JP2551229B2 - マルチワイヤソーによる切断方法およびその装置 - Google Patents

マルチワイヤソーによる切断方法およびその装置

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JP2551229B2
JP2551229B2 JP2296698A JP29669890A JP2551229B2 JP 2551229 B2 JP2551229 B2 JP 2551229B2 JP 2296698 A JP2296698 A JP 2296698A JP 29669890 A JP29669890 A JP 29669890A JP 2551229 B2 JP2551229 B2 JP 2551229B2
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    • B28WORKING CEMENT, CLAY, OR STONE
    • B28DWORKING STONE OR STONE-LIKE MATERIALS
    • B28D5/00Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor
    • B28D5/04Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor by tools other than rotary type, e.g. reciprocating tools
    • B28D5/045Fine working of gems, jewels, crystals, e.g. of semiconductor material; apparatus or devices therefor by tools other than rotary type, e.g. reciprocating tools by cutting with wires or closed-loop blades

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は半導体材料、磁性材料、セラミックス等の
脆性材料をワイヤにより薄厚の多数のウエハに切断する
マルチワイヤソーに係り、より詳しくは、被切断物の切
断終了後にウエハを簡易迅速に能率よく取出せるように
するための切断方法とその装置に関する。
従来の技術 半導体材料等の脆性材料のインゴットをウエハ状に切
断するのに用いられるマルチワイヤソーは、所定ピッチ
で多条掛けされたワイヤ列に被切断物(以下「ワーク」
と称する)を押付け、砥粒を含む研削液(以下砥液と称
する)を注ぎつつ、ワイヤとワークを相対運動せしめ、
研削作用によって切断する装置である。
第11図は一般的なマルチワイヤソーの切断部を例示し
たもので、回転自在に保持された3個の溝ローラ(1)
(2)(3)の外周面に刻設された多数の溝に1本のワ
イヤ(4)が巻き付けられて所定ピッチのワイヤ列
(5)が形成され、このワイヤ列を走行させるととも
に、ノズル(7)より砥液をワーク(6)とワイヤ列
(5)の接触部に供給しながらワーク押上台(10)を押
上げ、研削作用によって徐々に切断していく方式であ
る。
この方式におけるワーク(6)は、ダミー板(8)を
介して接着剤によりベース(9)に取付けられている。
すなわち、ワーク(6)の底面に接着剤にてダミー板
(8)を接着し、このダミー板を接着剤にてベース
(9)に接着するもので、ベース(9)はワーク押上台
(10)に締付けネジ(11)にて着脱自在に取付けられ
る。
ワークの固定手段に接着剤を用いる方式は、当然のこ
とながら、ワイヤ列(5)の走行に伴う研削力に耐え得
る接着力を有する接着剤でなければならず、通常はエポ
