JP2005019823A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラリーを複数回繰り返し使用しても切削性の低下を招くことなく、スライス基板に与える影響を抑制し、インゴットの落下による破損を防止した半導体基板の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体材料から成るインゴット3を支持部材9に接着し、支持部材9をワークプレート4上に載置した上で、このインゴット3をスライスして複数のウエハを形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材9はガラス材からなるとともに、前記支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスする。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体材料から成るインゴット3を支持部材9に接着し、支持部材9をワークプレート4上に載置した上で、このインゴット3をスライスして複数のウエハを形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材9はガラス材からなるとともに、前記支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体基板の製造方法に関し、特に太陽電池素子などを形成するための半導体基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や太陽電池に用いられる半導体基板は、チョコラルスキー法や鋳造法で作成された単結晶や多結晶の半導体インゴットから形成される。
【0003】
例えば多結晶シリコン基板は一般的にキャスティング法と呼ばれる方法で製造される。このキャスティング法とは、離型材を塗布した黒鉛などからなる鋳型内のシリコン融液を冷却固化することによってシリコンインゴットを形成する方法である。
【0004】
このシリコンインゴットの端部を除去したり、所望の大きさに切断して切り出し、切り出したインゴットを所望の厚みにスライスして多結晶シリコン基板を得る。
【0005】
このようなインゴットから一定の厚みの基板を切り出す装置としてワイヤーソーが用いられる。
【0006】
このワイヤーソーによるインゴットのスライス方法を図3を用いて説明する。同図において、1はスラリー供給ノズル、2はスラリー受け、3a、3bはインゴット、4はワークプレート、5は間隔保持用ローラ、6はワイヤー、7はディップ槽、8はワイヤー供給リールである。
【0007】
このワイヤーソーは、直径約100〜300μmのピアノ線などの一本のワイヤー6を通常2〜4本の間隔保持用ローラー5上に設けた多数の溝に巻きつけて一定ピッチで互いに平行となるように配置し、ワイヤーを一方向または双方向に走行させる。
【0008】
このワイヤー6にスラリー供給ノズル1からスラリー受け2を介してスラリーと呼ばれるオイルまたは水にSiCなどの砥粒を混合した切削液を供給しながらインゴット3(3a、3b)をワイヤー6に押圧してインゴット3の下方から上方に向けて徐々にスライスしていく。つまり、ワイヤー6によって運ばれた砥粒の切削力によってインゴット3をスライスする。スラリーは下方で回収し複数回繰り返して使用する。
【0009】
このワイヤーソーによるスライスによれば、多数の半導体基板を同時にスライスすることができ、また、外周刃や内周刃などを使用する他のスライス方法と比べてスライス精度が高くかつ使用しているワイヤーが細いためカーフロス(切り代)を少なくできるという利点がある。
【0010】
図4はワークプレート4とインゴット3の従来の固定方法を説明するための図である。同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、10はクランプ、11は接着剤を示す。
【0011】
インゴット3をカーボンなどからなる支持部材9にエポキシ系接着剤などで接着し、その支持部材9をワークプレート4にクランプ10で固定して、ワイヤーソーにセットし、スライスすることで複数の基板が形成される。
【0012】
このとき、支持部材9の一部までスライスすることで、インゴット3をすべてスライスすることができる。その後、この複数の基板を支持部材9に接着した状態で洗浄して乾燥し、そして、基板を支持部材9から剥離するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
また、このとき使用する支持部材9としてはカーボン板以外にガラスを使用することも一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−45297号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2003−145407号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、支持部材9にカーボン板を使用した場合、支持部材9の一部までスライスする際に、カーボンの切り粉がスラリーに混入し、これにより、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題が発生することがあった。
【0017】
また、ワイヤーの撓みを回避しておかないと、ワイヤーに付着した砥粒がカーボン板に剥ぎ取られてしまい、インゴットに到着しないことで、スライス基板に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0018】
