JP2005015074A - 在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】物品の搬入口の形態及び物品管理領域内で物品の搬送を行う搬送手段の構成に対応し、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定し、搬出効率の低下を抑制する。
【解決手段】物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに搬入口13から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する。搬出優先状態でないときは(S101)、第1物品保管手段11における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が第2物品保管手段12の空き収納スペースの数よりも搬入個数設定手段32で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように(S105、S109)、第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段10を入庫先として決定する(S106、S107、S110、S111)。
【選択図】 図6
【解決手段】物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに搬入口13から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する。搬出優先状態でないときは(S101)、第1物品保管手段11における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が第2物品保管手段12の空き収納スペースの数よりも搬入個数設定手段32で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように(S105、S109)、第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段10を入庫先として決定する(S106、S107、S110、S111)。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、在庫管理システム、在庫管理方法、及びその方法に用いられるプログラムに関し、とくに、物品の搬入口の形態及び物品管理領域内で物品の搬送を行う搬送手段の構成と対応しており、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、在庫管理方法に関し、クレーンをそれぞれ備える複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定するものとして、自動倉庫の入庫クレーン割付方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の入庫クレーン割付方法は、予め各クレーンについて物品の標準在庫数を設定し、割付け済みの物品数から未収納の物品数を引いた現在仕掛数を演算し、この演算結果と標準仕掛数との差である仕掛余裕数を演算する。そして、この演算結果に基づいて担当するクレーンの候補を選定してその候補の中からクレーンを決定するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−225920号公報(第3頁、1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の在庫管理方法は、あくまで、標準仕掛数と現在仕掛数との差である仕掛余裕数に基づいて入庫クレーンを決定するものである。このため、物品の搬入口や搬出口の形態、各クレーン間で物品の搬送を行う搬送設備の構成、搬出作業と搬入作業との干渉、等の事情を考慮して在庫状態が平滑化されるように入庫クレーンを決定したいという要求には適切に対応することができない。
【0005】
特に、省設備化や設備配置スペース等の観点から、クレーンをそれぞれ備えた複数の物品保管手段のうち、物品の搬入口に直結したものと直結していないものとを備えるように構成される物品管理領域がある。この場合、物品管理領域の搬入口に直結していない物品保管手段には、搬入口に直結している物品保管手段と物品管理領域内の搬送設備とを介して、搬入口から搬入された物品の入庫が行われる。この場合、直結していない物品保管手段への入庫が多くなると入庫作業に時間がかかってしまうが、直結した物品保管手段への入庫を増やすと在庫のバランスが崩れてしまう。そして、搬入口に直結している物品保管手段と直結していない物品保管手段との在庫バランスが適切な状態でないと、搬出口からの搬出作業が集中しているときに搬入口からの搬入作業も干渉して発生するような場合に、搬出作業のために優先して用いるべき搬送設備を、搬入口に直結していない物品保管手段への入庫作業のためにも用いなければならない場合が生じ、搬出作業の能率が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、物品の搬入口の形態及び物品管理領域内で物品の搬送を行う搬送手段の構成に対応し、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラムに関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の在庫管理システムは、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、前記複数の物品保管手段を備える物品管理領域に対して物品を搬入する搬入口と、前記物品管理領域から物品を搬出する搬出口と、前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定手段と、前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定手段であって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の在庫管理システムは、請求項1において、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0010】
この構成によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0011】
請求項3に記載の在庫管理システムは、請求項1において、前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、前記搬入個数設定手段は、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0012】
この構成によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0013】
請求項4に記載の在庫管理システムは、請求項3において、前記搬入個数設定手段は、前記搬出状態になったときに前記一体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である一体搬入個数をさらに予め設定し、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記一体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における入庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の入庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された一体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0014】
この構成によると、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から一体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0015】
請求項5に記載の在庫管理システムは、請求項3又は4において、前記入庫決定手段は、前記物品保管手段から物品を前記運搬手用段とともに出庫して前記搬出口から当該物品のみを搬出した後当該運搬用手段を前記物品保管手段に返却するときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を返却先として、さらに決定することを特徴とする。
【0016】
この構成によると、物品のみを搬出した後に運搬用手段を物品保管手段に返却する際に、第1物品保管手段と第2物品保管手段との単体入庫収納スペース数のバランスを、搬出優先状態のときに搬入口から単体搬入状態で搬入される物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【0017】
請求項6に記載の在庫管理方法は、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、物品を搬入する搬入口と、物品を搬出する搬出口と、前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、を備える物品管理領域における在庫管理に用いられ、物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定ステップと、前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定ステップであって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
この構成によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0019】
請求項7に記載の在庫管理方法は、請求項6において、前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0020】
この構成によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0021】
請求項8に記載の在庫管理方法は、請求項6において、前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、前記搬入個数設定ステップは、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0022】
この構成によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0023】
請求項9〜11にそれぞれ記載のプログラムは、コンピュータに請求項6〜8にそれぞれ記載している在庫管理方法を実行させることが可能なプログラムであり、請求項6〜8とそれぞれ同様の作用効果を奏する。なお、請求項9〜11のそれぞれに記載されているプログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、FD(Flexible Disk)、MO(Magneto−Optic)などのリムーバブル型記録媒体やハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態に係る在庫管理システム及び在庫管理方法は、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する物品保管手段を複数備える物品管理領域に対して適用され、とくに、各物品保管手段での物品の入庫及び出庫作業が作業者を介さずに行われる自動倉庫に対して適用されるものである。図1の模式図は、その物品管理領域1を例示した平面図である。
