JP2005015091A - シート材給送装置及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、シート材給送手段を構成する給送回転体がシート材に与える給送力を変化させることを可能にすることで、1つの給送回転体により高給送力と、低給送力を発揮して分離・給送性能を向上することが出来るシート材給送装置及びこれを備えた記録装置を提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】半月形状の給送ローラ124のコア材であるカラー部402が剛性体部402Aと弾性体部402Bとにより形成され、シート材Pが分離土手部128により分離されて該分離土手部128を乗り越えるまでは剛性体部402Aの部位でシート材Pに強い給送力を与え、シート材Pが分離ローラ125により給送される際には弾性体部402Bの部位で圧接力を解除してシート材Pに弱い給送力を与えるように構成したことを特徴とする。
【選択図】 図5
【解決手段】半月形状の給送ローラ124のコア材であるカラー部402が剛性体部402Aと弾性体部402Bとにより形成され、シート材Pが分離土手部128により分離されて該分離土手部128を乗り越えるまでは剛性体部402Aの部位でシート材Pに強い給送力を与え、シート材Pが分離ローラ125により給送される際には弾性体部402Bの部位で圧接力を解除してシート材Pに弱い給送力を与えるように構成したことを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置に設けられるシート材給送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ等の記録装置において、複数のカットされたシート材を搬送部または記録装置の印字部に給送する場合、円形状の丸ローラまたは半月状の半月ローラからなる給送ローラを回転させることで給送している。
【0003】
更に、プリンタ等の記録装置では、複数枚が積載されたシート材を1枚ずつ分離して搬送部または記録装置の印字部に給送するための分離機構を備えている。
【0004】
分離機構において斜面にシート材を当てることでシート材を分離する土手分離機構がある。この土手分離機構の場合、分離土手部の斜面にシート材を当てることでシート材を分離させ、その後、分離土手部を乗り越えて搬送部または記録装置の印字部に給送する。
【0005】
この場合、給送ローラは積載された複数枚のシート材を搬送部または記録装置の印字部に給送するために土手分離機構の分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段にシート材を渡すまで給送するという構成をとっている。
【0006】
しかしながら、前述の従来例では、シート材給送機構で土手分離方式を用いた給送機構で、例えば、丸形状の給送ローラで給送する場合、積載されたシート材をシート材搬送機構または記録装置の印字部に給送する際に給送ローラはシート材を分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送らなければならない。
【0007】
また、半月状の給送ローラにおいても同様に半月ローラの給送部分の量がシート材を分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送ることが可能な量でなければならない。
【0008】
しかし、土手分離方式を利用する場合、完全に重なったシート材を分離するために分離土手部の斜面の角度を給送方向から急斜面で構成しなければならない。従って、前述の何れの給送機構の場合でもシート材を分離土手部を越えさせなければならないために分離土手部を十分越えることの出来る強い給送力が必要となってくる。
【0009】
給送機構が強い給送力をもつためには前述した給送ローラの表面の摩擦係数が高く、且つシート材とローラ間の垂直抗力を上げること、即ち、荷重を大きくかけなければならない。しかしながら、給送ローラとシート材との摩擦係数は給送ローラの材質によって決定され、更に、耐久性、ケミカルアタック(耐薬品性)等を考慮すると、ある一定の材料に決定されてしまう。従って、給送力を上昇させるには給送ローラの荷重を上げなければならない。
【0010】
給送ローラの荷重を上げるということは、積載されたシート材にかかる垂直抗力が上昇するということであり、シート材が分離土手部を越える際の給送力を高めることが可能となるが給送すべきシート材を次の搬送ローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送らなければならないために積載された次のシート材にはその間、常に荷重がかかってしまう。
【0011】
そうすると、分離土手部により、一度分離された次のシート材が先のシート材を給送中にシート材とシート材との間の摩擦力によって搬送されて分離土手部を乗り越えてしまい、完全に重なった状態の重送ではなく、シート材がずれて重なって搬送される所謂、連れ重送が生じてしまうという不具合が生じていた。
【0012】
これを解消すべく、給送力を上昇し、荷重を減らすために特開平06−329282号公報に記載されたような形態が提案されている。この技術は、給送ローラの給送力を上昇させるための不具合、つまり、荷重が上昇したことによる連れ重送を生じるという不具合を解消すべくなされたもので、完全に重送しているシート材を分離するための分離土手部を有し、且つ、分離土手部を乗り越えられるだけの給送力をもつ給送ローラを有し、更にそれにより生じていた連れ重送を防止することを可能にする手段を提供することを目的としている。
【0013】
【特許文献1】
特開平06−329282号(第2頁、図3)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、シート材給送手段を構成する給送回転体がシート材に与える給送力を変化させることを可能にすることで、1つの給送回転体により高給送力と、低給送力を発揮して分離・給送性能を向上することが出来るシート材給送装置及びこれを備えた記録装置を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、シート材を積載するシート材積載手段と、該シート材積載手段に積載されたシート材を給送する為に前記シート材に与える給送力を変化するシート材給送手段と、該シート材給送手段との協働によりシート材を1枚ずつ分離するシート材分離手段とを備え、シート材に与える給送力を変化させることが可能であることを特徴とするシート材給送装置である。
