JP2005020986A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 整流回路部分を小型化すると共に、位置センサを用いた構成および位置センサレスの構成のいずれの構成でも対応することが可能な小型で信頼性の高いモータ制御装置を提供すること。
【解決手段】 本発明のモータ制御装置において、制御部は、インバータ回路への入力電圧と、ブラシレスモータに流れるモータ電流と、ブラシレスモータに流れるべき値を示すモータ電流指令値が入力され、インバータ回路への入力電圧値がブラシレスモータに印加すべき電圧値よりも小さい時に前記ブラシレスモータへの印加電圧の電圧位相を保持して、前記インバータ回路を制御する構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気調和機、冷蔵庫、洗濯機、送風機等が有するブラシレスモータをインバータ回路を用いて制御するためのモータ制御装置に関するものである。
図33はブラシレスモータを駆動する従来のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。以下の説明において、図33に示した従来のモータ制御装置を第1の従来技術とする。図33において、符号101は交流電源、符号102はインダクタ、符号103は整流ダイオード、符号104は平滑用コンデンサ、符号106はインバータ回路、符号107はブラシレスモータ、符号108は位置センサを示している。インバータ回路106に直流電力を入力するために、交流電源101からの交流電圧を、整流ダイオード103と平滑用コンデンサ104とを使用して直流電圧に変換した場合、交流電源101からの電流は平滑用コンデンサ104の電圧が入力交流電圧よりも小さい時にのみ流れる。このため、交流電源101からの電流は高調波成分を伴う電流となる。したがって、第1の従来技術においては、高調波成分を小さくして力率を改善するために、インダクタ102を交流電源101と整流ダイオード103との間に設けている。このように、第1の従来技術では整流回路105に整流ダイオード103のほかにインダクタ102と平滑用コンデンサ104が用いられている。また、ブラシレスモータ107をインバータ駆動する場合には、ロータの回転角度情報が必要である。このため、第1の従来技術においては位置センサ108を使用して回転角度を検出していた(例えば特許文献1参照)。
第1の従来技術において使用される整流回路105のインダクタ102や平滑用コンデンサ104は、インダクタンスあるいは静電容量の大きな大型の部品であることが多いため、従来のモータ制御装置は大型で高価格のものが多かった。モータ制御装置の分野において、装置の小型化や低コスト化の観点から、インダクタンスの小さいインダクタあるいは静電容量の小さなコンデンサといった、小型の部品を使用するか、あるいは、これらの部品を使用しない整流回路の構築が望まれていた。
そこで、第2の従来技術として図34に示すような、インダクタおよび平滑用コンデンサを使用しないモータ制御装置が提案されている。第2の従来技術においては平滑用コンデンサを用いていないため、インバータ回路106への入力電圧は直流ではなく、脈動を持った電圧波形となる。このような脈動を持った電圧がインバータ回路106に入力されると、インバータ回路106への入力電圧が低いとき、ブラシレスモータ107に印加したい所望の電圧をインバータ回路106において形成できない場合があった。第2の従来技術において、そのような所望の電圧が得られない場合には、ブラシレスモータ107に印加する電圧の位相を進ませるよう構成されている。このようにブラシレスモータ107に対する印加電圧の位相を進ませることによって、いわゆる弱め界磁状態にすることができるため、ブラシレスモータ107に必要な印加電圧を小さくすることが可能となる。したがって、第2の従来技術は、インバータ回路106への入力電圧が低いときでもブラシレスモータ107を駆動し続けることが可能な技術である。しかし、第2の従来技術において、インバータ回路106への入力電圧があらかじめ決められた値以下となった場合には、インバータ回路106のスイッチング動作を停止する構成であった。これは、弱め界磁状態でのモータ駆動にも限界があるためである。このように第2の従来技術はインバータ回路106への入力電圧があらかじめ決められた電圧値以下となった場合にはブラシレスモータ107へ電圧を印加しないよう構成した技術であった(例えば特許文献2参照)。
また、モータ制御装置においては、配線のワイヤレス化とコストの低減化の観点から、位置センサを使用しない装置が要望されている。そこで、第3の従来技術としてモータ電流を検出してブラシレスモータのロータ位置を推定する方法が提案されている。第3の従来技術は、モータ電流と、その時にブラシレスモータに印加した電圧値と、ブラシレスモータの抵抗値とインダクタンスなどのモータ定数とから、電圧方程式に基づいて導出される位相を推定する計算式より、モータのロータ位置を推定していた(例えば非特許文献1参照)。
特開平9−74790号公報(第1図) 特開平10−150795号公報(第3−5頁、第1図) 竹下、市川、李、松井、「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」、電気学会論文誌D、平成9年、第117巻、第1号、p.98−104
前述のように、第1の従来技術は、位置センサを使用してブラシレスモータのロータ位置を検出し、インダクタや平滑用コンデンサを使用してインバータ回路への入力電圧を直流電圧とするものである。したがって、インダクタや平滑用コンデンサはインダクタンスあるいは静電容量の大きな大型部品であるため、これらの部品を用いたモータ制御装置を小型化することは困難であった。
また、第2の従来技術は、位置センサを使用してブラシレスモータのロータ位置を検出するモータ制御装置であり、インダクタや平滑用コンデンサなどの大型部品を使用しない構成である。したがって、第2の従来技術は小型化や低コスト化の観点からは有効な技術である。しかし、第2の従来技術においては、インバータ回路への入力電圧が脈動するため、この入力電圧が所定値以下の低いときには、ブラシレスモータへの電圧の印加を停止させてしまうという問題があった。
したがって、インダクタや平滑用コンデンサを使用しない構成の第2の従来技術と、位置センサレスでモータを駆動するよう構成した第3の従来技術とを組み合わせて、小型化と低コスト化を図った位置センサレスのモータ制御装置を構築しようとした場合には、次のような問題がある。このような構成のモータ制御装置では、ブラシレスモータへの電圧印加を停止する期間においてはロータ位置を推定することができないため、位置センサレスでブラシレスモータを駆動することはできなかった。すなわち、単なる第2の従来技術と第3の従来技術との組み合わせではインバータ回路への入力電圧が脈動するモータ制御装置を位置センサレスで構築することは不可能であった。
本発明の目的は、整流回路部分を小型化すると共に、位置センサを用いた構成および位置センサレスの構成のいずれの構成でも対応することが可能な小型のモータ制御装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、インバータ回路の入力電圧が大きく脈動するものであっても、ブラシレスモータへの電圧の印加を停止させることなく位置センサレスで駆動することができるモータ制御装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明のモータ制御装置は、変動する電圧を入力とし、前記電圧を所望の電圧に変換してブラシレスモータへ出力するインバータ回路、および
前記インバータ回路への入力電圧と、前記ブラシレスモータに流れるモータ電流と、前記ブラシレスモータに流れるべき値を示すモータ電流指令値とが入力され、前記インバータ回路への入力電圧値が前記ブラシレスモータに印加すべき電圧値よりも小さい時に前記ブラシレスモータへの印加電圧の電圧位相を保持して、前記インバータ回路を制御する制御部、を具備するよう構成されている。このように構成された本発明のモータ制御装置は、インバータ回路の直流側電圧が低いときでもブラシレスモータへの電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加することができる。
本発明のモータ制御装置において、制御部を、ブラシレスモータの回転位相をモータ電流に基づいて推定するよう構成してもよい。このように構成することにより、ブラシレスモータのロータ位相情報が位置センサから得られないセンサレス駆動を行う場合においても、モータへの電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加できるので、モータの位相を推定でき、位置センサを使用しないで駆動することが可能となる。
本発明のモータ制御装置において、制御部を、インバータ回路の両端の電圧値がブラシレスモータに印加する電圧指令値よりも小さい時に前記制御部の積分制御を停止するよう構成してもよい。このように構成することにより、電流制御を行う制御器に不要な誤差を重畳しなくてよいため、モータ電流が不要に流れることがなく、位置センサレスの推定精度を向上させることができ、良好な制御を安定して行うことができるモータ制御装置を提供する。
本発明のモータ制御装置において、制御部を、非干渉項を有する計算式により電圧指令値を算出するよう構成してもよい。このように本発明のモータ制御装置は、フィードバック制御に非干渉項を有しているので、電流制御系の独立性を高め、位置センサレスの推定精度をさらに向上することができ、より安定して動作する。
本発明のモータ制御装置において、制御部を、インバータ回路の電圧を検出し、次の制御周期に印加される前記インバータ回路の電圧を推定して、前記インバータ回路を制御するよう構成してもよい。インバータ回路の入力電圧が大きく脈動する場合には、特にインバータ回路の制御周期が長いと検出結果と実際の電圧に誤差が発生する。しかし、制御部が、検出されたインバータ回路の電圧により、次の制御周期に印加されるインバータ回路の電圧を推定して制御するよう構成されているため、インバータ回路の入力電圧を高精度で推定することができる。この結果、本発明によれば、より精度の高い電圧をブラシレスモータに印加することができ、さらに良好なモータ制御装置を提供することができる。
本発明のモータ制御装置において、インバータ回路の入力側に静電容量の小さいコンデンサを有するよう構成してもよい。このように構成された本発明のモータ制御装置は、モータ側からの回生電流がコンデンサに流れ込むようになるため、その回生電流に起因してインバータ主回路の入力側電圧が異常に上昇することを防ぐことができ、過電圧から保護する機能を有する安全な装置となる。
本発明のモータ制御装置において、インバータ回路の入力側にインダクタンスの小さいインダクタを有するよう構成してもよい。このように構成された本発明のモータ制御装置は、電流波形が滑らかになるため高調波成分を除去することができ、より電源利用率の高い装置となる。
本発明のモータ制御装置において、インダクタとダイオードとスイッチング素子とコンデンサとを有する昇圧回路、および
前記昇圧回路を制御する昇圧回路制御部をさらに具備し、
前記昇圧回路制御部は、前記スイッチング素子のデューティー値を前記制御部からの信号に基づいて決定するよう構成してもよい。このように構成された本発明のモータ制御装置は、インバータ回路の入力側電圧を昇圧回路において昇圧できる構成であるため、ブラシレスモータの最大回転数が上昇し、より広い駆動回転数の範囲で運転できるモータ制御装置となる。
本発明のモータ制御装置において、昇圧回路制御部は、検出された交流電源の位相および交流電流値が入力されるよう構成されており、検出された位相と制御部からの制御信号とに基づいて交流電流指令値を出力する交流電流指令部、および
前記交流電流指令値と検出された交流電源の交流電流とに基づいて前記スイッチング素子を駆動するPWM指令値を形成して出力するPWM指令作成部、を有するよう構成してもよい。このように構成された本発明のモータ制御装置は、電源系統に悪影響を及ぼさない装置となる。
本発明のモータ制御装置において、変動する電圧が入力されるインダクタと、整流回路を構成する複数のダイオードと、前記整流回路に接続されオンオフ動作するスイッチング素子と、昇圧された電圧を出力するコンデンサとを有する昇圧回路、および
前記昇圧回路を制御する昇圧回路制御部をさらに具備するよう構成してもよい。このように構成された本発明のモータ制御装置は、単純な構成で運転範囲を大幅に拡大することができる。
本発明のモータ制御装置において、コンデンサの静電容量をC[F]とし、モータの最大出力電力をP[W]とすると、
C≦2×10−7×P
であるよう構成することが好ましい。
本発明のモータ制御装置において、インバータ回路にインダクタンスの小さいインダクタを有する構成し、インダクタのインダクタンスをL[H]とし、コンデンサの静電容量をC[F]とすると、
L≦9×10−9/C
であるよう構成することが好ましい。
本発明のモータ制御装置において、インダクタのインダクタンスをL[H]とし、モータの最大出力電力をP[W]とすると、
L≦P×10−6
