JP2005016218A - 重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いがなく、既設屋根に新設屋根をガタつかぬように取り付けられ、新設屋根の重量や風雨による負荷にも不都合をきたさず、新設屋根を既設屋根すなわち母屋側との安定した接続・固定関係に重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を提供する。
【解決手段】既設屋根10の突条部10a上に取り付けられる下取付部2と、既設屋根10の凹条部10b上に着地可能な脚部3と、新設屋根15を取り付ける上取付部5とを備えており、下取付部2には、ナット12および座金13の径よりも大径のガイド穴6と、該ガイド穴6に連通して、ボルト11のネジ部分11aの径よりもやや大幅の挿入溝7を形成してある。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は既設屋根上に新設屋根を重ね葺きするのに用いられる重ね葺き用固定具およびこの固定具を用いた改修構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
先行文献1には、屋根補修工法が記載され、同工法に用いられるクランプ金具として、断面山形の底面部に、その頂部を貫通してフックボルトのナット直下の軸部回りに嵌合せしめる穴と、該穴と底面部の上記端縁とを連通せしめてフックボルトの軸部を上記穴に嵌入させるガイド溝からなる切欠きを形成し、且つ、上記ガイド溝は上記穴との連接部の溝幅が上記孔の径よりも小さく、溝幅が底面部端縁の開口に向けて拡大するテーパー状に形成したものが記載および図示されている。
ところで、かかるクランプ金具では、底面部が既設の波形スレートの山部に取り付けられた状態で、この山部に載乗している形になるため、金具そのものがフックボルトの軸部回りに回転してしまう危惧があり、このような場合、金具における上面部と新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いが発生する不都合がある。
さらに、金具が回転した場合には、波形スレートの山部に対してほぼ二点接触状に載乗することになるので、甚だ不安定な取り付け状態を呈し、このような言わばガタガタした状態の金具に取り付けられる新設屋根材もまたがたついてしまうことになる。
そして、金具は、既設の波形スレートの山部にピンポイント的に取り付けられているため、金属製の新設屋根材の重量や風雨の負荷が金具を経て波形スレートの山部における金具取り付け部分に集中することになり、強度的にも不安が残る屋根構造になっている。
【0003】
また、ボルトの軸部と穴との嵌合関係を、穴およびこの穴に続くガイド溝の拡開により確保している構成のものであるため、この拡開によって嵌合関係という位置規制が失われる恐れがあるものであり、穴からボルトが外れてしまうことも起こり得る構造上の不備がある。この点は、底面部が断面山形で既設の波形スレートの山部に沿う形状であること、そして、新設の金属板屋根材の重量が負荷されることが相乗することにより、穴およびガイド溝は拡開動作し易くなっているといえる。
また、座金下のパッキン材により得ている接触摩擦抵抗は、パッキン材の劣化或いは振動等によって損なわれる虞れがあり、既設屋根との接続関係に対する貢献度は低いものになる。
このような拡開状態になれば、既設屋根材に対する固定具の接続・固定関係が失われるわけであるから、固定具ともども新設屋根材はフリーになってしまうという重大な問題に発展することにもなりかねない。
【0004】
【先行文献1】
特許2907422
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、第1には、新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いがなく、既設屋根に新設屋根をガタつかぬように取り付けられ、しかも、新設屋根の重量や風雨による負荷にも不都合をきたさず、新設屋根を既設屋根すなわち母屋側との安定した接続・固定関係に重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を、第2には、さらに、製作容易で経済的である重ね葺き用固定具を、第3には、さらに、既設屋根への据わりが安定している重ね葺き用固定具を、第4には、さらに、新設屋根の重量や風雨による負荷に対して強度的にも堅牢に重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を、第5には、さらに、接続・固定関係に強制的に規制することで、より堅固な接続・固定関係に重ね葺きして施工することが可能な重ね葺き用固定具を、第6には、新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いがないと共に既設屋根に対して新設屋根がガタつかず、しかも、新設屋根の重量や風雨による負荷に充分に耐え、固定具を経た新設屋根と既設屋根すなわち母屋側との安定した接続・固定関係により、既設屋根上に新設屋根が確実に重ね葺きされている改修構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を達成するため、重ね葺き用固定具では、既設屋根の突条部上方に突出するボルトのネジ部分に螺合されるナットにより母屋材に固定された既設屋根に対し重ね葺きされる新設屋根を、前記既設屋根上に連結固定する重ね葺き用固定具において、前記既設屋根の突条部上に取り付けられる下取付部と、既設屋根の凹条部上に着地可能な脚部と、前記新設屋根を取り付ける上取付部とを備えており、前記下取付部には、前記ナットおよび座金の径よりも大径のガイド穴と、該ガイド穴に連通して、前記ボルトのネジ部分の径よりもやや大幅の挿入溝を形成してあることを特徴とする。