【0016】
本発明は、上述の如く構成したので、1つの給送回転体により高給送力と、低給送力を発揮して分離・給送性能を向上することが出来る。
【0017】
例えば、シート材分離手段として、分離土手部の斜面による土手分離方式を用いる場合、分離土手部の斜面を越え、次のシート材搬送手段にシート材を受け渡すため強い給送力が必要となる。更に強い給送力を得るために圧接力となる垂直抗力(荷重)を上げると、連れ重送が発生してしまい、シート材の詰まりや給送不良の原因となってしまう。
【0018】
そこで、給送回転体の先にシート材に接してシート材を給送する部分を強い荷重でしっかり搬送し、分離土手部の斜面を越えたところ以降のシート材を搬送する部分を圧接力を解除出来る機構にすることによりシート材を給送する時に、先ず、分離土手部の斜面で完全に重送しているシート材を分離させ、後に、強い給送力で分離土手部の斜面をシート材が昇り、そこから圧接力を解除して2枚目以降のシート材にかかる垂直抗力を解除し、弱い給送力で次のシート材搬送手段にシート材を受け渡すことが出来、シート材の完全な重送及び連れ重送を防止することが可能となり、シート材の詰まりや給送不良を防止することが可能となり、確実で安定したシート材給送装置及びこれを備えた記録装置を提供することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係るシート材給送装置及びこれを備えた記録装置の一例としてインクジェットプリンタに適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。
【0020】
先ず、図1〜図5を用いて本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第1実施形態の構成について説明する。図1は本発明に係るシート材給送装置が適用された記録装置であるインクジェットプリンタの一例としてカードプリンタの全体構成を示す断面模式図である。
【0021】
図1において、101は記録装置であってインクジェットプリンタにより構成されたカードプリンタであり、このカードプリンタ101は画像形成部102と、該画像形成部102に対して、シート材積載手段となるシート材積載台123上に大量に積載されたシート材Pを1枚ずつ分離して給送するシート材給送装置103とを備えている。
【0022】
ここで、画像形成部102は、図1の矢印で示すシート材搬送方向に並設されると共に、シート材搬送方向に直行する方向(幅方向)にシート材Pの画像形成幅に略等しい長さに記録手段となる多数のインクジェットノズルを配置したインクジェット記録ヘッド104と、シート材給送装置103により給送されてきたシート材Pを載置して搬送し、インクジェット記録ヘッド104の下方を通過させるシート材搬送手段となる搬送ベルト113を具備している。
【0023】
尚、この搬送ベルト113は、駆動軸112と、従動プーリ115と、駆動プーリ120と、テンションプーリ109に掛け渡されると共に、駆動モータ119により回転駆動される駆動プーリ120によりシート材搬送方向に周回運動するようになっている。
【0024】
また、この搬送ベルト113は、駆動軸112と従動プーリ115と駆動プーリ120とテンションプーリ109に複数本掛け渡されている。尚、114は搬送ベルト113で搬送されるシート材Pを該搬送ベルト113に押し付ける拍車ユニットであり、該拍車ユニット114には拍車クリーナーユニットが設けられている。
【0025】
そして、搬送ベルト113と、所定の間隔で配置された拍車ユニット114とによりシート材Pを一定速度で搬送し、その間にインクジェット記録ヘッド104のインクジェットノズルからインクが吐出されてシート材Pに画像が記録されるよになっている。
【0026】
シート材給送装置103は、図1に示すように、大量にシート材Pを積載可能としたシート材積載手段として、例えばシート材積載台123が昇降可能に設けられ、該シート材積載台123上に積載されたシート材Pをピックアップして給送するシート材給送手段として例えば、給送回転体となる給送ローラ124と、該給送ローラ124によりピックアップされたシート材Pを1枚ずつ分離するシート材分離機構105と、該シート材分離機構105により1枚ずつ分離されたシート材Pの斜行を補正する斜行補正機構106と、該斜行補正機構106により斜行が補正されたシート材Pに対してカール付けを行うカール付け機構107とを備えている。
【0027】
次に上記構成のカードプリンタ101の画像形成部102の動作について説明する。シート材給送装置103によりシート材Pの給送動作が開始されると、該シート材給送装置103のシート材積載台123に積載されたシート材Pの最上位のシート材P1は、先ず、給送ローラ124によりピックアップされた後、シート材分離機構105により1枚ずつ分離される。
【0028】
そして、シート材分離機構105により1枚ずつ分離されたシート材P1は、斜行補正機構106により斜行が補正され、更にカール付け機構107によりカール付けされて画像形成部102に搬送される。
【0029】
このようにして、シート材給送装置103から画像形成部102に給送されたシート材P1は、搬送ベルト113を張架する従動プーリ115に圧接されたピンチ前コロ116、搬送ベルト113に対向するピンチローラ117及び拍車ユニット114によって押圧されて搬送ベルト113とにより挟持された状態で搬送ベルト113上に載置され、この搬送ベルト113の周回駆動により各インクジェット記録ヘッド104の下方を通過する。
【0030】
そして、シート材P1が各インクジェット記録ヘッド104の下方を通過する際に各インクジェット記録ヘッド104を制御してインクを吐出させ、シート材P1の表面に画像を記録する。
【0031】
尚、このようにシート材P1の表面に画像を記録した後、排出拍車118によりシート材P1をカードプリンタ101本体側面に設置された排出トレイ121上に排出する。
【0032】
次にシート材Pを画像形成部102に給送するシート材給送装置103の構成を詳細に説明する。シート材積載台123は、図示しない昇降手段により該シート材積載台123上に積載されたシート材Pの最上面が給送ローラ124によって給送される所定の高さまで上昇されるようになっている。
【0033】
図1において、129はシート材Pの最上面の高さの位置を検知するシート材面検知フラグであり、このシート材面検知フラグ129の位置を検知するシート材高さ検知センサS1からの検知信号によりシート材Pの最上面の高さが所定の位置に上昇したと判断すると、カードプリンタ101本体に設けられている図示しない制御装置によって図示しない昇降手段を停止するようにしている。
