JP2005026338A - 微細構造体用洗浄液 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細構造体を洗浄する際に、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できる微細構造体用洗浄液、および、該洗浄液を用いて洗浄された微細構造体を提供する。
【解決手段】微細構造体に付着している不要物質を除去する際に用いる洗浄液であって、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物が存在する微細構造体用洗浄液である。
【解決手段】微細構造体に付着している不要物質を除去する際に用いる洗浄液であって、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物が存在する微細構造体用洗浄液である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハのように、表面に微細な凹凸(微細構造表面)を有する構造体(微細構造体)を洗浄する際に用いる洗浄液に関し、例えば半導体製造プロセスにおけるレジスト残渣等を半導体ウエハから剥離除去するための洗浄液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスの中では、レジストを用いてパターン形成する工程が多用されているが、エッチング後、マスキングの役目を果たした後の不要となったレジストは、酸素プラズマ等でアッシング(灰化)することにより除去される(アッシング工程)。アッシング工程の後は、エッチング工程での残存物や、アッシング工程でも除去できなかったレジスト残渣等の不要物質をウエハ表面から剥離・除去するための洗浄工程が必要となる。この洗浄工程は、アッシング工程の後だけでなく、半導体製造プロセスに頻出する重要工程である。
【0003】
洗浄工程では不要物質を剥離・除去するために洗浄液を用いるが、洗浄液としてはフッ素含有化合物を洗浄成分として含む液体が使用されてきた。例えば、特許文献1には、フッ素含有化合物、ホウ酸塩および水溶性有機溶剤を含む水溶液からなる半導体素子製造用洗浄剤が提案されている。また、特許文献2には、フッ化物塩(フッ素含有化合物)、アニオン系界面活性剤、ヘテロ原子を有する有機溶媒および水を含む微細パターン用ポリマー剥離液組成物が提案されている。
【0004】
ところが、本発明者らがさらに検討したところ、130nm以下のデザインルールを適用した最新の半導体の配線材料として多用される低誘電率層間絶縁膜(Low−k膜)のアッシング工程後の洗浄では、フッ素含有化合物を洗浄成分として含む水溶液を用いた場合、Low−k膜の性状を変化させて半導体ウエハの品質低下の原因となることが分かった。半導体ウエハの品質が低下してしまうという問題は、レジスト残渣等の不要物質を除去する能力の高い洗浄成分ほど頻出している。これは多量の洗浄成分(フッ素含有化合物)がLow−k膜をエッチングしてしまうために、Low−k膜にダメージを与えて微細パターンの形状を変えることに起因すると考えられる。そこで、フッ素含有化合物の量を低めてやればLow−k膜をエッチングしなくなるため、Low−k膜の性状を変化させることはないと考えられる。しかし、フッ素含有化合物の量を低減させると、洗浄液の洗浄能力が悪くなってレジスト残渣等の不要物質を充分に剥離・除去できないときがあった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−323394号公報([特許請求の範囲]等参照)
【特許文献2】特開2001−330970号公報([特許請求の範囲]参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細構造体を洗浄するに際して、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できる微細構造体用洗浄液、および、該洗浄液を用いて洗浄された微細構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る微細構造体用洗浄液とは、微細構造体に付着している不要物質を除去する際に用いる洗浄液であって、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物が存在する点に要旨を有する。
【0008】
前記フッ素含有化合物は、フッ化水素、フッ化水素アンモニウム、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物、のいずれか1種以上であるものが好ましい。但し、式中、R1〜R4は同一または異なる水素であるか、同一または異なる炭化水素基である。また、前記フッ素含有化合物は、0.001〜1質量%存在するものが好ましい。前記フッ素含有化合物がフッ化水素であり、前記溶媒にフッ化水素水溶液を添加して形成したものも好適に用いることができる。前記溶媒は、炭化水素、有機酸、フルオロカーボン、フッ素化エーテル、のいずれか1種以上であるものが好ましい。
【0009】
本発明の洗浄液としては、更に他の成分として、前記溶媒中に、前記フッ素含有化合物を溶解させるための相溶化剤が混合されたものが好ましい。前記相溶化剤は、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ニトリル類、のいずれか1種以上であるものが好ましい。
【0010】
なお、本発明には、上記洗浄液を用いて洗浄された微細構造体も含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述した様に、多量のフッ素含有化合物を洗浄成分として含む洗浄液を用いて半導体ウエハを洗浄すると、Low−k膜の性状を変化させて半導体ウエハの品質低下の原因となることが分かった。一方、フッ素含有化合物の量を少なくすると、洗浄能力が低下してレジスト残渣等の不要物質を充分に剥離・除去できない。
【0012】
そこで、本発明者らは、フッ素含有化合物の量を減らすことによってLow−k膜へ与えるダメージを低減し、しかも良好な洗浄能力を確保できる洗浄液を実現すべく様々な角度から検討してきた。そして、その検討過程において、フッ素含有化合物が洗浄液中で解離してフッ素イオンを生成することによって洗浄液の洗浄能力が低下するのではないかと考え、その線に沿ってさらに検討を重ねた。その結果、洗浄液の溶媒として誘電率が10以下のものを用いてやれば、フッ素含有化合物の解離を抑制でき、洗浄能力が高くなって、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の作用効果について説明する。