キシ系の接着剤、ワックス等が使用される。
第12図(A)(B)は上記ワイヤソーにおける切断部
を拡大して示すもので、ワーク(6)の押上げは、ワイ
ヤ列(5)がダミー板(8)に切込むまで続けられ、ワ
ーク(6)は多数のウエハ(6−1)に切断される。ま
た、この時ワイヤ列(5)は第12図(B)に示すよう
に、ダミー板(8)の途中に位置しており、切断された
ウエハとウエハの間には砥粒(12)が充満した状態とな
っている。
切断されたウエハ(6−1)は、ワイヤソーより取出
されるが、その取出し方法としては従来、以下に示す方
法がある。
第1の方法は、第12図(A)に示すワイヤ列(5)を
ワーク(6)の両側で切断し、締付けネジ(11)を緩
め、ベース(9)を押上台(10)から取外し、ワーク
(6)内に残ったワイヤ(4)を1本ずつ抜き取る方法
である。
第2の方法は、押上台(10)を停止したままで、ワイ
ヤ(4)を走行させてワーク(6)からワイヤ(4)を
抜き取り、ベース(9)ごと押上台(10)から取外す方
法である。
第3の方法は、第12図(A)の状態からワイヤ列
(5)を低速で走行させながら押上台(10)を降下さ
せ、ワイヤ列(5)をワーク(6)の上方に抜き取った
のち、ベース(9)ごと押上台(10)から取外す方法で
ある。
第4の方法は、特開昭61−12576号公報に示されるよ
うに、ワイヤ列(5)をダミー板(8)内に残したま
ま、ウエハ間に詰まった砥粒(12)を洗浄除去し、ウエ
ハ(6−1)を端から順に1枚ずつ吸着パッドで折り取
っていく方法である。
第5の方法は、特開昭61−182761号公報に示されるよ
うに、第12図(A)の状態でワーク(6)の両サイド側
面を全長にわたって把持し、締付けネジ(11)を緩め、
ワイヤ列(5)を走行させながら、別設の駆動装置(図
示せず)によりベース(9)を徐々にスライドさせ、ダ
ミー板(8)をワイヤ列(5)で横切り分断し、全ウエ
ハを一括して取出す方法である。
発明が解決しようとする課題 しかし、前記第1〜第5の方法には、以下に記載する
問題点があった。
第1の方法は、1回の切断でワイヤを廃却する場合に
は簡便であるが、ワイヤの損傷が小さくて再使用できる
場合には大きな損失となる。また、ワイヤを再びワイヤ
ソーにセッテイングする場合に工数がかかるのも問題で
ある。
第2の方法は、ワイヤを再使用できるが、切断完了時
点でのワイヤの残り量が多い場合には巻取りに時間がか
かる欠点がある。また、第1の方法と同様、ワイヤを再
びワイヤソーにセッテイングするのに工数がかかる欠点
がある。
第3の方法は、ワイヤ列がそのままワイヤソー内に残
るので、引続いて別のワークの切断を行うことができ、
ワイヤソーを効率的に稼働させることができるという利
点があるが、ワークを降下させる過程でウエハの表面に
ソーマークが入るおそれがある。
すなわち、ウエハの切断面が十分に平坦で、かつ鉛直
であれば問題ないが、これらの条件が満たされない場合
にはワイヤ列が切断面をこすりながらワークが降下する
ことになり、ソーマークが発生するのである。ソーマー
クの程度によっては、ウエハを廃却せざるを得ないこと
もあり得る。
第4の方法は、ソーマークの懸念はないものの、ワー
クが脆い場合にはダミー板の位置で折れずに、ウエハ自
体が折れる可能性がある。また、ウエハの枚数が多い場
合にはウエハの取出しに時間がかかるという欠点もあ
る。
なお、前記第1〜第3の方法でも、ワイヤソーから取
外したウエハ群からワークを1枚ずつ折り取っていく工
程が必要であり、第4の方法と同様、ウエハの折損や工
数の問題があることはいうまでもない。
第5の方法は、全ウエハを一括して取出すので効率的
ではあるが、装置が複雑で製作費がかさむという問題が
ある。
この発明は、ワイヤソーにおける切断後のウエハ取出
しにかかわる前記の問題点を解決するためになされたも
