JP2005017797A - 光学系駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガタ寄せばねによるレンズ駆動負荷に応じてステッピングモータの駆動速度を可変にした光学系駆動装置を提供することにある。
【解決手段】フォーカスモータとしてのステッピングモータと、フォーカス光学系を遠距離側に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねとを有し、最至近から所定の中間距離までのマクロ範囲での焦点調節を許容するマクロモード、およびマクロ範囲での焦点調節を禁止する非マクロモードのいずれかを設定可能とする。そして、マクロモード設定時には、マクロ範囲でフォーカス光学系を至近方向に駆動するときにステッピングモータを低速で、それ以外のときは高速で駆動する。一方、非マクロモード設定時には、フォーカス光学系の位置および駆動方向に拘わらずフォーカス光学系を高速で駆動する。
【選択図】 図6
【解決手段】フォーカスモータとしてのステッピングモータと、フォーカス光学系を遠距離側に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねとを有し、最至近から所定の中間距離までのマクロ範囲での焦点調節を許容するマクロモード、およびマクロ範囲での焦点調節を禁止する非マクロモードのいずれかを設定可能とする。そして、マクロモード設定時には、マクロ範囲でフォーカス光学系を至近方向に駆動するときにステッピングモータを低速で、それ以外のときは高速で駆動する。一方、非マクロモード設定時には、フォーカス光学系の位置および駆動方向に拘わらずフォーカス光学系を高速で駆動する。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータを駆動源として光学系を光軸方向に駆動する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真撮影において、撮影光学系の焦点調節や焦点距離の変更は、フォーカスレンズ群やズームレンズ群を光軸方向に移動することで行う。かかる可動レンズ群を持つカメラでは、レンズ駆動機構部のガタによるレンズ位置精度の悪化を防止するために、可動レンズ群をガタ寄せばねで光軸一方向に付勢している(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−179010号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
可動レンズ群をステッピングモータで駆動することを考える。一般にステッピングモータは、その駆動速度(回転速度)を上げるほどプルイントルクが下がるため、駆動負荷が大きいときには低速で駆動しないと脱調してしまう。そして、上述したガタ寄せばねの付勢力は、その付勢方向と逆方向に可動レンズを駆動する際の駆動負荷となり、しかもその駆動負荷はレンズ移動量が増すほど大きくなり、ステッピングモータが脱調し易い状態となる。一方、脱調を防止すべくモータ駆動速度を下げると、可動レンズ群を目標位置まで駆動するのに時間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、駆動負荷に応じて光学系駆動用のステッピングモータの駆動速度を可変にした光学系駆動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、モータ駆動負荷が大きいほどステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項2の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、モータ駆動負荷が大きくなる方向にステッピングモータを駆動するときには、駆動負荷が小さくなる方向に駆動するときと比べてステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項3の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系を光軸他方向に駆動する際、光学系の光軸他方向への移動量が多いほどステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項4の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系を光軸他方向に駆動するときには、光軸一方向に駆動するときと比べてステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項5の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系の駆動方向が光軸他方向で、かつ光学系が所定位置よりも光軸他