【0026】
図1に示すように、物品管理領域1は、複数の物品保管手段10(図1では、2つの物品保管手段10を備える場合を例示)、物品管理領域1に対して物品を搬入する搬入口13、その物品を搬出する搬出口14、搬送手段15を備えている。各物品保管手段10(以下、「倉庫10」という)は、図2の平面図に示すように、物品を収納可能な複数のラック16(図2では、一対備えられるものを例示)と、それらの間を移動するクレーン(スタッカークレーン)17とを備えている。ラック16は、物品を収納可能な複数の収納スペース18を備え、収納スペース18は、区分けされた棚18aとその棚18aに対応する入出庫口となる間口18bとを有している。クレーン17は、ラック16に収納される物品を搬送して各収納スペース18に対して入庫及び出庫を行うものであり、ラック16間に延長されるレール19と、そのレール上を移動するとともに物品を搬送する移動体20とを備える。
【0027】
また、図1に示すように、倉庫10は、第1倉庫(第1物品保管手段)11と、第2倉庫(第2物品保管手段)12とを備えている。第1倉庫11(以下「#1倉庫11」という)は、搬入口13から搬入される物品を、作業者を介して又は図示しない移載機を介して、直接#1倉庫11のクレーン17に移載して各収納スペース18に入庫可能となっており、搬入口13と直結した構成となっている。一方、第2倉庫12(以下、「#2倉庫12」という)は、搬入口13と直結されておらず、#1倉庫11を介して物品が入庫されるようになっている。
【0028】
また、搬送手段15は、トラバーサやコンベア等の搬送設備(以下、「搬送設備15」という)によって構成され、#1倉庫11及び#2倉庫と搬出口14との間で、及び、#1倉庫11と#2倉庫12との間で、物品を搭載して搬送する。図1に例示する物品管理領域1においては、搬送設備15は、倉庫10に対して搬出口14側に設けられている。各倉庫10に備えられるクレーン17によってラック16から物品が出庫されると、その物品は搬送設備15に移載されて搬出口14まで搬送され、搬出される。また、#2倉庫12に入庫される物品は、#1倉庫11のクレーン17から搬送設備15に移載されて搬送された後、搬送設備15から#2倉庫12のクレーン17に移載されて#2倉庫12の所定の収納スペース18に入庫される。
【0029】
このように、物品管理領域1では、搬入口13が#1倉庫11に直結され、搬送設備15が搬出作業と#1−#2倉庫間での搬送作業とに用いられるようになっている。この構成により、省設備化や設備配置スペース等の目的に適合したものとなっている。
【0030】
本実施形態に係る在庫管理システムは、上記構成を有する物品管理領域1と、後述の搬入個数設定手段及び入庫決定手段を有する在庫管理装置21とを備えることで構成される。また、本実施形態に係る在庫管理方法は、物品管理領域1における在庫管理に用いられ、在庫管理装置21によって搬入個数設定ステップと入庫決定ステップとが実行されることによって実施される。
【0031】
図3は、在庫管理装置21の構成を示すブロック図を例示したものである。在庫管理装置21は、例えば、物品管理領域1内の所定箇所に配置され、又は物品管理領域101とは離れて位置する電気室や事務所等に配置されるコンピュータであり、当該物品管理領域1と他の工場や倉庫等との間における物流管理や生産管理等を行う上位のコンピュータ(図示せず)と通信可能に接続されている。
【0032】
そして、在庫管理装置21には、図3に示すように、当該在庫管理装置21からの指令に基づいて#1倉庫11のクレーン17の動作を制御する#1クレーンコントロールパネル22が接続され、#1クレーンコントロールパネル22には、クレーン17の駆動装置(図示せず)を駆動させる#1クレーンコントローラ23が接続されている。また、同様に、在庫管理装置21には、#2クレーンコントロールパネル24、#2クレーンコントローラ25も接続されている。なお、各クレーンコントロールパネル22、24からは、各クレー17の制御のための各種設定が入力可能となっている。
【0033】
在庫管理装置21は、CPU(Central Processing Unit)26と、操作手段27と、表示手段28と、メモリ29と、インターフェイス(I/F)30とを備えており、これらは、バスを介して相互に接続されている。操作手段27は、例えば、キーボードやマウス(ポインティングデバイス)等で構成されており、表示手段28は、ディスプレイとして構成されている。
【0034】
メモリ29は、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)や読み出し・書込み可能な揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。このメモリ29には、当該在庫管理装置21の動作を制御するために用いられる各種プログラムや、当該在庫管理装置21に本実施形態に係る在庫管理方法を実行させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくこと等により、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種ソフトウェアが格納されている。また、メモリ29には、物品管理領域1への物品の搬入・搬出情報や各倉庫への入出庫情報等の種々のデータ等も格納される。
【0035】
CPU26は、操作手段27によって入力された信号や、メモリ29内の各種プログラムやデータに基づいて各種演算及び処理を行う。そして、インターフェイス30を介して各クレーンコントロールパネル22、24との送受信を行う。インターフェイス30は、各コントロールパネル22、24と接続されており、これらとの間の通信を可能にするものである。
【0036】
以上説明したハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の作業モード設定部31、搬入個数設定部(搬入個数設定手段)32、入庫決定部(入庫決定手段)33が在庫管理装置21内に構築され、また本実施形態に係る在庫管理方法における搬入個数設定ステップ及び入庫決定ステップが実行される。
【0037】
作業モード設定部31は、物品管理領域1における作業状(作業モード)を搬出優先モード(搬出優先状態)と通常モード(非搬出優先状態)とのいずれかの作業モードに設定する。作業モード設定部31で搬出優先モードに設定されることで、在庫管理装置21は、現在の作業状態が、物品を搬入する作業よりも搬出する作業を優先される搬出優先状態になっていることを認識することができる。逆に、作業状態が通常モードに設定されているときは、搬出優先状態でないことを認識できる。通常、図1に例示するような物品管理領域の場合、搬入作業が集中するピーク時間と搬出作業が集中するピーク時間とが異なるか、完全に時間帯で各作業の頻度が異なるように運用される場合が多い(例えば、搬入作業は24時間行われるが搬出作業は昼間のみ、等)。そのため、上記のように作業モードを設定することができる。
【0038】
なお、在庫管理装置21では、操作手段27からの図示しない操作者による入力操作に基づいて各種設定入力が可能になっており、例えば、表示手段28に表示されるグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて行われる。作業モードを切り替える設定入力も、このグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて行われる。
【0039】
搬入個数設定部32は、上記の搬出優先状態になったとき(搬出優先モードに設定されているとき)に搬入口13から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する。搬入個数設定部32により、本実施形態に係る搬入個数設定ステップが実行される。なお、搬入個数の設定も、前記グラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて、操作手段27からの入力操作に基づいて行われる。
【0040】
物品が搬入される状態が1通りしかない場合は、上記の搬入個数としては1つの設定値が入力されることになる。しかし、複数の状態で物品が搬入される場合は、そのうちの少なくとも1つの搬入状態に対して設定値を入力することができるようになっている。以下、複数の状態で物品が搬入される場合を例にとって説明する。
【0041】
図4は、物品の運搬に用いられる運搬用手段34を例示したものである。図4(a)は台からなる運搬用手段(パレット)34aを例示したものであり、図4(b)は容器からなる運搬用手段(トレイ)34bを例示したものである。いずれの運搬用手段34を用いる場合も、物品がその上に載せられた状態で運搬されることになる。
【0042】
物品管理領域1においては、物品は、一体搬入状態又は単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される。一体搬入状態の場合は、運搬用手段34に物品が支持された状態で一体的に搬入される。一方、単体搬入状態の場合は、運搬用手段34のみを倉庫10から一旦出庫してこの運搬用手段34に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される。
【0043】
搬入個数設定部32では、搬出優先状態になったときに単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数(以下、この個数をnとして「単体搬入個数n」という)が予め設定され、同様に、搬出優先状態になったときに一体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である一体搬入個数(以下、この個数をmとして「一体搬入個数m」という)も予め設定される。これらn、mの設定値は、前述のグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて設定入力(初期設定及び変更設定の入力)されるようになっている。
【0044】
入庫決定部33は、搬入口13から搬入される物品を#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれに入庫するかを決定する。そして、搬出優先状態でないときは、#1倉庫11における物品が入庫されていない空き状態の収納スペース(以下、「空き収納スペース」という)の数が#2倉庫12の空き収納スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。なお、入庫決定部33により、本実施形態に係る入庫決定ステップが実行される。
【0045】
