JP2019165573A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】零相電流の抑制制御を行う際に、実際のモータ駆動に適合して零相電流を効率的に抑制できる冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】実施形態の冷凍サイクル装置は、3相巻線がそれぞれ独立で6つの巻線端子を備え、1次側インバータと2次側インバータで駆動されるオープン巻線構造のモータにより駆動される圧縮機と、モータに流れる各相電流及び1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出し、各相電流と零相電流とに基づいて、モータを駆動しつつ零相電流の抑制制御を行うように1次側及び2次側インバータをPWM制御する制御部とを備える。この制御部は、モータの回転数が高くなるのに応じてPWMキャリアの周波数を上昇させる。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、圧縮機をオープン巻線構造のモータによって駆動する冷凍サイクル装置に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、オープン巻線構造のモータを2台のインバータにより駆動するシステムが知られている。オープン巻線モータを用いると、電圧利用率をコンデンサインプット型整流回路の√3倍まで向上できるので、直流電圧を昇圧することなく高誘起電圧モータを駆動できる。冷凍サイクル用圧縮機モータでは、運転時間比率の高い低回転数域における高効率化と同時に、運転開始時の温度調整に必要な高能力を得るための高回転数域での運転が要求される。オープン巻線構造のモータを2台のインバータにより駆動するシステムは、このような要求に対する適合性が高い。
しかしながら、1つの直流電源から2台のインバータに駆動電源を供給すると、2台のインバータ間にモータ電流周波数の3次高調波成分である零相電流が流れてしまう。このようなモータ駆動システムの効率を向上させるには、零相電流を低減する必要がある。特許文献1では、2台のインバータの電源線間に零相リアクトルを挿入することで零相電流を抑制している。
しかしながら、特許文献1のように零相リアクトルを用いると、システムが大型化したり部品コストが増加するという問題が生じる。その他、零相リアクトルを用いることなく電流制御により零相電流を抑制する技術も提案されているが、その制御を実際に実現する際の課題についての具体的な記載がない。
そこで、零相電流の抑制制御を行う際に、実際のモータ駆動に適合して零相電流を効率的に抑制できる冷凍サイクル装置を提供する。
そこで、零相電流の抑制制御を行う際に、実際のモータ駆動に適合して零相電流を効率的に抑制できる冷凍サイクル装置を提供する。
実施形態の冷凍サイクル装置は、3相巻線がそれぞれ独立であり、6つの巻線端子を備えるオープン巻線構造のモータと、モータの6つの巻線端子のうち3つの巻線端子に接続される1次側インバータと、モータの巻線端子の残り3つの巻線端子に接続される2次側インバータと、交流電源の電圧を直流に変換した直流電源を、1次側インバータ及び前記2次側インバータに供給するするコンバータと、モータにより駆動される圧縮機とを備える。
さらに、モータに流れる各相電流を検出する相電流検出部と、1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出する零相電流検出部と、相電流検出部により検出された各相電流と零相電流検出部により検出された零相電流とに基づいて、モータを駆動しつつ零相電流の抑制制御を行うように前記1次側及び2次側インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御する制御部とを備え、この制御部は、モータの回転数が高くなるのに応じて、PWM制御におけるキャリア周波数を上昇させるように制御する。
さらに、モータに流れる各相電流を検出する相電流検出部と、1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出する零相電流検出部と、相電流検出部により検出された各相電流と零相電流検出部により検出された零相電流とに基づいて、モータを駆動しつつ零相電流の抑制制御を行うように前記1次側及び2次側インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御する制御部とを備え、この制御部は、モータの回転数が高くなるのに応じて、PWM制御におけるキャリア周波数を上昇させるように制御する。