方向側にあるときには、ステッピングモータを第1の速度で駆動し、それ以外の場合はステッピングモータを第1の速度よりも速い第2の速度で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項6の発明に係る光学系駆動装置は、焦点調節のためにフォーカス光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、フォーカス光学系を遠距離側に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、最至近から所定の中間距離までのマクロ範囲での焦点調節を許容するマクロモード、および前記マクロ範囲での焦点調節を禁止する非マクロモードのいずれかを設定するモード設定手段と、駆動制御手段とを具備する。駆動制御手段は、以下のようにモータ駆動速度を変える。
(1)マクロモード設定時には、マクロ範囲でフォーカス光学系を至近方向に駆動するときにステッピングモータを第1の速度で、それ以外のときは第1の速度よりも速い第2の速度で駆動する。
(2)非マクロモード設定時には、フォーカス光学系の位置および駆動方向に拘わらずフォーカス光学系を第2の速度で駆動する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図6により本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態におけるデジタルスチルカメラの概略図である。被写体からの光束は、撮影光学系10を介してCCD等の撮像素子1に導かれ、撮像素子1の光電変換出力が画像処理回路7で処理されることで画像データが生成される。
【0008】
撮影光学系10を構成するフォーカスレンズ群11は、ホルダ2に保持され、ホルダ2に一体化されたナット部2aに光軸方向のねじ3が螺合している。ねじ3は、フォーカスモータであるステッピングモータ4を駆動源として回転され、ステッピングモータ4は、モータ駆動回路6を介してCPU5により駆動制御される。ホルダ2は不図示の機構により回転止めがなされているため、ねじ3の回転によりホルダ2、すなわちフォーカスレンズ群11は光軸方向に移動する。フォーカスレンズ群11が被写体側に繰り出されるほど近距離の被写体にピントが合い、撮像素子側に繰り込まれるほど遠距離の被写体にピントが合う。
【0009】
レンズホルダ2は、ガタ寄せばねとしての引張ばね8により、常に繰り込み方向(遠距離側)に付勢されている。この付勢によりねじ部のバックラッシュが除去され、ガタによる焦点調節精度の悪化が防止できる。
【0010】
図2,図3はフォーカスレンズ群11の位置と、ガタ寄せばね8によるモータ駆動負荷との関係を示し、図2は繰り出し時を、図3は繰り込み時をそれぞれ示している。フォーカスレンズ群11の移動範囲は最至近から無限遠までであるが、そのうち最至近から所定の中間距離(撮影距離で例えば1cm〜3cm程度)までをマクロ移動範囲、その中間距離から無限遠までを通常移動範囲と呼ぶ。通常の撮影モードでは、通常移動範囲のみでフォーカスレンズ群11の移動を許容し、マクロモードが設定されると、マクロ移動範囲をも含めた全移動範囲でフォーカスレンズ群11の移動を許容する。このように通常撮影モードでレンズ移動範囲を制限するのは、焦点調節動作の高速化を図るためである。撮影モードの切換えは、不図示の操作部材の操作に応答してCPU5が行う。
【0011】
図2から分かるように、フォーカスレンズ群11の繰り出し量が大きいほど上記ガタ寄せばね8の付勢力が大きくなるため、レンズ繰り出し方向のモータ駆動負荷は増大する。特にマクロ移動範囲では繰り出し方向の駆動負荷はかなり大きくなり、ステッピングモータ4が脱調し易くなる。一方、繰り込み時には、レンズ位置に拘わらずガタ寄せばね8の付勢力は負荷とならない(マイナスの負荷となる)ため、図3から分かるように駆動負荷は全域に渡って小さく、特に至近側ほど小さくなる。さらにレンズ繰り出し時であっても、通常移動範囲であればばね8による駆動負荷はさほど大きくはない。
【0012】
そこで本実施形態では、図4,図5に示すようにレンズ位置およびレンズ駆動方向に応じてステッピングモータ4の駆動速度(回転速度)を変えるようにした。ここで、駆動速度の変更は、ステッピングモータ4へのパルス速度を変えることで行う。
まず図4のレンズ繰り出し時であるが、フォーカスレンズ群11がマクロ移動範囲にあるときには駆動負荷が大きいため、プルイントルクを大きくすべくステッピングモータ4を低速NLで駆動し、モータの脱調防止を図る。ただし、マクロ移動範囲のうち遠距離側の所定範囲aでは、駆動速度を低速NLから高速NHの間で直線的に変化させている。すなわち、範囲aでは、駆動負荷が大きいほどステッピングモータ4を低速で駆動する。一方、繰り出し時であってもフォーカスレンズ群11が通常移動範囲にあるときには、駆動負荷が比較的小さく脱調のおそれはないので、ステッピングモータ4を高速NHで駆動し、焦点調節の高速化を図る。
