JP2008043012A - モータの駆動装置 - Google Patents

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義典 竹岡
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啓司 小川
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Abstract

【課題】高調波電流の改善を行うためには容量の大きなリアクタが必要となりコストと重量が増加してしまう。また、高調波電流の原因となる平滑用コンデンサを小さくした場合は電流波形が歪んでしまうという課題を有していた。
【解決手段】制御手段117がインバータ104を駆動するための信号の総出力が単相交流電源101の電源周波数の2倍以下の周波数で変化することにより、モータ105へ印加する総電圧は単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し単相交流電源101の電流波形が改善されることとなり、容量の大きなリアクタなどを用いることなく単純な構成で単相交流入力の電流波形が改善でき、低コスト小型化のモータ駆動装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機、冷蔵庫等に設けられた圧縮機あるいは送風機、さらには洗濯機のドラム(洗濯槽)等の駆動源となるモータの駆動方法およびその装置に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置における従来技術として、単相交流電源を、ダイオードをブリッジ接続した整流回路でリプル成分を含む直流に整流し、容量の大きな平滑用のコンデンサを用いて前記リプル成分を含む電圧を平滑し、安定してモータを駆動する制御装置が知られている。
また、異なる従来技術として、モータ駆動装置の小型・低コスト化を図るために、単相交流電源から整流回路への入力電流波形を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図10は、従来の平滑用のコンデンサを用いていないモータの駆動装置のブロック図である。
図10において、交流電源1は、整流ダイオード2により脈動を持った直流電力に変換され、インバータ3に入力する。インバータ3は、整流された直流電力を交流電力に変換し、ブラシレスモータ4に所望の電圧を印加する。
インバータ制御部5は、dq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、PWM生成部9を有し、インバータ3への入力電圧と、ブラシレスモータ4に流れるモータ電流と、ブラシレスモータ4に流すべき値を示すモータ電流指令値が入力され、インバータ3への入力電圧値が印加すべき電圧値よりも小さいときに、ブラシレスモータ4への印加電圧の電圧位相を保持して、インバータ3を制御する。
これにより、インバータ3の直流側電圧が低いときでもブラシレスモータ4への電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加するようにし、大きく脈動した電圧がインバータ3に入力された場合でも安定した駆動を実現することで、モータ駆動装置の小型化を図っている。
特開2005−20986号公報
しかしながら、前者の従来技術は、波形の円滑化のために容量の大きなコンデンサを用いているため、整流回路への入力が電圧のピーク付近のみで流れることとなってしまう。
そのため、高調波規制を満足することがでず、容量の大きなリアクタを用いて対応を行っている。このようなリアクタは、サイズ、重量ともに大きく、コストアップにつながるという課題を有していた。
また、後者の従来技術は、平滑用の容量の大きなコンデンサが無いため、単相交流の電圧のピーク付近のみ電流が流れることは無いが、モータへの入力電圧を一定に保つよう制御していることから、単相交流入力の電圧がモータに印加しようとする電圧よりも低下した区間では、回路内のLCの容量により電流を流し続けようとして、電流波形に高調波成分を含んでしまい、印加電流波形が大きく歪んでしまうという課題を有していた。
かかる課題は、特に前記モータの回転が低速域にある場合に多く、その結果、前記電流波形の歪が、前記モータ駆動装置を具備した機器と電源を同じとする他の機器に影響を及ぼし、例えば前記他の機器が照明器具の場合では、一時的に照明が暗くなったりし、また前記モータ駆動装置を具備した機器が多くなるにつれて、電柱から家屋に引込まれる引込み線電源(単相交流電源)に与える影響も大きくなるものであった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、大きな容量のリアクタを用いることなく単相交流入力の電流波形の高調波成分を減少させ、高調波規制を満足するモータの駆動装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、単相交流電源を整流回路により整流した電圧・電流を直接インバータへの入力とし、制御手段からインバータへの総出力が変化する周波数を、電源周波数の2倍以下の周波数としたものである。
これによって、前記モータへ印加する総電圧が、単相交流電源の電圧波形とほぼ同期し、単相交流電源の電流波形が改善されることとなる。
