JP2005027139A - 画像通信装置、通信履歴可視化方法、画像通信システム、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】予め設定された規則に従って受信した画像データを自動的に転送する画像通信装置において、他の画像通信装置、自装置の印刷装置、自装置の画像記録装置あるいは自装置とネットワークで接続された記憶装置を転送先とし、該転送先に転送処理を実行した日時情報および転送動作の状況を送信元の情報に対応付けて通信履歴として記憶し、この通信履歴をユーザが読める形に出力するることによって、転送の状況をユーザが把握できるようにした。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像通信装置、通信履歴可視化方法、画像通信システム、プログラムおよび記録媒体に関し、具体的には、ネットワークおよび公衆回線を介して接続し、電子メールの送受信機能やファクシミリ機能を有する画像通信装置間で画像情報の送受信を行なったときの通信履歴の可視化に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来のファクシミリ装置やコピー機、プリンタなどを統合し、ネットワークでの有効活用を実現する複合機の需要は確実に増加している。さらに、オフィスにおける文書の電子化が進む一方、社外の取引先との通信手段として、インターネット上でやりとりする電子メールを用いて、画像情報をMIME形式に準拠して電子メールに添付し、ファクシミリ装置で送受信するファクシミリ通信システムが実現されている。
【0003】
一方、インターネット上でやりとりするファクシミリ通信における通信規格のITU−T勧告として、インターネットに画像通信装置を直接接続し、画像通信装置間で画像情報の送受信を行うファクシミリ伝送制御手順のT.38(リアルタイム型)と、メールサーバ装置に一度画像情報を格納し、メールサーバ装置間をSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)などで送信するT.37(ストア・アンド・フォワード型)が制定されている。
【0004】
また、インターネット上でやりとりするTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、SMTP、POP(Post Office Protocol)などの通信プロトコル、および、電子メールのデータ形式やデータ構造などについては、それぞれIETF(Internet Engineering Task Force)というインターネットに関する技術内容をまとめている組織から発行されているRFC(Request For Comments)によりその技術内容が規定されている。
【0005】
ITU−T勧告T.37と、RFC2305(シンプルモード)またはRFC2532(フルモード)では、使用する電子メールのデータ形式などが共通化されており、ITU−T勧告T.37に準拠した通信端末装置と、RFC2305またはRFC2532に準拠したソフトウェアを搭載したワークステーション装置や通信端末装置との間で、相互に情報をやりとりすることができる。
【0006】
このような通信端末装置では、ユーザは、受信管理情報として送信相手先の電話番号、送信開始時間、結果等を管理レポートとして見ることができ、受信側オペレータは、この管理レポートにより、受信画像がいつどこから受信したものであるかを知ることができる。
【0007】
また、従来、受信した画像を一旦蓄積し、その後設定されている相手先に画像を送信する自己転送機能の場合には、送信元の情報は付加しないで送信するため、転送された画像の受信側では、記録画像の送信元情報にはその画像の最初に送信した送信元の情報が記録されることになる。
しかし、転送された受信側において、通信管理レポートを出力すると、そのレポートでは、転送動作を実行した通信相手先の名称、電話番号および通信日時などが記録されているので、受信画像の内容と通信管理レポートの内容とが一致しなくなる。
【0008】
また、受信側が送信側に発呼して送信側ファクシミリ装置に予めセットされている画像を受信するポーリング機能がある。この場合、受信側が発呼するので、画像受信に通信料金がかかることになる。ところが、オペレータは、受信画像を見ただけでは、ポーリング機能で受信したものであるかどうかが分らず、通信料金がかかっているかどうかも判断できなかった。
【0009】
このような問題を解決するために、特許文献1の技術では、ファクシミリ装置に備えた自己転送機能や中継送信機能などの転送機能により画像データを送信する場合あるいはポーリング送信により画像データを送信する場合に、その画像データ内に送信内容を示すマークを挿入して送信するようにして、受信側では、オペレータが受信画像を見ただけで、その受信方法を容易に判別することができるようにした。
【0010】
また、受信したファクシミリ画像を、予め定められたテーブル等に基づいてLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続された端末装置に対して転送するファクシミリ装置では、ファクシミリ装置同士による通信は完了していても、実際にLANに接続されている端末装置、もしくは、その端末装置にログインしている受信者にまで、そのファクシミリ画像が転送されたかどうかを判定することは不可能である。