【0034】
これにより、シート材Pの最上面が給送ローラ124によって給送される所定の高さに保持される。尚、その後、最上位にあるシート材P1が給送されてシート材Pの最上面の高さが所定の高さよりも一定量下がった場合、シート材高さ検知センサS1からの検知信号に基づき、図示しない制御装置は図示しない昇降手段を駆動するようにしている。これにより、シート材積載台123上に積載されているシート材Pの最上位のシート材P1が所定の高さ位置に維持され、給送ローラ124により安定して給送される。
【0035】
次に給送ローラ124によりシート材Pを給送する機構を図2を用いて詳細に説明する。本実施形態のシート材給送手段として、例えば、給送回転体である給送ローラ124は、図2に示すように、半月形状の給送ローラで構成されており、これによりシート材Pを給送する。
【0036】
128はシート材分離手段として例えば、土手分離機構を構成する分離土手部であり、125は分離ローラ、108は分離パットである。205はシート材Pの滞留の状態を検知するタイミングセンサであり、129はシート材Pの給送面を認識するためのシート材面検知フラグであり、S1はシート材面検知フラグ129の位置を検知するシート材高さ検知センサである。
【0037】
123はシート材Pを積載可能なシート材積載台であり、斜行補正ローラ対209,210及び斜行補正ガイド213はシート材Pの斜行を補正する斜行補正機構である。211は斜行補正をしている時の用紙の状態を検知するための斜行検知フラグであり、212は該斜行検知フラグ211の位置を検知する斜行検知センサである。
【0038】
シート材Pは給送ローラ124の駆動により、該給送ローラ124の半月形状の先端部124Aにより前方に押し出され、土手分離機構の分離土手部128を越えて分離回転体である分離ローラ125により搬送される。給送ローラ124はシート材Pが分離ローラ125に確実に加えこまれるに十分な量を送りこむ。
【0039】
以上のシート材Pの動きを図3により説明する。シート材Pが給送される前の状態が図3(a)である。給送ローラ124はシート材Pに接しない位相で待機している。給送ローラ124は図示しない駆動モータにより駆動を受けて回転し、図3(b)に示すように、シート材Pに接すると該シート材Pは給送される。
【0040】
そして、シート材Pは分離土手部128により分離され、更に、分離土手部128を昇って、図3(c)に示すように、分離ローラ125に加えこまれる。給送ローラ124は該給送ローラ124がシート材Pを給送中に該シート材Pの上面を滑ったとしても十分に分離ローラ125にシート材Pが給送出来る程度の量だけシート材Pを給送する。その後、次のシート材Pの給送タイミングを図3(a)に示す待機位置で待つこととなる。
【0041】
次に図4を用いて本実施形態の給送ローラ124の構成について詳細に説明する。図4において、給送回転体となる給送ローラ124は、剛性部材からなる剛性体部402Aと弾性部材からなる弾性体部402Bとを有して形成されたコア材となるカラー部402の外周部に弾性体となるゴム部401が設けられている。
【0042】
ゴム部401はシート材Pに対して高い摩擦係数μを有する材料で且つ、耐磨耗性に優れていることが望ましい。また、給送ローラ401はゴム部401の表面に凹凸部やローレット部または研磨をした給送ローラとして構成される。
【0043】
402は給送ローラ124の半月形状を形成するコア材となるカラー部であり、該カラー部402は周方向に分割された領域を構成する剛性体部402Aと弾性体部402Bとで形成されている。
【0044】
剛性体部402Aはシート材Pの給送時に給送ローラ124のゴム部401をしっかりシート材Pに押し付けることが可能な材質になっており、一方、弾性体部402Bはシート材Pを給送する間、該シート材Pに給送ローラ124の弾性体部402Bの位置が接しているときは剛性体部402Aが接しているときの圧接力が解除され、給送ローラ124のゴム部401がシート材Pに軽い圧接力で接しているだけという状態になる。
【0045】
図5に図4の給送ローラ124によるシート材Pの給送状態を示す。図5(a)に示すように給送ローラ124が退避した状態から、図示しない駆動モータから回転駆動力を受けて給送ローラ124が回転すると、先ず剛性体部402Aの先端部が対応する給送ローラ124の先端部124Aがシート材Pに接し、強い給送力で給送される(図5(b))。
【0046】
その後、強い給送力のまま、シート材Pは給送ローラ124により給送されて土手分離機構の分離土手部128を昇り、シート材Pは分離土手部128の作用により分離されて該分離土手部128を越えることが可能となる(図5(b))。
【0047】
そして、シート材Pが分離土手部128を昇ると、給送ローラ124の弾性体部502Aが対応する部位がシート材Pに接し、該シート材Pは軽い荷重で、且つ軽い給送力で給送される(図5(c))。
【0048】
即ち、本実施形態のシート材給送手段を構成する給送回転体となる給送ローラ124は、該給送ローラ124によりシート材Pを給送する際に、該シート材Pに給送ローラ124が与える圧接力となる垂直抗力を変化させることによりシート材Pに与える給送力を変化させることが可能であり、該給送ローラ124のコア材となるカラー部402の剛性体部402Aに対応する部分ではシート材Pに強い給送力を与え、弾性体部402Bに対応する部分では圧接力を解除してシート材Pに弱い給送力を与えることが可能である。
【0049】
以上のような給送ローラ124の構成をとることにより、シート材Pは確実に分離され、且つ、完全重送も、連れ重送もなく確実に給送することが可能となった。
【0050】
尚、前記記録手段となるインクジェット記録ヘッド104は搬送手段となる搬送ベルト113により搬送されたシート材Pにインク像を記録するものである。この装置における記録手段としては、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェット記録方式を用いている。
【0051】
即ち、この記録ヘッドは微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0052】
