JP2005017672A - 電子写真記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】より簡便な仕方でLEDヘッドの焦点ボケを検出する電子写真記録装置を提供する。
【解決手段】搬送ベルト上に10階調パターンを印刷し、搬送ベルト上に転写された10階調パターンの濃度を読取る濃度センサ11を設ける。濃度センサ11により読取った濃度を制御回路20により10階調濃度基準値メモリ22に格納されている基準値と比較する。制御回路20はこの比較の結果に基づいて、LEDヘッドによる感光ドラム表面への光の焦点がボケていると判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送ベルト上に10階調パターンを印刷し、搬送ベルト上に転写された10階調パターンの濃度を読取る濃度センサ11を設ける。濃度センサ11により読取った濃度を制御回路20により10階調濃度基準値メモリ22に格納されている基準値と比較する。制御回路20はこの比較の結果に基づいて、LEDヘッドによる感光ドラム表面への光の焦点がボケていると判断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体を搬送し、該媒体上にトナー像を転写して記録を行う電子写真記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真記録装置として、記録媒体を搬送ベルト上に静電吸着して搬送し、画像形成機構により形成されたトナー画像を記録媒体上に転写し、さらに定着装置によりトナー画像を記録媒体上に定着させるようにしたものがある。カラーの電子写真記録装置としては、色の異なるトナー画像を形成する4組の画像形成機構を並設し、搬送される記録媒体上に順次色の異なるトナー画像を転写することによりカラー画像を形成する。
【0003】
上記従来の電子写真記録装置においては、画像形成機構の光学系にLEDヘッドを使用した場合、LEDヘッドと感光ドラムの表面との間の焦点距離が所定の値に設定されていないと、LEDヘッドから発せられた光が感光ドラム表面に焦点を結ばない所謂焦点ボケを発生し、所望の大きさの画像よりも大きく潰れた状態の画像が得られることになる。特にカラーの電子写真記録装置においては、焦点ボケの状態ではカラー画像の階調部が所望の色と異なってしまうこともあるという問題がある。
【0004】
焦点ボケを解決するための方法として、例えば特開平10−104896号公報に開示されるものが挙げられる。ここで開示されているのは、光軸方向に焦点位置を順次変化させた複数のテストパターンを搬送ベルト上に転写し、転写されたテストパターンの印刷濃度を個々に検出し、検出された印刷濃度に基づいて露光器の焦点位置が感光体の表面に一致するように調整する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−104896号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より簡便な仕方で露光手段により形成された露光径の大きさを検出し、焦点ボケを判断する装置を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、帯電された像担持体表面を露光手段により露光し、露光された部分に付着したトナー画像を、媒体上に転写して記録を行う電子写真記録装置において、前記媒体上に複数階調パターンを転写し、前記媒体上に転写された前記複数の階調パターンの濃度を読取る濃度読取手段と、前記濃度読取手段により読取った濃度を基準値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とする。
【0008】
前記濃度読取手段は前記複数階調パターンの中間部分の濃度を読み取り、前記判断手段は、前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径が大きいと判断するようにしてもよい。また前記判断手段は、前記複数階調パターンの濃い部分と薄い部分とに対応する濃度を結ぶ直線から得られる傾きから逸れた濃度が存在する場合に前記露光径が大きいと判断するようにしてもよい。
【0009】
また本発明は、媒体上に、該媒体の移動方向に沿う方向に延在する第1のパターンと、前記移動方向に直交する方向に延在する第1のパターンとを転写し、前記第1のパターンと第2のパターンの濃度を読取る濃度読取手段と、前記濃度読取手段により読取った第1のパターンの濃度と第2のパターンの濃度の差を基準値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は第1の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図、図2は第1の実施の形態の電子写真記録装置を示す機構構成図である。まず図2を用いて第1の実施の形態の電子写真記録装置を説明する。なお本実施の形態ではカラーの電子写真記録装置を説明する。
【0011】
図2において、第1の実施の形態の電子写真記録装置1は、4組の印刷機構P1、P2、P3、P4が記録媒体の給入側(図における右側)から排出側(図における左側)へ順に並設されている。第1印刷機構P1は、イエローの画像形成カートリッジ2Y、露光手段としてのLEDヘッド3Y、転写ローラ4Yおよび像担持体としての感光ドラム5Yを備えている。第2、第3および第4の印刷機構P2、P3、P4も同様な構成を有し、それぞれ画像形成カートリッジ2M、2C、2K、露光手段としてのLEDヘッド3M、3C、3K、転写ローラ4M、4C、4Kおよび像担持体としての感光ドラム5M、5C、5Kを備えている。各画像形成カートリッジ2Y、2M、2C、2Kはトナー色が異なるのみで、同一の構成要素で構成される。
【0012】
