JP2005019973A - 光半導体素子用ステムの製造方法 - Google Patents

光半導体素子用ステムの製造方法 Download PDF

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卓也 黒澤
Yoshihiko Nakamura
吉彦 中村
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Abstract

【課題】 放熱性が高い放熱部を備えた光半導体素子用ステムを、生産効率が高く、かつ精度よく製造できる光半導体素子用ステムの製造方法を提供する。
【解決手段】 第1金属層10が下側第2金属層12aと上側第2金属層12bとに挟まれた構造の金属板13を用意する工程と、金属板13にプレス加工を行うことにより、金属板13の上側第2金属層12bの一部分に開口部12xが設けられた構造を形成する工程と、金属板13にプレス加工を行うことにより、上側第2金属層12bの開口部12x上に第1金属層10を立設させて放熱部20を形成する工程とを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、光半導体素子用ステムの製造方法に関し、さらに詳しくは、光通信装置や光ディスク装置などに適用される半導体レーザ素子などが実装される光半導体素子用ステムの製造方法に関する。
従来、光半導体素子が実装される金属製のステムがある。図9は光半導体素子用ステムの一例を示す斜視図である。図9に示すように、光半導体素子用ステム100は、基体部を構成するアイレット102とその上に立設された放熱部104とにより構成されている。アイレット102には位置出し用の切り欠き部102aが設けられている。また、放熱部104はその側面に光半導体素子が実装される素子実装面104aを備えている。
光半導体素子用ステム100においては、光半導体素子が実装される放熱部104は、放熱性を向上させるために熱伝導性が高い銅(Cu)などの金属から構成されることが望ましい。また、アイレット102上の周辺部には光半導体素子を気密封止するための金属キャップが抵抗溶接されるため、アイレット102はその表層部に抵抗溶接に適した鉄層が設けられている。
このような光半導体素子用ステム100の従来の製造方法としては、図10(a)に示すように、まず、鉄層108a/銅層106/鉄層108bの構造のクラッド材110を用意する。その後、図10(b)に示すように、このクラッド材110をプレス加工することにより、クラッド材110上に立設する放熱部112を形成する。
しかしながら、この製造方法では、放熱部112の表層部に熱伝導率の低い鉄層108bが残るため、光半導体素子が素子実装面112aに実装される際に放熱部112での放熱性が十分に得られないという問題がある。このような製造方法は、例えば特許文献1及び2に記載されている。
この対策として、特許文献3には、クラッド材(鉄層/銅層/鉄層)の放熱部が形成される部分の鉄層を予めエッチングで除去した後に、プレス加工を行うことにより、表面に銅層が露出する放熱部を形成する方法が記載されている。
特開平6−291224号公報 特開2001−135745号公報 特開平11−186649号公報
しかしながら、クラッド材の鉄層を予めエッチングにより除去する方法は、マスク形成工程及びエッチング工程を必要とし、かつこれらの工程では多くの製造装置を必要とするため、プレス加工に比べて処理スピードが遅く、かつコストが高くなるという欠点がある。
このため、プレス加工の前にエッチング工程を特別に追加する方法では、生産効率が極めて低く、引いては製品のコスト上昇を招いてしまう。しかも、エッチングにより形成した鉄層の開口部に金型を位置合わせしてプレス加工を行うので、位置合わせ精度が悪く、高い精度が要求されるステムの製造には適用できない場合が想定される。
以上のことから、抵抗溶接が可能なアイレット上に熱伝導性の高いCuブロックからなる放熱部が立設された光半導体素子用ステムを、生産効率が高く、かつ精度よく製造できる製造方法が切望されている。
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、放熱性が高い放熱部を備えた光半導体素子用ステムを、生産効率が高く、かつ精度よく製造できる光半導体素子用ステムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は光半導体素子用ステムの製造方法に係り、第1金属層が下側第2金属層と上側第2金属層とに挟まれた構造の金属板を用意する工程と、前記金属板にプレス加工を行うことにより、前記金属板の前記上側第2金属層の一部分に開口部が設けられた構造を形成する工程と、前記金属板にプレス加工を行うことにより、前記上側第2金属層の開口部上に前記第1金属層を立設させて放熱部を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明では、まず、下側第2金属(鉄層など)/第1金属層(銅層など)/上側第2金属層(鉄層など)の構造の金属板に、プレス加工を行うことにより、上側第2金属層の一部分に開口部が設けられた構造を形成する。