ここで、倉庫10における空き収納スペースの状態について説明する。一体搬入状態又は単体搬入状態で物品管理領域1に搬入された物品は、そのいずれかの状態で倉庫10に入庫される。従って、倉庫10においては、空き収納スペースとしては、運搬用手段34に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、運搬用手段34のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとが存在している。
【0046】
図5は、倉庫10における物品の収納状態を例示した模式図である。図5に示す#1倉庫11及び#2倉庫12において、領域Ia及びIIa内の各収納スペース18には、運搬用手段34と物品とが一体で収納されている。そして、領域Ib及びIIb内の各収納スペース18は、物品が収納されず運搬用手段34のみが収納された運搬用手段出庫可能スペースとなっている。また、領域Ic及びIIc内の各収納スペース18は、物品及び運搬用手段34とも収納されていない入庫可能スペースとなっている。なお、便宜上、同じ状態の収納スペース18が集合している状態を例示しているが、当然に、倉庫10中で混在して存在していてもよい。
【0047】
在庫管理装置21の搬入個数設定部32では、単体搬入個数n及び一体搬入個数mが設定可能であり、入庫決定部33では、これらの設定値n、mに基づいて入庫先となる倉庫が決定される。まず、搬出優先状態でないときであって単体搬入状態で物品が搬入されるときは、入庫決定部33は、#1倉庫11における運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。即ち、図5の例に示すように、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペース数(N+n個)が、#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペース数(N個)よりもn個多い状態に近づくように、入庫先の倉庫(11又は12)が決定される。
【0048】
このように、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、単体搬入個数nの分だけ#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫12のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。即ち、搬出優先状態になる前に予め、図5に示すような望ましい在庫バランスの状態を実現できる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生したときに、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0049】
また、搬出優先状態でないときであって一体搬入状態で物品が搬入されるときは、入庫決定部33は、#1倉庫11における入庫可能スペースの数が#2倉庫12の入庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された一体搬入個数mの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。即ち、図5の例に示すように、#1倉庫の入庫可能スペース数(M+m個)が、#2倉庫12の入庫可能スペース数(M個)よりもm個多い状態に近づくように、入庫先の倉庫(11又は12)が決定される。
【0050】
このように、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、一体搬入個数mの分だけ#1倉庫11の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。即ち、搬出優先状態になる前に予め、図5に示すような望ましい在庫バランスの状態を実現できる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生したときに、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0051】
なお、入庫決定部33において、搬出優先状態でないときに#1倉庫11の空き収納スペースの数が#2倉庫12のそれよりも搬入個数設定部32で設定した搬入個数の分だけ多い状態に近づくように入庫先を決定するに際しては、種々の処理方法を選択することができる。例えば、#1倉庫11の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数から搬入個数設定部32で設定された搬入個数(単体搬入個数n、又は一体搬入個数m)を引いた値と#2倉庫12の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する倉庫を入庫先として決定することができる。また、例えば、#2倉庫12の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数に搬入個数設定部32で設定された搬入個数(単体搬入個数n、又は一体搬入個数m)を加えた値と#1倉庫11の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する倉庫を入庫先として決定することもできる。
【0052】
また、物品管理領域1においては、倉庫10から物品を運搬用手段34とともに出庫して搬出口14から当該物品のみを搬出した後当該運搬用手段34を倉庫10に返却する形態の搬出作業も行われる。このように運搬用手段34の返却が行われる際、入庫決定部33は、#1倉庫11における運搬手段用出庫可能スペースの数が#2倉庫12の運搬手段用出庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を返却先として決定する。
【0053】
このように、物品のみ搬出した後に運搬用手段を返却する際に、#1倉庫11と#2倉庫12との運搬手段用出庫可能スペース数のバランスを、単体搬入個数nの分だけ#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【0054】
なお、上記返却先の決定に際しては、種々の処理方法を選択することができる。例えば、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数から搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nを引いた値と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数とを比較して、そのうち値の少ない方に対応する倉庫を返却先として決定することができる。また、例えば、#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数に搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数mを加えた値と#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数とを比較して、そのうち値の少ない方に対応する倉庫を返却先として決定することもできる。
【0055】
次に、在庫管理装置21での処理(本実施形態に係る在庫管理方法の入庫決定ステップを実行する処理)について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図6は、搬入個数設定部32によって単体搬入個数nと一体搬入個数mとが既に設定されている状態において、搬入作業が発生したときに入庫先の倉庫(11又は12)を決定する場合のフローの一例を示したものである。
【0056】
搬入個数(n、m)が設定された状態で搬入作業が発生すると(例えば、作業者によって搬入作業開始の所定のコマンドが在庫管理装置21に入力されたり、又は、上位コンピュータから搬入作業命令を在庫管理装置21が受信すると)、図6に示す処理が開始される。この図6の処理では、まず、ステップ101(以下、「S101」という。他のステップも同様)において、現在の物品管理領域1の状態が、搬出優先状態であるか否か、即ち、作業モードが搬出優先モードに設定されているか否かが判断される。
【0057】
搬出優先状態であると判断された場合(S101、Yes)は、搬出作業において優先して搬送設備15が用いられるように、即ち、搬入作業に用いられることで搬送設備15による搬出作業の稼働率が低下しないように入庫先が決定される(S102)。本実施形態においては、搬出優先状態になったときには、図5に示す在庫バランスが実現された状態、又はそれに近い状態になっているようにすることができるため、ステップ102にて搬出優先となるように入庫先を決定しても、搬送設備15の運用に関し、搬入作業と搬出作業とが干渉することを抑制できる。
【0058】
搬出優先状態でないと判断された場合(S101、No)は、次いで、単体搬入状態で物品が搬入されるか否かが判断される(S103)。単体搬入状態で搬入されると判断された場合(S103、Yes)は、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数(運搬用手段34がパレット34aであれば空パレット数)から設定されている単体搬入個数nを引いた値(値▲1▼)と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数(空パレット数)の値(値▲2▼)とが比較される(S104)。
【0059】
値▲1▼と値▲2▼とを比較(S104)した結果、値▲1▼が値▲2▼以上であれば(S105、Yes)、#1倉庫11が入庫先として決定される(S106)。一方、値▲1▼が値▲2▼未満であれば(S105、No)、#2倉庫12が入庫先として決定される(S107)。なお、値▲1▼が値▲2▼を超えていれば#1倉庫11を入庫先として決定し、値▲1▼が値▲2▼以下であれば#2倉庫12を入庫先として決定するものであってもよい。
【0060】
また、ステップ103において、当該物品が単体搬入状態で搬入されない、即ち、一体搬入状態で搬入されると判断された場合(S103、No)は、#1倉庫11の入庫可能スペースの数(運搬用手段34が収納されていない空棚数)から設定されている一体搬入個数mを引いた値(値▲3▼)と#2倉庫12の入庫可能スペースの数(空棚数)の値(値▲4▼)とが比較される(S108)。
【0061】
値▲3▼と値▲4▼とを比較(S108)した結果、値▲3▼が値▲4▼以上であれば(S109、Yes)、#1倉庫11が入庫先として決定される(S110)。一方、値▲3▼が値▲4▼未満であれば(S109、No)、#2倉庫12が入庫先として決定される(S111)。なお、値▲3▼が値▲4▼を超えていれば#1倉庫11を入庫先として決定し、値▲3▼が値▲4▼以下であれば#2倉庫12を入庫先として決定するものであってもよい。
【0062】
上述のように、入庫先が決定すると(S102、S107、S108、S110、S111)、図6に示す処理が終了する。
【0063】
次に、倉庫10から物品を運搬用手段34とともに出庫して搬出口14から物品のみを搬出した後当該運搬用手段34を倉庫10に返却する場合の返却先を決定する処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7は、搬入個数設定部32によって単体搬入個数nが既に設定されている状態において、運搬用手段34の返却作業が発生したときに返却先の倉庫(11又は12)を決定する場合のフローの一例を示したものである。