また、送信側が指定した受信者が、転居等でLAN上に存在しない場合の情報が、受信側でわかっていたとしても、従来のファクシミリ装置では、その情報を送信側に伝えることができないという問題がある。
【0011】
このような問題を解決するために、特許文献2の技術では、LAN上のクライアントからの送信指示に基づいて文書データを送信する際、文書識別子、受信者識別子等のパラメータを相手ファクシミリ装置に送信して、この文書識別子と対応付けて相手ファクシミリ装置から送られてくる送信結果(ファクシミリ装置間の通信が正常に行えたか否か、受信者に着信通知が行われたか否か、受信者の端末に文書データが転送されたか否か、またこの端末の状態等)を管理する。これにより、送信指示を行ったクライアントには送信結果を通知し、さらに、送信管理情報をレポート形式でプリントして、送信管理情報を正確に管理することができ、LAN上の送信者に送信結果を返送することができる。
【0012】
【特許文献1】
特許第3172564号公報
【特許文献2】
特開平09−018498号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1では、受信側で受信画像の受信方法を容易に判別することができるが、その転送動作と元となった画像との関連が識別しづらいという問題があり、また、T.38やT.37に準拠したファクシミリ通信による転送を対象としていないという問題もある。
【0014】
また、上述の特許文献2では、送信側と受信側との間での通信管理情報を維持することに関するものである。しかし、この技術では、送信側が誰から受信して誰に転送したかを管理するものではないから、ユーザは、受信した転送画像データを誰が発信したのか知ることができない。
【0015】
本発明は、上述の実情を考慮してなされたものであって、上記の従来の問題点を改善し、ITU−T勧告T.30、T.38あるいはT.37に準拠した画像通信装置で転送を行う際、この画像通信装置が受信した画像データに対して、送信元および転送先に関する通信履歴情報を保存し、ユーザがその通信履歴情報を見ることができるようにして、ユーザ宛にきた画像データがどのような状況にあるか、また、どこに保管あるいは印刷されているかを確認し易くした画像通信装置、通信履歴可視化方法、画像通信システム、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の画像通信装置は、公衆回線あるいはネットワークで接続した画像通信装置から画像データを受信する手段と、予め設定された規則に従って前記受信した画像データを自動的に転送する手段と、ユーザが読める形で通信履歴を可視化する手段とを有する画像通信装置において、前記通信履歴には、前記受信したときの送信元の情報と転送先の情報とを対応付けて記憶し、前記可視化手段でこの通信履歴を可視化して出力することによって、どこから受信した画像データを何処へ転送したかをユーザが把握し易くしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の画像通信装置において、前記通信履歴の転送先の情報は、転送先に対応付けた転送動作の状況であることを特徴とする。
また、本発明の請求項3は、請求項2に記載の画像通信装置において、前記転送動作の状況は、転送動作前、転送動作中、あるいは転送動作結果であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4は、請求項2または3に記載の画像通信装置において、前記転送先に対応付けて転送動作の状況を前記通信履歴へ記録するときに、該転送先に転送処理を実行した日時情報を含めて記録するようにしたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項5は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、他の画像通信装置であることを特徴とする。
また、本発明の請求項6は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置の印刷装置であることを特徴とする。
また、本発明の請求項7は、請求項1乃至6いずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置の画像記録装置であることを特徴とする。
