JP2008104315A - モータ駆動装置 - Google Patents

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啓司 小川
Hidenao Tanaka
秀尚 田中
Shusaku Watakabe
周作 渡壁
Yoshinori Takeoka
義典 竹岡
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Abstract

【課題】高調波電流の改善を行うためには容量の大きなリアクタを必要となりコストと重量が増加してしまう。また、高調波電流の原因となる平滑用コンデンサを小さくした場合はでも電流波形が歪んでしまい、効率が悪いという課題を有していた。
【解決手段】単相交流電源101を第1の整流回路102により整流した電圧・電流を直接インバータ106への入力とし、モータ109への印加電圧の計算に第2の整流回路103と第1のコンデンサ104によって平滑した電圧を用いたことによって、モータ109への印加電圧が単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し、単相交流電源の電流波形が改善されることとなり、容量の大きなリアクタ等を用いることなく単純な構成で単相交流入力101の電流波形が改善でき、また、電流と電圧を演算した電力を常に最小にするため、高効率運転ができる小型化・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機、冷蔵庫、洗濯機、送風機等に採用されるモータの駆動装置に関するものである。
従来、この種のモータ駆動装置は、単相交流電源の交流を、ダイオードをブリッジ接続した整流回路によってリプル成分を含む直流に整流し、容量の大きな平滑用のコンデンサを用いて前記リプル成分を含む電圧を平滑し、安定してモータを駆動することが知られている。以下、この技術を第1の従来技術と称す。
また、モータ駆動装置の小型・低コスト化を図るために、交流電源を整流した電圧を、インバータに入力しても安定して動作し、単相交流電源から整流回路への入力電流波形を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、この技術を第2の従来技術と称す。
図11は、従来の平滑用のコンデンサを用いていないモータの駆動装置のブロック図で、上記第2の従来技術に相当するものである。
図11において、交流電源1は、整流ダイオード2により脈動を持った直流電力に変換され、インバータ3に入力される。インバータ3は、整流された直流電力を交流電力に変換し、ブラシレスモータ4に所望の電圧を印加する。
インバータ制御部5は、dq変換部6、d軸PI制御器7、q軸PI制御器8、PWM生成部9を有し、インバータ3への入力電圧と、ブラシレスモータ4に流れるモータ電流と、該ブラシレスモータ4に流すべき電流値を示すモータ電流指令値が入力され、インバータ3への入力電圧値が印加すべき電圧値よりも小さいときに、ブラシレスモータ4への印加電圧の電圧位相を保持して、インバータ3を制御する。
かかる制御により、インバータ3の直流側電圧が低いときでも、ブラシレスモータ4への電圧印加を停止させることなく連続的に電圧を印加するようにし、大きく脈動した電圧がインバータ3に入力された場合でも、安定した駆動を実現することで、モータ駆動装置の小型化を図っている。
特開2005−20986号公報
しかしながら、第1の従来技術は、容量の大きな平滑用コンデンサを用いているため、整流回路への入力が電圧のピーク付近のみで流れることとなってしまう。そのため高調波規制を満足することができず、容量の大きなリアクタを用いてその対応を行っている。
このようなリアクタは、サイズ、重量ともに大きく、コストアップにつながるという課題を有していた。
また、第2の従来技術は、平滑用の容量の大きなコンデンサが無いため、単相交流の電圧のピーク付近のみ電流が流れることは無いが、モータ4への入力電圧を一定に保つよう制御しているため、単相交流入力の電圧がモータに印加しようとする電圧よりも低下した区間では、回路内のLCの容量により電流を流し続けようとする結果、電流波形が大きく歪んでしまい、これに起因して電流が大きくなり、モータ4の効率が悪い状態になるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、大きな容量のリアクタを用いることなく、単相交流入力の電流波形の高調波成分を減少させて高調波規制を満足し、かつ電力を最小値に制御し、極力高効率で運転できるモータの駆動装置を提供することを目的の一つとする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、単相交流電源を第1の整流回路により整流し、その電圧・電流を直接インバータへの入力とし、またモータへの印加電圧の計算に、第2の整流回路と第1のコンデンサによって平滑した電圧を用いたものである。
これによって、前記モータへの印加電圧が単相交流電源の電圧波形とほぼ同期した波形となり、単相交流電源の電流波形が改善され、かつモータの電力が最小値になるように、モータ位相角を移動させることにより、極力最高の効率でモータを運転することができる。