【0013】
また図5に示すレンズ繰り込み時は、全域に渡って駆動負荷が非常に小さく脱調のおそれはないので、ステッピングモータ4を高速NHで駆動し、焦点調節の高速化を図る。
【0014】
ここで、上記高速NHは焦点調節を可能な限り高速化できる駆動速度であり、一方、低速NLはステッピングモータ4の脱調を確実に防止し得る駆動速度である。また図4の範囲aにおける速度変化率は、ステッピングモータ4の脱調を防止しつつも可能な限り焦点調節を高速化できる傾きに設定される。これらの具体的な値は、ステッピングモータ4の特性に加えて、ガタ寄せばね8の付勢力やその他の条件によって変わってくるので、カメラの機種ごとに実験等によって決めることが望ましい。
【0015】
上記のモータ速度制御によれば、ステッピングモータ4が低速で駆動されるのはマクロモードにおける繰り出し時のみであり、それ以外では常に高速で駆動される。したがって、マクロ撮影を行わない一般的なユーザが焦点調節の遅さを実感することはない。またマクロモードでの繰り出し時には、ステッピングモータ4の脱調を確実に防止でき、正確な焦点調節が行える。
【0016】
図6は上記の制御をソフト的に実現するためのフローチャートである。
CPU5は、例えばレリーズボタンの半押し操作で焦点検出を行い、その結果に基づいてモータ駆動回路6を介してステッピングモータ4を駆動し、焦点調節を行う。モータ駆動に先立ち、図6のサブルーチンにおいてモータ駆動速度を決定する。
【0017】
図6において、まず撮影モードを判定し(ステップS1)、通常撮影モードであれば、レンズ駆動方向に拘わらずモータ駆動速度Nを高速NHとする(ステップS2)。一方、マクロモードの場合には、レンズ位置を判定し(ステップS3)、通常移動範囲であれば高速NHとする(ステップS4)。またマクロ移動範囲であれば、レンズ駆動方向を判定し(ステップS5)、繰り込み方向であれば駆動速度Nを高速NHとし(ステップS6)、繰り出し方向であれば低速度NLとする(ステップS7)。
【0018】
その後に他のルーチンにおいて、上記決定された駆動速度に応じたパルス速度でフォーカスモータ4を駆動する。なお、ステップS2,S4,S6,S7でパルス速度を決定するようにしてもよい。
【0019】
以上では、通常撮影モードとマクロモードとでモータ駆動速度を変えるようにしたが、撮影モードには関係なくレンズ位置とレンズ駆動方向に応じてモータ駆動速度を変えるようにしてもよい。またレンズ可動範囲を3以上の領域に分け、駆動負荷が大きくなる領域ほど駆動速度が低速になるようにしてもよい。例えば上記の例であれば、ガタ寄せばねの付勢力に抗する方向にレンズ群を駆動する際には、その方向への移動量が多いほど低速で駆動する。あるいは単純にレンズ駆動方向のみによってモータ駆動速度を変えるようにしてもよい。つまりフォーカスレンズ群をガタ寄せばねの付勢力に抗する方向に駆動するときには、付勢方向に駆動するときと比べて低速で駆動する。
【0020】
また以上では、フォーカスレンズ群を繰り込み方向に付勢しているが、繰り出し方向に付勢する場合は、レンズ駆動方向と駆動速度との関係が上述と逆になる。またレンズ群をねじによって駆動する例を示したが、その駆動方式は問わない。例えばギアを用いて駆動する場合も、カム機構を用いて駆動する場合も必ずガタは存在し、上述したようなガタ寄せばねが必要となるから、本発明を同様に適用できる。さらに、ガタ寄せばねの付勢力による駆動負荷について説明したが、例えばカムの傾斜角やその他の要因でレンズ位置あるいはレンズ駆動方向によって駆動負荷が変化する場合も本発明を適用できる。また光軸方向に駆動される光学系はフォーカスレンズ群に限定されず、例えばズームレンズ群をステッピングモータで駆動する場合にも適用できる。
【0021】
またデジタルスチルカメラにて説明したが、光軸方向に光学系を駆動するものであれば、銀塩フィルムを扱うスチルカメラやビデオカメラ、あるいはカメラ以外の光学機器にも本発明を適用できる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、光学系をステッピングモータで光軸双方向に駆動するにあたり、光学系の駆動負荷が大きいほどステッピングモータを低速で駆動するようにしたので、ステッピングモータが脱調するおそれのあるときのみ低速で駆動して脱調を確実に防止し、それ以外の場合は高速で駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるデジタルスチルカメラの概略構成図。
【図2】フォーカスレンズ群の位置とレンズ駆動負荷との関係を示す図で、レンズ繰り出し時の状態を示す。
【図3】図2と同様の図で、レンズ繰り込み時の状態を示す。
【図4】フォーカスレンズ群の位置とモータ回転速度との関係を示す図で、レンズ繰り出し時の状態を示す。