また、本発明の請求項8は、請求項1乃至7いずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置とネットワークで接続された記憶装置であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項9の通信履歴可視化方法は、予め設定された規則に従って受信した画像データを自動的に転送する画像通信装置で、通信履歴をユーザが読める形に出力する通信履歴可視化方法において、他の画像通信装置、自装置の印刷装置、自装置の画像記録装置あるいは自装置とネットワークで接続された記憶装置を前記転送先とし、前記通信履歴には、該転送先に転送処理を実行した日時情報および転送動作の状況を送信元の情報に対応付けて記憶し、この通信履歴を可視化することによって、転送の状況をユーザが把握できるようにしたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項10の画像通信システムは、予め設定された規則に従って受信した画像データを自動的に転送する手段と、ユーザが読める形で通信履歴を可視化する手段とを有する画像通信装置を公衆回線あるいはネットワークで接続した画像通信システムにおいて、前記画像通信装置は、前記転送先に転送処理を実行した日時情報および転送動作の状況を送信元の情報に対応付けて前記通信履歴に記憶させ、この通信履歴を前記可視化手段で可視化して出力することによって、どこから受信した画像データを何処へ転送したかをユーザが把握し易くしたことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項11のプログラムは、コンピュータに、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像通信装置の機能、請求項9に記載の通信履歴可視化方法の機能または請求項10に記載の画像通信システムの機能を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の請求項12の記録媒体は、請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像通信システムの全体構成を示すブロック図であり、同図において、画像通信システムは、ITU−T勧告T.30およびT.38に準拠したファクシミリ通信とITU−T勧告T.37準拠による電子メールによる画像通信を行う画像通信装置10、画像データ等を保管管理するファイルサーバ30、画像通信装置10に蓄積した通信履歴の閲覧や画像通信装置10の各種設定を行うPC(コンピュータ)60から構成されている。ファイルサーバ30およびPC60は、それぞれ必要台数設置され、ローカルネットワーク(LAN)やワイドエリアネットワーク(WAN)またはインターネット等のネットワーク40で接続される。
【0023】
画像通信装置10は、必要台数設置され、PSTN(公衆回線網)50で接続されて画像通信装置間でITU−T勧告T.30に準拠のファクシミリ通信を行う。また、画像通信装置10は、ネットワーク40に接続して、IP(インターネット・プロトコル)によってITU−T勧告T.37に準拠したストア・アンド・フォワード型による伝送制御手順で画像情報を電子メールでやり取りし、ITU−T勧告T.38に準拠のリアルタイム型によるファクシミリ通信を行い、また、ファイルサーバ30やPC60とデータ交換を行う。
尚、以下では、画像通信装置10は、ITU−T勧告のT.30,T.38,T.37すべてに準拠したファクシミリ伝送制御手順で通信が行えるものとして説明するが、いずれか1つ以上のファクシミリ伝送制御手順を備えたものであってもかまわない。
【0024】
図2は、本発明に適用される画像通信装置10の構成を示す概略のブロック図であり、図2において、11は各種信号やデータを処理するための演算処理装置(以下、MPUと略記する)、12は画像通信装置10の各種動作に必要なデータや制御プログラムが格納されるROM、13は制御プログラムを実行するときに作成される各種管理データなどを記憶するとともに、ワークエリアを構成するRAMである。
【0025】
14は受信した画像データを記録紙に出力するプリンタ部、15は原稿を読み取ったイメージデータである画像データを出力するスキャナ部、16は画像通信装置10を操作するもので、各種の操作キーを備える操作パネルおよび各種の情報を表示する表示部から構成される操作表示部である。
【0026】
17は画像データを符号化圧縮(MH、MR、MMR等)するとともに、符号化圧縮されている画像データを元の画像データに復号化する符号化復号化部、18は通信管理記録(通信履歴)と受信した画像データを記憶するデータ蓄積部、19は現在日時情報を出力する時計部である。
【0027】
20は、通信制御部であり、画像通信装置10をT.30準拠のG3ファクシミリ伝送制御手順でPSTN(公衆回線網)に接続するためのG3ファクシミリモデム21と、T.38およびT.37準拠の画像通信をネットワーク40に接続して行うためのNIC部22とが接続されている。
【0028】
G3ファクシミリモデム21は、T.30準拠のG3ファクシミリ通信を行うモデムの機能である、ファクシミリ伝送制御手順の信号をやりとりするための低速モデム機能(V.21モデム)、および、主に画像情報をやり取りするための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27terモデムなど)を備えている。
【0029】
NIC(Network Interface Card)部22は、画像通信装置10をネットワーク40に接続させ、TCP/IP、SMTP/POPなどのプロトコル、さらには、MIME形式への変換などの処理をする。これにより、ネットワーク40とのインタフェース機能を持ち、T.38およびT.37準拠の伝送制御手順としての機能が確保されている。