本発明のモータの駆動装置は、容量の大きなリアクタ等を用いることなく単純な構成で単相交流入力の電流波形が改善され、また常に高効率での運転が行える、小型化・低コスト、高効率のモータ駆動装置を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、単相交流電源と、前記単相交流電源の交流を直流に整流する第1の整流回路と、前記第1の整流回路より得られる直流を交流に変換するインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とするモータと、前記インバータの直流母線間に第2の整流回路を介して接続される第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサと並列に接続される負荷と、前記第1のコンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、前記コンデンサの両端電圧と、前記モータの各電流から電力を出力する電力演算手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧値と前記電流検出手段により検出された電流値に基づくモータの位置信号を用いて前記インバータを駆動し、前記モータへ印加する電圧を制御する制御手段と、前記モータに流れる電流から電圧の位相角であるβを演算するモータ位相演算手段からの信号を入力し、前記位相角βを前記電力演算手段の演算による電力が最小値となるように変化させるものである。
かかる構成とすることにより、容量の大きなリアクタ等を用いることなく単純な構成で単相交流入力の電流波形が改善でき、また極力常に最低電力にすることにより、電流を制限する制御に比較して、電流と電圧の双方を監視しながらの制御となるため、より制度の高い制御が行える結果、高効率運転が行え、さらに小型化が低コストで実現できるものである。
請求項2に記載の発明は、前記負荷を、前記制御手段を動作させるための低電圧電源としたものである。
かかる構成とすることにより、前記制御手段を駆動するための電源と負荷が共有でき、より小型化、低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、前記第1の整流回路の直流母線間に、小容量のコンデンサを接続したものである。
かかることにより、電圧低下時にモータからの回生エネルギーを蓄え利用することができ、モータ起動時により大きなトルクを発生させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記モータを、圧縮機の駆動用モータとしたもので、慣性モーメントが大きい圧縮機のモータは、電圧変動に伴うトルク変動の影響を受け難く、より安定した駆動が可能となる。
請求項5に記載の発明は、前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機としたもので、かかる構成は、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きくなり、さらに安定した駆動が行えるものである。
請求項6に記載の発明は、前記圧縮機を含み、凝縮器、減圧器、蒸発器等で構成される冷凍空調システムを構成したものである。
かかることにより、高調波規制が厳しい冷蔵庫等の冷凍空調機器への採用が可能となり、小型・低コストで高調波規制を満足し、常に高効率な運転をするモータの駆動装置を提供することができる。
また、小型のモータ駆動装置であるので、冷蔵庫への採用であれば庫内容積率の向上がはかれ、またルームエアコン等への採用であれば制御回路部がコンパクトとなり、小型化がはかれるものである。
請求項7に記載の発明は、前記モータを、送風機を構成するファンの駆動用モータとしたもので、かかることにより、送風機自体を従来の送風機に比べて小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風機を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、前記モータを、衣類等を洗濯する電気洗濯機のドラムの駆動用モータとしたものである。
かかることにより、小型化したモータ制御装置の採用によって洗濯機のドラムの容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化を達成できるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置のブロック図である。
図1において、単相交流電源101は商用電源で、日本国内では周知の如くAC100V、50Hzまたは60Hzであり、第1の整流回路102を接続している。
第1の整流回路102は、4個のダイオードをブリッジ接続した回路で構成されている。
第2の整流回路103は、第1の整流回路102のプラス側から第1のコンデンサ104のプラス側のみに電流が流れるようにするために接続されており、例えば、ダイオードが採用される。第1のコンデンサ104と並列に接続された回生エネルギーを消費(吸収)する手段は、抵抗等でよいが、本実施の形態1においては、第1のコンデンサ104と並列に電源回路105を接続している。これにより、インバータ106を制御する制御手段107等の安定的な電力を必要とする回路に、高電圧から低電圧に変換した電力を供給することができる。電源回路105としては、スイッチングレギュレータやDC/DCコンバータ等が使える。
