JP2005022507A - 遮光装置および車載表示システム - Google Patents
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Abstract
【課題】省スペース性が考慮された車載用表示装置に対して、必要に応じて遮光を行う遮光装置および車載表示システムを提供する。
【解決手段】周辺が明るく表示装置9が見にくい場合には、遮光部12が周辺から表示装置へ入射する外光を遮蔽状態に動作することによって遮光する。また、周辺が暗く遮光が不要な場合には、遮光部12が収納状態となり遮光を解除する。これによって、周辺が明るい場合でも表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光が不要な場合、遮光部12が収納されるため、省スペース性に優れた遮光蔵置を実現できる。
【選択図】 図3
【解決手段】周辺が明るく表示装置9が見にくい場合には、遮光部12が周辺から表示装置へ入射する外光を遮蔽状態に動作することによって遮光する。また、周辺が暗く遮光が不要な場合には、遮光部12が収納状態となり遮光を解除する。これによって、周辺が明るい場合でも表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光が不要な場合、遮光部12が収納されるため、省スペース性に優れた遮光蔵置を実現できる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内に設置された表示装置に入射する外光を遮光するための遮光装置および車載表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車内には、運転席近傍に設けられるカーナビゲーションやリアシート等に設けられるエンターテイメントシステムのための映像表示用のディスプレイが搭載される。これらの車載表示装置は、液晶ディスプレイであり、車内のフロントパネル、天井部、あるいはヘッドレスト等に実装される。上記車載表示装置が車内に設けられる場合、自動車の走行環境変化に応じた画面周囲の照度変化が激しく、画面の周囲が明るくなるとコントラスト不足となって表示される映像が見にくくなることがある。このような画面の視認性を改善するために、上記車載表示装置に光センサを具備し、この光センサが所定値以上の明るさを検出したときには液晶ディスプレイに表示する画像の輝度を上げ、所定値以下のときには表示する画像の輝度を下げるような制御を行っている。
【0003】
一方、上述した画面の視認性の向上のために、自動車用ディスプレイに遮光装置を設ける技術もある(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1で開示された技術は、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車のサンルーフを開状態にする操作に応答して、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、自動車のサンルーフから入射する外光による自動車用ディスプレイの視認性低下を防止することを目的としている。
【0004】
特許文献2で開示された技術も、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車用ディスプレイの周囲の明るさを検出する光センサによって検出された明るさが、所定値よりも明るくなったときに、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、ディスプレイ周囲の照度に応じて、その自動車用ディスプレイの視認性が低下することを防止している。
【0005】
特許文献3で開示された技術も、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車のヘッドライト等を点灯させる操作に応答して、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、ディスプレイに表示される画像が、フロントガラスに反射して映り込むことを防止する。
【0006】
【特許文献1】
実開昭58−60541号公報
【特許文献2】
実開昭58−60542号公報
【特許文献3】
実開昭58−60543号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した画像の輝度を調整することによって、画面の視認性を改善する技術は、車載表示装置の周辺が非常に明るい状況の場合、当該車載表示装置に表示される映像を視認するのが困難であり、改善効果が不足している。
【0008】
また、上記特許文献1〜3に開示された技術は、何れもディスプレイに対して上部方向の遮光を行うものであり、上部方向以外の遮光に対しては効果を得られない。例えば、自動車内に設けられる場合、外光が入射する方向は、その自動車の進行方向や時刻等によって様々であり、上部だけの遮光だけでは十分でない場合がある。さらに、上記特許文献1〜3に開示された技術は、CRT等によって構成されるディスプレイの奥行きスペースを利用して遮光フードを収納しており、現在車載用ディスプレイの主流である液晶ディスプレイ等の奥行きスペースが少ない表示装置に対して適用できない。つまり、上記特許文献1〜3に開示された技術は、それ自体の設置スペースが大きな表示装置に具備することを前提としており、遮光フードを収納するために大きなスペースが必要であるため、省スペース性を考慮した表示装置には適用が困難であった。また、車載用ディスプレイを遮光するための装置を、常に遮光する状態にして設置することも考えられるが、この場合車内空間に常に突出することとなるため、乗員の邪魔になることが考えられる。
【0009】
それ故に、本発明の目的は、省スペース性が考慮された車載用表示装置に対して、必要に応じて遮光を行う遮光装置および車載表示システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施の形態との対応関係を例示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0011】
第1の発明は、自動車の車内に設置された表示装置(9)に入射する外光を遮光するための遮光装置(1)であって、自動車の車内または車外周辺の明るさを検出する明るさ検出部(13)と、外光を遮光する面積(遮光部材121〜124の側面、遮光シート128のシート面)を伸張することによって表示装置を遮光する遮光状態およびこの面積を縮退した収納状態にそれぞれ動作可能に設けられる複数の遮光部(12)と、明るさ検出部が検出した明るさ(明るさ検出データLD)に応じて、遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作させる制御部(11)とを備える。
【0012】
上記第1の発明によれば、自動車の車内あるいは車外の明るさに応じて、遮光部が表示装置へ入射する外光を遮光したり遮光を解除したりする。これによって、表示装置の周辺が明るい場合に遮光部を遮光状態に動作させることによって。表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光部は、外光を遮光するための面積を縮退させた収納状態となるため、遮光が不要な場合に乗員の邪魔にならず、省スペース性が考慮された表示装置に対しても、適所に設置することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、遮光部(12aおよび12b)は、少なくとも表示装置の左右にそれぞれ設置される。
【0014】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、遮光部(12c)は、自動車の窓にそれぞれ設置される。
【0015】
上記第2および第3の発明によれば、表示装置に対する遮光において、適切な配置位置に遮光部を設置することができる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、明るさ検出部は、複数の方向から入射する外光をこれら方向に応じて明るさを検出し、制御部は、明るさ検出部が検出した方向および明るさに応じて、この方向からの外光を遮光する遮光部を動作させる。
【0017】
上記第4の発明によれば、表示装置に対して最も適切な遮光部を遮光状態に動作させることができる。
【0018】
第5の発明は、第1の発明に従属する発明であって、制御部は、予め遮光開始値とこの遮光開始値未満の遮光解除値とを設定し、明るさ検出部が検出した明るさがこの遮光開始値以上(S1)のとき遮光部を遮光状態に動作させ、明るさ検出部が検出した明るさがこの遮光解除値以下(S2)のとき遮光部を収納状態に動作させる。
【0019】
上記第5の発明によれば、遮光解除値〜遮光開始値の範囲において制御部が遮光部を動作させる不動帯となるため、明るさ検出部が検出した明るさの変化に応じて、遮光部が頻繁に動作することを防止することができる。
【0020】
第6の発明は、第1の発明に従属する発明であって、現在の日時を検出する時刻検出部(14)と、自動車の現在地の緯度および経度を検出する緯度経度検出部(15)と、自動車の現在の方向を検出する方向検出部(16)とを、さらに備え、制御部は、時刻検出部が検出した日時(時刻データTD)、緯度経度検出部が検出した緯度および経度(緯度経度データID)、および方向検出部が検出した自動車の方向(車両方向データDD)とを用いて、現在の自動車の方向(Wc)に対する太陽光の入射方向(Ws−c)を演算し、この入射方向に応じて(S4、S5)遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作(S6〜S8)させる。
【0021】
上記第6の発明によれば、太陽光の入射方向に応じて遮光部を動作させるので、表示装置の視認性に対して常に適切な状態に保つことができる。
【0022】
第7の発明は、第6の発明に従属する発明であって、時刻検出部、緯度経度検出部、および方向検出部は、自動車が走行予定の経路案内するナビゲーション装置によって構成され、制御部は、入射方向を経路案内の情報に基づいて予測し、この予測された入射方向に応じて遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作させる。
【0023】
上記第7の発明によれば、予測される太陽光の方向に応じて、遮光部を動作させるので、表示装置の視認性に対してより快適な遮光が実現可能である。
【0024】
第8の発明は、第1の発明に従属する発明であって、明るさ検出部は、光センサである。
【0025】
上記第8の発明によれば、容易に明るさ検出部を構成することができる。また、光センサは、車両に予め設置されている場合があり、この光センサを用いることも可能である。
【0026】
第9の発明は、第1の発明に従属する発明であって、表示装置は、液晶ディスプレイで構成される。
