JP2005017444A - 保護シートの剥離方法および保護シート剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シートの剥離方法およびそれに適用される保護シート剥離装置を得る。
【解決手段】押圧プレートを偏光板に向かって移動させて保護シート2bの端部側を押圧し、該保護シート2bの押圧部近傍を偏光板1から剥離させ、剥離プレート12を偏光板1の表面に沿って保護シート2bの剥離部に進入させて剥離部を拡大させる。ついで、チャック17により保護シート2bの剥離拡大部24を把持させた後、該チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させる。
【選択図】 図7
【解決手段】押圧プレートを偏光板に向かって移動させて保護シート2bの端部側を押圧し、該保護シート2bの押圧部近傍を偏光板1から剥離させ、剥離プレート12を偏光板1の表面に沿って保護シート2bの剥離部に進入させて剥離部を拡大させる。ついで、チャック17により保護シート2bの剥離拡大部24を把持させた後、該チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させる。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶パネルの偏光板などの薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法および剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶パネルの両面に貼り付けられる矩形状の偏光板は、その表裏の両面を保護するために、それぞれ同一形状の保護シートが付着されている。そして、この偏光板を偏光板貼付装置にセットして液層パネルに貼り付ける際には、貼付工程の前工程で保護シートを剥離する必要がある。
従来の保護シートの剥離方法では、まず、固定された偏光板上の保護シートの1つの頂点部に1本の粘着テープを粘着させ、棒状の剥離ローラの回転面で粘着テープの背面を押圧する。ついで、粘着テープに一定の張力を与え、その背面を剥離ローラの回転面で押圧した状態を維持しつつ粘着テープの端部を引き上げる。そして、剥離ローラの回転軸を保護シートの対角線方向に変位させている。これにより、保護シートは、1つの頂点部から対角線方向の頂点部方向に徐々に偏光板より剥離される。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−114384号公報(段落[0010]、[0011]、図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の保護シート剥離方法においては、保護シートの剥離開始点生成のために粘着テープが必要となり、ランニングコストが発生し、液晶パネルの組立コスト低減化が図れないという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シートの剥離方法およびそれに適用される保護シート剥離装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法であって、押圧プレートを上記薄板に向かって移動させて上記保護シートの端部を押圧し、該保護シートの押圧部近傍を該薄板から剥離させる工程と、剥離プレートを上記薄板の表面に沿って上記保護シートの剥離部に進入させて該剥離部を拡大させる工程と、チャックにより上記保護シートの剥離拡大部を把持させた後、該チャックを移動させて上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させる工程とを備えているものである。
【0007】
また、薄板の表面に付着している保護シートを剥離する装置であって、上記薄板を固定する薄板固定機構と、上記保護シートを押圧して該保護シートの押圧部近傍を上記薄板から剥離させる押圧プレートと、上記薄板の表面に対して上記押圧プレートを上記保護シートを押圧する方向に移動させる押圧プレート移動機構と、上記保護シートの剥離部に進入して該剥離部を拡大させる剥離プレートと、上記薄板の表面に対して実質的に平行な方向に上記剥離プレートを移動させる剥離プレート移動機構と、上記保護シートの剥離拡大部を把持するチャックと、上記薄板の表面に対してチャックを移動させて、上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させるチャック移動機構とを備えているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による保護シート剥離装置の構成を説明する模式図、図2はこの発明の実施の形態1による保護シート剥離装置に用いられる偏光板を示す外観斜視図である。
図1および図2において、薄板としての偏光板1は、矩形形状に形成され、同一形状の保護シート2a、2bがその表裏の表面にそれぞれ付着されている。
薄板固定機構3は、載置面4aを架台21に対向させて配置された吸着プレート4と、吸引ポンプ5とから構成されている。そして、吸引ポンプ5の作動により、吸着プレート4の載置面4aに載置された偏光板1を吸着固定する。
【0009】
押圧プレート6は、先端がR形状に形成され、吸着プレート4に吸着固定されている偏光板1の保護シート2bを押圧し、保護シート2bの押圧部近傍を偏光板1から剥離させる。
押圧プレート移動機構7は、押圧プレート6を駆動するエアシリンダ8と、エアシリンダ8を駆動するためのコンプレッサ9とから構成されている。そして、エアシリンダ8が、押圧プレート移動機構移動手段11により、架台21上に設置されたガイド部材10に案内されて、動作位置と、退避位置との間を往復移動するように構成されている。この押圧プレート移動機構移動手段11は、例えばモータと、モータの回転力をエアシリンダ8を往復移動させる直線力に変換する公知の動力変換機構とから構成されている。そして、エアシリンダ8が動作位置に位置しているときに、圧縮空気が電磁弁18aの作動によりコンプレッサ9からエアシリンダ8に供給される。これにより、押圧プレート6が吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の表面に対して、直交する方向から押圧する。押圧プレート6の偏光板1の表面に対する押圧角度は、押圧プレート6の先端がR形状に形成されているので、60度などの角度でもよい。