各画像形成カートリッジの感光ドラム5と転写ローラ4の間には搬送ベルト6が移動可能に配設されている。搬送ベルト6は、駆動ローラ8および従動ローラ9の間に張設され、駆動ローラの回転により反時計回り方向に移動する。搬送ローラ6の下側にはクリーニング機構10および濃度センサ11が配設されている。搬送ベルト6は高抵抗の半導電性プラスチックフィルムからなり、継ぎ目なしのエンドレス状に形成されている。搬送ベルト6の抵抗値は、記録媒体が搬送ベルト6に静電吸着でき、なおかつ記録媒体が搬送ベルト6から分離されるときに搬送ベルト6に残存する静電気が自然除電できるような範囲にある。また搬送ベルト6上にあるトナーはクリーニング機構10により除去される。
【0013】
濃度センサ11は搬送ベルト6の表面(感光ドラムに対向する面)に対向して配置されている。濃度センサ11は反射型センサで、搬送ベルト6上のトナー像からの反射率を測定することにより、トナー画像の濃度を測定するためのものである。
【0014】
記録装置1の下方には給紙機構が設けられている。給紙機構は、記録媒体を収容するカセット12と、記録媒体を繰り出すためのホッピング機構13とレジストローラ15、16とを有する。ホッピング機構13とレジストローラ15、16との間には記録媒体を案内するシートガイド14が形成されている。記録媒体はホッピング機構13によりカセット12から繰り出され、図示しない搬送ローラによりシートガイド14に案内されてレジストローラ15、16まで到達される。レジストローラ15、16は、記録媒体の先端部と画像形成カートリッジ2による画像印刷のタイミングをとる。
【0015】
搬送ベルト6の下流側には定着器17が設けられている。定着器17は搬送ベルト6により搬送されてくる、トナー画像が転写された記録媒体上のトナー画像を記録媒体に定着させるもので、トナーを加熱する加熱ローラ18と加熱ローラ18とともに記録媒体を加圧する加圧ローラ19とを有する。加圧ローラ19は図示しないバネにより過熱ローラ18を圧接している。加熱ローラ18と加圧ローラ19は図示しない駆動手段により回転可能に支持されている。
【0016】
図1において、第1の実施の形態の電子写真記録装置1は、制御回路20によりその全体の動作を制御される。制御回路20には、上述した印刷機構P1、P2、P3、P4、濃度センサ11のほかに、10階調印刷パターンメモリ21および10階調濃度基準値メモリ22が接続されている。
【0017】
10階調印刷パターンメモリ21は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、搬送ベルト6に形成する印刷パターンを格納するものであり、この印刷パターンは10階調のパターンとなっている。また10階調濃度基準値メモリ22は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、濃度センサ11により検出した印刷パターンの濃度と比較すべき10階調の濃度基準値が格納しており、濃度基準値との比較により制御回路20により焦点ボケが判断される。
【0018】
次に第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を説明する。図3は第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。焦点ボケ検出動作は、実際の記録媒体への印刷動作を行っていないとき、例えば電源投入時等の所定の時期に行われる。
【0019】
LEDヘッドの焦点ボケ検出動作の起動がかかると(ステップ1)、制御回路20は、図示しないモータを駆動し、各印刷機構P1、P2、P3、P4の各感光ドラム5、各転写ローラ4および駆動ローラ8をそれぞれ回転させる(ステップ2)。制御回路20は、次に10階調印刷パターンメモリ21から10階調印刷パターンを取り出し、各印刷機構P1、P2、P3、P4に対してこの印刷パターンを印刷する指示を出す。なおこのとき制御回路20は、カセット12から記録媒体を繰り出す指示は出さない。
【0020】
各印刷機構P1、P2、P3、P4は、制御回路20の指示に従って、搬送ベルト6の移動とタイミングをとり、各感光ドラム5上に10階調のトナー像をそれぞれ形成する。感光ドラム5上のトナー像は、対向する転写ローラ4により、それぞれ搬送ベルト6上に電気的に転写される(ステップ3)。
【0021】
搬送ベルト6上に転写されたトナー像は、搬送ベルト6の移動により、濃度センサ11に対向する位置に来る。濃度センサ11は、制御回路20の指示に従って、搬送ベルト6上の10階調のトナー像の濃度を読取る(ステップ4)。読取られた濃度データは制御回路20へ送られる。
【0022】
制御回路20は、濃度センサ11により読取られたトナー像の10階調の濃度と、10階調濃度基準値メモリ22に格納しておいた10階調の濃度基準値とそれぞれ比較し、読取られたトナー像の10階調の濃度が、10階調の濃度基準値を超える場合には、LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断する(ステップ5)。
【0023】
ここでLEDヘッドの焦点ボケが発生している場合の濃度について、図4を用いて説明する。図4は焦点ボケが発生している場合の濃度を説明するための説明図である。図4(a)は焦点ボケが発生していない場合の印刷結果を示し、図4(b)は焦点ボケが発生している場合の印刷結果を示す。焦点ボケが発生していない場合、感光ドラム5上には最小径の露光スポットが形成され、ここにトナー画像が形成され、図4(a)に示すように、そのトナー画像25が搬送ベルト6上に転写される。
【0024】
これに対して焦点ボケが発生している場合、LEDヘッドから発せられる光が感光ドラム6上に焦点を結ばないために、感光ドラム5上の露光スポットが最小径よりも若干大きい径に形成される。この結果、図4(b)に示すように、若干径の大きいドット26が形成される。所望の値よりも径の大きいドット26が形成されると、そのドット26を含む領域の濃度は領域全体としては高くなる。したがって印刷結果のある領域の濃度が所定値よりも高いか否かで焦点ボケが発生しているか否かを判断することができる。