【0013】
本発明の洗浄液を用いて洗浄できる対象物は微細構造体であり、例えばアッシング後のレジスト残渣等の不要物質が微細な凹凸近傍に付着している半導体ウエハが代表として挙げられる。
【0014】
レジスト残渣は、レジストや反射防止膜などがアッシング工程を経て無機ポリマー化したものや、エッチングガスによって変性したもの等からなると考えられている。本発明の洗浄液は、このようなアッシング後のレジスト残渣を除去するのに好適に用いることができる。もちろん、本発明の洗浄液は、レジスト残渣を除去する場合に限られず、半導体ウエハ製造プロセス中で、レジスト残渣以外の除去すべき不要物質が半導体ウエハ上に存在している場合にも採用可能である。例えばアッシング前のレジストやインプラ後のレジスト等を除去する際や、平坦なウエハ表面上に微細凸部として存在するCMP後の残渣等を半導体ウエハ表面から除去する際にも、本発明の洗浄液が好適に利用できる。
【0015】
本発明の洗浄液は、特に、Low−k膜のような洗浄工程でダメージを受けやすい膜が形成された半導体ウエハを洗浄する際に用いることが望ましい。Low−k膜としては、比誘電率が3.0程度以下のものであり、例えば、スピンオン法によるSi系のLow−k膜(例えば、JSR社の「JSR LKD」シリーズ等)、CVD法によるSi系のLow−k膜(例えば、Applied Materials社の「Black Diamond」等)、有機系のLow−k膜(例えば、ダウ・ケミカル社の「SiLK」(登録商標)、ハネウェル社の「FLARE」(登録商標))等が挙げられる。Low−k膜は、スピンオン方式で形成されたもの、CVD法で形成されたもの等、いずれでも構わない。また、多孔質膜(ポーラスタイプ)であっても、本発明の洗浄液を用いるとLow−k膜にダメージを与え難いため好ましく適用できる。なお、本発明の洗浄液は、このようなダメージを受けやすい膜が形成されていない半導体ウエハに対して適用することも勿論可能である。
【0016】
さらに、本発明の洗浄液を用いて洗浄できる微細構造体は、半導体ウエハに限定されず、金属、プラスチック、セラミックス等の各種基材の表面に微細なパターンが形成されていて、除去すべき物質がその表面に付着もしくは残留しているような洗浄対象物であれば、本発明の洗浄液を用いて洗浄できる。
【0017】
本発明の微細構造体用洗浄液は、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物(以下、単に「フッ素含有化合物」と称する場合がある)が存在するものである。すなわち、洗浄液の溶媒として洗浄温度での誘電率が10以下の液体を用いることによって、洗浄成分として用いるフッ素含有化合物が洗浄液中で解離し難くなる。その結果、該化合物は微細構造体から不要物質を剥離・除去できると考えている。好ましくは洗浄温度での誘電率が8以下の溶媒を用いることが推奨される。一方、洗浄温度での誘電率が10を超える溶媒を用いると、フッ素含有化合物が洗浄液中で解離してしまい微細構造体から不要物質を剥離・除去できないと考えている。従って、洗浄液の洗浄能力を高めるには多量のフッ素含有化合物を溶媒と混合することが必要となるが、フッ素含有化合物の量が多くなるとLow−k膜がエッチングされてダメージを受けると考えられる。従って、例えば、前掲した様に、洗浄液の溶媒として水(25℃における誘電率は約78)のみを用いると、フッ素含有化合物は洗浄液中で解離していまい、不要物質と反応・結合しないと考えられる。
【0018】
ここで、上記誘電率は洗浄温度で測定したときの値である。洗浄温度での溶媒の誘電率が10を超えると、フッ素含有化合物の解離を抑制できないからである。但し、一般的に、溶媒の誘電率は温度が高くなるに連れて小さくなることが知られているので、25℃で測定したときの誘電率が10以下の溶媒であれば、洗浄温度を高めたとしても誘電率が10を超えることがないため、25℃での誘電率を目安として溶媒を選択することが望ましい。
【0019】
本発明の微細構造体用洗浄液は、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、フッ素含有化合物がイオン結合を保持した状態で存在することが重要である。イオン結合を保持した状態で存在させる理由は、後述実施例からも明らかな様に、イオン結合性のフッ素を含有する化合物が洗浄液中でイオン結合を保持した状態で存在できる溶媒を用いることによって、不要物質が微細構造体から確実に剥離・除去できるからである。
【0020】
なお、洗浄液中におけるフッ素を含有する化合物の存在状態は今のところ確認できていないが、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒中ではイオン結合化合物が殆ど解離しないと本発明者らは考えている。
【0021】
本発明の微細構造体用洗浄液に用いることのできるフッ素含有化合物としては、フッ素を含有している化合物の中でもイオン結合によって結合しているものであれば特に限定されないが、例えば、フッ化水素、フッ化水素アンモニウム、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物、などが挙げられ、これらの化合物を単独で、または任意に選ばれる2種以上の混合物を用いることができる。特に上記フッ化水素は、予め水に溶解させたもの(即ち、フッ化水素水溶液)を上記溶媒と混合することが好ましい。フッ化水素水溶液の方がフッ化水素自体よりも取り扱い易いからである。
【0022】
ここで、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物とは、式中のR1〜R4が水素または炭化水素基の化合物であり、R1〜R4は同一であっても異なっていても構わない。炭化水素基の炭素数は、特に限定されないが、炭化水素基の分子量は10000以下程度とするのが好ましく、1000以下程度とするのがより好ましい。なお、分子量が10000の炭化水素基とは、直鎖状の炭化水素として計算した場合、炭素数は約714個となる。また、分子量が1000の炭化水素基とは、直鎖状の炭化水素として計算した場合、炭素数は約71個となる。炭化水素基は、エチル基やプロピル基の様な直鎖状のものに限定されず、脂環状や芳香環状であっても構わない。
【0023】