【0010】
剥離プレート12は、先端が傾斜面に形成され、吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の保護シート2bの剥離部23に進入して該剥離部23を拡大させる。
剥離プレート移動機構13は、剥離プレート12を支持する剥離プレート支持部14と、剥離プレート支持部14を昇降させる第1駆動モータ15と、剥離プレート12を剥離プレート支持部14の昇降方向と直交する方向に往復移動させる第2駆動モータ16とから構成され、架台21上に配置されている。そして、第1駆動モータ15の作動により剥離プレート12の高さ位置が調整され、第2駆動モータ16の作動により、剥離プレート12が剥離プレート支持部14から伸縮される。この時、剥離プレート12の伸縮方向は吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の表面に対して実質的に平行となっている。ここで、実質的に平行とは、剥離プレート12の伸縮方向と偏光板1の表面とが平行な場合のみならず、僅かな角度を有する場合を含むものである。
【0011】
チャック17は、圧縮空気が電磁弁18bの作動によりコンプレッサ9から供給され、把持アーム17aが剥離プレート12により拡大された保護シート2bの剥離拡大部24を把持するように構成されている。
チャック移動機構19は、架台21上に配設され、圧縮空気が電磁弁18cの作動によりコンプレッサ9から供給され、チャック17を、剥離拡大部24の把持位置と保護シート2bの剥離完了位置との間を、吸着プレート4に吸着固定されている偏光板1の表面に対して平行な方向に移動させるように構成されている。上記例では、チャック移動機構19の移動方向として、偏光板1の表面に対して平行な方向として説明しているが、保護シート2bが剥離できるのであれば他の角度でもよい。また、ここで、剥離拡大部24の把持位置のチャック17と、退避位置のエアシリンダ8とは、互いに干渉しない位置関係となっている。
制御手段22は、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどを駆動制御するものである。
【0012】
つぎに、このように構成された保護シート剥離装置を用いた保護シートの剥離方法について図3乃至図8を参照しつつ説明する。なお、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどの駆動は、制御手段22により制御される。
【0013】
まず、偏光板1が吸着プレート4の載置面4aに載置され、吸引ポンプ5が駆動される。これにより、偏光板1が保護シート2bを架台21に向けて吸着プレート4に吸着・固定される。
そして、押圧プレート移動機構移動手段11が駆動され、エアシリンダ8がガイド部材10に案内されて作動位置まで移動する。また、第1駆動モータ15が駆動され、剥離プレート支持部14が所定量昇降される。これにより、押圧プレート6は、図3および図4に示されるように、保護シート2bの端部側(一頂点近傍)に相対している。また、剥離プレート12は、図3に示されるように、偏光板1の保護シート2bの付着面より僅かに低い高さ位置に位置している。
【0014】
ついで、コンプレッサ9が駆動される。そして、電磁弁18aが作動され、圧縮空気がエアシリンダ8に供給されて、押圧プレート6が保護シート2bを押圧する。このとき、保護シート2bは偏光板1より柔らかいことから、押圧プレート6の押圧部において、保護シート2bの表面側が偏光板1側に押し込まれ、保護シート2bの裏面側(偏光板2側)が伸長される。これにより、保護シート2bが、図5に示されるように、偏光板1より剥離され、剥離部23が生成される。
ついで、第2駆動モータ16が駆動され、剥離プレート12が偏光板1の表面と平行に伸長される。これにより、剥離プレート12が、図6に示されるように、保護シート2bの剥離部23と偏光板1との隙間に進入し、該剥離部23が拡大される。
【0015】
ついで、電磁弁18aがエアシリンダ8の吸気ポートを切り換えるように作動され、押圧プレート6が保護シート2bから離反する位置(初期位置)に戻される。そこで、押圧プレート移動機構移動手段11が駆動され、エアシリンダ8がガイド部材10に案内されて動作位置から退避位置に移動される。
【0016】
ついで、電磁弁18cが作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17を把持位置に移動させるようにチャック移動機構19に供給される。これにより、チャック17が、図7に示されるように、剥離完了位置から把持位置まで移動される。そこで、電磁弁18bが作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17に供給され、把持アーム17aが作動して保護シート2bの剥離拡大部24を把持する。その後、電磁弁18cがチャック移動機構19の吸気ポートを切り換えるように作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17を剥離完了位置に移動させるようにチャック移動機構19に供給される。これにより、チャック17が、図8に示されるように、保護シート2bの対角方向に把持位置から剥離完了置まで移動される。そこで、保護シート2bが保護シート2bの剥離拡大部24を把持しているチャック17の移動とともに偏光板1から剥離し、ついには偏光板1から完全に剥離される。
そして、吸引ポンプ5の駆動が停止され、偏光板1の吸着が解除される。
【0017】