【図5】図4と同様の図で、レンズ繰り込み時の状態を示す。
【図6】モータ回転速度決定処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 撮像素子
2 ホルダ
2a ナット部
3 ねじ
4 フォーカスモータ(ステッピングモータ)
5 CPU
8 ガタ寄せばね
10 撮影光学系
11 フォーカスレンズ群
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータを駆動源として光学系を光軸方向に駆動する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真撮影において、撮影光学系の焦点調節や焦点距離の変更は、フォーカスレンズ群やズームレンズ群を光軸方向に移動することで行う。かかる可動レンズ群を持つカメラでは、レンズ駆動機構部のガタによるレンズ位置精度の悪化を防止するために、可動レンズ群をガタ寄せばねで光軸一方向に付勢している(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−179010号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
可動レンズ群をステッピングモータで駆動することを考える。一般にステッピングモータは、その駆動速度(回転速度)を上げるほどプルイントルクが下がるため、駆動負荷が大きいときには低速で駆動しないと脱調してしまう。そして、上述したガタ寄せばねの付勢力は、その付勢方向と逆方向に可動レンズを駆動する際の駆動負荷となり、しかもその駆動負荷はレンズ移動量が増すほど大きくなり、ステッピングモータが脱調し易い状態となる。一方、脱調を防止すべくモータ駆動速度を下げると、可動レンズ群を目標位置まで駆動するのに時間がかかる。
【0005】
本発明の目的は、駆動負荷に応じて光学系駆動用のステッピングモータの駆動速度を可変にした光学系駆動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、モータ駆動負荷が大きいほどステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項2の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、モータ駆動負荷が大きくなる方向にステッピングモータを駆動するときには、駆動負荷が小さくなる方向に駆動するときと比べてステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項3の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系を光軸他方向に駆動する際、光学系の光軸他方向への移動量が多いほどステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項4の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系を光軸他方向に駆動するときには、光軸一方向に駆動するときと比べてステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項5の発明に係る光学系駆動装置は、光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、光学系の駆動方向が光軸他方向で、かつ光学系が所定位置よりも光軸他方向側にあるときには、ステッピングモータを第1の速度で駆動し、それ以外の場合はステッピングモータを第1の速度よりも速い第2の速度で駆動する駆動制御手段とを具備する。
請求項6の発明に係る光学系駆動装置は、焦点調節のためにフォーカス光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、フォーカス光学系を遠距離側に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、最至近から所定の中間距離までのマクロ範囲での焦点調節を許容するマクロモード、および前記マクロ範囲での焦点調節を禁止する非マクロモードのいずれかを設定するモード設定手段と、駆動制御手段とを具備する。駆動制御手段は、以下のようにモータ駆動速度を変える。
(1)マクロモード設定時には、マクロ範囲でフォーカス光学系を至近方向に駆動するときにステッピングモータを第1の速度で、それ以外のときは第1の速度よりも速い第2の速度で駆動する。