のであり、比較的簡易な手段で切断後のウエハを極めて
能率的に回収でき、マルチワイヤソーの稼働率を向上で
きる切断方法および装置を提案しようとするものであ
る。
課題を解決するための手段 この発明の要旨は、ワークに接着したダミー材を接着
剤を用いずに凹凸嵌合方式のホルダーにて支持するとと
もにネジ等にて固定し、当該ホルダーをワーク押上台に
ネジ等にて固定した状態でダミー材を完全に切断するま
で前記ホルダーに切込み、しかる後、ダミー材の切断片
が付着したウエハをホルダーより抜き取る切断方法であ
り、また、ワークを接着剤を用いずに凹凸嵌合方式のホ
ルダーにて支持するとともにネジ等にて固定し、該ホル
ダーをワーク押上台に固定した状態でワークを完全に切
断するまで前記ホルダーに切込み、しかる後ウエハをホ
ルダーから抜き取る切断方法である。
この発明方法を実施するための装置としては、ワーク
に接着したダミー材を接着剤を用いずに支持する凹凸嵌
合方式のホルダーと、該ホルダー側面に螺着したダミー
材固定用ネジまたはボルトを有し、前記ホルダーを接着
等でワーク押上台上に固定する構造となし、ダミー材を
完全に切断するまで前記ホルダーに切込む方式となした
ものであり、また、ダミー材なしのワークを接着剤を用
いずに支持する凹凸嵌合方式のホルダーと、該ホルダー
にネジまたはボルト等にて固定するワーク固定用面板を
有し、前記ホルダーを接着等でワーク押上台上に固定す
る構造となし、ワークを完全に切断するまで前記ホルダ
ーに切込む方式となしたものである。
作用 ワークに接着したダミー材を接着剤を用いずに凹凸嵌
合方式のホルダーにて支持しかつネジで着脱自在に固定
する方式の場合、切断中のワークに作用するワイヤ走行
方向の力によって当該ワークが不安定に動くことはな
い。
また、ワイヤがワーク下のダミー材を完全に切断する
位置までホルダーを切込んだ場合、ウエハに接着したダ
ミー材の切断片はホルダー溝壁にて支持されており、か
つウエハ間には砥粒が充満しているので、ウエハが倒れ
ることはない。
ウエハに接着したダミー材の切断片はホルダーに凹凸
嵌合されているだけであるから、ダミー材切断片が付着
したウエハをホルダーから取出すことができる。その際
は、まず締め付けネジを緩め、ダミー材の端部が接着し
たワーク端部を取除き、残りのウエハを一括して、ある
いは端から順にダミー材切断片が付着したウエハを使用
済みホルダーから取除くのである。
使用済みホルダーの切込み溝にはワイヤ列がそのまま
嵌り込むので、同じホルダーでワークの切断を繰返すこ
とができ、ワイヤソーへのワークの装着とウエハの取出
しは極めて能率的に行うことができる。
ダミー材を使用せずに、ワークを直接凹凸嵌合方式の
ホルダーにて支持する方式の場合は、ワークの両端面を
固定するために例えばワーク両側のホルダー凹部に面板
を内嵌し、該面板をワーク両端面に当てた状態でをネジ
止め等でホルダーに固定する。
ワークの側面はホルダーの側壁で支持されているの
で、ワイヤの力によってワークが不安定に動くことはな
い。
また、ワイヤがワークを完全に切断してホルダーまで
切込んだ場合、ウエハのエッジはワークホルダ側壁の切
り残り部で支持され、かつウエハ間には砥粒が充満して
いるので、ウエハが倒れることはない。
ウエハの取出しは、ワーク固定用の面板を取り除いた
後、ウエハを一括して、あるいは端から順に使用済みホ
ルダーから取除く。
同じ切断を繰返す場合は、新しいワークを使用済みホ
ルダーにセットして面板を取付ければよく、ワークの装
着、ウエハの取出しも極めて能率的に行うことができ
る。
実施例 実施例1 第1図〜第6図はこの発明におけるダミー材使用の切
断方法を実施するための装置の一例を示すもので、第1
図はワークとダミー材、第2図はダミー材付きワークを
凹凸嵌合方式にて支持するホルダー、第3図はダミー材
