JP6982532B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、圧縮機をオープン巻線構造のモータによって駆動する冷凍サイクル装置に関する。
高い誘起電圧を発生するモータは、同一のトルクをより少ない電流で発生できるため、中間負荷領域における消費電流を低減して効率を向上させることができる。その一方で、前記モータを高回転領域で使用する際には、昇圧チョッパなどにより直流電圧を上昇させて駆動する必要がある。しかしながら、昇圧チョッパには高コスト部品である高周波リアクトルが必要であり、電解コンデンサやインバータを構成するスイッチング素子の定格により昇圧可能な電圧が決まってしまうなどの制約がある。
そこで、モータ巻線への印加電圧が高くなるオープン巻線構造のモータを用いて高回転領域で使用することが考えられている。このようなオープン巻線構造のモータを駆動するシステムについて、中間負荷領域の効率を向上させる技術として、例えば特許文献1がある。この特許文献1においては、前記モータにY結線等価動作状態とΔ結線等価動作状態との中間状態を設定することで、効率の向上を図っている。また、オープン巻線構造のモータを駆動すると零相電流(零軸電流ともいう。)が発生し、効率が低下してしまうという問題があることから、特許文献2では、前記モータを駆動する2台のインバータ間に流れる零相電流を抑制することで効率の向上を図っている。
特許第4804381号公報 特許第3352182号公報
しかしながら、零相電流を抑制する際には、電流を生成するために零相電圧を生成させる必要がある。このため、零相電圧分だけモータ駆動用の印加電圧が低下してしまい、結果的に高回転まで駆動することができなくなるという問題がある。
そこで、直流電圧を昇圧する回路を用いることなく、オープン巻線構造のモータを高回転領域で駆動できる冷凍サイクル装置を提供する。
実施形態の冷凍サイクル装置は、3相巻線がそれぞれ独立であり、6つの巻線端子を備えるオープン巻線構造のモータと、モータの6つの巻線端子のうち3つの巻線端子に接続される1次側インバータと、モータの巻線端子の残り3つの巻線端子に接続される2次側インバータと、交流電源の電圧を直流に変換した直流電源を、1次側インバータ及び前記2次側インバータに供給するするコンバータと、モータにより駆動される圧縮機とを備える。
さらに、モータに流れる各相電流を検出する相電流検出部と、1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出する零相電流検出部と、相電流検出部により検出された各相電流と零相電流検出部により検出された零相電流とに基づいて、1次側及び2次側インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御して、モータを駆動しつつ零相電流量を調整する制御部とを備え、この制御部は、モータの回転数に応じて零相電流量を変更する。具体的には制御部は、モータの回転数が閾値以下であれば零相電流量をゼロに抑制し、回転数が閾値を超えると零相電流量をゼロにする抑制を停止して回転数を上昇させる。
第1実施形態であり、モータ駆動システムの回路構成を示す図 制御装置の内部構成を示す機能ブロック図 零相電流制御部の詳細構成を示す機能ブロック図 制御装置において、零相電流指令生成部の処理内容を中心に示すフローチャート 図4の処理に対応した圧縮機の回転数変化と、零相電流との関係を示す図 空気調和機の構成を概略的に示す図 第2実施形態であり、制御装置の内部構成を示す機能ブロック図 速度・零相電流指令生成部の処理内容を中心に示すフローチャート
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、図1から図6を参照しながら説明する。図6において、ヒートポンプ式冷凍サイクル装置1を構成する圧縮機2は、圧縮機構部3とモータ4を同一の鉄製密閉容器5内に収容して構成され、モータ4のロータシャフトが圧縮機構部3に連結されている。この結果、モータ4の駆動により圧縮機構部3が駆動されて、圧縮運転が行われる。そして、圧縮機2、四方弁6、室内熱交換器7、減圧装置8、室外熱交換器9は、熱伝達媒体流路たるパイプにより閉ループを構成するように接続されている。
圧縮機2は、例えばロータリ型の圧縮機であり、モータ4は、例えば3相IPM(Interior Permanent Magnet)モータ,ブラシレスDCモータである。モータ4の回転数の変化に応じて圧縮機構部3の吐出冷媒量が変化することで圧縮機2の出力が変化し、冷凍サイクルの能力が可変できる。空気調和機Eは、上記のヒートポンプ式冷凍サイクル装置1を有している。