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図7において、ヒートポンプ式冷凍サイクル装置1を構成する圧縮機2は、圧縮機構部3とモータ4を同一の鉄製密閉容器5内に収容して構成され、モータ4のロータシャフトが圧縮機構部3に連結されている。この結果、モータ4の駆動により圧縮機構部3が駆動されて、圧縮運転が行われる。そして、圧縮機2、四方弁6、室内熱交換器7、減圧装置8、室外熱交換器9は、熱伝達媒体流路たるパイプにより閉ループを構成するように接続されている。
圧縮機2は、例えばロータリ型の圧縮機であり、モータ4は、例えば3相IPM(Interior Permanent Magnet)モータ,ブラシレスDCモータである。モータ4の回転数の変化に応じて圧縮機構部3の吐出冷媒量が変化することで圧縮機2の出力が変化し、冷凍サイクルの能力が可変できる。空気調和機Eは、上記のヒートポンプ式冷凍サイクル装置1を有している。
空気調和機Eの暖房運転時には、四方弁6は実線で示す状態にあり、圧縮機2の圧縮機構部3で圧縮された高温冷媒は、四方弁6から室内熱交換器7に供給されて凝縮し、その後、減圧装置8で減圧され、低温となって室外熱交換器9に流れ、ここで蒸発して圧縮機2へと戻る。一方、冷房運転時には、四方弁6は破線で示す状態に切り替えられる。このため、圧縮機2の圧縮部3で圧縮された高温冷媒は、四方弁6から室外熱交換器9に供給されて凝縮し、その後、減圧装置8で減圧され、低温となって室内熱交換器7に流れ、ここで蒸発して圧縮機2へと戻る。
室外熱交換器9は、暖房運転時には蒸発器(吸熱器)として、冷房運転時には凝縮器(放射器)として機能し、室内熱交換器7は、逆に、暖房運転時には凝縮器として、冷房運転時には蒸発器として機能するようになっている。そして、室内側、室外側の各熱交換器7,9には、それぞれファン10,11により送風が行われ、その送風によって各熱交換器7,9と室内空気、室外空気の熱交換が効率良く行われるように構成されている。
室外熱交換器9に送風を行うファン11はプロペラファンであり、ファンモータ12により駆動される。ファンモータ12は、例えばモータ4と同様に効率の高いブラシレスDCモータである。室内熱交換器7に送風を行うファン10は横流ファンであり、ファンモータ13により駆動される。ファンモータ13も、ブラシレスDCモータが用いられることが望ましい。
図1は、商用の3相交流電源27に接続されるモータ駆動システムの回路構成を示す図である。圧縮機構部3を駆動するモータ4の3相巻線は、それぞれが互いに結線されず両端子がオープン状態となっているオープン巻線構造であり、モータ4は6つの巻線端子Ua,Va,Wa,Ub,Vb,Wbを備えている。
1次側インバータ21及び2次側インバータ22(以下、それぞれをインバータ21,22と称する)はそれぞれ、スイッチング素子であるIGBT23を3相ブリッジ接続して構成されており、各IGBT23には、フリーホイールダイオード24が逆並列に接続されている。例えばインバータ21,22は、それぞれがIGBT23を6個とフリーホイールダイオード24を6個全て同一パッケージに内蔵したモジュール品を用いることができる。さらに、各IGBT23を、高効率なSiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体で構成しても良い。インバータ21の各相出力端子はモータ4の巻線端子Ua,Va,Waにそれぞれ接続され、インバータ22の各相出力端子はモータ4の巻線端子Ub,Vb,Wbにそれぞれ接続されている。
インバータ21,22は、コンバータ25に並列に接続されている。コンバータ25は、6個のダイオードをブリッジ接続した3相全波整流回路でなり、その3相交流入力端子は、ノイズフィルタ26を介して3相交流電源27に接続されている。コンバータ25,インバータ21間の正側電源線には、力率改善用の直流リアクトル28が挿入されている。また、前記正側電源線と負側電源線との間には、直流を平滑化する平滑コンデンサ29が接続されている。
電流センサ30(U,V,W)は、モータ4の各相電流Iu,Iv,Iwを検出するセンサであり、インバータ21の3相出力線とモータ4の巻線端子との間に設けられている。なお、電流センサ30(U,V,W)は、インバータ22の3相出力線とモータ4の巻線端子との間に設けても良い。電圧センサ31は、平滑コンデンサ29の端子電圧である直流電源電圧VDCを検出する。例えばサーミスタである温度センサ32は、インバータ22側のIGBT23の温度を検出し、センサ信号Tsを出力する。温度センサ32は、モジュール品に内蔵されたものを用いても良いし、デバイス外部において近傍の基板上に設置しても良い。インバータ21とインバータ22に流れる電流は同じであるため、温度センサ32は、インバータ21側に設けても良いし、インバータ21、22の両方に設けても良い。