第2のコンデンサ108は、第1の整流回路102で全波整流した電圧が入力される。第2のコンデンサ108の容量は0.2μF/W以下の静電容量を持つ第2のコンデンサを使用する。
従来、第2のコンデンサ108に相当するコンデンサの容量決定は、インバータ106の出力容量(WまたはVA)や駆動装置全体の入力容量(WまたはVA)から、直流電圧のリプル含有量やリプル電流による平滑用コンデンサの耐リプル電流の特性等を勘案し、コンデンサの静電容量を決定することが一般的であった。
これらの条件を加味して、一般的には2〜4μF/W程度の容量を確保することがおこなわれていた。その結果、200Wの出力容量の場合は、400〜800μF程度の電解コンデンサが使用されることになる。
これに対し、本実施の形態1では、第2のコンデンサ108に、0.2μF/W以下の静電容量を持つコンデンサを使用している。すなわち200Wの出力容量の場合は、40μF以下のコンデンサを使用することになる。
第2のコンデンサ108の種類は、積層セラミックコンデンサやフィルムコンデンサ等を用いることができ、特に積層セラミックコンデンサは近年高耐圧で大容量のコンデンサがチップで実現できるようになってきており、装置を非常に小型化できるという利点がある。本実施の形態1では、第2のコンデンサ108に、静電容量が1μFの積層セラミックコンデンサを使用している。
インバータ106は、スイッチング素子と逆向きに接続されたダイオードをセットにした回路を6回路3相ブリッジ接続している。前記スイッチング素子はIGBTやバイポーラトランジスタやFET等を用いることができる。
ブラシレスDCモータ(以下、モータと称す)109は、インバータ106の3相出力により駆動される。モータ109の固定子には3相スター結線された巻線が施され、この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また回転子は希土類永久磁石を有しており、その配置方法は表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わない。また前記永久磁石は、フェライト系磁石でも希土類系磁石でも構わない。尚、永久磁石に希土類系磁石を用い、マグネット使用重量をフェライト系磁石と同量使用した場合は、モータ効率を向上することができ、またフェライト系磁石を用いたモータと同等性能のモータとする場合は、マグネット重量を低減することができ、モータ重量を軽量、低コスト化することができる。
第1の電圧検出手段110は、第1のコンデンサ104の両端電圧を取得し、その値を制御手段107へと出力している。
電流検出手段111は、モータ109の各相を流れる電流(u、v、w)を検出し、この電流値を基に制御手段107へモータ109の位置信号(回転角度信号)を出力している。電流検出手段111は、モータ109の位置が検出できる手段であればその構成は特定しないが、本実施の形態1においては、第2の電圧検出手段112と、電流検出手段113と、モータ位相演算手段114と、電力演算手段115を具備した構成としている。第2の電圧検出手段112は、第1の整流回路102における直流母線間の電圧を検出し、モータ位相演算手段114へ出力している。
電流検出手段113は、モータ109の電流Iを検出し、モータ位相演算手段114へと出力している。また、この電流検出手段113には、電流センサやシャント抵抗等を用いることができる。その場合、シャント抵抗は、特に小型、低コストで実現できる利点がある。
モータ位相演算手段114は、第2の電圧検出手段112により検出された電圧と電流検出手段113により検出されたモータ109の電流の値を入力とし、演算を行いモータ109の位相角βを一義的に検出し、制御手段107へと出力している。
電力演算手段115は、電流検出手段111による検出電流Iと、第2の電圧検出手段112による検出電圧Vを入力として電力Wを演算し、モータ位相演算手段114へ出力する。
ここで、前記電力Wは、電流検出手段111による検出電流値Iと、前記第2の電圧検出手段による検出電圧値Vから次式で求めることができる。
W=V・I …(式1)
モータ位相演算手段114では、電力演算手段115からの演算結果を入力し、その値に基づいてモータ109の位相角βを検出し、制御手段107へ出力する。
したがって、電力演算手段115に基づく電力信号は、現時点の電流、電圧に基づいたモータ109の状態であるため、前述の如く一義的に決定した位相角βよりもその精度は高いものとなる。
制御手段107では、電流検出手段111の出力であるモータ109の位相角βを入力として、モータ109に印加したい電圧を一義的に決定する。そして、印加したい電圧と第1の電圧検出手段110により検出された電圧からPWMデューティ幅を決定し、インバータ106の駆動を行う。
本実施の形態1では、第1の電圧検出手段110により検出される電圧を平均電圧とすることで、モータ109の駆動に必要な電圧が印加できるので、より安定的に動作させることができる。