空気調和機Eの暖房運転時には、四方弁6は実線で示す状態にあり、圧縮機2の圧縮機構部3で圧縮された高温冷媒は、四方弁6から室内熱交換器7に供給されて凝縮し、その後、減圧装置8で減圧され、低温となって室外熱交換器9に流れ、ここで蒸発して圧縮機2へと戻る。一方、冷房運転時には、四方弁6は破線で示す状態に切り替えられる。このため、圧縮機2の圧縮部3で圧縮された高温冷媒は、四方弁6から室外熱交換器9に供給されて凝縮し、その後、減圧装置8で減圧され、低温となって室内熱交換器7に流れ、ここで蒸発して圧縮機2へと戻る。
室外熱交換器9は、暖房運転時には蒸発器(吸熱器)として、冷房運転時には凝縮器(放射器)として機能し、室内熱交換器7は、逆に、暖房運転時には凝縮器として、冷房運転時には蒸発器として機能するようになっている。そして、室内側、室外側の各熱交換器7,9には、それぞれファン10,11により送風が行われ、その送風によって各熱交換器7,9と室内空気、室外空気の熱交換が効率良く行われるように構成されている。
室外熱交換器9に送風を行うファン11はプロペラファンであり、ファンモータ12により駆動される。ファンモータ12は、例えばモータ4と同様に効率の高いブラシレスDCモータである。室内熱交換器7に送風を行うファン10は横流ファンであり、ファンモータ13により駆動される。ファンモータ13も、ブラシレスDCモータが用いられることが望ましい。
図1は、商用の3相交流電源27に接続されるモータ駆動システムの回路構成を示す図である。圧縮機構部3を駆動するモータ4の3相巻線は、それぞれが互いに結線されず両端子がオープン状態となっているオープン巻線構造であり、モータ4は6つの巻線端子Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wbを備えている。
1次側インバータ21及び2次側インバータ22(以下、それぞれをインバータ21,22と称する)はそれぞれ、スイッチング素子であるIGBT23を3相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT23には、フリーホイールダイオード24が逆並列に接続されている。例えばインバータ21,22は、それぞれがIGBT23を6個とフリーホイールダイオード24とを、6個全て同一パッケージに内蔵したモジュール品を用いることができる。さらに、各IGBT23を、高効率なSiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体で構成しても良い。インバータ21の各相出力端子はモータ4の巻線端子Ua,Va,Waにそれぞれ接続され、インバータ22の各相出力端子はモータ4の巻線端子Ub,Vb,Wbにそれぞれ接続されている。
インバータ21,22は、コンバータ25に並列に接続されている。コンバータ25は、6個のダイオードをブリッジ接続した3相全波整流回路でなり、その3相交流入力端子は、ノイズフィルタ26を介して3相交流電源27に接続されている。コンバータ25,インバータ21間の正側電源線には、力率改善用の直流リアクトル28が挿入されている。また、前記正側電源線と負側電源線との間には、直流を平滑化する平滑コンデンサ29が接続されている。
電流センサ30(U,V,W)は、モータ4の各相電流Iu,Iv,Iwを検出するセンサであり、インバータ21の3相出力線とモータ4の巻線端子との間に設けられている。なお、電流センサ30(U,V,W)は、インバータ22の3相出力線とモータ4の巻線端子との間に設けても良い。電圧センサ31は、平滑コンデンサ29の端子電圧である直流電源電圧VDCを検出する。
制御装置33には、モータを駆動するシステムにおける上位の制御装置,例えば空気調和機Eの空調制御部から、圧縮機構部3の目標回転数となる速度指令値ωrefが与えられ、速度指令値ωrefに検出したモータ速度ωが一致するように制御を行う。制御装置33は、電流センサ30が検出した各相電流Iu,Iv,Iwと、電圧センサ31が検出した直流電圧VDCとに基づいて、インバータ21及び22を構成する各IGBT23のゲートに与えるスイッチング信号を生成する。制御装置33は制御部に相当する。