【0064】
単体搬入個数nが設定された状態で返却作業が発生すると(例えば、搬送設備15のコントローラ(図示せず)から搬出作業の終了信号を在庫管理装置21が受信すると)、図7に示す処理が開始される。この図7の処理では、まず、ステップ201において、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数(運搬用手段34がパレット34aであれば空パレット数)から設定されている単体搬入個数nを引いた値(値▲5▼)と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数(空パレット数)の値(値▲6▼)とが比較される(S201)。
【0065】
値▲5▼と値▲6▼とを比較(S201)した結果、値▲5▼が値▲6▼以下であれば(S202、Yes)、#1倉庫11が返却先として決定される(S203)。一方、値▲5▼が値▲6▼を超えていれば(SS202、No)、#2倉庫12が返却先として決定される。なお、値▲5▼が値▲6▼未満であれば#1倉庫11を返却先として決定し、値▲5▼が値▲6▼以上であれば#2倉庫12を返却先として決定するものであってもよい。
【0066】
上述のように、搬出後に運搬用手段34を返却する倉庫が決定されると(203、S204)、図7に示す処理が終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る在庫管理システム及び在庫管理方法によると、#1倉庫11と搬送設備15とを介して入庫が行われる#2倉庫12を備える物品管理領域1において、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口13から搬入される予定の物品の数だけ#1倉庫11の空き収納スペースの数が#2倉庫12よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、物品管理領域1において、複数の倉庫10のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0068】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施することができる。
【0069】
(1)第1物品保管手段11及び第2物品保管手段12は、それぞれ1つに限らず、複数あってもよい。例えば、図8の変形例に示す物品管理領域2のように、第1物品保管手段11が1つ、第2物品保管手段12が2つ備えられているようなものであってもよい。
【0070】
(2)1つの物品保管手段10にラック16が2つに限らず1つ又は3つ以上備えられているものであってもよい。また、1つの物品保管手段にクレーン17が複数備えられているものであってもよい。
【0071】
(3)搬出口14も第1物品保管手段11に直結しており、搬送手段15が、搬出口側にもうけられていないものであってもよい。例えば、図9の変形例に係る物品管理領域3のように、搬送手段15が、第1物品保管手段11と第2物品保管手段12との間の物品の搬送のみを行うものであっても、本発明を適用できる。
【0072】
(4)物品管理領域は、物品が単体搬入状態のみで搬入されるものでも一体搬入状態のみで搬入されるものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
請求項1、6、9の発明によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0074】
請求項2、7、10の発明によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0075】
請求項3、8、11の発明によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0076】
請求項4の発明によると、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から一体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0077】
請求項5の発明によると、物品のみを搬出した後に運搬用手段を物品保管手段に返却する際に、第1物品保管手段と第2物品保管手段との単体入庫収納スペース数のバランスを、搬出優先状態のときに搬入口から単体搬入状態で搬入される物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物品保管手段を複数備える物品管理領域を例示した平面図である。
【図2】図1に示す物品保管手段を例示した平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る在庫管理システムにおける在庫管理装置の構成を例示したブロック図である。
【図4】物品の運搬に用いられる運搬用手段を例示した斜視図である。
【図5】物品保管手段における物品の収納状態を例示した模式図である、
【図6】図3に示す在庫管理装置における処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】図3に示す在庫管理装置における処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】物品管理領域を例示した模式図である。
【図9】物品管理領域を例示した模式図である。
【符号の説明】
1 物品管理領域
10 物品保管手段
11 第1物品保管手段
12 第2物品保管手段
13 搬入口
14 搬出口
15 搬出手段
17 クレーン
18 収納スペース
21 在庫管理装置
32 搬入個数設定部(搬入個数設定手段)
33 入庫決定部(入庫決定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、在庫管理システム、在庫管理方法、及びその方法に用いられるプログラムに関し、とくに、物品の搬入口の形態及び物品管理領域内で物品の搬送を行う搬送手段の構成と対応しており、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、在庫管理方法に関し、クレーンをそれぞれ備える複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定するものとして、自動倉庫の入庫クレーン割付方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の入庫クレーン割付方法は、予め各クレーンについて物品の標準在庫数を設定し、割付け済みの物品数から未収納の物品数を引いた現在仕掛数を演算し、この演算結果と標準仕掛数との差である仕掛余裕数を演算する。そして、この演算結果に基づいて担当するクレーンの候補を選定してその候補の中からクレーンを決定するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−225920号公報(第3頁、1−2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の在庫管理方法は、あくまで、標準仕掛数と現在仕掛数との差である仕掛余裕数に基づいて入庫クレーンを決定するものである。このため、物品の搬入口や搬出口の形態、各クレーン間で物品の搬送を行う搬送設備の構成、搬出作業と搬入作業との干渉、等の事情を考慮して在庫状態が平滑化されるように入庫クレーンを決定したいという要求には適切に対応することができない。
【0005】
特に、省設備化や設備配置スペース等の観点から、クレーンをそれぞれ備えた複数の物品保管手段のうち、物品の搬入口に直結したものと直結していないものとを備えるように構成される物品管理領域がある。この場合、物品管理領域の搬入口に直結していない物品保管手段には、搬入口に直結している物品保管手段と物品管理領域内の搬送設備とを介して、搬入口から搬入された物品の入庫が行われる。この場合、直結していない物品保管手段への入庫が多くなると入庫作業に時間がかかってしまうが、直結した物品保管手段への入庫を増やすと在庫のバランスが崩れてしまう。そして、搬入口に直結している物品保管手段と直結していない物品保管手段との在庫バランスが適切な状態でないと、搬出口からの搬出作業が集中しているときに搬入口からの搬入作業も干渉して発生するような場合に、搬出作業のために優先して用いるべき搬送設備を、搬入口に直結していない物品保管手段への入庫作業のためにも用いなければならない場合が生じ、搬出作業の能率が低下してしまう。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、物品の搬入口の形態及び物品管理領域内で物品の搬送を行う搬送手段の構成に対応し、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラムに関する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の在庫管理システムは、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、前記複数の物品保管手段を備える物品管理領域に対して物品を搬入する搬入口と、前記物品管理領域から物品を搬出する搬出口と、前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定手段と、前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定手段であって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0009】
請求項2に記載の在庫管理システムは、請求項1において、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0010】
この構成によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0011】
請求項3に記載の在庫管理システムは、請求項1において、前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、前記搬入個数設定手段は、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0012】
この構成によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0013】
請求項4に記載の在庫管理システムは、請求項3において、前記搬入個数設定手段は、前記搬出状態になったときに前記一体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である一体搬入個数をさらに予め設定し、前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記一体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における入庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の入庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された一体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0014】