このように、この実施の形態1によれば、押圧プレート6を保護シート2bに押圧して保護シート2bの押圧部近傍を剥離させ、剥離プレート12を保護シート2bの剥離部23に進入させて剥離部23を拡大させ、保護シート2bの剥離拡大部24をチャック17に把持させた後、チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させているので、従来の方法のように、粘着テープを用いて保護シートの剥離開始点を生成する必要がない。そこで、副資材である粘着テープが不要となるので、粘着テープの交換作業がなくなり、装置の稼働率が向上するとともに、ランニングコストが不要となり、保護シート2bを安価に剥離することができる。
また、粘着テープを用いた場合には、粘着テープが装置や治具などに粘着する恐れがある。そして、粘着テープが装置や治具などに粘着すると、その度に、保護シート2bの剥離作業を中断し、粘着テープを粘着箇所から剥がし、その部位を切り捨てることになる。しかし、本保護シートの剥離方法では、粘着テープを用いていないので、保護シート2bを偏光板1から安定して生産性よく剥離することができる。
従って、この保護シートの剥離方法を液晶パネル用の偏光板に適用すれば、液晶パネルの組立コスト低減化を図ることができる。
【0018】
また、偏光板1を吸着固定する薄板固定機構3と、保護シート2bを押圧して押圧部近傍を偏光板1から剥離させる押圧プレート6と、偏光板1の表面に対して押圧プレート6を移動させる押圧プレート移動機構7と、保護シート2bの剥離部23に進入して剥離部23を拡大させる剥離プレート12と、偏光板1の表面に対して実質的に平行な方向に剥離プレート12を移動させる剥離プレート移動機構13と、保護シート2bの剥離拡大部24を把持するチャック17と、偏光板1の表面に対してチャック17を移動させて、保護シート2bを偏光板1から剥離させるチャック移動機構19とを備えているので、粘着テープを用いることなく、保護シート2bを偏光板1から安定して剥離できる簡易な構成の保護シート剥離装置を実現することができる。
【0019】
また、制御手段22が、押圧プレート6を移動させて保護シート2bを押圧させ、ついで剥離プレート12を移動させて剥離部23に進入させ、ついでチャック17で剥離拡大部24を把持させ、その後チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させるように、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどの駆動を制御しているので、保護シート2bの剥離工程の自動化を実現できる。
【0020】
また、押圧プレート移動機構7がエアシリンダ8とコンプレッサ9とからなるエア駆動により構成されているので、コンプレッサ9からの圧縮空気の圧力を調整することにより押圧プレート6の押圧力を制御できる。そこで、押圧プレート6が過度の押圧力で保護シート2bを押圧することが未然に防止でき、偏光板1に傷の発生を防止することができる。
また、剥離プレート移動機構13が高さ調整可能に構成されているので、異なる厚みの偏光板1にも適用でき、汎用性に優れた保護シート剥離装置を実現できる。
【0021】
なお、上記実施の形態1では、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cの駆動手段を用いて各偏光板2の吸着動作、保護シート2bの剥離部23の生成動作、剥離拡大部24の形成動作、剥離拡大部24の把持動作、保護シート2bの剥離動作などを実行させるようにしているが、各動作を実行する駆動手段はこれらに限定されるものではなく、人間による動作を含め他の駆動手段を用いてもよい。
また、上記実施の形態1では、保護シート2bを偏光板1から剥離するものとして説明しているが、保護シート2aを偏光板1から剥離する場合に適用してもよい。
【0022】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係る保護シート剥離装置の要部を示す模式図である。
図9において、チャック17がモータ駆動装置25により移動されるようになっている。そして、モータ駆動装置25の回転運動は、動力変換機構(図示せず)を介して直線運動に変換される。ここで、動力変換機構は、例えば螺旋体とこの螺旋体に螺合するナットとから構成され、ナットをチャック17に固定し、モータ駆動装置25により螺旋体を回転させて、チャック17を把持位置と剥離完了位置との間を往復移動させるようにしている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0023】
この実施の形態2では、剥離プレート12が剥離部23に進入して剥離拡大部24を形成した後、チャック17がモータ駆動装置25により把持位置まで移動される。そこで、チャック17が剥離拡大部24を把持した後、チャック17がモータ駆動装置25により剥離完了位置まで移動され、保護シート2bが偏光板1から剥離する。
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、保護シート2bを偏光板から安定して、生産性よく、安価に剥離することができる。
【0024】
ここで、剥離中の保護シート2bにおいては、剥離している保護シート2bの線幅(保護シートと偏光板との剥離界面に相当)が漸次増加し、剥離位置が偏光板1の中心位置に到達したときに最大となり、その後漸次減少する。そして、剥離している保護シート2bの線幅が大きいほど剥離速度を遅くする必要がある。そこで、上記実施の形態1では、チャック17がエア駆動により移動されるようになっているので、チャック17の移動速度は一定となる。そのため、保護シート2bを安定して剥離するために、チャック17の移動速度は剥離している保護シート2bの線幅が最大となる状態における剥離速度に設定することになり、保護シート2bの剥離時間が長くなってしまうことになる。
【0025】
一方、この実施の形態2では、チャック17をモータ駆動により移動させているので、チャック17の移動速度を任意に制御することができる。つまり、チャック17の移動速度を剥離している保護シート2bの線幅に合わせて調整できる。そこで、剥離している保護シート2bの線幅が小さいときには、チャック17の移動速度を高速とし、保護シート2bの線幅が大きいときには、チャック17の移動速度を低速とするように制御手段22によりモータ駆動装置25を制御することにより、保護シート2bを安定して剥離しつつ、保護シート2bの剥離時間を短縮することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態2では、螺旋体とこの螺旋体に螺合するナットとから構成される動力変換機構を用いるものとして説明しているが、動力変換機構はこの構成に限定されるものではなく、モータ駆動装置25の駆動力がチャック17を把持位置と剥離完了位置との間を往復移動させる力に変換されるものであればよい。