本発明の一つの好適な態様では、この工程は2つのプレス工程からなり、最初に、金属板に第1のプレス加工を行うことにより、上側第2金属層の開口部と第1金属層の開口部とにより構成される凹部を形成する。
続いて、金属板に第2のプレス加工を行うことにより、凹部のうちの第1金属層の開口部を第1金属層で選択的に埋め込む。この工程は、好適には、凹部のうちの上側第2金属層の開口部に嵌合される凸部を有する金型が金属板上に配置された状態で行われる。これにより、第1金属層がその開口部側に押し込まれることで第1金属層の開口部が埋め込まれる共に、上側第2金属層の開口部は金型の凸部によってブロックされて上側第2金属層の開口部が残される。
あるいは、金属板にプレス加工を行うことにより、上側第2金属層の一部分が選択的に突出する凸部を形成し、次いで上側第2金属層の凸部を切削により除去して、第1金属層を部分的に露出させる上側第2金属層の開口部を形成するようにしてもよい。
このようにして、エッチング工程を特別に追加することなく、金属板の上側第2金属層の一部分(放熱部が立設される部分)にプレス加工(切削を含む)により開口部を形成することができる。
次いで、金属板にプレス加工を行うことにより、上側第2金属層の開口部上に第1金属層を立設させて放熱部を形成する。これにより、放熱部の表層部には熱伝導性の低い上側第2金属層(鉄層など)は残存せず、表面に熱伝導性の高い第1金属層(銅層など)が露出した状態で形成される。
しかも、金属板の表層部には、抵抗溶接に適した上側第2金属層(鉄層など)が残されるため、金属板の周辺部に光半導体素子を気密封止する金属キャップを容易に抵抗溶接できるようになる。
このように、本発明では、処理スピードが遅く、コスト高になるエッチング工程を特別に追加することなく、一連のプレス加工により、金属板上に放熱性の高い放熱部を容易に形成することができる。プレス加工は、エッチング処理に比べてかなり処理スピードが速く、かつ位置合わせが一連のプレス加工の間で行われるので放熱部を精度よく成形することができる。従って、信頼性の高い光半導体素子用ステムを低コストで製造することができるようになる。
以上説明したように、本発明では、エッチング工程を使用せずに、プレス加工によって金属板上に放熱性の高い放熱部を形成するようにしたので、高精度の光半導体素子用ステムを低コストで製造することができる。
本発明の実施の形態について、図を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図4は本発明の第1実施形態に係る光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図である。第1実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法は、図1(a)に示すように、最初に、下側鉄層12a(下側第2金属層)、銅層10(第1金属層)、上側鉄層12b(上側第2金属層)の構造からなるクラッド材13(金属板)を用意する。クラッド材13の中央部の第1金属層は、後にステムの放熱部を構成するので、熱伝導性の高い材料が使用される。熱伝導性の高い材料としては、銅の他に、銅(Cu)−タングステン(W)合金、銅(Cu)−モリブデン(Mo)合金、銅(Cu)−タングステン(W)−モリブデン(Mo)合金などが使用される。
また、クラッド材13は後にステムの基体部を構成するアイレットとなり、該アイレット上に金属キャップが抵抗溶接されるため、クラッド材13の上側第2金属層は抵抗溶接に適した鉄から構成される。抵抗溶接に適した金属としては、鉄の他に、ニッケル(Ni)−鉄(Fe)合金、又はニッケル(Ni)−鉄(Fe)−コバルト(Co)合金(コバール)などが使用される。
本実施形態の特徴の一つは、エッチング工程を特別に遂行することなく、このような構造のクラッド材13をプレス加工することにより、Cuブロックからなる放熱部を有するステムを製造することにある。
このため、クラッド材13の放熱部が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分がプレス加工により除去される。プレス加工の方法を説明すると、図1(b)に示すように、まず、凸部14aを有する第1金型14を用意する。この第1金型14は、クラッド材13の放熱部が立設される部分に対応する上側鉄層12b及びCu層10の部分に凹部を形成するためのものである。