【0027】
上記第9の発明によれば、省スペース性が考慮された液晶ディスプレイに適用可能であり、車内のフロントパネル、天井部、あるいはヘッドレスト等に実装された液晶ディスプレイであっても、適所に遮光部を設置することが可能である。
【0028】
第10の発明は、上記第1乃至第9の発明のいずれかに記載された遮光装置と、表示装置とを備える、車載表示システムである。
【0029】
上述した遮光装置とその遮光装置によって遮光される表示装置とを備える車載表示システムでも、上記第1〜第9の発明と同様の効果が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る遮光装置について説明する。当該遮光装置は、自動車内に設置される車載表示装置の表示面を外光から遮光するものである。例えば、上記車載表示装置は、運転席近傍に設けられるカーナビゲーションやリアシートのヘッドレストや天井部等に設けられるエンターテイメントシステムのための映像表示用のディスプレイであり、液晶ディスプレイ等の省スペース性が考慮されたものである(以下、単に表示装置と記載する)。表示装置は、液晶ディスプレイの他に、プラズマ、有機EL、CRT等の直接映像を表示するディスプレイや、投射型および反射型のディスプレイ等でもかまわない。以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る遮光装置1aの構成について説明する。なお、図1は、当該遮光装置1aの構成を示す機能ブロック図である。
【0031】
図1において、遮光装置1aは、制御部11a、遮光部12、および明るさ検出部13を有しており、表示装置9と共に自動車内に設置される。明るさ検出部13は、明るさ(照度)を検出した結果を明るさ検出データLDとして制御部11aへ出力する。明るさ検出部13は、代表的には、光センサで構成されるが、これに限られるものではなく、表示装置9あるいは自動車周辺の明るさを検出できる任意の手段を用いてもよい。例えば、設置される自動車のヘッドライトのスイッチの操作によって、当該スイッチがONされた場合に、「明るさが暗い」とした明るさ検出データLDをしてもよい。また、時刻情報から判定した結果(昼間は明るさが明るく、夜は暗い)を明るさ検出データLDとしてもよい。さらに、明るさ検出部13を光センサで構成する場合、当該光センサは、正確に表示装置9が有する表示面付近の明るさを検出するために表示装置9の近傍に設置される。しかしながら、上記光センサは、後述する遮光部12によって遮光されない箇所に設置することが必要があり、遮光部12の設置箇所に応じて自動車外に設置することもある。これらの設置条件を満足するものであれば、自動車に予め設置されている光センサを利用してもかまわない。
【0032】
制御部11aは、CPU(中央演算装置)およびそのCPUが処理のために利用する記憶領域としての記憶部で構成される。制御部11aは、明るさ検出部13から出力された明るさ検出データLDに応じて、遮光部12の動作を制御する。遮光部12は、制御部11aの制御に応じて、表示装置9に対する遮光を行う。遮光部12は、表示装置9に対して入射する特定の方向からの外光を遮光するものである。遮光部12は、表示装置9に対して、少なくとも左方向および右方向からの外光を遮光し、さらに、正面や上方向等他の方向を遮光してもよい。
【0033】
図2〜図5を参照して、遮光部12の構造の一例について説明する。なお、図2は表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが収納された状態(遮光解除状態)を示す斜視図であり、図3は遮光部12aおよび12bが突出した状態(遮光状態)を示す斜視図であり、図4は遮光部12が突出した状態を示す側面図および正面図であり、図5は遮光部12が突出した状態を示す図4(b)の断面D−DをD方向から見た断面図である。なお、遮光部12の実施例は、これに限定されるものではなく、収納状態と突出状態とを自動的に変更できるような任意の形態で実現可能である。
【0034】
遮光部12は、大略的には、複数の遮光部材(図2〜図5の一例では4つの遮光部材121〜124)を組み合わせることによって構成される。遮光部材121〜124は、プラスティック、木材、金属、ゴム、ウレタン、発泡スチロール、羊毛、木綿、および紙等の平板状態を保つことが可能である材質で構成される。また、遮光部材121〜124は、安全性が必要な場所に設置される場合、やわらかい物質や、強い衝撃力が加わると容易に壊れるような材質が好ましい。
【0035】
遮光部材121〜123はそれぞれ枠体であり、遮光部材121の中空空間に遮光部材122が開口方向に移動可能に嵌合し、遮光部材122の中空空間に遮光部材123が開口方向に移動可能に嵌合する。遮光部材124は平板であり、遮光部材123の中空空間に嵌合し、その開口方向に移動可能に設けられる。そして、最も外形寸法が大きい遮光部材121は、その一方側面が表示装置9に固設される。なお、図2および図3では表示装置9の左右側面に一対の遮光部12aおよび12bが設けられており、それぞれの遮光部材121aおよび121bの一方側面が表示装置9に固設されている。
【0036】
遮光部12が収納状態(遮光解除状態)の場合、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123の中空空間内に収納される(図2の状態)。つまり、遮光部12は、遮光部材121〜123によって形成される外光を遮光する面積を縮退させることによって収納状態となる。また、遮光部材122〜124における上記移動可能方向の部材長さを、遮光部材121における開口方向の部材長さ以下に設定することによって、遮光部12の収納状態における大きさは、遮光部材121の枠体外形寸法となり、省スペース性が考慮された表示装置9に対しても適所に設置することができる。
【0037】
遮光部12が突出状態(遮光状態)の場合、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123の中空空間からそれぞれ最も突出した状態となる(図3の状態)。つまり、遮光部12は、遮光部材121〜123によって形成される外光を遮光する面積を伸張させることによって表示装置を遮光する遮光状態となる。また、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123に対して、紙面右方向にそれぞれの係止片(後述)が当接するまで移動し、それぞれの上記移動可能長さだけ突出した状態で、表示装置9を遮光する。
【0038】
次に、遮光部12を上記収納状態および突出状態に変化させる機構について説明する。図4において、上記機構は、可動棒125および可動棒125を回動させる回動機構126とを備えている。可動棒125は、その一方端付近を回転軸として、回動機構126によって図示A方向および反A方向に回動可能に付設されている。可動棒125の他方端付近には、摺動部材が付設されている。遮光部材124の一方側面には、上記移動可能方向と垂直(紙面上下方向)にレール124eが付設され、可動棒125の摺動部材はレール124eに沿って移動可能となっている。また、遮光部材123の正面部には、可動棒125との干渉を防止するために逃がし穴123hが形成されている。そして、回動機構126は、遮光部材121に固定されている。このような構成によって、可動棒125は、その一方端付近が回動機構126の回転軸に固設され、遮光部材121〜123の中空空間および逃がし穴123hを通って、その他方端付近に設けられた摺動部材とレール124eとが連結する。そして、回動機構126が図示A方向に可動棒125を回動させた場合、可動棒125の摺動部材がレール124eに沿って図示B方向に摺動しながら、遮光部材124が図示C方向(突出方向)に移動する。また、回動機構126が可動棒125を逆方向(反A方向)に回動させた場合、上記摺動機構および遮光部材124はそれぞれ逆の方向(つまり収納方向)に動作する。
【0039】
図5において、遮光部材121〜123の突出方向(図示右方向)の端部には、それぞれ中空空間側に突出した内側係止片121s〜123sが形成されている。また、遮光部材122〜124の収納方向(図示左方向)の端部には、それぞれの嵌合面から外方向に突出した外側係止片122t〜124tが形成されている。つまり、遮光部材122〜124は、それぞれに形成された外側係止片122t〜124tと、それぞれが嵌合する遮光部材121〜123に形成された内側係止片121s〜123sとが当接して、互いに上記突出方向へ追動する。したがって、上述したように回動機構126の回動によって、遮光部材124が図示C方向に移動した場合、他の遮光部材122〜123は、外側係止片122t〜124tおよび内側係止片121s〜123sがそれぞれ当接することによって、遮光部材124に従動して図示C方向へ移動する。そして、全ての外側係止片122t〜124tおよび内側係止片121s〜123sが当接した場合、遮光部材122〜124は、最も遮光部材121から突出した遮光状態となる。なお、遮光部12の収納方向への動作についても、逆方向に同様の作用を及ぼす片を遮光部材122〜124に形成することによって実現できるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
図1に戻り、遮光装置1aの動作について説明する。明るさ検出部13は、明るさを検出した結果を明るさ検出データLDとして出力し、制御部11aに入力する。制御部11aは、現在の遮光部12が遮光状態であるか否かを管理し、明るさ検出データLDに基づいて遮光部12の動作を制御している。図6は、制御部11aが行う遮光部12の動作制御の一例であり、遮光部12の動作が遮光状態のとき実線で示し、遮光部12の動作が収納状態のとき破線で示している。
【0041】
図6において、制御部11aは、明るさ検出データLDに対して遮光開始値および遮光解除値を設定する。ここで、遮光開始値は制御部11aが遮光部12に対して遮光する指示を与える閾値であり、遮光解除値は制御部11aが遮光部12に対して遮光を解除する指示を与える閾値である。そして、遮光開始値≠遮光解除値であり、遮光開始値は、遮光解除値と比較して明るさ検出データLDが示す明るさにおいて相対的に明るい値(つまり、照度で定義した場合、遮光開始値>遮光解除値)に設定される。
【0042】
制御部11aは、遮光部12が収納状態で、かつ明るさ検出データLDが遮光開始値を超えた場合、遮光部12に対して遮光を開始する指示を行う(図6に示す「遮光開始」ポイント)。制御部11aは、遮光部12を遮光状態にする場合、上述した回動機構126を図示A方向(図4参照)に回動させる。一方、制御部11aは、遮光部12が遮光状態で、かつ明るさ検出データLDが遮光解除値を下回った場合、遮光部12に対して遮光を解除する指示を行う(図6に示す「遮光解除」ポイント)。制御部11aは、遮光部12を収納状態にする場合、上述した回動機構126を図示反A方向に回動させる。つまり、遮光解除値〜遮光開始値の範囲は、遮光部12の状態に応じた不動帯であり、明るさ検出データLDの変化に応じて、遮光部12が頻繁に動作することを防止することができる。