また、前記した重ね葺き用固定具では、脚部が、下取付部の一側縁に延設されていることを特徴とする。
また、前記した重ね葺き用固定具では、脚部が、下取付部の両側縁に延設されていることを特徴とする。
また、前記した重ね葺き用固定具では、脚部が、既設屋根の凹条部に沿う形状で且つ凹条部に面状に着地可能な脚形状であることを特徴とする。
また、前記した重ね葺き用固定具では、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な規制手段を有していることを特徴とする。
そして、かかる固定具を用いた改修構造では、前記の重ね葺き用固定具を用い、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きしてなる改修構造であって、前記固定具の脚部を母屋材に固定された既設屋根の凹条部上に着地し、下取付部を既設屋根の突条部上に載置すると共にボルトがガイド穴から挿入溝に挿入するようにスライドし、凹条部と脚部との接触関係により下取付部が既設屋根上に固定された状態の固定具における上取付部上に新設屋根を構築したことを特徴とする。
【0007】
本発明における固定具の形態は、既設屋根の突条部上に取り付けられる下取付部および凹条部上に着地される脚部と、新設屋根を取り付ける上取付部とが上下位置関係を有するもの全てを含み、この上下位置関係としては、上下対向状或いは上下対称状等が挙げられる。下取付部は既設屋根の突条部に沿う形状に、脚部は既設屋根の凹条部に沿う形状に、それぞれ形成されるのが望ましい。また、新設屋根を取り付ける上取付部は、屋根材等の外装材を直接取り付ける態様のものであっても良いし、垂木等の支持部材、或いは外装材の保持部材(吊子等)、断熱材等を介在させて取り付ける態様のものであっても良い。この上取付部は、外装材を直接取り付ける場合は、その外装材の形状に沿う形状としても良いし、上下両面が水平状の垂木等を介在する場合は略水平状に形成しても良い。同様に、既設屋根上に取り付けられる下取付部および脚部は、屋根上面に直接取り付けられる態様のものであっても良いし、他の部材を介在させて取り付けられる態様のものであっても良い。脚部は、下取付部の一側縁に延設された片脚タイプ或いは下取付部の両側縁に延設された両脚タイプのいずれであっても良い。また、脚部は、細幅状の脚形状であっても良いし、凹条部に面状に着地可能な幅広面部を有している脚形状のものであっても良く、さらに、既設屋根の凹条部に沿う形状で且つ凹条部に面状に着地可能な幅広面部を有している脚形状のものであっても良い。この脚部は、既設屋根の凹条部上に着地して接触・係合関係になることで、突条部上に下取付部を固定可能な脚形状のものであれば良い。かかる固定具は、複数の部材から形成されているものであっても良い。
【0008】
ガイド穴は、丸穴状、角穴状、半円状、その他のこれらに類する形状のいずれであっても良い。挿入溝は、ボルトが挿入可能な例えば略U字状等の溝であれば良く、溝入口はガイド穴側に向けて広がるテーパー状であるのが望ましい。
規制手段は、下取付部または脚部或いは上取付部若しくは両部間の起立部の一部から下方へ突出されて既設屋根に噛合可能な噛合部であっても良いし、上取付部または下取付部或いは両部間の起立部の一部に形成されて既設屋根の上方に突出するボルト或いはナットに当接可能な抜止ストッパーであっても良いし、挿入溝に至る溝途中に形成されて、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な抜止顎部或いは抜止突部であっても良い。また、下取付部或いは脚部の下面に形成されて既設屋根に噛合可能な鋸歯状或いはローレット状等の噛合部であっても良いし、さらに、前記した噛合部とストッパーを併用しても良く、この規制手段としては、下取付部のスライド(ボルトが挿入溝に挿入する動き)を妨げない一方で、下取付部の逆スライド(ボルトが挿入溝から外れ出る動き)を規制して、ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な態様のものであれば良い。また、前記した抜止ストッパーは、予め下方へ突出成形しておいてボルト或いはナットに当接可能にしてある態様でも良いし、既設屋根上に取り付けられた後に下方へ折り下げられることでボルト或いはナットに当接可能な態勢を整え可能な態様のものであっても良い。
固定具の材質は、金属或いは樹脂等の硬質材になる。