であるよう構成することが好ましい。
上記のように構成された本発明のモータ制御装置は、圧縮機、空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、送風機、電気掃除機、およびヒートポンプ給湯器に用いることができ、インバータ回路における直流側電圧が低いときでも駆動源への電圧印加を停止することなく連続的に所望の電圧を印加して、各機器を効率高く駆動することができる。
発明の新規な特徴は添付の請求の範囲に特に記載したものに他ならないが、構成及び内容の双方に関して本発明は、他の目的や特徴と合わせて図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより、より良く理解され評価されるであろう。
本発明によれば、整流回路部分を小型化できると共に、位置センサを用いた構成および位置センサレスの構成のいずれの構成でも対応することが可能な小型のモータ制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、インバータ回路への入力電圧が大きく脈動するものであっても、ブラシレスモータへの電圧の印加を停止させることなく位置センサレスで駆動することができるモータ制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、インバータ回路への直流側電圧が低いときでもモータへの電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加できるモータ制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、ブラシレスモータのロータ位相情報が位置センサから得られないセンサレス駆動を行う場合においても、モータへの電圧印加を停止することなく連続的に電圧を印加できるので、モータの位相を推定でき、位置センサを使用しないで駆動するモータ制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、電流制御を行う制御器に不要な誤差を重畳しなくてよいので、モータ電流が不要に流れることがなく、位置センサレスの推定精度を向上させることができ、高精度で安定したモータ制御装置を提供することができる。
また、本発明によれば、整流回路に静電容量の大きな平滑コンデンサを持たないモータ制御装置において、出力トルクを大幅に向上させることができるモータ制御装置を提供することができる。本発明のモータ制御装置においては、インバータ回路の入力電圧が脈動し、所望の電圧をモータに印加できない時、モータ印加電圧の位相を保持することができるので、無駄なモータ電流を低減して、過電流によるモータの停止を減らすことが可能となる。
また、本発明のモータ制御装置は、精度の高い位相推定が可能となるので、モータを位置センサレスで駆動することができ、空気調和機、冷蔵庫等に用いる圧縮機への適用が実現できる。
また、本発明によれば、モータ電流の追従性を向上させることができるので、効率が高く、騒音が小さく、そして出力トルクが向上したモータ制御装置を提供することができる。
さらに、本発明によれば、従来のモータ制御装置の中でも大型部品である力率改善用インダクタと平滑用の静電容量の大きなコンデンサを用いないで構成できるモータ制御装置が提供できるので、従来の圧縮機と同等もしくはより小型なモータ制御装置を含めた圧縮機を提供し、世界的な省エネルギーの促進と、地球環境の保全に多大な効用をもたらすことができる。
また、本発明のモータ制御装置は、ブラシレスモータへの印加電圧が不足するような、単相交流電源の出力電圧が低い場合、インバータ回路の入力電圧を昇圧できる構成である。このため、本発明によれば、ブラシレスモータの最大回転数を上昇させて、運転範囲を大幅に拡大することができるモータ制御装置を提供することが可能となる。
また、本発明によれば、昇圧回路および昇圧回路制御部を動作させることにより、単相交流電源に流れる電流波形がほぼ正弦波状になるので、電源力率がほぼ1となり、電源系統に悪影響を及ぼさないモータ制御装置を提供することができる。
本発明のモータ制御装置においては、倍電圧整流昇圧回路における一方のコンデンサの静電容量を小さくすることができるため、従来の倍電圧整流回路に比べて小型化することが可能となる。
発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
以下、本発明の好適な実施の形態のモータ制御装置について、添付の図1から図32を用いて説明する。
《実施の形態1》
図1は本発明に係る実施の形態1のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、単相交流電源5から出力される交流電力は、整流回路1において脈動を持った直流電力に整流されて、インバータ回路2に印加される。インバータ回路2は整流された直流電力を交流電力に変換し、ブラシレスモータ3に所望の電圧を印加する。制御部4はブラシレスモータ3に流れる電流を検出してインバータ回路2を駆動制御する。制御部4はdq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、PWM生成部9、および減算手段等を有している。
次に、実施の形態1における制御部4の動作を説明する。
dq変換部6はブラシレスモータ3の三相コイルに流れる電流検出値Iu、Iv、Iwを用いて下記式(1)にしたがってd軸電流検出値Idとq軸電流検出値Iqを算出する。この計算に用いる回転位相θとしては、ブラシレスモータ3が位置センサを備えている場合にはその位置センサからの位置信号を、位置センサを備えていない場合にはロータ位置を推定した結果として得られる推定位相を用いる。
Figure 2005020986
d軸PI制御器7には、外部からの回転数指令やトルク指令などに基づき算出されたd軸電流指令値Id*と、dq変換部6の出力であるd軸電流検出値Idとの誤差が入力される。その誤差がd軸PI制御器7においてPI制御されて、d軸電圧指令値Vdが生成される。q軸PI制御器8にはd軸PI制御器7と同様に、外部からの回転数指令やトルク指令などに基づき算出されたq軸電流指令値Iq*と、dq変換部6の出力であるq軸電流検出値Iqとの誤差が入力される。その誤差がq軸PI制御器8においてPI制御されてq軸電圧指令値Vqが生成される。
PWM生成部9は、d軸電圧指令値Vdと、q軸電圧指令値Vqと、そしてインバータ回路2への入力電圧検出値Vpnとから、インバータ回路2を駆動するPWM信号を出力する。
図2はPWM生成部9の構成および動作を示すブロック図である。図2に示すように、PWM生成部9は逆dq変換部10、線間変調部11、およびVpn補正部12を有している。
逆dq変換部10はd軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqから下記式(2)にしたがって3相正弦波電圧指令値Vu、Vv、Vwを算出する。この計算に用いる回転位相θはブラシレスモータ3が位置センサを備えている場合はその位置信号を用い、または位置センサを備えていない場合はロータ位置を推定した結果において得られた推定位相を用いる。
Figure 2005020986
線間変調部11は入力された3相正弦波電圧指令値Vu、Vv、Vwにおける最小値を検出し、3相正弦波電圧指令値から検出された最小値を引いた結果をVu’、Vv’、Vw’として出力する。これによって、少なくとも1相の正弦波電圧指令値が0となり、残りの2相が正の値となる。
Vpn補正部12は線間変調部11からの出力Vu’、Vv’、Vw’と入力電圧検出値Vpnとが入力され、PWM出力デューティー値Du、Dv、Dwを生成する。ここで、PWM出力デューティー値Du、Dv、Dwは、後述する式(3)または式(4)により求められる。
図3はVpn補正部12における計算方法を示すフローチャートである。
線間変調部11からの各相の出力値Vu’、Vv’、Vw’の最大値を検出し、その値を印加電圧最大値Vmaxとする(ステップ31)。次に、印加電圧最大値Vmaxと入力電圧検出値Vpnとの大きさを比較する(ステップ32)。ステップ32において、入力電圧検出値Vpnの方が印加電圧最大値Vmaxより大きい場合には、通常の計算を行い所望の印加電圧指令値がブラシレスモータ3に印加される。したがって、下記式(3)によってU相、V相およびW相のPWM出力デューティー値が決定される(ステップ33)。
Figure 2005020986
一方、入力電圧検出値Vpnの方が印加電圧最大値Vmaxより小さい場合には、所望の印加電圧指令値がブラシレスモータ3には印加できず、印加電圧の位相を変えずに、その時形成できる最大の電圧を印加する。そのため、下記式(4)によってU相、V相およびW相のPWM出力デューティー値が決定される(ステップ34)。
Figure 2005020986
上記式(4)の計算を行うと、U相、V相およびW相の比率は式(4)の計算前の比率と同じとなるため、印加電圧の位相が保持された状態でブラシレスモータ3に電圧が印加される。
図4の(a)は従来のモータ制御装置によるモータ電流の実験結果を示すグラフである。図4の(b)はVpn補正部12の式(4)を使用した場合の実施の形態1によるモータ電流の実験結果を示すグラフである。図4の(a)および図4の(b)において、上から順に入力電圧検出値Vpn、モータ電流、モータ電流指令値、およびモータ印加電圧位相を示す。図4の(a)の結果を得た実験においては、前述の第1の従来技術の構成のモータ制御装置を従来のモータ制御装置として使用した。
従来のモータ制御装置では、インバータ回路への入力側電圧である入力電圧検出値Vpnが小さい時、ブラシレスモータには目標電流から大きくずれた電流が流れる。このような電流はモータ効率の低下や騒音の増大を招く。また、大きな電流が流れるとモータ磁石を減磁させてしまい、故障の原因となる。さらに、電流の最大値はブラシレスモータにかかる負荷が大きいときほど大きくなるため、所定の負荷にてブラシレスモータを駆動するにはインバータ回路の定格電流を大きなものにする必要があり、高価な部品で構成されたインバータ回路を使用する必要があった。また、図4の(a)において、従来のモータ制御装置では、インバータ回路への入力電圧検出値Vpnが小さい時、モータ印加電圧の位相が乱れて、またモータ電流が大きく変動していることが見られる。
一方、本発明に係る実施の形態1のモータ制御装置を使用した場合、モータ印加電圧の位相を保持するため、入力電圧検出値Vpnの小さい時であっても正しい電圧位相がブラシレスモータ3に印加されている。そして、その時のモータ電流の乱れ方は小さくなっているため、モータ効率を高め、かつ騒音を低減している。
以上の実験結果から、従来のモータ制御装置では、モータ電流が必要以上に大きくなるため、インバータ回路の大型化や高コスト化を招くのに対し、本発明に係る実施の形態1を使用したモータ制御装置ではモータ電流の乱れ方が小さくなり、電流容量などの小さいインバータ回路により構成することができる。
本発明に係る実施の形態1のモータ制御装置によれば、整流回路部分を小型化することができると共に、位置センサを用いた構成および位置センサレスの構成のいずれの構成でも対応することが可能である。また、実施の形態1のモータ制御装置は、インバータ回路の入力電圧が大きく脈動するものであっても、ブラシレスモータへの電圧の印加を停止させることなく位置センサレスで駆動することができる。
《実施の形態2》
次に、本発明に係る実施の形態2のモータ制御装置について説明する。図5は実施の形態2のモータ制御装置におけるPWM生成部90の動作を示すブロック図である。実施の形態2のモータ制御装置の構成は、前述の実施の形態1のモータ制御装置におけるPWM生成部9以外は実施の形態1の構成と実質的に同じであるため、そのPWM生成部90について説明する。
図5に示すように、実施の形態2のPWM生成部90は、比率補正部13、逆dq変換部10、線間変調部11、および比率生成部14を有している。図5において、逆dq変換部10と線間変調部11の動作は前述の実施の形態1と同様である。
比率補正部13における計算方法を図6のフローチャートに示す。d軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqから下記式(5)の演算式を用いてV1を計算する(ステップ35)。V1と入力電圧検出値Vpnとの大きさを比較する(ステップ36)。
Figure 2005020986
ステップ36において、入力電圧検出値Vpnの方が小さい場合は、下記式(6)によって、d軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqの値をVd’、Vq’にそれぞれ変更して出力する(ステップ37)。入力電圧検出値Vpnの方が大きい場合はd軸電圧指令値Vd、q軸電圧指令値Vqをそのまま出力する。
比率生成部14は前述の式(3)の演算を行ってPWM出力デューティー値Du、Dv、Dwを生成する。
Figure 2005020986
前述のように比率補正部13において、式(6)の計算を行い、d軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqの値をVd’、Vq’に変更すると、所望の印加電圧はブラシレスモータ3に印加されないが、印加電圧の位相は保持される。