付きワークとホルダーの組立品をワイヤソーにセットし
た状態、第4図はワイヤがワーク下のダミー材を完全に
切断した位置まで切込んだ状態、第5図はワイヤソーよ
りウエハを除去した後、ワイヤ列をホルダーから抜き出
した状態、第6図は分割構造のホルダーとダミー材付き
ワークの組立品をワイヤソーにセットした状態をそれぞ
れ示す。
第1図において、図(A)は正面図、図(B)は側面
図で、ワーク(6)の下面に該ワークより長い所望厚さ
のダミー材(18)を接着剤により接着した状態を示す。
ダミー材(18)の幅はワークの幅より短くてよい。
ダミー材(18)は前記した従来法のダミー板(8)と
同様にワイヤソーによる切断が容易なセラミックス、ガ
ラス等で製作される。
第2図において、図(A)はホルダーの正面図、図
(B)は同上側面図で、ホルダー(15)は前記ダミー材
(18)が隙間なく凹凸嵌合し得る凹部(15−1)を有
し、側面両端部にダミー材固定用ネジ(16)を螺着して
いる。
この発明ではホルダーも途中までではあるがワイヤに
て切り込むため、ホルダーもダミー材と同様、セラミッ
クス、ガラス等切断が容易な材質で製作するのが望まし
い。
ネジ(16)はダミー材がホルダーの凹部(15−1)内
で動かないように締付け固定するのが目的であり、ワイ
ヤで切断されないように端部に設ける。なおダミー材の
固定手段としてはこの方式に限定するものではなく、上
記目的に沿うものであれば他の手段でも何等差支えな
い。
第3図において、ホルダー(15)はベース(9)に接
着剤により接着され、ベース(9)はワーク押上台(1
0)にネジ(11)にて締付け固定されている。
ワーク(6)の切断に際しては、所定間隔で張られた
ワイヤ列(5)を走行せしめ、第11図に示すように砥液
を供給しながら切断を行う。
切断中のワーク(6)には、ワーク列(5)によって
ワイヤ進行方向の力が作用するが、ダミー材(18)がホ
ルダー(15)内に隙間のない状態で嵌合され、かつネジ
(16)にて締付けられているので、ワイヤ列の力によっ
て不安定に動くことはない。
第4図において、ダミー材(18)の切断片はホルダー
側壁の切れ残り部分で支持されており、かつウエハ(6
−1)間には砥粒が充満しているので、ウエハが倒れる
ことはない。
ウエハを取出す際は、この第4図の状態でワイヤの走
行を停止した後、まずダミー材固定用ネジ(16)を緩め
てダミー材の両端部に付着しているウエハ(6−1)を
取除き、残りのウエハ群を端から順次、ダミー材切断片
が付着したウエハをホルダー(15)から抜き取ってい
く。その際、ウエハ間には砥粒が充満しているので数十
枚単位、あるいは一括して取出すこともでき、能率的で
ある。
切断が完了して全ウエハを取出し後は、第5図に示す
ごとく、押上台(10)を降下させてワイヤ列(5)を使
用済みホルダー(15)から離脱させる。この状態から、
再びワークの切断を行う場合は、第1図のワークとダミ
ー材の接着品をベース(9)上に残存している使用済み
ホルダー(15)に装着する。
ホルダー(15)には初回の切断で切込み溝(15−2)
が形成されているが、ワイヤ列(5)はそのまま該切込
み溝(15−2)に入り込むので全く支障はなく、また切
断を繰返す場合も同様であり、ワイヤソーへのワークの
装着とウエハの取出しを極めて能率的に行うことができ
る。
なお、ホルダー(15)の溝は初回の切断で形成される
が、同じ溝を事前にホルダーに形成しておくことも可能
である。
第2図に示すホルダー(15)は一体構造のものを例示
したが、必ずしも一体構造である必要はなく、分割構造
でもよい。第6図はその一例を示すもので、左右2分割
した分割ホルダー(15−3)でダミー材(18)を挟持す
るように支持する方式で、この場合は分割ホルダー(15