この構成によると、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から一体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0015】
請求項5に記載の在庫管理システムは、請求項3又は4において、前記入庫決定手段は、前記物品保管手段から物品を前記運搬手用段とともに出庫して前記搬出口から当該物品のみを搬出した後当該運搬用手段を前記物品保管手段に返却するときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を返却先として、さらに決定することを特徴とする。
【0016】
この構成によると、物品のみを搬出した後に運搬用手段を物品保管手段に返却する際に、第1物品保管手段と第2物品保管手段との単体入庫収納スペース数のバランスを、搬出優先状態のときに搬入口から単体搬入状態で搬入される物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【0017】
請求項6に記載の在庫管理方法は、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、物品を搬入する搬入口と、物品を搬出する搬出口と、前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、を備える物品管理領域における在庫管理に用いられ、物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定ステップと、前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定ステップであって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定ステップと、を備えることを特徴とする。
【0018】
この構成によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0019】
請求項7に記載の在庫管理方法は、請求項6において、前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0020】
この構成によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0021】
請求項8に記載の在庫管理方法は、請求項6において、前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、前記搬入個数設定ステップは、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする。
【0022】
この構成によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0023】
請求項9〜11にそれぞれ記載のプログラムは、コンピュータに請求項6〜8にそれぞれ記載している在庫管理方法を実行させることが可能なプログラムであり、請求項6〜8とそれぞれ同様の作用効果を奏する。なお、請求項9〜11のそれぞれに記載されているプログラムは、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、FD(Flexible Disk)、MO(Magneto−Optic)などのリムーバブル型記録媒体やハードディスクなどの固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態に係る在庫管理システム及び在庫管理方法は、物品を収納可能な複数の収納スペースを有する物品保管手段を複数備える物品管理領域に対して適用され、とくに、各物品保管手段での物品の入庫及び出庫作業が作業者を介さずに行われる自動倉庫に対して適用されるものである。図1の模式図は、その物品管理領域1を例示した平面図である。
【0026】
図1に示すように、物品管理領域1は、複数の物品保管手段10(図1では、2つの物品保管手段10を備える場合を例示)、物品管理領域1に対して物品を搬入する搬入口13、その物品を搬出する搬出口14、搬送手段15を備えている。各物品保管手段10(以下、「倉庫10」という)は、図2の平面図に示すように、物品を収納可能な複数のラック16(図2では、一対備えられるものを例示)と、それらの間を移動するクレーン(スタッカークレーン)17とを備えている。ラック16は、物品を収納可能な複数の収納スペース18を備え、収納スペース18は、区分けされた棚18aとその棚18aに対応する入出庫口となる間口18bとを有している。クレーン17は、ラック16に収納される物品を搬送して各収納スペース18に対して入庫及び出庫を行うものであり、ラック16間に延長されるレール19と、そのレール上を移動するとともに物品を搬送する移動体20とを備える。
【0027】
また、図1に示すように、倉庫10は、第1倉庫(第1物品保管手段)11と、第2倉庫(第2物品保管手段)12とを備えている。第1倉庫11(以下「#1倉庫11」という)は、搬入口13から搬入される物品を、作業者を介して又は図示しない移載機を介して、直接#1倉庫11のクレーン17に移載して各収納スペース18に入庫可能となっており、搬入口13と直結した構成となっている。一方、第2倉庫12(以下、「#2倉庫12」という)は、搬入口13と直結されておらず、#1倉庫11を介して物品が入庫されるようになっている。
【0028】
また、搬送手段15は、トラバーサやコンベア等の搬送設備(以下、「搬送設備15」という)によって構成され、#1倉庫11及び#2倉庫と搬出口14との間で、及び、#1倉庫11と#2倉庫12との間で、物品を搭載して搬送する。図1に例示する物品管理領域1においては、搬送設備15は、倉庫10に対して搬出口14側に設けられている。各倉庫10に備えられるクレーン17によってラック16から物品が出庫されると、その物品は搬送設備15に移載されて搬出口14まで搬送され、搬出される。また、#2倉庫12に入庫される物品は、#1倉庫11のクレーン17から搬送設備15に移載されて搬送された後、搬送設備15から#2倉庫12のクレーン17に移載されて#2倉庫12の所定の収納スペース18に入庫される。
【0029】
このように、物品管理領域1では、搬入口13が#1倉庫11に直結され、搬送設備15が搬出作業と#1−#2倉庫間での搬送作業とに用いられるようになっている。この構成により、省設備化や設備配置スペース等の目的に適合したものとなっている。
【0030】
本実施形態に係る在庫管理システムは、上記構成を有する物品管理領域1と、後述の搬入個数設定手段及び入庫決定手段を有する在庫管理装置21とを備えることで構成される。また、本実施形態に係る在庫管理方法は、物品管理領域1における在庫管理に用いられ、在庫管理装置21によって搬入個数設定ステップと入庫決定ステップとが実行されることによって実施される。
【0031】
図3は、在庫管理装置21の構成を示すブロック図を例示したものである。在庫管理装置21は、例えば、物品管理領域1内の所定箇所に配置され、又は物品管理領域101とは離れて位置する電気室や事務所等に配置されるコンピュータであり、当該物品管理領域1と他の工場や倉庫等との間における物流管理や生産管理等を行う上位のコンピュータ(図示せず)と通信可能に接続されている。
【0032】
そして、在庫管理装置21には、図3に示すように、当該在庫管理装置21からの指令に基づいて#1倉庫11のクレーン17の動作を制御する#1クレーンコントロールパネル22が接続され、#1クレーンコントロールパネル22には、クレーン17の駆動装置(図示せず)を駆動させる#1クレーンコントローラ23が接続されている。また、同様に、在庫管理装置21には、#2クレーンコントロールパネル24、#2クレーンコントローラ25も接続されている。なお、各クレーンコントロールパネル22、24からは、各クレー17の制御のための各種設定が入力可能となっている。
【0033】
在庫管理装置21は、CPU(Central Processing Unit)26と、操作手段27と、表示手段28と、メモリ29と、インターフェイス(I/F)30とを備えており、これらは、バスを介して相互に接続されている。操作手段27は、例えば、キーボードやマウス(ポインティングデバイス)等で構成されており、表示手段28は、ディスプレイとして構成されている。
【0034】
メモリ29は、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)や読み出し・書込み可能な揮発性記憶装置であるRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。このメモリ29には、当該在庫管理装置21の動作を制御するために用いられる各種プログラムや、当該在庫管理装置21に本実施形態に係る在庫管理方法を実行させるためのプログラム(このプログラムは、CD−ROM、FD、MOなどのリムーバブル型記録媒体に記録しておくこと等により、任意のコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種ソフトウェアが格納されている。また、メモリ29には、物品管理領域1への物品の搬入・搬出情報や各倉庫への入出庫情報等の種々のデータ等も格納される。
【0035】
CPU26は、操作手段27によって入力された信号や、メモリ29内の各種プログラムやデータに基づいて各種演算及び処理を行う。そして、インターフェイス30を介して各クレーンコントロールパネル22、24との送受信を行う。インターフェイス30は、各コントロールパネル22、24と接続されており、これらとの間の通信を可能にするものである。
【0036】
以上説明したハードウェア及びソフトウェアが組み合わされることによって、後述の作業モード設定部31、搬入個数設定部(搬入個数設定手段)32、入庫決定部(入庫決定手段)33が在庫管理装置21内に構築され、また本実施形態に係る在庫管理方法における搬入個数設定ステップ及び入庫決定ステップが実行される。
【0037】
作業モード設定部31は、物品管理領域1における作業状(作業モード)を搬出優先モード(搬出優先状態)と通常モード(非搬出優先状態)とのいずれかの作業モードに設定する。作業モード設定部31で搬出優先モードに設定されることで、在庫管理装置21は、現在の作業状態が、物品を搬入する作業よりも搬出する作業を優先される搬出優先状態になっていることを認識することができる。逆に、作業状態が通常モードに設定されているときは、搬出優先状態でないことを認識できる。通常、図1に例示するような物品管理領域の場合、搬入作業が集中するピーク時間と搬出作業が集中するピーク時間とが異なるか、完全に時間帯で各作業の頻度が異なるように運用される場合が多い(例えば、搬入作業は24時間行われるが搬出作業は昼間のみ、等)。そのため、上記のように作業モードを設定することができる。
【0038】