【0025】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断した場合、制御回路20は、LEDヘッドの焦点ボケが発生している旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ6)。これによりオペレータは焦点ボケの発生を知ることができる。
【0026】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していないと判断した場合、制御回路20は、LEDヘッドの焦点が合っている旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ7)。
【0027】
図5は本実施の形態において実際に10階調パターンを印刷して濃度を測定した場合の実測値の例を示すグラフである。図において、縦軸は濃度を示し、濃度は数値の大きいほど高くなる。また横軸は階調のレベルを示し、数値の大きいほど階調レベルが高い。図5に示す例では9回の実測値(a−i)が示され、そのうち焦点ボケが発生していると判断された例(NGレベル、e−i)は5例で、焦点ボケが発生していないと判断された例(OKレベル、a−d)は4例となっている。
【0028】
図5において、OKレベルは階調のレベルが上がるにつれて総じて直線的に濃度が高くなっているのに対して、NGレベルでは階調レベルの中間の部分(40乃至60の部分)で特に濃度が高くなり、OKレベルほど直線的に変化していない。中間の部分(40乃至60の部分)で特に濃度が高くなる理由としては、図4(b)に示す、若干径の大きいドットの形成が中間調の濃度に最も大きく影響するからであると考えられる。
【0029】
以上のことから焦点ボケが発生しているか否かの判断基準として、3通りの仕方が可能である。即ち、その第1として、上述した、図3のフローチャートを用いて説明した仕方で、各階調レベル(10段階の)においてそれぞれ濃度値を基準値と比較し、いずれかのレベルにおいて測定した濃度値が基準値を上まわった場合に焦点ボケが発生していると判断する仕方である。以下に示す表1は、図5に示す各実測値を数値で表したものである。
【0030】
【表1】
表1において、例えば実測値eでは階調レベル50において濃度が1.03となっており、基準値を1.0とすればこの時点で焦点ボケであると判断されることになる。
【0031】
第2の判断の仕方は、焦点ボケの場合は中間階調部分で濃度が高くなる傾向があることから、例えば10階調のパターン印刷の両端部、即ち、図5における10レベルおよび100レベルにおける濃度を結ぶ直線から大きく逸れた濃度が存在する場合に焦点ボケがあると判断する仕方である。例えば、図5において、実測値iおよび実測値hは、階調レベル50において、10レベルおよび100レベルにおける濃度を結ぶ直線から大きく逸れている。なお濃度の傾きを示す直線は、必ずしも両端部(図5の場合は10レベルおよび100レベル)でなくてもよく、両端部に近い濃度を使用して直線を求めてもよい。
【0032】
第3の判断の仕方は、焦点ボケの場合は中間階調部分で濃度が高くなる傾向があることから、中間階調部分のみの濃度を測定し、測定した濃度を基準値と比較して判断する仕方である。例えば、図5に示す40−70階調レベルの濃度だけを測定し、基準値と比較するのである。この方法によると、濃度の測定回数が少なくなり、焦点ボケの検出処理がより簡単になる。
【0033】
以上のように第1の実施の形態によれば、搬送ベルト6に階調パターンを印刷して搬送ベルト6上のトナー像の濃度を濃度センサ11で読取り、基準値と比較して焦点ボケの有無を判断しているので、実際に記録媒体に印刷することなく焦点ボケの有無が分かるとともに、より簡便な方法で焦点ボケの有無が分かるという効果がある。なお上記実施の形態では10階調の印刷バターンを搬送ベルト上に印刷して焦点ボケを検出するようにしたが、階調数は10に限定されないことは言うまでもない。
【0034】
次に第2の実施の形態を説明する。図6は第2の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。なお第2の実施の形態は、機構的構成は第1の実施の形態の電子写真記録装置1と同様である。図6において、制御回路30は装置の動作全体を制御するもので、制御回路30には、第1の実施の形態で説明した印刷機構P1、P2、P3、P4および濃度センサ11のほかに、縦横バー印刷パターンメモリ31および縦横バー濃度基準値メモリ32が接続されている。
【0035】
縦横バー印刷パターンメモリ31は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、搬送ベルト6に形成する縦バー及び横バーの印刷パターンを格納するものである。また縦横バー濃度基準値メモリ32は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、濃度センサ11により検出した縦バーの濃度と横バーの濃度との差と比較すべき濃度基準値が格納しており、濃度基準値との比較により制御回路30により焦点ボケの有無が判断される。
【0036】
次に第2の実施の形態の焦点ボケ検出動作を図2および図7に示すフローチャートに従って説明する。LEDヘッドの焦点ボケ検出動作の起動がかかると(ステップ11)、制御回路30は、図示しないモータを駆動し、各印刷機構P1、P2、P3、P4の各感光ドラム5、各転写ローラ4および駆動ローラ8をそれぞれ回転させる(ステップ12)。制御回路30は、次に縦横バー印刷パターンメモリ31から縦バーおよび横バーの印刷パターンを取り出し、各印刷機構P1、P2、P3、P4に対してこの印刷パターンを印刷する指示を出す。
【0037】
各印刷機構P1、P2、P3、P4は、制御回路30の指示に従って、搬送ベルト6の移動とタイミングをとり、各感光ドラム5上に縦バーおよび横バーのトナー像をそれぞれ形成する。感光ドラム5上のトナー像は、対向する転写ローラ4により、それぞれ搬送ベルト6上に電気的に転写される(ステップ13)。
【0038】