【0043】
このように、第1の実施形態に係る遮光装置によれば、周辺が明るく表示装置が見にくい場合には、遮光部が周辺から表示装置へ入射する外光を遮光する。また、周辺が暗く遮光が不要な場合には、遮光部による遮光を解除する。これによって、周辺が明るい場合でも表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光を解除した遮光部は、外光を遮光するための面積を縮退させた収納状態となるため、遮光が不要な場合に乗員の邪魔にならず、省スペース性が考慮された表示装置に対しても、適所に設置することができる。
【0044】
なお、遮光装置1aに複数の明るさ検出部13を設け、それぞれ異なる方向からの明るさを検出してもかまわない。この場合、制御部11aが「明るい」と検出した方向に対して、適切な遮光部12(例えば、遮光部12aのみ)を遮光状態に制御すれば、外光の方向に応じて適切な遮光が可能となる。
【0045】
また、遮光部12を動作させる機構として可動棒125および回動機構126を用いた一例を説明したが、ワイヤで遮光部材を巻き取る等の他の機構によっても実現可能であり、任意の可動機構により実現可能である。また、遮光部材の数も4つに限定されないことは言うまでもない。また、同じ大きさの遮光板によっても実現でき、同様の可動機構で実現可能である。さらに、他の遮光部の実現方法としては、アコーディオンのように折りたたまれた遮光板を展開する方法や、収納および突出状態とを伸縮によって変更できる棒状の構造物に柔らかい繊維状の布を付設し、当該構造物を伸ばすことで遮光状態にする方法や、エアバックのように空気をいれると膨らむ構造を有する遮光部材を用いて、当該遮光部材に空気を入れることで遮光状態にする方法等、任意の方法が考えられる。また、遮光部12は、表示装置9への少なくとも1つの方向からの光を遮光できるような構成であれば、任意の形状(三角、丸、四角、多角形等)および素材(金属、木材、プラスティック、布、紙、合成繊維等)を用いることができる。いずれにおいても、遮光部は、外光を遮光する面積を伸張することによって表示装置を遮光する遮光状態およびその面積を縮退した収納状態にそれぞれ動作可能に設けられる。
【0046】
また、遮光部12は、表示装置9の近傍に設けなくてもよい。例えば、表示装置9が設置された車両の窓に遮光部12を設けてもかまわない。図7は遮光部12cが車両の窓Wに設置された一例を示す図であり、図7(a)は遮光部12cの収納状態を示し、図7(b)は遮光部12cの遮光状態を示している。
【0047】
図7において、遮光部12cは、大略的には、レール127および遮光シート128によって構成されている。遮光シート128は、例えば繊維状の布等のカーテン状の素材で構成される。そして、遮光シート128は、レール127が有する複数の支持部材(図示せず)によって、その上部が吊設される。レール127は、車両の窓Wの上辺近傍に、その長軸方向が当該窓Wの上辺と略平行に固設される。レール127の上記支持部材は、それぞれレール127に沿って移動可能に設けられ、図示しない可動機構の動作によりレール127に沿って移動する。そして、制御部11aは、上記可動機構の動作を制御する。
【0048】
図7(a)において、遮光部12cを収納状態にする場合、制御部11aは、上記可動機構を制御して、レール127の全ての支持部材をレール127の一方端付近に移動させる。これによって、遮光シート128は、支持部材の動作と従動してレール127の一方端に寄せられ、遮光部12cの収納状態となる。つまり、遮光部12cは、外光を遮光する遮光シート128の面積を縮退させることによって収納状態となる。なお、図7(a)は、遮光シート128がレール127の左端に寄せられ、窓Wに対する遮光が解除された状態を示している。
【0049】
図7(b)において、遮光部12cを遮光状態にする場合、制御部11aは、上記可動機構を制御して、レール127の支持部材をそれぞれレール127の他方端側に移動させる。これによって、遮光シート128は、それぞれ支持部材の動作と従動してレール127の他方端側に移動し、遮光部12cの遮光状態となる。つまり、遮光部12cは、外光を遮光する遮光シート128の面積を伸張させることによって表示装置を遮光する遮光状態となる。なお、図7(b)は、遮光シート128がレール127の右端側に広がって、窓Wが遮光された状態を示している。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態に係る遮光装置について説明する。当該遮光装置は、第1の実施形態に係る遮光装置1aと比較して、さらに、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16を備えており、制御部11aの動作が異なる。他の構成部については、第1の実施形態に係る遮光装置1aと同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。以下、図8を参照して、第2の実施形態に係る遮光装置1bの構成について説明する。なお、図8は、当該遮光装置1bの構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
図8において、遮光装置1bは、制御部11b、遮光部12、明るさ検出部13、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16を有しており、表示装置9と共に自動車内に設置される。明るさ検出部13は、第1の実施形態と同様に構成され、明るさ(照度)を検出した結果を明るさ検出データLDとして制御部11bへ出力する。
【0052】
時刻検出部14は、現在の年月日および時刻を表す時刻データTDを制御部11bへ出力する。緯度経度検出部15は、現在の車両が位置する緯度および経度を示す緯度経度データIDを制御部11bへ出力する。方向検出部16は、現在の車両の方向を検出し、車両方向データDDとして制御部11bへ出力する。例えば、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16は、GPS(Global Positioning System)装置やカーナビゲーション装置として構成し、それらの装置から時刻データTD、緯度経度データIDを取得、および車両方向データDDを取得することも可能である。また、緯度経度検出部15および方向検出部16は、GPS装置のGPS情報やカーナビゲーション装置のジャイロおよび地図情報を組み合わせて車両の現在地および方向を得る方法が考えられるが、これらに限定されず方位磁石を用いる方法など任意の方法で実現可能である。
【0053】
制御部11bは、方角を処理するデータとして、例えば、図9に示すような方角「北」を0°とした方向角度データWを用いる。すなわち、方向角度データWは、方角「北」をW=0°、方角「東」をW=90°、方角「南」をW=180°、方角「西」をW=270°で示す。そして、制御部11bは、車両方向データDDに応じた方向角度データWを、方向角度データWcとして処理する。例えば、方向角度データWc=135°の場合、車両は方角「南東」に向いていることになる。なお、方向角度データWは、上記に限られるものではなく、方角を表記できる任意の方法を用いてもかまわない。
【0054】
また、制御部11bは、時刻データTDおよび緯度経度データIDを用いて現在の太陽の位置(方角)を演算する。太陽の位置の演算方法としては、対応表によって実現する方法等が考えられるが、所定の計算式によって算出する方法でも実現可能である。また、遮光装置1bが他のサーバ装置と通信可能で有る場合、通信可能なサーバ装置に問い合わせて太陽の位置を取得することも可能である。制御部11bは、上記太陽の位置を、方向角度データWsとして処理する。この方向角度データWsも、方角「北」を0°とした方向角度データWと同様に基準で定義される。
【0055】
次に、図10を参照して、制御部11bが遮光部12を制御する動作について説明する。なお、図10は、制御部11bが遮光部12を制御する動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、説明を具体的にするために、遮光部12が図2〜図5を用いて説明した表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bで構成されているものとする。
【0056】
図10において、制御部11bは、明るさ検出部13から入力した明るさ検出データLDが遮光開始値(図6参照)以上か否かを判断する(ステップS1)。そして、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光開始値以上の場合、処理を次のステップS4に進め、明るさ検出データLDが遮光開始値未満の場合、処理を次のステップS2に進める。
【0057】
ステップS2では、制御部11bは、明るさ検出部13から入力した明るさ検出データLDが遮光解除値(図6参照)以下か否かを判断する。そして、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光解除値以下の場合、処理を次のステップS6に進め、明るさ検出データLDが遮光解除値を超えている場合、処理を次のステップS3に進める。
【0058】
ステップS3では、制御部11bは、遮光部12aおよび12bのいずれか一方が遮光状態であるか否かを判断する。そして、そして、制御部11bは、遮光部12aおよび12bのいずれか一方が遮光状態である場合、処理を次のステップS4に進め、遮光部12aおよび12bが共に収納状態である場合、処理を次のステップS6に進める。
【0059】
上記ステップS1〜S3では、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光開始値以上、または遮光部12が遮光状態でかつ明るさ検出データLDが遮光解除値〜遮光開始値の範囲である場合、ステップS4の処理を実行する。一方、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光解除値以下、または遮光部12が収納状態でかつ明るさ検出データLDが遮光解除値〜遮光開始値の範囲である場合、ステップS6の処理を実行する。つまり、制御部11bは、上記ステップS1〜S3において、上記第1の実施形態の動作と同様に現在の遮光部12の状態および明るさ検出データLDに基づいて、遮光部12の動作を制御している。
【0060】
ステップS4では、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cを、現在の方向角度データWsとWcとの差Ws−Wcによって演算し、90°<Ws−c≦180°か否かを判断する。なお、制御部11bは、Ws−c<0°の場合、Ws−c=Ws−c+360°とする。そして、制御部11bは、90°<Ws−c≦180°の場合、処理を次のステップS8に進め、Ws−c≦90°あるいは180°<Ws−cの場合、処理を次のステップS5に進める。