なお、在庫管理装置21では、操作手段27からの図示しない操作者による入力操作に基づいて各種設定入力が可能になっており、例えば、表示手段28に表示されるグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて行われる。作業モードを切り替える設定入力も、このグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて行われる。
【0039】
搬入個数設定部32は、上記の搬出優先状態になったとき(搬出優先モードに設定されているとき)に搬入口13から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する。搬入個数設定部32により、本実施形態に係る搬入個数設定ステップが実行される。なお、搬入個数の設定も、前記グラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて、操作手段27からの入力操作に基づいて行われる。
【0040】
物品が搬入される状態が1通りしかない場合は、上記の搬入個数としては1つの設定値が入力されることになる。しかし、複数の状態で物品が搬入される場合は、そのうちの少なくとも1つの搬入状態に対して設定値を入力することができるようになっている。以下、複数の状態で物品が搬入される場合を例にとって説明する。
【0041】
図4は、物品の運搬に用いられる運搬用手段34を例示したものである。図4(a)は台からなる運搬用手段(パレット)34aを例示したものであり、図4(b)は容器からなる運搬用手段(トレイ)34bを例示したものである。いずれの運搬用手段34を用いる場合も、物品がその上に載せられた状態で運搬されることになる。
【0042】
物品管理領域1においては、物品は、一体搬入状態又は単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される。一体搬入状態の場合は、運搬用手段34に物品が支持された状態で一体的に搬入される。一方、単体搬入状態の場合は、運搬用手段34のみを倉庫10から一旦出庫してこの運搬用手段34に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される。
【0043】
搬入個数設定部32では、搬出優先状態になったときに単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数(以下、この個数をnとして「単体搬入個数n」という)が予め設定され、同様に、搬出優先状態になったときに一体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である一体搬入個数(以下、この個数をmとして「一体搬入個数m」という)も予め設定される。これらn、mの設定値は、前述のグラフィカルユーザインターフェイス画面を通じて設定入力(初期設定及び変更設定の入力)されるようになっている。
【0044】
入庫決定部33は、搬入口13から搬入される物品を#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれに入庫するかを決定する。そして、搬出優先状態でないときは、#1倉庫11における物品が入庫されていない空き状態の収納スペース(以下、「空き収納スペース」という)の数が#2倉庫12の空き収納スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。なお、入庫決定部33により、本実施形態に係る入庫決定ステップが実行される。
【0045】
ここで、倉庫10における空き収納スペースの状態について説明する。一体搬入状態又は単体搬入状態で物品管理領域1に搬入された物品は、そのいずれかの状態で倉庫10に入庫される。従って、倉庫10においては、空き収納スペースとしては、運搬用手段34に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、運搬用手段34のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとが存在している。
【0046】
図5は、倉庫10における物品の収納状態を例示した模式図である。図5に示す#1倉庫11及び#2倉庫12において、領域Ia及びIIa内の各収納スペース18には、運搬用手段34と物品とが一体で収納されている。そして、領域Ib及びIIb内の各収納スペース18は、物品が収納されず運搬用手段34のみが収納された運搬用手段出庫可能スペースとなっている。また、領域Ic及びIIc内の各収納スペース18は、物品及び運搬用手段34とも収納されていない入庫可能スペースとなっている。なお、便宜上、同じ状態の収納スペース18が集合している状態を例示しているが、当然に、倉庫10中で混在して存在していてもよい。
【0047】
在庫管理装置21の搬入個数設定部32では、単体搬入個数n及び一体搬入個数mが設定可能であり、入庫決定部33では、これらの設定値n、mに基づいて入庫先となる倉庫が決定される。まず、搬出優先状態でないときであって単体搬入状態で物品が搬入されるときは、入庫決定部33は、#1倉庫11における運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。即ち、図5の例に示すように、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペース数(N+n個)が、#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペース数(N個)よりもn個多い状態に近づくように、入庫先の倉庫(11又は12)が決定される。
【0048】
このように、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、単体搬入個数nの分だけ#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫12のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。即ち、搬出優先状態になる前に予め、図5に示すような望ましい在庫バランスの状態を実現できる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生したときに、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0049】
また、搬出優先状態でないときであって一体搬入状態で物品が搬入されるときは、入庫決定部33は、#1倉庫11における入庫可能スペースの数が#2倉庫12の入庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された一体搬入個数mの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を入庫先として決定する。即ち、図5の例に示すように、#1倉庫の入庫可能スペース数(M+m個)が、#2倉庫12の入庫可能スペース数(M個)よりもm個多い状態に近づくように、入庫先の倉庫(11又は12)が決定される。
【0050】
このように、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、一体搬入個数mの分だけ#1倉庫11の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。即ち、搬出優先状態になる前に予め、図5に示すような望ましい在庫バランスの状態を実現できる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生したときに、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0051】
なお、入庫決定部33において、搬出優先状態でないときに#1倉庫11の空き収納スペースの数が#2倉庫12のそれよりも搬入個数設定部32で設定した搬入個数の分だけ多い状態に近づくように入庫先を決定するに際しては、種々の処理方法を選択することができる。例えば、#1倉庫11の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数から搬入個数設定部32で設定された搬入個数(単体搬入個数n、又は一体搬入個数m)を引いた値と#2倉庫12の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する倉庫を入庫先として決定することができる。また、例えば、#2倉庫12の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数に搬入個数設定部32で設定された搬入個数(単体搬入個数n、又は一体搬入個数m)を加えた値と#1倉庫11の空き収納スペース(運搬手段用出庫可能スペース、又は入庫可能スペース)の数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する倉庫を入庫先として決定することもできる。
【0052】
また、物品管理領域1においては、倉庫10から物品を運搬用手段34とともに出庫して搬出口14から当該物品のみを搬出した後当該運搬用手段34を倉庫10に返却する形態の搬出作業も行われる。このように運搬用手段34の返却が行われる際、入庫決定部33は、#1倉庫11における運搬手段用出庫可能スペースの数が#2倉庫12の運搬手段用出庫可能スペースの数よりも搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nの分だけ多い状態に近づくように、#1倉庫11及び#2倉庫12のうちのいずれかの倉庫を返却先として決定する。
【0053】
このように、物品のみ搬出した後に運搬用手段を返却する際に、#1倉庫11と#2倉庫12との運搬手段用出庫可能スペース数のバランスを、単体搬入個数nの分だけ#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数が#2倉庫のそれよりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【0054】
なお、上記返却先の決定に際しては、種々の処理方法を選択することができる。例えば、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数から搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数nを引いた値と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数とを比較して、そのうち値の少ない方に対応する倉庫を返却先として決定することができる。また、例えば、#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数に搬入個数設定部32で設定された単体搬入個数mを加えた値と#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数とを比較して、そのうち値の少ない方に対応する倉庫を返却先として決定することもできる。
【0055】