(2)非マクロモード設定時には、フォーカス光学系の位置および駆動方向に拘わらずフォーカス光学系を第2の速度で駆動する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1〜図6により本発明をデジタルスチルカメラに適用した場合の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態におけるデジタルスチルカメラの概略図である。被写体からの光束は、撮影光学系10を介してCCD等の撮像素子1に導かれ、撮像素子1の光電変換出力が画像処理回路7で処理されることで画像データが生成される。
【0008】
撮影光学系10を構成するフォーカスレンズ群11は、ホルダ2に保持され、ホルダ2に一体化されたナット部2aに光軸方向のねじ3が螺合している。ねじ3は、フォーカスモータであるステッピングモータ4を駆動源として回転され、ステッピングモータ4は、モータ駆動回路6を介してCPU5により駆動制御される。ホルダ2は不図示の機構により回転止めがなされているため、ねじ3の回転によりホルダ2、すなわちフォーカスレンズ群11は光軸方向に移動する。フォーカスレンズ群11が被写体側に繰り出されるほど近距離の被写体にピントが合い、撮像素子側に繰り込まれるほど遠距離の被写体にピントが合う。
【0009】
レンズホルダ2は、ガタ寄せばねとしての引張ばね8により、常に繰り込み方向(遠距離側)に付勢されている。この付勢によりねじ部のバックラッシュが除去され、ガタによる焦点調節精度の悪化が防止できる。
【0010】
図2,図3はフォーカスレンズ群11の位置と、ガタ寄せばね8によるモータ駆動負荷との関係を示し、図2は繰り出し時を、図3は繰り込み時をそれぞれ示している。フォーカスレンズ群11の移動範囲は最至近から無限遠までであるが、そのうち最至近から所定の中間距離(撮影距離で例えば1cm〜3cm程度)までをマクロ移動範囲、その中間距離から無限遠までを通常移動範囲と呼ぶ。通常の撮影モードでは、通常移動範囲のみでフォーカスレンズ群11の移動を許容し、マクロモードが設定されると、マクロ移動範囲をも含めた全移動範囲でフォーカスレンズ群11の移動を許容する。このように通常撮影モードでレンズ移動範囲を制限するのは、焦点調節動作の高速化を図るためである。撮影モードの切換えは、不図示の操作部材の操作に応答してCPU5が行う。
【0011】
図2から分かるように、フォーカスレンズ群11の繰り出し量が大きいほど上記ガタ寄せばね8の付勢力が大きくなるため、レンズ繰り出し方向のモータ駆動負荷は増大する。特にマクロ移動範囲では繰り出し方向の駆動負荷はかなり大きくなり、ステッピングモータ4が脱調し易くなる。一方、繰り込み時には、レンズ位置に拘わらずガタ寄せばね8の付勢力は負荷とならない(マイナスの負荷となる)ため、図3から分かるように駆動負荷は全域に渡って小さく、特に至近側ほど小さくなる。さらにレンズ繰り出し時であっても、通常移動範囲であればばね8による駆動負荷はさほど大きくはない。
【0012】
そこで本実施形態では、図4,図5に示すようにレンズ位置およびレンズ駆動方向に応じてステッピングモータ4の駆動速度(回転速度)を変えるようにした。ここで、駆動速度の変更は、ステッピングモータ4へのパルス速度を変えることで行う。
まず図4のレンズ繰り出し時であるが、フォーカスレンズ群11がマクロ移動範囲にあるときには駆動負荷が大きいため、プルイントルクを大きくすべくステッピングモータ4を低速NLで駆動し、モータの脱調防止を図る。ただし、マクロ移動範囲のうち遠距離側の所定範囲aでは、駆動速度を低速NLから高速NHの間で直線的に変化させている。すなわち、範囲aでは、駆動負荷が大きいほどステッピングモータ4を低速で駆動する。一方、繰り出し時であってもフォーカスレンズ群11が通常移動範囲にあるときには、駆動負荷が比較的小さく脱調のおそれはないので、ステッピングモータ4を高速NHで駆動し、焦点調節の高速化を図る。
【0013】
また図5に示すレンズ繰り込み時は、全域に渡って駆動負荷が非常に小さく脱調のおそれはないので、ステッピングモータ4を高速NHで駆動し、焦点調節の高速化を図る。
【0014】
ここで、上記高速NHは焦点調節を可能な限り高速化できる駆動速度であり、一方、低速NLはステッピングモータ4の脱調を確実に防止し得る駆動速度である。また図4の範囲aにおける速度変化率は、ステッピングモータ4の脱調を防止しつつも可能な限り焦点調節を高速化できる傾きに設定される。これらの具体的な値は、ステッピングモータ4の特性に加えて、ガタ寄せばね8の付勢力やその他の条件によって変わってくるので、カメラの機種ごとに実験等によって決めることが望ましい。
【0015】
上記のモータ速度制御によれば、ステッピングモータ4が低速で駆動されるのはマクロモードにおける繰り出し時のみであり、それ以外では常に高速で駆動される。したがって、マクロ撮影を行わない一般的なユーザが焦点調節の遅さを実感することはない。またマクロモードでの繰り出し時には、ステッピングモータ4の脱調を確実に防止でき、正確な焦点調節が行える。
【0016】
図6は上記の制御をソフト的に実現するためのフローチャートである。
