JP2005012956A - 整流子モータおよび電動送風機 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、磁束の流れを阻害することなく、巻線を高占積率で巻くことができる整流子モータを提供することを課題とする。
【解決手段】交流整流子モータ1は、環状のヨーク部31及びヨーク部31の内側に対向して形成される磁極部32を有する固定子鉄心33と、界磁巻線5とからなる固定子3と、磁極部32間に配設される電機子鉄心41の外周部に形成されるなす形スロットS1〜S12中に電機子巻線42を巻装した電機子43と、電機子巻線43が接続される整流子44とからなる回転子4と、を備えている。そして、固定子鉄心33は、対向する磁極部32を略中心にして分割され、分割された各固定子鉄心33のヨーク部31に界磁巻線5が巻回されている。
【選択図】 図1
【解決手段】交流整流子モータ1は、環状のヨーク部31及びヨーク部31の内側に対向して形成される磁極部32を有する固定子鉄心33と、界磁巻線5とからなる固定子3と、磁極部32間に配設される電機子鉄心41の外周部に形成されるなす形スロットS1〜S12中に電機子巻線42を巻装した電機子43と、電機子巻線43が接続される整流子44とからなる回転子4と、を備えている。そして、固定子鉄心33は、対向する磁極部32を略中心にして分割され、分割された各固定子鉄心33のヨーク部31に界磁巻線5が巻回されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流子モータに関し、特に電気掃除機、電動工具用モータ等に使用される交流整流子モータおよび自動車用アクチュエータなどに使用される直流整流子モータの固定子鉄心構造および固定子巻線構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気掃除機、電動工具用モータ等に使用される整流子モータでは、常に小型、高出力、軽量、ブラシの長寿命化、低振動化などが要求されている。この中でモータの高出力化については、スロット(巻線が収納される空間)の断面積に対する巻線の断面積の割合(以下、「巻線の占積率」という)の向上がなされてきている。
【0003】
このような巻線の占積率を向上させる技術としては、図12(a)に示すように、略四角形状のヨーク部100とこのヨーク部100の内側に対向して設けられる磁極部101とからなる固定子102の四隅のうち一部を分割部Paとして分割し、残りの三箇所に内側へ開口するスリットSL,・・・を設けた構造が提案されている(特許文献1参照)。この構造では、図12(b)に示すように、巻線103を巻回する前に、環状の固定子102を略直線状に展開し、この展開により露出する磁極部101に巻線103を高い占積率で巻回した後に、略直線状に展開した固定子102を折り曲げて再組立している。この技術によれば、通常、固定子102の内側に設けられる磁極部101が展開することにより外部に露出するので、この磁極部101への巻線103の巻回作業が容易になり、巻線103を高占積率で巻くことが可能となっている。
【0004】
また、別の方法における巻線の高占積率化手法としては、環状の固定子を磁極部と環状のヨーク部に分割して打ち抜き、磁極部に巻線を施してからヨーク部と磁極部を組み立てる構造が提案されている(特許文献2,3参照)。この技術においても、前記と同様に磁極部への巻線の巻回作業が容易になり、巻線を高占積率で巻くことが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−271771号公報(段落番号〔0013〕〜〔0015〕、図10)
【特許文献2】
特開平6−113491号公報(段落番号〔0022〕、図3,5)
【特許文献3】
特開平6−276705号公報(段落番号〔0020〕,〔0021〕、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、ヨーク部100の一部(分割部Pa)が分割され、かつヨーク部100に複数のスリットSL,・・・が設けられるので、この分割部PaやスリットSL,・・・が磁束の流れを阻害するおそれがあった。特に、分割部Paは、磁束の通り道を遮断するため、その部分で磁気抵抗が増加してトルクの減少や損失増加を招くおそれがあり、巻線占積率の増加分を考慮しても分割での損失で、大幅な特性向上は難しかった。また、図13に示すように、磁極部101の幅は、磁極部101の厚さ(積厚)に対して広く、巻線103の径も太いことから、巻線103の曲げRを考慮する関係で巻線103を密に巻回できないので、コイルエンド(巻線端部)間の長さ(線の全長)が大きくなり、その銅損(銅線コイルの電気抵抗に起因した熱発生による損失)を思うように低減することができないといった問題もあった。