制御装置33には、モータを駆動するシステムにおける上位の制御装置,例えば空気調和機Eの空調制御部から、圧縮機構部3の目標回転数となる速度指令値ωrefが与えられ、速度指令値ωrefに検出したモータ速度ωが一致するように制御を行う。制御装置33は、電流センサ30が検出した各相電流Iu,Iv,Iwと、電圧センサ31が検出した直流電圧VDCと、温度センサ32が検出したIGBT23の温度Tsとに基づいて、インバータ21及び22を構成する各IGBT23のゲートに与えるスイッチング信号を生成する。制御装置33は制御部に相当する。
図2は、制御装置33の内部構成を示す機能ブロック図である。3相/dq変換部34は、電流センサ30を介して検出した各相電流Iu,Iv,Iw電流を、ベクトル制御に用いるd,q及び0の各軸座標の電流Id,Iq,I0に変換する。零相電流I0については、各相電流Iu,Iv,Iwの和を取ることで算出される。すなわち、I0=Iu+Iv+Iwとなる。3相/dq変換部34が電流検出を行うタイミングは、例えばPWM制御におけるキャリア周期に同期するように設定されている。同様に、電流センサ30及び3相/dq変換部34は相電流検出部に相当する。また、3相/dq変換部34は零相電流検出部に相当する。
速度・位置推定部35は、モータ4の電圧・電流から速度ω,モータ電流周波数ωe及び回転位置θを推定する。回転位置θは、3相/dq変換部34及びdq/3相変換部36に入力される。速度制御部37は、入力された速度指令ωrefと推定された速度ωとから、例えば両者の差をPI演算することでq軸電流指令Iqrefを生成して出力する。また、速度制御部37は後述するように、変調部42から温度センサ32の検出温度Tsに応じて速度指令ωrefを強制的に低下させる信号が入力されると、変調部42からの指令に応じた速度を速度指令値ωrefの上限に設定する。d軸電流指令生成部38は、直流電圧VDCとdq軸の電圧振幅Vdqとから、例えば同様に両者の差をPI演算することでd軸電流指令値Idrefを生成して出力する。
電流制御部39は、q軸電流指令Iqrefとq軸電流Iqとの差分に応じてq軸電圧指令Vqを生成し、d軸電流指令Idrefとd軸電流Idとの差分に応じてd軸電圧指令Vdを生成する。零相電流制御部40は、零相電流指令I0refと3相/dq変換部34より入力される零相電流I0,及び速度・位置推定部35より入力される、モータ電流周波数ωeから零相電圧指令V0を生成し、1/(√2)倍して出力する。以降、零相電圧指令V0については、係数1/(√2)を省略する。
dq/3相変換部36は、各軸電圧指令Vq,Vd,V0を、2つのインバータ21及び22の3相電圧指令値Vu1,Vv1,Vw1,Vu2,Vv2,Vw2に(1)式により変換する。
変調部42は、入力された電圧指令値よりインバータ1及び2を構成する各IGBT23のゲートに与えるスイッチング信号,PWM信号U1,V1,W1,X1,Y1,Z1,U2,V2,W2,X2,Y2,Z2を生成して出力する。変調部42には、速度ω及び温度センサ32のセンサ信号である検出温度Tsが入力されている。変調部42は、温度センサ32の検出温度Tsが所定値よりも高くなると、速度指令ωrefを強制的に低下させる信号を速度制御部37に指令する。
図3は、零相電流制御部40の詳細構成を示す機能ブロック図である。減算器43は、零相電流指令I0refと零相電流I0との差分をとり、増幅器44及び45に出力する。尚、本実施形態では、零相電流指令I0refは常時ゼロに設定することで零相電流I0の抑制を図る。増幅器44は、上記差分信号に比例制御ゲインKpを乗じた結果を加算器46に出力し、増幅器45は、同差分信号に共振制御ゲインKrを乗じた結果を減算器47に出力する。減算器47の出力信号は、積分器48により積分されて加算器46及び乗算器49に出力される。
乗算器49には、モータ電流周波数ωeの3倍値が入力されており、周波数3ωeに対して積分器48の積分結果が乗じられる。モータ電流周波数の3次高調波成分は、零相電流I0に相当するものである。乗算器49の乗算結果は、積分器50を介して減算器47に入力される。
減算器47は、増幅器45の出力信号より積分器50の積分結果を減じて積分器48に出力する。以上の構成において、増幅器44及び加算器46を除いた部分が、電流周波数の3次高調波に対する応答性を高めるように制御する共振制御部51を構成している。加算器46の加算結果が零相電圧V0となり、図示しない後段において1/√2倍から出力される。
次に、本実施形態の作用について図4から図6を参照して説明する。図6に示すように制御装置33のPWM制御の分解能は、キヤリア周期単位である。圧縮機2の回転数が高くなるほど電気角に対するPWM制御の分解能が低くなり、PWM制御に組み込まれている零相電流の抑制制御の遅延が大きくなる。このような遅延が発生すると、零相電流を抑制する効果が発揮できなくなり、最悪の場合、零相電流を抑制する制御が働いた際の符号が反転して、逆に零相電流を増大させてしまうことも考えられる。また、電流検出についても、圧縮機2の回転数が高くなるほど電流検出分解能が粗くなるため、実際の電流値に対して、零相電流の抑制制御に用いる電流値の位相遅れが顕著になるという同様の問題がある。この事態を回避するため、本実施形態では、圧縮機2の回転数が予め設定した回転数以上になるとキャリア周波数を増加させるように制御する。