【0027】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係る保護シート剥離装置の要部を示す模式図である。
図10において、吸着穴26がチャック17に穿設され、真空ポンプ27がホース28を介して吸着穴26に接続されている。そして、真空圧ゲージ29がホース28の経路中に配設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0028】
この実施の形態3では、チャック17が剥離拡大部24を把持する前に、真空ポンプ27を作動させて剥離拡大部24をチャック17に真空吸着させる。そして、制御手段22が、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧に達しているか否かを判定する。ついで、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧となっていると判定すると、電磁弁18bが作動され、把持アーム17aが保護シート2bの剥離拡大部24を把持する。また、制御手段22が、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧となっていないと判定すると、剥離拡大部24の把持が不完全であるとし、報知手段(図示せず)により作業者に報知する。そこで、作業者が、剥離拡大部24をチャック17に真空吸着させる。その後、上記実施の形態1と同様に、チャック17を剥離完了位置まで移動させる。
【0029】
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態3によれば、チャック17による剥離拡大部24の把持不良の発生が未然に防止でき、保護シート2bを確実に剥離することができる。
【0030】
なお、上記各実施の形態では、偏光板1の表面に付着している保護シートを剥離するものとして説明しているが、本発明は偏光板に限らず、薄板の表面に付着している保護シートであれば同様に適用できる。
【0031】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法であって、押圧プレートを上記薄板に向かって移動させて上記保護シートの端部を押圧し、該保護シートの押圧部近傍を該薄板から剥離させる工程と、剥離プレートを上記薄板の表面に沿って上記保護シートの剥離部に進入させて該剥離部を拡大させる工程と、チャックにより上記保護シートの剥離拡大部を把持させた後、該チャックを移動させて上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させる工程とを備えているので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シートの剥離方法が得られる。
【0032】
また、薄板の表面に付着している保護シートを剥離する装置であって、上記薄板を固定する薄板固定機構と、上記保護シートを押圧して該保護シートの押圧部近傍を上記薄板から剥離させる押圧プレートと、上記薄板の表面に対して上記押圧プレートを上記保護シートを押圧する方向に移動させる押圧プレート移動機構と、上記保護シートの剥離部に進入して該剥離部を拡大させる剥離プレートと、上記薄板の表面に対して実質的に平行な方向に上記剥離プレートを移動させる剥離プレート移動機構と、上記保護シートの剥離拡大部を把持するチャックと、上記薄板の表面に対してチャックを移動させて、上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させるチャック移動機構とを備えているので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シート剥離装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による保護シート剥離装置の構成を説明する模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1による保護シート剥離装置に用いられる偏光板を示す外観斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における押圧プレートおよび剥離プレートの初期状態を示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における押圧プレートの初期状態を示す保護シートの背面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シート剥離開始点の生成工程を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離拡大部の形成工程を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離拡大部の把持工程を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離工程を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態2による保護シート剥離装置の要部を説明する模式図である。