【0061】
ステップS5では、制御部11bは、現在の方向角度データWsとWcとの差Ws−cが、180°<Ws−c<270°か否かを判断する。そして、制御部11bは、180°<Ws−c<270°の場合、処理を次のステップS7に進め、Ws−c≦90°あるいは270°≦Ws−cの場合、処理を次のステップS6に進める。
【0062】
ステップS6では、制御部11bは、遮光部12aおよび12bに対して共に遮光を解除する指示を行い、遮光部12aおよび12bを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。
【0063】
一方、ステップS7では、制御部11bは、表示装置9に対して左側に設けられている遮光部12aに対して遮光する指示を行い、遮光部12aを遮光状態にする。そして、制御部11bは、表示装置9に対して右側に設けられている遮光部12bが遮光状態である場合、遮光部12bに対して遮光を解除する指示を行い、遮光部12bを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。
【0064】
また、ステップS8では、制御部11bは、表示装置9に対して右側に設けられている遮光部12bに対して遮光する指示を行い、遮光部12bを遮光状態にする。そして、制御部11bは、表示装置9に対して左側に設けられている遮光部12ba遮光状態である場合、遮光部12aに対して遮光を解除する指示を行い、遮光部12aを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。上記ステップS6〜S8で制御部11bが遮光部12aおよび12bに対して行う制御および遮光部12aおよび12bの動作については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0065】
上記ステップS4〜S8では、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cがWs−c≦90°あるいは270°≦Ws−cの場合、遮光部12aおよび12bを共に収納状態にする。これは、自車両の正面に対して太陽が左右90°の範囲に位置しているときであり、自車両の前方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対する遮光を行わないことを示している。また、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cが180°<Ws−c<270°の場合、遮光部12aのみを遮光状態にする。これは、自車両の左後方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対して左側から入射する外光を遮光することを示している。さらに、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cが90°<Ws−c≦180°の場合、遮光部12bのみを遮光状態にする。これは、自車両の右後方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対して右側から入射する外光を遮光することを示している。つまり、制御部11bは、搭載される車両に対する太陽の位置に応じて、適切な遮光状態になるように遮光部12の動作を制御している。そして、上述したステップS1〜S3の動作と合わせると、制御部11bは、周辺の明るさおよび太陽の位置に応じて、適切な遮光状態になるように遮光部12の動作を制御していることになる。
【0066】
なお、上記ステップS4およびS5で設定した角度Ws−cは、これらに限定されず、それぞれ右側および左側の範囲を含む角度であれば任意の角度に設定してもかまわない。また、上記ステップS4およびS5については、遮光開始角度と遮光解除角度とを別に設けて制御してもよい。つまり、遮光解除状態から遮光状態への遷移には、遮光開始角度の範囲に入ったときに、遮光状態から遮光解除状態への遷移には遮光解除角度の範囲に入ったときに遮光部12が動作する制御を行う。例えば、上記ステップS4での一例としては、遮光開始角度をWs−c=90°〜180°とし、遮光解除角度をWs−c=0°〜45°および225°〜360°と設定する。上記角度の具体的な数値は、これらに限定されるものではなく、全体から遮光範囲角度を除いた範囲が、遮光解除角度を含んでそれより広い範囲になるように設定すればよい。このように設定することによって、頻繁に遮光部12が動作することを防止することができる。
【0067】
ステップS9では、制御部11bは、遮光制御動作を継続するか否かを判断する。例えば、制御部11bは、表示装置9の電源がONされているか否か等によって、その動作継続を判断する。そして、制御部11bは、遮光制御動作を継続する場合、上記ステップS1に戻って処理を継続し、遮光制御動作を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。
【0068】
なお、上記ステップS6〜S8の動作によって遮光状態から収納状態または収納状態から遮光状態に変更するときに、状態が変更されてから所定時間(例えば1分)以内の場合はその状態を変更しないようにしてもかまわない。これによって、遮光部12が頻繁に遮光および収納状態に変化して動作することを防止することができる。
【0069】
このように第2の実施形態に係る遮光装置によれば、表示装置の周辺が明るい場合、その外光の入射方向に応じて当該表示装置への外光を遮光するので、表示装置の視認性に対して常に適切な状態に保つことができる。
【0070】
なお、上述した説明では、左右の遮光部12aおよび12bを独立して遮光状態または収納状態に制御する方法を示したが、それぞれの遮光部12aおよび12bの遮光状態を複数段階に分けて制御してもかまわない。例えば、制御部11bが回動機構126(図4参照)の回転角度を複数段階に制御することによって、遮光部12の遮光面積を制御することができる。この場合、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cに応じて、上記制御動作に加えて回動機構126の回転角度の制御を行うことによって、上記遮光面積を制御することができる。また、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cに応じて、左右の遮光部12aおよび12bの双方が共に遮光するように制御してもかまわない。
【0071】
また、カーナビゲーション装置から得られる情報を用いて、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cを事前に予測して制御するような構成としてもかまわない。例えば、カーナビゲーション装置では、進路案内の情報を用いればこれから走行する道路の向きがわかるので、事前に相対的な角度Ws−cの変化を予測して対応する遮光部12を遮光状態にしておくというような制御も可能であり、より快適な遮光が実現可能である。
【0072】
また、遮光装置1bは、緯度経度検出部15を備えていなくてもかまわない。この場合、制御部11bは、時刻検出部14および方向検出部16から入力される時刻データTDおよび車両方向データDDを用いて、外光の入射方向を検出し、遮光部12aおよび12bによりその方向の光を遮光する。
【0073】
また、遮光装置1bが有するそれぞれの構成部は、1つの装置としてなくてもかまわない。例えば、それぞれの構成部が異なる位置に搭載されるような構成でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0074】
また、第2の実施形態で説明した制御方法は、これらに制限されるものではない。時刻情報および緯度経度情報を組み合わせて太陽光の方向を検出し、検出した自車両向きから外光が入射する方向を算出し、その方向に応じて遮光するような制御であれば任意の構成および制御を用いることで同様の効果が得られる。
【0075】
また、太陽入射方向は、時刻および緯度経度から計算するとしたが他の方法によって情報を取得してもかまわない。例えば、遮光装置に備えられた通信手段を用いて上記情報を入手してもよく、この場合も同様の効果が得られる。上記通信手段は、携帯電話、PHS、無線LAN、VICS(光ビーコン、電波ビーコン、FM)、DSRC、およびFM/AMラジオ等の任意の手段を用いることができる。例えば、時々刻々変化する太陽の入射角度を提供するホームページがインターネット上に公開されていれば、上記通信手段を用いてその公開先にアクセスして上記情報を入手するような方法が可能である。自車位置をある程度の精度で伝えることで、正確な入射角度が入手できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遮光装置1aの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが収納された状態(遮光解除状態)を示す斜視図である。
【図3】図1の表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが突出した状態(遮光状態)を示す斜視図である。
【図4】図1の遮光部12が突出した状態を示す側面図および正面図である。
【図5】図4(b)の断面D−DをD方向から見た遮光部12の断面図である。
【図6】図1の制御部11aが行う遮光部12の動作制御の一例である。
【図7】図1の遮光部12が車両の窓Wに設置された一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る遮光装置1bの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】方向角度データWを説明するための図である。
【図10】図8の制御部11bが遮光部12を制御する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…遮光装置
11…制御部
12…遮光部
121〜124…遮光部材
125…可動棒
126…回動機構
127…レール
128…遮光シート
13…明るさ検出部
14…時刻検出部
15…緯度経度検出部
16…方向検出部