CPU5は、例えばレリーズボタンの半押し操作で焦点検出を行い、その結果に基づいてモータ駆動回路6を介してステッピングモータ4を駆動し、焦点調節を行う。モータ駆動に先立ち、図6のサブルーチンにおいてモータ駆動速度を決定する。
【0017】
図6において、まず撮影モードを判定し(ステップS1)、通常撮影モードであれば、レンズ駆動方向に拘わらずモータ駆動速度Nを高速NHとする(ステップS2)。一方、マクロモードの場合には、レンズ位置を判定し(ステップS3)、通常移動範囲であれば高速NHとする(ステップS4)。またマクロ移動範囲であれば、レンズ駆動方向を判定し(ステップS5)、繰り込み方向であれば駆動速度Nを高速NHとし(ステップS6)、繰り出し方向であれば低速度NLとする(ステップS7)。
【0018】
その後に他のルーチンにおいて、上記決定された駆動速度に応じたパルス速度でフォーカスモータ4を駆動する。なお、ステップS2,S4,S6,S7でパルス速度を決定するようにしてもよい。
【0019】
以上では、通常撮影モードとマクロモードとでモータ駆動速度を変えるようにしたが、撮影モードには関係なくレンズ位置とレンズ駆動方向に応じてモータ駆動速度を変えるようにしてもよい。またレンズ可動範囲を3以上の領域に分け、駆動負荷が大きくなる領域ほど駆動速度が低速になるようにしてもよい。例えば上記の例であれば、ガタ寄せばねの付勢力に抗する方向にレンズ群を駆動する際には、その方向への移動量が多いほど低速で駆動する。あるいは単純にレンズ駆動方向のみによってモータ駆動速度を変えるようにしてもよい。つまりフォーカスレンズ群をガタ寄せばねの付勢力に抗する方向に駆動するときには、付勢方向に駆動するときと比べて低速で駆動する。
【0020】
また以上では、フォーカスレンズ群を繰り込み方向に付勢しているが、繰り出し方向に付勢する場合は、レンズ駆動方向と駆動速度との関係が上述と逆になる。またレンズ群をねじによって駆動する例を示したが、その駆動方式は問わない。例えばギアを用いて駆動する場合も、カム機構を用いて駆動する場合も必ずガタは存在し、上述したようなガタ寄せばねが必要となるから、本発明を同様に適用できる。さらに、ガタ寄せばねの付勢力による駆動負荷について説明したが、例えばカムの傾斜角やその他の要因でレンズ位置あるいはレンズ駆動方向によって駆動負荷が変化する場合も本発明を適用できる。また光軸方向に駆動される光学系はフォーカスレンズ群に限定されず、例えばズームレンズ群をステッピングモータで駆動する場合にも適用できる。
【0021】
またデジタルスチルカメラにて説明したが、光軸方向に光学系を駆動するものであれば、銀塩フィルムを扱うスチルカメラやビデオカメラ、あるいはカメラ以外の光学機器にも本発明を適用できる。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、光学系をステッピングモータで光軸双方向に駆動するにあたり、光学系の駆動負荷が大きいほどステッピングモータを低速で駆動するようにしたので、ステッピングモータが脱調するおそれのあるときのみ低速で駆動して脱調を確実に防止し、それ以外の場合は高速で駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるデジタルスチルカメラの概略構成図。
【図2】フォーカスレンズ群の位置とレンズ駆動負荷との関係を示す図で、レンズ繰り出し時の状態を示す。
【図3】図2と同様の図で、レンズ繰り込み時の状態を示す。
【図4】フォーカスレンズ群の位置とモータ回転速度との関係を示す図で、レンズ繰り出し時の状態を示す。
【図5】図4と同様の図で、レンズ繰り込み時の状態を示す。
【図6】モータ回転速度決定処理の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 撮像素子
2 ホルダ
2a ナット部
3 ねじ
4 フォーカスモータ(ステッピングモータ)
5 CPU
8 ガタ寄せばね
10 撮影光学系
11 フォーカスレンズ群
Claims (6)
- 光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、
モータ駆動負荷が大きいほど前記ステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。 - 光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、
モータ駆動負荷が大きくなる方向に前記ステッピングモータを駆動するときには、前記駆動負荷が小さくなる方向に駆動するときと比べて前記ステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。 - 光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、
