JP2005025605A - 物理データフィッティング係数生成システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スキャナによる画像データあるいは記録紙による記録データは電子データに変換するには多大な時間がかかるし、データ処理の効率向上が望めない。そこで本発明の目的は、グラフ等で図示されている数値化されていない物理データを自動的に数値化し、かつ近似関数の係数を提供するシステムを提供することにある。
【解決手段】物理データとしての画像データを数値化し、関数近似するための演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記物理データとしての画像データ読み込み部と、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部と、前記生成されたデータとその近似のために選択された近似関数との誤差を求める誤差算出部と、前記誤差が小さくなるように前記近似関数の係数を求めるフィッティング係数判定部と、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数とする出力部、から構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】物理データとしての画像データを数値化し、関数近似するための演算処理装置を有し、前記演算処理装置は、前記物理データとしての画像データ読み込み部と、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部と、前記生成されたデータとその近似のために選択された近似関数との誤差を求める誤差算出部と、前記誤差が小さくなるように前記近似関数の係数を求めるフィッティング係数判定部と、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数とする出力部、から構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理データフィッティング係数生成技術に係わり、特に記録紙等の記録媒体あるいはそれをスキャナ等で取得した大量の画像イメージデータを入力として、自動探査機能により数値化し、かつ選択設定された近似関数の最適フィッティング係数を自動生成するシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−48166号公報
物理現象を模擬する場合、仮定したモデルの評価関数にて表現するために多量の物理現象等の計測データや試験結果を用いて最適な近似関数を導出する手法が一般的である。例えば物理現象の予測を行うためには、物理データと近似関数を組み合わせ、誤差評価等を利用して最適な評価モデルの導出を行っている。
【0003】
しかしながら最適評価モデルを導出する場合、特にグラフ等で図示されている数値化されていない多量の計測データや試験結果をあらかじめ整理しやすい画像データ等に取り込み、外部処理で数値化した後最適な評価関数を設定する手順を実行する必要がある。そこで外部処理に依存せずに数値化されていない物理データ(イメージデータ)等の情報から自動的に数値化し、近似関数を任意に選択して最適な係数を求めることが望まれる。
【0004】
物理データフィッティング処理を行い最適な物理データを取得するための技術として前記特許文献1がある。開示されている技術は、実験を併用して数値化された物理データを前提として利用するものである。数値化されていない画像イメージ等で図示されている物理データを利用して自動的にフィッティング係数を求める処理をしているものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
多くの実験データから近似関数を求める手法は従来から行われていることである。しかしながら、画像イメージデータから直接近似関数を求めることはそのデータ処理量が多くなるために外部の処理装置により処理され、その結果を取り込む方法がとられている。しかしながら、現状ではグラフ等で図示されている数値化されていない物理データ、すなわち画像イメージデータを処理しなければならない場合がしばしばある。そのような場合に外部処理加工に依存せず自動的に数値化し、かつ選択された近似関数に対して最適なフィッティング係数を求めることができれば、データの処理効率も向上する。
【0006】
本発明は、これらの数値化されていない、例えば画像イメージデータを、自動探査手法を適用して数値化するとともに、数値化されたデータ群に対して近似関数を選択設定し、その場合の最適フィッティング係数を求める物理データフィッティング係数生成システムおよび方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
物理データとしての画像データを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似するための演算処理装置を有する物理データフィッティング係数生成システムであって、前記演算処理装置を、前記物理データとしての画像データ読み込み部と、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部と、前記生成されたデータとその近似のために選択された近似関数との誤差を求める誤差算出部と、前記誤差が小さくなるように前記近似関数の係数を求めるフィッティング係数判定部と、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数とする出力部、から構成したことにある。
【0008】