さらに、特許文献2,3の技術でも、固定子を磁極部と環状のヨーク部とに分割するので、その分割した部分が磁束の流れを阻害するおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、磁束の流れを阻害することなく、巻線を高占積率で巻くことができる整流子モータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、環状のヨーク部および前記ヨーク部の内側に対向して形成される磁極部を有する固定子鉄心と、界磁巻線とからなる固定子と、前記磁極部間に配設される電機子鉄心の外周部に形成される空隙部中に電機子巻線を巻装した電機子と、前記電機子巻線が接続される整流子とからなる回転子と、を備えた整流子モータにおいて、前記対向する磁極部を略中心にして前記固定子鉄心を分割し、分割した各固定子鉄心のヨーク部に前記界磁巻線を巻回したことを特徴とする。この発明によれば、その分割した部分で磁束の流れを阻害することがなく、また、分割した各固定子鉄心のヨーク部に界磁巻線を高占積率で巻くことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る整流子モータの実施の形態について、図1〜図7の図面を用いて説明する。
図1には、本発明に係る整流子モータの一実施の形態である交流整流子モータのモータ構造を示し、図2には、固定子の構造を示す。図1において、交流整流子モータ1は、略円筒状のハウジング2と、このハウジング2に固定される固定子3と、この固定子3に対して回転する回転子4とで主に構成されている。固定子3は、正面視が略八角形となる環状のヨーク部31およびこのヨーク部31の内側に対向して形成される磁極部32を有する固定子鉄心33と、各磁極部32近傍のヨーク部31に巻装される界磁巻線5とで構成されている。なお、以下の説明においては、二つの磁極部32,32が対向する方向を上下方向とし、この上下方向と回転子4の軸方向とに直交する方向を左右方向として説明する。
【0010】
図2に示すように、ヨーク部31は、上下方向に対向して配設される上側長辺部31aおよび下側長辺部31bと、左右方向に対向して配設される左側長辺部31cおよび右側長辺部31dと、これら長辺部31a〜31dを繋ぐ四つの短辺部31e,・・・とで主に構成され、四つの短辺部31e,・・・がハウジング2(図1参照)に固定されている。また、上側長辺部31aの上面の略中央部には、上方に開口する幅広の凹部31fが形成され、下側長辺部31bの下面の略中央部には、下方に開口する幅広の凹部31gが形成されている。なお、図1に示すように、上側長辺部31aおよび下側長辺部31bと、ハウジング2とで形成される空間は、空気が通る通風経路ARとなっている。また、この通風経路ARは、凹部31f,31gによって大きく確保されている。
【0011】
上側の磁極部32は、上側長辺部31aから下方(内方)に向かって延出するとともに、その左右両側下部に前記回転子4の外周面を覆うように左右下方に向かって膨出する膨出部32a,32aを有している。これとは逆に、下側の磁極部32は、下側長辺部31bから上方に向かって延出するとともに、その左右両側上部に回転子4の外周面を覆うように左右上方に向かって膨出する膨出部32a,32aを有している。また、各磁極部32の内面32bは、回転子4の外周面に沿った形状に形成されている。さらに、各磁極部32の左右方向における中央近傍には、固定子鉄心33を左右に分割するためのスリット32cが上下方向に沿って形成されている。なお、このスリット32cは、後記するように電機子反作用を防止する機能を有している。
【0012】
図1に示すように、回転子4は、二つの磁極部32,32間に配設される電機子鉄心41の外周部に形成されるなす形スロット(空隙部)S1〜S12中に電機子巻線42を巻装して構成される電機子43と、この電機子巻線42が接続される整流子44(図3(b)参照)とで主に構成されている。電機子鉄心41は、その外周部に12個のなす形スロットS1〜S12を周方向に沿って所定の間隔で形成することで、略T型の断面形状となる13個のティースTe,・・・が周方向に沿って所定の間隔で形成された形状となっている。また、この電機子鉄心41の中央部には、図示しないシャフトが嵌合されるシャフト孔41aが形成されている。
【0013】