本発明のモータの駆動装置は、容量の大きなリアクタ等を用いることなく、単純な構成で単相交流入力の電流波形が改善でき、高調波成分による単相交流電源への影響が緩和され、しかも、小型・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、単相交流電源と、前記単相交流電源から入力される電流を整流して直流に変換し出力する整流回路と、前記整流回路から出力される直流を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記モータの現在の運転状態を把握する運転状態把握手段と、前記モータの目標運転状態を設定する目標値演算手段と、前記目標値演算手段による設定運転状態と前記運転状態把握手段により把握された現在の運転状態の差を基に前記インバータの駆動制御信号を出力する制御手段を備え、前記制御手段の出力周期範囲を、前記単相交流電源における電源周波数の2倍以下の周波数範囲としたものである。
かかる構成とすることにより、前記モータへ供給される電流のデューティを変化させる周期を、単相交流電源の電圧波形と略同期させることができる。その結果、特に前記モータの回転が低速域にあるときの単相交流電源の電流波形が改善されることとなり、容量の大きなリアクタ等を用いることなく、単純な構成で単相交流入力(モータへの入力)の電流波形、強いては単相交流電源の電圧波形が改善でき、低コストで、かつ小型化されたモータの駆動装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、前記整流回路の直流母線間に、小容量のコンデンサを接続したものである。
かかる構成とすることにより、電圧低下時にモータからの回生エネルギーを蓄え利用することが可能となり、その結果、前記モータの起動に一層大きなトルクを発生させることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記運転状態把握手段を、前記整流回路の直流母線間電圧の平均値を取得する平均電圧取得手段と、前記モータに流れる電流の平均値を取得する平均電流取得手段を具備する構成とし、前記制御手段が、前記目標値演算手段により設定されたモータの目標運転電流と前記平均電流取得手段により取得された電流の差分に基づいて前記モータへの印加電圧を決定し、決定した前記印加電圧と前記平均電圧取得手段により取得した電圧から前記インバータの周波数を制御するものである。
かかる構成とすることにより、外乱等のノイズに強い運転が可能となり、しかもノイズフィルタを小型化できるので、より低コストでより小型のモータの駆動装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段を具備し、前記目標値演算手段により設定されたモータの目標運転電流と前記電流検出手段により検出された電流を基に比例積分制御を行って前記モータに印加する電圧を決定し、決定した前記印加電圧と前記平均電圧取得手段により取得した平均電圧に基づいて前記インバータを制御し、前記比例積分制御に用いる比例ゲインと積分ゲインの応答周波数を、電源周波数の2倍以下としたものである。
かかる構成とすることにより、平滑用コンデンサの容量が小さな回路であっても、その制御方法に比例積分制御を採用する極めて容易な変更で実現できるので、より低コストで容量の大きなリアクタ等を用いることのない、小型化のモータ駆動装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明は、前記モータを、冷凍サイクルを構成する圧縮機の駆動用としたものである。
かかる構成とすることにより、慣性モーメントが大きい圧縮機の駆動用モータとした場合、電圧変動によるトルク変動の影響を受けることが少なく、より安定した駆動が可能となる。
請求項6に記載の発明は、前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機としたもので、かかることにより、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きくなり、さらに安定した駆動が可能となる。
請求項7に記載の発明は、前記圧縮機を、冷蔵庫を構成する冷凍サイクルに設けたもので、かかることにより、高調波規制が厳しい冷蔵庫であっても、小型・低コストで高調波規制を満足することができる。
また、小型のモータの駆動装置であるので、庫内容積率が高い冷蔵庫が得られ、従来と同じ外形寸法で収納容量が一層多く、使い勝手の良い冷蔵庫が得られる。
請求項8に記載の発明は、前記モータを、送風機を構成するファンの駆動用としたものである。
かかる構成とすることにより、モータ駆動装置の小型軽量化に伴い、送風機自体を従来の送風機に比べて一層小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風機を提供することができる。
請求項9に記載の発明は、前記モータを、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラムの回転駆動用としたものである。
かかることにより、小型化したモータ制御装置を用いているため、洗濯機のドラムの容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化を達成することができる。
請求項10に記載の発明は、前記モータを、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機のドラムの回転駆動用としたもので、かかることにより、小型化したモータ制御装置を用いているため、乾燥機のドラムの容積率を高くすることが可能となり、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法でドラムの大容量化を達成することができる。
請求項11に記載の発明は、前記モータを、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用としたもので、かかることにより、小型軽量化したモータ制御装置を用いているため、掃除機本体を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化が可能となり、可搬性が高くユーザにとってハンドリングが容易な電気掃除機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置のブロック図である。