また、前記誤差算出部は、求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差の平均値を算出し、前記誤差の平均値が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部であること。また、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部では予め定められた移動幅にしたがって座標値を順次決定する探査手段を有していること。前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの誤差の標準偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部である。
【0009】
また、物理データとしての画像データを記憶している記憶装置と、前記記憶装置のデータを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似する演算を行なう物理データフィッティング係数生成方法であって、前記画像データを取り込み、前記取り込まれた画像データを数値化し、前記数値化されたデータを関数近似するための近似関数を設定し、前記設定された近似関数の係数を変更して前記画像データと前記近似関数との偏差の平均値あるいは標準偏差値が予め定められた値以下になったときの係数を最適フィッティング係数として生成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
図1は、本発明による物理データフィッティング係数生成システムのブロック構成の一例を示している。図1に示したように、本発明の物理データフィッティング係数生成システムは、大きく分けると入力装置1、記憶装置2および演算処理装置3から構成されている。そして、前記演算処理装置3は、物理データ読み込み部4と、作業用データメモリ5と、最適フィッティング係数出力部6と、物理データフィッティング係数生成部7から構成されている。
【0011】
また、前記物理データフィッティング係数生成部7は、物理データ生成部7aと、フィッティング処理を行なう近似関数オプションを備えた近似関数誤差判定部および近似関数算出部7bを有している。前記物理データ読み込み部4は、入力装置1からの指示にしたがって、すでに読み込まれている物理データの集合からなる画像データファイルを記憶装置2から読み出し、作業用データメモリ5に登録する。そして前記作業用データメモリ5に登録されたデータに基づいて、前記物理データフィッティング係数生成部7の物理データ生成部7aにより、前記画像データから自動的に数値化して得られた数値データを作業用データメモリ5に登録する。
【0012】
前記近似関数オプションを備えた近似関数誤差判定部および近似関数算出部7bは、作業用データメモリ5から前記数値化されたデータを読み込み、選択設定された近似関数と前記数値化データとの誤差が、予め定められた誤差範囲内かどうかを判定し、その誤差が予め定められた誤差範囲内であれば、前記近似関数の係数として設定し、選択された近似関数の最適フィッティング係数とし、前記最適なフィッティング係数をもつ近似関数とする。
【0013】
前記最適フィッティング係数出力部6は、前記物理データフィッティング係数生成部7(7b)で生成した最適フィッティング係数を記憶装置2に出力し、前記読み出された画像データの、最適フィッティング係数を有する近似関数として記憶させる。したがって、その後は同一画像データについては、前記記憶した近似関数を読み出して利用することができる。これが本装置の概略である。
【0014】
以下、さらに詳細に説明する。図2は、本発明による物理データフィッティング係数生成システムにおける処理フローの一実施例を示したものであり、ステップ1000〜ステップ5000により構成されている。これは近似関数に対する最適フィッティング係数を求めるための処理手順であって、読み込んだ画像データから任意の近似関数に対する最適な係数を求める処理フローである。詳細は後述する。
【0015】
図3は、本発明における処理システムの、画面表示機能の概要を示している。図3において、処理画面30は、図1に示した物理データ読み込み部4によって記憶装置2から取り込んだ画像の表示画面である。記録紙による記録の画像イメージデータあるいは記録紙による記録のイメージスキャナによるデータである。そしてこの画像を自動的に数値化するための画像読み取り原点座標の設定部32と、後述する自動探査手法による、いわばデジタイザ機能処理をおこなう手順により画面30における画像30aを、数値化してデータを表示する画像読み取りデータ表示部34を有している。
【0016】
また、読み取り値のフィッティング係数算出方法を選択する近似関数または回帰関数の種類、すなわち線形近似、あるいは対数近似などの近似関数の種類を表示し、選択できる領域36を有している。データ表示部34は、この例では、X軸を時間軸としてデータYをあらわしている例である。例えばx1…x26に対するy1…y26のように画像からのグラフ読み取り値を示している。これを後述する自動探査手法により実行する。
【0017】
また、フィッティング処理の開始指示部38を有し、フィッティング処理を開始させる指示領域38、そしてフィッティング処理後、後述する誤差評価処理を行ってフィッティング処理結果を表示するフィッティング終了時の結果表示部40と、同時にフィッティング係数表示部に処理結果値を表示する最適係数表示部42、から構成されている。特性直線40aは、信号30aからグラフ読み取りをしたデータ34を用いて最適係数を求め、その結果としての線形近似特性直線を表している。すなわち、前記特性直線40aは、前記画像イメージ30aに対応した線形近似関数による特性直線で、X軸は時間,Y軸はデータで表されている。
【0018】
図4は図3で示した物理データフィッティング係数生成システムにおいて、画像の任意の点を自動または手動による処理を選択できる場合を示している。後述する画像読み取り機能処理手順で数値化する際の、処理システムの画面表示機能の一例を示したものである。読み取り方法表示領域42により、自動あるいは手動かを選択するとともに、さらに場合によってはX方向の移動幅を選択設定することもできる例である。
【0019】