また、電機子巻線42は、図3(b)に示すように、整流子44を構成する24個の整流子片P1〜P24のうちいずれか二つにその両端が接続される複数の内側コイル42aと外側コイル42bとで構成されている。具体的には、たとえばその一端が整流子片P23に接続された内側コイル42aは、一対の第一のなす形スロットS1と第六のなす形スロットS6を通るように巻回された後、その他端が整流子片P23に隣接する整流子片P24に接続されている。また、この整流子片P24にその一端が接続される外側コイル42bは、第一のなす形スロットS1と第六のなす形スロットS6を通るように巻回された後、その他端が整流子片P24に隣接する整流子片P1に接続されている。以下、同様にして他の一対のなす形スロット(S2,S7),(S3,S8),・・・,(S12,S5)を通る内側コイル42aや外側コイル42bも、一対の整流子片(P1,P2),(P2,P3),・・・(P22,P23)に順次接続されている。
【0014】
図2に示すように、界磁巻線5は、磁極部32の膨出部32aの基端部と、凹部31f(31g)とに跨るように巻回されている。すなわち、四つの膨出部32a,・・・の基端部近傍に四つの界磁巻線5の内側部分が配設されるとともに、凹部31f(31g)内に四つの界磁巻線5の外側部分が配設されることとなる。そして、このように、各界磁巻線5の外側部分が凹部31f(31g)内に配設されることによって、大きく形成された通風経路AR(図1参照)に各界磁巻線5が露出することになるので、界磁巻線5の冷却を効率良く行うことができるようになっている。
【0015】
次に、分割された固定子鉄心33に界磁巻線5を巻回する方法について図4を参照して説明する。
図4に示すように、分割した固定子鉄心33のうち、たとえば右側の固定子鉄心33に界磁巻線5を巻く場合は、左側に開放された空間を作業空間としてその巻回作業が容易になされることとなり、界磁巻線5が高占積率で巻回されることとなる。
【0016】
また、巻線の周長を比較し、特性面からの利点を考えることにする。図5には従来の巻線と本発明の巻線の比較を示す。本発明の界磁巻線5はたとえば分割された右側のヨーク部31に左側からフライヤ巻線機等を用いて整列巻線を施すことができるため、図5(a)に示すようにコンパクトに巻線することができる。また、平均周長Lはヨーク幅をDとし、鉄心積厚をtとすると左右2つの界磁巻線5,5の合計の平均周長はL=4(D+2d)+4tとなる。
【0017】
一方、図5(b)に示すように、従来の磁極部に巻回する界磁巻線では、磁極幅は通常ヨーク幅の2倍と太いため、コイルエンドが大きくなり、周長が長くなる。また、巻線も密に巻くことが出来ないためにボリュームも大きくなり、その平均周長は、L=4(D+2d)+2t+2α+2βと大きくなる。本発明の巻線構造は、占積率が増す分、線径を太くして巻線抵抗を低減したり、巻回数を多くして磁束密度を増加させて特性向上が図れる。また、左右の巻線回数を変化させる、具体的には減磁側の巻線の巻数を増磁側の巻線の巻数よりも多くすることが可能なため、増磁側と減磁側の磁束密度のバランスを調整してトルク脈動低減が可能となる。
【0018】
続いて、前記のように構成された交流整流子モータ1や、他の構造の交流整流子モータを解析モデルとして、FEM構造解析ソフトによりシミュレーションして得られた結果について説明する。最初に、図3を参照して、交流磁場を与えてモータのトルクを計算した条件を示す。ここで、図3(a)には、解析に用いたメッシュモデルと計算条件を示す。図3(b)には、略円柱状であった電機子を平面に展開した状態における電機子巻線の接続図を示す。図3(c)には、入力した電流パターンの一例を示す。図3(d)には、各コイルを流れる電流の変化を示す。
【0019】
図3(a)に示すように、まず、交流整流子モータ1の構成部品である固定子鉄心33、界磁巻線5、電機子43、および電機子巻線42を、その合計の要素数が25402Eとなるように、複数の要素に分割する。また、図3(b)に示すように、整流子44周りの配線条件を、電機子巻線42を構成する各コイル42a,42bを、前記した条件で整流子44に接続させるとともに、二つのブラシ6をそれぞれ整流子片P1〜P24のうちいずれか三つに跨るように接触させた条件とする。なお、ブラシ6は、略円柱状となる電機子43の径方向において対向するように設けられている。また、図3(c)に示すように、交流整流子モータ1に与える交流電流の条件は、その電流値の最大の絶対値が6A(アンペア)であり、その周期が3600°(deg)となっている。ここで、このシミュレーションでは、モータの回転速度を30000rpmに設定しているため、交流電流の周期は、言い換えると50Hz(ヘルツ)になっている。
【0020】