図4は、制御装置33において、変調部42の処理内容を中心に示すフローチャートである。変調部42は、圧縮機2の運転を開始する際には、PWM制御のキャリア周波数を初期値fc,例えば4kHzに設定する(S1)。続いて、変調部42は、温度センサ32の検出温度Tsが閾値α以下か否かを判断する(S1a)。検出温度Tsが閾値α以下であれば(YES)、後述するステップS9の圧縮機の回転数制限を解除して(S1b)、回転数X1以上での圧縮機2の運転を可能にする。運転当初は温度センサ32の検出温度Tsも低く、圧縮機回転数の制限もなされていないので、そのままステップS2へ移行する。
一方、温度センサ32の検出温度Tsが閾値αを超えていれば(S1a;NO)、圧縮機の回転数制限を解除することなく、ステップS2へ移行する。この場合は、温度センサ32の検出温度Tsが低くなるまで圧縮機回転数の制限が継続される。
一方、温度センサ32の検出温度Tsが閾値αを超えていれば(S1a;NO)、圧縮機の回転数制限を解除することなく、ステップS2へ移行する。この場合は、温度センサ32の検出温度Tsが低くなるまで圧縮機回転数の制限が継続される。
ステップS2では、圧縮機2,すなわちモータ4の回転数が、閾値X1以上となったか否かを判断する。ここで、閾値X1は、キャリア周波数やモータの極数に応じて設定される。例えば、4極モータより6極モータのほうが電流検出分解能は低くなるため、6極モータの方が閾値X1は低回転数側にシフトする。よって、極数が多いものほど電流検出遅れが大きくなるのでキャリア周波数を高くする必要がある。例えば、6極モータでキャリア周波数が4kHzの場合、回転数閾値Xは50〜60rps程度とし、4極モータでキャリア周波数が4kHzの場合、回転数閾値X1は70〜80rps程度に設定する。回転数が閾値X1未満であれば(S2;NO)ステップS1に戻り、回転数が閾値X1以上であれば(YES)キャリア周波数を初期値fcの2倍に設定する(S3)。
続いて、変調部42は、温度センサ32のセンサ値Tsが閾値α以下か否かを判断する(S4)。閾値αは、例えば90℃程度である。センサ値Tsが閾値αを超えていれば(NO)、速度制御部37に指令を出して圧縮機2の回転数が閾値X1未満となるように制限して(S9)ステップS1に移行する。一方、センサ値Tsが閾値α以下であれば(YES)、それまでに圧縮機2の回転数制限(S10)がかかっていればそれを解除する(S4a)。圧縮機2の回転数制限がかかっていなければ、そのままステップS4aを通過する。
続いて、圧縮機2の回転数が、閾値X2以上となったか否かを判断する(S5)。閾値X2は、例えば6極モータで80〜90rps程度,4極モータでは90〜110rps程度とする。回転数が閾値X2未満であれば(NO)ステップS3に戻り、回転数が閾値X2以上であれば(YES)キャリア周波数を初期値fcの3倍に設定する(S6)。
次に、変調部42は、再び温度センサ32のセンサ値Tsが閾値α以下か否かを判断する(S7)。ここでセンサ値Tsが閾値αを超えていれば(NO)、速度制御部37に指令を出して圧縮機2の回転数が閾値X2未満となるように制限し(S9)、ステップS3に移行する。一方、センサ値Tsが閾値α以下であれば(YES)、そのままの状態で圧縮機2の運転を継続する(S8)。
以上の一連の制御により、圧縮機2の回転数が閾値X1とX2の間にある状態(S2;YES)でセンサ値Tsが閾値αを超えると(S4)、回転数は閾値X1未満に制限され(S9)、同時にそれまでfc×2に設定されていたキャリア周波数が、fcに低下するように変更される(S1)。また、圧縮機2の回転数が閾値X2以上にある状態で(S5;YES)センサ値Tsが閾値αを超えると(S7)、回転数は閾値X2未満に制限され(S10)、同時にキャリア周波数はfc×2に低下するように変更される(S3)。本来は、キャリア周波数が低い方がスイッチング素子のスイッチング回数が減らせるため、効率が向上する。しかしながら、零相電流の抑制が適切に行えない場合はそれ以上に効率が低下する。そこで、回転数に応じて適切なキャリア周波数を選定することで零相電流を抑制し、且つキャリア周波数を低めに選定することで効率の低下を防止する。
図5は、図4に示すフローチャートの処理内容に応じた圧縮機2の回転数の変化と、PWMキャリア周波数との関係を示している。回転数が閾値X1までの領域は、キャリア周波数が一定に固定され、閾値X1を超えるとキャリア周波数が複数段階に変更されるようになっている。