化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物としては、例えば、フッ化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオライド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムフルオライド、セチルトリメチルアンモニウムフルオライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムフルオライド、アセチルコリンフルオライド、トリエチルアミンハイドロフルオライド、トリブチルアミンハイドロフルオライド、等の化合物を好適に採用でき、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
上記フッ素含有化合物は、洗浄液100質量%中に0.001〜1質量%存在することが好ましい。本発明の洗浄液では、溶媒として洗浄温度での誘電率が10以下の液体を用いているので、フッ素含有化合物は洗浄液中で殆ど解離せず、存在量を1質量%以下に低減しても良好な洗浄能力を発揮する。この様に存在量を低減することによって、洗浄工程で洗浄液によってLow−k膜そのものがエッチングされて目減りすることを防止でき、Low−k膜へ与えるダメージを顕著に低減できるのである。より好ましくは0.1質量%以下である。一方、上記フッ素含有化合物の存在量を少なくするほど上記ダメージは小さくなるが、0.001質量%以上存在していないと洗浄に時間がかかるというデメリットがあるので、下限は0.001質量%が好ましい。より好ましい下限は0.005質量%である。
【0025】
なお、フッ素含有化合物の存在量とは、洗浄液全体の質量に対する化合物自体の質量を指し、例えば、フッ素含有化合物としてフッ化水素を水に溶解させたフッ化水素水溶液(フッ化水素酸)を上記溶媒中に存在させるときは、フッ化水素酸中のフッ化水素量が上記範囲を満足すればよい。
【0026】
例えば、フッ化水素含量が50質量%のフッ化水素水溶液と上記溶媒を混合する場合は、溶媒に対してフッ化水素水溶液を0.002〜2質量%添加して形成すればよい。
【0027】
本発明の微細構造体用洗浄液に用いることのできる溶媒としては、前記した様に、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒であれば特に限定されないが、例えば、炭化水素、有機酸、フルオロカーボン、フッ素化エーテル、などが挙げられ、これらのうち任意に選ばれる1種以上であるものが好ましい。
【0028】
溶媒として用いる炭化水素の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デケン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソヘキセン、イソヘプテン、イソオクテン、イソノネン、イソデケン、等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、等の芳香族炭化水素類、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0029】
溶媒として用いる有機酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、等のモノカルボン酸;等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0030】
フルオロカーボンとは、炭化水素の水素を一部フッ素に置き換えた化合物であり、溶媒として用いるフルオロカーボンとしては、上記に例示した炭化水素の水素を一部フッ素に置き換えた化合物を好適に用いることができる。また、ハイドロフルオロカーボン類であってもよく、CF3CHFCHFCF2CF3(例えば、デュポン社製「バートレルXF」(登録商標)等の「バートレル」シリーズ)が挙げられる。
【0031】
溶媒として用いるフッ素化エーテルとしては、パーフルオロブチルエチルエーテル;C4F9OCH3(例えば、住友スリーエム社製「HFE7100」)、C4F9OC2H5(例えば、住友スリーエム社製「HFE7200」)等のハイドロフルオロエーテル類や、住友スリーエム社製の「フロリナート(登録商標)」シリーズの「FC−40」、「FC−43」、「FC−70」、「FC−72」、「FC−75」、「FC−77」、「FC−84」、「FC−87」、「FC−3283」、「FC−5312」等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0032】
本発明の微細構造体用洗浄液には、前記溶媒中に、前記フッ素含有化合物を溶解させるための相溶化剤を混合したものが好ましい。上記フッ素含有化合物は一般的に上記溶媒へ溶解し難いので、溶媒に対するフッ素含有化合物の溶解性を高めるために相溶化剤を用いる。従って、相溶化剤は、上記溶媒と上記フッ素含有化合物の両方に溶解する化合物である。
【0033】
相溶化剤としては、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ニトリル類、のいずれか1種以上を用いることが好ましい。
【0034】
相溶化剤として用いるアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサフルオロイソプロパノール、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0035】
相溶化剤として用いるケトン類の具体例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0036】
相溶化剤として用いるスルホキシド類の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0037】
相溶化剤として用いるニトリル類の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0038】
特にこれらの相溶化剤のなかでもアルコール類を用いることが好ましい。Low−k膜が形成されている微細構造体を洗浄する際に、アルコール類がLow−k膜を保護するためLow−k膜と洗浄成分の反応を抑制する効果もあるからである。またアルコール類は、Low−k膜と洗浄成分が反応して生成する新たな汚染物質の溶解を促進し、ポリマー残渣の除去を促進する効果も認められる。
【0039】
相溶化剤は、洗浄液100質量%中、20質量%以下とすることが好ましい。20質量%を超えて相溶化剤を存在させると、洗浄液中におけるフッ素含有化合物の解離が促進されて、洗浄能力が低下するからである。より好ましい上限値は8質量%である。なお、相溶化剤を混合する効果を有効に発揮させるためには1質量%以上存在させることが好ましい。
【0040】
また、洗浄成分を上記溶媒へ確実に溶解させるには、相溶化剤を洗浄成分(フッ素含有化合物)の量に対して質量基準で5倍程度混合することが好ましい。即ち、相溶化剤の量は、洗浄成分の量に応じて上記範囲内で調整することが推奨される。