ちなみに、交流整流子モータ1は、交流電流が固定子3側の界磁巻線5、ブラシ6、整流子44、電機子43側の電機子巻線42の順に与えられるとともに、電機子43側に流れる電流のプラスとマイナスがブラシ6により電機子43の半回転ごとに切り替えられることで、トルクが発生する方向に電流が制御されて回転するモータである。そのため、このモータを反時計回りに30000rpmで回転させ、50Hzの電流を入力として与えると、50Hzの電流の一周期は0.02秒であるので、この0.02秒の間にモータは10回転(3600°)することになる。また、図3(d)に示すように、電機子43の各々のコイル42a,42bでは、電機子43が半回転(180°)するごとにブラシ6から整流子44を介して各コイル42a,42bに供給される交流電流のプラスとマイナスが機械的に切り替えられるとともに、交流電流の半周期である0.01秒(1800°)ごとに電流のプラスとマイナスが電気的に切り替えられている。
【0021】
続いて、前記のような条件下で計算した磁束密度分布および出力トルク計算結果を図6および図7に示す。図6は比較例を示すモータ構造、図7は磁極部中央にスリットを設けたモータ構造である。それぞれ、(a)図にスリットの形状、(b)図に磁束線、(c)図に最大トルク時のギャップ部磁束密度、(d)図に出力トルク計算結果を示す。
【0022】
図6(a)に示すように、比較例としてのモータ構造は、磁極部32にスリットが形成されていない構造となっている。なお、以下の説明においては、電機子43の中心軸から上下左右に引いた軸のうち右側の軸を0degとして、その他の軸を反時計回りで順に90,180,270degとする。
【0023】
比較例のFEMによる解析結果は、磁極部32の形状が90degの軸を中心にして左右対称なのに対して、ギャップ(固定子3と電機子43との隙間)の磁束密度分布は、図6(c)に示すように、90degの左右、すなわち0〜90deg間と90〜180deg間が左右対称とならない。これは、電機子反作用の影響による増磁、減磁作用が影響して発生するものである。ちなみに、上側の磁極部32の左側が減磁側、右側が増磁側となり、下側の磁極部32の右側が減磁側、左側が増磁側となっている。また、その影響度合いは、図6(b)でもわかるように、固定子3の上側の磁極部32に注目すると、左側から右側への磁束の流入で磁極部32の右側の磁束密度が高くなっていることがわかる。この影響によって、出力トルクは脈動し、図6(d)のようなトルク波形となり、平均トルクが0.523N・m(ニュートン・メートル)であるのに対し、トルク脈動の最大値が0.16N・mと大きくなる。
【0024】
このような電機子反作用の影響を低減するためには、図7(a)に示すように、磁極部32の中央部に外側のみに開口するスリット32dを設けることで磁極左右での磁束の流れを制御できる。この構造についても上記と同様にFEMによる解析を行った。電流条件など、スリット32d以外は同一の条件として計算した結果、図7(b)〜(d)に示す結果となった。
【0025】
図7(c)に示すように、スリット32dの内側部に形成した珪素鋼板などからなる磁気ブリッジ部32eが磁気飽和しているため、90deg,270deg近辺のギャップ磁束密度は落ち込む結果となっている。また、その磁気ブリッジ部32eの磁気飽和やスリット32dによって、図7(b)に示すように、固定子3の上側の磁極部32では、左側から右側への磁束の流入が遮断されている。その結果、磁極部32の左側(減磁側)の磁束密度は増加し、図7(d)に示すように、平均トルクが大幅(2.7%)に向上している。さらに、磁束密度の変化が少なくなるため、トルク脈動が0.03N・mと大幅に低減し、トルク脈動の減少率が27%と大きくなっていることがわかる。
【0026】
以上の結果より、固定子鉄心33を分割するには磁極部32の中心で切断される構造が特性改善面からも有効であることがわかった。ちなみに、前記に示した磁束密度分布などの磁場状態は、いままで、試作評価では製造誤差や測定の困難さ等ではっきりと確認することが出来なかったが、高精度な計算手法の適用により、今回FEM解析によって初めて確認されたものである。なお、図7(a)の解析モデルは、スリット32dを外側のみに開口させ、かつ磁極部32に界磁巻線5を巻回する構造であるが、本実施形態のように外側および内側に開口するスリット32cであっても左側から右側への磁束の流入を阻止する効果を奏することとなる。
【0027】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