前述の実施の形態1のモータ制御装置におけるPWM生成部9と、実施の形態2のモータ制御装置におけるPWM生成部90とは、途中の計算方法が異なるだけであり、条件が同じであれば、算出されるPWM出力デューティー値Du、Dv、Dwは同じである。
本発明に係る実施の形態2のモータ制御装置によれば、インバータ回路の直流側電圧が低いときでもブラシレスモータ3への電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加できる。また、実施の形態2においては、ブラシレスモータ3のロータ位相情報が位置センサから得られない状況でセンサレス駆動を行う場合においても、ブラシレスモータ3への電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加できる。したがって、実施の形態2のモータ制御装置の構成によれば、ブラシレスモータ3の位相を常に推定できるため、位置センサを使用しないで駆動するモータ制御装置を提供することができる。
《実施の形態3》
次に、本発明に係る実施の形態3のモータ制御装置について説明する。図7は実施の形態3のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図7において、整流回路1、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。実施の形態3のモータ制御装置における制御部4aには、位相推定部15が設けられている。位相推定部15は、dq変換部6において算出されたd軸電流検出値Idとq軸電流検出値Iq、およびPWM生成部9aから出力されたd軸電圧指令値Vd’とq軸電圧指令値Vq’から推定位相θを出力する。推定位相θの演算方法は前述した、平成9年(1997年)発行の電気学会論文誌D、117巻1号、第98―104頁、竹下、市川、李、松井「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」の中に詳細に記載されているので、ここでは省略する。算出された推定位相θは、dq変換部6とPWM生成部9aに送出されて使用される。
ここで、上記の文献「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」に記載されている推定位相θの演算方法を図7を用いて簡単に説明する。位相推定部15は、ブラシレスモータ3のロータ位相の推定値を設定し、ブラシレスモータ3の実際のロータ位相との誤差を設定する。一般的なブラシレスモータの電圧方程式から、上記の設定した誤差を用いてロータ位相の推定値を基準とした電圧方程式を作成する。その式からブラシレスモータの推定回転数を演算する。その演算結果が、実際のブラシレスモータの回転数と等しくなるようにフィードバック制御を行う。そのフィードバック制御を継続的に行うことで、上記の誤差を0に収束させることができ、推定位相θと実際のロータ位相を一致させる。上記の電圧方程式を作成する際にブラシレスモータ3の巻線抵抗値とインダクタンス値などのモータ定数を用いている。また、上記の電圧方程式には、その時のブラシレスモータ3へ印加した電圧値と流れている電流値も用いている。このように、ブラシレスモータ3の印加電圧、電流、モータ定数を用いることで、ブラシレスモータ3の位相を推定することができる。このため、位置センサレス駆動が可能となる。なお、推定位相θを微分すれば、ブラシレスモータ3の推定回転数ωも計算できる。
実施の形態3のモータ制御装置においては、位相推定部15に入力されるd軸電圧指令値Vd’とq軸電圧指令値Vq’がPWM生成部9aにおいて実際にブラシレスモータ3に印加されるd軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqと等しい値としたことにより、インバータ回路2の直流側電圧が脈動する場合であっても位相推定を正しく行うことができ、位置センサレス駆動が可能となる。実施の形態3のPWM生成部9aを、例えば、前述の実施の形態2に基づいて構成する場合、図5の比率補正部13の出力であるd軸電圧指令値Vd’とq軸電圧指令値Vq’とを位相推定部15に出力すればよい。あるいは、PWM生成部9aを前述の実施の形態1に基づいて構成する場合、図2のVpn補正部12からのPWM出力デューティー値Du、Dv、Dwと入力電圧検出値Vpnとから3相正弦波電圧Vu、Vv、Vwを再度計算し、dq変換を行った結果として得られるd軸電圧指令値およびq軸電圧指令値を位相推定部15に出力すればよい。
デューティー値を決定した時の入力電圧検出値Vpnは、実際にインバータ回路2がPWM動作している時の入力電圧とは、入力電圧が脈動しているため異なっている。したがって、指令の時の電圧指令値Vd’、Vq’を位相推定部15に出力するよりも、実際にインバータ回路2がPWM動作している時の入力電圧検出値Vpnの値を用いてd軸およびq軸電圧指令値を再度計算して位相推定部15に出力してもよい。このように再度計算した方が位相推定の精度が高まることはいうまでもない。
図8の(a)は従来のモータ制御装置による位相推定の実験結果を示すグラフである。図8の(b)は本発明の実施の形態3のモータ制御装置による位相推定の実験結果を示すグラフである。図8の(a)および図8の(b)において、上側の波形が入力電圧検出値Vpnを示し、下側の波形が推定位相の波形を示す。図8の(a)の実験においては、前述の第2の従来技術と第3の従来技術とを単に組み合わせた構成のモータ制御装置を従来のモータ制御装置として使用した。
図8の(a)に示すように、従来のモータ制御装置では、インバータ回路の入力電圧検出値Vpnが小さい時には推定位相が歪んでおり、推定結果と実際の位相とがずれている。この結果、モータ効率の低下や騒音の増大を招いていた。また、負荷が大きい時には位相のずれがより大きくなり、モータが脱調して停止してしまうという大きな問題があった。このような問題を解決する装置として、実施の形態3のモータ制御装置を提供することができる。図8の(b)に示すように、実施の形態3のモータ制御装置は、推定位相が実際の位相と同じとなり直線的になっている。したがって、実施の形態3のモータ制御装置は、位置センサレス化の構成であっても、モータ効率の低下や騒音の増大を招くことのない優れたモータ制御を行うことができる。
《実施の形態4》
次に、本発明に係る実施の形態4のモータ制御装置について説明する。図9は実施の形態4のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図9において、整流回路1、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。実施の形態4における制御部4bは、d軸PI制御器7a、q軸PI制御器8a、PWM生成部9b、dq変換部6、および減算手段等を有している。
実施の形態4におけるPWM生成部9bは、実施の形態1で示したVpn補正部(図2)の演算の過程において、ステップ32(図3)の条件判定の結果でステップ34(式(4)の演算)を実行するときに、d軸PI制御器7aとq軸PI制御器8aに信号Sを送るよう構成されている。
PWM生成部9bからの信号Sを受けたd軸PI制御器7aは、PWM生成部9bがステップ34を実行するときに、すなわちステップ34においてd軸電流指令値Id*とd軸電流検出値Idとの誤差からd軸電圧指令値Vdを作成するときに、P(比例)制御を行い、I(積分)制御を行わない。一方、q軸PI制御器8aにおいても上記のd軸PI制御器7aと同様の動作を行う。
図10は実施の形態4によるモータ電流の実験結果を示すグラフである。図10において、上から順に入力電圧検出値Vpn、モータ電流、モータ電流指令値、およびモータ印加電圧位相を示す。
図10の実験結果と前述の実施の形態1の図4の(b)に示した実験結果とを比較すると、特にモータ電流がモータ電流指令値よりも大幅に増大する頻度が下がり、かつ、誤差が小さくなっていることが分かる。図10において丸で囲んだモータ電流波形が図4の(b)において丸で囲んだモータ電流波形に比べてさらにモータ電流指令値に近づいていることが分かる。このように、実施の形態4のモータ制御装置は、モータ電流の制御性を向上させることができ、過電流の発生が減少し、モータの出力トルクの最大値を高めることが実験により確認できた。
《実施の形態5》
次に、本発明に係る実施の形態5のモータ制御装置について説明する。図11は実施の形態5のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図11において、整流回路1、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。実施の形態5における制御部4cは、dq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、PWM生成部9、d軸乗算部18、q軸乗算部19、およびq軸加算部20を有している。dq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、およびPWM生成部9は実施の形態1と同様の機能を有する。d軸乗算部18はq軸電流検出値Iqとブラシレスモータ3の回転数ωとブラシレスモータ3のq軸インダクタンスLqとを乗算した結果を出力し、d軸PI制御器7との加算結果をd軸印加電圧指令値Vdとする。q軸乗算部19はd軸電流検出値Idと回転数ωとブラシレスモータ3のd軸インダクタンスLdとを乗算した結果を出力する。q軸加算部20は回転数ωとブラシレスモータ3の誘起電圧Keとを乗算した結果を出力する。q軸乗算部19とq軸加算部20とq軸PI制御器8のそれぞれの出力を加算した結果をq軸印加電圧指令値Vqとする。これらの動作は下記式(7)の計算式で表せる。式(7)は、PWM生成部9に入力されるd軸印加電圧指令値Vdとq軸印加電圧指令値Vqの値を算出する計算式である。式(7)において、右辺の第2項のPIの記号を左に付けた行列式は、d軸PI制御器7とq軸PI制御器8の出力値を表している。
Figure 2005020986
実施の形態5においては、式(7)の右辺の第1項の非干渉項を追加することにより、d軸とq軸の独立性を高めることができる。図12は実施の形態5によるモータ電流の実験結果を示すグラフである。
図12に示すように、図10に示した実施の形態4のモータ制御装置よりもさらにモータ電流の追従性が向上している。図12において丸で囲んだモータ電流波形が図10において丸で囲んだモータ電流波形に比べてさらにモータ電流指令値に近づいていることが分かる。実施の形態5のモータ制御装置においては、過電流の発生が実施の形態4のモータ制御装置を用いた場合に比べてさらに減少し、モータの出力トルクの最大値をさらに高めることができることを実験により確認した。
図13は本発明のモータ制御装置を用いた場合のモータの回転数と限界トルクとの関係を、従来のモータ制御装置を用いた場合と比較して示した実験結果である。なお、図13に示した実験において用いた本発明のモータ制御装置は、前述の実施の形態1、実施の形態3、実施の形態4および実施の形態5の構成を組み合わせた構成の装置である。また、このとき比較例として用いた従来のモータ制御装置は前述の第2の従来技術と第3の従来技術とを単に組み合わせた構成のモータ制御装置である。この実験において、実施の形態1のモータ制御装置の構成の代わりに実施の形態2のモータ制御装置の構成を用いても同様の実験結果を得た。
図13のグラフから明らかなように、本発明のモータ制御装置を用いた場合には、限界トルクが従来のモータ制御装置を用いた場合と比較して大幅に増大している。したがって、本発明のモータ制御装置を用いることにより、空気調和機や冷蔵庫などに使用される圧縮機に必要とされるトルクを充分満足することができた。また、本発明のモータ制御装置を用いることにより、電気洗濯機、電気乾燥機、掃除機、送風機などに用いるモータを駆動するモータ制御装置としても満足のできる仕様となる。
《実施の形態6》
次に、本発明に係る実施の形態6のモータ制御装置について説明する。実施の形態6のモータ制御装置は、インバータ回路に入力される入力電圧検出値Vpnを過去のデータから推定するよう構成されている。
実施の形態6のモータ制御装置において、入力電圧検出値Vpnは変動が大きいため、制御周期毎に検出している。前回の制御周期にて検出した入力電圧検出値をVpn[n−1]、前前回の制御周期にて検出した入力電圧検出値をVpn[n−2]とすると、今回の制御周期に使用する入力電圧検出値としてVpn[n−1]を使用するよりも、Vpn[n−1]とVpn[n−2]との変化量を算出して、今回の制御周期における入力電圧検出値Vpn[n]を推定する。その計算式を下記式(8)として示す。
Figure 2005020986
式(8)は前回の入力電圧検出値Vpn[n−1]と前前回の入力電圧検出値Vpn[n−2]との変化量が今回と前回の変化量と等しいと仮定した時に成り立つものである。本発明のモータ制御装置において、式(8)を用いて推定された入力電圧検出値Vpn[n]を使用することにより、精度の高いデューティー値を出力することができる。