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方法、レーザ等の電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法、或いは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等がある。
【0053】
その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することが出来るために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0054】
本実施形態ではインクの吐出構成として、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、その熱エネルギーによってインクに生ずる膜沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長、収縮により、インクを吐出口から吐出して記録を行うように構成している。このように、熱エネルギーによって気泡を成長収縮させてインクを吐出させることで、特に応答性に優れた液体の吐出が達成出来る。
【0055】
尚、インクジェット記録ヘッド104はシリアル記録方式であってもフルライン記録方式であっても良い。
【0056】
次に図6を用いて本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第2実施形態の構成について説明する。図6は第2実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図6において、601はシート材給送手段を構成する給送回転体となる給送ローラ124のコア材である剛性部材からなる半月形状のカラー部602の外周部に設けられた弾性体となるゴム部であり、前記第1実施形態の給送ローラ124のゴム部401と同様の部材で構成されている。
【0058】
そして、給送ローラ124のゴム部601がシート材Pと接する時、該シート材Pとゴム部601が密着して圧接される。図6に示すように、給送ローラ124のゴム部601はカラー部602の外周長よりも長い周長を有し、カラー部602の先端部が対応する給送ローラ124の先端部124A側がカラー部602に巻きつけて一部が接着されている。
【0059】
この給送ローラ124でシート材Pを給送する場合で、給送ローラ124が矢印a方向に回転する場合、給送ローラ124のゴム部601はカラー部602がある部分ではシート材Pにしっかりと所定の圧接力をかけて給送することが可能であり、カラー部602がある場所を過ぎると、ゴム部601だけの部位601Aでシート材Pを給送することで、カラー部602で受けていた圧接力を解除することが可能になり、弱い給送力で給送することが可能となった。
【0060】
ゴム部601は接着端部601B,601Cまではカラー部602に固定されており、該ゴム部601が給送時に弛んだりしてシート材Pの移動量が変化したりすることはない。
【0061】
即ち、給送回転体である給送ローラ124がシート材Pを給送する際にコア材である剛性部材からなるカラー部602と弾性体であるゴム部601とでシート材Pを押さえて給送する部分と、ゴム部601だけでシート材Pを給送する部分とを有することでシート材Pに与える圧接力及び給送力を変化させるように構成している。
【0062】
本実施形態の場合も前記第1実施形態と同様のタイミングで給送ローラ124がシート材Pを給送する時の圧接力の変更をすることにより、前記第1実施形態と同様な効果が得られるものである。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、シート材を給送する給送回転体を該給送回転体でシート材を給送中に該給送回転体がシート材に与える荷重、即ち、垂直抗力を軽減させる構成とすることで、給送中にシート材に与える給送力を変化させることが可能となり、給紙回転体による給送不良やシート材が完全に重なって給送されてしまう完全重送、シート材が連なって給送されてしまう連れ重送を防止することが可能となり、記録装置の信頼性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第1実施形態の構成を示す断面模式図である。
【図2】第1実施形態の給送部の構成を示す断面模式図である。
【図3】第1実施形態の給送回転体の駆動とシート材が給送される様子を示す断面模式図である。
【図4】第1実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。
【図5】第1実施形態の給送回転体によるシート材の給送の様子を示す断面模式図である。
【図6】第2実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
103…シート材給送装置、105…シート材分離機構、106…斜行補正機構、107…カール付け機構、108…分離パット、109…テンションプーリ、112…駆動軸、121…排出トレイ、123…シート材積載台、124…給送ローラ、124A…先端部、125…分離ローラ、128…土手分離機構、128…分離土手部、129…シート材面検知フラグ、205…タイミングセンサ、209,210…斜行補正ローラ対、211…斜行検知フラグ、212…斜行検知センサ、213…斜行補正ガイド、401…ゴム部、402…カラー部、402A…剛性体部、402B…弾性体部、601…ゴム部、601A…ゴム部だけの部位、602…カラー部、P,P1…シート材、S1…シート材高さ検知センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置に設けられるシート材給送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ等の記録装置において、複数のカットされたシート材を搬送部または記録装置の印字部に給送する場合、円形状の丸ローラまたは半月状の半月ローラからなる給送ローラを回転させることで給送している。
【0003】
更に、プリンタ等の記録装置では、複数枚が積載されたシート材を1枚ずつ分離して搬送部または記録装置の印字部に給送するための分離機構を備えている。
【0004】
分離機構において斜面にシート材を当てることでシート材を分離する土手分離機構がある。この土手分離機構の場合、分離土手部の斜面にシート材を当てることでシート材を分離させ、その後、分離土手部を乗り越えて搬送部または記録装置の印字部に給送する。
【0005】