このとき、支持部材9にガラス材を使用することで、上記問題を解決することができる。これはガラス材の場合、ワイヤーに付着した砥粒が剥ぎ取られることが少ないからである。
【0019】
しかしながら、この場合、支持部材9であるガラス材と直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりすると、支持部材9であるガラス材が割れ、インゴット3が落下して破損するなどの問題があった。
【0020】
本発明はこのような問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的はスラリーを複数回繰り返し使用しても切削性の低下を招くことなく、スライス基板に与える影響を抑制し、インゴットの落下による破損を防止した半導体基板の製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る半導体基板の製造方法においては、半導体材料から成るインゴットを支持部材に接着し、この支持部材をワークプレートに固定し、しかる後にこのインゴットをスライスして複数の基板を形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材はガラス材からなるとともに、前記支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項2に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が弾性を有することを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項3に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が接着性を有することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項4に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が樹脂シートであることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項5に係る半導体基板の製造方法は、前記支持部材を前記ワークプレートにクランプ固定したことを特徴とする。
【0026】
【発明実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。
【0027】
本発明においても、インゴットから一定の厚みの基板を切り出す装置としてワイヤーソーが用いられる。
【0028】
このワイヤーソーの基本構造は図3に示す従来のものと同様である。
【0029】
すなわち、直径約100〜300μmのピアノ線などの一本のワイヤー6を通常2〜4本の間隔保持用ローラー5上に設けた多数の溝に巻きつけて一定ピッチで互いに平行となるように配置し、ワイヤー6を一方向または双方向に走行させる。
【0030】
このワイヤー6にスラリー供給ノズル1からスラリー受け2を介してスラリーと呼ばれるオイルまたは水にSiCなどの砥粒を混合した切削液を供給しながらインゴット3(3a、3b)をワイヤー6に押圧してインゴット3の下方から上方に向けて徐々にスライスしていく。つまり、ワイヤー6によって運ばれた砥粒の切削力によってインゴット3をスライスする。スラリーは下方で回収し複数回繰り返して使用する。
【0031】
図1は本発明に係る半導体基板の製造方法を説明する図であって、ワークプレートにインゴットを固定する方法を説明する。
【0032】
同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、11は接着剤、12は緩衝材を示す。
【0033】
そして、本発明によれば、支持部材9はガラス材からなっているとともに、支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスすることを特徴とする。
【0034】
このようなガラス材は、例えば青板ガラス、白板ガラス、石英板ガラスなど、板状のものであればどのようなものでも構わない。しかしそのコストの観点から青板ガラスを選択するのが適当である。
【0035】
支持部材9としてガラス材を使用することにより、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題点が解消され、さらにワイヤーの撓みを回避しておかないとスライス基板に悪影響を及ぼすという問題点が解消される。
【0036】
また、ガラス材からなる支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスすることにより、支持部材9であるガラスと直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材12が緩和することになるので、支持部材9であるガラスがすべての衝撃を受け割れるといった問題を抑制することができる。
【0037】
緩衝材12としては接着剤、樹脂、または樹脂シート、発泡スチロール、発泡ウレタン、石膏、ワックスなどがあげられる。
【0038】
また、緩衝材12は弾性を有するのが望ましい。すなわち、弾性を有する緩衝材12を用いることで、支持部材9であるガラス材と直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材12が吸収し、これにより、支持部材9であるガラス材への衝撃はなくなり、割れるといった問題を抑止することができる。
【0039】
このような弾性を有する緩衝材としては弾性接着剤、弾性樹脂またはシート、発泡スチロール、発泡ウレタンなどがあげられる。