【0030】
MPU11、ROM12、RAM13、プリンタ部14、スキャナ部15、操作表示部16、符号化復号化部17、データ蓄積部18、時計部19、通信制御部20は、内部バス23に接続されており、この内部バス23を介してデータの授受が行われる。
【0031】
次に、画像通信装置10のデータ蓄積部18に格納される通信履歴のデータ構造について説明する。図3は、通信履歴のデータ構造例で、送信元に関する情報(送信元、受信日時、通信モード、受信結果)を記憶する受信履歴テーブルと、転送先に関する情報(転送先、転送日時、転送モード、転送結果)を記憶する転送履歴テーブルとからなっている。1つの送信元に対して、1つ以上の転送先情報を格納する転送履歴テーブルが対応するようになっている。
【0032】
送信元:送信元を識別できる名前、メールアドレス等を記録する。
例えば、「FUKUOKA BRANCH」は、G3ファクシミリで受信したときの送信元の名称である。「osaka.yyy.co.jp」はT.38に準拠したリアルタイム型ファクシミリ通信にて受信したときの送信元の名称である。また、「aaa@xxx.yyy.co.jp」はT.37に準拠した電子メールで画像情報を受信したときの送信元のメールアドレスである。
受信日付、受信時刻:送信元から受信を開始した日付と時刻を記録する。
通信モード:受信時の伝送制御手順の区別(T.30準拠のG3ファクシミリ通信(G3)、T.38準拠の画像通信(IP−Fax)およびT.37準拠の画像通信(メール))を記録する。
受信結果:受信状況の区別(受信中、受信の不成功の理由、受信が成功裏に完了)を記録する。
【0033】
転送先:受信した画像データの転送先の名称を記録する。転送先としては、自装置のプリンタ部、自装置に備えられている記録装置、ファイルサーバ30のデータ記憶装置、T.30準拠の画像通信装置(電話番号や電話帳に登録された名称)、T.38準拠の画像通信装置、T.37準拠の画像通信装置があり、その名称は上記の送信元と同じ形式となる。
転送日付、転送時刻:転送先へ転送を開始した日付と時刻を記録する。
転送モード:転送時の伝送制御手順の区別(T.30準拠のG3ファクシミリ通信(G3)、T.38準拠の画像通信(IP−Fax)およびT.37準拠の画像通信(メール))を記録する。また、直接、自装置のプリンタ部やデータ記録装置、またはファイルサーバ30へ転送された場合には、特に転送モードがないため記録はされないが、出力レポート上では「――」が出力される。
転送結果:転送状況の区別(転送待機中、転送中、転送の不成功の理由、転送が成功裏に完了、不明)を記録する。T.37準拠して電子メールで通信した場合には、完全に転送に成功したかどうか確かめられないので、「不明」の転送状況で記録される。
【0034】
次に、受信した画像データを転送先に転送する場合について説明する。
これは、例えば、受信人ごとに、送信元やタイトルと1つ以上の転送先情報を対応付けた転送規則を予めROM12やRAM13(不揮発性メモリ)に用意しておき、送信元から受信した画像データを、この転送規則を参照して転送先へ転送する。
ここで、転送先情報は、次の4種類の区別とそれぞれの通信相手の通信能力情報である。
【0035】
(1)自装置のプリンタ部を指定すると、記録紙にプリント出力がなされる。
(2)自装置のデータ記録装置(ハードディスクやメモリーカードや半導体メモリ等)を指定すると、一時的に記憶された画像データがそのデータ記録装置へ出力される。
(3)ファイルサーバ30の名称を指定すると、一時的に記憶した画像データをファイルサーバ30へ転送する。
(4)他の画像通信装置10を指定するときには、転送先の名称(G3ファクシミリ通信の場合には電話番号、メールでの転送の場合にはメールアドレス等)、通信モードと転送先の装置の能力情報(符号化圧縮方法、画像サイズ、解像度やカラー/モノクロの区別等)等を指定する。
【0036】
次に、画像通信装置101が他の画像通信装置(102,103)から画像データを受信したときの処理について説明する。図4は、画像データの受信とその転送の処理手順を示すフローチャートである。
他の画像通信装置(102,103)から画像データの着信があるかを監視し、着信があれば(ステップS10のYES)、通信モードを判定する(ステップS11)。
このとき、G3ファクシミリモデム21を介して受信した場合には、通信モードを「G3」モードとする。
また、NIC部22を介してT.37準拠のリアルタイム型ファクシミリ通信として受信した場合には、通信モードを「IP−Fax」モードとし、電子メールとして受信した場合には、通信モードを「メール」とする。
【0037】
各通信モード別に、送信元を識別できる名称等を取得する(ステップS12)。この名称は、T.30準拠によるG3ファクシミリ通信やT.38準拠によるリアルタイム型ファクシミリ通信で受信したときの送信元の名称、T.37準拠により電子メールで受信したときの送信元のメールアドレスである。
【0038】
受信を開始した日時を時計部19から取得し(ステップS13)、受信日付、受信時間、通信モードおよび受信結果の「受信中」を送信元の名称に対応付けて、通信履歴へ格納する(ステップS14)。