この場合、給送ローラは積載された複数枚のシート材を搬送部または記録装置の印字部に給送するために土手分離機構の分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段にシート材を渡すまで給送するという構成をとっている。
【0006】
しかしながら、前述の従来例では、シート材給送機構で土手分離方式を用いた給送機構で、例えば、丸形状の給送ローラで給送する場合、積載されたシート材をシート材搬送機構または記録装置の印字部に給送する際に給送ローラはシート材を分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送らなければならない。
【0007】
また、半月状の給送ローラにおいても同様に半月ローラの給送部分の量がシート材を分離土手部を越えて次のローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送ることが可能な量でなければならない。
【0008】
しかし、土手分離方式を利用する場合、完全に重なったシート材を分離するために分離土手部の斜面の角度を給送方向から急斜面で構成しなければならない。従って、前述の何れの給送機構の場合でもシート材を分離土手部を越えさせなければならないために分離土手部を十分越えることの出来る強い給送力が必要となってくる。
【0009】
給送機構が強い給送力をもつためには前述した給送ローラの表面の摩擦係数が高く、且つシート材とローラ間の垂直抗力を上げること、即ち、荷重を大きくかけなければならない。しかしながら、給送ローラとシート材との摩擦係数は給送ローラの材質によって決定され、更に、耐久性、ケミカルアタック(耐薬品性)等を考慮すると、ある一定の材料に決定されてしまう。従って、給送力を上昇させるには給送ローラの荷重を上げなければならない。
【0010】
給送ローラの荷重を上げるということは、積載されたシート材にかかる垂直抗力が上昇するということであり、シート材が分離土手部を越える際の給送力を高めることが可能となるが給送すべきシート材を次の搬送ローラまたはシート材を搬送する手段に受け渡すまで送らなければならないために積載された次のシート材にはその間、常に荷重がかかってしまう。
【0011】
そうすると、分離土手部により、一度分離された次のシート材が先のシート材を給送中にシート材とシート材との間の摩擦力によって搬送されて分離土手部を乗り越えてしまい、完全に重なった状態の重送ではなく、シート材がずれて重なって搬送される所謂、連れ重送が生じてしまうという不具合が生じていた。
【0012】
これを解消すべく、給送力を上昇し、荷重を減らすために特開平06−329282号公報に記載されたような形態が提案されている。この技術は、給送ローラの給送力を上昇させるための不具合、つまり、荷重が上昇したことによる連れ重送を生じるという不具合を解消すべくなされたもので、完全に重送しているシート材を分離するための分離土手部を有し、且つ、分離土手部を乗り越えられるだけの給送力をもつ給送ローラを有し、更にそれにより生じていた連れ重送を防止することを可能にする手段を提供することを目的としている。
【0013】
【特許文献1】
特開平06−329282号(第2頁、図3)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、シート材給送手段を構成する給送回転体がシート材に与える給送力を変化させることを可能にすることで、1つの給送回転体により高給送力と、低給送力を発揮して分離・給送性能を向上することが出来るシート材給送装置及びこれを備えた記録装置を提供せんとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、シート材を積載するシート材積載手段と、該シート材積載手段に積載されたシート材を給送する為に前記シート材に与える給送力を変化するシート材給送手段と、該シート材給送手段との協働によりシート材を1枚ずつ分離するシート材分離手段とを備え、シート材に与える給送力を変化させることが可能であることを特徴とするシート材給送装置である。
【0016】
本発明は、上述の如く構成したので、1つの給送回転体により高給送力と、低給送力を発揮して分離・給送性能を向上することが出来る。
【0017】
例えば、シート材分離手段として、分離土手部の斜面による土手分離方式を用いる場合、分離土手部の斜面を越え、次のシート材搬送手段にシート材を受け渡すため強い給送力が必要となる。更に強い給送力を得るために圧接力となる垂直抗力(荷重)を上げると、連れ重送が発生してしまい、シート材の詰まりや給送不良の原因となってしまう。
【0018】
そこで、給送回転体の先にシート材に接してシート材を給送する部分を強い荷重でしっかり搬送し、分離土手部の斜面を越えたところ以降のシート材を搬送する部分を圧接力を解除出来る機構にすることによりシート材を給送する時に、先ず、分離土手部の斜面で完全に重送しているシート材を分離させ、後に、強い給送力で分離土手部の斜面をシート材が昇り、そこから圧接力を解除して2枚目以降のシート材にかかる垂直抗力を解除し、弱い給送力で次のシート材搬送手段にシート材を受け渡すことが出来、シート材の完全な重送及び連れ重送を防止することが可能となり、シート材の詰まりや給送不良を防止することが可能となり、確実で安定したシート材給送装置及びこれを備えた記録装置を提供することが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係るシート材給送装置及びこれを備えた記録装置の一例としてインクジェットプリンタに適用した場合の一実施形態を具体的に説明する。
【0020】
先ず、図1〜図5を用いて本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第1実施形態の構成について説明する。図1は本発明に係るシート材給送装置が適用された記録装置であるインクジェットプリンタの一例としてカードプリンタの全体構成を示す断面模式図である。
【0021】
図1において、101は記録装置であってインクジェットプリンタにより構成されたカードプリンタであり、このカードプリンタ101は画像形成部102と、該画像形成部102に対して、シート材積載手段となるシート材積載台123上に大量に積載されたシート材Pを1枚ずつ分離して給送するシート材給送装置103とを備えている。
【0022】