9…表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車内に設置された表示装置に入射する外光を遮光するための遮光装置および車載表示システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の車内には、運転席近傍に設けられるカーナビゲーションやリアシート等に設けられるエンターテイメントシステムのための映像表示用のディスプレイが搭載される。これらの車載表示装置は、液晶ディスプレイであり、車内のフロントパネル、天井部、あるいはヘッドレスト等に実装される。上記車載表示装置が車内に設けられる場合、自動車の走行環境変化に応じた画面周囲の照度変化が激しく、画面の周囲が明るくなるとコントラスト不足となって表示される映像が見にくくなることがある。このような画面の視認性を改善するために、上記車載表示装置に光センサを具備し、この光センサが所定値以上の明るさを検出したときには液晶ディスプレイに表示する画像の輝度を上げ、所定値以下のときには表示する画像の輝度を下げるような制御を行っている。
【0003】
一方、上述した画面の視認性の向上のために、自動車用ディスプレイに遮光装置を設ける技術もある(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1で開示された技術は、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車のサンルーフを開状態にする操作に応答して、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、自動車のサンルーフから入射する外光による自動車用ディスプレイの視認性低下を防止することを目的としている。
【0004】
特許文献2で開示された技術も、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車用ディスプレイの周囲の明るさを検出する光センサによって検出された明るさが、所定値よりも明るくなったときに、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、ディスプレイ周囲の照度に応じて、その自動車用ディスプレイの視認性が低下することを防止している。
【0005】
特許文献3で開示された技術も、自動車用ディスプレイの上部に収納および突出状態の間を自動的に動作する遮光用フードを具備している。そして、自動車のヘッドライト等を点灯させる操作に応答して、上記遮光用フードが突出状態に動作する。この技術は、ディスプレイに表示される画像が、フロントガラスに反射して映り込むことを防止する。
【0006】
【特許文献1】
実開昭58−60541号公報
【特許文献2】
実開昭58−60542号公報
【特許文献3】
実開昭58−60543号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した画像の輝度を調整することによって、画面の視認性を改善する技術は、車載表示装置の周辺が非常に明るい状況の場合、当該車載表示装置に表示される映像を視認するのが困難であり、改善効果が不足している。
【0008】
また、上記特許文献1〜3に開示された技術は、何れもディスプレイに対して上部方向の遮光を行うものであり、上部方向以外の遮光に対しては効果を得られない。例えば、自動車内に設けられる場合、外光が入射する方向は、その自動車の進行方向や時刻等によって様々であり、上部だけの遮光だけでは十分でない場合がある。さらに、上記特許文献1〜3に開示された技術は、CRT等によって構成されるディスプレイの奥行きスペースを利用して遮光フードを収納しており、現在車載用ディスプレイの主流である液晶ディスプレイ等の奥行きスペースが少ない表示装置に対して適用できない。つまり、上記特許文献1〜3に開示された技術は、それ自体の設置スペースが大きな表示装置に具備することを前提としており、遮光フードを収納するために大きなスペースが必要であるため、省スペース性を考慮した表示装置には適用が困難であった。また、車載用ディスプレイを遮光するための装置を、常に遮光する状態にして設置することも考えられるが、この場合車内空間に常に突出することとなるため、乗員の邪魔になることが考えられる。
【0009】
それ故に、本発明の目的は、省スペース性が考慮された車載用表示装置に対して、必要に応じて遮光を行う遮光装置および車載表示システムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施の形態との対応関係を例示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0011】
第1の発明は、自動車の車内に設置された表示装置(9)に入射する外光を遮光するための遮光装置(1)であって、自動車の車内または車外周辺の明るさを検出する明るさ検出部(13)と、外光を遮光する面積(遮光部材121〜124の側面、遮光シート128のシート面)を伸張することによって表示装置を遮光する遮光状態およびこの面積を縮退した収納状態にそれぞれ動作可能に設けられる複数の遮光部(12)と、明るさ検出部が検出した明るさ(明るさ検出データLD)に応じて、遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作させる制御部(11)とを備える。
【0012】
上記第1の発明によれば、自動車の車内あるいは車外の明るさに応じて、遮光部が表示装置へ入射する外光を遮光したり遮光を解除したりする。これによって、表示装置の周辺が明るい場合に遮光部を遮光状態に動作させることによって。表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光部は、外光を遮光するための面積を縮退させた収納状態となるため、遮光が不要な場合に乗員の邪魔にならず、省スペース性が考慮された表示装置に対しても、適所に設置することができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、遮光部(12aおよび12b)は、少なくとも表示装置の左右にそれぞれ設置される。
【0014】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、遮光部(12c)は、自動車の窓にそれぞれ設置される。
【0015】
上記第2および第3の発明によれば、表示装置に対する遮光において、適切な配置位置に遮光部を設置することができる。
【0016】
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、明るさ検出部は、複数の方向から入射する外光をこれら方向に応じて明るさを検出し、制御部は、明るさ検出部が検出した方向および明るさに応じて、この方向からの外光を遮光する遮光部を動作させる。
【0017】
上記第4の発明によれば、表示装置に対して最も適切な遮光部を遮光状態に動作させることができる。
【0018】
第5の発明は、第1の発明に従属する発明であって、制御部は、予め遮光開始値とこの遮光開始値未満の遮光解除値とを設定し、明るさ検出部が検出した明るさがこの遮光開始値以上(S1)のとき遮光部を遮光状態に動作させ、明るさ検出部が検出した明るさがこの遮光解除値以下(S2)のとき遮光部を収納状態に動作させる。
【0019】
上記第5の発明によれば、遮光解除値〜遮光開始値の範囲において制御部が遮光部を動作させる不動帯となるため、明るさ検出部が検出した明るさの変化に応じて、遮光部が頻繁に動作することを防止することができる。
【0020】
第6の発明は、第1の発明に従属する発明であって、現在の日時を検出する時刻検出部(14)と、自動車の現在地の緯度および経度を検出する緯度経度検出部(15)と、自動車の現在の方向を検出する方向検出部(16)とを、さらに備え、制御部は、時刻検出部が検出した日時(時刻データTD)、緯度経度検出部が検出した緯度および経度(緯度経度データID)、および方向検出部が検出した自動車の方向(車両方向データDD)とを用いて、現在の自動車の方向(Wc)に対する太陽光の入射方向(Ws−c)を演算し、この入射方向に応じて(S4、S5)遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作(S6〜S8)させる。
【0021】
上記第6の発明によれば、太陽光の入射方向に応じて遮光部を動作させるので、表示装置の視認性に対して常に適切な状態に保つことができる。
【0022】
第7の発明は、第6の発明に従属する発明であって、時刻検出部、緯度経度検出部、および方向検出部は、自動車が走行予定の経路案内するナビゲーション装置によって構成され、制御部は、入射方向を経路案内の情報に基づいて予測し、この予測された入射方向に応じて遮光部をそれぞれ遮光状態および収納状態の一方に動作させる。
【0023】
上記第7の発明によれば、予測される太陽光の方向に応じて、遮光部を動作させるので、表示装置の視認性に対してより快適な遮光が実現可能である。
【0024】
第8の発明は、第1の発明に従属する発明であって、明るさ検出部は、光センサである。
【0025】
上記第8の発明によれば、容易に明るさ検出部を構成することができる。また、光センサは、車両に予め設置されている場合があり、この光センサを用いることも可能である。
【0026】
第9の発明は、第1の発明に従属する発明であって、表示装置は、液晶ディスプレイで構成される。
【0027】
上記第9の発明によれば、省スペース性が考慮された液晶ディスプレイに適用可能であり、車内のフロントパネル、天井部、あるいはヘッドレスト等に実装された液晶ディスプレイであっても、適所に遮光部を設置することが可能である。
【0028】
第10の発明は、上記第1乃至第9の発明のいずれかに記載された遮光装置と、表示装置とを備える、車載表示システムである。
【0029】
上述した遮光装置とその遮光装置によって遮光される表示装置とを備える車載表示システムでも、上記第1〜第9の発明と同様の効果が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る遮光装置について説明する。当該遮光装置は、自動車内に設置される車載表示装置の表示面を外光から遮光するものである。例えば、上記車載表示装置は、運転席近傍に設けられるカーナビゲーションやリアシートのヘッドレストや天井部等に設けられるエンターテイメントシステムのための映像表示用のディスプレイであり、液晶ディスプレイ等の省スペース性が考慮されたものである(以下、単に表示装置と記載する)。表示装置は、液晶ディスプレイの他に、プラズマ、有機EL、CRT等の直接映像を表示するディスプレイや、投射型および反射型のディスプレイ等でもかまわない。以下、図1を参照して、第1の実施形態に係る遮光装置1aの構成について説明する。なお、図1は、当該遮光装置1aの構成を示す機能ブロック図である。
【0031】