従って、金型14の凸部14aの高さは、クラッド材13の上側鉄層12bとCu層10とのトータルの厚みに概ね対応している。また、金型14の凸部14aの先端部の面積は、後述する放熱部の先端部の面積と概ね同一又はそれ以上に設定される。
次いで、図2(a)に示すように、この第1金型14でクラッド材13を押圧することにより、クラッド材13の上側鉄層12b及びCu層10の一部分を下側鉄層12a側に排斥する(第1のプレス加工)。
これにより、上側鉄層12bの開口部12xとCu層10の開口部10xとにより構成される凹部13xが形成される。このとき、プレスされたCu層10の部分は軟性のため押し潰されて下側鉄層12a内に押し込まれる共に、プレスされた上側鉄層12bの部分は硬性のためプレス片11となって下側鉄層12a内に押し込まれる。その後に、第1金型14をクラッド材13から取り外す。
続いて、図2(b)に示すように、凸部16aを備えた第2金型16を用意する。第2金型16の凸部16aは、クラッド材13に設けられた凹部13xのうちの上側鉄層12bの開口部12xに嵌合するものである。
次いで、図3(a)に示すように、第2金型16の凸部16aが上側鉄層12bの開口部12xに嵌合するようにして、第2金型16をクラッド材13上に配置し、クラッド材13を押圧する(第2のプレス加工)。これにより、軟性のCu層10がその開口部10x側に押し込まれる。その結果、図3(b)に示すように、凹部13xのうちCu層10の開口部10xがCu層10によって選択的に埋め込まれて、上側鉄層12bの開口部12xが残された状態となる。このとき、Cu層10は横方法に移動した分に対応してその厚みが薄くなる。
第2のプレス加工では、上側鉄層12bの開口部12xに第2金型16の凸部16aが嵌合された状態でプレスされるため、上側鉄層12bがその開口部12x側に押し込まれるとしても、第2金型16の凸部16aでブロックされて上側鉄層12bの開口部12xが確保されるようになっている。
このとき、Cu層10の開口部10xに埋め込まれたCu層10内に上側鉄層12bのプレス片11が含まれないように、前述した第1金型14でプレス加工する際に、プレス片11全体が下側鉄層12aに押し込まれるようにすることが好ましい。
また、後述するように、Cu層10の開口部10xに埋め込まれたCu層10がプレス加工により上側に立設するので、Cu層10の開口部10xがCu層10で完全に埋め込まれていることが望ましい。このため、Cu層10の開口部10xの大きさに合わせてCu層10の厚みが適宜調整される。その一例としては、Cu層10の開口部10xの大きさが1〜2mm□の場合、Cu層10の厚みは0.5〜2mm程度に設定される。
以上の第1及び第2のプレス加工により、エッチング工程を特別に追加することなく、クラッド材13の放熱部が立設される部分に対応する上側鉄層12aの部分に開口部12xを形成することができる。これにより、クラッド材13に第3のプレス加工を行って放熱部を形成するための準備が完了する。
次いで、図4(a)に示すように、上側鉄層12bの開口部12xに対応する凹部18aを備えた第3金型18を用意する。続いて、第3金型18の凹部18aの外周部が上側鉄層12bの開口部12xの外周部に配置されるように位置合わせして、第3金型18をクラッド材13上に配置し、第3金型18でクラッド材13を押圧する(第3のプレス加工)。
これにより、図4(b)に示すように、Cu層10が第3金型18の凹部18a側に押し込まれることにより、上側に突出する凸部が形成されて放熱部20が得られる。
このとき、クラッド材13の放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分は第1及び第2のプレス加工により選択的に除去されているので、放熱部20はその上面及び側面にCu層10が露出した状態で形成される。またこのとき、Cu層10が上側鉄層12bの開口部12xから上方に延びた分に対応してCu層10の厚みが薄くなる。
続いて、クラッド材13をプレス加工することによりリードを挿入するための貫通孔(不図示)を形成する。その後、位置出し用の切り欠き部(不図示)を含むアイレット13aの形状にクラッド材13をプレス加工により打ち抜く。あるいは、クラッド材13を予めアイレット13aの形状に打ち抜いた後に、前述した一連のプレス加工によりアイレット13a上に放熱部20を形成してもよい。
これにより、アイレット13aとその上に立設された放熱部20とにより基本構成される光半導体素子用ステム1が完成する。放熱部20は、側面に素子実装面20aを備えており、その素子実装面20aに半導体レーザ素子などの光半導体素子が実装される。