図4では画素1セル単位で移動させるような場合「1」を表示している(読み取り方法を示す領域42のX方向移動幅)。また、画像読み取り開始点あるいは終了点を指定できる領域44を有していて、読み取り始点あるいは終点を任意に選択設定できる。すなわち、画像データの全領域に限定されるものではない。また、画像表示の表示倍率変更部46あるいは表示画面の削除、登録ほかの指示ボタン48も用意されている。図3の場合であっても、読み取り開始点と読み取り終了点等の指示はできるようになっている。
【0020】
図5〜図8は物理データ生成部7aにおいて、任意の画像データを数値化する処理手順の一実施例を示したものである。前記図2に示したように、まずステップ1000では、物理データ読み込み部4において入力装置1からの指示にしたがって、画像ファイルを記憶装置2から読み込む。
【0021】
次に図2のステップ2000では、その読み込んだ画像ファイルデータを、作業用データメモリ5に登録する。そして、そのデータを用いて物理データフィッティング係数生成部7の物理データ生成部7aにおける自動探査手法、デジタイザ機能により読み込んだ画像データを数値化し、デジタル化された値を再び作業用データメモリ5に出力し登録する。そして後述する図9では近似関数の誤差判定部および近似関数算出部7bにおいて、選択した評価関数においてフィッティング係数を最適化する際の処理手順の一実施例を示したものである。以下順次本発明による物理データフィッティング係数生成システムの処理手順について説明する。
【0022】
ここで図5〜図8を用いて前記デジタイザ機能による数値生成手順及び画像データからディジタルデータを作成する自動探査手法について説明する。まず、ステップ2000で基準となる座標点(原点を含む3点)を指定し、実スケール値を入力し、作業用データメモリに登録する。次に図2のステップ3000で、画面表示の画像解像度設定情報としての画素の内容が画素座標として対応づけられることを利用して、画像表示画面上で画像位置読み取り開始点と終了点を図4の44に示したようにマウスクリックにて指定する。そして、自動探査手法により座標位置を確定し、確定した点を実スケール値として求める。
【0023】
これを図5および図6により説明する。図5の(A)は図3あるいは図4の画像データ30aの拡大画素図である。図5の(A)でx軸は時間軸であり、y軸はデータである。ここではマス目を単位画素で表している。x軸方向の移動幅を単位画素iで表し、y軸方向の移動幅を単位画素jとしている。そしてxの値に対してひとつのyの値(画素)が決まる画像であることを前提にしていて、開始点(xs、ys)から終了点(xe,ye)まで、自動探査手法により該当する画素の座標を決めていく。
【0024】
図6により座標決定手順を説明する。ステップ3001で任意の開始点(xs、ys)と終了点(xe、ye)およびx方向移動幅iを決定し(j=0)、ステップ3002では座標の初期設定を行う。ステップ3003でx方向に移動幅「i」だけ移動し、ステップ3004で探査点(例えば黒色)かどうかを判定する。探査点である(Yes)と判定された場合は、図7の処理ステップ4001以降の処理へ進む。
【0025】
一方、ステップ3004で探査点に合致しない場合(No)にはY軸方向に移動幅「j」を移動させ探査点に合致するまでステップ3005からステップ3008まで繰り返す。例えばステップ3004でNOの場合は図5(A)の(a)の場合であって、そのときはステップ3005に示したように、j=j+1とする。図5(A)では(b)の場合である。(b)では画素すなわち黒点が存在するが、黒点がないときはj=j−1も実行する。しかし、「j±1」を実行しても黒点がないときは、さらにステップ3006で判断されて「j±1」を実行する。すなわちステップ3007では、「j±2」を実行したことになる。さらに、ステップ3008でも黒点が見つからないとき(NO)はステップ3005に戻るから順次jの移動幅を広げて探査することになる。
【0026】
ステップ3005からステップ3008における画素座標の探査優先移動処理は、図5の(B)に示す。指定開始点(xs、ys)の右隣画素への移動(i)を優先度1とし、次に優先度2として優先度1で移動した指定座標の右隣画素の位置からy軸方向に±1移動(「j±1」)して探査する。次に優先度3として優先度1で移動した指定座標の右隣画素の位置から同様にy軸方向に±2移動して探査し、前記の方法で順次y軸方向に±n移動して探査し、座標が決定されるまで前記探査移動処理を繰り返し続け、指定終了点(xe、ye)まで実施する。それはステップ3010で終了点であると判定されるまで続けられる。
【0027】
次に、前記ステップ3004、ステップ3006あるいはステップ3008で探査点に合致した場合の、図2のステップ4000について図7のステップ4001〜4006の処理を図7および図8を用いて説明する。図8(A)に示すように読み取り点A[X,Y](画素上では(x、y))を以下の手順で求める。原点Oを[Xs,Ys](画素上では(xa、ya))と指定し、X軸上の任意の点[Xe,Ys](画素上では(xb、yb)を指定し、さらにY軸上の任意の点[Xs,Ye](画素上では(xc、yc))をあらかじめ入力して指定しておく。求めるX−Y座標系の画像データはその読み取りにおいて、X軸とY軸が直行しているとは限らない、すなわち画像データは、このX軸、Y軸上の座標として読み取られているとは限らないことを考慮して、図8(A)に示すような一般形として表している。
【0028】
X軸が表示画面水平軸となす傾き角をθ、Y軸が表示画面水平軸となす傾き角をφ、読み取り点Aと指定原点Oとを結ぶ直線OAが表示画面水平軸となす傾き角をαとし、以下の手順により読み取り点A(X,Y)を求める。
ステップ4001で前記傾き角θ、傾き角φ、傾き角αを以下の数1〜数3で求める。
【0029】
【数1】
【数2】
【数3】
次にステップ4002でX軸およびY軸の長さを、得られている画素座標(xa、ya)、(xb、yb)を以下の数4〜数6に代入することによって、X軸の長さlxp、Y軸の長さlyp、指定原点O[Xs、Ys]と読み取り点A[X,Y]とを結ぶ直線OAの長さlを求める。
【0030】