図1において、遮光装置1aは、制御部11a、遮光部12、および明るさ検出部13を有しており、表示装置9と共に自動車内に設置される。明るさ検出部13は、明るさ(照度)を検出した結果を明るさ検出データLDとして制御部11aへ出力する。明るさ検出部13は、代表的には、光センサで構成されるが、これに限られるものではなく、表示装置9あるいは自動車周辺の明るさを検出できる任意の手段を用いてもよい。例えば、設置される自動車のヘッドライトのスイッチの操作によって、当該スイッチがONされた場合に、「明るさが暗い」とした明るさ検出データLDをしてもよい。また、時刻情報から判定した結果(昼間は明るさが明るく、夜は暗い)を明るさ検出データLDとしてもよい。さらに、明るさ検出部13を光センサで構成する場合、当該光センサは、正確に表示装置9が有する表示面付近の明るさを検出するために表示装置9の近傍に設置される。しかしながら、上記光センサは、後述する遮光部12によって遮光されない箇所に設置することが必要があり、遮光部12の設置箇所に応じて自動車外に設置することもある。これらの設置条件を満足するものであれば、自動車に予め設置されている光センサを利用してもかまわない。
【0032】
制御部11aは、CPU(中央演算装置)およびそのCPUが処理のために利用する記憶領域としての記憶部で構成される。制御部11aは、明るさ検出部13から出力された明るさ検出データLDに応じて、遮光部12の動作を制御する。遮光部12は、制御部11aの制御に応じて、表示装置9に対する遮光を行う。遮光部12は、表示装置9に対して入射する特定の方向からの外光を遮光するものである。遮光部12は、表示装置9に対して、少なくとも左方向および右方向からの外光を遮光し、さらに、正面や上方向等他の方向を遮光してもよい。
【0033】
図2〜図5を参照して、遮光部12の構造の一例について説明する。なお、図2は表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが収納された状態(遮光解除状態)を示す斜視図であり、図3は遮光部12aおよび12bが突出した状態(遮光状態)を示す斜視図であり、図4は遮光部12が突出した状態を示す側面図および正面図であり、図5は遮光部12が突出した状態を示す図4(b)の断面D−DをD方向から見た断面図である。なお、遮光部12の実施例は、これに限定されるものではなく、収納状態と突出状態とを自動的に変更できるような任意の形態で実現可能である。
【0034】
遮光部12は、大略的には、複数の遮光部材(図2〜図5の一例では4つの遮光部材121〜124)を組み合わせることによって構成される。遮光部材121〜124は、プラスティック、木材、金属、ゴム、ウレタン、発泡スチロール、羊毛、木綿、および紙等の平板状態を保つことが可能である材質で構成される。また、遮光部材121〜124は、安全性が必要な場所に設置される場合、やわらかい物質や、強い衝撃力が加わると容易に壊れるような材質が好ましい。
【0035】
遮光部材121〜123はそれぞれ枠体であり、遮光部材121の中空空間に遮光部材122が開口方向に移動可能に嵌合し、遮光部材122の中空空間に遮光部材123が開口方向に移動可能に嵌合する。遮光部材124は平板であり、遮光部材123の中空空間に嵌合し、その開口方向に移動可能に設けられる。そして、最も外形寸法が大きい遮光部材121は、その一方側面が表示装置9に固設される。なお、図2および図3では表示装置9の左右側面に一対の遮光部12aおよび12bが設けられており、それぞれの遮光部材121aおよび121bの一方側面が表示装置9に固設されている。
【0036】
遮光部12が収納状態(遮光解除状態)の場合、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123の中空空間内に収納される(図2の状態)。つまり、遮光部12は、遮光部材121〜123によって形成される外光を遮光する面積を縮退させることによって収納状態となる。また、遮光部材122〜124における上記移動可能方向の部材長さを、遮光部材121における開口方向の部材長さ以下に設定することによって、遮光部12の収納状態における大きさは、遮光部材121の枠体外形寸法となり、省スペース性が考慮された表示装置9に対しても適所に設置することができる。
【0037】
遮光部12が突出状態(遮光状態)の場合、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123の中空空間からそれぞれ最も突出した状態となる(図3の状態)。つまり、遮光部12は、遮光部材121〜123によって形成される外光を遮光する面積を伸張させることによって表示装置を遮光する遮光状態となる。また、遮光部材122〜124は、それぞれが嵌合している外側の遮光部材121〜123に対して、紙面右方向にそれぞれの係止片(後述)が当接するまで移動し、それぞれの上記移動可能長さだけ突出した状態で、表示装置9を遮光する。
【0038】
次に、遮光部12を上記収納状態および突出状態に変化させる機構について説明する。図4において、上記機構は、可動棒125および可動棒125を回動させる回動機構126とを備えている。可動棒125は、その一方端付近を回転軸として、回動機構126によって図示A方向および反A方向に回動可能に付設されている。可動棒125の他方端付近には、摺動部材が付設されている。遮光部材124の一方側面には、上記移動可能方向と垂直(紙面上下方向)にレール124eが付設され、可動棒125の摺動部材はレール124eに沿って移動可能となっている。また、遮光部材123の正面部には、可動棒125との干渉を防止するために逃がし穴123hが形成されている。そして、回動機構126は、遮光部材121に固定されている。このような構成によって、可動棒125は、その一方端付近が回動機構126の回転軸に固設され、遮光部材121〜123の中空空間および逃がし穴123hを通って、その他方端付近に設けられた摺動部材とレール124eとが連結する。そして、回動機構126が図示A方向に可動棒125を回動させた場合、可動棒125の摺動部材がレール124eに沿って図示B方向に摺動しながら、遮光部材124が図示C方向(突出方向)に移動する。また、回動機構126が可動棒125を逆方向(反A方向)に回動させた場合、上記摺動機構および遮光部材124はそれぞれ逆の方向(つまり収納方向)に動作する。
【0039】
図5において、遮光部材121〜123の突出方向(図示右方向)の端部には、それぞれ中空空間側に突出した内側係止片121s〜123sが形成されている。また、遮光部材122〜124の収納方向(図示左方向)の端部には、それぞれの嵌合面から外方向に突出した外側係止片122t〜124tが形成されている。つまり、遮光部材122〜124は、それぞれに形成された外側係止片122t〜124tと、それぞれが嵌合する遮光部材121〜123に形成された内側係止片121s〜123sとが当接して、互いに上記突出方向へ追動する。したがって、上述したように回動機構126の回動によって、遮光部材124が図示C方向に移動した場合、他の遮光部材122〜123は、外側係止片122t〜124tおよび内側係止片121s〜123sがそれぞれ当接することによって、遮光部材124に従動して図示C方向へ移動する。そして、全ての外側係止片122t〜124tおよび内側係止片121s〜123sが当接した場合、遮光部材122〜124は、最も遮光部材121から突出した遮光状態となる。なお、遮光部12の収納方向への動作についても、逆方向に同様の作用を及ぼす片を遮光部材122〜124に形成することによって実現できるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
図1に戻り、遮光装置1aの動作について説明する。明るさ検出部13は、明るさを検出した結果を明るさ検出データLDとして出力し、制御部11aに入力する。制御部11aは、現在の遮光部12が遮光状態であるか否かを管理し、明るさ検出データLDに基づいて遮光部12の動作を制御している。図6は、制御部11aが行う遮光部12の動作制御の一例であり、遮光部12の動作が遮光状態のとき実線で示し、遮光部12の動作が収納状態のとき破線で示している。
【0041】
図6において、制御部11aは、明るさ検出データLDに対して遮光開始値および遮光解除値を設定する。ここで、遮光開始値は制御部11aが遮光部12に対して遮光する指示を与える閾値であり、遮光解除値は制御部11aが遮光部12に対して遮光を解除する指示を与える閾値である。そして、遮光開始値≠遮光解除値であり、遮光開始値は、遮光解除値と比較して明るさ検出データLDが示す明るさにおいて相対的に明るい値(つまり、照度で定義した場合、遮光開始値>遮光解除値)に設定される。
【0042】
制御部11aは、遮光部12が収納状態で、かつ明るさ検出データLDが遮光開始値を超えた場合、遮光部12に対して遮光を開始する指示を行う(図6に示す「遮光開始」ポイント)。制御部11aは、遮光部12を遮光状態にする場合、上述した回動機構126を図示A方向(図4参照)に回動させる。一方、制御部11aは、遮光部12が遮光状態で、かつ明るさ検出データLDが遮光解除値を下回った場合、遮光部12に対して遮光を解除する指示を行う(図6に示す「遮光解除」ポイント)。制御部11aは、遮光部12を収納状態にする場合、上述した回動機構126を図示反A方向に回動させる。つまり、遮光解除値〜遮光開始値の範囲は、遮光部12の状態に応じた不動帯であり、明るさ検出データLDの変化に応じて、遮光部12が頻繁に動作することを防止することができる。
【0043】
このように、第1の実施形態に係る遮光装置によれば、周辺が明るく表示装置が見にくい場合には、遮光部が周辺から表示装置へ入射する外光を遮光する。また、周辺が暗く遮光が不要な場合には、遮光部による遮光を解除する。これによって、周辺が明るい場合でも表示装置に表示された映像の視認が容易となる。また、遮光を解除した遮光部は、外光を遮光するための面積を縮退させた収納状態となるため、遮光が不要な場合に乗員の邪魔にならず、省スペース性が考慮された表示装置に対しても、適所に設置することができる。
【0044】
なお、遮光装置1aに複数の明るさ検出部13を設け、それぞれ異なる方向からの明るさを検出してもかまわない。この場合、制御部11aが「明るい」と検出した方向に対して、適切な遮光部12(例えば、遮光部12aのみ)を遮光状態に制御すれば、外光の方向に応じて適切な遮光が可能となる。
【0045】
また、遮光部12を動作させる機構として可動棒125および回動機構126を用いた一例を説明したが、ワイヤで遮光部材を巻き取る等の他の機構によっても実現可能であり、任意の可動機構により実現可能である。また、遮光部材の数も4つに限定されないことは言うまでもない。また、同じ大きさの遮光板によっても実現でき、同様の可動機構で実現可能である。さらに、他の遮光部の実現方法としては、アコーディオンのように折りたたまれた遮光板を展開する方法や、収納および突出状態とを伸縮によって変更できる棒状の構造物に柔らかい繊維状の布を付設し、当該構造物を伸ばすことで遮光状態にする方法や、エアバックのように空気をいれると膨らむ構造を有する遮光部材を用いて、当該遮光部材に空気を入れることで遮光状態にする方法等、任意の方法が考えられる。また、遮光部12は、表示装置9への少なくとも1つの方向からの光を遮光できるような構成であれば、任意の形状(三角、丸、四角、多角形等)および素材(金属、木材、プラスティック、布、紙、合成繊維等)を用いることができる。いずれにおいても、遮光部は、外光を遮光する面積を伸張することによって表示装置を遮光する遮光状態およびその面積を縮退した収納状態にそれぞれ動作可能に設けられる。