−3)をベース(9)に接着固定した後、ダミー材(1
8)をネジ(16)にて締付け固定する。
実施例2 第7図〜第9図はダミー材を使用せずに直接ワークを
ホルダーで支持して切断する方式を例示したもので、第
7図はワークを支持する凹凸嵌合方式のホルダーを示す
図で、図(A)は正面図、図(B)は一部破断側面図、
第8図はワークとホルダーの組立品をワイヤソーにセッ
トした状態を示す図で、図(A)は正面図、図(B)は
側面図、第9図はワイヤがワーク下のホルダーまで切込
んだ状態を示す図で、図(A)は正面図、図(B)は側
面図、第10図は分割構造のホルダーを使用してワイヤソ
ーにセットした状態を示す正面図である。
すなわち、ワーク(6)を直接支持するホルダー(2
5)は、ワークを隙間なく嵌合する箱形のもので、断面
凹形の本体(25−1)と該本体の両端部に内嵌されネジ
(21)で着脱自在の面板(20)とから構成されている。
このホルダーを使用してワーク(6)をワイヤヒソー
にセットする場合は、第8図に示すごとく、まずワーク
(6)をホルダー(25)に嵌合し、その両端部に面板
(20)を隙間なく内嵌しネジ(21)にて締付け固定した
後、ホルダー(25)の底面を接着などの方法でベース
(9)に接着固定する。
ワークの切断に際しては、前記第3図の場合と同様、
ワイヤ列(5)を走行せしめ砥液を供給しながら切断を
行う。
切断中のワーク(6)には、前記と同様、ワイヤ列
(5)よってワイヤ進行方向の力が作用するが、ワーク
(6)はその両側面をホルダー(25)にて隙間なく嵌合
支持されているので、ワイヤ列の力によって不安定に動
くことはない。
ワイヤ列(5)がワーク(6)を完全に切断し、ホル
ダー(25)の底板部まで切込むと、ワイヤの走行を停止
するが、この状態においてウエハ(6−1)のエッジは
ホルダー(25)の切れ残り部分で支持され、かつウエハ
間には砥粒が充満しているので、ウエハが倒れることは
ない。
ウエハを取出す際は、まずネジ(21)を緩めてホルダ
ーの面板(20)を取外し、ついで端から順にウエハ(6
−1)を抜き取っていく。その際、ウエハ間には砥粒が
充満しているので前記と同様数十枚単位、あるいは一括
して取出すこともできる。なお砥粒の粘性のためにウエ
ハの取出しが困難な場合は適宜、灯油などの洗浄液で砥
粒を洗い流しながら取出してもよい。
ウエハの取出しが完了すると、前記第5図に示すよう
に、押上台(10)を降下させてワイヤ列(5)を使用済
みホルダーから離脱させる。この状態から、再びワーク
の切断を行う場合は、新しいワークを使用済みワークホ
ルダーにセットして面板を取付ければよく、ワークの装
着も極めて能率的に行うことができる。
また、このホルダーの場合も、初回の切断で形成され
る溝を事前に形成しておいてもよい。
また、上記ワークホルダーは一体構造であるが、第10
図に示すごとく、前記第6図に示すものと同様、左右2
分割した分割ホルダー(25−2)とし、この分割ホルダ
ーにてワーク(6)を支持し、該分割ホルダーをベース
(9)に接着した後、面板(20)をネジ(21)で締付け
固定してもよい。
なお、上記実施例1、2では角形断面のワークを示し
たが、角形断面に限らず、他の任意断面形状のものにも
適用できることはいうまでもない。例えば円形断面のワ
ークの場合は、当該ワークの外周面曲率と同等の曲面を
有するダミー材をワークに接着し、該ダミー材をホルダ
ーに装着すればよい。同じく円形断面のワークを直接ホ
ルダーに装着する場合は、ホルダーのワーク受け面を当
該ワークの曲率と同等の曲面とし、面板もホルダーのワ
ーク受け面に沿うように形成したものを用いればよい。
実施例3 直径150mm、長さ205mmのシリコンインゴット(ワー
ク)に、幅70mm、長さ250mm、中央部厚さ20mmのセラミ
ックス製ダミー材を接着し、第2図に示すセラミックス