固定子鉄心33の分割部を、磁極部32の中央部に上下方向へ沿うように形成したスリット32cとしたので、このスリット32cが正規の磁束の流れ(磁極部32を上下方向に流れようとする磁束の流れ)を阻害しないばかりか、回転子4の回転などにより磁極部32の左側から右側へ流入しようとする磁束を遮断することとなる。これにより、電機子反作用を防止することができる。また、たとえば分割した右側の固定子鉄心33の磁極部32近傍にある細いヨーク部31に界磁巻線5を左側の空間を利用して巻けばよいので、その巻回作業が容易となるとともに、界磁巻線5を高占積率で巻回することができる。
【0028】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。以下に、他の実施形態について説明する。
【0029】
(1)本実施形態では、スリット32cを上下方向に沿った形状とし、界磁巻線5を磁極部32の膨出部32aの基端部と、凹部31f(31g)とに跨るように巻回したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図8(a)に示すように、界磁巻線5を、凹部31f(31g)と短辺部31eとの略中間位置と、膨出部32aの基端部とに跨るように巻回してもよい。
【0030】
また、図8(b)に示すように、分割面の一部(内側)を磁極部32の中心よりも左側にずらすように、段付きのスリット71を磁極部32に形成してもよい。さらに、図8(c)に示すように、固定子鉄心33の磁極部32に形成されたスリット72のうち内側の微小な部分72aを突合せ部とし、その他の外側の部分に幅広に形成される凹部72bを設け、この凹部72bに非磁性体である充填剤8を充填させる構造としてもよい。また、図8(d)に示すように、二つの界磁巻線5をヨーク部31のうち左側長辺部31cと右側長辺部31dとにそれぞれ巻回させてもよい。この構造では、長辺部31c(31d)中央の周囲に障害物が無いことから巻線スペースを大きく確保できるとともに、界磁巻線5の数も2つで良いことから、その作業効率を向上させることができる。
【0031】
次に、本実施形態のスリット形状を前記した図8(c)のような形状にした構造について、巻線配置による特性の違いをFEMで確認した結果を図9および図10に示す。図9は入力電流などの条件を図3と同じに設定し、巻線配置を本実施形態と同様にし、スリット形状のみを図8(c)のように変更した結果である。図9(d)に示す結果より、平均トルクは図7(d)に示す外側のみに開口するスリットを有する構造の結果と全く変わらない結果となった。また、トルク脈動についても同等である。なお、固定子3の外側に配置される界磁巻線5の外側部分の影響はほとんどなく、同一の電流を固定子スロット内に巻回された巻線(図7(a)参照)に与えるのと同等の結果が得られることが証明できた。実際にはこれに、前記した巻線占積率向上が加わると銅損低減でき、モータの効率は増加する。
【0032】
図10は図7(a)の界磁巻線5と同じ巻回数の界磁巻線5をヨーク部31の左側長辺部31cと右側長辺部31dの中央に巻回した計算結果を示す。この巻線配置によると平均トルクは増加することがわかった。さらに、巻線占積率の向上で出力向上とともに効率が向上する。
【0033】
(2)交流整流子モータ1は、どのような電気機器に用いてもよいが、たとえば掃除機の駆動系である電動送風機のモータとして用いる場合には以下に示す効果を奏することとなる。図11に示すように、電動送風機9は、ファン91と交流整流子モータ1とで主に構成される。ここで、一般に電動送風機では、環境問題の観点から使用材料を少なくするために小型化する場合は、モータの回転数をアップさせる必要があるが、トルク脈動が大きいと振動も大きくなって回転数アップができなくなる問題がある。これに対して、本発明では、トルク脈動が小さくなるので回転数アップが図れ、これにより小型軽量化も図れるので環境問題を改善できる効果がある。
【0034】
(3)また、本実施形態では、スリット32cを磁極部32の左右方向の略中央に形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、交流整流子モータ1の駆動時において、減磁側(たとえば、図1において上側の磁極部32の左側や、下側の磁極部32の右側をいう)となる磁極部32の幅が、増磁側(たとえば、図1において上側の磁極部32の右側や、下側の磁極部32の左側をいう)となる磁極部32の幅よりも大きく形成されていてもよい。この構造によれば、減磁側の磁極部32の幅が大きいため、この減磁側に多くの磁力線が流れることとなり、減磁側と増磁側との磁束密度のバランスを適正にすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、その分割した部分で磁束の流れを阻害することがなく、また、分割した各固定子鉄心のヨーク部に界磁巻線を高占積率で巻くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る整流子モータの一実施の形態である交流整流子モータの構造を示す断面図である。