実施の形態6における入力電圧検出値Vpn[n]を推定するという構成は、前述の実施の形態1から実施の形態5の構成に組み込むことができ、より精度の高いデューティー値を出力して、効率の高いモータ制御を行うことができる。
《実施の形態7》
次に、本発明に係る実施の形態7のモータ制御装置について説明する。
モータの停止時やインバータ回路のスイッチング動作が停止した時には、モータに流れている電流がインバータ回路の入力側に回生される。その回生電流が大きい場合には、インバータ回路の入力側電圧が増大し、過電圧となってモータ制御装置が破損するときがある。実施の形態7のモータ制御装置は、このような回生電流による破損を防止した機構を有するものである。
図14は本発明に係る実施の形態7のモータ制御装置における制御部以外の整流回路1、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、および単相交流電源5等を示す回路図であり、制御部は省略している。図14に示すように、整流回路1とインバータ回路2の間に静電容量の小さいコンデンサ16が設けられている。このようにコンデンサ16を整流回路1とインバータ回路2の間に設けることにより、回生電流によるモータ制御装置の破損を防止することができ、より安全なモータ制御装置を実現することができる。
コンデンサ16の静電容量は、回生電流によりモータ制御装置が破損されない値に設定される。例えば、家庭用の空気調和機やヒートポンプ給湯器の圧縮機に使用するモータ制御装置の場合には0.1μF〜50μF程度でよい。冷蔵庫や電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機の場合は、空気調和機に比べて回生電流の大きさが小さいことから、0.1μF〜20μF程度でよい。
なお、実施の形態7においては、コンデンサ16が整流回路1とインバータ回路2との間に設けた構成で説明したが、このコンデンサ16はインバータ回路2の入力側に接続されていればよい。
ここで回生電流とは、ブラシレスモータ3が停止する直前において、ブラシレスモータ3の巻線のインダクタンスL[H]とその巻線に流れている電流とで決まる蓄積エネルギーが、コンデンサ16に電圧となって回生される時に、ブラシレスモータ3からコンデンサ16に流れ込む電流を示す。ブラシレスモータ3の最大出力P[W]は、ブラシレスモータ3の許容電流値やブラシレスモータ3のインダクタンスLなどに依存する。実施の形態7において、ブラシレスモータ3の最大出力P[W]は、前述した静電容量C[F]と使用するブラシレスモータ3の出力の関係および、モータ制御装置が破損しない値などを総合的に考慮すると、次式(9)で示す関係を有している。
Figure 2005020986
実施の形態7における回生電流によりモータ制御装置を破損から防止するという構成は、前述の実施の形態1から実施の形態6の構成に組み込むことができ、より信頼性の高いモータ制御装置を提供することが可能となる。
《実施の形態8》
次に、本発明に係る実施の形態8のモータ制御装置について説明する。図15は本発明に係る実施の形態8のモータ制御装置における制御部以外の整流回路1、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、および単相交流電源5等を示す回路図であり、制御部は省略している。
整流回路1の入力電流は、インバータ回路2におけるスイッチング動作の影響を受ける。特にスイッチング動作のキャリア周波数が低い場合にはその波形が歪むという問題があった。実施の形態8のモータ制御装置においては、図15に示すように、単相交流電源5と整流回路1との間にインダクタンスLを有するインダクタ17を設けている。実施の形態8のモータ制御装置は、インダクタ17を単相交流電源5と整流回路1との間に設けることにより、入力電流の力率を高め、電流波形を改善することができる。インダクタ17のインダクタンスLは、電流歪が小さくなる値に設定される。例えば、家庭用の空気調和機やヒートポンプ給湯器の圧縮機に使用するモータ制御装置の場合、インダクタンスLは0.1mH〜2.0mH程度でよい。冷蔵庫や電気洗濯機、電気乾燥機、電気掃除機の場合、空気調和機に比べて電流の大きさが小さいことから、インダクタンスLは0.1mH〜1.0mH程度でよい。
なお、実施の形態8においては、インダクタ17が単相交流電源5と整流回路1との間に設けた構成で説明したが、インダクタ17はインバータ回路2の入力側に接続されていればよい。
インダクタ17のインダクタンスLは、電流の大きさとインバータ回路2のスイッチング周波数とに関係する。前述した空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機等の家庭用電化製品の場合、スイッチング周波数はそれほど違いがなく、実質的に数kHz〜十数kHzとなっている。したがって、実施の形態8における適正なインダクタンスLは電流の大きさでほぼ決定されると考えられる。単相交流電源5の電圧は200V〜230Vが世界共通の電圧であるため、ブラシレスモータ3の最大出力P[W]と適正なインダクタンスLとの間には相関関係があり、実質的に次式(10)で示す関係を有している。
Figure 2005020986
また、インダクタ17とコンデンサ16の両方を設けたモータ制御装置の場合、共振現象が発生する。その共振現象が交流電源系統に悪影響を及ぼさないように、インダクタ17のインダクタンスLとコンデンサ16の静電容量Cとの間には次式(11)で示す関係を有している。
Figure 2005020986
なお、インダクタを設けたモータ制御装置に、さらに、前述の実施の形態7で説明したように、回生電流によるモータ制御装置の破損を防止する目的で、静電容量Cを有するコンデンサを設けてもよい。ただし、この場合はインダクタとコンデンサが直列接続となり、共振現象が発生する場合がある。その共振周波数は一般的に知られるように1/2π√(LC)であり、インダクタとコンデンサの値で決まる。したがって、一例として共振周波数を電源高調波規制の周波数よりも高くなるようにインダクタとコンデンサの値を設計すれば、より発生ノイズの少ないモータ制御装置を提供することができる。
《実施の形態9》
次に、本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置について説明する。図16の(a)は本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図16の(a)において、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、制御部4、および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。実施の形態9のモータ制御装置においては、インバータ回路2の入力側に昇圧回路21が設けられており、単相交流電源5からの交流電圧(例えばAC100V)を昇圧(例えばAC200V)してインバータ回路2に入力するよう構成されている。
昇圧回路21は、単相交流電源5の入力電圧Vが印加されるインダクタ200、直列接続された2つのスイッチング素子201,202、直列接続された2つのダイオード203,204、及びコンデンサ205を具備している。2つのスイッチング素子201,202の接続点にはインダクタ200を介して単相交流電源5の一端が接続され、単相交流電源5の他端は2つのダイオード203,204の接続点に接続されている。そして、スイッチング素子201,202の直列接続体、2つのダイオード203,204の直列接続体、及びコンデンサ205はそれぞれが並列に接続されている。コンデンサ205の両端からの出力は、インバータ回路2に入力される。
また、実施の形態9のモータ制御装置には、昇圧回路21におけるスイッチング素子201,202のオンオフ動作を制御するための昇圧回路制御部22が設けられている。以下の説明において、図16の(a)に示したモータ制御装置の上側にあるスイッチング素子201を上アームスイッチング素子201と呼び、下側にあるスイッチング素子202を下アームスイッチング素子202と呼ぶ。
次に、実施の形態9のモータ制御装置における昇圧回路制御部22の動作の一例について説明する。
昇圧回路制御部22は、昇圧回路21に設けられている上アームスイッチング素子201と下アームスイッチング素子202とを制御するPWM指令を出力する。一方のスイッチング素子に対するPWM指令は、所定時間でオンオフ動作を繰り返すオンオフ期間と、オフ状態を継続するオフ期間とが交互に存在する。また、一方のスイッチング素子が所定時間でオンオフ動作を繰り返すオンオフ期間においては、他方のスイッチング素子はオフ状態を継続するオフ期間となる。
図17において、(a)の信号は昇圧回路制御部22が出力する上アームスイッチング素子201に対する制御信号V1であり、(b)の信号は昇圧回路制御部22が出力する下アームスイッチング素子202に対する制御信号V2であり、(c)の信号は単相交流電源5の出力電圧Vである。図17に示した信号は、それぞれ一例を示している。図17に示すように、例えば、期間Aにおいては上アームスイッチング素子201がオンオフ動作を行い、下アームスイッチング素子202がオフ状態を継続しているとし、期間Bにおいては下アームスイッチング素子202がオンオフ動作を行い、上アームスイッチング素子201がオフ状態を継続しているとする。
期間Aに示す状態は単相交流電源5の出力電圧Vにおけるインダクタ200が接続されていない側の電圧が高い期間である。そして、期間Bに示す状態は単相交流電源5の出力電圧におけるインダクタ200が接続されている側の電圧が高い期間である。すなわち、期間Aと期間Bは単相交流電源5の電源周波数に同期して交互に発生する。昇圧回路制御部22は、昇圧回路21に設けられている上アームスイッチング素子201および下アームスイッチング素子202が前述のようにオンオフ動作するようにPWM指令を昇圧回路21に出力する。
次に、実施の形態9におけるPWM指令のPWM出力デューティー値の決定方法について説明する。
制御部4は、インバータ回路2の入力電圧が最大となるタイミング毎に、前述の実施の形態3において示した図3のステップ34を実行したか否かを判定する。即ち、制御部4は、入力電圧検出値Vpnが印加電圧最大値Vmaxより小さい場合において、U,V,W相のPWM出力デューティー値が式(4)により決定されたか否かを判定する。
ステップ34が実行されたと判定した場合、制御部4は昇圧回路制御部22にステップ34が実行されたことを示す制御信号を出力する。昇圧回路制御部22は制御部4からの制御信号が入力された時、昇圧回路21に出力するPWM指令のPWM出力デューティー値を増大させる。一方、制御信号が入力されない時、昇圧回路制御部22はPWM指令のPWM出力デューティー値を減少させる。したがって、昇圧回路制御部22のPWM指令のPWM出力デューティー値が変更されるのは、インバータ回路2の入力電圧が最大となるタイミング毎となる。このタイミングは単相交流電源5の出力電圧が最大となるタイミングである。
次に、図17に示す期間Aか期間Bかの動作状態を判定する方法について説明する。
ブラシレスモータ3を起動すると、昇圧回路21に設けられているコンデンサ205は容量が小さいため、インバータ回路2の入力電圧はコンデンサ205が設けられていない場合の波形と類似している(例えば、図4の(a)および図4の(b)においてVpnで示した入力電圧検出信号)。この時、下アームスイッチング素子202を制御部4からの制御信号とは無関係に、あらかじめ決められた所定のPWM指令のPWM出力デューティー値でオンオフ動作させる。この場合、単相交流電源5の出力電圧がインダクタ200の接続されている側の方が高い時、オンオフ動作していない時よりもコンデンサ205の電圧は昇圧する。したがって、この時の状態は、単相交流電源5の電圧位相が期間Bであると判定できる。逆に、単相交流電源5の出力電圧がインダクタ200の接続されていない側の方が高い時、コンデンサ205の電圧は昇圧されない。したがって、この時の状態は、単相交流電源5の電圧位相が期間Aであると判定できる。
上記のようにして、コンデンサ205の電圧が昇圧されたか否かを検知することにより、単相交流電源5の電圧位相を検出できるため、実施の形態9のモータ制御装置では電圧位相検出回路を用いることなく期間Aか期間Bかを判定することができる。
図18は、実施の形態9のモータ制御装置における、単相交流電源5の出力電圧Vの波形と、算出されたPWM出力デューティー値に基づき変更されたパルス信号波形を示す。
なお、上記の実施の形態9においては、下アームスイッチング素子202をあらかじめ決められた所定のPWM指令のPWM出力デューティー値でオンオフ動作させた構成で説明したが、この時のオンオフ動作させるスイッチング素子は上アームスイッチング素子201でもよい。その場合には、コンデンサ205が昇圧した時が期間Aとなり、昇圧しない時が期間Bとなることはいうまでもない。