新設屋根としては、新設屋根材に限らず、垂木や床板等も含まれる。既設屋根としては、固定具を取り付け可能なようにボルト(若しくは類する部材)等が立設されている公知の既設屋根(主に波形スレート屋根)であれば良い。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1の(a)〜(f)、図2の(g)〜(l)、図3の(m)〜(r)、図4の(s)〜(v)には本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態をそれぞれ例示しており、各固定具1はピース材で、後で説明する既設屋根材10の突条部10a上面に沿う形状の断面凸曲状下取付部2と、下取付部2の一側縁または両側縁に延設されていて、既設屋根材10の凹条部10b上面に沿う形状の断面凹曲状脚部3と、下取付部2の一側縁または両側縁或いは脚部3側縁から起立部4を経て延設されていて、後で説明する新設屋根材15の側縁部15a或いは山部15bの下面に沿う形状の水平状上取付部5とを備えている。
下取付部2には、板面の長手方向に沿いガイド穴6および挿入溝7を相互に連通状に開口しており、ガイド穴6は、既設屋根材10の突条部10a上方に突出するフックボルト11のネジ部分11aに螺合されるナット12および座金13並びに弾性材14の径よりも大径の丸穴状に形成してある。挿入溝7は、フックボルト11のネジ部分11aの径よりもやや大幅で且つナット12および座金13並びに弾性材14の径よりも小径の略U字状に形成している。また、挿入溝7の入口両溝縁は、フックボルト11がガイド穴6側から入り易いようにテーパー状に形成してある。
脚部3は、既設屋根材10の凹条部10b上面に沿う形状の断面凹曲状で且つ凹条部10bに対して面状に着地可能な広幅面部3aを有している脚形状に形成してある。上取付部5は、新設屋根材15の山部15a下面に沿う形状の断面水平状で且つ山部15aを面状に受支可能な広幅面部5aを有する形態に形成してある。
【0010】
以下に、各固定具1の構成について具体的に説明する。図1の(a)および(b)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の一側縁に延設されている断面凹曲状脚部3と、下取付部2の他側縁に立設された起立部4上端から外方へ延設されている水平状上取付部5とを上下対称状に配置させることで正面大略クランク状に形成している。図1の(c)および(d)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の一側縁に延設されている断面凹曲状脚部3と、下取付部2の他側縁に立設された起立部4上端から内方へ延設されている水平状上取付部5とを上下対向状に配置させることで正面大略コ状に形成している。図1の(e)および(f)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の一側縁に延設されている断面凹曲状脚部3と、下取付部2の他側縁に立設された斜め状の起立部4上端から内方へ延設されている水平状上取付部5とを上下対向状に配置させることで正面大略コ状に形成している。
【0011】
図2の(g)および(h)に例示している固定具1は、図1の(a)の固定具1と一部を除いて同構成であり、起立部4の下半部中央を切り下げることで断面凹曲状脚部3を新たに形成して、下取付部2の両側縁に断面凹曲状脚部3を延設してある。図2の(i)および(j)に例示している固定具1は、図1の(c)の固定具1と一部を除いて同構成であり、起立部4の下半部中央を切り下げることで断面凹曲状脚部3を新たに形成して、下取付部2の両側縁に断面凹曲状脚部3を延設してある。図2の(k)および(l)に例示している固定具1は、図1の(e)の固定具1と一部を除いて同構成であり、起立部4の下半部中央を切り下げることで断面凹曲状脚部3を新たに形成して、下取付部2の両側縁に断面凹曲状脚部3を延設してある。
【0012】
図3の(m)および(n)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の両側縁に延設されている断面凹曲状脚部3と、一方の脚部3側縁から折り返されて立設された斜め状の起立部4上端より内方へ延設されている水平状上取付部5とを上下対向状に配置させることで正面大略コ状に形成している。図3の(o)および(p)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の両側縁に立設された外向き斜め状の起立部4上端より外方へ延設されている水平状上取付部5と、両起立部4の下半部中央から切り下げられて、下取付部2の両側縁に延設されている断面凹曲状脚部3とを上下対称状に配置させることで正面大略W状に形成している。図3の(q)および(r)に例示している固定具1は、下取付部2およびこの下取付部2の両側縁に延設されている断面凹曲状脚部3と、両脚部3側縁から立設された垂直状の起立部4上端より外方へ延設されている水平状上取付部5とを上下対称状に配置させることで正面大略U状に形成している。
【0013】
図4の(s)および(t)に例示している固定具1は、図1の(c)の固定具1と一部を除いて同構成であり、上取付部5には抜止ストッパー8を板面から打ち出して形成してある。この抜止ストッパー8は、ガイド穴6上から挿入溝7側に向けて斜め下方へ突出されていると共に、ストッパー先端部8aが固定具1の取り付け状態における挿入溝7内のフックボルト11のネジ部分11aに当接し得るように形成してあり、下取付部2および脚部3が既設屋根材10上面を摺動してスライドすることにより挿入溝7内へのフックボルト11の挿入を妨げない一方で、下取付部2および脚部3の逆スライドすなわち挿入溝7内からフックボルト11が抜け出ようとする動きを抜止ストッパー8がネジ部分11aに当接することにより阻止し得るように形成してある。この抜止ストッパー8は、下取付部2および脚部3の逆スライドを阻止することで、フックボルト11を挿入溝7内に抜止規制可能に形成してある。