【図2】図1の固定子の構造を示す斜視図である。
【図3】解析に用いたメッシュモデルを示す断面図(a)と、電機子を平面に展開した状態で電機子巻線の接続状態を示す接続図(b)と、入力した電流パターンの一例を示す図(c)と、各コイルを流れる電流の変化を示す図(d)である。
【図4】分割された固定子鉄心に界磁巻線を巻回している状態を示す斜視図である。
【図5】ヨーク部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図(a)と、磁極部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図(b)である。
【図6】比較例のモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図7】磁極部にスリットを設けたモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る固定子を示す図であり、界磁巻線の位置を変更した形態を示す断面図(a)と、スリットの形状を変更した形態を示す断面図(b)と、スリットに充填材を充填した形態を示す断面図(c)と、左右のヨーク部中央に界磁巻線を巻回した形態を示す断面図(d)である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図10】図9の巻線位置を変更したモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図11】本発明に係るモータを電動送風機に適用した状態を示す断面図である。
【図12】従来の固定子構造を示す断面図(a)と、この固定子を展開した状態を示す展開図(b)である。
【図13】従来の磁極部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 交流整流子モータ
3 固定子
31 ヨーク部
32 磁極部
32c スリット
33 固定子鉄心
4 回転子
41 電機子鉄心
42 電機子巻線
43 電機子
44 整流子
5 界磁巻線
S1〜S12 なす形スロット(空隙部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、整流子モータに関し、特に電気掃除機、電動工具用モータ等に使用される交流整流子モータおよび自動車用アクチュエータなどに使用される直流整流子モータの固定子鉄心構造および固定子巻線構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気掃除機、電動工具用モータ等に使用される整流子モータでは、常に小型、高出力、軽量、ブラシの長寿命化、低振動化などが要求されている。この中でモータの高出力化については、スロット(巻線が収納される空間)の断面積に対する巻線の断面積の割合(以下、「巻線の占積率」という)の向上がなされてきている。
【0003】
このような巻線の占積率を向上させる技術としては、図12(a)に示すように、略四角形状のヨーク部100とこのヨーク部100の内側に対向して設けられる磁極部101とからなる固定子102の四隅のうち一部を分割部Paとして分割し、残りの三箇所に内側へ開口するスリットSL,・・・を設けた構造が提案されている(特許文献1参照)。この構造では、図12(b)に示すように、巻線103を巻回する前に、環状の固定子102を略直線状に展開し、この展開により露出する磁極部101に巻線103を高い占積率で巻回した後に、略直線状に展開した固定子102を折り曲げて再組立している。この技術によれば、通常、固定子102の内側に設けられる磁極部101が展開することにより外部に露出するので、この磁極部101への巻線103の巻回作業が容易になり、巻線103を高占積率で巻くことが可能となっている。
【0004】
また、別の方法における巻線の高占積率化手法としては、環状の固定子を磁極部と環状のヨーク部に分割して打ち抜き、磁極部に巻線を施してからヨーク部と磁極部を組み立てる構造が提案されている(特許文献2,3参照)。この技術においても、前記と同様に磁極部への巻線の巻回作業が容易になり、巻線を高占積率で巻くことが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−271771号公報(段落番号〔0013〕〜〔0015〕、図10)
