生産方法であって、
前記転写因子をコードする遺伝子と前記機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを、植物細胞に導入する形質転換工程を含むことを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項12に記載の植物体の生産方法であって、
さらに、前記組換え発現ベクタを構築する発現ベクタ構築工程を含むことを特徴とする植物体の生産方法。 - 請求項1〜13のいずれか1項に記載の植物体の生産方法により生産された、脱分化または再分化が促進されるように改変されたことを特徴とする植物体。
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドとを融合させたことを特徴とするキメラタンパク質。
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有することを特徴とするキメラ遺伝子。
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする部分と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードする部分とを含むことを特徴とするDNA。
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含むことを特徴とする組換え発現ベクタ。
- 脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを含むことを特徴とする形質転換体。
- 請求項19に記載の形質転換体であって、
前記形質転換体が植物体であることを特徴とする形質転換体。 - 植物体の生産を行うためのキットであって、
脱分化または再分化を抑制する遺伝子の転写を促進する転写因子をコードする遺伝子と、任意の転写因子を転写抑制因子に転換する機能性ペプチドをコードするポリヌクレオチドとを有するキメラ遺伝子を含む組換え発現ベクタを含むことを特徴とするキット。
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