ここで、単相交流電源101の平均電圧Vaveは、最大電圧Vmaxから次式で表すことができる。
Vave=2/π・Vmax …(式2)
そして、第1の電圧検出手段110により検出される電圧は平滑されているため、ほぼ最大電圧となっている。よって、第1の電圧検出手段110により検出された電圧を最大電圧とした演算結果を平均電圧とすることができる。
実際には、ADコンバータを用いて電圧を検出する場合、AD変換結果を電圧に変化する際の変換係数を予め上記(式2)で表される係数を乗じておく方法等、第1の整流回路102における直流母線間の電圧を細かくサンプリングし、演算を行う方法と比較すると簡単に求めることができる。
本実施の形態1では、単相交流電源101が100Vであるため、第1のコンデンサ104の最大電圧は約141Vとなる。したがって、上記(式2)に従うと、最大電圧の約0.64倍が平均電圧になるので、平均電圧値は約90Vとなる。
また、単相交流電源101の最大電圧の変化に対しては、電源回路105と第1のコンデンサ104における容量の時定数によって変化し、電源回路105の消費エネルギーに対して第1のコンデンサ104の容量を設定することで、応答速度を調整することができる。
モータ109は、後述する圧縮機117の圧縮要素116を駆動するもので、圧縮要素116は、モータ109の回転子の軸に接続され、冷媒ガスを吸入し、圧縮して吐出する。このモータ109と圧縮要素116を同一の密閉容器117aに収納し、圧縮機117を構成する。
本実施の形態1においては、圧縮機117で圧縮された吐出ガスが、凝縮器118、減圧器119、蒸発器120を通って圧縮機117の吸い込みに戻るような冷凍空調システム構成を例にしており、凝縮器118では放熱を、蒸発器120では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。
尚、必要に応じて凝縮器118や蒸発器120に送風機等を使い、熱交換をさらに促進することもある。また本実施の形態1では、前述の冷凍空調システムの蒸発器120を、冷蔵庫の庫内121に設け、庫内121を冷却する構成としている。
また、モータ109の電流検出手段111によるモータ109の位置と実際のモータ109の位置との間に多少のずれや、高トルク運転のための弱め磁束制御等を行ってモータ109からのエネルギーが帰ってきたとしても、0.2μF/Wの容量のコンデンサを選んでいるため、急峻な電圧変化を吸収し、吸収したエネルギーを利用してモータ109を駆動することができる。
次に、電流検出手段111からの検出電流値Iと、第2の電圧検出手段112からの検出電圧値Vと、これらを入力として電力を演算処理する電力演算手段115により、モータ位相検出手段114からの位相角βを調整する動作内容を、図2の本実施の形態1における動作フロー図を用いて説明する。
Step1では、電流検出手段111および電圧検出手段112でそれぞれ検出された電流値Iと電圧値Vを入力として、電力演算手段115が前述の(式1)に基づいて電力Wを演算する。そして、その演算結果による電力Wと前回検出した電力W−1を比較し、前回の電力W−1の方が大きい場合は、Step2へ移行する。
Step2では、前回の位相角βから1度位相角を引き、Step4へ移行する。
また、Step1において、電力Wと前回の電力W−1を比較し、前回の電力W−1の方が小さい場合は、Step3へ移行する。Step3では、前回の位相角βから1度位相角を足し、Step4へ移行する。
そして、Step4では、前述の電力Wが、前回検出した電力W−1と同じでなければNoとなり、Step1へ移行する。また、同じであればYesとなり動作フローが終了する。
この図2の動作フローにより、モータ109の電力を常に最小値になるように、位相角が動作し、モータ109の運転を高効率にすることができる。
上記制御は、前述の如くモータ109の電力を制御するため、電流制御と比較して高い精度での位相角制御となり、効率も向上させることができる。
図3は、本実施の形態1における圧縮機の断面図を示している。
図3において、圧縮機117の密閉容器117a内には、オイル122を貯溜すると共にR600aの冷媒123が封入され、また固定子124と回転子125を主体とするモータ109、およびこれによって駆動される圧縮要素116が、スプリング等により弾性的に支持されており、モータ109の回転による振動が圧縮機外部に伝播し難い構成となっている。
圧縮要素116は、回転子125が固定された主軸部126、および偏芯軸部127から構成されたクランクシャフト128と、クランクシャフト128の主軸部126を軸支するとともに圧縮室129を有するシリンダ130と、圧縮室129内で往復運動するピストン131と、偏芯軸部127とピストン131を連結する連結手段132を備え、レシプロ型の圧縮機構を構成している。
したがって、本実施の形態1においては、インバータの入力電圧に大きな脈動を含む場合でも、イナーシャが大きいレシプロ型圧縮機の特徴と構造から、脈動による振動および振動に伴う騒音が、圧縮機外部に漏れ難くなっている。
なお本実施の形態1では、R134a冷媒と比較して冷凍能力の低いR600aを用いているので、同等の冷却性能を確保するためには、R134a用圧縮機より圧縮室129の容積を大きくする必要があり、ピストン131が大型化する。