インバータ21,22の各スイッチング素子であるIGBT23の発熱は、スイッチングロスにより発生する。このロスは、スイッチング回数に依存する。すなわち、スイッチング回数が多くなれば発熱量が多くなり、IGBT23の温度が上昇する。スイッチング回数はキャリア周波数に比例することから、キャリア周波数が高いほど、IGBT23の温度は上昇する。適切な冷却が行われていれば、IGBT23の温度は許容範囲内に留まり問題は生じない。
しかしながら、外気温度が極端に高い場合や、インバータ21、22のヒートシンクなどの放熱部分への通風が弱まった場合等には、IGBT23の温度が異常に上昇し、最終的にIGBT23が熱破壊を起こす可能性もある。そこで、変調部42は、IGBT23の温度を温度センサ32により検出し、温度が閾値αを超えると、ステップS4からS9へのフロー及びステップS7からS10へのフローにより、圧縮機2の回転数を1段階下のキャリア周波数となる回転数まで低下させる。この圧縮機2の回転数制限によりキャリア周波数を現状の値から低下させることで、IGBT23の過熱による熱破壊を防止できる。
以上のように本実施形態によれば、冷凍サイクル装置1において、1次側インバータ21,2次側インバータ22は、それぞれの各相出力端子がオープン巻線構造モータ4の3つの巻線端子に接続される。コンバータ25は、交流電源27の電圧を直流に変換した直流電源をインバータ21及び22に供給する。圧縮機2は、モータ4により駆動される。
3相/dq変換部34は、PWMキャリア周期に同期してモータ4に流れる各相電流Iu,Iv,Iwを検出すると共に、インバータ21,22の間に流れる零相電流I0を検出する。制御装置33は、各相電流Iu,Iv,Iwと零相電流I0とに基づいてモータ4を駆動しつつ、零相電流制御部40により零相電流I0の抑制制御を行うようにインバータ21及び22をPWM制御する。そして、変調部42は、モータ4の回転数が高くなるのに応じてPWM制御におけるキャリア周波数を上昇させるように制御する。
このように構成すれば、モータ4の回転数が上昇するのに応じて、3相/dq変換部34が各相電流Iu,Iv,Iwを検出する頻度も上昇するので、電流検出分解能を低下させることがない。これにより、零相電流I0の抑制制御を安定して行うことができ、圧縮機2の運転効率を向上させることができる。
また、3相/dq変換部34は、各相電流Iu,Iv,Iwから演算により零相電流I0を検出するので、零相電流I0を別途検出するセンサを設ける必要が無い。また、制御装置33は、モータの極数が増加するのに応じてキャリア周波数をより高く設定するので、極数が多いモータについても零相電流の抑制効果を維持できる。
また、インバータ21及び22を、SiCやGaN等のワイドバンドギャップ半導体を用いたIGBT23で構成することで、キャリア周波数を上昇させた際のスイッチング損失増加を抑制できる。更に、IGBT23の温度を温度センサ32により検出し、変調部42は、前記温度が閾値αを超えると、キャリア周波数を現状の値から低下させるようにした。これにより、IGBT23が過熱により熱破壊することを防止できる。加えて、制御装置33は、キャリア周波数を低下させるのに併せてモータ4の回転数を低下させるので、零相電流の抑制効果を維持できる。
(その他の実施形態)
ノイズフィルタ26は、必要に応じて設ければ良い。
回転数閾値X1,X2や温度閾値αの具体数値は、要旨を逸脱しない範囲で適宜設定すれば良い。
キャリア周波数を、2段階又は4段階以上、さらには回転数に比例して直線的に変化させても良い。
各相電流の検出は、必ずしもPWMキャリア周期に同期して行う必要は無く、半周期に同期させたり、2倍周期に同期させても良い。
ノイズフィルタ26は、必要に応じて設ければ良い。
回転数閾値X1,X2や温度閾値αの具体数値は、要旨を逸脱しない範囲で適宜設定すれば良い。
キャリア周波数を、2段階又は4段階以上、さらには回転数に比例して直線的に変化させても良い。
各相電流の検出は、必ずしもPWMキャリア周期に同期して行う必要は無く、半周期に同期させたり、2倍周期に同期させても良い。
温度閾値にヒステリシスを設け、制御のハンチングを防止しても良い。
温度センサ32は、1次側インバータ21のIGBT23の温度を検出しても良いし、インバータ21及び22のIGBT23の温度を検出しても良い。さらには、温度センサ32によりIGBT23の温度を検出して行う制御は、必要に応じて行えば良い。
冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ式温水器やチラー等の空気調和機以外に適用されるものでも良い。
温度センサ32は、1次側インバータ21のIGBT23の温度を検出しても良いし、インバータ21及び22のIGBT23の温度を検出しても良い。さらには、温度センサ32によりIGBT23の温度を検出して行う制御は、必要に応じて行えば良い。