図2は、制御装置33の内部構成を示す機能ブロック図である。3相/dq変換部34は、電流センサ30を介して検出した各相電流Iu,Iv,Iw電流を、ベクトル制御に用いるd,q及び0の各軸座標の電流Id,Iq,I0に変換する。零相電流I0については、各相電流Iu,Iv,Iwの和を取ることで算出される。すなわち、I0=Iu+Iv+Iwとなる。3相/dq変換部34が電流検出を行うタイミングは、例えばPWM制御におけるキャリア周期に同期するように設定されている。同様に、電流センサ30及び3相/dq変換部34は相電流検出部に相当する。また、3相/dq変換部34は零相電流検出部に相当する。
速度・位置推定部35は、モータ4の電圧・電流から速度ω,モータ電流周波数ωe及び回転位置θを推定する。回転位置θは、3相/dq変換部34及びdq/3相変換部36に入力される。速度制御部37は、入力された速度指令ωrefト推定された速度ωとから、例えば両者の差をPI演算することでq軸電流指令Iqrefを生成して出力する。d軸電流指令生成部38は、直流電圧VDCとdq軸の電圧振幅Vdqとから、例えば同様に両者の差をPI演算することでd軸電流指令値Idrefを生成して出力する。
電流制御部39は、q軸電流指令Iqrefとq軸電流Iqとの差分に応じてq軸電圧指令Vqを生成し、d軸電流指令Idrefとd軸電流Idとの差分に応じてd軸電圧指令Vdを生成する。零相電流制御部41は、速度・位置推定部35より入力されるモータ電流周波数ωeから零相電流指令I0refを生成する。零相電流制御部40は、零相電流指令I0refと3相/dq変換部34より入力される零相電流I0,及び速度・位置推定部35より入力される、モータ電流周波数ωeから零相電圧指令V0を生成し、1/(√2)倍して出力する。以降、零相電圧指令V0については、係数1/(√2)を省略する。
dq/3相変換部36は、各軸電圧指令Vq,Vd,V0を、2つのインバータ21及び22の3相電圧指令値Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に(1)式により変換する。(1)式において、θinv2=0で変換した電圧が、1次側インバータ21への電圧指令Vu1,Vv1,Vw1となる。そして、逆位相であるθinv2=πで変換した電圧が、2次側インバータ22への電圧指令Vu2,Vv2,Vw2となる。
Figure 0006982532
変調部42は、入力された電圧指令値よりインバータ1及び2を構成する各IGBT23のゲートに与えるスイッチング信号,PWM信号U1,V1,W1,X1,Y1,Z1,U2,V2,W2,X2,Y2,Z2を生成して出力する。変調部42には、速度・位置推定部35より速度ωが入力されている。
図3は、零相電流制御部40の詳細構成を示す機能ブロック図である。減算器43は、零相電流指令I0Refと零相電流I0との差分をとり、増幅器44及び45に出力する。増幅器44は、上記差分信号に比例制御ゲインKpを乗じた結果を加算器46に出力し、増幅器45は、同差分信号に共振制御ゲインKrを乗じた結果を減算器47に出力する。減算器47の出力信号は、積分器48により積分されて加算器46及び乗算器49に出力される。
乗算器49には、モータ電流周波数ωeの3倍値が入力されており、周波数3ωeに対して積分器48の積分結果が乗じられる。モータ電流周波数ωeの3次高調波成分は、零相電流I0に相当するものである。乗算器49の乗算結果は、積分器50を介して減算器47に入力される。
減算器47は、増幅器45の出力信号より積分器50の積分結果を減じて積分器48に出力する。以上の構成において、増幅器44及び加算器46を除いた部分が、電流周波数の3次高調波に対する応答性を高めるように制御する共振制御部61を構成している。加算器46の加算結果が零相電圧V0となり、図示しない後段において1/√2倍されてから出力される。
次に、本実施形態の動作と作用について図4及び図5を参照して説明する。図4は、制御装置33において、零相電流指令生成部41の処理内容を中心に示すフローチャートである。零相電流指令生成部41は、モータ電流周波数ωeに相当する圧縮機2の回転数Rが、ゼロ以上、すなわち運転中で且つ第1閾値X以下であるか否かを判断する(S1)。
ここで、第1閾値Xは、キャリア周波数やモータの極数に応じて設定される。例えば、6極モータでキャリア周波数が4kHzの場合、第1閾値Xは50〜60rps程度とし、4極モータでキャリア周波数が4kHzの場合、第1閾値X1は70〜80rps程度に設定する。また、0≦R≦Xは、図5に示すように「中間負荷領域」に相当する。回転数Rがゼロ以上で且つ第1閾値X以下であれば(S1;YES)、零相電流指令I0Refをゼロに設定する(S2)。つまり、零相電流I0を極力流さないように抑制して、効率を向上させる。