【0046】
また、遮光部12は、表示装置9の近傍に設けなくてもよい。例えば、表示装置9が設置された車両の窓に遮光部12を設けてもかまわない。図7は遮光部12cが車両の窓Wに設置された一例を示す図であり、図7(a)は遮光部12cの収納状態を示し、図7(b)は遮光部12cの遮光状態を示している。
【0047】
図7において、遮光部12cは、大略的には、レール127および遮光シート128によって構成されている。遮光シート128は、例えば繊維状の布等のカーテン状の素材で構成される。そして、遮光シート128は、レール127が有する複数の支持部材(図示せず)によって、その上部が吊設される。レール127は、車両の窓Wの上辺近傍に、その長軸方向が当該窓Wの上辺と略平行に固設される。レール127の上記支持部材は、それぞれレール127に沿って移動可能に設けられ、図示しない可動機構の動作によりレール127に沿って移動する。そして、制御部11aは、上記可動機構の動作を制御する。
【0048】
図7(a)において、遮光部12cを収納状態にする場合、制御部11aは、上記可動機構を制御して、レール127の全ての支持部材をレール127の一方端付近に移動させる。これによって、遮光シート128は、支持部材の動作と従動してレール127の一方端に寄せられ、遮光部12cの収納状態となる。つまり、遮光部12cは、外光を遮光する遮光シート128の面積を縮退させることによって収納状態となる。なお、図7(a)は、遮光シート128がレール127の左端に寄せられ、窓Wに対する遮光が解除された状態を示している。
【0049】
図7(b)において、遮光部12cを遮光状態にする場合、制御部11aは、上記可動機構を制御して、レール127の支持部材をそれぞれレール127の他方端側に移動させる。これによって、遮光シート128は、それぞれ支持部材の動作と従動してレール127の他方端側に移動し、遮光部12cの遮光状態となる。つまり、遮光部12cは、外光を遮光する遮光シート128の面積を伸張させることによって表示装置を遮光する遮光状態となる。なお、図7(b)は、遮光シート128がレール127の右端側に広がって、窓Wが遮光された状態を示している。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態に係る遮光装置について説明する。当該遮光装置は、第1の実施形態に係る遮光装置1aと比較して、さらに、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16を備えており、制御部11aの動作が異なる。他の構成部については、第1の実施形態に係る遮光装置1aと同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。以下、図8を参照して、第2の実施形態に係る遮光装置1bの構成について説明する。なお、図8は、当該遮光装置1bの構成を示す機能ブロック図である。
【0051】
図8において、遮光装置1bは、制御部11b、遮光部12、明るさ検出部13、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16を有しており、表示装置9と共に自動車内に設置される。明るさ検出部13は、第1の実施形態と同様に構成され、明るさ(照度)を検出した結果を明るさ検出データLDとして制御部11bへ出力する。
【0052】
時刻検出部14は、現在の年月日および時刻を表す時刻データTDを制御部11bへ出力する。緯度経度検出部15は、現在の車両が位置する緯度および経度を示す緯度経度データIDを制御部11bへ出力する。方向検出部16は、現在の車両の方向を検出し、車両方向データDDとして制御部11bへ出力する。例えば、時刻検出部14、緯度経度検出部15、および方向検出部16は、GPS(Global Positioning System)装置やカーナビゲーション装置として構成し、それらの装置から時刻データTD、緯度経度データIDを取得、および車両方向データDDを取得することも可能である。また、緯度経度検出部15および方向検出部16は、GPS装置のGPS情報やカーナビゲーション装置のジャイロおよび地図情報を組み合わせて車両の現在地および方向を得る方法が考えられるが、これらに限定されず方位磁石を用いる方法など任意の方法で実現可能である。
【0053】
制御部11bは、方角を処理するデータとして、例えば、図9に示すような方角「北」を0°とした方向角度データWを用いる。すなわち、方向角度データWは、方角「北」をW=0°、方角「東」をW=90°、方角「南」をW=180°、方角「西」をW=270°で示す。そして、制御部11bは、車両方向データDDに応じた方向角度データWを、方向角度データWcとして処理する。例えば、方向角度データWc=135°の場合、車両は方角「南東」に向いていることになる。なお、方向角度データWは、上記に限られるものではなく、方角を表記できる任意の方法を用いてもかまわない。
【0054】
また、制御部11bは、時刻データTDおよび緯度経度データIDを用いて現在の太陽の位置(方角)を演算する。太陽の位置の演算方法としては、対応表によって実現する方法等が考えられるが、所定の計算式によって算出する方法でも実現可能である。また、遮光装置1bが他のサーバ装置と通信可能で有る場合、通信可能なサーバ装置に問い合わせて太陽の位置を取得することも可能である。制御部11bは、上記太陽の位置を、方向角度データWsとして処理する。この方向角度データWsも、方角「北」を0°とした方向角度データWと同様に基準で定義される。
【0055】
次に、図10を参照して、制御部11bが遮光部12を制御する動作について説明する。なお、図10は、制御部11bが遮光部12を制御する動作を示すフローチャートである。以下の説明においては、説明を具体的にするために、遮光部12が図2〜図5を用いて説明した表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bで構成されているものとする。
【0056】
図10において、制御部11bは、明るさ検出部13から入力した明るさ検出データLDが遮光開始値(図6参照)以上か否かを判断する(ステップS1)。そして、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光開始値以上の場合、処理を次のステップS4に進め、明るさ検出データLDが遮光開始値未満の場合、処理を次のステップS2に進める。
【0057】
ステップS2では、制御部11bは、明るさ検出部13から入力した明るさ検出データLDが遮光解除値(図6参照)以下か否かを判断する。そして、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光解除値以下の場合、処理を次のステップS6に進め、明るさ検出データLDが遮光解除値を超えている場合、処理を次のステップS3に進める。
【0058】
ステップS3では、制御部11bは、遮光部12aおよび12bのいずれか一方が遮光状態であるか否かを判断する。そして、そして、制御部11bは、遮光部12aおよび12bのいずれか一方が遮光状態である場合、処理を次のステップS4に進め、遮光部12aおよび12bが共に収納状態である場合、処理を次のステップS6に進める。
【0059】
上記ステップS1〜S3では、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光開始値以上、または遮光部12が遮光状態でかつ明るさ検出データLDが遮光解除値〜遮光開始値の範囲である場合、ステップS4の処理を実行する。一方、制御部11bは、明るさ検出データLDが遮光解除値以下、または遮光部12が収納状態でかつ明るさ検出データLDが遮光解除値〜遮光開始値の範囲である場合、ステップS6の処理を実行する。つまり、制御部11bは、上記ステップS1〜S3において、上記第1の実施形態の動作と同様に現在の遮光部12の状態および明るさ検出データLDに基づいて、遮光部12の動作を制御している。
【0060】
ステップS4では、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cを、現在の方向角度データWsとWcとの差Ws−Wcによって演算し、90°<Ws−c≦180°か否かを判断する。なお、制御部11bは、Ws−c<0°の場合、Ws−c=Ws−c+360°とする。そして、制御部11bは、90°<Ws−c≦180°の場合、処理を次のステップS8に進め、Ws−c≦90°あるいは180°<Ws−cの場合、処理を次のステップS5に進める。
【0061】
ステップS5では、制御部11bは、現在の方向角度データWsとWcとの差Ws−cが、180°<Ws−c<270°か否かを判断する。そして、制御部11bは、180°<Ws−c<270°の場合、処理を次のステップS7に進め、Ws−c≦90°あるいは270°≦Ws−cの場合、処理を次のステップS6に進める。
【0062】
ステップS6では、制御部11bは、遮光部12aおよび12bに対して共に遮光を解除する指示を行い、遮光部12aおよび12bを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。
【0063】
一方、ステップS7では、制御部11bは、表示装置9に対して左側に設けられている遮光部12aに対して遮光する指示を行い、遮光部12aを遮光状態にする。そして、制御部11bは、表示装置9に対して右側に設けられている遮光部12bが遮光状態である場合、遮光部12bに対して遮光を解除する指示を行い、遮光部12bを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。
【0064】
また、ステップS8では、制御部11bは、表示装置9に対して右側に設けられている遮光部12bに対して遮光する指示を行い、遮光部12bを遮光状態にする。そして、制御部11bは、表示装置9に対して左側に設けられている遮光部12ba遮光状態である場合、遮光部12aに対して遮光を解除する指示を行い、遮光部12aを収納状態にする。そして、処理を次のステップS9に進める。上記ステップS6〜S8で制御部11bが遮光部12aおよび12bに対して行う制御および遮光部12aおよび12bの動作については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0065】