【0041】
次に、上記洗浄液を用いて微細構造体を洗浄するための具体的な装置を図面を用いて説明するが、下記に示す構成は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0042】
図1は、本発明の洗浄液を用いて微細構造体を洗浄する際に用いる洗浄装置の一例を示しており、図1中、1は恒温槽、2は洗浄液、3は洗浄槽、4は微細構造体(半導体ウエハ)、5は洗浄対象物投入口、6は冷却管、7は乾燥剤、を夫々示している。
【0043】
まず、洗浄槽3内に洗浄液2を注入し、この洗浄液2を恒温槽1で所定温度に保持する。次に、洗浄対象物となる微細構造体4を洗浄対象物投入口5から挿入し、所定時間浸漬した後、微細構造体4を洗浄槽3から取り出し、リンス液を用いてリンスする。
【0044】
洗浄時の温度や洗浄に要する時間は、上記溶媒の種類に応じて適宜設定する必要がある。即ち、溶媒の誘電率が高くなると、フッ素含有化合物の解離が進行するため、効率良く洗浄を行うには、洗浄温度を高くするか、洗浄時間を長くするか、溶媒中に存在させるフッ素含有化合物の含量を多くすれば良い。
【0045】
例えば、後述する実施例から、洗浄温度が25℃の場合は、25℃における誘電率が1.9のヘキサンを溶媒として用いたときは洗浄時間を1分程度とすれば良いが、25℃における誘電率が2.3のベンゼンを溶媒として用いたときは洗浄時間を3分程度、25℃における誘電率が7.3のパーフルオロブチルエチルエーテルを溶媒として用いたときは洗浄時間を10分程度、とすることが好ましいことが分かり、25℃における誘電率が高い溶媒を用いるほど洗浄時間を長くすることが好ましい。
【0046】
また、後述する実施例から、洗浄時間を1分の場合は、25℃における誘電率が1.9のヘキサンを溶媒として用いたときは洗浄温度を25℃程度とすれば良いが、25℃における誘電率が2.3のベンゼンを溶媒として用いたときは洗浄温度を50℃程度、25℃における誘電率が7.3のパーフルオロブチルエチルエーテルを溶媒として用いたときは洗浄温度を50℃程度、とすることが好ましいことが分かり、25℃における誘電率が高い溶媒を用いるほど洗浄温度を高くすることが好ましい。
【0047】
以上の様に、洗浄時間や洗浄温度は、溶媒の25℃における誘電率やフッ素含有化合物の含量、等を考慮して定めれば良いが、洗浄時間が10分を超えると、単位時間あたりに洗浄できるサンプルの数(スループット)の低下を起こし、また、洗浄温度が100℃を超えると、溶媒の沸点を超える場合が多くなるので好ましくない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0049】
Siウエハ上にスピンオン方式で有機シリコーン系MSQ原料を塗布・加熱し、MSQ系ポーラスLow−k膜を形成した。その上にArF用のフォトレジストによってパターンを作り、露光・現像して、幅130nm程度の微細構造と幅10μm程度の粗パターンからなるウエハサンプルを作製した。このウエハサンプルをフッ素系ガスでエッチングしてLow−k膜にパターンを作った後、水素プラズマでアッシング処理を施してレジストの除去を行った。アッシング処理後にウエハ表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で50000倍で観察したところ、レジストが塗布されていたライン上と、広幅パターンの上にレジスト残渣が認められた。
【0050】
レジスト残渣が認められたウエハサンプルを、前記図1に示した装置を用いて、上記手順で洗浄した。このとき用いた洗浄液の組成を下記表1に示す。なお、表1に示したPFBEEはパーフルオロブチルエチルエーテル、TMAFはテトラメチルアンモニウムフルオライド、を夫々意味している。また、表1に示した溶媒の誘電率とは、下記表2に示した洗浄温度における誘電率を示している。さらに、表中に示した50質量%HF水溶液の含量は、水溶液中のHF化合物の質量に換算した値を示している。
【0051】
また、洗浄条件として洗浄温度と洗浄時間を下記表2に示す。なお、洗浄後のウエハサンプルは、図1に示した洗浄槽3から取り出した後、エタノールを用いてリンスを行なった。
【0052】
洗浄によるレジスト残渣の除去度合い(洗浄性)と、Low−k膜のダメージ(洗浄前後におけるラインパターン幅の変化量)を、走査型電子顕微鏡で50000倍で観察し、下記基準で判断して結果を下記表2に併せて示した。
[レジスト残渣の除去度合い]
◎:残渣がどこにも認められない
○:ライン上または広幅パターン上のどちらかに残渣が一部認められるが、問題にならない程度
△:ライン上または広幅パターン上のどちらかに残渣が一部認められ、問題となる程度
×:いずれの残渣も除去されていない
[Low−k膜のダメージ]
◎:ラインパターン幅の変化なし
○:ラインパターン幅がやや減少しているが、問題にならない程度
△:ラインパターン幅がやや減少しており、問題となる程度
×:Low−k膜が殆ど無くなっている
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
表2から次の様に考察できる。No.1〜28は本発明で規定する要件を満足する洗浄液を用いて洗浄した例であり、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できている。一方、No.29〜34は、本発明で規定する何れかの要件を満足しない洗浄液を用いて洗浄した例であり、所望の効果が得られていない。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、微細構造体を洗浄するに際して、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できる微細構造体用の洗浄液、および、該洗浄液を用いて洗浄された微細構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄液を用いて微細構造体を洗浄するための洗浄装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 恒温槽
2 洗浄液
3 洗浄槽
4 微細構造体(半導体ウエハ)
5 洗浄対象物投入口
6 冷却管