前記光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、
前記光学系を光軸他方向に駆動する際、該光学系の光軸他方向への移動量が多いほど前記ステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。 - 光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、
前記光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、
前記光学系を光軸他方向に駆動するときには、前記光軸一方向に駆動するときと比べて前記ステッピングモータを低速で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。 - 光学系を光軸双方向に駆動するステッピングモータと、
前記光学系を光軸一方向に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、
前記光学系の駆動方向が光軸他方向で、かつ該光学系が所定位置よりも前記光軸他方向側にあるときには、前記ステッピングモータを第1の速度で駆動し、それ以外の場合は前記ステッピングモータを前記第1の速度よりも速い第2の速度で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。 - 焦点調節のためにフォーカス光学系を光軸方向に駆動するステッピングモータと、
前記フォーカス光学系を遠距離側に付勢するガタ寄せ用の付勢ばねと、
最至近から所定の中間距離までのマクロ範囲での焦点調節を許容するマクロモード、および前記マクロ範囲での焦点調節を禁止する非マクロモードのいずれかを設定するモード設定手段と、
(1)前記マクロモード設定時には、前記マクロ範囲で前記フォーカス光学系を至近方向に駆動するときに前記ステッピングモータを第1の速度で、それ以外のときは前記第1の速度よりも速い第2の速度で駆動し、
(2)前記非マクロモード設定時には、前記フォーカス光学系の位置および駆動方向に拘わらず該フォーカス光学系を前記第2の速度で駆動する駆動制御手段とを具備することを特徴とする光学系駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003183958A JP2005017797A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 光学系駆動装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003183958A JP2005017797A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 光学系駆動装置 |
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JP2005017797A true JP2005017797A (ja) | 2005-01-20 |
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ID=34183870
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JP2003183958A Pending JP2005017797A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 光学系駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005017797A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011070178A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-04-07 | Panasonic Corp | レンズ鏡筒および撮像装置 |
JP2015068925A (ja) * | 2013-09-27 | 2015-04-13 | リコーイメージング株式会社 | カム駆動機構の制御装置及びカム駆動機構の制御方法 |
JP7482165B2 (ja) | 2022-03-16 | 2024-05-13 | キヤノン株式会社 | レンズ装置、撮像装置、レンズ装置の制御方法、及びプログラム |
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2003
- 2003-06-27 JP JP2003183958A patent/JP2005017797A/ja active Pending
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