続いて、送信元から送られてくる画像データを受信し、データ蓄積部18へ一時的に格納しておく(ステップS15)。
受信の結果が成功したか、または何らかのエラーで終わったかの受信結果状況(エラーの場合にはその理由)を取得し、送信元に対応した通信履歴の受信結果へ格納して、通信履歴を更新し(ステップS16)、受信が不成功であれば(ステップS17のNO)、処理を終了する。
【0039】
続いて、受信に成功した場合(ステップS17のYES)、受信した画像データの受信人およびタイトルを取得し、受信人、タイトル、送信元をキーとして、転送先を予め定めた転送規則を検索し、そのキーに合致した転送先を取得する(ステップS18)。
【0040】
取得した転送先の中から1つの転送先を取り出す(ステップS19)。
転送を開始した日時を時計部19より取得し(ステップS20)、転送日付、転送時刻、転送先の名称、転送モードおよび転送結果の「転送待機中」を送信元に対応付けて通信履歴へ格納して更新する(ステップS21)。
次に、それぞれの転送先に応じて、一時的に記憶した画像データを転送し(ステップ22)、転送が成功したか、または何らかのエラーで終わったか等の転送結果(エラーのときにはその理由)を取得し、転送先に対応した通信履歴の転送結果へ格納して、通信履歴を更新する(ステップS23)。
【0041】
ここで、転送先が自装置のプリンタ部であれば、印刷が完了した時点で、印刷結果状況を転送結果として通信履歴を更新する。印刷途中でプリントエラー等となったときには、「プリントエラー」を転送結果とし、印刷前にプリンタの不具合が見つかれば「サービスマンコール」を転送結果とする。
また、転送先が自装置の画像記録装置であれば、記録装置に書き込みが完了した時点で、書き込み結果状況を転送結果として通信履歴を更新する。
また、転送先がファイルサーバ30であれば、サーバの記録装置へ格納を完了した時点で、サーバから送信される格納ファイル名を転送先の名称とし、転送結果を「OK」として格納して通信履歴を更新する。
【0042】
また、転送先がT.30準拠の画像通信装置の場合には、指定された電話番号(電話帳から探した電話番号)へその通信能力に合わせて送信し、送信が完了した時点で、送信結果状況を転送結果として通信履歴を更新する。しかし、相手の画像通信装置が呼に応答がない場合には、「NG(応答なし)」を転送結果とする。
また、転送先がT.38準拠の画像通信装置であれば、リアルタイム型ファクシミリ通信の送信が完了した時点で、送信結果状況を転送結果として通信履歴を更新する。
また、転送先がT.37準拠の画像通信装置であれば、電子メールで画像データを送信した時点で、転送結果状況を「不明」として格納して通信履歴を更新する。
【0043】
図4に戻って、転送規則で検索されたすべての転送先に転送処理が完了した場合(ステップS24)、処理を終了する。一方、まだ転送先が残っている場合には、ステップS18へ戻って残りの転送先に対して転送処理する。
【0044】
次に、ユーザが画像通信装置10に記録された通信履歴の内容を図5に示すようなレポート形式で出力する方法について説明する。
(1)自装置のプリンタへの出力の場合、
自装置の操作表示部16からの通信履歴レポート出力指示に応答して、図3に示した受信履歴テーブルおよび転送履歴テーブルにセットされている情報をもとに編集し、プリンタ部14で図5に示すレポートを印刷する。
【0045】
(2)自装置の操作表示部への表示の場合、
(1)と同様に、自装置の操作表示部16からの通信履歴レポート表示指示に応答して、図3に示した受信履歴テーブルおよび転送履歴テーブルにセットされている情報をもとに編集し、操作表示部16の表示部へ図5に示すレポートを表示する。
【0046】
(3)メール等による送信の場合、
ネットワーク40に接続したPC60からの通信履歴レポートのメール転送依頼に応答して、図3に示した受信履歴テーブルおよび転送履歴テーブルにセットされている情報をもとに編集し、通信制御部20およびNIC部22を介して電子メールとして要求元のPC60へ図5に示すレポートを返信する。
【0047】
(4)ブラウザによる表示の場合、
画像通信装置10にWebサーバを備えるようにして、ネットワーク40に接続したPC60のWebブラウザからの通信履歴レポート取得依頼に応答して、図3に示した受信履歴テーブルおよび転送履歴テーブルにセットされている情報をもとに編集し、要求元のPC60のWebブラウザに返信して、PC60の表示装置へ図5に示すレポートを表示させる。
【0048】
図5の通信履歴のレポートには、受信履歴情報として、受信日付、受信時刻、送信元の名称、受信時の通信モード、受信結果の項目があり、これら送信元ごとに1転送先あたりの転送履歴情報として、転送日付、転送時刻、転送先の名称、転送モード、転送結果の項目がある。
【0049】
図5において、受信履歴情報の「受信日付、受信時刻」の項目は、送信元から受信を開始した日付と時刻が出力される。