冷凍サイクル装置は、ヒートポンプ式温水器やチラー等の空気調和機以外に適用されるものでも良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1はヒートポンプ式冷凍サイクル装置、2は圧縮機、4はモータ、21は1次側インバータ、22は2次側インバータ、23はIGBT、25はコンバータ、27は3相交流電源、30は電流センサ、32は温度センサ、33は制御装置、34は3相/dq変換部、40は零相電流制御部、42は変調部を示す。
Claims (6)
- 3相巻線がそれぞれ独立であり、6つの巻線端子を備えるオープン巻線構造のモータと、
前記モータの6つの巻線端子のうち3つの巻線端子に接続される1次側インバータと、
前記モータの巻線端子の残り3つの巻線端子に接続される2次側インバータと、
交流電源の電圧を直流に変換した直流電源を、前記1次側インバータ及び前記2次側インバータに供給するするコンバータと、
前記モータにより駆動される圧縮機と、
前記モータに流れる各相電流を検出する相電流検出部と、
前記1次側及び2次側インバータの間に流れる零相電流を検出する零相電流検出部と、
前記相電流検出部により検出された各相電流と前記零相電流検出部により検出された零相電流とに基づいて、前記モータを駆動しつつ前記零相電流の抑制制御を行うように前記1次側及び2次側インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記モータの回転数が高くなるのに応じて、前記PWM制御におけるキャリア周波数を上昇させるように制御する冷凍サイクル装置。 - 前記零相電流検出部は、前記相電流検出部により検出された各相電流から演算により零相電流を検出する請求項1記載の冷凍サイクル装置。
- 前記制御部は、前記モータの極数が増加するのに応じて、前記キャリア周波数をより高く設定する請求項1又は2記載の冷凍サイクル装置。
- 前記1次側及び2次側インバータは、ワイドバンドギャップ半導体を用いたスイッチング素子で構成されている請求項1から3の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記1次側インバータ及び/又は前記2次側インバータを構成するスイッチング素子の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度が閾値を超えると、前記キャリア周波数を現状の値から低下させる請求項1から4の何れか一項に記載の冷凍サイクル装置。 - 前記制御部は、前記キャリア周波数を低下させるのに併せて、前記モータの回転数を低下させる請求項5記載の冷凍サイクル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2018052537A JP2019165573A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 冷凍サイクル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018052537A JP2019165573A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 冷凍サイクル装置 |
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JP2019165573A true JP2019165573A (ja) | 2019-09-26 |
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ID=68066227
Family Applications (1)
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JP2018052537A Pending JP2019165573A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 冷凍サイクル装置 |
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JP (1) | JP2019165573A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7453549B2 (ja) | 2020-09-25 | 2024-03-21 | ダイキン工業株式会社 | 制御装置 |
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2018
- 2018-03-20 JP JP2018052537A patent/JP2019165573A/ja active Pending
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