上記ステップS4〜S8では、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cがWs−c≦90°あるいは270°≦Ws−cの場合、遮光部12aおよび12bを共に収納状態にする。これは、自車両の正面に対して太陽が左右90°の範囲に位置しているときであり、自車両の前方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対する遮光を行わないことを示している。また、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cが180°<Ws−c<270°の場合、遮光部12aのみを遮光状態にする。これは、自車両の左後方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対して左側から入射する外光を遮光することを示している。さらに、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cが90°<Ws−c≦180°の場合、遮光部12bのみを遮光状態にする。これは、自車両の右後方に太陽が位置しているときには、表示装置9に対して右側から入射する外光を遮光することを示している。つまり、制御部11bは、搭載される車両に対する太陽の位置に応じて、適切な遮光状態になるように遮光部12の動作を制御している。そして、上述したステップS1〜S3の動作と合わせると、制御部11bは、周辺の明るさおよび太陽の位置に応じて、適切な遮光状態になるように遮光部12の動作を制御していることになる。
【0066】
なお、上記ステップS4およびS5で設定した角度Ws−cは、これらに限定されず、それぞれ右側および左側の範囲を含む角度であれば任意の角度に設定してもかまわない。また、上記ステップS4およびS5については、遮光開始角度と遮光解除角度とを別に設けて制御してもよい。つまり、遮光解除状態から遮光状態への遷移には、遮光開始角度の範囲に入ったときに、遮光状態から遮光解除状態への遷移には遮光解除角度の範囲に入ったときに遮光部12が動作する制御を行う。例えば、上記ステップS4での一例としては、遮光開始角度をWs−c=90°〜180°とし、遮光解除角度をWs−c=0°〜45°および225°〜360°と設定する。上記角度の具体的な数値は、これらに限定されるものではなく、全体から遮光範囲角度を除いた範囲が、遮光解除角度を含んでそれより広い範囲になるように設定すればよい。このように設定することによって、頻繁に遮光部12が動作することを防止することができる。
【0067】
ステップS9では、制御部11bは、遮光制御動作を継続するか否かを判断する。例えば、制御部11bは、表示装置9の電源がONされているか否か等によって、その動作継続を判断する。そして、制御部11bは、遮光制御動作を継続する場合、上記ステップS1に戻って処理を継続し、遮光制御動作を終了する場合、当該フローチャートによる処理を終了する。
【0068】
なお、上記ステップS6〜S8の動作によって遮光状態から収納状態または収納状態から遮光状態に変更するときに、状態が変更されてから所定時間(例えば1分)以内の場合はその状態を変更しないようにしてもかまわない。これによって、遮光部12が頻繁に遮光および収納状態に変化して動作することを防止することができる。
【0069】
このように第2の実施形態に係る遮光装置によれば、表示装置の周辺が明るい場合、その外光の入射方向に応じて当該表示装置への外光を遮光するので、表示装置の視認性に対して常に適切な状態に保つことができる。
【0070】
なお、上述した説明では、左右の遮光部12aおよび12bを独立して遮光状態または収納状態に制御する方法を示したが、それぞれの遮光部12aおよび12bの遮光状態を複数段階に分けて制御してもかまわない。例えば、制御部11bが回動機構126(図4参照)の回転角度を複数段階に制御することによって、遮光部12の遮光面積を制御することができる。この場合、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cに応じて、上記制御動作に加えて回動機構126の回転角度の制御を行うことによって、上記遮光面積を制御することができる。また、制御部11bは、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cに応じて、左右の遮光部12aおよび12bの双方が共に遮光するように制御してもかまわない。
【0071】
また、カーナビゲーション装置から得られる情報を用いて、自車両の向きに対する太陽の相対的な角度Ws−cを事前に予測して制御するような構成としてもかまわない。例えば、カーナビゲーション装置では、進路案内の情報を用いればこれから走行する道路の向きがわかるので、事前に相対的な角度Ws−cの変化を予測して対応する遮光部12を遮光状態にしておくというような制御も可能であり、より快適な遮光が実現可能である。
【0072】
また、遮光装置1bは、緯度経度検出部15を備えていなくてもかまわない。この場合、制御部11bは、時刻検出部14および方向検出部16から入力される時刻データTDおよび車両方向データDDを用いて、外光の入射方向を検出し、遮光部12aおよび12bによりその方向の光を遮光する。
【0073】
また、遮光装置1bが有するそれぞれの構成部は、1つの装置としてなくてもかまわない。例えば、それぞれの構成部が異なる位置に搭載されるような構成でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0074】
また、第2の実施形態で説明した制御方法は、これらに制限されるものではない。時刻情報および緯度経度情報を組み合わせて太陽光の方向を検出し、検出した自車両向きから外光が入射する方向を算出し、その方向に応じて遮光するような制御であれば任意の構成および制御を用いることで同様の効果が得られる。
【0075】
また、太陽入射方向は、時刻および緯度経度から計算するとしたが他の方法によって情報を取得してもかまわない。例えば、遮光装置に備えられた通信手段を用いて上記情報を入手してもよく、この場合も同様の効果が得られる。上記通信手段は、携帯電話、PHS、無線LAN、VICS(光ビーコン、電波ビーコン、FM)、DSRC、およびFM/AMラジオ等の任意の手段を用いることができる。例えば、時々刻々変化する太陽の入射角度を提供するホームページがインターネット上に公開されていれば、上記通信手段を用いてその公開先にアクセスして上記情報を入手するような方法が可能である。自車位置をある程度の精度で伝えることで、正確な入射角度が入手できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る遮光装置1aの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが収納された状態(遮光解除状態)を示す斜視図である。
【図3】図1の表示装置9の左右に設けられた遮光部12aおよび12bが突出した状態(遮光状態)を示す斜視図である。
【図4】図1の遮光部12が突出した状態を示す側面図および正面図である。
【図5】図4(b)の断面D−DをD方向から見た遮光部12の断面図である。
【図6】図1の制御部11aが行う遮光部12の動作制御の一例である。
【図7】図1の遮光部12が車両の窓Wに設置された一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る遮光装置1bの構成を示す機能ブロック図である。
【図9】方向角度データWを説明するための図である。
【図10】図8の制御部11bが遮光部12を制御する動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…遮光装置
11…制御部
12…遮光部
121〜124…遮光部材
125…可動棒
126…回動機構
127…レール
128…遮光シート
13…明るさ検出部
14…時刻検出部
15…緯度経度検出部
16…方向検出部
9…表示装置
Claims (10)
- 自動車の車内に設置された表示装置に入射する外光を遮光するための遮光装置であって、
前記自動車の車内または車外周辺の明るさを検出する明るさ検出部と、
外光を遮光する面積を伸張することによって前記表示装置を遮光する遮光状態および当該面積を縮退した収納状態にそれぞれ動作可能に設けられる複数の遮光部と、
前記明るさ検出部が検出した明るさに応じて、前記遮光部をそれぞれ前記遮光状態および前記収納状態の一方に動作させる制御部とを備える、遮光装置。 - 前記遮光部は、少なくとも前記表示装置の左右にそれぞれ設置されることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。
- 前記遮光部は、前記自動車の窓にそれぞれ設置されることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。
- 前記明るさ検出部は、複数の方向から入射する外光を当該方向に応じて明るさを検出し、
前記制御部は、前記明るさ検出部が検出した前記方向および明るさに応じて、当該方向からの外光を遮光する遮光部を動作させることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。 - 前記制御部は、予め遮光開始値と当該遮光開始値未満の遮光解除値とを設定し、前記明るさ検出部が検出した明るさが当該遮光開始値以上のとき前記遮光部を前記遮光状態に動作させ、前記明るさ検出部が検出した明るさが当該遮光解除値以下のとき前記遮光部を前記収納状態に動作させることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。
- 現在の日時を検出する時刻検出部と、
前記自動車の現在地の緯度および経度を検出する緯度経度検出部と、
前記自動車の現在の方向を検出する方向検出部とを、さらに備え、
前記制御部は、前記時刻検出部が検出した日時、前記緯度経度検出部が検出した緯度および経度、および前記方向検出部が検出した前記自動車の方向とを用いて、現在の自動車の方向に対する太陽光の入射方向を演算し、当該入射方向に応じて前記遮光部をそれぞれ前記遮光状態および前記収納状態の一方に動作させることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。 - 前記時刻検出部、前記緯度経度検出部、および前記方向検出部は、前記自動車が走行予定の経路案内するナビゲーション装置によって構成され、
前記制御部は、前記入射方向を前記経路案内の情報に基づいて予測し、当該予測された入射方向に応じて前記遮光部をそれぞれ前記遮光状態および前記収納状態の一方に動作させることを特徴とする、請求項4に記載の遮光装置。 - 前記明るさ検出部は、光センサであることを特徴とする、請求項1記載の遮光装置。
- 前記表示装置は、液晶ディスプレイで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の遮光装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載された遮光装置と、
前記表示装置とを備える、車載表示システム。
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