【数4】
【数5】
【数6】
次に以下の数7〜数9に基づき、ステップ4003で指定原点O[Xs,Ys]と読み取り点A[X,Y]とを結ぶ直線OAの長さlと、角度(α−θ)および角度(θ+φ)からlyを、ステップ4004でlxを求める。
【0031】
【数7】
【数8】
【数9】
さらに数10、数11に基づきステップ4005で、前ステップで求めたlxe、lye、lx、lyと入力で指定した3点の座標から読み取り点A[X,Y]を求める。
【0032】
【数10】
【数11】
これらの数式をまとめて図8(B)として示している。これは、図7の処理ステップ4001〜4005における演算処理の数式を示している。以上の処理をステップ3001からステップ3008及びステップ4001からステップ4006の間で読み取り開始点から読み取り終了点までの全データについて繰り返し、取得した読み取り情報を作業用データメモリ5に登録するとともに表形式、例えば図3の34のような表形式に表示することができる。
【0033】
次に図2のステップ5000は、物理データフィッティング係数生成部の近似関数誤差判定部及び評価関数算出部7bにおいて、任意に選択した近似関数の最適フィッティング係数を生成する。
図2、図3および図9を用いて最適フィッティング係数生成手順を説明する。まず、図3の処理装置画面概念において画面の36で近似関数を選択する。例えば近似関数として、線形近似を選択した場合、図9に示すようにステップ5001で任意の近似関数fcに対する係数k0を設定する。
【0034】
次にステップ5002で近似関数の係数k0に幅をもった近似関数の係数k0s、k0eを設定し、ステップ5003で近似関数を用いた場合の評価値をk0、k0s、k0eについてそれぞれ算出し、仮定した近似関数fcと前記で取得した読み取りデータftとの誤差を求める。以上の処理を取得した読み取り全データについて行う(ステップ5004)。
【0035】
次にステップ5005で誤差の平均値erraveおよび標準偏差σerrを求める。次に、ステップ5006の最初の処理でk0sをk0、k0eをk0とおき、またステップ5009およびステップ5010でk0の任意に指定した小数点桁数精度を満足するか否かを判定する。すなわちステップ5006では設定されたずれ幅の範囲で中央値を変更して誤差が最小になったかどうかを判定している。そして所定の精度が得られないときは、ステップ5011において、ずれ幅の縮小・変更等をおこないステップ5002からの処理を繰り返す。ステップ5006では、標準偏差σerrあるいは誤差の平均値erraveが予め定められた値以下になったことを収斂条件とすることであってもよい。
【0036】
そして、所定の精度を満足すれば処理を終了する。しかし精度が満足していない場合ときは、前記したような処理、すなわち、ステップ5011で収束幅を狭めて前記標準偏差σerrが最小になるまでステップ5007、ステップ5008、ステップ5009、ステップ5010及びステップ5011の処理を繰り返す。そして、前記誤差が収束したとき、得られた近似関数の係数情報を作業用データメモリ5に登録する。
【0037】
最後に、図1の最適フィッティング係数出力部6において、得られた近似関数を記憶装置2に出力するとともに、図3に示すように得られた近似関数の曲線40aを表示画面に表示する。
【0038】
また、図4に示したように、前記デジタイザ機能による数値生成手順および画像の自動探査手法に対して、前記数値読み取り手法を用いることにより任意の指定点を手動で読み取ることができる。また、本発明では図4に示したように自動および手動読み取り処理の選択ができるようにしている。
【0039】
したがって、本発明による物理データフィッティング係数生成システムを、例えば試験結果の出力処理や、電子データではない記録紙等のプラントデータのイメージスキャナデータを処理するためのシステムとして利用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の物理データフィッティング係数生成システムによると、任意の物理データとしての画像データあるいは記録紙のデータを読み取り数値化することができ、かつ所定の近似関数でフィッティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物理データフィッティング係数生成システムの構成の一実施例を示す図である。
【図2】物理データフィッティング係数生成システムにおける処理フローの一実施例を示す図である。
【図3】物理データフィッティング係数生成システムにおいてデータフィッティング係数生成処理機能画面の概要を表示した図である。
【図4】物理データフィッティング係数生成システムにおいて画像読み取り機能画面の概要を表示した図である。
【図5】本発明の自動探査手法を説明するための図である。
【図6】自動探査手法の処理フローの一実施例を示す図である。
【図7】任意画像データを数値化する処理フローの一実施例を示す図である。
【図8】任意画像データを数値化する一実施例を示す図である。
【図9】誤差を最小とする処理フローの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…入力装置、2…記憶装置、3…演算処理装置、4…物理データ読み込み部、5…作業用データメモリ、6…最適フィッティング係数出力部、7…物理データフィッティング係数生成部、7a…物理データ生成部、7b …近似関数算出部(近似関数誤差判定部)、30…処理画面、30a…画像、32…原点座標設定部、34…データ表示部、36…近似関数選択領域、38…フィティング開始指示部、40…結果表示部、42…最適係数表示部、44…画像読み取り開始終了点指定部、46…拡大指示部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理データフィッティング係数生成技術に係わり、特に記録紙等の記録媒体あるいはそれをスキャナ等で取得した大量の画像イメージデータを入力として、自動探査機能により数値化し、かつ選択設定された近似関数の最適フィッティング係数を自動生成するシステムおよび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平10−48166号公報