【0040】
また、緩衝材が接着性を有していれば、ワークプレート4と支持部材9を機械的に固定する必要がなくなるため更に有効である。
【0041】
図2は本発明に係る半導体基板の別の製造方法を説明する図である。
【0042】
同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、10はクランプ、11は接着剤、12は緩衝材を示す。
【0043】
緩衝材12として接着性を有する材料を使用した場合には図1に示すようにワークプレート4と支持部材9を、緩衝材を用いて直接固定する。
【0044】
しかしながら、図2に示すようにクランプ10などで機械的にワークプレート4と支持部材9をとめることにより、緩衝材に接着性がなくてもワークプレート4と支持部材9を固定することが可能になる。
【0045】
特に樹脂シートを用いることで、スライス後、緩衝材を繰り返し使用することができるようになるとともに、支持部材9であるガラス材を破損しなくても、ワークプレート4からインゴット3を取り外すことができる。
【0046】
また、ガラス材を破損させないので、スライス後、従来のように支持部材9と半導体基板を貼りつけたまま洗浄、乾燥を行うことができる。さらに破損したガラスをワークプレート4からはがすという手間が発生することも未然に防ぐことができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更や改良等はなんら差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、半導体材料から成るインゴットを支持部材に接着し、支持部材をワークプレートに固定した上で、このインゴットをスライスして複数の基板を形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材はガラス材からなるとともに、この支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させてスライスする。このように支持部材としてガラス材を使用することにより、従来のごとく、カーボン材を使用していたときのように、カーボンの切り粉がスラリーに混入し、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題、また、ワイヤーに付着している砥粒がカーボンによって剥ぎ取られてしまい、ワイヤーの撓みを回避しておかないとスライス基板に悪影響を及ぼすという問題を回避することができた。
【0049】
よって、スラリーの繰り返し使用回数が増加するとともに、スライス基板の厚みの不均一や、表面の傷、波うちなどの問題を未然に防ぐことができ、高い効率でもって半導体基板を製造することができるようになった。
【0050】
また、本発明によれば、ガラス材からなる支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させてスライスすることにより、支持部材であるガラス材と直接接触するワークプレートの表面に凹凸があったり、支持部材とワークプレートの間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材が緩和することになるので、支持部材であるガラス材がすべての衝撃を受け割れるといった問題を抑制することができる。
【0051】
さらにまた、このような緩衝材は弾性を有していたほうがよく、これにより、支持部材であるガラスと直接接触するワークプレートの表面に凹凸があったり、支持部材とワークプレートの間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材が吸収することになり、その結果、支持部材であるガラス材への衝撃はなくなり、割れるといった問題を抑止したり、解消できる。
【0052】
したがって、支持部材であるガラス材を繰り返し使用することができるとともに、ガラス材が割れ、インゴット3が落下するという問題の発生を未然に回避することができる。
【0053】
また、緩衝材は接着性を有するものでもよく、これにより、ワークプレートと支持部材を機械的に固定する必要がなくなり、その結果、支持部材であるガラス材の割れを更に有効に抑止することができる。
【0054】
さらにまた、緩衝材は樹脂シートであってもよく、これにより、スライス後に緩衝材を繰り返し使用することができるとともに、支持部材であるガラス材を破損したり、特別な剥離液で支持部材と半導体基板を洗浄したりしなくても、ワークプレートからインゴットを取り外すことができる。また、ガラスを破損させないので、スライス後、従来のように支持部材と半導体基板を貼りつけたまま洗浄、乾燥を行うことができる。さらに破損したガラス材をワークプレートからはがすという手間が発生することも未然に防ぐことができる。よって、作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体基板の形成方法の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明に係る半導体基板の形成方法の他の実施例を説明するための図である。
【図3】一般的な半導体基板の形成装置であるワイヤーソーの構造を説明するための図である。
【図4】従来の半導体基板の形成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・スラリー供給ノズル、2・・・スラリー受け、3・・・インゴット、4・・・ワークプレート、5・・・間隔保持用ローラ、6・・・ワイヤー、7・・・ディップ槽、8・・・ワイヤー供給リール、9・・・支持部材、10・・・クランプ、11・・・接着剤、12・・・緩衝材