図8は搬送ベルト6に印刷された縦バーおよび横バーを示す。図8において、縦バーのパターン33および横バーのパターン34が印刷される。なおここで縦方向というのは、副走査方向(搬送ベルト6の移動方向)をいい、横方向というのは主走査方向(搬送ベルト6の移動方向に直交する方向)をいう。
【0039】
搬送ベルト6上に転写されたトナー像は、搬送ベルト6の移動により、濃度センサ11に対向する位置に来る。濃度センサ11は、制御回路30の指示に従って、搬送ベルト6上の縦バーおよび横バーのトナー像の濃度を読取る(ステップ14)。読取られた濃度データは制御回路30へ送られる。
【0040】
制御回路30は、濃度センサ11により読取られた縦バーの濃度と横バーの濃度との差を求める。そして縦横バー濃度基準値メモリ32に格納しておいた濃度基準値と求めた濃度差とを比較し、求めた濃度差が、濃度基準値を超える場合には、LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断する(ステップ15)。
【0041】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断した場合、制御回路30は、LEDヘッドの焦点ボケが発生している旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ16)。これによりオペレータは焦点ボケの発生を知ることができる。
【0042】
またLEDヘッドの焦点ボケが発生していないと判断した場合、制御回路30は、LEDヘッドの焦点が合っている旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ17)。
【0043】
図9は搬送ベルト6に印刷された縦バーおよび横バーの濃度を濃度センサ11により読取った実測値を示すグラフである。図9において、縦軸は濃度を示し、濃度は数値の大きいほど高くなる。また横軸は焦点距離を変えて測定した場合を示し、jの場合は焦点距離が合っている場合であり、右方向へ行くにつれて焦点距離を大きくしてある。即ち、sの場合が焦点距離が最も大きくずれている。
【0044】
図9から分かるように、焦点距離があっている場合は、縦バーの濃度と横バーの濃度の差はほとんど無いか、あっても極小さい。焦点距離のずれが大きくなると、縦バーの濃度と横バーの濃度の差が徐々に大きくなっていく。したがって縦バーの濃度と横バーの濃度の差が所定値を超えると焦点ボケが発生すると判断することができる。以下に示す表2は、図9に示す各実測値を数値で表したものである。
【0045】
【表2】
表2において、例えばoの場合は縦バーの濃度と横バーの濃度の差が0.07となっており、基準値を0.05とすれば焦点ボケであると判断されることになる。
【0046】
以上のように第2の実施の形態によれば、搬送ベルト6に縦横バーのパターンを印刷して搬送ベルト6上のトナー像の濃度を濃度センサ11で読取り、縦バーの濃度と横バーの濃度との差を基準値と比較して焦点ボケの有無を判断しているので、実際に記録媒体に印刷することなく焦点ボケの有無が分かるとともに、より簡便な方法で焦点ボケの有無が分かるという効果がある。さらに第2の実施の形態においては、多くの階調の印刷をしなくてすむので、検出時間が短縮されるとともに、検出に使用されるトナーの量も少なくて済む。
【0047】
検出パターンは、搬送ベルト上や印刷媒体や中間転写ベルト上に印刷することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、媒体上に複数階調パターンを転写し、媒体上に転写された複数階調パターンの濃度を読取る濃度読取手段と、濃度読取手段により読取った濃度を基準値と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に基づいて、露光手段による像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたので、または、媒体上に、該媒体の移動方向に沿う方向に延在する第1のパターンと、前記移動方向に直交する方向に延在する第1のパターンとを転写し、前記第1のパターンと第2のパターンの濃度を読取る濃度読取手段と、濃度読取手段により読取った第1のパターンの濃度と第2のパターンの濃度の差を基準値と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果、濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、露光手段による像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことにより、より簡便な方法で焦点ボケを検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の電子写真記録装置を示す機構構成図である。
【図3】第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。
【図4】焦点ボケが発生している場合の濃度を説明するための説明図である。
【図5】濃度の実測値の例を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。
【図8】縦横バーの印刷パターンを示す説明図である。
【図9】縦横バーの濃度の実測値を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電子写真記録装置
3、3Y、3M、3C、3K LEDヘッド
5、5Y、5M、5C、5K 感光ドラム
6 搬送ベルト
11 濃度センサ
20、30 制御回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒体を搬送し、該媒体上にトナー像を転写して記録を行う電子写真記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真記録装置として、記録媒体を搬送ベルト上に静電吸着して搬送し、画像形成機構により形成されたトナー画像を記録媒体上に転写し、さらに定着装置によりトナー画像を記録媒体上に定着させるようにしたものがある。カラーの電子写真記録装置としては、色の異なるトナー画像を形成する4組の画像形成機構を並設し、搬送される記録媒体上に順次色の異なるトナー画像を転写することによりカラー画像を形成する。