物理現象を模擬する場合、仮定したモデルの評価関数にて表現するために多量の物理現象等の計測データや試験結果を用いて最適な近似関数を導出する手法が一般的である。例えば物理現象の予測を行うためには、物理データと近似関数を組み合わせ、誤差評価等を利用して最適な評価モデルの導出を行っている。
【0003】
しかしながら最適評価モデルを導出する場合、特にグラフ等で図示されている数値化されていない多量の計測データや試験結果をあらかじめ整理しやすい画像データ等に取り込み、外部処理で数値化した後最適な評価関数を設定する手順を実行する必要がある。そこで外部処理に依存せずに数値化されていない物理データ(イメージデータ)等の情報から自動的に数値化し、近似関数を任意に選択して最適な係数を求めることが望まれる。
【0004】
物理データフィッティング処理を行い最適な物理データを取得するための技術として前記特許文献1がある。開示されている技術は、実験を併用して数値化された物理データを前提として利用するものである。数値化されていない画像イメージ等で図示されている物理データを利用して自動的にフィッティング係数を求める処理をしているものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
多くの実験データから近似関数を求める手法は従来から行われていることである。しかしながら、画像イメージデータから直接近似関数を求めることはそのデータ処理量が多くなるために外部の処理装置により処理され、その結果を取り込む方法がとられている。しかしながら、現状ではグラフ等で図示されている数値化されていない物理データ、すなわち画像イメージデータを処理しなければならない場合がしばしばある。そのような場合に外部処理加工に依存せず自動的に数値化し、かつ選択された近似関数に対して最適なフィッティング係数を求めることができれば、データの処理効率も向上する。
【0006】
本発明は、これらの数値化されていない、例えば画像イメージデータを、自動探査手法を適用して数値化するとともに、数値化されたデータ群に対して近似関数を選択設定し、その場合の最適フィッティング係数を求める物理データフィッティング係数生成システムおよび方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
物理データとしての画像データを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似するための演算処理装置を有する物理データフィッティング係数生成システムであって、前記演算処理装置を、前記物理データとしての画像データ読み込み部と、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部と、前記生成されたデータとその近似のために選択された近似関数との誤差を求める誤差算出部と、前記誤差が小さくなるように前記近似関数の係数を求めるフィッティング係数判定部と、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数とする出力部、から構成したことにある。
【0008】
また、前記誤差算出部は、求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差の平均値を算出し、前記誤差の平均値が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部であること。また、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部では予め定められた移動幅にしたがって座標値を順次決定する探査手段を有していること。前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの誤差の標準偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部である。
【0009】
また、物理データとしての画像データを記憶している記憶装置と、前記記憶装置のデータを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似する演算を行なう物理データフィッティング係数生成方法であって、前記画像データを取り込み、前記取り込まれた画像データを数値化し、前記数値化されたデータを関数近似するための近似関数を設定し、前記設定された近似関数の係数を変更して前記画像データと前記近似関数との偏差の平均値あるいは標準偏差値が予め定められた値以下になったときの係数を最適フィッティング係数として生成する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
図1は、本発明による物理データフィッティング係数生成システムのブロック構成の一例を示している。図1に示したように、本発明の物理データフィッティング係数生成システムは、大きく分けると入力装置1、記憶装置2および演算処理装置3から構成されている。そして、前記演算処理装置3は、物理データ読み込み部4と、作業用データメモリ5と、最適フィッティング係数出力部6と、物理データフィッティング係数生成部7から構成されている。
【0011】
また、前記物理データフィッティング係数生成部7は、物理データ生成部7aと、フィッティング処理を行なう近似関数オプションを備えた近似関数誤差判定部および近似関数算出部7bを有している。前記物理データ読み込み部4は、入力装置1からの指示にしたがって、すでに読み込まれている物理データの集合からなる画像データファイルを記憶装置2から読み出し、作業用データメモリ5に登録する。そして前記作業用データメモリ5に登録されたデータに基づいて、前記物理データフィッティング係数生成部7の物理データ生成部7aにより、前記画像データから自動的に数値化して得られた数値データを作業用データメモリ5に登録する。