図1において、単相交流電源101は商用電源で、日本国内ではAC100V、50Hzまたは60Hzであり、整流回路102に接続している。本実施の形態1においては、50Hzの電源として説明を進める。
整流回路102は、周知の如く4個のダイオードをブリッジ接続した回路で構成されている。
平滑用のコンデンサ103は、整流回路102で全波整流した電圧が入力される。このコンデンサ103の容量は0.2μF/W以下の静電容量を持つコンデンサを使用する。
この種の平滑用コンデンサは、一般的にはインバータ104の出力容量(WまたはVA)や駆動装置全体の入力容量(WまたはVA)から、あるいは直流電圧のリプル含有量やリプル電流による平滑用コンデンサの耐リプル電流の特性等からコンデンサの静電容量を決定する。
これらの条件を加味して、一般的には2〜4μF/W程度の容量を確保する。すなわち200Wの出力容量の場合は、400〜800μF程度の電解コンデンサを使用していた。
これに対し、本実施の形態1では、コンデンサ103には0.2μF/W以下の静電容量を持つコンデンサを使用している。すなわち、200Wの出力容量の場合は40μF以下のコンデンサを使用することになる。
コンデンサ103の種類は、積層セラミックコンデンサやフィルムコンデンサ等を用いることができ、特に積層セラミックコンデンサは、近年高耐圧で大容量のコンデンサがチップで実現できるようになってきており、装置を非常に小型化できるという利点がある。
本実施の形態1では、上述の如くコンデンサ103に、静電容量が1μFの積層セラミックコンデンサを採用している。
コンデンサ103の容量は、前述の如く小容量であるので、該コンデンサ103に充電されたエネルギーはすぐに放電される。このため、モータ105に流れる総電流の波形が、そのまま単相交流電源101の電流の波形として現れる。そこで、モータ105の総電流の高調波を改善することにより、単相交流電源の高調波を改善することができる。
インバータ104は、スイッチング素子と逆向きに接続されたダイオードをセットにした回路を6回路3相ブリッジ接続している。前記スイッチング素子は、IGBTやバイポーラトランジスタやFET等を用いることができる。本実施の形態1においては、PWM(Pluse Width Moduration)制御によるインバータとして説明する。
ブラシレスDCモータ(以下、単にモータと称す)105は、インバータ104の3相出力により駆動される。モータ105の固定子には、3相スター結線された巻線が施され、この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また回転子は、希土類永久磁石を有しており、その配置方法は、表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わない。また永久磁石はフェライト系磁石でも希土類系磁石でも構わない。
尚、永久磁石を用いる場合は、希土類系磁石を用いることで、マグネット使用重量をフェライト系磁石と同量とした場合、モータ効率を向上することができ、またフェライト系磁石を用いたモータと同等性能のモータとする場合は、マグネット重量を低減することができるため、モータ重量を軽量化することができる。
圧縮要素106は、モータ105を構成する回転子の軸に接続され、冷媒ガスを吸入し、圧縮して吐出する。このモータ105と圧縮要素106を同一の密閉容器107に収納し、レシプロ型の圧縮機108を構成する。圧縮機108は、搭載される機器に応じてロータリ型、スクロール型が用いられる。なお、圧縮機108の具体的な構成については、図2を用いて後述する。
圧縮機108は、ここで圧縮し、吐出した冷媒ガスを、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111を通って圧縮機108の吸い込みに戻る冷凍空調システム(冷凍サイクル)を構成し、凝縮器109では放熱を、蒸発器111では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。
尚、必要に応じて凝縮器109や蒸発器111に送風機等を付加し、熱交換をさらに促進することもある。
また本実施の形態1では、冷凍空調システムを具備した機器として冷蔵庫を例にし、庫内112を蒸発器111により冷却する構成としている。
運転状態把握手段113は、平均電圧取得手段114と、平均電流取得手段115と、モータ位相演算手段116を具備した構成であり、平均電圧取得手段114により取得されたモータ105に印加可能な電圧値の平均値と、平均電流取得手段115により取得されたモータ105に流れる電流の平均値と、モータ位相演算手段116に演算されたモータ位相情報を把握し、その把握内容を制御手段117へ出力している。
平均電圧取得手段114は、電圧検出手段118と平均電圧演算手段119を具備する構成で、電圧検出手段118が整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧を検出し、この検出した電圧値に基づいて平均電圧演算手段119が検出電圧の平均値を求め、制御手段117へ運転状態把握手段113の情報の一部として出力している。
平均電圧演算手段119を構成する電圧検出手段118の出力、すなわち整流回路102における直流母線V1、V2間の電圧値の平均値を演算する方法は、例えば検出動作を行う直前の設定時間(例えば、過去50ミリ秒の間)に入力された電圧の総和をサンプリング回数で割る等、いくつかの方法がある。