図16の(b)は実施の形態9のモータ制御装置における別の昇圧回路21aの構成を示す回路図である。図16の(b)に示すように、実施の形態9における昇圧回路21aは、1つのスイッチング素子、複数のダイオード及び1つのコンデンサで構成することも可能である。このように構成した場合には、上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子の区別をする必要がなく、1つのスイッチング素子をPWM指令に基づいてスイッチング動作をさせればよい。
以上、実施の形態9で説明したモータ制御装置は、ブラシレスモータ3への印加電圧が不足するような、単相交流電源5の出力電圧が低い場合、インバータ回路2の入力電圧を昇圧できる構成である。このため、実施の形態9のモータ制御装置は、ブラシレスモータ3の最大回転数を上昇させて、運転範囲を大幅に拡大することができる。特に、空気調和機の場合、最大回転数が上昇できるため、冷暖房の能力可変範囲が広がり、快適性がさらに向上する。また、実施の形態9のモータ制御装置を用いた機器においては、特に、暖房運転における最大能力が向上し、より暖房効果の大きい空気調和機を提供することができる。
《実施の形態10》
次に、本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置について説明する。図19は本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図19に示す実施の形態10のモータ制御装置において、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、制御部4、および単相交流電源5は、前述の実施の形態9と同様の機能、構成を有する。
実施の形態10のモータ制御装置においては、昇圧回路制御部22aが、交流電流指令作成部23およびPWM指令作成部24を有している。
昇圧回路制御部22aの交流電流指令作成部23においては、単相交流電源5の電圧位相を検出し、その検出された電圧位相と同じ位相の交流電流指令値を作成して、PWM指令作成部24へ出力する。交流電流指令値の振幅値は、制御部4からの制御信号に基づいて作成される。
制御部4から交流電流指令作成部23へ入力される制御信号は、前述の実施の形態9で説明した制御信号と同じである。交流電流指令作成部23は、制御部4からの制御信号が入力されたとき、交流電流指令値の振幅値を増大させる。一方、制御部4からの制御信号が入力されない場合、交流電流指令値の振幅値を減少させる。
PWM指令作成部24には、交流電流指令作成部23からの交流電流指令値と、単相交流電源5の交流電流の検出値が入力される。PWM指令作成部24は、昇圧回路21の出力電流が交流電流指令値になるよう誤差増幅して、昇圧回路21のスイッチング素子を駆動するためのPWM信号を作成し、そのPWM信号を昇圧回路21へ出力する。実施の形態10におけるPWM指令作成部24においては、誤差増幅に使用されるフィードバック制御としてPI制御を用いている。図20は昇圧回路制御部22aの具体的な構成を示すブロック図である。しかし、本発明においては、このようなPI制御の構成に限定するものではなく、その他の一般的に用いられているフィードバック制御を用いることができる。
図21は、実施の形態10のモータ制御装置における、単相交流電源5の出力電圧Vの波形と、算出されたPWM出力デューティー値と、そのPWM出力デューティー値に基づき変更されたパルス信号波形を示す。
なお、昇圧回路21における上下どちらのスイッチング素子を駆動制御するかは、交流電流指令値が正か負で判定することができる。例えば、交流電流指令値が正であれば、下アームスイッチング素子をPWM動作して、上アームスイッチング素子をオフ状態とするようにPWM指令を出力する。また、交流電流指令値が負であれば、上アームスイッチング素子をPWM動作して、下アームスイッチング素子をオフ状態とするようにPWM指令を出力する。若しくは、昇圧回路制御部22aにおいては電圧位相を検出しているため、その検出された電圧位相をPWM指令作成部24に入力して、その検出された電圧位相に基づいて上下いずれかのスイッチング素子をPWM駆動するよう決定してもよい。図22はそのように構成された昇圧回路制御部22bの具体的な構成を示すブロック図である。
なお、昇圧回路21は、前述の実施の形態9における図16の(b)に示したような1つのスイッチング素子で構成した昇圧回路21aでもよいことはいうまでもない。
以上のように昇圧回路21および昇圧回路制御部22a,22bを動作させることで、単相交流電源5に流れる電流波形がほぼ正弦波状になるので、電源力率がほぼ1となり、電源系統に悪影響を及ぼさないモータ制御装置を提供することができる。
《実施の形態11》
次に、本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置について説明する。図23の(a)は本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図23の(a)に示す実施の形態11のモータ制御装置において、インバータ回路2、ブラシレスモータ3、制御部4、および単相交流電源5は、前述の実施の形態9及び実施の形態10と同様の機能、構成を有する。
実施の形態11のモータ制御装置において、前述の実施の形態10と異なる点は、昇圧回路21の代わりに倍電圧整流昇圧回路25が設けられている点である。この倍電圧整流昇圧回路25は、インダクタ300、スイッチング素子301、ダイオード302,303,304,305、静電容量の大きなコンデンサ306および静電容量の小さなコンデンサ307を有する。昇圧回路制御部22cは、交流電流指令作成部23およびPWM指令作成部24bを有する。交流電流指令作成部23の動作は前述の実施の形態9および実施の形態10で説明したものと実質的に同じである。
以下、PWM指令作成部24bの動作および倍電圧整流昇圧回路25の動作について図24を参照して説明する。
単相交流電源5の出力電圧において、インダクタ300が接続されている側の方がインダクタ300が接続されていない側い比べて高い期間(以下、期間Cと呼ぶ)には、電流がコンデンサ306に流入する。逆に、単相交流電源5の出力電圧において、インダクタ300が接続されていない側の方が高い期間(以下、期間Dと呼ぶ)には、電流がコンデンサ307に流入する。
したがって、期間Cにおいては、従来の倍電圧整流回路に入力される電流と同様の電流が単相交流電源5から流入するため、この状態でインダクタ300を小型化すると電源力率が低下する。そこで、実施の形態11においては、PWM指令作成部24bが期間Cの時に倍電圧整流昇圧回路25のスイッチング素子をPWM駆動するPWM信号を出力し、電源力率が低下しないよう構成されている。
なお、期間Dにおいては、前述の実施の形態7で説明した回路と同様な構成となるため、電源力率は低下しない。
実施の形態11におけるPWM指令作成部24bと、前述の実施の形態10のPWM指令作成部24との違いは、期間Dの時にPWM信号を倍電圧整流昇圧回路25へ出力しない点である。
従来の倍電圧整流回路においては、2つのコンデンサの静電容量がほぼ同じ値で、しかもアルミ電解コンデンサなどの静電容量の大きなコンデンサを用いていた。本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置においては、2つのコンデンサにおけるどちらか一方の静電容量を小さい値に設定している。このように、実施の形態11のモータ制御装置においては、一方のコンデンサの静電容量を小さくすることができるため、従来の倍電圧整流回路に比べて小型化することが可能となる。
図23の(b)は、本発明に係るモータ制御装置における別の構成の倍電圧整流昇圧回路25aを示す回路図である。図23の(b)に示した倍電圧整流昇圧回路25aを、図23の(a)に示す倍電圧整流昇圧回路25の代わりに用いても上記の実施の形態11と同様の効果を奏する。
《実施の形態12》
次に、実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置を使用した圧縮機について図25を用いて説明する。図25は本発明に係る実施の形態12の圧縮機の構成を示すブロック図である。
図25において、単相交流電源5に接続された圧縮機41は、モータ制御装置40、およびブラシレスモータ3により駆動される圧縮機構42を有している。実施の形態12において、ブラシレスモータ3および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。このモータ制御装置40の出力は、圧縮機構42の内部に配置されているブラシレスモータ3に接続されており、モータ制御装置40によりブラシレスモータ3を回転駆動している。ブラシレスモータ3の回転動作により、圧縮機構42は吸入した冷媒ガスを圧縮して高圧ガスを吐出する。
前述のように、実施の形態1から実施の形態11に示した本発明のモータ制御装置40は従来のモータ制御装置に比べて小型でかつ軽量であるため、本発明によれば、実施の形態12に示すように圧縮機構42とモータ制御装置40とを一体化した小型の圧縮機41を提供することが可能となる。
《実施の形態13》
図26は本発明に係る実施の形態13の空気調和機の構成を示すブロック図である。
実施の形態13の空気調和機43は、室内機44及び室外機45を有しており、室内の冷暖房を行う。空気調和機43において、圧縮機構42は冷媒を室内機44と室外機45との間で循環させている。単相交流電源5が接続されたモータ制御装置40は圧縮機構42の内部に配置されているブラシレスモータを駆動制御する。実施の形態13において、ブラシレスモータおよび単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態13の空気調和機43において、室内機44は室内側熱交換器48を有しており、室外機45は冷媒循環経路を形成する四方弁46、絞り装置47、および室外側熱交換器49を有している。
室内側熱交換器48は、熱交換の能力を上げるための送風機48aと、この室内側熱交換器48の温度もしくはその周辺温度を測定する温度センサ48bとを有している。室外側熱交換器49は、熱交換の能力を上げるための送風機49aと、この室外側熱交換器49の温度もしくはその周辺温度を測定する温度センサ49bとを有している。
実施の形態13の空気調和機43においては、室内側熱交換器48と室外側熱交換器49との間をつなぐ冷媒循環経路には、圧縮機構42および四方弁46が配設されている。実施の形態13の空気調和機43においては、四方弁46の切換動作により、冷媒循環経路内を流れる冷媒の方向が切り換えられる。例えば、空気調和機43の冷媒循環経路において、冷媒が矢印A方向に流れて、室外側熱交換器49を通過した冷媒が四方弁46を介して圧縮機構42に吸入され、この圧縮機構42から吐出された冷媒が室内側熱交換器48へ供給される。一方、四方弁46の切換動作により、冷媒が矢印B方向に流れて、室内側熱交換器48を通過した冷媒が四方弁46を介して圧縮機構42に吸入され、圧縮機構42から吐出された冷媒が室外側熱交換器49へ供給される。このように、四方弁46の切換動作により冷媒の流れる方向が切り替えられる。
室内側熱交換器48と室外側熱交換器49とをつなぐ冷媒循環経路に設けられた絞り装置47は、循環する冷媒の流量を絞る絞り作用と、冷媒の流量を自動調整する弁の作用とをあわせ持つものである。この絞り装置47は、冷媒が冷媒循環経路を循環している状態で、凝縮器から蒸発器へ送り出された液冷媒の流量を絞って、その直後に液冷媒を膨張させるとともに、蒸発器に必要とされる量の冷媒を過不足なく供給するものである。
空気調和機43において、室内側熱交換器48は暖房運転では凝縮器として、冷房運転では蒸発器として動作する。また、室外側熱交換器49は、暖房運転では蒸発器として、冷房運転では凝縮器として動作する。凝縮器では、内部を流れる高温高圧の冷媒ガスが、送り込まれる空気により熱を奪われて徐々に液化し、凝縮器の出口付近では高圧の液体あるいは液体と気体の混合状態となる。これは、冷媒が大気中に熱を放熱して液化することと等しい。また、蒸発器には絞り装置47で低温低圧となった液体あるいは液体と気体との混合状態の冷媒が流れ込む。この状態において、蒸発器に部屋の空気が送り込まれると、冷媒は空気から大量の熱を奪って蒸発し、気体の量が増大した冷媒となる。蒸発器にて大量の熱を奪われた空気は空気調和機43の吹き出し口から冷風となって放出される。
空気調和機43では、運転状態、つまり空気調和機43に対して設定された目標温度、実際の室温および外気温に基づいてブラシレスモータの指令回転数が設定される。モータ制御装置40は、前述の実施の形態1のモータ制御装置と同様に、設定された指令回転数に基づいて圧縮機構42のブラシレスモータの回転数を制御する。
ブラシレスモータの回転数を設定された指令回転数となるように制御する方法を説明する。
指令回転数をω*とし、ブラシレスモータの実際の回転数をωとする、ここで、ωは、位置センサを有するブラシレスモータの場合は、位置センサの信号を微分すれば得られる。位置センサを有しないブラシレスモータの場合は、実施の形態3で示したように、推定位相θを微分して得られる推定回転数を、実際の回転数ωとみなせばよい。指令回転数ω*と実際の回転数ωとの誤差を計算し、その誤差をPI制御して得られた値を総合電流指令値I*として出力する。制御部4の内部に保有している電流位相指令値β*を用いて、d軸電流指令値Id*とq軸電流指令Iq*を、以下の式(12)及び(13)にしたがって計算する。