7 乾燥剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハのように、表面に微細な凹凸(微細構造表面)を有する構造体(微細構造体)を洗浄する際に用いる洗浄液に関し、例えば半導体製造プロセスにおけるレジスト残渣等を半導体ウエハから剥離除去するための洗浄液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造プロセスの中では、レジストを用いてパターン形成する工程が多用されているが、エッチング後、マスキングの役目を果たした後の不要となったレジストは、酸素プラズマ等でアッシング(灰化)することにより除去される(アッシング工程)。アッシング工程の後は、エッチング工程での残存物や、アッシング工程でも除去できなかったレジスト残渣等の不要物質をウエハ表面から剥離・除去するための洗浄工程が必要となる。この洗浄工程は、アッシング工程の後だけでなく、半導体製造プロセスに頻出する重要工程である。
【0003】
洗浄工程では不要物質を剥離・除去するために洗浄液を用いるが、洗浄液としてはフッ素含有化合物を洗浄成分として含む液体が使用されてきた。例えば、特許文献1には、フッ素含有化合物、ホウ酸塩および水溶性有機溶剤を含む水溶液からなる半導体素子製造用洗浄剤が提案されている。また、特許文献2には、フッ化物塩(フッ素含有化合物)、アニオン系界面活性剤、ヘテロ原子を有する有機溶媒および水を含む微細パターン用ポリマー剥離液組成物が提案されている。
【0004】
ところが、本発明者らがさらに検討したところ、130nm以下のデザインルールを適用した最新の半導体の配線材料として多用される低誘電率層間絶縁膜(Low−k膜)のアッシング工程後の洗浄では、フッ素含有化合物を洗浄成分として含む水溶液を用いた場合、Low−k膜の性状を変化させて半導体ウエハの品質低下の原因となることが分かった。半導体ウエハの品質が低下してしまうという問題は、レジスト残渣等の不要物質を除去する能力の高い洗浄成分ほど頻出している。これは多量の洗浄成分(フッ素含有化合物)がLow−k膜をエッチングしてしまうために、Low−k膜にダメージを与えて微細パターンの形状を変えることに起因すると考えられる。そこで、フッ素含有化合物の量を低めてやればLow−k膜をエッチングしなくなるため、Low−k膜の性状を変化させることはないと考えられる。しかし、フッ素含有化合物の量を低減させると、洗浄液の洗浄能力が悪くなってレジスト残渣等の不要物質を充分に剥離・除去できないときがあった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−323394号公報([特許請求の範囲]等参照)
【特許文献2】特開2001−330970号公報([特許請求の範囲]参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細構造体を洗浄するに際して、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できる微細構造体用洗浄液、および、該洗浄液を用いて洗浄された微細構造体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る微細構造体用洗浄液とは、微細構造体に付着している不要物質を除去する際に用いる洗浄液であって、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物が存在する点に要旨を有する。
【0008】
前記フッ素含有化合物は、フッ化水素、フッ化水素アンモニウム、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物、のいずれか1種以上であるものが好ましい。但し、式中、R1〜R4は同一または異なる水素であるか、同一または異なる炭化水素基である。また、前記フッ素含有化合物は、0.001〜1質量%存在するものが好ましい。前記フッ素含有化合物がフッ化水素であり、前記溶媒にフッ化水素水溶液を添加して形成したものも好適に用いることができる。前記溶媒は、炭化水素、有機酸、フルオロカーボン、フッ素化エーテル、のいずれか1種以上であるものが好ましい。
【0009】
本発明の洗浄液としては、更に他の成分として、前記溶媒中に、前記フッ素含有化合物を溶解させるための相溶化剤が混合されたものが好ましい。前記相溶化剤は、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ニトリル類、のいずれか1種以上であるものが好ましい。
【0010】
なお、本発明には、上記洗浄液を用いて洗浄された微細構造体も含まれる。
【0011】
【発明の実施の形態】
上述した様に、多量のフッ素含有化合物を洗浄成分として含む洗浄液を用いて半導体ウエハを洗浄すると、Low−k膜の性状を変化させて半導体ウエハの品質低下の原因となることが分かった。一方、フッ素含有化合物の量を少なくすると、洗浄能力が低下してレジスト残渣等の不要物質を充分に剥離・除去できない。
【0012】
そこで、本発明者らは、フッ素含有化合物の量を減らすことによってLow−k膜へ与えるダメージを低減し、しかも良好な洗浄能力を確保できる洗浄液を実現すべく様々な角度から検討してきた。そして、その検討過程において、フッ素含有化合物が洗浄液中で解離してフッ素イオンを生成することによって洗浄液の洗浄能力が低下するのではないかと考え、その線に沿ってさらに検討を重ねた。その結果、洗浄液の溶媒として誘電率が10以下のものを用いてやれば、フッ素含有化合物の解離を抑制でき、洗浄能力が高くなって、上記課題が見事に解決されることを見出し、本発明を完成した。以下、本発明の作用効果について説明する。
【0013】
本発明の洗浄液を用いて洗浄できる対象物は微細構造体であり、例えばアッシング後のレジスト残渣等の不要物質が微細な凹凸近傍に付着している半導体ウエハが代表として挙げられる。
【0014】
レジスト残渣は、レジストや反射防止膜などがアッシング工程を経て無機ポリマー化したものや、エッチングガスによって変性したもの等からなると考えられている。本発明の洗浄液は、このようなアッシング後のレジスト残渣を除去するのに好適に用いることができる。もちろん、本発明の洗浄液は、レジスト残渣を除去する場合に限られず、半導体ウエハ製造プロセス中で、レジスト残渣以外の除去すべき不要物質が半導体ウエハ上に存在している場合にも採用可能である。例えばアッシング前のレジストやインプラ後のレジスト等を除去する際や、平坦なウエハ表面上に微細凸部として存在するCMP後の残渣等を半導体ウエハ表面から除去する際にも、本発明の洗浄液が好適に利用できる。
【0015】