本実施の形態1においては、平均電圧を演算する対象期間(前記直前の設定時間)を、過去50ミリ秒とすることで、国内電源周波数である50Hzと60Hzにおける半波の時間の公倍数としたので、単相交流電源101の周波数が50Hzと60Hzのどちらであっても安定した平均電圧を算出することができる。
また、単相交流電源101の周波数と比べて低い周波数となるため、単相交流電源101の周期の影響を受けることなく制御を行うことができる。
単相交流電源101は周期関数であるので、平均電圧は次式の通りとなる。
Figure 2008043012
かかる式により、平均電圧Vavは実効値Veと比べて約0.9倍となる。したがって、交流100Vの実効値であれば、約90Vの平均電圧となる。
また、平均電圧取得手段114の構成要素である電圧検出手段118が検出した整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧を、モータ位相演算手段116への入力としている。
平均電流取得手段115は、電流検出手段120と平均電流演算手段121を具備した構成であり、電流検出手段120がモータ105に流れる電流を検出し、その検出した電流の平均電流を平均電流演算手段121が演算し、この演算結果を運転状態把握手段113の情報の一部として制御手段117へ出力している。
また、平均電流取得手段115の構成要素である電流検出手段120が検出したモータ105の電流を、モータ位相演算手段116への入力としている。
さらに、電流検出手段120は、モータ105の電流を検出し、その検出電流値をモータ位相演算手段116と平均電流演算手段121への入力としている。
ここで、電流検出手段120には、周知の電流センサやシャント抵抗等を用いることができる。前記シャント抵抗は、小型かつ低コストでその機能が実現可能であるため、特に好ましい。
平均電流演算手段121の電流検出手段120の出力、すなわちモータ105へ入力される総電流の平均値を演算する方法としては、例えば検出動作を行う直前の設定時間(例えば、過去50ミリ秒の間)に入力された電流の総和をサンプリング回数で割る等、いくつかの方法がある。
本実施の形態1においては、平均電流を演算する対象時間(前記直前の設定時間)を、50ミリ秒とすることで、国内電源周波数である50Hzと60Hzにおける半周期の時間の公倍数としたので、単相交流電源101の周波数が50Hzと60Hzのどちらであっても単相交流電源101の周波数に依存しない安定した平均電流が算出できる。
また、このようにモータ105に流れる総電流を扱っているため、電流ベクトルでモータの状態を制御する正弦波ベクトル制御と親和性が非常に高く、効率的に運転を行うことができる。
さらに、モータ位相演算手段116は、電流検出手段120の出力であるモータ105の電流値と、電圧検出手段118の出力である整流回路102の直流母線V1、V2間の電圧値を入力としてモータ105の回転子の位置を検出している。そして検出した位置情報を、制御手段117への入力としている。
制御手段117では、運転状態把握手段113の出力であるモータ105(回転子)の位置情報、および外部から入力される本来モータ105に流すべき電流(以下、目標電流と称す)と平均電流取得手段115の出力であるモータ105の平均電流の差からモータ105に印加すべき目標の電圧を決定する。
前記目標電流は、冷蔵庫の庫内112に設けた温度センサ123により検出された庫内温度を基に、目標値演算手段122によって決定され、制御手段117へ入力される。
さらに詳述すると、目標値演算手段122は、冷蔵庫の運転モード(強運転、弱運転等)に対応して設定された温度勾配(データ)を予め記憶した記憶手段と、所定時間(例えば10分単位程度)毎に温度センサ123から温度データを取込むサンプリング手段(いずれも図示せず)を具備し、前記取込んだ温度データの変化値(温度勾配)と前記記憶された温度勾配を比較演算し、その結果を制御手段117へ出力する。
したがって、制御手段117は、前述の如く位置情報および電流差情報から目標の電圧を決定することができる。その目標電圧は、前述の如く冷蔵庫の運転モードに対応した電圧であることは言うまでもない。
そして、制御手段117は、目標値演算手段122の比較結果に基づき、印加すべき目標の電圧(上昇、現状維持、下降)を決定する。具体的な電圧値は、選択した上昇あるいは下降テーブルに予め設定された電圧変更データに沿って行われる。
また、具体的な制御は、前記決定した電圧を、平均電圧演算手段119により演算された平均電圧で除算し、その比率をデューティ比としてPWMデューティ幅を決定し、その決定されたPWMデューティ幅によってインバータ104の駆動を行う。
このように、モータ105の位置検出に、平均電圧と平均電流ではなく、電圧検出手段118によって検出された直流母線V1、V2間の電圧と電流検出手段120によって検出されたモータ105に流れている電流の瞬時値を用いることで、精度良くモータ105の位置を検出し、そして前記デューティの計算に平均電圧と平均電流を用い、前記位置検出結果とデューティ計算結果を瞬時に制御手段117へ出力することによって、モータ105に印加される電源波形の高調波成分を改善することができる。
また、運転状態把握手段113によるモータ105の位置(回転子の位置)と、実際のモータ(回転子)の位置との間に多少のずれや、高トルク運転のための弱め磁束制御等を行ったことに起因するモータ105からのエネルギーの帰還が生じた場合であっても、直流母線V1、V2間に設けた0.2μF/W容量のコンデンサ103によって急峻な電圧変化を吸収し、吸収したエネルギーを利用してモータ105を駆動することができる。
なお、運転状態把握手段113、制御手段117および目標値演算手段122等は、各種信号をプログラム演算処理する関係から、周知の如くマイクロコンピュータを中心とする集積回路(LSI)によって構成されている。