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体基板の製造方法に関し、特に太陽電池素子などを形成するための半導体基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や太陽電池に用いられる半導体基板は、チョコラルスキー法や鋳造法で作成された単結晶や多結晶の半導体インゴットから形成される。
【0003】
例えば多結晶シリコン基板は一般的にキャスティング法と呼ばれる方法で製造される。このキャスティング法とは、離型材を塗布した黒鉛などからなる鋳型内のシリコン融液を冷却固化することによってシリコンインゴットを形成する方法である。
【0004】
このシリコンインゴットの端部を除去したり、所望の大きさに切断して切り出し、切り出したインゴットを所望の厚みにスライスして多結晶シリコン基板を得る。
【0005】
このようなインゴットから一定の厚みの基板を切り出す装置としてワイヤーソーが用いられる。
【0006】
このワイヤーソーによるインゴットのスライス方法を図3を用いて説明する。同図において、1はスラリー供給ノズル、2はスラリー受け、3a、3bはインゴット、4はワークプレート、5は間隔保持用ローラ、6はワイヤー、7はディップ槽、8はワイヤー供給リールである。
【0007】
このワイヤーソーは、直径約100〜300μmのピアノ線などの一本のワイヤー6を通常2〜4本の間隔保持用ローラー5上に設けた多数の溝に巻きつけて一定ピッチで互いに平行となるように配置し、ワイヤーを一方向または双方向に走行させる。
【0008】
このワイヤー6にスラリー供給ノズル1からスラリー受け2を介してスラリーと呼ばれるオイルまたは水にSiCなどの砥粒を混合した切削液を供給しながらインゴット3(3a、3b)をワイヤー6に押圧してインゴット3の下方から上方に向けて徐々にスライスしていく。つまり、ワイヤー6によって運ばれた砥粒の切削力によってインゴット3をスライスする。スラリーは下方で回収し複数回繰り返して使用する。
【0009】
このワイヤーソーによるスライスによれば、多数の半導体基板を同時にスライスすることができ、また、外周刃や内周刃などを使用する他のスライス方法と比べてスライス精度が高くかつ使用しているワイヤーが細いためカーフロス(切り代)を少なくできるという利点がある。
【0010】
図4はワークプレート4とインゴット3の従来の固定方法を説明するための図である。同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、10はクランプ、11は接着剤を示す。
【0011】
インゴット3をカーボンなどからなる支持部材9にエポキシ系接着剤などで接着し、その支持部材9をワークプレート4にクランプ10で固定して、ワイヤーソーにセットし、スライスすることで複数の基板が形成される。
【0012】
このとき、支持部材9の一部までスライスすることで、インゴット3をすべてスライスすることができる。その後、この複数の基板を支持部材9に接着した状態で洗浄して乾燥し、そして、基板を支持部材9から剥離するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
また、このとき使用する支持部材9としてはカーボン板以外にガラスを使用することも一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−45297号公報
【0015】
【特許文献2】
特開2003−145407号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、支持部材9にカーボン板を使用した場合、支持部材9の一部までスライスする際に、カーボンの切り粉がスラリーに混入し、これにより、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題が発生することがあった。
【0017】
また、ワイヤーの撓みを回避しておかないと、ワイヤーに付着した砥粒がカーボン板に剥ぎ取られてしまい、インゴットに到着しないことで、スライス基板に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0018】
このとき、支持部材9にガラス材を使用することで、上記問題を解決することができる。これはガラス材の場合、ワイヤーに付着した砥粒が剥ぎ取られることが少ないからである。
【0019】
しかしながら、この場合、支持部材9であるガラス材と直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりすると、支持部材9であるガラス材が割れ、インゴット3が落下して破損するなどの問題があった。
【0020】
本発明はこのような問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的はスラリーを複数回繰り返し使用しても切削性の低下を招くことなく、スライス基板に与える影響を抑制し、インゴットの落下による破損を防止した半導体基板の製造方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る半導体基板の製造方法においては、半導体材料から成るインゴットを支持部材に接着し、この支持部材をワークプレートに固定し、しかる後にこのインゴットをスライスして複数の基板を形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材はガラス材からなるとともに、前記支