【0012】
前記近似関数オプションを備えた近似関数誤差判定部および近似関数算出部7bは、作業用データメモリ5から前記数値化されたデータを読み込み、選択設定された近似関数と前記数値化データとの誤差が、予め定められた誤差範囲内かどうかを判定し、その誤差が予め定められた誤差範囲内であれば、前記近似関数の係数として設定し、選択された近似関数の最適フィッティング係数とし、前記最適なフィッティング係数をもつ近似関数とする。
【0013】
前記最適フィッティング係数出力部6は、前記物理データフィッティング係数生成部7(7b)で生成した最適フィッティング係数を記憶装置2に出力し、前記読み出された画像データの、最適フィッティング係数を有する近似関数として記憶させる。したがって、その後は同一画像データについては、前記記憶した近似関数を読み出して利用することができる。これが本装置の概略である。
【0014】
以下、さらに詳細に説明する。図2は、本発明による物理データフィッティング係数生成システムにおける処理フローの一実施例を示したものであり、ステップ1000〜ステップ5000により構成されている。これは近似関数に対する最適フィッティング係数を求めるための処理手順であって、読み込んだ画像データから任意の近似関数に対する最適な係数を求める処理フローである。詳細は後述する。
【0015】
図3は、本発明における処理システムの、画面表示機能の概要を示している。図3において、処理画面30は、図1に示した物理データ読み込み部4によって記憶装置2から取り込んだ画像の表示画面である。記録紙による記録の画像イメージデータあるいは記録紙による記録のイメージスキャナによるデータである。そしてこの画像を自動的に数値化するための画像読み取り原点座標の設定部32と、後述する自動探査手法による、いわばデジタイザ機能処理をおこなう手順により画面30における画像30aを、数値化してデータを表示する画像読み取りデータ表示部34を有している。
【0016】
また、読み取り値のフィッティング係数算出方法を選択する近似関数または回帰関数の種類、すなわち線形近似、あるいは対数近似などの近似関数の種類を表示し、選択できる領域36を有している。データ表示部34は、この例では、X軸を時間軸としてデータYをあらわしている例である。例えばx1…x26に対するy1…y26のように画像からのグラフ読み取り値を示している。これを後述する自動探査手法により実行する。
【0017】
また、フィッティング処理の開始指示部38を有し、フィッティング処理を開始させる指示領域38、そしてフィッティング処理後、後述する誤差評価処理を行ってフィッティング処理結果を表示するフィッティング終了時の結果表示部40と、同時にフィッティング係数表示部に処理結果値を表示する最適係数表示部42、から構成されている。特性直線40aは、信号30aからグラフ読み取りをしたデータ34を用いて最適係数を求め、その結果としての線形近似特性直線を表している。すなわち、前記特性直線40aは、前記画像イメージ30aに対応した線形近似関数による特性直線で、X軸は時間,Y軸はデータで表されている。
【0018】
図4は図3で示した物理データフィッティング係数生成システムにおいて、画像の任意の点を自動または手動による処理を選択できる場合を示している。後述する画像読み取り機能処理手順で数値化する際の、処理システムの画面表示機能の一例を示したものである。読み取り方法表示領域42により、自動あるいは手動かを選択するとともに、さらに場合によってはX方向の移動幅を選択設定することもできる例である。
【0019】
図4では画素1セル単位で移動させるような場合「1」を表示している(読み取り方法を示す領域42のX方向移動幅)。また、画像読み取り開始点あるいは終了点を指定できる領域44を有していて、読み取り始点あるいは終点を任意に選択設定できる。すなわち、画像データの全領域に限定されるものではない。また、画像表示の表示倍率変更部46あるいは表示画面の削除、登録ほかの指示ボタン48も用意されている。図3の場合であっても、読み取り開始点と読み取り終了点等の指示はできるようになっている。
【0020】
図5〜図8は物理データ生成部7aにおいて、任意の画像データを数値化する処理手順の一実施例を示したものである。前記図2に示したように、まずステップ1000では、物理データ読み込み部4において入力装置1からの指示にしたがって、画像ファイルを記憶装置2から読み込む。
【0021】
次に図2のステップ2000では、その読み込んだ画像ファイルデータを、作業用データメモリ5に登録する。そして、そのデータを用いて物理データフィッティング係数生成部7の物理データ生成部7aにおける自動探査手法、デジタイザ機能により読み込んだ画像データを数値化し、デジタル化された値を再び作業用データメモリ5に出力し登録する。そして後述する図9では近似関数の誤差判定部および近似関数算出部7bにおいて、選択した評価関数においてフィッティング係数を最適化する際の処理手順の一実施例を示したものである。以下順次本発明による物理データフィッティング係数生成システムの処理手順について説明する。
【0022】
ここで図5〜図8を用いて前記デジタイザ機能による数値生成手順及び画像データからディジタルデータを作成する自動探査手法について説明する。まず、ステップ2000で基準となる座標点(原点を含む3点)を指定し、実スケール値を入力し、作業用データメモリに登録する。次に図2のステップ3000で、画面表示の画像解像度設定情報としての画素の内容が画素座標として対応づけられることを利用して、画像表示画面上で画像位置読み取り開始点と終了点を図4の44に示したようにマウスクリックにて指定する。そして、自動探査手法により座標位置を確定し、確定した点を実スケール値として求める。
【0023】