したがって、モータイナーシャも大きいものとなり、制御装置において第2のコンデンサ108を非常に小さい容量とし、大きな脈動を含むインバータ入力電圧が印加される場合であっても、振動および騒音の影響がさらに受けにくくなる。
以上のように構成されたモータの駆動装置について、以下その動作、作用を説明するが、本実施の形態1においてはPWM(Pluse Width Moduration)制御によるインバータとして説明する。
まず、図1、図4、図5、図6、図7を用いて、従来と同様に平均電圧を用いずに第1の整流回路102における直流母線間の電圧を用いて制御を行った場合について説明する。
図4は、本実施の形態1におけるモータ駆動装置の電源周波数を50Hzとした直流母線間電圧の推移の一部(半波)を示す波形図である。図5は、従来の制御による直流母線間電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフである。図6は、従来の制御による直流母線間電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフである。図7は、従来の制御による直流母線間電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図である。
なお、これらの波形図、グラフは、便宜上波形の1サイクルを20ミリ秒としているもので、ここでは、便宜上電源波形の半波成分を中心に説明する。
制御手段107は、位置検出手段111によって検出されたモータ109の位置情報を用いてモータ109に印加する電圧を決定する。ここで、モータ109に印加する電圧を、説明の便宜上64Vとする。
このとき、従来の方法では、直流母線電圧を用いてPWMデューティを計算するので、図4において直流母線電圧が64V以上あるT1ミリ秒からT2ミリ秒の区間では、PWMデューティ幅を、図5に示すように中央部が小さくなるように制御し、その結果、T1ミリ秒からT2ミリ秒の区間におけるキャリア周期毎の平均電圧は、図6に示すように64Vとなるように制御される。
一方で、直流母線間電圧が64V以下の区間である0ミリ秒からT1ミリ秒、およびT2ミリ秒から10ミリ秒の区間においては、モータ109に最大限に電圧を印加しようとするため、図5に示すようにデューティが100%となる。したがって、前記区間において印加する電圧は、図6に示すように直流母線の電圧と等しくなる。
その結果、モータ109に流れる電流は、図7に示すように、T1ミリ秒からT2ミリ秒の区間の電流がほぼ一定となり、T2ミリ秒から10ミリ秒では電圧が低下しているため電流を流せなくなり、これに起因して電流値が減少していく。また、T2ミリ秒から10ミリ秒の区間で示す入力電圧が0Vになった箇所では、図7において、単相交流電源101のインダクタ成分等によって電流を流し続けようとするため、0にはならず、また、0Vからの電圧の立ち上がり箇所では、前段の波形における立下りの部分で流し続けようとした電流が流れるため、電流波形が0ミリ秒からT1ミリ秒区間において電流波形に鋸歯部Pを形成し、高調波成分を含んだ波形となっている。
このように、従来と同様に平均電圧を用いずに第1の整流回路102における直流母線間の電圧を用いて制御を行った場合は、電流波形に高調波成分を含んでしまうものであった。
次に、制御手段107がモータ109への印加電圧を計算するために、第1の電圧検出手段110が検出した電源周波数を50Hzとする直流母線間電圧の平均電圧を用いた場合について、図1、図4、図8、図9、図10を用いて説明する。
図8は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティの推移を示すグラフである。図9は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時にモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧の推移を示すグラフである。図10は、本実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに流れる電流の推移を示す波形図である。
まず、第1の電圧検出手段110によって検出される平均電圧は前述の如く約90Vとなり、モータ109へ64Vを出力するのに必要なデューティは約71%と計算される。
前述の如く第1の整流回路102の直流母線間電圧をデューティ演算に用いた場合は、デューティが図5に示すように変動するが、平均電圧を演算に用いているため、デューティは図8に示すように0ミリ秒から10ミリ秒の全区間に亘って一定となる。
その結果、モータ109に印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移は、図9に示すように、図4に示す単相交流電源101の電圧推移の値を約0.71倍したものとほぼ一致する。
このように、前述の平均電圧を用いたデューティ制御の場合は、モータ109に印加される電圧が正弦波状に推移するため、モータ109に流れる総電流の推移も図10に示すように、正弦波状となり、高調波成分が大きく改善された波形となる。