なお、光半導体素子用ステム1に半導体レーザ素子とその出力をモニタする受光素子とが実装される場合、放熱部20を形成する第3のプレス加工の工程(図4(a))で、放熱部20の近傍のクラッド材13に受光素子が実装されるへこみ部を同時に形成するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の製造方法では、まず、クラッド材13に第1のプレス加工を行うことにより、クラッド材13の放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12b及びCu層10の部分に連通する開口部12x,10xを形成して凹部13xを得る。その後、クラッド材13に第2のプレス加工を行うことにより、凹部13xのうちのCu層10の開口部10xをCu層10で選択的に埋め込む。
このようにすることにより、エッチング工程を特別に追加することなく、プレス加工によりクラッド材13の放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分に開口部12xが設けられた構造を容易に得ることができる。
続いて、クラッド材13に第3のプレス加工を行うことにより、上側鉄層12bの開口部12x上にCu層を立設させて放熱部20を形成する。これにより、表層部に上側鉄層12bが設けられたアイレット13aと、その上に一体成形されたCuブロックからなる放熱部20とにより基本構成される光半導体素子用ステム1が得られる。
このように、本実施形態では、クラッド材13に一連の第1〜第3のプレス加工を行うことにより、クラッド材13上にCuブロックからなる放熱部を容易に形成することができる。従って、従来のプレス加工する前にエッチングにより鉄層を予め除去する方法よりも、処理スピードが格段に速く、かつ低コストでステムを製造することができる。
しかも、上側鉄層12bに開口部12xが形成された構造を形成する工程(図2(a)〜図3(b))と、上側鉄層12bの開口部12xに第3金型18の凹部18aを位置合わせしてプレス加工する工程(図4(a))とが、同種のプレス加工により行われるため、位置合わせ精度を向上させることができ、設計要求に応じた精度が高いステム1を製造することができる。
第1実施形態に係る光半導体素子用ステム1では、放熱部20は熱伝導性の高いCuが露出した状態で形成され、さらに放熱部はアイレット13aのCu層10と一体的に成形されているので、放熱部20の素子形成面20aに光半導体素子が実装される際に、十分な放熱性が得られるようになる。
また、アイレット13aのうちの放熱部20が立設された以外の部分には、鉄層12bが露出して設けられているので、光半導体素子を気密封止するための金属キャップをアイレット13a上に抵抗溶接により容易に接合することができる。
(第2の実施の形態)
図5〜図8は本発明の第2実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図である。第2実施形態では、プレス加工と切削によって上側鉄層12bに開口部が形成される。第2実施形態の光半導体用ステムの製造方法は、図5(a)に示すように、まず、第1実施形態の図1(a)と同様に、下側鉄層12a(下側第2金属層)、銅層10(第1金属層)、上側鉄層12b(上側第2金属層)の構造からなるクラッド材13(金属板)を用意する。
次いで、図5(b)に示すように、凹部24aを備えた第1金型24を用意する。第1金型24は、クラッド材13の放熱部が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分に凸部を選択的に形成するためのものである。従って、第1金型24の凹部24aの面積は後に形成される放熱部の先端部の面積に対応しており、凹部24aの深さは上側鉄層12bの厚みに概ね対応している。
そして、図6(a)に示すように、この第1金型24をクラッド材13上に配置し、クラッド材13を押圧することにより、第1金型24の凹部24a内に上側鉄層12bを部分的に押し上げる。これにより、図6(b)に示すように、後に放熱部が立設される部分に上側鉄層12bが選択的に突出して凸部12yが形成される。
続いて、図6(c)に示すように、上側鉄層12bの凸部12yを切削するための切刃28を備えたプレス機(不図示)を用意する。そして、図7(a)に示すように,プレス機の切刃28を上側鉄層12bの凸部12yの側面下部に対応させて横方向に押圧してスライドさせることにより、上側鉄層12bの凸部12yをクラッド材13から切削して除去する。このように、第2実施形態では、図7(b)に示すように、後に放熱部が立設される上側鉄層12bの部分が選択的に除去されて上側鉄層12bに開口部12zが形成され、その開口部12zにCu層10が露出した状態となる。
なお、上側鉄層12bの凸部12yを切削する際に、凸部12yの下のCu層10が不必要に除去されずに、かつ凸部12y(鉄層)が残らない程度に、上述した図6(a)の工程において,上側鉄層12bの凸部12yの下面がその周辺の上側鉄層12bの上面と略同一高さになるようにプレス加工されることが好ましい。
また、上側鉄層12bの凸部12yを切削する際に、切削された凸部12yが下側に落下して容易に廃棄されるように、上側鉄層12bの凸部12yを下側に向けた状態で切削することが好ましい。