次に、圧縮機108の構成について図2を参考に説明する。図2は、本実施の形態1における圧縮機の断面図を示している。
図2において、圧縮機108の密閉容器107内には、オイル122を貯溜すると共にR600aの冷媒123が封入され、固定子124と回転子125を主体に構成されたモータ105、およびこれによって駆動される圧縮要素106が内蔵されている。そして、モータ105および圧縮要素106は、スプリング等により弾性的に支持されており、モータ105の回転による振動が圧縮機外部に伝播し難い構成となっている。
また、圧縮要素106は、回転子125が固定された主軸部126および偏芯軸部127から構成されたクランクシャフト128と、クランクシャフト128の主軸部126を軸支するとともに圧縮室129を有するシリンダ130と、圧縮室129内で往復運動するピストン131と、偏芯軸部127とピストン131を連結する連結手段132を備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。
従って、本実施の形態1においては、インバータの入力電圧に大きな脈動を含む場合でも、イナーシャが大きいレシプロ型圧縮機の特徴と構造から、脈動による振動および振動に伴う騒音が圧縮機外部に漏れにくくなっている。
なお本実施の形態1では、R134a冷媒と比較して冷凍能力の低いR600aを用いているので、同等の冷却性能を確保するためにはR134a用圧縮機より圧縮室容積を大きくする必要があり、ピストンが大型化する。従って、かかる構成は、モータイナーシャが増大するため、コンデンサ103を非常に小さい容量としているものの、大きな脈動を含むインバータ入力電圧が印加される場合であっても、振動および騒音の影響がさらに受け難くなる。
以上のように構成されたモータの駆動装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図1、図3、図4、図5、図6を用いて従来技術の説明と同様に平均電圧と平均電流を用いず、直流母線V1、V2の電圧とモータ105の電流の瞬時値を用いて制御を行った場合について説明する。
図3は、本実施の形態1のモータの駆動装置における直流母線電圧の推移の一部(半波)を示すグラフである。図4は、従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移を示すグラフである。図5は、従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフである。図6は、従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図である。
なお、これらの波形図、グラフは、便宜上波形の1サイクルを20ミリ秒として説明する。
始めに、制御手段117は、運転状態把握手段113によって検出されたモータ105の位置情報を用いてモータ105に印加する電圧を決定する。ここで、モータ105に印加する電圧を、説明の便宜上64Vとする。
このとき、従来の制御では、直流母線V1、V2間の電圧を用いてPWMデューティを計算するため、図3において直流母線電圧が64V以上あるT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間では、PWMデューティ幅を図5のT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間に示すように電圧の変動(上昇・下降)に反比例してデューティ率を制御し、これによってT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間においてキャリア周期毎の平均電圧が図4に示すように64Vとなるように制御を行う。
つまり、従来の制御は、キャリア周期毎におけるモータ105への印加電圧を、半サイクルの中でデューティ率を制御することにより設定していた。
一方で、直流母線V1、V2間の電圧が64V以下の区間である0ミリ秒からT1ミリ秒、およびT2ミリ秒から10ミリ秒の区間においては、モータ105に最大限に電圧を印加しようとするため、図5の同区間に示すようにデューティは100%となる。したがって、モータ105へ印加する電圧は、図4に示すように直流母線の電圧(波形)と等しくなる。
その結果、図6に示すようにT1ミリ秒からT2ミリ秒間での電流がほぼ一定となり、T2ミリ秒から10ミリ秒では電圧が低下しているため電流を流せなくなり、電流値が減少する。
また、電圧が0Vになった場所であっても、単相交流電源101のインダクタ成分等により電流を流し続けようとし、図6の0ミリ秒からT1の区間に相当する0Vからの電圧の立ち上がり区間では、立下りの部分で流し続けようとした電流が流れ、図6のPで示すように電流波形が尖り、高調波成分を含んでしまう。
本実施の形態1おいても、コンデンサ103の容量が小容量であるため、上述と同様に制御を行った場合は、モータ105に流れる総電流が単相交流電源101に影響し、その結果、単相交流電源101でも同様に高調波成分を含んだ電流波形となってしまう。
次に、本実施の形態1による制御、すなわち、制御手段117がモータ105への印加電圧を計算するために、平均電圧取得手段114が取得した直流母線V1、V2間の電圧の平均電圧を用いる場合について、図1、図3、図4、図7、図8、図9を用いて説明する。
図7は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフである。図8は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフである。図9は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図である。