以上のように、本実施の形態1においては、単相交流電源101と、単相交流電源101の交流を直流に整流する第1の整流回路102と、第1の整流回路102より得られる直流を交流に変換するインバータ106と、インバータ106から得られる交流を入力とするモータ109と、インバータ106の直流母線間に第2の整流回路103を介して接続される第1のコンデンサ104と、第1のコンデンサ104と並列に接続される負荷となる電源回路105と、第1のコンデンサ104の両端電圧を検出する第1の電圧検出手段110と、モータ109の位置を検出する位置検出手段111と、第1の電圧検出手段110により検出された電圧値と位置検出手段111により検出されたモータ109の位置信号を用いてインバータ106を駆動し、モータ109へ印加する電圧を制御する制御手段と、第2の電圧手段112の検出電圧と位置検出手段111に設けた電流検出手段113の検出電流より電力を算出する電力演算手段115を備えたことにより、モータ109への印加電圧が、単相交流電源101の電圧波形とほぼ同期し、単相交流電源101の電流波形を大きなリアクタやコンデンサを用いることなく改善することができ、その結果、駆動電流波形が改善され、また、極力最低電力で高効率の運転が行え、小型化・低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
なお、本実施の形態1における説明では、単相交流電源101の周波数を50Hzの場合として説明したが、60Hzの場合も同様に制御できるものである。
また、第1のコンデンサ104と並列に接続された負荷が、制御手段107を動作させるための低電圧の電源回路105であるため、制御手段107を駆動するための電源と負荷が共有でき、より小型化、低コストのモータ駆動装置を提供することができる。
さらに、第1の整流回路102の直流母線間に小容量の第2のコンデンサ108を接続することにより、電圧低下時にモータ109からの回生エネルギーを蓄え、利用することができ、より大きなトルクを発生させることが可能となる。
また、モータ109を圧縮機117の駆動用とすることにより、慣性モーメントの大きい圧縮機117のモータ109では、電圧の変動によるトルクの変動を受け難く、より安定した駆動が可能となる。
さらに、圧縮機117を、レシプロ型の圧縮機とすることにより、構造上、スクロール型圧縮機やロータリ型圧縮機等よりさらに慣性モーメントが大きくなり、さらに安定した駆動が可能となる。
また、圧縮機117が圧縮する冷媒をR600aとすることにより、冷蔵庫等で一般的に使われてきたR134aと比較して冷凍能力が低く、同等の冷凍能力を出すために、圧縮機117の気筒容積を大きくしても、これに起因して慣性モーメントもさらに増加するため、前述の如く慣性モーメントの増加に伴って駆動の安定性が向上するものである。
したがって、前記モータ駆動装置を具備する圧縮機117を、凝縮器118、減圧器119、蒸発器120等とともに構成される冷凍空調システム(冷凍サイクル)に設け、この冷凍空調システムを冷蔵庫に採用することにより、高調波規制を満足する冷蔵庫が得られる。しかも、前記モータ駆動装置は、小型であるので、冷蔵庫の庫内容積率を高めることができ、従来と同じ外形寸法でより収納容量の多い、使い勝手の良い冷蔵庫が提供できることとなる。
また、前記冷凍空調システムを空気調和機に適用することにより、空気調和機の小型化が可能となり、しかも、低コストで高調波弊害を改善した空気調和機が構成できる。そのため、空気調和機における設置スペースの自由度を高めることができる。
前記モータ駆動装置は、冷凍空調システム以外にも用途展開が可能で、適用した各種機器に特有の作用効果をもたらすことができるものである。
以下、前記モータ駆動装置を適用した幾つかの機器を例に説明する。
モータ109を、送風装置のファン駆動用として用いた場合、小型軽量化したモータ駆動装置であることに起因して送風装置自体を従来の送風装置に比べて小型化および軽量化でき、可搬性の高い送風装置を提供することができる。
また、モータ109を、衣類の汚れ等を洗濯する電気洗濯機のドラム(洗濯兼脱水槽)の回転駆動用として用いた場合、小型化したモータ駆動装置であることに起因して洗濯機のドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気洗濯機と同じ外形寸法で洗濯兼脱水槽の大容量化が可能となる。
同様に、モータ109を、湿った衣類等を乾燥する電気乾燥機の乾燥ドラムの回転駆動用として用いた場合も、小型化したモータ駆動装置であることに起因して乾燥機の乾燥ドラム容積率を高くすることが可能となり、従来の電気乾燥機と同じ外形寸法で乾燥ドラムの大容量化が可能となる。