ここで、画像形成部102は、図1の矢印で示すシート材搬送方向に並設されると共に、シート材搬送方向に直行する方向(幅方向)にシート材Pの画像形成幅に略等しい長さに記録手段となる多数のインクジェットノズルを配置したインクジェット記録ヘッド104と、シート材給送装置103により給送されてきたシート材Pを載置して搬送し、インクジェット記録ヘッド104の下方を通過させるシート材搬送手段となる搬送ベルト113を具備している。
【0023】
尚、この搬送ベルト113は、駆動軸112と、従動プーリ115と、駆動プーリ120と、テンションプーリ109に掛け渡されると共に、駆動モータ119により回転駆動される駆動プーリ120によりシート材搬送方向に周回運動するようになっている。
【0024】
また、この搬送ベルト113は、駆動軸112と従動プーリ115と駆動プーリ120とテンションプーリ109に複数本掛け渡されている。尚、114は搬送ベルト113で搬送されるシート材Pを該搬送ベルト113に押し付ける拍車ユニットであり、該拍車ユニット114には拍車クリーナーユニットが設けられている。
【0025】
そして、搬送ベルト113と、所定の間隔で配置された拍車ユニット114とによりシート材Pを一定速度で搬送し、その間にインクジェット記録ヘッド104のインクジェットノズルからインクが吐出されてシート材Pに画像が記録されるよになっている。
【0026】
シート材給送装置103は、図1に示すように、大量にシート材Pを積載可能としたシート材積載手段として、例えばシート材積載台123が昇降可能に設けられ、該シート材積載台123上に積載されたシート材Pをピックアップして給送するシート材給送手段として例えば、給送回転体となる給送ローラ124と、該給送ローラ124によりピックアップされたシート材Pを1枚ずつ分離するシート材分離機構105と、該シート材分離機構105により1枚ずつ分離されたシート材Pの斜行を補正する斜行補正機構106と、該斜行補正機構106により斜行が補正されたシート材Pに対してカール付けを行うカール付け機構107とを備えている。
【0027】
次に上記構成のカードプリンタ101の画像形成部102の動作について説明する。シート材給送装置103によりシート材Pの給送動作が開始されると、該シート材給送装置103のシート材積載台123に積載されたシート材Pの最上位のシート材P1は、先ず、給送ローラ124によりピックアップされた後、シート材分離機構105により1枚ずつ分離される。
【0028】
そして、シート材分離機構105により1枚ずつ分離されたシート材P1は、斜行補正機構106により斜行が補正され、更にカール付け機構107によりカール付けされて画像形成部102に搬送される。
【0029】
このようにして、シート材給送装置103から画像形成部102に給送されたシート材P1は、搬送ベルト113を張架する従動プーリ115に圧接されたピンチ前コロ116、搬送ベルト113に対向するピンチローラ117及び拍車ユニット114によって押圧されて搬送ベルト113とにより挟持された状態で搬送ベルト113上に載置され、この搬送ベルト113の周回駆動により各インクジェット記録ヘッド104の下方を通過する。
【0030】
そして、シート材P1が各インクジェット記録ヘッド104の下方を通過する際に各インクジェット記録ヘッド104を制御してインクを吐出させ、シート材P1の表面に画像を記録する。
【0031】
尚、このようにシート材P1の表面に画像を記録した後、排出拍車118によりシート材P1をカードプリンタ101本体側面に設置された排出トレイ121上に排出する。
【0032】
次にシート材Pを画像形成部102に給送するシート材給送装置103の構成を詳細に説明する。シート材積載台123は、図示しない昇降手段により該シート材積載台123上に積載されたシート材Pの最上面が給送ローラ124によって給送される所定の高さまで上昇されるようになっている。
【0033】
図1において、129はシート材Pの最上面の高さの位置を検知するシート材面検知フラグであり、このシート材面検知フラグ129の位置を検知するシート材高さ検知センサS1からの検知信号によりシート材Pの最上面の高さが所定の位置に上昇したと判断すると、カードプリンタ101本体に設けられている図示しない制御装置によって図示しない昇降手段を停止するようにしている。
【0034】
これにより、シート材Pの最上面が給送ローラ124によって給送される所定の高さに保持される。尚、その後、最上位にあるシート材P1が給送されてシート材Pの最上面の高さが所定の高さよりも一定量下がった場合、シート材高さ検知センサS1からの検知信号に基づき、図示しない制御装置は図示しない昇降手段を駆動するようにしている。これにより、シート材積載台123上に積載されているシート材Pの最上位のシート材P1が所定の高さ位置に維持され、給送ローラ124により安定して給送される。
【0035】
次に給送ローラ124によりシート材Pを給送する機構を図2を用いて詳細に説明する。本実施形態のシート材給送手段として、例えば、給送回転体である給送ローラ124は、図2に示すように、半月形状の給送ローラで構成されており、これによりシート材Pを給送する。
【0036】
128はシート材分離手段として例えば、土手分離機構を構成する分離土手部であり、125は分離ローラ、108は分離パットである。205はシート材Pの滞留の状態を検知するタイミングセンサであり、129はシート材Pの給送面を認識するためのシート材面検知フラグであり、S1はシート材面検知フラグ129の位置を検知するシート材高さ検知センサである。
【0037】
123はシート材Pを積載可能なシート材積載台であり、斜行補正ローラ対209,210及び斜行補正ガイド213はシート材Pの斜行を補正する斜行補正機構である。211は斜行補正をしている時の用紙の状態を検知するための斜行検知フラグであり、212は該斜行検知フラグ211の位置を検知する斜行検知センサである。
【0038】
シート材Pは給送ローラ124の駆動により、該給送ローラ124の半月形状の先端部124Aにより前方に押し出され、土手分離機構の分離土手部128を越えて分離回転体である分離ローラ125により搬送される。給送ローラ124はシート材Pが分離ローラ125に確実に加えこまれるに十分な量を送りこむ。
【0039】
以上のシート材Pの動きを図3により説明する。シート材Pが給送される前の状態が図3(a)である。給送ローラ124はシート材Pに接しない位相で待機している。給送ローラ124は図示しない駆動モータにより駆動を受けて回転し、図3(b)に示すように、シート材Pに接すると該シート材Pは給送される。
【0040】