【図10】この発明の実施の形態3による保護シート剥離装置の要部を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 偏光板、2a、2b 保護シート、3 薄板固定機構、6 押圧プレート、7 押圧プレート移動機構、12 剥離プレート、13 剥離プレート移動機構、17 チャック、19 チャック移動機構、23 剥離部、24 剥離拡大部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば液晶パネルの偏光板などの薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法および剥離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶パネルの両面に貼り付けられる矩形状の偏光板は、その表裏の両面を保護するために、それぞれ同一形状の保護シートが付着されている。そして、この偏光板を偏光板貼付装置にセットして液層パネルに貼り付ける際には、貼付工程の前工程で保護シートを剥離する必要がある。
従来の保護シートの剥離方法では、まず、固定された偏光板上の保護シートの1つの頂点部に1本の粘着テープを粘着させ、棒状の剥離ローラの回転面で粘着テープの背面を押圧する。ついで、粘着テープに一定の張力を与え、その背面を剥離ローラの回転面で押圧した状態を維持しつつ粘着テープの端部を引き上げる。そして、剥離ローラの回転軸を保護シートの対角線方向に変位させている。これにより、保護シートは、1つの頂点部から対角線方向の頂点部方向に徐々に偏光板より剥離される。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−114384号公報(段落[0010]、[0011]、図1および図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の保護シート剥離方法においては、保護シートの剥離開始点生成のために粘着テープが必要となり、ランニングコストが発生し、液晶パネルの組立コスト低減化が図れないという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シートの剥離方法およびそれに適用される保護シート剥離装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法であって、押圧プレートを上記薄板に向かって移動させて上記保護シートの端部を押圧し、該保護シートの押圧部近傍を該薄板から剥離させる工程と、剥離プレートを上記薄板の表面に沿って上記保護シートの剥離部に進入させて該剥離部を拡大させる工程と、チャックにより上記保護シートの剥離拡大部を把持させた後、該チャックを移動させて上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させる工程とを備えているものである。
【0007】
また、薄板の表面に付着している保護シートを剥離する装置であって、上記薄板を固定する薄板固定機構と、上記保護シートを押圧して該保護シートの押圧部近傍を上記薄板から剥離させる押圧プレートと、上記薄板の表面に対して上記押圧プレートを上記保護シートを押圧する方向に移動させる押圧プレート移動機構と、上記保護シートの剥離部に進入して該剥離部を拡大させる剥離プレートと、上記薄板の表面に対して実質的に平行な方向に上記剥離プレートを移動させる剥離プレート移動機構と、上記保護シートの剥離拡大部を把持するチャックと、上記薄板の表面に対してチャックを移動させて、上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させるチャック移動機構とを備えているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による保護シート剥離装置の構成を説明する模式図、図2はこの発明の実施の形態1による保護シート剥離装置に用いられる偏光板を示す外観斜視図である。
図1および図2において、薄板としての偏光板1は、矩形形状に形成され、同一形状の保護シート2a、2bがその表裏の表面にそれぞれ付着されている。
薄板固定機構3は、載置面4aを架台21に対向させて配置された吸着プレート4と、吸引ポンプ5とから構成されている。そして、吸引ポンプ5の作動により、吸着プレート4の載置面4aに載置された偏光板1を吸着固定する。
【0009】
押圧プレート6は、先端がR形状に形成され、吸着プレート4に吸着固定されている偏光板1の保護シート2bを押圧し、保護シート2bの押圧部近傍を偏光板1から剥離させる。
押圧プレート移動機構7は、押圧プレート6を駆動するエアシリンダ8と、エアシリンダ8を駆動するためのコンプレッサ9とから構成されている。そして、エアシリンダ8が、押圧プレート移動機構移動手段11により、架台21上に設置されたガイド部材10に案内されて、動作位置と、退避位置との間を往復移動するように構成されている。この押圧プレート移動機構移動手段11は、例えばモータと、モータの回転力をエアシリンダ8を往復移動させる直線力に変換する公知の動力変換機構とから構成されている。そして、エアシリンダ8が動作位置に位置しているときに、圧縮空気が電磁弁18aの作動によりコンプレッサ9からエアシリンダ8に供給される。これにより、押圧プレート6が吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の表面に対して、直交する方向から押圧する。押圧プレート6の偏光板1の表面に対する押圧角度は、押圧プレート6の先端がR形状に形成されているので、60度などの角度でもよい。
【0010】
剥離プレート12は、先端が傾斜面に形成され、吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の保護シート2bの剥離部23に進入して該剥離部23を拡大させる。
剥離プレート移動機構13は、剥離プレート12を支持する剥離プレート支持部14と、剥離プレート支持部14を昇降させる第1駆動モータ15と、剥離プレート12を剥離プレート支持部14の昇降方向と直交する方向に往復移動させる第2駆動モータ16とから構成され、架台21上に配置されている。そして、第1駆動モータ15の作動により剥離プレート12の高さ位置が調整され、第2駆動モータ16の作動により、剥離プレート12が剥離プレート支持部14から伸縮される。この時、剥離プレート12の伸縮方向は吸着プレート4に吸着固定された偏光板1の表面に対して実質的に平行となっている。ここで、実質的に平行とは、剥離プレート12の伸縮方向と偏光板1の表面とが平行な場合のみならず、僅かな角度を有する場合を含むものである。