次に、在庫管理装置21での処理(本実施形態に係る在庫管理方法の入庫決定ステップを実行する処理)について、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。図6は、搬入個数設定部32によって単体搬入個数nと一体搬入個数mとが既に設定されている状態において、搬入作業が発生したときに入庫先の倉庫(11又は12)を決定する場合のフローの一例を示したものである。
【0056】
搬入個数(n、m)が設定された状態で搬入作業が発生すると(例えば、作業者によって搬入作業開始の所定のコマンドが在庫管理装置21に入力されたり、又は、上位コンピュータから搬入作業命令を在庫管理装置21が受信すると)、図6に示す処理が開始される。この図6の処理では、まず、ステップ101(以下、「S101」という。他のステップも同様)において、現在の物品管理領域1の状態が、搬出優先状態であるか否か、即ち、作業モードが搬出優先モードに設定されているか否かが判断される。
【0057】
搬出優先状態であると判断された場合(S101、Yes)は、搬出作業において優先して搬送設備15が用いられるように、即ち、搬入作業に用いられることで搬送設備15による搬出作業の稼働率が低下しないように入庫先が決定される(S102)。本実施形態においては、搬出優先状態になったときには、図5に示す在庫バランスが実現された状態、又はそれに近い状態になっているようにすることができるため、ステップ102にて搬出優先となるように入庫先を決定しても、搬送設備15の運用に関し、搬入作業と搬出作業とが干渉することを抑制できる。
【0058】
搬出優先状態でないと判断された場合(S101、No)は、次いで、単体搬入状態で物品が搬入されるか否かが判断される(S103)。単体搬入状態で搬入されると判断された場合(S103、Yes)は、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数(運搬用手段34がパレット34aであれば空パレット数)から設定されている単体搬入個数nを引いた値(値▲1▼)と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数(空パレット数)の値(値▲2▼)とが比較される(S104)。
【0059】
値▲1▼と値▲2▼とを比較(S104)した結果、値▲1▼が値▲2▼以上であれば(S105、Yes)、#1倉庫11が入庫先として決定される(S106)。一方、値▲1▼が値▲2▼未満であれば(S105、No)、#2倉庫12が入庫先として決定される(S107)。なお、値▲1▼が値▲2▼を超えていれば#1倉庫11を入庫先として決定し、値▲1▼が値▲2▼以下であれば#2倉庫12を入庫先として決定するものであってもよい。
【0060】
また、ステップ103において、当該物品が単体搬入状態で搬入されない、即ち、一体搬入状態で搬入されると判断された場合(S103、No)は、#1倉庫11の入庫可能スペースの数(運搬用手段34が収納されていない空棚数)から設定されている一体搬入個数mを引いた値(値▲3▼)と#2倉庫12の入庫可能スペースの数(空棚数)の値(値▲4▼)とが比較される(S108)。
【0061】
値▲3▼と値▲4▼とを比較(S108)した結果、値▲3▼が値▲4▼以上であれば(S109、Yes)、#1倉庫11が入庫先として決定される(S110)。一方、値▲3▼が値▲4▼未満であれば(S109、No)、#2倉庫12が入庫先として決定される(S111)。なお、値▲3▼が値▲4▼を超えていれば#1倉庫11を入庫先として決定し、値▲3▼が値▲4▼以下であれば#2倉庫12を入庫先として決定するものであってもよい。
【0062】
上述のように、入庫先が決定すると(S102、S107、S108、S110、S111)、図6に示す処理が終了する。
【0063】
次に、倉庫10から物品を運搬用手段34とともに出庫して搬出口14から物品のみを搬出した後当該運搬用手段34を倉庫10に返却する場合の返却先を決定する処理について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7は、搬入個数設定部32によって単体搬入個数nが既に設定されている状態において、運搬用手段34の返却作業が発生したときに返却先の倉庫(11又は12)を決定する場合のフローの一例を示したものである。
【0064】
単体搬入個数nが設定された状態で返却作業が発生すると(例えば、搬送設備15のコントローラ(図示せず)から搬出作業の終了信号を在庫管理装置21が受信すると)、図7に示す処理が開始される。この図7の処理では、まず、ステップ201において、#1倉庫11の運搬用手段出庫可能スペースの数(運搬用手段34がパレット34aであれば空パレット数)から設定されている単体搬入個数nを引いた値(値▲5▼)と#2倉庫12の運搬用手段出庫可能スペースの数(空パレット数)の値(値▲6▼)とが比較される(S201)。
【0065】
値▲5▼と値▲6▼とを比較(S201)した結果、値▲5▼が値▲6▼以下であれば(S202、Yes)、#1倉庫11が返却先として決定される(S203)。一方、値▲5▼が値▲6▼を超えていれば(SS202、No)、#2倉庫12が返却先として決定される。なお、値▲5▼が値▲6▼未満であれば#1倉庫11を返却先として決定し、値▲5▼が値▲6▼以上であれば#2倉庫12を返却先として決定するものであってもよい。
【0066】
上述のように、搬出後に運搬用手段34を返却する倉庫が決定されると(203、S204)、図7に示す処理が終了する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る在庫管理システム及び在庫管理方法によると、#1倉庫11と搬送設備15とを介して入庫が行われる#2倉庫12を備える物品管理領域1において、搬出優先状態になる前に予め、#1倉庫11と#2倉庫12との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口13から搬入される予定の物品の数だけ#1倉庫11の空き収納スペースの数が#2倉庫12よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま#1倉庫11に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送設備15が搬出作業に用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、物品管理領域1において、複数の倉庫10のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0068】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施することができる。
【0069】
(1)第1物品保管手段11及び第2物品保管手段12は、それぞれ1つに限らず、複数あってもよい。例えば、図8の変形例に示す物品管理領域2のように、第1物品保管手段11が1つ、第2物品保管手段12が2つ備えられているようなものであってもよい。
【0070】
(2)1つの物品保管手段10にラック16が2つに限らず1つ又は3つ以上備えられているものであってもよい。また、1つの物品保管手段にクレーン17が複数備えられているものであってもよい。
【0071】
(3)搬出口14も第1物品保管手段11に直結しており、搬送手段15が、搬出口側にもうけられていないものであってもよい。例えば、図9の変形例に係る物品管理領域3のように、搬送手段15が、第1物品保管手段11と第2物品保管手段12との間の物品の搬送のみを行うものであっても、本発明を適用できる。
【0072】
(4)物品管理領域は、物品が単体搬入状態のみで搬入されるものでも一体搬入状態のみで搬入されるものであってもよい。
【0073】
【発明の効果】
請求項1、6、9の発明によると、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに搬入作業が発生する場合に、搬入される物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制できる。したがって、第1物品保管手段と搬送手段とを介して入庫が行われる第2物品保管手段を備える物品管理領域においても、複数の物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを適切に決定することができ、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0074】
請求項2、7、10の発明によると、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の空き収納スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化されるように管理するための入庫決定手段での処理を容易に行える。
【0075】
請求項3、8、11の発明によると、物品が一体搬入状態及び単体搬入状態のいずれかの状態で搬入される物品管理領域において、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から単体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに単体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される単体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0076】
請求項4の発明によると、搬出優先状態になる前に予め、第1物品保管手段と第2物品保管手段との在庫バランスを、搬出優先状態になったときに搬入口から一体搬入状態で搬入される予定の物品の数だけ第1物品保管手段の入庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。これにより、搬出優先状態のときに一体搬入状態での搬入作業が発生する場合に、搬入される一体搬入状態の物品をそのまま第1物品保管手段に入庫しても在庫状態がアンバランスとなることを抑制できる。このため、搬出作業と搬入作業との干渉によって搬送手段が搬出作業のために用いられることが阻害されてしまうことを抑制でき、搬出効率の低下を抑制することができる。
【0077】
請求項5の発明によると、物品のみを搬出した後に運搬用手段を物品保管手段に返却する際に、第1物品保管手段と第2物品保管手段との単体入庫収納スペース数のバランスを、搬出優先状態のときに搬入口から単体搬入状態で搬入される物品の数だけ第1物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数が第2物品保管手段よりも多い状態で平滑化するように管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】物品保管手段を複数備える物品管理領域を例示した平面図である。
【図2】図1に示す物品保管手段を例示した平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る在庫管理システムにおける在庫管理装置の構成を例示したブロック図である。
【図4】物品の運搬に用いられる運搬用手段を例示した斜視図である。
【図5】物品保管手段における物品の収納状態を例示した模式図である、