本発明の洗浄液は、特に、Low−k膜のような洗浄工程でダメージを受けやすい膜が形成された半導体ウエハを洗浄する際に用いることが望ましい。Low−k膜としては、比誘電率が3.0程度以下のものであり、例えば、スピンオン法によるSi系のLow−k膜(例えば、JSR社の「JSR LKD」シリーズ等)、CVD法によるSi系のLow−k膜(例えば、Applied Materials社の「Black Diamond」等)、有機系のLow−k膜(例えば、ダウ・ケミカル社の「SiLK」(登録商標)、ハネウェル社の「FLARE」(登録商標))等が挙げられる。Low−k膜は、スピンオン方式で形成されたもの、CVD法で形成されたもの等、いずれでも構わない。また、多孔質膜(ポーラスタイプ)であっても、本発明の洗浄液を用いるとLow−k膜にダメージを与え難いため好ましく適用できる。なお、本発明の洗浄液は、このようなダメージを受けやすい膜が形成されていない半導体ウエハに対して適用することも勿論可能である。
【0016】
さらに、本発明の洗浄液を用いて洗浄できる微細構造体は、半導体ウエハに限定されず、金属、プラスチック、セラミックス等の各種基材の表面に微細なパターンが形成されていて、除去すべき物質がその表面に付着もしくは残留しているような洗浄対象物であれば、本発明の洗浄液を用いて洗浄できる。
【0017】
本発明の微細構造体用洗浄液は、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物(以下、単に「フッ素含有化合物」と称する場合がある)が存在するものである。すなわち、洗浄液の溶媒として洗浄温度での誘電率が10以下の液体を用いることによって、洗浄成分として用いるフッ素含有化合物が洗浄液中で解離し難くなる。その結果、該化合物は微細構造体から不要物質を剥離・除去できると考えている。好ましくは洗浄温度での誘電率が8以下の溶媒を用いることが推奨される。一方、洗浄温度での誘電率が10を超える溶媒を用いると、フッ素含有化合物が洗浄液中で解離してしまい微細構造体から不要物質を剥離・除去できないと考えている。従って、洗浄液の洗浄能力を高めるには多量のフッ素含有化合物を溶媒と混合することが必要となるが、フッ素含有化合物の量が多くなるとLow−k膜がエッチングされてダメージを受けると考えられる。従って、例えば、前掲した様に、洗浄液の溶媒として水(25℃における誘電率は約78)のみを用いると、フッ素含有化合物は洗浄液中で解離していまい、不要物質と反応・結合しないと考えられる。
【0018】
ここで、上記誘電率は洗浄温度で測定したときの値である。洗浄温度での溶媒の誘電率が10を超えると、フッ素含有化合物の解離を抑制できないからである。但し、一般的に、溶媒の誘電率は温度が高くなるに連れて小さくなることが知られているので、25℃で測定したときの誘電率が10以下の溶媒であれば、洗浄温度を高めたとしても誘電率が10を超えることがないため、25℃での誘電率を目安として溶媒を選択することが望ましい。
【0019】
本発明の微細構造体用洗浄液は、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、フッ素含有化合物がイオン結合を保持した状態で存在することが重要である。イオン結合を保持した状態で存在させる理由は、後述実施例からも明らかな様に、イオン結合性のフッ素を含有する化合物が洗浄液中でイオン結合を保持した状態で存在できる溶媒を用いることによって、不要物質が微細構造体から確実に剥離・除去できるからである。
【0020】
なお、洗浄液中におけるフッ素を含有する化合物の存在状態は今のところ確認できていないが、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒中ではイオン結合化合物が殆ど解離しないと本発明者らは考えている。
【0021】
本発明の微細構造体用洗浄液に用いることのできるフッ素含有化合物としては、フッ素を含有している化合物の中でもイオン結合によって結合しているものであれば特に限定されないが、例えば、フッ化水素、フッ化水素アンモニウム、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物、などが挙げられ、これらの化合物を単独で、または任意に選ばれる2種以上の混合物を用いることができる。特に上記フッ化水素は、予め水に溶解させたもの(即ち、フッ化水素水溶液)を上記溶媒と混合することが好ましい。フッ化水素水溶液の方がフッ化水素自体よりも取り扱い易いからである。
【0022】
ここで、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物とは、式中のR1〜R4が水素または炭化水素基の化合物であり、R1〜R4は同一であっても異なっていても構わない。炭化水素基の炭素数は、特に限定されないが、炭化水素基の分子量は10000以下程度とするのが好ましく、1000以下程度とするのがより好ましい。なお、分子量が10000の炭化水素基とは、直鎖状の炭化水素として計算した場合、炭素数は約714個となる。また、分子量が1000の炭化水素基とは、直鎖状の炭化水素として計算した場合、炭素数は約71個となる。炭化水素基は、エチル基やプロピル基の様な直鎖状のものに限定されず、脂環状や芳香環状であっても構わない。
【0023】
化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物としては、例えば、フッ化アンモニウム、テトラメチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオライド、ベンジルセチルジメチルアンモニウムフルオライド、セチルトリメチルアンモニウムフルオライド、ヘキシルトリメチルアンモニウムフルオライド、アセチルコリンフルオライド、トリエチルアミンハイドロフルオライド、トリブチルアミンハイドロフルオライド、等の化合物を好適に採用でき、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0024】
上記フッ素含有化合物は、洗浄液100質量%中に0.001〜1質量%存在することが好ましい。本発明の洗浄液では、溶媒として洗浄温度での誘電率が10以下の液体を用いているので、フッ素含有化合物は洗浄液中で殆ど解離せず、存在量を1質量%以下に低減しても良好な洗浄能力を発揮する。この様に存在量を低減することによって、洗浄工程で洗浄液によってLow−k膜そのものがエッチングされて目減りすることを防止でき、Low−k膜へ与えるダメージを顕著に低減できるのである。より好ましくは0.1質量%以下である。一方、上記フッ素含有化合物の存在量を少なくするほど上記ダメージは小さくなるが、0.001質量%以上存在していないと洗浄に時間がかかるというデメリットがあるので、下限は0.001質量%が好ましい。より好ましい下限は0.005質量%である。
【0025】
なお、フッ素含有化合物の存在量とは、洗浄液全体の質量に対する化合物自体の質量を指し、例えば、フッ素含有化合物としてフッ化水素を水に溶解させたフッ化水素水溶液(フッ化水素酸)を上記溶媒中に存在させるときは、フッ化水素酸中のフッ化水素量が上記範囲を満足すればよい。