【0011】
チャック17は、圧縮空気が電磁弁18bの作動によりコンプレッサ9から供給され、把持アーム17aが剥離プレート12により拡大された保護シート2bの剥離拡大部24を把持するように構成されている。
チャック移動機構19は、架台21上に配設され、圧縮空気が電磁弁18cの作動によりコンプレッサ9から供給され、チャック17を、剥離拡大部24の把持位置と保護シート2bの剥離完了位置との間を、吸着プレート4に吸着固定されている偏光板1の表面に対して平行な方向に移動させるように構成されている。上記例では、チャック移動機構19の移動方向として、偏光板1の表面に対して平行な方向として説明しているが、保護シート2bが剥離できるのであれば他の角度でもよい。また、ここで、剥離拡大部24の把持位置のチャック17と、退避位置のエアシリンダ8とは、互いに干渉しない位置関係となっている。
制御手段22は、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどを駆動制御するものである。
【0012】
つぎに、このように構成された保護シート剥離装置を用いた保護シートの剥離方法について図3乃至図8を参照しつつ説明する。なお、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどの駆動は、制御手段22により制御される。
【0013】
まず、偏光板1が吸着プレート4の載置面4aに載置され、吸引ポンプ5が駆動される。これにより、偏光板1が保護シート2bを架台21に向けて吸着プレート4に吸着・固定される。
そして、押圧プレート移動機構移動手段11が駆動され、エアシリンダ8がガイド部材10に案内されて作動位置まで移動する。また、第1駆動モータ15が駆動され、剥離プレート支持部14が所定量昇降される。これにより、押圧プレート6は、図3および図4に示されるように、保護シート2bの端部側(一頂点近傍)に相対している。また、剥離プレート12は、図3に示されるように、偏光板1の保護シート2bの付着面より僅かに低い高さ位置に位置している。
【0014】
ついで、コンプレッサ9が駆動される。そして、電磁弁18aが作動され、圧縮空気がエアシリンダ8に供給されて、押圧プレート6が保護シート2bを押圧する。このとき、保護シート2bは偏光板1より柔らかいことから、押圧プレート6の押圧部において、保護シート2bの表面側が偏光板1側に押し込まれ、保護シート2bの裏面側(偏光板2側)が伸長される。これにより、保護シート2bが、図5に示されるように、偏光板1より剥離され、剥離部23が生成される。
ついで、第2駆動モータ16が駆動され、剥離プレート12が偏光板1の表面と平行に伸長される。これにより、剥離プレート12が、図6に示されるように、保護シート2bの剥離部23と偏光板1との隙間に進入し、該剥離部23が拡大される。
【0015】
ついで、電磁弁18aがエアシリンダ8の吸気ポートを切り換えるように作動され、押圧プレート6が保護シート2bから離反する位置(初期位置)に戻される。そこで、押圧プレート移動機構移動手段11が駆動され、エアシリンダ8がガイド部材10に案内されて動作位置から退避位置に移動される。
【0016】
ついで、電磁弁18cが作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17を把持位置に移動させるようにチャック移動機構19に供給される。これにより、チャック17が、図7に示されるように、剥離完了位置から把持位置まで移動される。そこで、電磁弁18bが作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17に供給され、把持アーム17aが作動して保護シート2bの剥離拡大部24を把持する。その後、電磁弁18cがチャック移動機構19の吸気ポートを切り換えるように作動され、圧縮空気がコンプレッサ9からチャック17を剥離完了位置に移動させるようにチャック移動機構19に供給される。これにより、チャック17が、図8に示されるように、保護シート2bの対角方向に把持位置から剥離完了置まで移動される。そこで、保護シート2bが保護シート2bの剥離拡大部24を把持しているチャック17の移動とともに偏光板1から剥離し、ついには偏光板1から完全に剥離される。
そして、吸引ポンプ5の駆動が停止され、偏光板1の吸着が解除される。
【0017】
このように、この実施の形態1によれば、押圧プレート6を保護シート2bに押圧して保護シート2bの押圧部近傍を剥離させ、剥離プレート12を保護シート2bの剥離部23に進入させて剥離部23を拡大させ、保護シート2bの剥離拡大部24をチャック17に把持させた後、チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させているので、従来の方法のように、粘着テープを用いて保護シートの剥離開始点を生成する必要がない。そこで、副資材である粘着テープが不要となるので、粘着テープの交換作業がなくなり、装置の稼働率が向上するとともに、ランニングコストが不要となり、保護シート2bを安価に剥離することができる。
また、粘着テープを用いた場合には、粘着テープが装置や治具などに粘着する恐れがある。そして、粘着テープが装置や治具などに粘着すると、その度に、保護シート2bの剥離作業を中断し、粘着テープを粘着箇所から剥がし、その部位を切り捨てることになる。しかし、本保護シートの剥離方法では、粘着テープを用いていないので、保護シート2bを偏光板1から安定して生産性よく剥離することができる。
従って、この保護シートの剥離方法を液晶パネル用の偏光板に適用すれば、液晶パネルの組立コスト低減化を図ることができる。
【0018】
また、偏光板1を吸着固定する薄板固定機構3と、保護シート2bを押圧して押圧部近傍を偏光板1から剥離させる押圧プレート6と、偏光板1の表面に対して押圧プレート6を移動させる押圧プレート移動機構7と、保護シート2bの剥離部23に進入して剥離部23を拡大させる剥離プレート12と、偏光板1の表面に対して実質的に平行な方向に剥離プレート12を移動させる剥離プレート移動機構13と、保護シート2bの剥離拡大部24を把持するチャック17と、偏光板1の表面に対してチャック17を移動させて、保護シート2bを偏光板1から剥離させるチャック移動機構19とを備えているので、粘着テープを用いることなく、保護シート2bを偏光板1から安定して剥離できる簡易な構成の保護シート剥離装置を実現することができる。