【0003】
上記従来の電子写真記録装置においては、画像形成機構の光学系にLEDヘッドを使用した場合、LEDヘッドと感光ドラムの表面との間の焦点距離が所定の値に設定されていないと、LEDヘッドから発せられた光が感光ドラム表面に焦点を結ばない所謂焦点ボケを発生し、所望の大きさの画像よりも大きく潰れた状態の画像が得られることになる。特にカラーの電子写真記録装置においては、焦点ボケの状態ではカラー画像の階調部が所望の色と異なってしまうこともあるという問題がある。
【0004】
焦点ボケを解決するための方法として、例えば特開平10−104896号公報に開示されるものが挙げられる。ここで開示されているのは、光軸方向に焦点位置を順次変化させた複数のテストパターンを搬送ベルト上に転写し、転写されたテストパターンの印刷濃度を個々に検出し、検出された印刷濃度に基づいて露光器の焦点位置が感光体の表面に一致するように調整する技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−104896号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より簡便な仕方で露光手段により形成された露光径の大きさを検出し、焦点ボケを判断する装置を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、帯電された像担持体表面を露光手段により露光し、露光された部分に付着したトナー画像を、媒体上に転写して記録を行う電子写真記録装置において、前記媒体上に複数階調パターンを転写し、前記媒体上に転写された前記複数の階調パターンの濃度を読取る濃度読取手段と、前記濃度読取手段により読取った濃度を基準値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とする。
【0008】
前記濃度読取手段は前記複数階調パターンの中間部分の濃度を読み取り、前記判断手段は、前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径が大きいと判断するようにしてもよい。また前記判断手段は、前記複数階調パターンの濃い部分と薄い部分とに対応する濃度を結ぶ直線から得られる傾きから逸れた濃度が存在する場合に前記露光径が大きいと判断するようにしてもよい。
【0009】
また本発明は、媒体上に、該媒体の移動方向に沿う方向に延在する第1のパターンと、前記移動方向に直交する方向に延在する第1のパターンとを転写し、前記第1のパターンと第2のパターンの濃度を読取る濃度読取手段と、前記濃度読取手段により読取った第1のパターンの濃度と第2のパターンの濃度の差を基準値と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面にしたがって説明する。なお各図面に共通する要素には同一の符号を付す。図1は第1の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図、図2は第1の実施の形態の電子写真記録装置を示す機構構成図である。まず図2を用いて第1の実施の形態の電子写真記録装置を説明する。なお本実施の形態ではカラーの電子写真記録装置を説明する。
【0011】
図2において、第1の実施の形態の電子写真記録装置1は、4組の印刷機構P1、P2、P3、P4が記録媒体の給入側(図における右側)から排出側(図における左側)へ順に並設されている。第1印刷機構P1は、イエローの画像形成カートリッジ2Y、露光手段としてのLEDヘッド3Y、転写ローラ4Yおよび像担持体としての感光ドラム5Yを備えている。第2、第3および第4の印刷機構P2、P3、P4も同様な構成を有し、それぞれ画像形成カートリッジ2M、2C、2K、露光手段としてのLEDヘッド3M、3C、3K、転写ローラ4M、4C、4Kおよび像担持体としての感光ドラム5M、5C、5Kを備えている。各画像形成カートリッジ2Y、2M、2C、2Kはトナー色が異なるのみで、同一の構成要素で構成される。
【0012】
各画像形成カートリッジの感光ドラム5と転写ローラ4の間には搬送ベルト6が移動可能に配設されている。搬送ベルト6は、駆動ローラ8および従動ローラ9の間に張設され、駆動ローラの回転により反時計回り方向に移動する。搬送ローラ6の下側にはクリーニング機構10および濃度センサ11が配設されている。搬送ベルト6は高抵抗の半導電性プラスチックフィルムからなり、継ぎ目なしのエンドレス状に形成されている。搬送ベルト6の抵抗値は、記録媒体が搬送ベルト6に静電吸着でき、なおかつ記録媒体が搬送ベルト6から分離されるときに搬送ベルト6に残存する静電気が自然除電できるような範囲にある。また搬送ベルト6上にあるトナーはクリーニング機構10により除去される。
【0013】
濃度センサ11は搬送ベルト6の表面(感光ドラムに対向する面)に対向して配置されている。濃度センサ11は反射型センサで、搬送ベルト6上のトナー像からの反射率を測定することにより、トナー画像の濃度を測定するためのものである。
【0014】
記録装置1の下方には給紙機構が設けられている。給紙機構は、記録媒体を収容するカセット12と、記録媒体を繰り出すためのホッピング機構13とレジストローラ15、16とを有する。ホッピング機構13とレジストローラ15、16との間には記録媒体を案内するシートガイド14が形成されている。記録媒体はホッピング機構13によりカセット12から繰り出され、図示しない搬送ローラによりシートガイド14に案内されてレジストローラ15、16まで到達される。レジストローラ15、16は、記録媒体の先端部と画像形成カートリッジ2による画像印刷のタイミングをとる。
【0015】