製ホルダーに当該ダミー材を嵌合しネジで固定したもの
を押上台に装着し、直径0.16mmのワイヤをピッチ1.05mm
で張設したワイヤ列を走行させながら、グリーンカーボ
ランダムの#600砥粒を含有する砥液を供給し、押上台
を上昇させてワークおよびダミー材を切断し、厚さ0.8m
mのウエハを190枚得た。ワークの切断後から全ウエハ取
出しに要した時間は8分であった。
一方、比較のためダミー材をベースに接着する従来の
方法で同じワークを切断した。その際、ワークの切断に
続いてダミー材の途中まで切り込んだ時点でワイヤの走
行を停止し、しかる後灯油にてウエハ間の砥粒を洗浄除
去し、端のウエハから吸着パッドで1枚ずつ吸着して折
り取った。このウエハ折取り作業に要した時間は70分で
あった。
したがって、この発明方法によりウエハ取出し能率が
飛躍的に向上することがわかる。
実施例4 100mm角、長さ210mmの石英インゴットを、第7図に示
すガラス製ワークホルダーに嵌合せしめ、両端を面板と
ネジとで固定し、直径0.2mmのワイヤをピッチ2mmで張設
したワイヤ列を走行させながら、実施例3と同じ砥液を
使用してワークを切断し、切断後、面板を取外して厚さ
1.7mmのウエハを100枚得た。ワークの切断後から全ウエ
ハ取出しに要した時間は6分であった。
一方、比較のためワークにダミー材を接着して切断す
る従来の方法により同じワークを切断した。その際、ワ
ークにガラス製のダミー板をベースに接着し、ワイヤに
てダミー板の途中まで切込んだ時点で押し上げを停止
し、ワイヤをゆっくり走行させながら押上台を降下せし
め、ワイ列をワークから離脱させたのち、ベースごと押
上台から取外し、ウエハを端から順に折り取った。
この方法では、全ウエハの取出しに2時間を要する
外、押上台を降下させる過程でウエハの切断面にワイヤ
によるソーマークが発生するものがあり、ソーマークが
著しいものは廃却せざるを得なかった。
したがって、この発明方法によれば、ウエハの取出し
工数が著しく減少するばかりでなく、品質良好なウエハ
が得られることも明らかである。
発明の効果 以上説明したごとく、この発明方法および装置によれ
ば、マルチワイヤソーでのワーク切断後のウエハを極め
て能率的に取出すことができるとともに、同じワークホ
ルダーでワークの切断を繰返すことも可能であるため、
マルチワイヤソーの稼働率を著しく向上させることがで
きる。また、装置に関しても構造が比較的簡単であり、
設備費が安価につくのみならず、既存のワイヤソーに容
易に適用できるという利点があり、ウエハの製造に大な
る効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図はこの発明におるダミー材使用の切断方
法を実施するための装置構成例を示す図で、第1図はワ
ークとダミー材の組立品を示し、図(A)は正面図、図
(B)は側面図、第2図はダミー材付きワークを凹凸嵌
合方式にて支持するワークホルダーを示し、図(A)は
正面図、図(B)は側面図、第3図はダミー材付きワー
クとホルダーの組立品をワイヤソーにセットした状態を
示す図で、図(A)は正面図、図(B)は側面図、第4
図はワイヤがワーク下のダミー材を完全に切断した位置
まで切込んだ状態を示す図で、図(A)は正面図、図
(B)は側面図、第5図はワイヤソーよりウエハを除去
した後ワイヤ列をホルダーから離脱させた状態を示す図
で、図(A)は正面図、図(B)側面図、第6図は分割
構造のホルダーとダミー材付きワークの組立品をワイヤ
ソーにセットした状態を示す正面図、第7図〜第9図は
この発明の他の実施例を示し、ダミー材を使用せずに直
接ワークをホルダーで支持して切断する方式を例示した
もので、第7図はワークを支持する凹凸嵌合方式のホル
ダーを示し、図(A)は正面図、図(B)は一部破断側