【0019】
また、制御手段22が、押圧プレート6を移動させて保護シート2bを押圧させ、ついで剥離プレート12を移動させて剥離部23に進入させ、ついでチャック17で剥離拡大部24を把持させ、その後チャック17を移動させて保護シート2bを偏光板1から剥離させるように、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cなどの駆動を制御しているので、保護シート2bの剥離工程の自動化を実現できる。
【0020】
また、押圧プレート移動機構7がエアシリンダ8とコンプレッサ9とからなるエア駆動により構成されているので、コンプレッサ9からの圧縮空気の圧力を調整することにより押圧プレート6の押圧力を制御できる。そこで、押圧プレート6が過度の押圧力で保護シート2bを押圧することが未然に防止でき、偏光板1に傷の発生を防止することができる。
また、剥離プレート移動機構13が高さ調整可能に構成されているので、異なる厚みの偏光板1にも適用でき、汎用性に優れた保護シート剥離装置を実現できる。
【0021】
なお、上記実施の形態1では、吸引ポンプ5、コンプレッサ9、押圧プレート移動機構移動手段11、第1駆動モータ15、第2駆動モータ16、電磁弁18a〜18cの駆動手段を用いて各偏光板2の吸着動作、保護シート2bの剥離部23の生成動作、剥離拡大部24の形成動作、剥離拡大部24の把持動作、保護シート2bの剥離動作などを実行させるようにしているが、各動作を実行する駆動手段はこれらに限定されるものではなく、人間による動作を含め他の駆動手段を用いてもよい。
また、上記実施の形態1では、保護シート2bを偏光板1から剥離するものとして説明しているが、保護シート2aを偏光板1から剥離する場合に適用してもよい。
【0022】
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係る保護シート剥離装置の要部を示す模式図である。
図9において、チャック17がモータ駆動装置25により移動されるようになっている。そして、モータ駆動装置25の回転運動は、動力変換機構(図示せず)を介して直線運動に変換される。ここで、動力変換機構は、例えば螺旋体とこの螺旋体に螺合するナットとから構成され、ナットをチャック17に固定し、モータ駆動装置25により螺旋体を回転させて、チャック17を把持位置と剥離完了位置との間を往復移動させるようにしている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0023】
この実施の形態2では、剥離プレート12が剥離部23に進入して剥離拡大部24を形成した後、チャック17がモータ駆動装置25により把持位置まで移動される。そこで、チャック17が剥離拡大部24を把持した後、チャック17がモータ駆動装置25により剥離完了位置まで移動され、保護シート2bが偏光板1から剥離する。
従って、この実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、保護シート2bを偏光板から安定して、生産性よく、安価に剥離することができる。
【0024】
ここで、剥離中の保護シート2bにおいては、剥離している保護シート2bの線幅(保護シートと偏光板との剥離界面に相当)が漸次増加し、剥離位置が偏光板1の中心位置に到達したときに最大となり、その後漸次減少する。そして、剥離している保護シート2bの線幅が大きいほど剥離速度を遅くする必要がある。そこで、上記実施の形態1では、チャック17がエア駆動により移動されるようになっているので、チャック17の移動速度は一定となる。そのため、保護シート2bを安定して剥離するために、チャック17の移動速度は剥離している保護シート2bの線幅が最大となる状態における剥離速度に設定することになり、保護シート2bの剥離時間が長くなってしまうことになる。
【0025】
一方、この実施の形態2では、チャック17をモータ駆動により移動させているので、チャック17の移動速度を任意に制御することができる。つまり、チャック17の移動速度を剥離している保護シート2bの線幅に合わせて調整できる。そこで、剥離している保護シート2bの線幅が小さいときには、チャック17の移動速度を高速とし、保護シート2bの線幅が大きいときには、チャック17の移動速度を低速とするように制御手段22によりモータ駆動装置25を制御することにより、保護シート2bを安定して剥離しつつ、保護シート2bの剥離時間を短縮することができる。
【0026】
なお、上記実施の形態2では、螺旋体とこの螺旋体に螺合するナットとから構成される動力変換機構を用いるものとして説明しているが、動力変換機構はこの構成に限定されるものではなく、モータ駆動装置25の駆動力がチャック17を把持位置と剥離完了位置との間を往復移動させる力に変換されるものであればよい。
【0027】
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係る保護シート剥離装置の要部を示す模式図である。
図10において、吸着穴26がチャック17に穿設され、真空ポンプ27がホース28を介して吸着穴26に接続されている。そして、真空圧ゲージ29がホース28の経路中に配設されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0028】
この実施の形態3では、チャック17が剥離拡大部24を把持する前に、真空ポンプ27を作動させて剥離拡大部24をチャック17に真空吸着させる。そして、制御手段22が、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧に達しているか否かを判定する。ついで、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧となっていると判定すると、電磁弁18bが作動され、把持アーム17aが保護シート2bの剥離拡大部24を把持する。また、制御手段22が、真空圧ゲージ29の値が所定の真空吸着圧となっていないと判定すると、剥離拡大部24の把持が不完全であるとし、報知手段(図示せず)により作業者に報知する。そこで、作業者が、剥離拡大部24をチャック17に真空吸着させる。その後、上記実施の形態1と同様に、チャック17を剥離完了位置まで移動させる。