搬送ベルト6の下流側には定着器17が設けられている。定着器17は搬送ベルト6により搬送されてくる、トナー画像が転写された記録媒体上のトナー画像を記録媒体に定着させるもので、トナーを加熱する加熱ローラ18と加熱ローラ18とともに記録媒体を加圧する加圧ローラ19とを有する。加圧ローラ19は図示しないバネにより過熱ローラ18を圧接している。加熱ローラ18と加圧ローラ19は図示しない駆動手段により回転可能に支持されている。
【0016】
図1において、第1の実施の形態の電子写真記録装置1は、制御回路20によりその全体の動作を制御される。制御回路20には、上述した印刷機構P1、P2、P3、P4、濃度センサ11のほかに、10階調印刷パターンメモリ21および10階調濃度基準値メモリ22が接続されている。
【0017】
10階調印刷パターンメモリ21は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、搬送ベルト6に形成する印刷パターンを格納するものであり、この印刷パターンは10階調のパターンとなっている。また10階調濃度基準値メモリ22は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、濃度センサ11により検出した印刷パターンの濃度と比較すべき10階調の濃度基準値が格納しており、濃度基準値との比較により制御回路20により焦点ボケが判断される。
【0018】
次に第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を説明する。図3は第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。焦点ボケ検出動作は、実際の記録媒体への印刷動作を行っていないとき、例えば電源投入時等の所定の時期に行われる。
【0019】
LEDヘッドの焦点ボケ検出動作の起動がかかると(ステップ1)、制御回路20は、図示しないモータを駆動し、各印刷機構P1、P2、P3、P4の各感光ドラム5、各転写ローラ4および駆動ローラ8をそれぞれ回転させる(ステップ2)。制御回路20は、次に10階調印刷パターンメモリ21から10階調印刷パターンを取り出し、各印刷機構P1、P2、P3、P4に対してこの印刷パターンを印刷する指示を出す。なおこのとき制御回路20は、カセット12から記録媒体を繰り出す指示は出さない。
【0020】
各印刷機構P1、P2、P3、P4は、制御回路20の指示に従って、搬送ベルト6の移動とタイミングをとり、各感光ドラム5上に10階調のトナー像をそれぞれ形成する。感光ドラム5上のトナー像は、対向する転写ローラ4により、それぞれ搬送ベルト6上に電気的に転写される(ステップ3)。
【0021】
搬送ベルト6上に転写されたトナー像は、搬送ベルト6の移動により、濃度センサ11に対向する位置に来る。濃度センサ11は、制御回路20の指示に従って、搬送ベルト6上の10階調のトナー像の濃度を読取る(ステップ4)。読取られた濃度データは制御回路20へ送られる。
【0022】
制御回路20は、濃度センサ11により読取られたトナー像の10階調の濃度と、10階調濃度基準値メモリ22に格納しておいた10階調の濃度基準値とそれぞれ比較し、読取られたトナー像の10階調の濃度が、10階調の濃度基準値を超える場合には、LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断する(ステップ5)。
【0023】
ここでLEDヘッドの焦点ボケが発生している場合の濃度について、図4を用いて説明する。図4は焦点ボケが発生している場合の濃度を説明するための説明図である。図4(a)は焦点ボケが発生していない場合の印刷結果を示し、図4(b)は焦点ボケが発生している場合の印刷結果を示す。焦点ボケが発生していない場合、感光ドラム5上には最小径の露光スポットが形成され、ここにトナー画像が形成され、図4(a)に示すように、そのトナー画像25が搬送ベルト6上に転写される。
【0024】
これに対して焦点ボケが発生している場合、LEDヘッドから発せられる光が感光ドラム6上に焦点を結ばないために、感光ドラム5上の露光スポットが最小径よりも若干大きい径に形成される。この結果、図4(b)に示すように、若干径の大きいドット26が形成される。所望の値よりも径の大きいドット26が形成されると、そのドット26を含む領域の濃度は領域全体としては高くなる。したがって印刷結果のある領域の濃度が所定値よりも高いか否かで焦点ボケが発生しているか否かを判断することができる。
【0025】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断した場合、制御回路20は、LEDヘッドの焦点ボケが発生している旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ6)。これによりオペレータは焦点ボケの発生を知ることができる。
【0026】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していないと判断した場合、制御回路20は、LEDヘッドの焦点が合っている旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ7)。
【0027】
図5は本実施の形態において実際に10階調パターンを印刷して濃度を測定した場合の実測値の例を示すグラフである。図において、縦軸は濃度を示し、濃度は数値の大きいほど高くなる。また横軸は階調のレベルを示し、数値の大きいほど階調レベルが高い。図5に示す例では9回の実測値(a−i)が示され、そのうち焦点ボケが発生していると判断された例(NGレベル、e−i)は5例で、焦点ボケが発生していないと判断された例(OKレベル、a−d)は4例となっている。
【0028】
図5において、OKレベルは階調のレベルが上がるにつれて総じて直線的に濃度が高くなっているのに対して、NGレベルでは階調レベルの中間の部分(40乃至60の部分)で特に濃度が高くなり、OKレベルほど直線的に変化していない。中間の部分(40乃至60の部分)で特に濃度が高くなる理由としては、図4(b)に示す、若干径の大きいドットの形成が中間調の濃度に最も大きく影響するからであると考えられる。