ここで、本実施の形態1においては、電源周波数が50Hzで、平均電圧を算出する時間を前述の如く50ミリ秒とした場合について説明する。したがって、電源周期が安定していることを前提にすれば、50ミリ秒と10ミリ秒の各平均電圧は等しいため、以下の説明では便宜上、10ミリ秒の区間の図を用いて説明する。
まず、平均電圧取得手段114によって演算される平均電圧は、前述の(数1)式から約90Vとなり、モータ105へ64Vを出力するのに必要なデューティは約71%と計算される。従来の如く直流母線間電圧をデューティ演算に用いた場合は、デューティ(率)が図5に示すように変動するが、本実施の形態1においては、平均電圧を演算に用いているため、一キャリア周期におけるデューティ(率)は図7に示すように0ミリ秒から10ミリ秒の区間全てに亘って一定となる。
その結果、モータ105に印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移は、図8に示すように、図3に示す直流母線間電圧(整流回路102の出力電圧)の推移の値を約0.71倍したものとほぼ一致し、これは整流回路102の入力側である単相交流電源101の電圧推移とも略一致している。
したがって、モータ105に印加される電圧が正弦波状に推移し、モータ105に流れる総電流の推移も図9に示すように正弦波状となり、高調波成分が大きく改善され、単相交流電源101に流れる電流波形も高調波成分が大きく改善された波形となる。
ただし、単相交流電源101と一致するのは電源周期の中で目標値が変化しなかった場合、すなわちモータ105への印加電圧を維持している条件の時だけであり、次の制御のために平均電圧取得手段114の演算動作によって平均電圧が変化する等、条件が変化した場合は前記目標値も変化する。
その場合は、その目標値の変化に応じてモータ105に印加しようとする電圧が単相交流電源101の1周期内で変化し、その変化に起因して前述の正弦波状から乱れた波形に変化する。
その結果、モータ105に流れる総電流も正弦波とは異なり、高調波成分を多く含んだ電流波形となる。モータ105の総電流が高調波を多く含んだ電流波形となることにより、単相交流電源101に流れる電流も高調波を多く含んだ電流波形となる。
つまり、モータ105へ流す総電流の目標値が一定の時に電圧降下が生じると、その電圧降下に伴って、モータ105に流れる実総電流は低下する。この時に、特にモータ105の回転数が低速域にある場合、インバータ104のモータ105に供給する電流のデューティを単相交流電源101の電源周期の2倍よりも高い周波数で出力制御すると、モータ105への供給電流を多く流そうとし、これに起因してモータ105に印加しようとする電圧が増加し、その結果、正弦波状から大きく乱れた波形の電圧を印加してしまい、これに起因してモータ105の総電流および単相交流電源101の電流波形に高調波電流成分を含んでしまうためである。
本実施の形態1においては、モータ105に印加しようとする電圧を決定するために、目標とする電流値と比較して差を求める電流に、モータ105へ供給する総電流の平均値を用いている。このモータ105の総電流の平均値は、平均電圧取得手段114と同様に、国内商用電源周波数の50Hzと60Hzの公倍数である期間50msの合計を50msで除算し求めているため、単相交流電源101の電源周期に依存して変化することがない。
このように、目標電流と、モータ105に印加すべき電圧を決定する電流(モータ105の総電流)の平均値との差が、単相交流電源101の電源周期に依存せず、モータ105には、単相交流電源101を全波整流した電圧波形と同期した波形の電圧を印加することになり、電流も電源電圧を全波整流した電圧波形と相似な波形で流れることとなる。つまり高調波電流が改善された電流が、単相交流電源101に流れることとなる。
本実施の形態1においては、直流母線V1、V2間電圧の平均値と、モータ105を流れる総電流の平均値を求めるに当り、50ms間(半波)での平均値を採用しているが、単相交流電源101の電源周期(周波数)の2倍以下の周期で平均値を求める制御とすることにより、モータ105への印加電圧は電源周期と略同期した波形となり、高調波成分を改善した電流波形が得られる。
かかる制御の応答性は、単相交流電源101における電源周期(周波数)の2倍以下の周期(周波数)ということで、速やかな応答性とは言えないが、家電製品等の分野においては、一般的に負荷の変化が大きくないため、十分その変動に追従できる範囲であり、問題とならない。
以上のように、本実施の形態1においては、単相交流電源101と、単相交流電源101から入力される電流を整流して直流に変換し、出力する整流回路102と、整流回路102から出力される直流を入力とするインバータ104と、インバータ104により駆動されるモータ105と、モータ105の現在の運転状態を把握する運転状態把握手段113と、モータ105の目標運転状態を設定する目標値演算手段122と、目標値演算手段122による設定運転状態と運転状態把握手段113により把握された現在の運転状態の差を基にインバータ104の駆動制御信号を出力する制御手段117を備え、制御手段117の出力周期の範囲を、単相交流電源101における電源周波数の2倍以下の周波数範囲で変化させるようにしたものである。
したがって、モータ105へ印加する総電圧は、単相交流電源101の電圧波形と略同期することとなり、その結果、特にモータ105の回転が低速域にあるときの単相交流電源101の電流波形が改善され、容量の大きなリアクタ等を用いることなく、単純な構成で単相交流入力(インバータ104への入力)の電流波形が改善でき、低コストかつ小型化のモータ駆動装置を提供することができる。
また、整流回路102の直流母線V1、V2間に、小容量のコンデンサ103を接続することにより、電圧低下時においてモータ105からの回生エネルギーを蓄え利用することが可能となる。その結果、モータ105の起動に一層大きなトルクを発生させることが可能となる。