【0014】
図4の(u)および(v)に例示している固定具1は、図2の(i)の固定具1と一部を除いて同構成であり、上取付部5には抜止ストッパー9を板面から打ち出して形成してある。この抜止ストッパー9は、ガイド穴6上から挿入溝7側に向けて斜め下方へ突出状に折り下げ可能に形成されていると共に、折り下げ時にストッパー先端部9aが固定具1の取り付け状態における挿入溝7内のフックボルト11のネジ部分11aに当接し得るように形成してあり、下取付部2および脚部3が既設屋根材10上面を摺動してスライドすることにより挿入溝7内へのフックボルト11の挿入を妨げない一方で、下取付部2および脚部3の逆スライドすなわち挿入溝7内からフックボルト11が抜け出ようとする動きを抜止ストッパー9が折り下げられてネジ部分11aに当接することにより阻止し得るように形成してある。この抜止ストッパー9は、下取付部2および脚部3の逆スライドを阻止することで、フックボルト11を挿入溝7内に抜止規制可能に形成してある。
【0015】
図5および図6には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の1形態として、図1の固定具を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を例示しており、母屋材19に小波スレート製の既設屋根材10を敷設した状態に、既設屋根材10の突条部10a上方に突出するフックボルト11のネジ部分11aに螺合したナット12により座金13およびパッキング等の弾性材14を介在させて固定している。
既設屋根材10における上方へ突出しているネジ部分11a位置の突条部10aには固定具1の下取付部2をこれのガイド穴4にナット12、座金13、弾性材14が通るように被せて載置すると共に凹条部10bに脚部3を着地し、固定具1を突条部10a並びに凹条部10bに沿いスライドさせて、突条部10a上面と弾性材14下面との間に下取付部2を押し込むことにより、フックボルト11をガイド穴4側から挿入溝5に挿入してある。
この挿入状態では、脚部3が凹条部10b上面に着地して接触・係合して、突条部10a上における下取付部2を、フックボルト11を軸線とする回転を阻止して回り止めすることで、既設屋根面上に固定具1を回転不可能な固定状態に規制し、上取付部5に対する新設屋根材15の取付位置を整えてある。
【0016】
既設屋根材10上には折板製の新設屋根材15を敷設し、既設屋根材10上に取付固定された固定具1における上取付部5上面には、隣り合う左右の新設屋根材15における左右の側縁部15aを上下重合状に載置すると共に、この左右側縁部15aをタッピングネジ等の留め具16で上取付部5上に接続固定してある。留め具16の拡大頭部16aと側縁部15aとの間には座金17およびパッキング等の弾性材18を介在させて雨仕舞している。この弾性材18の劣化或いは振動等によっても、固定具1と既設屋根材10すなわち母屋側との固定関係は堅持され、かかる固定具1を経て既設屋根材10上に新設屋根材15が確実に重ね葺きされている。
【0017】
図7には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図1の(e)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図5の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0018】
図8には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図2の(g)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図5の態様のものと両脚部3が凹条部10bにそれぞれ着地して接触・係合してぐらつきや転等のない安定した据わりになっている点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0019】
図9には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図2の(k)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図8の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0020】
図10には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(m)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図8の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0021】
図11には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(o)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図8の態様のものと両上取付部5上に新設屋根材15を接続・固定している点を除いて基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0022】