次いで、図7(c)に示すように、前述した第1実施形態の第3の金型18(図4(a))と同様な、上側鉄層12bの開口部12zに対応する部分に凹部26aを備えた第2金型26を用意する。続いて、第2金型26の凹部26aの外周部が上側鉄層12bの開口部12zの外周部に配置されるように位置合わせして、第2金型26をクラッド材13上に配置し、第2金型26でクラッド材13を押圧する。
これにより、図8(a)に示すように、Cu層10が第2金型26の凹部26aの中に押し込まれることにより、上側に突出する凸部が形成されて放熱部20が得られる。
このとき、放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分は切削によって選択的に除去されているので、第1実施形態と同様に、放熱部20はその上面及び側面にCu層10が露出した状態で形成される。またこのとき、Cu層10が上側鉄層12bの開口部12zから上方に延びた分に対応してCu層10の厚みが薄くなる。
その後に、クラッド材13をプレス加工することによりリードを挿入するための貫通孔(不図示)を形成する。さらに、位置出し用の切り欠き部(不図示)を含むアイレット13aの形状にクラッド材13をプレス加工により打ち抜く。あるいは、クラッド材13を予めアイレット13aの形状に打ち抜いた後に、前述したプレス加工及び切削によりアイレット13a上に放熱部20を形成してもよい。
これにより、図8(b)に示すようなアイレット13aとその上に立設された放熱部20とにより基本構成される光半導体素子用ステム1aが完成する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、放熱部20は、側面に素子実装面20aを備えており、その素子実装面20aに半導体レーザ素子などの光半導体素子が実装される。
以上説明したように、第2実施形態では、まず、第1金型24でクラッド材13にプレス加工を行うことにより、クラッド材13の放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分を選択的に上側に押し上げて凸部12yを形成する。その後に、上側鉄層12bの凸部12yを切削により除去することにより、上側鉄層12bの開口部12zを形成し、その部分にCu層10を露出させる。
このようにすることにより、第1実施形態と同様に、エッチング工程を特別に追加することなく、プレス加工及び切削によりクラッド材13の放熱部20が立設される部分に対応する上側鉄層12bの部分に開口部12zが設けられた構造を容易に得ることができる。
続いて、第2金型26でクラッド材13にプレス加工を行うことにより、上側鉄層12bの開口部12z上にCu層を立設させて放熱部20を形成する。これにより、第1実施形態と同様に、表層部に上側鉄層12bが設けられたアイレット13aと、その上に一体成形されたCuブロックからなる放熱部20とにより基本構成される光半導体素子用ステム1aが得られる。
第2実施形態においても、プレス加工及び切削により上側鉄層12の所要部に開口部12zを形成し、その開口部12zからCu層10を立設させて放熱部20を形成するので、第1実施形態と同様に、速い処理スピードで、かつ低コストで精度の高いステムを安定して製造することができるようになる。
また、第2実施形態に係る光半導体素子用ステム1aでは、第1実施形態と同様に、放熱部20に熱伝導性の低い鉄層が残らないので、放熱部20に光半導体素子が実装される際に十分な放熱性が得られるようになる。また、アイレット13aの放熱部20が立設された以外の部分には上側鉄層12bが残されるので、光半導体素子を気密封止するための金属キャップをアイレット13a上に抵抗溶接により容易に接合することができる。
図1は本発明の第1実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その1)である。 図2は本発明の第1実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その2)である。 図3は本発明の第1実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その3)である。 図4は本発明の第1実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その4)である。 図5は本発明の第2実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その1)である。 図6は本発明の第2実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その2)である。 図7は本発明の第2実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その3)である。 図8は本発明の第2実施形態の光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図(その4)である。 図9は光半導体素子用ステムの一例を示す斜視図である。 図10は従来技術に係る光半導体素子用ステムの製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1,1a・・・光半導体素子用ステム、