【0029】
以上のことから焦点ボケが発生しているか否かの判断基準として、3通りの仕方が可能である。即ち、その第1として、上述した、図3のフローチャートを用いて説明した仕方で、各階調レベル(10段階の)においてそれぞれ濃度値を基準値と比較し、いずれかのレベルにおいて測定した濃度値が基準値を上まわった場合に焦点ボケが発生していると判断する仕方である。以下に示す表1は、図5に示す各実測値を数値で表したものである。
【0030】
【表1】
表1において、例えば実測値eでは階調レベル50において濃度が1.03となっており、基準値を1.0とすればこの時点で焦点ボケであると判断されることになる。
【0031】
第2の判断の仕方は、焦点ボケの場合は中間階調部分で濃度が高くなる傾向があることから、例えば10階調のパターン印刷の両端部、即ち、図5における10レベルおよび100レベルにおける濃度を結ぶ直線から大きく逸れた濃度が存在する場合に焦点ボケがあると判断する仕方である。例えば、図5において、実測値iおよび実測値hは、階調レベル50において、10レベルおよび100レベルにおける濃度を結ぶ直線から大きく逸れている。なお濃度の傾きを示す直線は、必ずしも両端部(図5の場合は10レベルおよび100レベル)でなくてもよく、両端部に近い濃度を使用して直線を求めてもよい。
【0032】
第3の判断の仕方は、焦点ボケの場合は中間階調部分で濃度が高くなる傾向があることから、中間階調部分のみの濃度を測定し、測定した濃度を基準値と比較して判断する仕方である。例えば、図5に示す40−70階調レベルの濃度だけを測定し、基準値と比較するのである。この方法によると、濃度の測定回数が少なくなり、焦点ボケの検出処理がより簡単になる。
【0033】
以上のように第1の実施の形態によれば、搬送ベルト6に階調パターンを印刷して搬送ベルト6上のトナー像の濃度を濃度センサ11で読取り、基準値と比較して焦点ボケの有無を判断しているので、実際に記録媒体に印刷することなく焦点ボケの有無が分かるとともに、より簡便な方法で焦点ボケの有無が分かるという効果がある。なお上記実施の形態では10階調の印刷バターンを搬送ベルト上に印刷して焦点ボケを検出するようにしたが、階調数は10に限定されないことは言うまでもない。
【0034】
次に第2の実施の形態を説明する。図6は第2の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。なお第2の実施の形態は、機構的構成は第1の実施の形態の電子写真記録装置1と同様である。図6において、制御回路30は装置の動作全体を制御するもので、制御回路30には、第1の実施の形態で説明した印刷機構P1、P2、P3、P4および濃度センサ11のほかに、縦横バー印刷パターンメモリ31および縦横バー濃度基準値メモリ32が接続されている。
【0035】
縦横バー印刷パターンメモリ31は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、搬送ベルト6に形成する縦バー及び横バーの印刷パターンを格納するものである。また縦横バー濃度基準値メモリ32は、LEDヘッドの焦点ボケ検出動作において、濃度センサ11により検出した縦バーの濃度と横バーの濃度との差と比較すべき濃度基準値が格納しており、濃度基準値との比較により制御回路30により焦点ボケの有無が判断される。
【0036】
次に第2の実施の形態の焦点ボケ検出動作を図2および図7に示すフローチャートに従って説明する。LEDヘッドの焦点ボケ検出動作の起動がかかると(ステップ11)、制御回路30は、図示しないモータを駆動し、各印刷機構P1、P2、P3、P4の各感光ドラム5、各転写ローラ4および駆動ローラ8をそれぞれ回転させる(ステップ12)。制御回路30は、次に縦横バー印刷パターンメモリ31から縦バーおよび横バーの印刷パターンを取り出し、各印刷機構P1、P2、P3、P4に対してこの印刷パターンを印刷する指示を出す。
【0037】
各印刷機構P1、P2、P3、P4は、制御回路30の指示に従って、搬送ベルト6の移動とタイミングをとり、各感光ドラム5上に縦バーおよび横バーのトナー像をそれぞれ形成する。感光ドラム5上のトナー像は、対向する転写ローラ4により、それぞれ搬送ベルト6上に電気的に転写される(ステップ13)。
【0038】
図8は搬送ベルト6に印刷された縦バーおよび横バーを示す。図8において、縦バーのパターン33および横バーのパターン34が印刷される。なおここで縦方向というのは、副走査方向(搬送ベルト6の移動方向)をいい、横方向というのは主走査方向(搬送ベルト6の移動方向に直交する方向)をいう。
【0039】
搬送ベルト6上に転写されたトナー像は、搬送ベルト6の移動により、濃度センサ11に対向する位置に来る。濃度センサ11は、制御回路30の指示に従って、搬送ベルト6上の縦バーおよび横バーのトナー像の濃度を読取る(ステップ14)。読取られた濃度データは制御回路30へ送られる。
【0040】
制御回路30は、濃度センサ11により読取られた縦バーの濃度と横バーの濃度との差を求める。そして縦横バー濃度基準値メモリ32に格納しておいた濃度基準値と求めた濃度差とを比較し、求めた濃度差が、濃度基準値を超える場合には、LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断する(ステップ15)。
【0041】
LEDヘッドの焦点ボケが発生していると判断した場合、制御回路30は、LEDヘッドの焦点ボケが発生している旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ16)。これによりオペレータは焦点ボケの発生を知ることができる。
【0042】
またLEDヘッドの焦点ボケが発生していないと判断した場合、制御回路30は、LEDヘッドの焦点が合っている旨のメッセージを図示しない表示部に表示させる(ステップ17)。
【0043】