Figure 2005020986
Figure 2005020986
なお、電流位相指令値β*は、ブラシレスモータ3の運転状態を決める値である。この値はあらかじめ決められた値であってもよいし、ブラシレスモータの運転状態に応じて変更してもよい。上述した機能を制御部4に付加することで、指令回転数に対して実際の回転数が小さい場合は、PI制御によってd軸電流指令値やq軸電流指令値が増大するので、ブラシレスモータ3の出力トルクが増大して加速する。このように制御部4が動作するので、設定された指令回転数となるようにモータ制御装置が動作し、ブラシレスモータは指令回転数で運転する。
次に、実施の形態13の空気調和機43における動作について説明する。
実施の形態13の空気調和機43において、モータ制御装置40から圧縮機構42に駆動電圧が印加されると、冷媒循環経路内に冷媒が循環する。このとき、室内機44の熱交換器48及び室外機45の熱交換器49において熱交換が行われる。つまり、空気調和機43では、冷媒の循環閉路に封入された冷媒を圧縮機構42により循環させることにより、冷媒の循環閉路内に周知のヒートポンプサイクルが形成される。これにより、室内の暖房あるいは冷房が行われる。
例えば、空気調和機43の暖房運転を行う場合、ユーザの操作により、四方弁46は、冷媒が矢印Aで示す方向に流れるよう設定される。この場合、室内側熱交換器48は凝縮器として動作して、冷媒循環経路での冷媒の循環により熱を放出する。これにより室内が暖められる。
逆に、空気調和機43の冷房運転を行う場合、ユーザの操作により、四方弁46は、冷媒が矢印Bで示す方向に流れるよう設定される。この場合、室内側熱交換器48は蒸発器として動作して、冷媒循環経路での冷媒の循環により周辺空気の熱を吸収する。これにより室内が冷やされる。
実施の形態13の空気調和機43において、この空気調和機43に設定された目標温度、実際の室温および外気温度に基づいて指令回転数が決定され、前述の実施の形態1と同様、決定された指令回転数に基づいて、モータ制御装置40により、圧縮機構42のブラシレスモータの回転数が制御される。この結果、実施の形態13の空気調和機43は快適な冷暖房を行うことができる。
実施の形態13の空気調和機43は、モータ制御装置40が従来のモータ制御装置に比べて小型で軽量であるため、室外機45内におけるモータ制御装置40の配置の自由度が高まり、製造者の設計が容易なものとなる。また、モータ制御装置を小型化することによって、小型で軽量な室外機45を提供することができるため、消費者の設置も容易になる、等の優れた効果を有する。
なお、実施の形態13の空気調和機43において、室内側熱交換器48の送風機48aと室外側熱交換器49の送風機49aの駆動にブラシレスモータを使用する場合、これらのブラシレスモータの駆動制御のために用いるモータ制御装置を実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
なお、実施の形態13では、冷暖房の両方の運転が可能な空気調和器を説明したが、冷房専用の空気調和器の場合は、四方弁46を省略して、矢印Bの方向に冷媒が流れるようにした空気調和器であればよい。
《実施の形態14》
図27は本発明係る実施の形態14の冷蔵庫の構成を示すブロック図である。
実施の形態14の冷蔵庫51は、モータ制御装置40、圧縮機構42、凝縮器52、冷蔵室蒸発器53、および絞り装置54を有している。
実施の形態14の冷蔵庫51において、圧縮機構42、凝縮器52、絞り装置54、および冷蔵室蒸発器53は、冷媒循環経路内に配設されている。モータ制御装置40は、単相交流電源5が入力電源として接続され、圧縮機構42の駆動源であるブラシレスモータを駆動制御する。
実施の形態14において、圧縮機構42の内部に配置されているブラシレスモータ、およびモータ制御装置40の入力源である単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態14の冷蔵庫51における絞り装置54は、前述の実施の形態13の空気調和機43の絞り装置47と同様、冷媒が冷媒循環経路を循環している状態において、凝縮器52から送り出された冷媒の流量を絞って冷媒を膨張させるとともに、冷蔵室蒸発器53に必要とされる量の冷媒を過不足なく供給するものである。
凝縮器52は、内部を流れる高温高圧の冷媒ガスを凝縮させて、冷媒の熱を外気に放出するものである。この凝縮器52に送り込まれた冷媒ガスは、外気により熱を奪われて徐々に液化し、凝縮器52の出口付近では高圧の液体あるいは液体と気体の混合状態となる。
冷蔵室蒸発器53は、低温の冷媒を蒸発させて冷蔵庫内の冷却を行うものである。この冷蔵室蒸発器53は、熱交換の効率を上げるための送風機53aと、庫内の温度を検出する温度センサ53bとを有している。
次に、実施の形態14の冷蔵庫51における動作について説明する。
実施の形態14の冷蔵庫51では、モータ制御装置40から圧縮機構42のブラシレスモータに駆動電圧が印加されると、圧縮機構42が駆動して冷媒循環経路内を冷媒が矢印C方向に循環する。このとき、凝縮器52および冷蔵室蒸発器53にて熱交換が行われて、冷蔵庫内が冷却される。
言い換えれば、凝縮器52で凝縮された冷媒は、絞り装置54にてその流量が絞られることにより膨張して、低温の冷媒となる。そして、冷蔵室蒸発器53へ低温の冷媒が送り込まれると、冷蔵室蒸発器53では、低温の冷媒が蒸発して、冷蔵庫内の冷却が行われる。このとき、冷蔵室蒸発器53には、送風機53aにより強制的に冷蔵室内の空気が送り込まれており、冷蔵室蒸発器53では、効率よく熱交換が行われる。
また、実施の形態14の冷蔵庫51において、この冷蔵庫51に設定された目標温度及び冷蔵庫内の室温に応じて指令回転数が設定されて、このモータ制御装置40は、実施の形態13と同様、設定された指令回転数に基づいて圧縮機構42のブラシレスモータの回転数を制御する。この結果、冷蔵庫51では、冷蔵庫内の温度が目標温度に維持される。
上記のように、実施の形態14の冷蔵庫51では、モータ制御装置40が小型軽量で構成されているため、従来のモータ制御装置に比べてモータ制御装置の冷蔵庫内における配置の自由度が高まる。また、モータ制御装置の配置の自由度が高まることによって、冷蔵庫51の庫内容積が増大できるという効果を有する。また、軽量なモータ制御装置を提供できるので、冷蔵庫51の重量を軽減することができる。
なお、本発明に係る実施の形態14の冷蔵庫51において、送風機53aの駆動にブラシレスモータ3を使用する場合、このブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
《実施の形態15》
図28は本発明に係る実施の形態15の電気洗濯機の構成を示すブロック図である。
実施の形態15の電気洗濯機55は、洗濯機外枠56を有し、この洗濯機外枠56内には外槽57が吊り棒58により吊り下げられている。外槽57内には、回転自在に洗濯兼脱水槽59が配設されている。洗濯兼脱水槽59の底部には、攪拌翼60が回転自在に取り付けられている。
洗濯機外枠56内の外槽57下側のスペースには、洗濯兼脱水槽59及び攪拌翼60を回転させるブラシレスモータ3が配置されている。また、洗濯機外枠56には、単相交流電源5を入力とした、ブラシレスモータ3を駆動制御するモータ制御装置40が取り付けられている。
実施の形態15において、洗濯機外枠56の内部に配置されているブラシレスモータ、およびモータ制御装置40の入力源である単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態15の電気洗濯機55において、モータ制御装置40には、電気洗濯機55の動作を制御するマイクロコンピュータ(図示せず)から、ユーザの操作に応じた指令回転数を示す指令信号が入力される。
次に、実施の形態15の電気洗濯機55における動作について説明する。
実施の形態15の電気洗濯機55では、ユーザが所定の操作を行うと、マイクロコンピュータからモータ制御装置40に指令信号が入力され、ブラシレスモータ3に駆動電圧が印加される。これにより、ブラシレスモータ3が駆動されて、攪拌翼60あるいは洗濯兼脱水槽59が回転し、洗濯兼脱水槽59内の衣服等などに対する洗濯や脱水が行われる。このとき、実施の形態15の電気洗濯機55では、マイクロコンピュータからの指令信号が示す指令回転数に基づいて、前述の実施の形態13と同様、モータ制御装置40によりブラシレスモータ3の回転数が制御される。この結果、電気洗濯機55では、洗濯物の量や汚れに応じた適切な動作が実行される。
上記のように実施の形態15の電気洗濯機55では、小型化したモータ制御装置40を用いているため、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化を達成できるという効果を有する。また、本発明に係る電気洗濯機55では、軽量化したモータ制御装置40を用いているため、洗濯機全体としての軽量化を図ることができるという優れた効果を有する。
なお、本発明に係る実施の形態15の電気洗濯機55においては、ブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
《実施の形態16》
図29は本発明に係る実施の形態16の電気乾燥機の構成を示すブロック図である。
実施の形態16の電気乾燥機61は、乾燥機外枠62を有し、この乾燥機外枠62内には回転自在に設けられたドラム63が設置されている。このドラム63にはブラシレスモータ3が接続されており、ブラシレスモータ3によりドラム63が回転するよう構成されている。
実施の形態16において、乾燥機外枠62の内部に配置されているブラシレスモータ3およびモータ制御装置40、そして単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態16の電気乾燥機61において、モータ制御装置40には、電気乾燥機61の動作を制御するマイクロコンピュータ(図示せず)から、ユーザの操作に応じた指令回転数を示す指令信号が入力される。
次に、実施の形態16の電気乾燥機61における動作について説明する。
実施の形態16の電気乾燥機61では、ユーザが所定の操作を行うと、マイクロコンピュータからモータ制御装置40に指令信号が入力される。これにより、ブラシレスモータ3に駆動電圧が印加される。この結果、ブラシレスモータ3が駆動され、ドラム63が回転して、ドラム63内の衣服等などが乾燥される。
このとき、実施の形態16の電気乾燥機61では、マイクロコンピュータからの指令信号が示す指令回転数に基づいて、前述の実施の形態13と同様、モータ制御装置40によりブラシレスモータ3の回転数が制御される。この結果、実施の形態16の電気乾燥機61においては、乾燥物の量や汚れに応じた適切な動作が実行される。
上記のように実施の形態16の電気乾燥機61では、小型化したモータ制御装置40を用いているため、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法でドラムの大容量化を達成できるという効果を有する。また、本発明に係る電気乾燥機では、軽量化したモータ制御装置40を用いているため、乾燥機全体としての軽量化を図ることができるという効果を有する。
なお、本発明に係る実施の形態16の電気乾燥機61においては、ブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
《実施の形態17》
図30は本発明に係る実施の形態17の送風機の構成を示すブロック図である。
実施の形態17の送風機64は、ファン65と、このファン65を回転駆動するブラシレスモータ3と、このブラシレスモータ3を駆動制御するモータ制御装置40とを有している。モータ制御装置40は単相交流電源5に接続され、単相交流電圧が印加されるよう構成されている。
実施の形態17において、送風機64の内部に配置されているブラシレスモータ3およびモータ制御装置40、そして単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態17の送風機64において、モータ制御装置40には、送風機64の動作を制御するマイクロコンピュータ(図示せず)からユーザの操作に応じた指令回転数を示す指令信号が入力される。
次に、実施の形態17の送風機64における動作について説明する。
実施の形態17の送風機64では、ユーザが所定の操作を行うと、マイクロコンピュータからモータ制御装置40に指令信号が入力される。モータ制御装置40に指令信号が入力されと、モータ制御装置40からブラシレスモータ3に駆動電圧が印加される。この結果、ブラシレスモータ3が駆動されて、ファン65が回転し、送風が行われる。このとき、実施の形態17の送風機64では、マイクロコンピュータからの指令信号に基づいて、前述の実施の形態13と同様、モータ制御装置40によりブラシレスモータ3の出力が制御される。この結果、送風機64では、送風量と風の強さの調整が行われる。
上記のように実施の形態17の送風機64では、小型軽量化したモータ制御装置40を用いているため、送風機自体を従来の送風機に比べて小型化および軽量化を達成することができる。したがって、本発明によれば、可搬性の高い送風機を提供することができる。