一方、回転数Rがゼロ以上で且つ第1閾値X以下でなければ(S1;NO)、回転数Rが第1閾値Xより高く且つ第2閾値X1以下であるか否かを判断する(S3)。第2閾値X1は、例えば6極モータでキャリア周波数が4kHzの場合は80〜90rps程度とする。回転数Rが第1閾値Xより高く且つ第2閾値X1以下であれば(YES)、零相電流指令I0Refを次式で設定する(S4)。
0Ref=(R−X)×IM/(X1−X) …(2)
すなわち、図5に示すように、零相電流指令I0Refを第1閾値Xから第2閾値X1の間で回転数Rに比例させて設定する。尚、(2)式中の「IM」は、同式及び図5に示すように、零相電流指令I0Refの傾きを付与する係数であり、零相電流指令I0Refの上限値である。
ここで、「IM」は、事前に空気調和機において試験を行い、インバータ21及び22において発生する零相電流の最大値を測定し、これを用いる。図5において、零相電流指令I0Refが0の状態は零相電流の発生を完全に抑制することを意味し、零相電流指令I0RefがIMの状態は零相電流の抑制を行わないことを意味する。言い換えると、零相電流指令I0Refが0の状態は零相電流の抑制量を最大とし、零相電流指令I0RefがIMの状態は零相電流の抑制量を0、すなわち零相電流の抑制を行わないことになる。
そして、回転数Rが第2閾値X1よりも高ければ(S3;YES)、零相電流指令I0Refを上限値「IM」に設定する(S5)。
つまり、回転数Rが第1閾値Xを超えると、零相電流I0の発生量の抑制を緩和していく。すなわち、回転数Rの第1閾値Xを超えた度合いに応じて抑制効果を低減していく。これにより、回転数Rが高くなればなるほど効率は低下するが、モータ4の固定子巻線に印加する電圧が上昇する。よって、モータ4をより高速で回転させることができ、圧縮機2の冷凍能力が向上する。尚、回転数Rが第2閾値X1となった時点で零相電流指令I0Refが上限値「IM」に設定されるため、この時点では零相電流の抑制制御を実施しないことになる。
以上のように本実施形態によれば、冷凍サイクル装置1において、1次側インバータ21,2次側インバータ22は、それぞれの各相出力端子がオープン巻線構造モータ4の3つの巻線端子に接続される。コンバータ25は、交流電源27の電圧を直流に変換した直流電源をインバータ21及び22に供給する。圧縮機2は、モータ4により駆動される。
3相/dq変換部34は、モータ4に流れる各相電流Iu,Iv,Iwを検出すると共に、インバータ21,22の間に流れる零相電流I0を検出する。制御装置33は、各相電流Iu,Iv,Iwと零相電流I0とに基づいてモータ4を駆動しつつ、零相電流指令生成部41及び零相電流制御部40により零相電流I0の抑制制御を行うようにインバータ21及び22をPWM制御する。零相電流指令生成部41は、圧縮機2,モータ4の回転数Rに応じて零相電流量を変更する。
具体的には、零相電流指令生成部41は、回転数Rが第1閾値X以下であれば、零相電流指令I0Ref=0とすることで零相電流I0=0に抑制し、回転数Rが第1閾値Xを超えると、零相電流指令I0Refを(2)式により設定することで、回転数Rに比例して零相電流I0を増加させる。そして、回転数Rが第2閾値X1を超えると、I0Ref=IMに設定することで零相電流I0の抑制量を低減する。言い換えると、零相電流を流すことを許容する。
空気調和機E等の冷凍サイクル装置は、低負荷時の効率と最大冷凍能力とが重視される。このため、低回転領域では零相電流I0を抑制して効率改善を図る。そして、最大冷凍能力を向上させるため、高回転領域では零相電流I0の抑制度合いを低下させ、モータ4の駆動に影響を与えない範囲で零相電圧V0が低くなるように調整することで、空気調和機Eに最適な制御ができる。そして、空気調和機Eにおいて、圧縮機2の高回転運転が必要な場合は、零相電流I0の発生を許容してモータ4への印加電圧を上昇させ、昇圧チョッパ回路のように直流電源電圧を昇圧する回路を設けずとも、モータ4の回転数を上昇させて圧縮機2の能力を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図7に示すように、第2実施形態では、零相電流指令生成部41に替わる速度・零相電流指令生成部51を備えている。速度・零相電流指令生成部51には、PWM制御におけるデューティ比;Dutyがdq/3相変換部52より入力されている。また、上位の制御装置からの速度指令ωrefは、速度・零相電流指令生成部51(以下、指令生成部51と称す)に入力されている。速度・零相電流指令生成部51は、制御態様に応じて変更した速度指令ωref’を速度制御部37に出力する。以上が第2実施形態の制御装置53を構成している。