面図、第8図はワークとホルダーの組立品をワイヤソー
にセットした状態を示す図で、図(A)は正面図、図
(B)は側面図、第9図はワイヤがワーク下のホルダー
まで切込んだ状態を示す図で、図(A)は正面図、図
(B)は側面図、第10図は分割構造のホルダーを使用し
てワイヤソーにセットした状態を示す正面図、第11図は
一般的なマルチワイヤソーの切断部を例示した斜視図、
第12図は同上ワイヤソーにおけるワークと押上台の部分
を拡大して示す図で、図(A)はワイヤ列がダミー板ま
で切込んだ状態を示す拡大斜視図、図(B)はウエハの
部分を拡大して示す側面図である。 1、2、3……溝ローラ、4……ワイヤ 5……ワイヤ列、6……ワーク 6−1……ウエハ、9……ベース 10……押上台、11……ベース固定ネジ 15、25……ワークホルダー、18……ダミー材 20……面板

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行するワイヤと被切断物の間に砥粒を含
    む加工液を供給し、当該ワイヤが形成する所定ピッチの
    ワイヤ列に被切断物を押付けながら研削作用によって多
    数のウエハに切断するマルチワイヤソーにおいて、前記
    被切断物に接着したダミー材を接着剤を用いずに凹凸嵌
    合方式のホルダーにて支持するとともにネジ等にて固定
    し、当該ホルダーを被切断物押上台にネジ等にて固定し
    た状態で前記ダミー材を完全に切断するまで前記ホルダ
    ーに切込み、しかる後ダミー材が付着したウエハをホル
    ダーより抜き取ることを特徴とするマルチワイヤソーに
    よる切断方法。
  2. 【請求項2】走行するワイヤと被切断物の間に砥粒を含
    む加工液を供給し、当該ワイヤが形成する所定ピッチの
    ワイヤ列に被切断物を押付けながら研削作用によって多
    数のウエハに切断するマルチワイヤソーにおいて、前記
    被切断物を接着剤を用いずに凹凸嵌合方式のホルダーに
    て支持するとともにネジ等にて固定し、該ホルダーを被
    切断物押上台に固定した状態で前記被切断物を完全に切
    断するまで前記ホルダーに切込み、しかる後ウエハをホ
    ルダーから抜き取ることを特徴とするマルチワイヤソー
    による切断方法。
  3. 【請求項3】走行するワイヤと被切断物の間に砥粒を含
    む加工液を供給し、当該ワイヤが形成する所定ピッチの
    ワイヤ列に被切断物を押付けながら研削作用によって多
    数のウエハに切断するマルチワイヤソーにおいて、被切
    断物に接着したダミー材を接着剤を用いずに支持する凹
    凸嵌合方式のホルダーと、該ホルダー側面に螺着したダ
    ミー材固定用ネジまたはボルト等を有し、前記ホルダー
    を被切断物押上台に接着固定する構造となし、前記ダミ
    ー材を完全に切断するまで前記ホルダーに切込む方式と
    なしたことを特徴とするマルチワイヤソーによる切断装
    置。
  4. 【請求項4】走行するワイヤと被切断物の間に砥粒を含
    む加工液を供給し、当該ワイヤが形成する所定ピッチの
    ワイヤ列に被切断物を押付けながら研削作用によって多
    数のウエハに切断するマルチワイヤソーにおいて、被切
    断物を接着剤を用いずに支持する凹凸嵌合方式のホルダ
    ーと、該ホルダーにネジまたはボルト等にて固定する被
    切断物固定用面板を有し、前記ホルダーを被切断物押上
    台に接着固定する構造となし、前記被切断物を完全に切
    断するまで前記ホルダーに切込む方式となしたことを特
    徴とするマルチワイヤソーによる切断装置。
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