なお、本発明に係る実施の形態17の送風機64においては、ブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
《実施の形態18》
図31は本発明に係る実施の形態18の電気掃除機の構成を示すブロック図である。
実施の形態18の電気掃除機66は、掃除機本体69と、底面に吸引口が形成された床用吸込具67と、一端が床用吸込具67に、他端が掃除機本体69に接続された吸塵ホース68とを有している。
実施の形態18の掃除機本体69は、吸塵ホース68の掃除機本体側端部が接続された集塵室71と、この集塵室71の吹き出し側に配置された電動送風機70とから構成されている。電動送風機70は、集塵室71の吹き出し側に対向するよう配置されたファン72と、このファン72を回転させるブラシレスモータ3と、ブラシレスモータ3を駆動制御するモータ制御装置40とを有している。モータ制御装置40は単相交流電源5に接続され、単相交流電圧が印加されるよう構成されている。ファン72は、その回転により、床用吸込具67の底面にある吸引口から吸塵ホース68と集塵室71を介して空気を吸引する。
実施の形態18において、ブラシレスモータ3、モータ制御装置40、および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
実施の形態18の電気掃除機66において、モータ制御装置40には、ファン72の動作を制御するマイクロコンピュータ(図示せず)からユーザの操作に応じた指令回転数を示す指令信号が入力される。
次に、実施の形態18の電気掃除機66における動作について説明する。
実施の形態18の電気掃除機66において、ユーザが所定の操作を行うことにより、マイクロコンピュータからモータ制御装置40に指令信号が入力される。モータ制御装置40に指令信号が入力されると、モータ制御装置40からブラシレスモータ3に駆動電圧が印加され、ブラシレスモータ3が駆動される。この結果、ファン72が回転し、掃除機本体69内に吸引力が発生する。掃除機本体69で発生した吸引力は、吸塵ホース68を介して接続された床用吸込具67の底面に設けた吸引口から空気を吸引する。これにより、床用吸込具67の吸引口から被掃除面の塵埃が空気とともに吸引され、掃除機本体69の集塵室71に集塵される。このとき、実施の形態18の電気掃除機66において、マイクロコンピュータからの指令信号に基づいて、前述の実施の形態13と同様、モータ制御装置40によりブラシレスモータ3の回転数が制御される。したがって、実施の形態18の電気掃除機66においては、ブラシレスモータ3の回転数が制御されて、吸引力の強さの調整が行われる。
上記のように実施の形態18の電気掃除機66では、小型軽量化したモータ制御装置40を用いているため、掃除機本体69を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化を達成できる。したがって、本発明によれば、可搬性が高くユーザがハンドリングが容易な電気掃除機を提供することができる。
なお、本発明に係る実施の形態18の電気掃除機66においては、ブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
《実施の形態19》
図32は本発明に係る実施の形態19のヒートポンプ給湯器の構成を示すブロック図である。
実施の形態19のヒートポンプ給湯器72は、供給された水を加熱して温水を排出する冷凍サイクル装置73と、この冷凍サイクル装置73から排出された温水を貯める貯湯槽74と、これらを連結する水配管74a、74b、75aおよび75bとを有している。
冷凍サイクル装置73は、冷媒循環経路を形成する圧縮機構42、空気熱交換器76、絞り装置77、および水熱交換器78を有する。また、冷凍サイクル装置73には、単相交流電源5に接続され、単相交流電圧が印加されるモータ制御装置40が設けられている。
実施の形態19において、ブラシレスモータ3、モータ制御装置40および単相交流電源5は、前述の実施の形態1と同様の機能、構成を有する。また、モータ制御装置40は前述の実施の形態1から実施の形態11に示したモータ制御装置が適用される。
絞り装置77は、図26に示した前述の実施の形態13の空気調和機43の絞り装置47と同様、水熱交換器78から空気熱交換器76へ送り出された液冷媒の流量を絞って、その直後に液冷媒を膨張させるものである。
水熱交換器78は、冷凍サイクル装置73に供給された水を加熱する凝縮器であり、加熱された水の温度を検出する温度センサ78aを有している。空気熱交換器76は、周辺雰囲気から熱を吸収する蒸発器であり、熱交換の能力を上げるための送風機76aと、この周辺温度を検出する温度センサ76bとを有している。
冷媒配管79は、圧縮機構42、水熱交換器78、絞り装置77、および空気熱交換器76をつなぎ冷媒循環経路を形成している。冷媒は、圧縮機構42、水熱交換器78、絞り装置77および空気熱交換器76により形成された冷媒循環経路に沿って循環する。この冷媒配管79には、圧縮機構42から吐出された冷媒を、水熱交換器78と絞り装置77とをバイパスして、空気熱交換器76に供給する除霜バイパス管80が接続されている。この除霜バイパス管80の一部には除霜バイパス弁81が設けられている。
貯湯槽74は、水あるいは温水を貯める貯湯タンク82を有している。この貯湯タンク82の受水口82cには、この貯湯タンク82内へ水を外部から供給する給水管83が接続されている。また、貯湯タンク82の湯出口82dには、貯湯タンク82から浴槽へ湯を供給するための浴槽給湯管84が接続されている。また、貯湯タンク82の水出入口82aには、タンク82に貯められた湯を外部に供給する給湯管85が接続されている。
冷凍サイクル装置73の水熱交換器78と貯湯タンク82とは、水配管74a、74b、75aおよび75bにより接続されており、貯湯タンク82と水熱交換器78との間に水の循環路が形成されている。
水配管74bは水を貯湯タンク82から水熱交換器78へ供給するための貯湯タンク側の管である。水配管74bの一端は、貯湯タンク82の水出口82bに接続され、他端は、ジョイント部分87bを介して、水熱交換器78の入水側水配管75bに接続されている。また、水配管74bの一端側には、貯湯タンク82内の水あるいは温水を排出するための排水弁86が取り付けられている。
水配管74aは水を水熱交換器78から貯湯タンク82へ戻す貯湯タンク側の管である。水配管74aの一端は、貯湯タンク82の水出入口82aに接続され、他端は、ジョイント部分87aを介して水熱交換器78の排出側水配管75aに接続されている。
水熱交換器78とジョイント部分87bとをつなぐ入水側水配管75bには、水循環路内に水を循環させるためのポンプ88が設けられている。
実施の形態19のヒートポンプ給湯器72において、ヒートポンプ給湯器72の運転状態、つまりヒートポンプ給湯器72に対して設定された温水の目標温度、貯湯槽74から冷凍サイクル装置73の水熱交換器78に供給される水の温度、および外気温に基づいて、ブラシレスモータ3の指令回転数が決定される。そして、実施の形態19におけるモータ制御装置40は、指令回転数に基づいて圧縮機構42のブラシレスモータ3に要求されるモータ出力を決定する。
次に、実施の形態19のヒートポンプ給湯器72における動作について説明する。
実施の形態19のヒートポンプ給湯器72において、圧縮機構42のブラシレスモータにモータ制御装置40から駆動電圧Cdが印加され、圧縮機構42が駆動すると、圧縮機構42により圧縮された高温冷媒は、矢印D方向に循環する。したがって、高温冷媒は圧縮機構42から冷媒配管79を通り、水熱交換器78に供給される。また、水循環路のポンプ88が駆動すると、貯湯タンク82から水が水熱交換器78に供給される。
このとき、水熱交換器78では、高温冷媒と貯湯タンク82から供給された水との間で熱交換が行われ、熱が冷媒から水へ移動する。したがって、水熱交換器78に供給された水が加熱され、加熱された水は貯湯タンク82へ供給される。このとき、加熱された水の温度は凝縮温度センサ78aにより監視されている。
また、水熱交換器78では、冷媒が熱交換により凝縮する。凝縮した液冷媒は、その流量が絞り装置77により絞られ、そして膨張し、空気熱交換器76に送り込まれる。
実施の形態19のヒートポンプ給湯器72では、空気熱交換器76が蒸発器として働く。空気熱交換器76は、送風機76aにより送り込まれた外気から熱を吸収し、低温の冷媒液を蒸発させる。このとき、空気熱交換器76の周辺雰囲気の温度は温度センサ76bにより監視されている。
また、冷凍サイクル装置73では、空気熱交換器76に霜がついた場合、除霜バイパス弁81が開き、高温の冷媒が除霜バイパス路80を介して空気熱交換器76に供給される。これにより、空気熱交換器76の除霜が行われる。
一方、貯湯槽74には、冷凍サイクル装置73の水熱交換器78から温水が水配管74aおよび75aを介して供給される。貯湯槽74に供給された温水が貯湯タンク82に貯められる。貯湯タンク82内の温水は、必要に応じて、給湯管85を通して外部に供給される。特に、浴槽へ給湯する場合、貯湯タンク82内の温水は浴槽用給湯管84を通して浴槽に供給される。
また、貯湯タンク82内の水あるいは温水の貯水量が一定量以下となった場合には、外部から給水管83を介して水が補給される。
実施の形態19のヒートポンプ給湯器72では、モータ制御装置40により、ヒートポンプ給湯器72に対して設定された温水の目標温度、水熱交換器78に供給される水の温度、及び外気温に基づいてブラシレスモータ3の指令回転数が決定される。実施の形態19のヒートポンプ給湯器72においては、前述の実施の形態13と同様、指令回転数に基づいて、モータ制御装置40により圧縮機構42のブラシレスモータ3の回転数が制御される。これにより、実施の形態19のヒートポンプ給湯器72においては、目標温度の温水の供給が確実に行われる。
上記のように実施の形態19のヒートポンプ給湯器72では、小型軽量化したモータ制御装置40を用いているため、ヒートポンプ給湯器72を従来の給湯器に比べて小型化および軽量化を図ることができる。したがって、本発明のヒートポンプ給湯器においては、小型化による設置の容易性が向上するとともに、軽量化による設置の容易性が向上している。さらに、本発明によれば、従来の給湯器に比べて大幅な低コスト化が実現できるため、ユーザにとってのメリットが拡大している。
なお、本発明に係る実施の形態19のヒートポンプ給湯器72においては、ブラシレスモータ3の駆動制御のために用いるモータ制御装置40を前述の実施の形態1から実施の形態11で説明したいずれのモータ制御装置で構成してもよい。
なお、実施の形態1から実施の形態19で説明した本発明は、前述の実施の形態に挙げた製品への搭載に限定されるものではなく、インバータ回路を使用してブラシレスモータを駆動する他のモータ制御装置にも適用できることはいうまでもない。いずれの製品においても、モータ制御装置を小型化、軽量化することで、該当する製品の設計の自由度が向上し、安価な製品を提供することができる等、その効用は計り知れない。
特に、空気調和機や空気調和機に使用される圧縮機について、その効用の大きさを説明する。
日本において販売されている家庭用の空気調和機は、そのほとんどがインバータ化されており、インバータ化されていない空気調和機に比べてきわめて省エネルギー効果が高い装置となっている。したがって、日本における空気調和機の消費電力は、10年前の空気調和機と比較すると約半分となっており、インバータ化が浸透している。しかし、世界的に見ると、インバータ化されていない空気調和機の方が多く、省エネルギーの促進や地球環境保全の観点から、世界の空気調和機をインバータ化することが望まれている。
日本では空気調和機という商品形態がほとんどであるが、日本以外の国の場合には圧縮機単体の商品で流通することが多く、このような圧縮機単品の市場では、従来の圧縮機のサイズと同等のサイズもしくはより小型の圧縮機が求められている。したがって、インバータ回路を付加した結果、サイズが従来よりも大型化するのでは、市場に受け入れられず、世界の圧縮機をインバータ化して省エネルギー化を促進することは困難である。そのため、圧縮機の性能は同等で、形状が同等もしくは小型であるインバータ装置を含めた圧縮機が必要であった。
前述のように、本発明によれば、従来のモータ制御装置の中でも大型部品である力率改善用インダクタと平滑用の静電容量の大きいコンデンサを用いない構成のモータ制御装置が提供できる。したがって、本発明によれば、従来の圧縮機と同等もしくはより小型なモータ制御装置を含めた圧縮機を提供し、世界的な省エネルギー化の促進と、地球環境の保全に多大な効用をもたらすことができる。
なお、前述の各実施の形態では、交流電源を入力とし、これを整流してインバータ回路へ入力するよう構成した例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。本発明においては、変動する電圧がインバータ回路へ入力されても、インバータ回路が所望の電圧に変換してブラシレスモータへ出力するよう構成されている。例えば、車載用のブラシレスモータに見られるような、一つの直流電源に複数の負荷がつながっている場合には、それらの負荷の動作条件により、直流電源の出力電圧が変動する。このように変動する直流電源が本発明のモータ制御装置に入力されても、インバータ回路が所望の電圧に変換して当該ブラシレスモータを高精度に駆動することができる。