図12には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(q)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図11の態様のものと基本的に同一であるため、符号を準用して説明を省略する。
【0023】
図13には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の(s)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図5の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して省略し、相違する構成について説明する。
固定具1を既設屋根面に沿いスライドさせて、突条部10a上面と弾性材14下面との間に下取付部2を押し込み、フックボルト11がガイド穴6側から挿入溝7に挿入して、脚部3が凹条部10bに着地している接触・係合状態では、抜止ストッパー8はストッパー先端部8aが溝奥のフックボルト11のネジ部11aに溝入口側から当接し、下取付部2の逆スライドすなわちフックボルト11が挿入溝7から抜け外れる方向への動きを阻止することで、フックボルト11を挿入溝7内に抜止規制してある。
【0024】
図14には本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の(u)の固定具1を用いて既設屋根材10上に新設屋根材15を重ね葺きした屋根構造を例示しており、構成は前記した図5の態様のものと基本的に同一であるため、共通している構成の説明は符号を準用して省略し、相違する構成について説明する。
固定具1を既設屋根面に沿いスライドさせて、突条部10a上面と弾性材14下面との間に下取付部2を押し込み後、抜止ストッパー9を折り下げてストッパー先端部9aがネジ部11aに当接可能な態勢に整える。このフックボルト11がガイド穴6側から挿入溝7に挿入して、脚部3が凹条部10bに着地している接触・係合状態では、抜止ストッパー9はストッパー先端部9aが溝奥のフックボルト11のネジ部11aに溝入口側から当接し、下取付部2の逆スライドすなわちフックボルト11が挿入溝7から抜け外れる方向への動きを阻止することで、フックボルト11を挿入溝7内に抜止規制してある。
両脚部3は凹条部10bにそれぞれ着地して接触・係合してぐらつきや転倒のない安定した据わりになっている。
【0025】
また、図示していないが、本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図1の(c)の固定具1を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした場合の屋根構造は、前記した図5の屋根構造における説明と同構成になる。また、図2の(i)の固定具1を用いて既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした場合の屋根構造は、前記した図8の屋根構造における説明と同構成になる。
【0026】
【発明の効果】
A.請求項1により、既設屋根材の凹条部に固定具の脚部が着地して接触・係合関係になることによって、固定具が回り止めされて取付位置に固定状に規制されることになるので、新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いが発生せず、既設屋根に新設屋根をガタつかぬように取り付けることができる。しかも、新設屋根の重量や風雨による負荷に対しても、突条部上の下取付部と凹条部上の脚部とによる分散・支持構造になっていることで強固であることにより不都合をきたさず、新設屋根を既設屋根すなわち母屋側との安定した接続・固定関係に重ね葺きして施工することができる。
したがって、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きするのに有用であり、また、間に断熱材或いは断熱空間層を形成するような上下の二重葺き屋根の施工にも有用である。
B.請求項2により、さらに、第2には、さらに、製作容易で経済的である。
C.請求項3により、第3には、さらに、ぐらつきや転倒がなく、既設屋根への据わりが安定した取付状態を得ることができる。
D.請求項4により、さらに、第4には、さらに、新設屋根の重量や風雨による負荷に対して強度的にも堅牢な構造のものに重ね葺きして施工することができる。
E.請求項5により、さらに、第5には、さらに、接続・固定関係に強制的に規制することで、より堅固な接続・固定関係に重ね葺きして施工することができる。
F.請求項6により、新設の屋根材との間の取り付け位置関係に狂いがないと共に既設屋根に対して新設屋根がガタつかず、しかも、新設屋根の重量や風雨による負荷に充分に耐え、固定具を経た新設屋根と既設屋根すなわち母屋側との安定した接続・固定関係により、既設屋根上に新設屋根が確実に重ね葺きされていて堅牢な改修構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(c)(e)は本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している各斜視図、(b)(d)(f)はそれぞれの正面図。