さらに、モータ109を、床等のごみを吸引する電気掃除機のファン駆動用として用いた場合も同様に、小型軽量化したモータ駆動装置であることに起因して掃除機本体を従来の掃除機に比べて小型化および軽量化することができ、その結果、可搬性が高く、ユーザにとってハンドリングが容易な使い勝手のよい電気掃除機を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータの駆動装置は、小型・低コストで高調波抑制が可能となるので、冷凍空調システム以外にも、AV機器(特に小型機器)等のようにモータが非常に小さくてセンサをつけることが困難な機器や、回路を非常に高効率で小型化したい場合等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図 同実施の形態1におけるモータの位相角を調整する動作フロー図 同駆動装置によって駆動する圧縮機の断面図 同実施の形態1におけるモータ駆動装置の直流母線電圧における推移の一部を示す半波の波形図 従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフ 従来の制御による直流母線電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフ 従来の技術による直流母線電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図 本発明の実施の形態1における平均電圧値を用いた時のキャリア周期毎におけるPWMデューティ率の推移の一部(半波)を示すグラフ 同実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに印加されるキャリア周期毎の平均電圧推移の一部(半波)を示すグラフ 同実施の形態1における平均電圧値を用いた時のモータに流れる電流推移の一部(半波)を示す波形図 従来技術におけるモータの駆動装置のブロック図
符号の説明
101 単相交流電源
102 第1の整流回路
103 第2の整流回路
104 第1のコンデンサ
105 電源回路
106 インバータ
107 制御手段
108 第2のコンデンサ
109 モータ
110 第1の電圧検出手段
111 位置検出手段
112 第2の電圧検出手段
113 電流検出手段
114 モータ位相演算手段
115 電力演算手段
117 圧縮機
117a 密閉容器
118 凝縮器
119 減圧器
120 蒸発器
121 庫内
122 オイル
123 冷媒
124 固定子
125 回転子
126 主軸部
127 偏芯軸部
128 クランクシャフト
129 圧縮室
130 シリンダ
131 ピストン
132 連結手段

Claims (8)

  1. 単相交流電源と、前記単相交流電源の交流を直流に整流する第1の整流回路と、前記第1の整流回路より得られる直流を交流に変換するインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とするモータと、前記インバータの直流母線間に第2の整流回路を介して接続される第1のコンデンサと、前記第1のコンデンサと並列に接続される負荷と、前記第1のコンデンサの両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの各相の電流を検出する電流検出手段と、前記コンデンサの両端電圧と前記モータの電流から電力を出力する電力演算手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧値と前記電流検出手段により検出された電流値に基づくモータの位置信号を用いて前記インバータを駆動し、前記モータへ印加する電圧を制御する制御手段と、前記モータに流れる電流から電圧の位相角であるβを演算するモータ位相演算手段からの信号を入力し、前記位相角βを前記電力演算手段の演算による電力が最小値となるように変化させるモータ駆動装置。
  2. 前記負荷を、前記制御手段を動作させるための低電圧電源とした請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第1の整流回路の直流母線間に、小容量のコンデンサを接続した請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記モータを、圧縮機の駆動用モータとした請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記圧縮機を、レシプロ型圧縮機とした請求項4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記圧縮機を含み、凝縮器、減圧器、蒸発器等で構成される冷凍空調システムを構成した請求項4または5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記モータを、送風機を構成するファンの駆動用モータとした請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記モータを、衣類等を洗濯する電気洗濯機のドラムの駆動用モータとした請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010207341A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Panasonic Corp 洗濯乾燥機
CN109301840A (zh) * 2018-12-14 2019-02-01 武汉世纪精能科技发展有限公司 无功补偿控制方法、用户设备、存储介质及装置
WO2023054635A1 (ja) * 2021-10-01 2023-04-06 株式会社Ihi 電動機械システム

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