【0029】
従って、この実施の形態3においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
また、この実施の形態3によれば、チャック17による剥離拡大部24の把持不良の発生が未然に防止でき、保護シート2bを確実に剥離することができる。
【0030】
なお、上記各実施の形態では、偏光板1の表面に付着している保護シートを剥離するものとして説明しているが、本発明は偏光板に限らず、薄板の表面に付着している保護シートであれば同様に適用できる。
【0031】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法であって、押圧プレートを上記薄板に向かって移動させて上記保護シートの端部を押圧し、該保護シートの押圧部近傍を該薄板から剥離させる工程と、剥離プレートを上記薄板の表面に沿って上記保護シートの剥離部に進入させて該剥離部を拡大させる工程と、チャックにより上記保護シートの剥離拡大部を把持させた後、該チャックを移動させて上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させる工程とを備えているので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シートの剥離方法が得られる。
【0032】
また、薄板の表面に付着している保護シートを剥離する装置であって、上記薄板を固定する薄板固定機構と、上記保護シートを押圧して該保護シートの押圧部近傍を上記薄板から剥離させる押圧プレートと、上記薄板の表面に対して上記押圧プレートを上記保護シートを押圧する方向に移動させる押圧プレート移動機構と、上記保護シートの剥離部に進入して該剥離部を拡大させる剥離プレートと、上記薄板の表面に対して実質的に平行な方向に上記剥離プレートを移動させる剥離プレート移動機構と、上記保護シートの剥離拡大部を把持するチャックと、上記薄板の表面に対してチャックを移動させて、上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させるチャック移動機構とを備えているので、粘着テープなどの副資材を用いることなく、保護シートを薄板から生産性よく、かつ、安価に剥離できる保護シート剥離装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による保護シート剥離装置の構成を説明する模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1による保護シート剥離装置に用いられる偏光板を示す外観斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における押圧プレートおよび剥離プレートの初期状態を示す模式図である。
【図4】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における押圧プレートの初期状態を示す保護シートの背面図である。
【図5】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シート剥離開始点の生成工程を説明する図である。
【図6】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離拡大部の形成工程を説明する図である。
【図7】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離拡大部の把持工程を説明する図である。
【図8】この発明の実施の形態1による保護シートの剥離方法における保護シートの剥離工程を説明する図である。
【図9】この発明の実施の形態2による保護シート剥離装置の要部を説明する模式図である。
【図10】この発明の実施の形態3による保護シート剥離装置の要部を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 偏光板、2a、2b 保護シート、3 薄板固定機構、6 押圧プレート、7 押圧プレート移動機構、12 剥離プレート、13 剥離プレート移動機構、17 チャック、19 チャック移動機構、23 剥離部、24 剥離拡大部。
Claims (2)
- 薄板の表面に付着している保護シートの剥離方法であって、
押圧プレートを上記薄板に向かって移動させて上記保護シートの端部を押圧し、該保護シートの押圧部近傍を該薄板から剥離させる工程と、
剥離プレートを上記薄板の表面に沿って上記保護シートの剥離部に進入させて該剥離部を拡大させる工程と、
チャックにより上記保護シートの剥離拡大部を把持させた後、該チャックを移動させて上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させる工程とを備えていることを特徴とする保護シートの剥離方法。 - 薄板の表面に付着している保護シートを剥離する装置であって、
上記薄板を固定する薄板固定機構と、
上記保護シートを押圧して該保護シートの押圧部近傍を上記薄板から剥離させる押圧プレートと、
上記薄板の表面に対して上記押圧プレートを上記保護シートを押圧する方向に移動させる押圧プレート移動機構と、
上記保護シートの剥離部に進入して該剥離部を拡大させる剥離プレートと、
上記薄板の表面に対して実質的に平行な方向に上記剥離プレートを移動させる剥離プレート移動機構と、
上記保護シートの剥離拡大部を把持するチャックと、
上記薄板の表面に対してチャックを移動させて、上記保護シートを上記薄板の表面から剥離させるチャック移動機構とを備えていることを特徴とする保護シート剥離装置。
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