10・・・Cu層(第1金属層)、
11・・・プレス片、
12a・・・下側鉄層(下側第2金属層)、
12b・・・上側鉄層(上側第2金属層)、
12x,12z・・・開口部
13・・・クラッド材(金属板)、
13a・・・アイレット、
13x,18a,24a,26a・・・凹部、
14,24・・・第1金型、
14a,12y,16a・・・凸部、
16,26・・・第2金型、
18・・・第3金型、
20・・・放熱部、
20a・・・素子実装面、
28・・・切刃。

Claims (10)

  1. 第1金属層が下側第2金属層と上側第2金属層とに挟まれた構造の金属板を用意する工程と、
    前記金属板にプレス加工を行うことにより、前記金属板の前記上側第2金属層の一部分に開口部が設けられた構造を形成する工程と、
    前記金属板にプレス加工を行うことにより、前記上側第2金属層の開口部上に前記第1金属層を立設させて放熱部を形成する工程とを有することを特徴とする光半導体素子用ステムの製造方法。
  2. 前記金属板の前記上側第2金属層の一部分に開口部が設けられた構造を形成する工程は、
    前記金属板に第1のプレス加工を行うことにより、前記上側第2金属層の開口部と前記第1金属層の開口部とにより構成される凹部を形成する工程と、
    前記金属板に第2のプレス加工を行うことにより、前記凹部のうちの前記第1金属層の開口部を該第1金属層で選択的に埋め込む工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  3. 前記金属板に第1のプレス加工を行う工程は、前記凹部に対応する凸部を備えた第1金型で前記金属板を押圧する工程であることを特徴とする請求項2に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  4. 前記金属板に第2のプレス加工を行う工程は、
    前記凹部のうちの上側第2金属層の開口部に嵌合される凸部を備えた金型を前記金属板上に配置した状態で、前記金属板を押圧する工程であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  5. 前記金属板の前記上側第2金属層の一部分に開口部が設けられた構造を形成する工程は、
    前記金属板にプレス加工を行うことにより、前記上側第2金属層の一部分が選択的に突出する凸部を形成する工程と、
    前記上側第2金属層の前記凸部を切削により除去して、前記第1金属層を部分的に露出させる前記上側第2金属層の前記開口部を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  6. 前記上側第2金属層の前記凸部を形成する工程は、凹部を備えた金型で前記金属板を押圧することにより、前記金型の凹部内に前記上側第2金属層を押し込んで前記凸部を形成する工程であることを特徴とする請求項5に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  7. 前記上側第2金属層の前記凸部を形成する工程において、前記上側第2金属層の凸部の下面が、該凸部の周辺の前記上側第2金属層の上面と同一高さになって形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  8. 前記放熱部を形成する工程は、
    前記上側第2金属層の開口部に対応して位置合わせされる凹部を備えた金型で前記金属板を押圧することにより、前記金型の凹部内に前記第1金属層を押し込む工程であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  9. 前記放熱部は、表面に前記第1金属層が露出した状態で形成され、前記放熱部の側面には光半導体素子が実装されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
  10. 前記第1金属層は銅又は銅合金からなり、前記第2金属層は鉄又は鉄合金からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光半導体素子用ステムの製造方法。
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