受信履歴情報の「送信元」の項目は、送信元を識別できる名前、メールアドレス等が出力される。例えば、送信元の名称は、T.30準拠のG3ファクシミリ通信の場合には「FUKUOKA BRANCH」のような受信したときの送信元の名称、T.38準拠のリアルタイム型ファクシミリ通信の場合には「osaka.yyy.co.jp」のような送信元の名称、T.37準拠の画像通信の場合には「aaa@xxx.yyy.co.jp」のような送信元のメールアドレスである。
【0050】
受信履歴情報の「通信モード」の項目は、受信時の伝送制御手順の区別が出力され、例えば、T.30準拠のG3ファクシミリ通信の場合には「G3」、T.38準拠の画像通信の場合には「IP−Fax」、T.37準拠の画像通信の場合には「メール」が出力される。
また、受信履歴情報の「受信結果」の項目は、受信状況の区別が出力され、受信中の場合には「受信中」、受信が不成功の場合には「NG(エラー理由つき)」、受信が成功裏に完了した場合には「OK」が出力される。
【0051】
また、図5において、転送履歴情報の「転送日付、転送時刻」の項目は、転送先へ転送を開始した日付と時刻が出力される。
転送履歴情報の「転送先」の項目は、転送先の名称が出力される。例えば、受信した画像データをローカルにハードコピーとして紙に印刷したときには「自装置のプリンタ」、自装置の持つ例えばハードディスクやメモリーカードや半導体メモリ等の画像記録装置に保存したときには「自装置の画像記録装置」が出力される。また、ファイルサーバ30のデータ記憶装置の特定フォルダに画像データをPDFファイル(ファイル名が022009230002.pdf)として保存されたときには「¥¥server¥rx¥022009230002.pdf」が出力される。
【0052】
また、T.30準拠の画像通信装置に転送された場合には、転送先の電話番号や電話帳に登録された名称が出力され、例えば、「+81 336 2323」、「渋谷支店」や「青山支店」のように出力される。
T.38準拠の画像通信装置に転送された場合には、例えば、「tokyo.yyy.co.jp」のように出力される。また、T.37準拠の画像通信装置に転送された場合には、例えば、「manager@xxx.yyy.co.jp」のようなメールアドレスが出力される。
【0053】
転送履歴情報の「転送モード」の項目は、転送時の伝送制御手順の区別が出力され、例えば、T.30準拠のG3ファクシミリ通信のときは「G3」、T.38準拠の画像通信のときには「IP−Fax」、T.37準拠の画像通信のときには「メール」が出力される。また、転送モードがない自装置のプリンタやデータ記録装置、またはファイルサーバの場合には、「――」が出力される。
【0054】
転送履歴情報の「転送結果」の項目は、転送状況の区別が出力され、例えば、T.30準拠のG3ファクシミリ通信の場合には電話をかけ転送を開始するまでは「転送待機中」が出力され、転送を開始し転送が完了するまでは「転送中」が出力される。その結果、転送が不成功のときには「NG(不成功の理由)」、転送が成功裏に完了したときには「OK」が出力される。また、T.37準拠して電子メールで通信した場合には、完全に転送に成功したかどうか確かめられないので、「不明」が出力される。
【0055】
本発明は、上述した実施形態のみに限定されたものではない。上述した実施形態の画像通信システムや画像通信装置を構成する各機能や通信履歴可視化方法の機能をそれぞれプログラム化し、予めROMのような記録媒体に書き込んでおき、画像通信装置にこの記録媒体を装着して、これらのプログラムをマイクロプロセッサで実行することによって、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読み出されて実行された状態が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体も本発明を構成することになる。
【0056】
なお、このような機能を実現するプログラムは、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリ等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれの形態の記録媒体で提供されてもよい。
あるいは、ネットワークを介して記憶装置に格納されたプログラムをサーバコンピュータから直接供給を受けるようにしてもよい。この場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
【0057】
このような記録媒体で提供された場合は、その記録媒体からプログラムを読み取って画像記録装置の内部または外部に設けられた記憶装置にインストールし、そのインストールされたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって上述した実施形態の機能が実現される。または、記録媒体に記録されたプログラムを直接ロードして実行するようにしてもよい。