そして、シート材Pは分離土手部128により分離され、更に、分離土手部128を昇って、図3(c)に示すように、分離ローラ125に加えこまれる。給送ローラ124は該給送ローラ124がシート材Pを給送中に該シート材Pの上面を滑ったとしても十分に分離ローラ125にシート材Pが給送出来る程度の量だけシート材Pを給送する。その後、次のシート材Pの給送タイミングを図3(a)に示す待機位置で待つこととなる。
【0041】
次に図4を用いて本実施形態の給送ローラ124の構成について詳細に説明する。図4において、給送回転体となる給送ローラ124は、剛性部材からなる剛性体部402Aと弾性部材からなる弾性体部402Bとを有して形成されたコア材となるカラー部402の外周部に弾性体となるゴム部401が設けられている。
【0042】
ゴム部401はシート材Pに対して高い摩擦係数μを有する材料で且つ、耐磨耗性に優れていることが望ましい。また、給送ローラ401はゴム部401の表面に凹凸部やローレット部または研磨をした給送ローラとして構成される。
【0043】
402は給送ローラ124の半月形状を形成するコア材となるカラー部であり、該カラー部402は周方向に分割された領域を構成する剛性体部402Aと弾性体部402Bとで形成されている。
【0044】
剛性体部402Aはシート材Pの給送時に給送ローラ124のゴム部401をしっかりシート材Pに押し付けることが可能な材質になっており、一方、弾性体部402Bはシート材Pを給送する間、該シート材Pに給送ローラ124の弾性体部402Bの位置が接しているときは剛性体部402Aが接しているときの圧接力が解除され、給送ローラ124のゴム部401がシート材Pに軽い圧接力で接しているだけという状態になる。
【0045】
図5に図4の給送ローラ124によるシート材Pの給送状態を示す。図5(a)に示すように給送ローラ124が退避した状態から、図示しない駆動モータから回転駆動力を受けて給送ローラ124が回転すると、先ず剛性体部402Aの先端部が対応する給送ローラ124の先端部124Aがシート材Pに接し、強い給送力で給送される(図5(b))。
【0046】
その後、強い給送力のまま、シート材Pは給送ローラ124により給送されて土手分離機構の分離土手部128を昇り、シート材Pは分離土手部128の作用により分離されて該分離土手部128を越えることが可能となる(図5(b))。
【0047】
そして、シート材Pが分離土手部128を昇ると、給送ローラ124の弾性体部502Aが対応する部位がシート材Pに接し、該シート材Pは軽い荷重で、且つ軽い給送力で給送される(図5(c))。
【0048】
即ち、本実施形態のシート材給送手段を構成する給送回転体となる給送ローラ124は、該給送ローラ124によりシート材Pを給送する際に、該シート材Pに給送ローラ124が与える圧接力となる垂直抗力を変化させることによりシート材Pに与える給送力を変化させることが可能であり、該給送ローラ124のコア材となるカラー部402の剛性体部402Aに対応する部分ではシート材Pに強い給送力を与え、弾性体部402Bに対応する部分では圧接力を解除してシート材Pに弱い給送力を与えることが可能である。
【0049】
以上のような給送ローラ124の構成をとることにより、シート材Pは確実に分離され、且つ、完全重送も、連れ重送もなく確実に給送することが可能となった。
【0050】
尚、前記記録手段となるインクジェット記録ヘッド104は搬送手段となる搬送ベルト113により搬送されたシート材Pにインク像を記録するものである。この装置における記録手段としては、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジェット記録方式を用いている。
【0051】
即ち、この記録ヘッドは微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段を備えている。
【0052】
このようなエネルギーを発生するエネルギー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた記録方法、レーザ等の電磁波を照射して発熱させ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法、或いは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等がある。
【0053】
その中でも熱エネルギーによって液体を吐出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するための液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列することが出来るために高解像度の記録をすることが可能である。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段として用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、高密度実装化が容易で、製造コストも安価なことから有利である。
【0054】
本実施形態ではインクの吐出構成として、記録信号に応じて電気熱変換体に通電し、その熱エネルギーによってインクに生ずる膜沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長、収縮により、インクを吐出口から吐出して記録を行うように構成している。このように、熱エネルギーによって気泡を成長収縮させてインクを吐出させることで、特に応答性に優れた液体の吐出が達成出来る。
【0055】
尚、インクジェット記録ヘッド104はシリアル記録方式であってもフルライン記録方式であっても良い。
【0056】
次に図6を用いて本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第2実施形態の構成について説明する。図6は第2実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図6において、601はシート材給送手段を構成する給送回転体となる給送ローラ124のコア材である剛性部材からなる半月形状のカラー部602の外周部に設けられた弾性体となるゴム部であり、前記第1実施形態の給送ローラ124のゴム部401と同様の部材で構成されている。
【0058】
そして、給送ローラ124のゴム部601がシート材Pと接する時、該シート材Pとゴム部601が密着して圧接される。図6に示すように、給送ローラ124のゴム部601はカラー部602の外周長よりも長い周長を有し、カラー部602の先端部が対応する給送ローラ124の先端部124A側がカラー部602に巻きつけて一部が接着されている。