本発明のモータ制御装置は、ブラシレスモータで駆動する車載用空気調和機の圧縮機にも適用可能である。車両が停止している期間はエンジンを停止させ、発進時にエンジンをかける車両、例えば、停車時にはエンジンのアイドリングを停止するアイドリングストップ車などにおいて、本発明のモータ制御装置は有用である。エンジンを始動する際には電源電圧の瞬時低下が発生する。しかし、車載用空気調和機の圧縮機に本発明のモータ制御装置を搭載した場合、エンジンを始動する際に生じる電源電圧の瞬時低下時にも、ブラシレスモータへ印加する電圧を調整できるため、ブラシレスモータが一旦停止することなく、継続して車載用空気調和機を運転できる。このように、本発明のモータ制御装置を特にアイドリングストップ車などのように、車両が停止している期間はエンジンを停止させ、発進時にエンジンをかけるとき車両などに特に優れた効果を発揮する。
また、前述の各実施の形態においては、位置センサを用いずにブラシレスモータに供給する電流で位相を検出する方法として、前述の1997年(平成9年)発行の電気学会論文誌D、117巻1号、第98―104頁、竹下、市川、李、松井「速度起電力推定に基づくセンサレス突極形ブラシレスDCモータ制御」に記載されている方法を用いて説明を行ったが、本発明はこの方法に限定されるものではなく、電流で位相を検出する方法であれば、どのような方法でも本発明に適用することができる。
本発明に係るモータ制御装置は、インバータ回路における直流側電圧が低いときでも駆動源への電圧印加を停止することなく連続的に所望の電圧を印加して、各機器を効率高く駆動することができ、圧縮機、空気調和機、冷蔵庫、電気洗濯機、電気乾燥機、送風機、電気掃除機、およびヒートポンプ給湯器等のモータ制御装置として有用である。
本発明に係る実施の形態1のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態1におけるPWM生成部の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態1におけるVpn補正部の動作を示すフローチャートである。 (a)は従来のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果を示すグラフであり、(b)は実施の形態1のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態2のモータ制御装置におけるPWM生成部のブロック図である。 本発明に係る実施の形態2における比率補正部の動作を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態3のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 (a)は従来のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果を示すグラフであり、(b)は実施の形態3のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態4のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態4のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態5のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態5のモータ制御装置によるモータ電流等を計測した実験結果である。 本発明のモータ制御装置と従来のモータ制御装置とによるモータの限界トルクを示す実験結果を示すグラフである。 本発明に係る実施の形態7のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態8のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 (a)は本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置の構成を示すブロック図であり、(b)は本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置における昇圧回路の別の構成を示す回路図である。 本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置における昇圧回路への入力波形を示す波形図である。 本発明に係る実施の形態9のモータ制御装置における動作を示す波形図である。 本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置における昇圧回路制御部の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置における動作を示す波形図である。 本発明に係る実施の形態10のモータ制御装置における昇圧回路制御部の別の構成を示すブロック図である。 (a)は本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置の構成を示すブロック図であり、(b)は本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置における別の構成の倍電圧整流昇圧回路を示す回路図である。 本発明に係る実施の形態11のモータ制御装置における動作を示す波形図である。 本発明に係る実施の形態12の圧縮機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態13の空気調和機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態14の冷蔵庫の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態15の電気洗濯機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態16の電気乾燥機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態17の送風機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態18の電気掃除機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る実施の形態19のヒートポンプ給湯器の構成を示すブロック図である。 第1の従来技術のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。 第2の従来技術のモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 整流回路
2 インバータ回路
3 ブラシレスモータ
4 制御部
5 単相交流電源
6 dq変換部
7 d軸PI制御器
8 q軸PI制御器
9 PWM生成部
10 逆dq変換部
11 線間変調部
12 Vpn補正部
13 比率補正部
14 比率生成部
15 位相推定部
16 コンデンサ
17 インダクタ
18 d軸乗算部
19 q軸乗算部
20 q軸加算部
21 昇圧回路
22 昇圧回路制御部
23 交流電流指令作成部
24 PWM指令作成部
25 倍電圧整流昇圧回路
26 コンデンサ
27 コンデンサ
40 モータ制御装置
41 圧縮機
43 空気調和機
51 冷蔵庫
55 電気洗濯機
61 電気乾燥機
64 送風機
66 電気掃除機
72 ヒートポンプ給湯器

Claims (21)

  1. 変動する電圧を入力とし、前記電圧を所望の電圧に変換してブラシレスモータへ出力するインバータ回路、および
    前記インバータ回路への入力電圧と、前記ブラシレスモータに流れるモータ電流と、前記ブラシレスモータに流れるべき値を示すモータ電流指令値とが入力され、前記インバータ回路への入力電圧値が前記ブラシレスモータに印加すべき電圧値よりも小さい時に前記ブラシレスモータへの印加電圧の電圧位相を保持して、前記インバータ回路を制御する制御部、
    を具備するよう構成されたモータ制御装置。
  2. 制御部は、ブラシレスモータの回転位相をモータ電流に基づいて推定するよう構成された請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 制御部は、インバータ回路の両端の電圧値がブラシレスモータに印加する電圧指令値よりも小さい時に前記制御部の積分制御を停止するよう構成された請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 制御部は、非干渉項を有する計算式により電圧指令値を算出するよう構成された請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  5. 制御部は、インバータ回路の電圧を検出し、次の制御周期に印加される前記インバータ回路の電圧を推定して、前記インバータ回路を制御するよう構成された請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. インバータ回路の入力側に静電容量の小さいコンデンサを有するよう構成された請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. インバータ回路の入力側にインダクタンスの小さいインダクタを有するよう構成された請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. インダクタとダイオードとスイッチング素子とコンデンサとを有する昇圧回路、および
    前記昇圧回路を制御する昇圧回路制御部をさらに具備し、
    前記昇圧回路制御部は、前記スイッチング素子のデューティー値を前記制御部からの信号に基づいて決定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  9. 昇圧回路制御部は、検出された交流電源の位相および交流電流値が入力されるよう構成されており、検出された位相と制御部からの制御信号とに基づいて交流電流指令値を出力する交流電流指令部、および
    前記交流電流指令値と検出された交流電源の交流電流とに基づいて前記スイッチング素子を駆動するPWM指令値を形成して出力するPWM指令作成部、を有する請求項8に記載のモータ制御装置。
  10. 変動する電圧が入力されるインダクタと、整流回路を構成する複数のダイオードと、前記整流回路に接続されオンオフ動作するスイッチング素子と、昇圧された電圧を出力するコンデンサとを有する昇圧回路、および
    前記昇圧回路を制御する昇圧回路制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  11. コンデンサの静電容量をC[F]とし、モータの最大出力電力をP[W]とすると、
    C≦2×10−7×P
    であるよう構成されたことを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  12. インバータ回路の入力側にインダクタンスの小さいインダクタを有するよう構成し、インダクタのインダクタンスをL[H]とし、コンデンサの静電容量をC[F]とすると、
    L≦9×10−9/C
    であることを特徴とする請求項6に記載のモータ制御装置。
  13. インダクタのインダクタンスをL[H]とし、モータの最大出力電力をP[W]とすると、
    L≦P×10−6
    であるよう構成されたことを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する圧縮機。
  15. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する空気調和機。
  16. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する冷蔵庫。
  17. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する電気洗濯機。
  18. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する電気乾燥機。
  19. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する送風機。
  20. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有する電気掃除機。
  21. 請求項1から13のいずれか一項に記載のモータ制御装置を有するヒートポンプ給湯器。
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