【0058】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で各種の変形、修正が可能であるのは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ITU−T勧告T.30、T.38あるいはT.37に準拠した画像通信装置で転送を行う際、この画像通信装置が受信した画像データに対して、送信元および転送先に関する通信履歴情報を保存し、ユーザがその通信履歴情報を見ることができるようにしたので、ユーザ宛にきた画像データがどのような状況にあるか、また、どこに保管あるいは印刷されているかを確認し易くなり、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に適用される画像通信装置の構成を示す概略のブロック図である。
【図3】通信履歴のデータ構造例である。
【図4】画像データの受信とその転送の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】通信履歴のレポート形式で出力された例である。
【符号の説明】
10,101,102,103…画像通信装置、11…MPU、12…ROM、13…RAM、14…プリンタ部、15…スキャナ部、16…操作表示部、17…符号化復号化部、18…データ蓄積部、19…時計部、20…通信制御部、21…G3ファクシミリモデム、22…NIC部、23…内部バス、30…ファイルサーバ、40…ネットワーク(LAN、WAN、インターネット)、50…PSTN(公衆回線)、60…PC(コンピュータ)。
Claims (12)
- 公衆回線あるいはネットワークで接続した画像通信装置から画像データを受信する手段と、予め設定された規則に従って前記受信した画像データを自動的に転送する手段と、ユーザが読める形で通信履歴を可視化する手段とを有する画像通信装置において、前記通信履歴には、前記受信したときの送信元の情報と転送先の情報とを対応付けて記憶し、前記可視化手段でこの通信履歴を可視化して出力することによって、どこから受信した画像データを何処へ転送したかをユーザが把握し易くしたことを特徴とする画像通信装置。
- 請求項1に記載の画像通信装置において、前記通信履歴の転送先の情報は、転送先に対応付けた転送動作の状況をであることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項2に記載の画像通信装置において、前記転送動作の状況は、転送動作前、転送動作中、あるいは転送動作結果であることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項2または3に記載の画像通信装置において、前記転送先に対応付けて転送動作の状況を前記通信履歴へ記録するときに、該転送先に転送処理を実行した日時情報を含めて記録するようにしたことを特徴とする画像通信装置。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、他の画像通信装置であることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置の印刷装置であることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項1乃至6いずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置の画像記録装置であることを特徴とする画像通信装置。
- 請求項1乃至7いずれかに記載の画像通信装置において、前記転送先は、自装置とネットワークで接続された記憶装置であることを特徴とする画像通信装置。
- 予め設定された規則に従って受信した画像データを自動的に転送する画像通信装置で、通信履歴をユーザが読める形に出力する通信履歴可視化方法において、他の画像通信装置、自装置の印刷装置、自装置の画像記録装置あるいは自装置とネットワークで接続された記憶装置を前記転送先とし、前記通信履歴には、該転送先に転送処理を実行した日時情報および転送動作の状況を送信元の情報に対応付けて記憶し、この通信履歴を可視化することによって、転送の状況をユーザが把握できるようにしたことを特徴とする通信履歴可視化方法。
- 予め設定された規則に従って受信した画像データを自動的に転送する手段と、ユーザが読める形で通信履歴を可視化する手段とを有する画像通信装置を公衆回線あるいはネットワークで接続した画像通信システムにおいて、前記画像通信装置は、前記転送先に転送処理を実行した日時情報および転送動作の状況を送信元の情報に対応付けて前記通信履歴に記憶させ、この通信履歴を前記可視化手段で可視化して出力することによって、どこから受信した画像データを何処へ転送したかをユーザが把握し易くしたことを特徴とする画像通信システム。
- コンピュータに、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像通信装置の機能、請求項9に記載の通信履歴可視化方法の機能または請求項10に記載の画像通信システムの機能を実行させるためのプログラム。
- 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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- 2003-07-04 JP JP2003191713A patent/JP2005027139A/ja active Pending
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