さらに、運転状態把握手段113を、整流回路102の直流母線V1、V2間電圧の平均値を取得する平均電圧取得手段114と、モータ105に流れる電流の平均値を取得する平均電流取得手段115を具備する構成とし、制御手段117が、モータ105を本来の運転状態とするべく演算決定した目標運転電流値と、平均電流取得手段115により取得、演算された平均電流との差分によってモータ105への印加電圧を決定し、この決定した電圧と、平均電圧取得手段114によって取得、演算された電圧からインバータ104の出力を制御することにより、外乱等のノイズに強い運転が可能となり、この種制御回路の常套手段として設けられるノイズフィルタを小型のものとすることができ、より低コストでより小型のモータ駆動装置を提供することができる。
また、制御手段117によるインバータ104へ出力する平均電流(デューティ)を決定は、制御手段117が、目標値演算手段122により設定されたモータ105の目標運転電流と電流検出手段120により検出された電流とで比例積分制御を行い、決定するもので、その比例積分制御に用いる比例ゲインと積分ゲインの応答周波数(周期)を、電源周波数(周期)の2倍以下とすることにより、モータ105に流れる電流波形を電流値の変動が小さい波形とすることができ、かかる制御は、容量が小さい平滑用コンデンサを用いた回路の制御方法から極めて容易に変更ができる。
その結果、より低コストで容量の大きなリアクタ等を用いることのない小型のモータ駆動装置を提供することができる。
また、直流母線V1、V2の平均電圧を検出する平均電圧取得手段114を、電圧を検出する電圧検出手段118と、平均電圧演算手段119で構成し、また運転状態把握手段113を、モータ105の電流を取得する電流検出手段120と、該電流検出手段120により検出された電流と電圧検出手段118により検出された電圧とからモータ105の位置を検出するモータ位相演算手段116で構成することにより、モータ位相を精度良く推定するために必要な電圧検出手段118を、平均電圧を検出するための電圧検出手段と兼用しているため、部品数の削減が図れ、低コストで精度の高い位置検出手段を実現することができる。
また、圧縮機108を駆動するモータ105の場合は、電圧の変動によってモータ105にトルク変動が発生しても、圧縮機108の慣性モーメントが大きいことからモータ105への影響は小さく、その結果、より安定した駆動が可能となる。
さらに、圧縮機108をレシプロ型の圧縮機としているため、構造上、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きく、さらに安定した駆動が可能となる。
また、圧縮機108が圧縮する冷媒をR600aとしているため、冷蔵庫等で一般的に採用されたR134aと比較して冷凍能力が低く、同等の冷凍能力を得るためには、圧縮機108の気筒容積を大きくする必要がある。かかる構成は、慣性モーメントがさらに増加することとなるので、非常に安定した運転を行うことができる。
さらに、モータ駆動装置は、モータ105に印加される電圧波形を正弦波状に推移させるため、モータ105に流れる総電流の推移も高調波成分が改善された制限波状となる。
したがって、前記モータ駆動装置を具備する圧縮機108を、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111等とともに構成される冷凍空調システム(冷凍サイクル)に設け、この冷凍空調システムを冷蔵庫に採用することにより、空調機器よりも厳しい高調波規制を満足する冷蔵庫が得られる。しかも、前記モータの駆動装置は、小型であるので、冷蔵庫の庫内容積率を高めることができ、従来と同じ外形寸法でより収納容量の多い使い勝手の良い冷蔵庫を提供できることとなる。
また、前記冷凍空調システムを空気調和機に適用することにより、空気調和機の小型化が可能となり、しかも、低コストで高調波を改善した空気調和機を構成できる。そのため、高調波による他の機器への影響も少なくなり、空気調和機における設置スペースの自由度を高めることができる。
前記モータの駆動装置は、冷凍空調システム以外にも用途展開が可能で、適用した各種機器に特有の作用効果をもたらすものである。
モータ105を、送風装置のファン駆動用として用いた場合、小型軽量化したモータ駆動装置であることに起因して送風装置自体を従来の送風装置に比べて小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風装置を提供することができる。
また、モータ105を、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラム(洗濯兼脱水槽)の回転駆動用として用いた場合、小型化したモータ制御装置であることに起因して洗濯機のドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化が可能となる。
同様に、モータ105を、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機の乾燥ドラムの回転駆動用として用いた場合も、小型化したモータ制御装置であることに起因して乾燥機の乾燥ドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法でドラムの大容量化が可能となる。