【図2】(g)(i)(k)は本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している各斜視図、(h)(j)(l)はそれぞれの正面図。
【図3】(m)(o)(q)は本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している各斜視図、(n)(p)(r)はそれぞれの正面図。
【図4】(s)(u)は本発明の重ね葺き用固定具における実施の1形態を例示している各斜視図、(t)(v)はそれぞれの正面図。
【図5】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の1形態として、図1の(a)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す縦断面図。
【図6】要部の拡大縦断面図。
【図7】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図1の(e)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図8】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図2の(g)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図9】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図2の(k)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図10】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(m)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図11】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(o)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図12】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図3の(q)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図13】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の(s)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【図14】本発明の重ね葺き用固定具を用いた改修構造における実施の他の1形態として、図4の(u)の固定具を用い既設屋根材上に新設屋根材を重ね葺きした屋根構造を示す要部の縦断面図。
【符号の説明】
1 固定具
2 下取付部
3 脚部
4 起立部
5 上取付部
6 ガイド穴
7 挿入溝
8、9 抜止ストッパー(規制手段)
8a、9a ストッパー先端部
10 既設屋根材(既設屋根)
10a 突条部
10b 凹条部
11 フックボルト
11a ネジ部分11a
12 ナット
13、17 座金
14、18 弾性材
15 新設屋根材(新設屋根)
15a 左右側縁部
15b 山部
16 留め具
16a 拡大頭部
19 母屋材

Claims (6)

  1. 既設屋根の突条部上方に突出するボルトのネジ部分に螺合されるナットにより母屋材に固定された既設屋根に対し重ね葺きされる新設屋根を、前記既設屋根上に連結固定する重ね葺き用固定具において、前記既設屋根の突条部上に取り付けられる下取付部と、既設屋根の凹条部上に着地可能な脚部と、前記新設屋根を取り付ける上取付部とを備えており、前記下取付部には、前記ナットおよび座金の径よりも大径のガイド穴と、該ガイド穴に連通して、前記ボルトのネジ部分の径よりもやや大幅の挿入溝を形成してあることを特徴とする重ね葺き用固定具。
  2. 脚部が、下取付部の一側縁に延設されていることを特徴とする請求項1記載の重ね葺き用固定具。
  3. 脚部が、下取付部の両側縁に延設されていることを特徴とする請求項1記載の重ね葺き用固定具。
  4. 脚部が、既設屋根の凹条部に沿う形状で且つ凹条部に面状に着地可能な脚形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の重ね葺き用固定具。
  5. ボルトを挿入溝内に抜止規制可能な規制手段を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の重ね葺き用固定具。
  6. 請求項1記載の重ね葺き用固定具を用い、既設屋根上に新設屋根を重ね葺きしてなる改修構造であって、
    前記固定具の脚部を母屋材に固定された既設屋根の凹条部上に着地し、下取付部を既設屋根の突条部上に載置すると共にボルトがガイド穴から挿入溝に挿入するようにスライドし、凹条部と脚部との接触関係により下取付部が既設屋根上に固定された状態の固定具における上取付部上に新設屋根を構築したことを特徴とする改修構造。
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