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させたことを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項2に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が弾性を有することを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項3に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が接着性を有することを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項4に係る半導体基板の製造方法は、前記緩衝材が樹脂シートであることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項5に係る半導体基板の製造方法は、前記支持部材を前記ワークプレートにクランプ固定したことを特徴とする。
【0026】
【発明実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。
【0027】
本発明においても、インゴットから一定の厚みの基板を切り出す装置としてワイヤーソーが用いられる。
【0028】
このワイヤーソーの基本構造は図3に示す従来のものと同様である。
【0029】
すなわち、直径約100〜300μmのピアノ線などの一本のワイヤー6を通常2〜4本の間隔保持用ローラー5上に設けた多数の溝に巻きつけて一定ピッチで互いに平行となるように配置し、ワイヤー6を一方向または双方向に走行させる。
【0030】
このワイヤー6にスラリー供給ノズル1からスラリー受け2を介してスラリーと呼ばれるオイルまたは水にSiCなどの砥粒を混合した切削液を供給しながらインゴット3(3a、3b)をワイヤー6に押圧してインゴット3の下方から上方に向けて徐々にスライスしていく。つまり、ワイヤー6によって運ばれた砥粒の切削力によってインゴット3をスライスする。スラリーは下方で回収し複数回繰り返して使用する。
【0031】
図1は本発明に係る半導体基板の製造方法を説明する図であって、ワークプレートにインゴットを固定する方法を説明する。
【0032】
同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、11は接着剤、12は緩衝材を示す。
【0033】
そして、本発明によれば、支持部材9はガラス材からなっているとともに、支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスすることを特徴とする。
【0034】
このようなガラス材は、例えば青板ガラス、白板ガラス、石英板ガラスなど、板状のものであればどのようなものでも構わない。しかしそのコストの観点から青板ガラスを選択するのが適当である。
【0035】
支持部材9としてガラス材を使用することにより、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題点が解消され、さらにワイヤーの撓みを回避しておかないとスライス基板に悪影響を及ぼすという問題点が解消される。
【0036】
また、ガラス材からなる支持部材9とワークプレート4の間に緩衝材12を介在させてスライスすることにより、支持部材9であるガラスと直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材12が緩和することになるので、支持部材9であるガラスがすべての衝撃を受け割れるといった問題を抑制することができる。
【0037】
緩衝材12としては接着剤、樹脂、または樹脂シート、発泡スチロール、発泡ウレタン、石膏、ワックスなどがあげられる。
【0038】
また、緩衝材12は弾性を有するのが望ましい。すなわち、弾性を有する緩衝材12を用いることで、支持部材9であるガラス材と直接接触するワークプレート4の表面に凹凸があったり、支持部材9とワークプレート4の間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材12が吸収し、これにより、支持部材9であるガラス材への衝撃はなくなり、割れるといった問題を抑止することができる。
【0039】
このような弾性を有する緩衝材としては弾性接着剤、弾性樹脂またはシート、発泡スチロール、発泡ウレタンなどがあげられる。
【0040】
また、緩衝材が接着性を有していれば、ワークプレート4と支持部材9を機械的に固定する必要がなくなるため更に有効である。
【0041】
図2は本発明に係る半導体基板の別の製造方法を説明する図である。
【0042】
同図において、3はインゴット、4はワークプレート、9は支持部材、10はクランプ、11は接着剤、12は緩衝材を示す。
【0043】
緩衝材12として接着性を有する材料を使用した場合には図1に示すようにワークプレート4と支持部材9を、緩衝材を用いて直接固定する。
【0044】
しかしながら、図2に示すようにクランプ10などで機械的にワークプレート4と支持部材9をとめることにより、緩衝材に接着性がなくてもワークプレート4と支持部材9を固定することが可能になる。
【0045】
特に樹脂シートを用いることで、スライス後、緩衝材を繰り返し使用することができるようになるとともに、支持部材9であるガラス材を破損しなくても、ワークプレート4からインゴット3を取り外すことができる。
【0046】