さらに、モータ105を、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用として用いた場合も同様に、小型軽量化したモータ制御装置であることに起因して掃除機本体を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化することができ、その結果、可搬性が高く、ユーザにとってハンドリングが容易な使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータの駆動装置は、小型・低コストで高調波抑制が可能となるので、冷凍空調システム以外にも、AV機器(特に小型機器)等のようにモータが非常に小さくてセンサをつけることが困難な機器や回路を非常に小型化したい場合等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置のブロック図 同実施の形態1における駆動装置によって駆動する圧縮機の断面図 同実施の形態1におけるモータの駆動装置における直流母線電圧の推移の一部(半波)を示すグラフ 従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフ 従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフ 従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図 本発明の実施の形態1における平均電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフ 同実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフ 同実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図 従来技術におけるモータの駆動装置のブロック図
符号の説明
101 単相交流電源
102 整流回路
103 コンデンサ
104 インバータ
105 モータ
106 圧縮要素
107 密閉容器
108 圧縮機
109 凝縮器
110 減圧器
111 蒸発器
112 庫内
113 運転状態把握手段
114 平均電圧取得手段
115 平均電流取得手段
116 モータ位相演算手段
117 制御手段
118 電圧検出手段
119 平均電圧演算手段
120 電流検出手段
121 平均電流演算手段
122 オイル
123 冷媒
124 固定子
125 回転子
126 主軸部
127 偏芯軸部
128 クランクシャフト
129 圧縮室
130 シリンダ
131 ピストン
132 連結手段

Claims (11)

  1. 単相交流電源と、前記単相交流電源から入力される電流を整流して直流に変換し出力する整流回路と、前記整流回路から出力される直流を入力とするインバータと、前記インバータにより駆動されるモータと、前記モータの現在の運転状態を把握する運転状態把握手段と、前記モータの目標運転状態を設定する目標値演算手段と、前記目標値演算手段による設定運転状態と前記運転状態把握手段により把握された現在の運転状態の差を基に前記インバータの駆動制御信号を出力する制御手段を備え、前記制御手段の出力周期範囲を、前記単相交流電源における電源周波数の2倍以下の周波数範囲としたモータの駆動装置。
  2. 前記整流回路の直流母線間に、小容量のコンデンサを接続した請求項1に記載のモータの駆動装置。
  3. 前記運転状態把握手段を、前記整流回路の直流母線間電圧の平均値を取得する平均電圧取得手段と、前記モータに流れる電流の平均値を取得する平均電流取得手段を具備する構成とし、前記制御手段が、前記目標値演算手段により設定されたモータの目標運転電流と前記平均電流取得手段により取得された電流の差分に基づいて前記モータへの印加電圧を決定し、決定した前記印加電圧と前記平均電圧取得手段により取得した電圧から前記インバータによる前記モータへの供給電流のデューティを制御する請求項1または2に記載のモータの駆動装置。
  4. 前記モータに流れる電流を検出する電流検出手段を具備し、前記目標値演算手段により設定されたモータの目標運転電流と前記電流検出手段により検出された電流を基に比例積分制御を行って前記モータに印加する電圧を決定し、決定した前記印加電圧と前記平均電圧取得手段により取得した平均電圧に基づいて前記インバータを制御し、前記比例積分制御に用いる比例ゲインと積分ゲインの応答周波数を電源周波数の2倍以下とした請求項3に記載のモータの駆動装置。
  5. 前記モータを、冷凍サイクルを構成する圧縮機の駆動用とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
  6. 前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機とした請求項5に記載のモータの駆動装置。
  7. 前記圧縮機を、冷蔵庫を構成する冷凍サイクルに設けた請求項5または6に記載のモータの駆動装置。
  8. 前記モータを、送風機を構成するファンの駆動用とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
  9. 前記モータを、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラムの回転駆動用とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
  10. 前記モータを、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機のドラムの回転駆動用とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
  11. 前記モータを、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用とした請求項1から4のいずれか一項に記載のモータの駆動装置。
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