次に、第2実施形態の作用について図8を参照して説明する。図8は、指令生成部51による処理を中心に示すフローチャートである。指令生成部51は、先ず回転数Rが圧縮機2の目標回転数Rrefに一致していないか否かを判断する(S11)。回転数R=Rrefであれば(NO)現時点の回転数Rを維持する(S18)。一方、回転数Rが目標回転数Rrefに一致していなければ(S11;YES)、回転数Rが目標回転数Rrefによりも低いか否かを判断する(S12)。
ステップS12において、回転数R<Rrefであれば(YES)回転数Rが不足している状態であり、回転数Rを上昇させるように速度指令ωref’を出力する(S13)。それから、指令生成部51は、Dutyが第1閾値Z以上か否かを判断する(S14)。第1閾値Zは、第1実施形態の回転数閾値Xに相当する。Dutyが第1閾値Z以上であれば(YES)、零相電流指令I0refの値を増加させる(S15)、すなわち零相電流量の許容値を増加させる。そして、零相電流指令I0refが上限値IMに等しくなったか否かを判断し(S16)、零相電流指令I0refが上限値IMに達していなければ(NO)、最初のステップS11に戻る。
また、ステップS14において、Dutyが第1閾値Z未満であれば(NO)、ステップS13で行った速度指令ωref’の値の増加による回転数Rの上昇により回転数Rを上昇させる(S19)。それから、回転数Rが目標回転数Rrefに到達したか否かを判断し(S20)、到達していれば(YES)処理を終了して最初のステップS11に戻り、到達していなければ(NO)ステップS13に戻り、再び速度指令ωref’の値を増加させて回転数Rを上昇させる。
ステップS14〜S16を繰り返し実行した結果、零相電流指令I0refが上限値IMに等しくなると(S16;YES)、零相電流指令I0refの増加は終了し、続いてモータ4は弱め界磁制御へと移行する(S17)。すなわち、回転数Rが高い運転領域において、零軸電流I0の発生を意図的に許容することで、モータ4の固定子巻線に発生する誘起電圧振幅を抑制し、回転数Rをより高めるようにする。そして、更なる高回転を得るために、図5中においてDutyが第2閾値Z1を超えた領域でモータ4に弱め界磁制御を適用し、モータ4の固定子巻線に発生する誘起電圧に打ち勝って、モータ4をより高回転で駆動する。
一方、ステップS12において、回転数R≧Rref、すなわち実際の回転数Rが目標回転数Rrefよりも高ければ(NO)、回転数Rを低下させるように速度指令ωref’を出力する(S21)。空気調和機Eの場合、圧縮機2の要求能力、すなわち圧縮機2の回転数指令ωrefは、室温と設定温度との差やその変化度合いで決定される。空気調和機Eが運転を継続していると、例えば冷房運転では室温が徐々に室温に近づく。この結果、圧縮機2の回転数指令ωrefを徐々に低下させることになる。この結果、回転数R≧Rrefという状況が生じる。
尚、速度指令ωref’は、最終的に目標回転数Rrefに一致することになるが、回転数の増加び低減の過程においては速度指令ωref’の変化スピードを抑制し、圧縮機2の円滑な運転を妨げないような時定数を持って緩やかに変化させるようになっている。ステップS21に続いて、Dutyが第2閾値Z1以下か否かを判断する(S22)。回転数Rを低下させていく過程でDutyは減少していく。第2閾値Z1は、第1実施形態の回転数閾値X1に相当する。Dutyが第2閾値Z1以下であれば(YES)、零相電流指令I0refの値を低下、すなわち零相電流量の許容値を低下させて(S23)、最初のステップS11に戻る。ここで、零相電流指令I0refの値を低下させることにより、効率を向上させることができる。
また、ステップS22において、Dutyが第2閾値Z1以下でなければ(NO)、その時点の零相電流指令I0refの値を変更せずに最初のステップS11に戻る。そして、再びステップS11で回転数Rが目標回転数Rrefに到達していれば(YES)回転数Rを維持し(S18)し、一致していなければ(NO)ステップS12に移行する。したがって、回転数Rが目標回転数Rrefに一致するまで、ステップS21、22及び状況によりステップS23が繰り返され、最終的に回転数Rが目標回転数Rrefに一致することになる。
以上のように第2実施形態によれば、指令生成部51は、dq/3相変換部52より入力されるデューティ比;Dutyを、それぞれ第1実施形態の回転数閾値X,X1に相当するDuty閾値Z,Z1と比較し、その比較結果に基づいて零相電流指令I0refの値を変化させるようにした。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