【0026】
例えば、フッ化水素含量が50質量%のフッ化水素水溶液と上記溶媒を混合する場合は、溶媒に対してフッ化水素水溶液を0.002〜2質量%添加して形成すればよい。
【0027】
本発明の微細構造体用洗浄液に用いることのできる溶媒としては、前記した様に、洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒であれば特に限定されないが、例えば、炭化水素、有機酸、フルオロカーボン、フッ素化エーテル、などが挙げられ、これらのうち任意に選ばれる1種以上であるものが好ましい。
【0028】
溶媒として用いる炭化水素の具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デケン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソノナン、イソデカン、イソヘキセン、イソヘプテン、イソオクテン、イソノネン、イソデケン、等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、等の芳香族炭化水素類、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0029】
溶媒として用いる有機酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、等のモノカルボン酸;等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0030】
フルオロカーボンとは、炭化水素の水素を一部フッ素に置き換えた化合物であり、溶媒として用いるフルオロカーボンとしては、上記に例示した炭化水素の水素を一部フッ素に置き換えた化合物を好適に用いることができる。また、ハイドロフルオロカーボン類であってもよく、CF3CHFCHFCF2CF3(例えば、デュポン社製「バートレルXF」(登録商標)等の「バートレル」シリーズ)が挙げられる。
【0031】
溶媒として用いるフッ素化エーテルとしては、パーフルオロブチルエチルエーテル;C4F9OCH3(例えば、住友スリーエム社製「HFE7100」)、C4F9OC2H5(例えば、住友スリーエム社製「HFE7200」)等のハイドロフルオロエーテル類や、住友スリーエム社製の「フロリナート(登録商標)」シリーズの「FC−40」、「FC−43」、「FC−70」、「FC−72」、「FC−75」、「FC−77」、「FC−84」、「FC−87」、「FC−3283」、「FC−5312」等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0032】
本発明の微細構造体用洗浄液には、前記溶媒中に、前記フッ素含有化合物を溶解させるための相溶化剤を混合したものが好ましい。上記フッ素含有化合物は一般的に上記溶媒へ溶解し難いので、溶媒に対するフッ素含有化合物の溶解性を高めるために相溶化剤を用いる。従って、相溶化剤は、上記溶媒と上記フッ素含有化合物の両方に溶解する化合物である。
【0033】
相溶化剤としては、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ニトリル類、のいずれか1種以上を用いることが好ましい。
【0034】
相溶化剤として用いるアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール(IPA)、n−ブタノール、イソブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキサフルオロイソプロパノール、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0035】
相溶化剤として用いるケトン類の具体例としては、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0036】
相溶化剤として用いるスルホキシド類の具体例としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0037】
相溶化剤として用いるニトリル類の具体例としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
【0038】
特にこれらの相溶化剤のなかでもアルコール類を用いることが好ましい。Low−k膜が形成されている微細構造体を洗浄する際に、アルコール類がLow−k膜を保護するためLow−k膜と洗浄成分の反応を抑制する効果もあるからである。またアルコール類は、Low−k膜と洗浄成分が反応して生成する新たな汚染物質の溶解を促進し、ポリマー残渣の除去を促進する効果も認められる。
【0039】
相溶化剤は、洗浄液100質量%中、20質量%以下とすることが好ましい。20質量%を超えて相溶化剤を存在させると、洗浄液中におけるフッ素含有化合物の解離が促進されて、洗浄能力が低下するからである。より好ましい上限値は8質量%である。なお、相溶化剤を混合する効果を有効に発揮させるためには1質量%以上存在させることが好ましい。
【0040】
また、洗浄成分を上記溶媒へ確実に溶解させるには、相溶化剤を洗浄成分(フッ素含有化合物)の量に対して質量基準で5倍程度混合することが好ましい。即ち、相溶化剤の量は、洗浄成分の量に応じて上記範囲内で調整することが推奨される。
【0041】
次に、上記洗浄液を用いて微細構造体を洗浄するための具体的な装置を図面を用いて説明するが、下記に示す構成は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0042】
図1は、本発明の洗浄液を用いて微細構造体を洗浄する際に用いる洗浄装置の一例を示しており、図1中、1は恒温槽、2は洗浄液、3は洗浄槽、4は微細構造体(半導体ウエハ)、5は洗浄対象物投入口、6は冷却管、7は乾燥剤、を夫々示している。
【0043】
まず、洗浄槽3内に洗浄液2を注入し、この洗浄液2を恒温槽1で所定温度に保持する。次に、洗浄対象物となる微細構造体4を洗浄対象物投入口5から挿入し、所定時間浸漬した後、微細構造体4を洗浄槽3から取り出し、リンス液を用いてリンスする。
【0044】
洗浄時の温度や洗浄に要する時間は、上記溶媒の種類に応じて適宜設定する必要がある。即ち、溶媒の誘電率が高くなると、フッ素含有化合物の解離が進行するため、効率良く洗浄を行うには、洗浄温度を高くするか、洗浄時間を長くするか、溶媒中に存在させるフッ素含有化合物の含量を多くすれば良い。
【0045】