【0059】
この給送ローラ124でシート材Pを給送する場合で、給送ローラ124が矢印a方向に回転する場合、給送ローラ124のゴム部601はカラー部602がある部分ではシート材Pにしっかりと所定の圧接力をかけて給送することが可能であり、カラー部602がある場所を過ぎると、ゴム部601だけの部位601Aでシート材Pを給送することで、カラー部602で受けていた圧接力を解除することが可能になり、弱い給送力で給送することが可能となった。
【0060】
ゴム部601は接着端部601B,601Cまではカラー部602に固定されており、該ゴム部601が給送時に弛んだりしてシート材Pの移動量が変化したりすることはない。
【0061】
即ち、給送回転体である給送ローラ124がシート材Pを給送する際にコア材である剛性部材からなるカラー部602と弾性体であるゴム部601とでシート材Pを押さえて給送する部分と、ゴム部601だけでシート材Pを給送する部分とを有することでシート材Pに与える圧接力及び給送力を変化させるように構成している。
【0062】
本実施形態の場合も前記第1実施形態と同様のタイミングで給送ローラ124がシート材Pを給送する時の圧接力の変更をすることにより、前記第1実施形態と同様な効果が得られるものである。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、シート材を給送する給送回転体を該給送回転体でシート材を給送中に該給送回転体がシート材に与える荷重、即ち、垂直抗力を軽減させる構成とすることで、給送中にシート材に与える給送力を変化させることが可能となり、給紙回転体による給送不良やシート材が完全に重なって給送されてしまう完全重送、シート材が連なって給送されてしまう連れ重送を防止することが可能となり、記録装置の信頼性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート材給送装置を備えた記録装置の第1実施形態の構成を示す断面模式図である。
【図2】第1実施形態の給送部の構成を示す断面模式図である。
【図3】第1実施形態の給送回転体の駆動とシート材が給送される様子を示す断面模式図である。
【図4】第1実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。
【図5】第1実施形態の給送回転体によるシート材の給送の様子を示す断面模式図である。
【図6】第2実施形態の給送回転体の構成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
103…シート材給送装置、105…シート材分離機構、106…斜行補正機構、107…カール付け機構、108…分離パット、109…テンションプーリ、112…駆動軸、121…排出トレイ、123…シート材積載台、124…給送ローラ、124A…先端部、125…分離ローラ、128…土手分離機構、128…分離土手部、129…シート材面検知フラグ、205…タイミングセンサ、209,210…斜行補正ローラ対、211…斜行検知フラグ、212…斜行検知センサ、213…斜行補正ガイド、401…ゴム部、402…カラー部、402A…剛性体部、402B…弾性体部、601…ゴム部、601A…ゴム部だけの部位、602…カラー部、P,P1…シート材、S1…シート材高さ検知センサ
Claims (8)
- シート材を積載するシート材積載手段と、該シート材積載手段に積載されたシート材を給送する為に前記シート材に与える給送力を変化するシート材給送手段と、該シート材給送手段との協働によりシート材を1枚ずつ分離するシート材分離手段とを備え、
シート材に与える給送力を変化させることが可能であることを特徴とするシート材給送装置。 - 前記シート材給送手段は給送回転体を有し、前記給送回転体のシート材に与える給送力の変化は、該給送回転体によりシート材を給送する際に該シート材に該給送回転体が与える圧接力となる垂直抗力を変化させることを特徴とする請求項1に記載のシート材給送装置。
- 前記給送回転体は、半月形状で構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート材給送装置。
- 前記給送回転体は、コア材の外周部に弾性体が設けられ、前記コア材は剛性部材と弾性部材とを有して形成されており、前記剛性部材部分ではシート材に強い給送力を与え、前記弾性部材部分では圧接力を解除してシート材に弱い給送力を与えることが可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート材給送装置。
- 前記給送回転体は、剛性部材からなるコア材の外周部に弾性体が設けられ、該給送回転体がシート材を給送する際に前記コア材と前記弾性体とでシート材を押えて給送する部分と、前記弾性体だけでシート材を給送する部分とを有することでシート材に与える圧接力及び給送力を変化させることが可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシート材給送装置。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のシート材給送装置を有し、画像を記録する記録手段を有することを特徴とする記録装置。
- 前記記録装置は、記録手段が信号に応じてインクを吐出して記録することを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
- 前記記録装置は、記録手段が信号に応じて電気熱変換体に通電し、該電気熱変換体の発する熱エネルギーによってインクに生ずる膜沸騰を利用してインクを吐出することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
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JP2010111483A (ja) * | 2008-11-07 | 2010-05-20 | Duplo Seiko Corp | 給紙ローラ |
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-
2003
- 2003-06-24 JP JP2003179150A patent/JP2005015091A/ja not_active Withdrawn
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