【図6】図3に示す在庫管理装置における処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】図3に示す在庫管理装置における処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】物品管理領域を例示した模式図である。
【図9】物品管理領域を例示した模式図である。
【符号の説明】
1 物品管理領域
10 物品保管手段
11 第1物品保管手段
12 第2物品保管手段
13 搬入口
14 搬出口
15 搬出手段
17 クレーン
18 収納スペース
21 在庫管理装置
32 搬入個数設定部(搬入個数設定手段)
33 入庫決定部(入庫決定手段)
Claims (11)
- 物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、
前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、
前記複数の物品保管手段を備える物品管理領域に対して物品を搬入する搬入口と、
前記物品管理領域から物品を搬出する搬出口と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、
少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、
物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定手段と、
前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定手段であって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定手段と、
を備えることを特徴とする在庫管理システム。 - 前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項1に記載の在庫管理システム。
- 前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、
前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、
前記搬入個数設定手段は、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、
前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項1に記載の在庫管理システム。 - 前記搬入個数設定手段は、前記搬出状態になったときに前記一体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である一体搬入個数をさらに予め設定し、
前記入庫決定手段は、前記搬出優先状態でないときであって前記一体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における入庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の入庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された一体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項3に記載の在庫管理システム。 - 前記入庫決定手段は、前記物品保管手段から物品を前記運搬用手段とともに出庫して前記搬出口から当該物品のみを搬出した後当該運搬用手段を前記物品保管手段に返却するときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を返却先として、さらに決定することを特徴とする請求項3又は4に記載の在庫管理システム。
- 物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、
前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、
物品を搬入する搬入口と、
物品を搬出する搬出口と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、
少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、
を備える物品管理領域における在庫管理に用いられ、
物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定ステップと、
前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定ステップであって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定ステップと、
を備えることを特徴とする在庫管理方法。 - 前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項6に記載の在庫管理方法。
- 前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、
前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、
前記搬入個数設定ステップは、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、
前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬手段用出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬手段用出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項6に記載の在庫管理方法。 - 物品を収納可能な複数の収納スペースを有する複数の物品保管手段と、
前記各物品保管手段にそれぞれ備えられ、当該物品保管手段に収納される物品を搬送して前記各収納スペースに対して入庫及び出庫を行うクレーンと、
物品を搬入する搬入口と、
物品を搬出する搬出口と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記搬入口から搬入される物品を直接前記クレーンに移載して前記各収納スペースに入庫可能な第1物品保管手段と、
前記複数の物品保管手段のうち、前記第1物品保管手段を介して物品が入庫される第2物品保管手段と、
少なくとも前記第1物品保管手段と前記第2物品保管手段との間で、物品を搭載して搬送可能な搬送手段と、
を備える物品管理領域における在庫管理に用いられ、
コンピュータに、
物品を搬入する作業よりも搬出する作業が優先される搬出優先状態になったときに前記搬入口から搬入される予定の物品の数である搬入個数を予め設定する搬入個数設定ステップ、及び、
前記搬入口から搬入される物品を前記第1及び第2物品保管手段のうちのいずれに入庫するかを決定する入庫決定ステップであって、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段における物品が入庫されていない空き収納スペースの数が前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定する入庫決定ステップ、
を実行させることを特徴とするプログラム。 - 前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときは、前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数から前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を引いた値と前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、又は、前記第2物品保管手段の空き収納スペースの数に前記搬入個数設定手段で設定された搬入個数を加えた値と前記第1物品保管手段の空き収納スペースの数とを比較して、そのうち値の多い方に対応する物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
- 前記物品は、容器又は台からなる運搬用手段に当該物品が支持された状態で一体的に搬入される一体搬入状態、又は前記運搬用手段のみを前記物品保管手段から一旦出庫してこの運搬用手段に支持されて入庫される物品のみが単体で搬入される単体搬入状態、のいずれかの状態で搬入され、
前記空き収納スペースには、前記運搬用手段に支持された物品を入庫可能な状態の入庫可能スペースと、前記運搬用手段のみが格納された状態の運搬用手段出庫可能スペースとがあり、
前記搬入個数設定ステップは、前記搬出優先状態になったときに前記単体搬入状態で搬入される予定の搬入個数である単体搬入個数を予め設定し、
前記入庫決定ステップは、前記搬出優先状態でないときであって前記単体搬入状態で物品が搬入されるときは、前記第1物品保管手段における運搬用手段出庫可能スペースの数が前記第2物品保管手段の運搬用手段出庫可能スペースの数よりも前記搬入個数設定手段で設定された単体搬入個数の分だけ多い状態に近づくように、前記第1及び第2のうちのいずれかの物品保管手段を入庫先として決定することを特徴とする請求項9に記載のプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003178159A JP2005015074A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003178159A JP2005015074A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005015074A true JP2005015074A (ja) | 2005-01-20 |
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ID=34179870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003178159A Pending JP2005015074A (ja) | 2003-06-23 | 2003-06-23 | 在庫管理システム、在庫管理方法、及びそのプログラム |
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JP (1) | JP2005015074A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108840010A (zh) * | 2018-08-17 | 2018-11-20 | 龙岩烟草工业有限责任公司 | 烟草生产辅料仓储系统 |
-
2003
- 2003-06-23 JP JP2003178159A patent/JP2005015074A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108840010A (zh) * | 2018-08-17 | 2018-11-20 | 龙岩烟草工业有限责任公司 | 烟草生产辅料仓储系统 |
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