例えば、後述する実施例から、洗浄温度が25℃の場合は、25℃における誘電率が1.9のヘキサンを溶媒として用いたときは洗浄時間を1分程度とすれば良いが、25℃における誘電率が2.3のベンゼンを溶媒として用いたときは洗浄時間を3分程度、25℃における誘電率が7.3のパーフルオロブチルエチルエーテルを溶媒として用いたときは洗浄時間を10分程度、とすることが好ましいことが分かり、25℃における誘電率が高い溶媒を用いるほど洗浄時間を長くすることが好ましい。
【0046】
また、後述する実施例から、洗浄時間を1分の場合は、25℃における誘電率が1.9のヘキサンを溶媒として用いたときは洗浄温度を25℃程度とすれば良いが、25℃における誘電率が2.3のベンゼンを溶媒として用いたときは洗浄温度を50℃程度、25℃における誘電率が7.3のパーフルオロブチルエチルエーテルを溶媒として用いたときは洗浄温度を50℃程度、とすることが好ましいことが分かり、25℃における誘電率が高い溶媒を用いるほど洗浄温度を高くすることが好ましい。
【0047】
以上の様に、洗浄時間や洗浄温度は、溶媒の25℃における誘電率やフッ素含有化合物の含量、等を考慮して定めれば良いが、洗浄時間が10分を超えると、単位時間あたりに洗浄できるサンプルの数(スループット)の低下を起こし、また、洗浄温度が100℃を超えると、溶媒の沸点を超える場合が多くなるので好ましくない。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0049】
Siウエハ上にスピンオン方式で有機シリコーン系MSQ原料を塗布・加熱し、MSQ系ポーラスLow−k膜を形成した。その上にArF用のフォトレジストによってパターンを作り、露光・現像して、幅130nm程度の微細構造と幅10μm程度の粗パターンからなるウエハサンプルを作製した。このウエハサンプルをフッ素系ガスでエッチングしてLow−k膜にパターンを作った後、水素プラズマでアッシング処理を施してレジストの除去を行った。アッシング処理後にウエハ表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で50000倍で観察したところ、レジストが塗布されていたライン上と、広幅パターンの上にレジスト残渣が認められた。
【0050】
レジスト残渣が認められたウエハサンプルを、前記図1に示した装置を用いて、上記手順で洗浄した。このとき用いた洗浄液の組成を下記表1に示す。なお、表1に示したPFBEEはパーフルオロブチルエチルエーテル、TMAFはテトラメチルアンモニウムフルオライド、を夫々意味している。また、表1に示した溶媒の誘電率とは、下記表2に示した洗浄温度における誘電率を示している。さらに、表中に示した50質量%HF水溶液の含量は、水溶液中のHF化合物の質量に換算した値を示している。
【0051】
また、洗浄条件として洗浄温度と洗浄時間を下記表2に示す。なお、洗浄後のウエハサンプルは、図1に示した洗浄槽3から取り出した後、エタノールを用いてリンスを行なった。
【0052】
洗浄によるレジスト残渣の除去度合い(洗浄性)と、Low−k膜のダメージ(洗浄前後におけるラインパターン幅の変化量)を、走査型電子顕微鏡で50000倍で観察し、下記基準で判断して結果を下記表2に併せて示した。
[レジスト残渣の除去度合い]
◎:残渣がどこにも認められない
○:ライン上または広幅パターン上のどちらかに残渣が一部認められるが、問題にならない程度
△:ライン上または広幅パターン上のどちらかに残渣が一部認められ、問題となる程度
×:いずれの残渣も除去されていない
[Low−k膜のダメージ]
◎:ラインパターン幅の変化なし
○:ラインパターン幅がやや減少しているが、問題にならない程度
△:ラインパターン幅がやや減少しており、問題となる程度
×:Low−k膜が殆ど無くなっている
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
表2から次の様に考察できる。No.1〜28は本発明で規定する要件を満足する洗浄液を用いて洗浄した例であり、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できている。一方、No.29〜34は、本発明で規定する何れかの要件を満足しない洗浄液を用いて洗浄した例であり、所望の効果が得られていない。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、微細構造体を洗浄するに際して、Low−k膜の性状を変化させることなく、レジスト残渣等の不要物質を確実に剥離・除去できる微細構造体用の洗浄液、および、該洗浄液を用いて洗浄された微細構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄液を用いて微細構造体を洗浄するための洗浄装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 恒温槽
2 洗浄液
3 洗浄槽
4 微細構造体(半導体ウエハ)
5 洗浄対象物投入口
6 冷却管
7 乾燥剤
Claims (8)
- 微細構造体に付着している不要物質を除去する際に用いる洗浄液であって、
洗浄温度での誘電率が10以下の溶媒の中に、洗浄成分としてイオン結合性のフッ素を含有する化合物が存在することを特徴とする微細構造体用洗浄液。 - 前記フッ素含有化合物は、フッ化水素、フッ化水素アンモニウム、化学式NR1R2R3R4Fで示されるフッ化物、のいずれか1種以上である請求項1に記載の微細構造体用洗浄液。
(但し、式中、R1〜R4は同一または異なる水素または炭化水素基である。) - 前記フッ素含有化合物が、0.001〜1質量%存在するものである請求項1または2に記載の微細構造体用洗浄液。
- 前記フッ素含有化合物がフッ化水素であり、前記溶媒にフッ化水素水溶液を添加して形成したものである請求項1〜3のいずれかに記載の微細構造体用洗浄液。
- 前記溶媒は、炭化水素、有機酸、フルオロカーボン、フッ素化エーテル、のいずれか1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の微細構造体用洗浄液。
- 更に他の成分として、前記溶媒中に、前記フッ素含有化合物を溶解させるための相溶化剤が混合されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の微細構造体用洗浄液。
- 前記相溶化剤は、アルコール類、ケトン類、スルホキシド類、ニトリル類、のいずれか1種以上である請求項6に記載の微細構造体用洗浄液。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の洗浄液を用いて洗浄されたことを特徴とする微細構造体。
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