これを図5および図6により説明する。図5の(A)は図3あるいは図4の画像データ30aの拡大画素図である。図5の(A)でx軸は時間軸であり、y軸はデータである。ここではマス目を単位画素で表している。x軸方向の移動幅を単位画素iで表し、y軸方向の移動幅を単位画素jとしている。そしてxの値に対してひとつのyの値(画素)が決まる画像であることを前提にしていて、開始点(xs、ys)から終了点(xe,ye)まで、自動探査手法により該当する画素の座標を決めていく。
【0024】
図6により座標決定手順を説明する。ステップ3001で任意の開始点(xs、ys)と終了点(xe、ye)およびx方向移動幅iを決定し(j=0)、ステップ3002では座標の初期設定を行う。ステップ3003でx方向に移動幅「i」だけ移動し、ステップ3004で探査点(例えば黒色)かどうかを判定する。探査点である(Yes)と判定された場合は、図7の処理ステップ4001以降の処理へ進む。
【0025】
一方、ステップ3004で探査点に合致しない場合(No)にはY軸方向に移動幅「j」を移動させ探査点に合致するまでステップ3005からステップ3008まで繰り返す。例えばステップ3004でNOの場合は図5(A)の(a)の場合であって、そのときはステップ3005に示したように、j=j+1とする。図5(A)では(b)の場合である。(b)では画素すなわち黒点が存在するが、黒点がないときはj=j−1も実行する。しかし、「j±1」を実行しても黒点がないときは、さらにステップ3006で判断されて「j±1」を実行する。すなわちステップ3007では、「j±2」を実行したことになる。さらに、ステップ3008でも黒点が見つからないとき(NO)はステップ3005に戻るから順次jの移動幅を広げて探査することになる。
【0026】
ステップ3005からステップ3008における画素座標の探査優先移動処理は、図5の(B)に示す。指定開始点(xs、ys)の右隣画素への移動(i)を優先度1とし、次に優先度2として優先度1で移動した指定座標の右隣画素の位置からy軸方向に±1移動(「j±1」)して探査する。次に優先度3として優先度1で移動した指定座標の右隣画素の位置から同様にy軸方向に±2移動して探査し、前記の方法で順次y軸方向に±n移動して探査し、座標が決定されるまで前記探査移動処理を繰り返し続け、指定終了点(xe、ye)まで実施する。それはステップ3010で終了点であると判定されるまで続けられる。
【0027】
次に、前記ステップ3004、ステップ3006あるいはステップ3008で探査点に合致した場合の、図2のステップ4000について図7のステップ4001〜4006の処理を図7および図8を用いて説明する。図8(A)に示すように読み取り点A[X,Y](画素上では(x、y))を以下の手順で求める。原点Oを[Xs,Ys](画素上では(xa、ya))と指定し、X軸上の任意の点[Xe,Ys](画素上では(xb、yb)を指定し、さらにY軸上の任意の点[Xs,Ye](画素上では(xc、yc))をあらかじめ入力して指定しておく。求めるX−Y座標系の画像データはその読み取りにおいて、X軸とY軸が直行しているとは限らない、すなわち画像データは、このX軸、Y軸上の座標として読み取られているとは限らないことを考慮して、図8(A)に示すような一般形として表している。
【0028】
X軸が表示画面水平軸となす傾き角をθ、Y軸が表示画面水平軸となす傾き角をφ、読み取り点Aと指定原点Oとを結ぶ直線OAが表示画面水平軸となす傾き角をαとし、以下の手順により読み取り点A(X,Y)を求める。
ステップ4001で前記傾き角θ、傾き角φ、傾き角αを以下の数1〜数3で求める。
【0029】
【数1】
【数2】
【数3】
次にステップ4002でX軸およびY軸の長さを、得られている画素座標(xa、ya)、(xb、yb)を以下の数4〜数6に代入することによって、X軸の長さlxp、Y軸の長さlyp、指定原点O[Xs、Ys]と読み取り点A[X,Y]とを結ぶ直線OAの長さlを求める。
【0030】
【数4】
【数5】
【数6】
次に以下の数7〜数9に基づき、ステップ4003で指定原点O[Xs,Ys]と読み取り点A[X,Y]とを結ぶ直線OAの長さlと、角度(α−θ)および角度(θ+φ)からlyを、ステップ4004でlxを求める。
【0031】
【数7】
【数8】
【数9】
さらに数10、数11に基づきステップ4005で、前ステップで求めたlxe、lye、lx、lyと入力で指定した3点の座標から読み取り点A[X,Y]を求める。
【0032】
【数10】
【数11】
これらの数式をまとめて図8(B)として示している。これは、図7の処理ステップ4001〜4005における演算処理の数式を示している。以上の処理をステップ3001からステップ3008及びステップ4001からステップ4006の間で読み取り開始点から読み取り終了点までの全データについて繰り返し、取得した読み取り情報を作業用データメモリ5に登録するとともに表形式、例えば図3の34のような表形式に表示することができる。
【0033】
次に図2のステップ5000は、物理データフィッティング係数生成部の近似関数誤差判定部及び評価関数算出部7bにおいて、任意に選択した近似関数の最適フィッティング係数を生成する。
図2、図3および図9を用いて最適フィッティング係数生成手順を説明する。まず、図3の処理装置画面概念において画面の36で近似関数を選択する。例えば近似関数として、線形近似を選択した場合、図9に示すようにステップ5001で任意の近似関数fcに対する係数k0を設定する。
【0034】
次にステップ5002で近似関数の係数k0に幅をもった近似関数の係数k0s、k0eを設定し、ステップ5003で近似関数を用いた場合の評価値をk0、k0s、k0eについてそれぞれ算出し、仮定した近似関数fcと前記で取得した読み取りデータftとの誤差を求める。以上の処理を取得した読み取り全データについて行う(ステップ5004)。
【0035】
次にステップ5005で誤差の平均値erraveおよび標準偏差σerrを求める。次に、ステップ5006の最初の処理でk0sをk0、k0eをk0とおき、またステップ5009およびステップ5010でk0の任意に指定した小数点桁数精度を満足するか否かを判定する。すなわちステップ5006では設定されたずれ幅の範囲で中央値を変更して誤差が最小になったかどうかを判定している。そして所定の精度が得られないときは、ステップ5011において、ずれ幅の縮小・変更等をおこないステップ5002からの処理を繰り返す。ステップ5006では、標準偏差σerrあるいは誤差の平均値erraveが予め定められた値以下になったことを収斂条件とすることであってもよい。