図9は搬送ベルト6に印刷された縦バーおよび横バーの濃度を濃度センサ11により読取った実測値を示すグラフである。図9において、縦軸は濃度を示し、濃度は数値の大きいほど高くなる。また横軸は焦点距離を変えて測定した場合を示し、jの場合は焦点距離が合っている場合であり、右方向へ行くにつれて焦点距離を大きくしてある。即ち、sの場合が焦点距離が最も大きくずれている。
【0044】
図9から分かるように、焦点距離があっている場合は、縦バーの濃度と横バーの濃度の差はほとんど無いか、あっても極小さい。焦点距離のずれが大きくなると、縦バーの濃度と横バーの濃度の差が徐々に大きくなっていく。したがって縦バーの濃度と横バーの濃度の差が所定値を超えると焦点ボケが発生すると判断することができる。以下に示す表2は、図9に示す各実測値を数値で表したものである。
【0045】
【表2】
表2において、例えばoの場合は縦バーの濃度と横バーの濃度の差が0.07となっており、基準値を0.05とすれば焦点ボケであると判断されることになる。
【0046】
以上のように第2の実施の形態によれば、搬送ベルト6に縦横バーのパターンを印刷して搬送ベルト6上のトナー像の濃度を濃度センサ11で読取り、縦バーの濃度と横バーの濃度との差を基準値と比較して焦点ボケの有無を判断しているので、実際に記録媒体に印刷することなく焦点ボケの有無が分かるとともに、より簡便な方法で焦点ボケの有無が分かるという効果がある。さらに第2の実施の形態においては、多くの階調の印刷をしなくてすむので、検出時間が短縮されるとともに、検出に使用されるトナーの量も少なくて済む。
【0047】
検出パターンは、搬送ベルト上や印刷媒体や中間転写ベルト上に印刷することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、媒体上に複数階調パターンを転写し、媒体上に転写された複数階調パターンの濃度を読取る濃度読取手段と、濃度読取手段により読取った濃度を基準値と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果に基づいて、露光手段による像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたので、または、媒体上に、該媒体の移動方向に沿う方向に延在する第1のパターンと、前記移動方向に直交する方向に延在する第1のパターンとを転写し、前記第1のパターンと第2のパターンの濃度を読取る濃度読取手段と、濃度読取手段により読取った第1のパターンの濃度と第2のパターンの濃度の差を基準値と比較する比較手段と、比較手段による比較の結果、濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、露光手段による像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことにより、より簡便な方法で焦点ボケを検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の電子写真記録装置を示す機構構成図である。
【図3】第1の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。
【図4】焦点ボケが発生している場合の濃度を説明するための説明図である。
【図5】濃度の実測値の例を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態の電子写真記録装置の要部を示す制御ブロック図である。
【図7】第2の実施の形態における焦点ボケ検出動作を示すフローチャートである。
【図8】縦横バーの印刷パターンを示す説明図である。
【図9】縦横バーの濃度の実測値を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電子写真記録装置
3、3Y、3M、3C、3K LEDヘッド
5、5Y、5M、5C、5K 感光ドラム
6 搬送ベルト
11 濃度センサ
20、30 制御回路
Claims (4)
- 帯電された像担持体表面を露光手段により露光し、露光された部分に付着したトナー画像を、媒体上に転写して記録を行う電子写真記録装置において、
前記媒体上に複数階調パターンを転写する転写手段と、
前記媒体上に転写された前記複数の階調パターンの濃度を読取る濃度読取手段と、
前記濃度読取手段により読取った各濃度を基準値と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果に基づいて、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とする電子写真記録装置。 - 前記濃度読取手段は前記複数階調パターンの中間部分の濃度を読み取り、
前記判断手段は、前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径が大きいと判断する請求項1記載の電子写真記録装置。 - 前記判断手段は、前記複数階調パターンの濃い部分と薄い部分とに対応する濃度を結ぶ直線から得られる傾きから逸れた濃度が存在する場合に前記露光径が大きいと判断する請求項1記載の電子写真記録装置。
- 帯電された像担持体表面を露光手段により露光し、露光された部分に付着したトナー画像を、媒体上に転写して記録を行う電子写真記録装置において、
前記媒体上に、該媒体の移動方向に沿う方向に延在する第1のパターンと、前記移動方向に直交する方向に延在する第1のパターンとを転写し、
前記第1のパターンと第2のパターンの濃度を読取る濃度読取手段と、
前記濃度読取手段により読取った第1のパターンの濃度と第2のパターンの濃度の差を基準値と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、前記濃度読取手段により読取られた濃度が基準値よりも高い場合に、前記露光手段による前記像担持体表面への光の露光径の大きさを判断する判断手段とを設けたことを特徴とする電子写真記録装置。
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