尚、回転数とDutyとは完全に1:1で対応するものではなく、圧縮機2の負荷に応じて若干変化する。たとえば、負荷が重い状態においては、同じ回転数においてもDutyは高めに制御される。このため、一般的には、Dutyに基づいて零相電流指令I0refの値を変更する方が、好ましい場合が多い。
空気調和機E等のヒートポンプ式の冷凍サイクルDEは、圧縮機2が高回転数領域となる高負荷状態の時間割合は少なく、低回転数領域での運転時間割合が高い。しかしながら、運転開始時等でできるだけ急速に室内を空調する必要があるところでは、出来るだけ圧縮機2を高回転で運転する要望がある。そこで、本実施形態においては、運転時間割合が長い低回転数領域では、零相電流をできるだけ抑制して高効率の運転を行い、運転時間割合が短い、一時的な状態ではあるが大能力を必要とする場合は、零相電流の抑制を緩和して効率が低くともできるだけ高い回転数で運転できるようにして、この要望を満たしている。
(その他の実施形態)
第2実施形態において、零相電流指令I0refが上限値IMに等しくなると(S16;YES)弱め界磁制御へと移行させ(S17)、モータ4をより高回転で駆動することを可能とした。このような制御の組み合わせに関し、零相電流発生による効率低下が弱め界磁制御による効率低下よりも大きい場合には、零相電流の抑制制御の前、すなわち零相電流指令I0refが上限値IMに等しくなる前に弱め界磁制御を開始させても良い。
ノイズフィルタ26は、必要に応じて設ければ良い。
冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ式温水器やチラー等の空気調和機以外に適用されるものでも良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1はヒートポンプ式冷凍サイクル装置、2は圧縮機、4はモータ、21は1次側インバータ、22は2次側インバータ、23はIGBT、25はコンバータ、27は3相交流電源、30は電流センサ、32は温度センサ、33は制御装置、34は3相/dq変換部、40は零相電流制御部、41は零相電流指令生成部、42は変調部、51は速度・零相電流指令生成部、52は3相/dq変換部、53は制御装置を示す。

Claims (4)

  1. 3相巻線がそれぞれ独立であり、6つの巻線端子を備えるオープン巻線構造のモータと、
    前記モータの6つの巻線端子のうち3つの巻線端子に接続される1次側インバータと、
    前記モータの巻線端子の残り3つの巻線端子に接続される2次側インバータと、
    交流電源の電圧を直流に変換した直流電源を、前記1次側インバータ及び前記2次側インバータに供給するするコンバータと、
    前記モータにより駆動される圧縮機と、
    前記モータに流れる各相電流を検出する相電流検出部と、
    前記1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出する零相電流検出部と、
    前記相電流検出部により検出された各相電流と前記零相電流検出部により検出された零相電流とに基づいて、前記1次側及び2次側インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御して、前記モータを駆動しつつ前記零相電流量を調整する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記モータの回転数が閾値以下であれば前記零相電流量をゼロに抑制し、前記回転数が前記閾値を超えると前記零相電流量をゼロにする抑制を停止して、前記回転数を上昇させる冷凍サイクル装置。
  2. 前記制御部は、前記回転数が前記閾値を超えると、前記零相電流量を増加させる請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記制御部は、前記回転数が前記閾値を超えると、前記閾値を超過した回転数に比例して前記零相電流量を増加させる請求項2記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記制御部は、前記回転数が前記閾値よりも高い第2の閾値を超えると、前記零相電流量を増加させる制御を停止させる請求項3記載の冷凍サイクル装置。
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