【0036】
そして、所定の精度を満足すれば処理を終了する。しかし精度が満足していない場合ときは、前記したような処理、すなわち、ステップ5011で収束幅を狭めて前記標準偏差σerrが最小になるまでステップ5007、ステップ5008、ステップ5009、ステップ5010及びステップ5011の処理を繰り返す。そして、前記誤差が収束したとき、得られた近似関数の係数情報を作業用データメモリ5に登録する。
【0037】
最後に、図1の最適フィッティング係数出力部6において、得られた近似関数を記憶装置2に出力するとともに、図3に示すように得られた近似関数の曲線40aを表示画面に表示する。
【0038】
また、図4に示したように、前記デジタイザ機能による数値生成手順および画像の自動探査手法に対して、前記数値読み取り手法を用いることにより任意の指定点を手動で読み取ることができる。また、本発明では図4に示したように自動および手動読み取り処理の選択ができるようにしている。
【0039】
したがって、本発明による物理データフィッティング係数生成システムを、例えば試験結果の出力処理や、電子データではない記録紙等のプラントデータのイメージスキャナデータを処理するためのシステムとして利用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の物理データフィッティング係数生成システムによると、任意の物理データとしての画像データあるいは記録紙のデータを読み取り数値化することができ、かつ所定の近似関数でフィッティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物理データフィッティング係数生成システムの構成の一実施例を示す図である。
【図2】物理データフィッティング係数生成システムにおける処理フローの一実施例を示す図である。
【図3】物理データフィッティング係数生成システムにおいてデータフィッティング係数生成処理機能画面の概要を表示した図である。
【図4】物理データフィッティング係数生成システムにおいて画像読み取り機能画面の概要を表示した図である。
【図5】本発明の自動探査手法を説明するための図である。
【図6】自動探査手法の処理フローの一実施例を示す図である。
【図7】任意画像データを数値化する処理フローの一実施例を示す図である。
【図8】任意画像データを数値化する一実施例を示す図である。
【図9】誤差を最小とする処理フローの一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…入力装置、2…記憶装置、3…演算処理装置、4…物理データ読み込み部、5…作業用データメモリ、6…最適フィッティング係数出力部、7…物理データフィッティング係数生成部、7a…物理データ生成部、7b …近似関数算出部(近似関数誤差判定部)、30…処理画面、30a…画像、32…原点座標設定部、34…データ表示部、36…近似関数選択領域、38…フィティング開始指示部、40…結果表示部、42…最適係数表示部、44…画像読み取り開始終了点指定部、46…拡大指示部。
Claims (5)
- 物理データとしての画像データを記憶している記憶装置と、前記記憶装置のデータを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似するための演算処理装置を有する物理データフィッティング係数生成システムにおいて、前記演算処理装置は、前記物理データとしての画像データ読み込み部と、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部と、前記生成されたデータとその近似のために選択された近似関数との誤差を求める誤差算出部と、前記誤差が小さくなるように前記近似関数の係数を求めるフィッティング係数判定部と、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数とする出力部、から構成されることを特徴とする物理データフィッティング係数生成システム。
- 請求項1において、前記誤差算出部は、求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの偏差の平均値を算出し、前記誤差の平均値が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部であることを特徴とする物理データフィッティング係数生成システム。
- 請求項1において、前記読み込まれた画像データから数値化データを生成するデータ生成部では予め定められた移動幅にしたがって座標値を順次決定する探査手段を有していることを特徴とする物理データフィッティング係数生成システム。
- 請求項1において、前記求められた係数を有する近似関数と前記数値化されたデータとの誤差の標準偏差が予め定められた値以下になったとき最適フィッティング係数として出力する出力部であることを特徴とする物理データフィッティング係数生成システム。
- 物理データとしての画像データを記憶している記憶装置と、前記記憶装置のデータを数値化するとともに前記数値化されたデータを関数近似する演算を行なう物理データフィッティング係数生成方法において、前記画像データを取り込み、前記取り込まれた画像データを数値化し、前記数値化されたデータを関数近似するため近似関数を設定し、前記設定された近似関数の係数を変更して前記画像データと前記近似関数との偏差の平均値あるいは標準偏差値が予め定められた値以下になったときの係数を最適フィッティング係数として生成することを特徴とする物理データフィッティング係数生成方法。
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