また、ガラス材を破損させないので、スライス後、従来のように支持部材9と半導体基板を貼りつけたまま洗浄、乾燥を行うことができる。さらに破損したガラスをワークプレート4からはがすという手間が発生することも未然に防ぐことができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更や改良等はなんら差し支えない。
【0048】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、半導体材料から成るインゴットを支持部材に接着し、支持部材をワークプレートに固定した上で、このインゴットをスライスして複数の基板を形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材はガラス材からなるとともに、この支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させてスライスする。このように支持部材としてガラス材を使用することにより、従来のごとく、カーボン材を使用していたときのように、カーボンの切り粉がスラリーに混入し、スラリーの切削性を低下させたり、ワイヤーが滑りスライス基板に悪影響を及ぼすという問題、また、ワイヤーに付着している砥粒がカーボンによって剥ぎ取られてしまい、ワイヤーの撓みを回避しておかないとスライス基板に悪影響を及ぼすという問題を回避することができた。
【0049】
よって、スラリーの繰り返し使用回数が増加するとともに、スライス基板の厚みの不均一や、表面の傷、波うちなどの問題を未然に防ぐことができ、高い効率でもって半導体基板を製造することができるようになった。
【0050】
また、本発明によれば、ガラス材からなる支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させてスライスすることにより、支持部材であるガラス材と直接接触するワークプレートの表面に凹凸があったり、支持部材とワークプレートの間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材が緩和することになるので、支持部材であるガラス材がすべての衝撃を受け割れるといった問題を抑制することができる。
【0051】
さらにまた、このような緩衝材は弾性を有していたほうがよく、これにより、支持部材であるガラスと直接接触するワークプレートの表面に凹凸があったり、支持部材とワークプレートの間にごみなどの異物が挟まったりしても、これらの影響を緩衝材が吸収することになり、その結果、支持部材であるガラス材への衝撃はなくなり、割れるといった問題を抑止したり、解消できる。
【0052】
したがって、支持部材であるガラス材を繰り返し使用することができるとともに、ガラス材が割れ、インゴット3が落下するという問題の発生を未然に回避することができる。
【0053】
また、緩衝材は接着性を有するものでもよく、これにより、ワークプレートと支持部材を機械的に固定する必要がなくなり、その結果、支持部材であるガラス材の割れを更に有効に抑止することができる。
【0054】
さらにまた、緩衝材は樹脂シートであってもよく、これにより、スライス後に緩衝材を繰り返し使用することができるとともに、支持部材であるガラス材を破損したり、特別な剥離液で支持部材と半導体基板を洗浄したりしなくても、ワークプレートからインゴットを取り外すことができる。また、ガラスを破損させないので、スライス後、従来のように支持部材と半導体基板を貼りつけたまま洗浄、乾燥を行うことができる。さらに破損したガラス材をワークプレートからはがすという手間が発生することも未然に防ぐことができる。よって、作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体基板の形成方法の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明に係る半導体基板の形成方法の他の実施例を説明するための図である。
【図3】一般的な半導体基板の形成装置であるワイヤーソーの構造を説明するための図である。
【図4】従来の半導体基板の形成方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1・・・スラリー供給ノズル、2・・・スラリー受け、3・・・インゴット、4・・・ワークプレート、5・・・間隔保持用ローラ、6・・・ワイヤー、7・・・ディップ槽、8・・・ワイヤー供給リール、9・・・支持部材、10・・・クランプ、11・・・接着剤、12・・・緩衝材
Claims (5)
- 半導体材料から成るインゴットを支持部材に接着し、この支持部材をワークプレートに固定し、しかる後にこのインゴットをスライスして複数の基板を形成する半導体基板の製造方法において、前記支持部材はガラス材からなるとともに、前記支持部材とワークプレートの間に緩衝材を介在させたことを特徴とする半導体基板の製造方法。
- 前記緩衝材が弾性を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記緩衝材が接着性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記緩衝材が樹脂シートであることを特徴とする請求項1ないし3に記載の半導体基板の製造方法。
- 前記支持部材を前記ワークプレートにクランプ固定したことを特徴とする請求項1ないし4に記載の半導体基板の製造方法。
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- 2003-06-27 JP JP2003184727A patent/JP2005019823A/ja active Pending
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