【特許文献2】
特開平6−113491号公報(段落番号〔0022〕、図3,5)
【特許文献3】
特開平6−276705号公報(段落番号〔0020〕,〔0021〕、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、ヨーク部100の一部(分割部Pa)が分割され、かつヨーク部100に複数のスリットSL,・・・が設けられるので、この分割部PaやスリットSL,・・・が磁束の流れを阻害するおそれがあった。特に、分割部Paは、磁束の通り道を遮断するため、その部分で磁気抵抗が増加してトルクの減少や損失増加を招くおそれがあり、巻線占積率の増加分を考慮しても分割での損失で、大幅な特性向上は難しかった。また、図13に示すように、磁極部101の幅は、磁極部101の厚さ(積厚)に対して広く、巻線103の径も太いことから、巻線103の曲げRを考慮する関係で巻線103を密に巻回できないので、コイルエンド(巻線端部)間の長さ(線の全長)が大きくなり、その銅損(銅線コイルの電気抵抗に起因した熱発生による損失)を思うように低減することができないといった問題もあった。さらに、特許文献2,3の技術でも、固定子を磁極部と環状のヨーク部とに分割するので、その分割した部分が磁束の流れを阻害するおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、磁束の流れを阻害することなく、巻線を高占積率で巻くことができる整流子モータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、環状のヨーク部および前記ヨーク部の内側に対向して形成される磁極部を有する固定子鉄心と、界磁巻線とからなる固定子と、前記磁極部間に配設される電機子鉄心の外周部に形成される空隙部中に電機子巻線を巻装した電機子と、前記電機子巻線が接続される整流子とからなる回転子と、を備えた整流子モータにおいて、前記対向する磁極部を略中心にして前記固定子鉄心を分割し、分割した各固定子鉄心のヨーク部に前記界磁巻線を巻回したことを特徴とする。この発明によれば、その分割した部分で磁束の流れを阻害することがなく、また、分割した各固定子鉄心のヨーク部に界磁巻線を高占積率で巻くことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る整流子モータの実施の形態について、図1〜図7の図面を用いて説明する。
図1には、本発明に係る整流子モータの一実施の形態である交流整流子モータのモータ構造を示し、図2には、固定子の構造を示す。図1において、交流整流子モータ1は、略円筒状のハウジング2と、このハウジング2に固定される固定子3と、この固定子3に対して回転する回転子4とで主に構成されている。固定子3は、正面視が略八角形となる環状のヨーク部31およびこのヨーク部31の内側に対向して形成される磁極部32を有する固定子鉄心33と、各磁極部32近傍のヨーク部31に巻装される界磁巻線5とで構成されている。なお、以下の説明においては、二つの磁極部32,32が対向する方向を上下方向とし、この上下方向と回転子4の軸方向とに直交する方向を左右方向として説明する。
【0010】
図2に示すように、ヨーク部31は、上下方向に対向して配設される上側長辺部31aおよび下側長辺部31bと、左右方向に対向して配設される左側長辺部31cおよび右側長辺部31dと、これら長辺部31a〜31dを繋ぐ四つの短辺部31e,・・・とで主に構成され、四つの短辺部31e,・・・がハウジング2(図1参照)に固定されている。また、上側長辺部31aの上面の略中央部には、上方に開口する幅広の凹部31fが形成され、下側長辺部31bの下面の略中央部には、下方に開口する幅広の凹部31gが形成されている。なお、図1に示すように、上側長辺部31aおよび下側長辺部31bと、ハウジング2とで形成される空間は、空気が通る通風経路ARとなっている。また、この通風経路ARは、凹部31f,31gによって大きく確保されている。
【0011】
上側の磁極部32は、上側長辺部31aから下方(内方)に向かって延出するとともに、その左右両側下部に前記回転子4の外周面を覆うように左右下方に向かって膨出する膨出部32a,32aを有している。これとは逆に、下側の磁極部32は、下側長辺部31bから上方に向かって延出するとともに、その左右両側上部に回転子4の外周面を覆うように左右上方に向かって膨出する膨出部32a,32aを有している。また、各磁極部32の内面32bは、回転子4の外周面に沿った形状に形成されている。さらに、各磁極部32の左右方向における中央近傍には、固定子鉄心33を左右に分割するためのスリット32cが上下方向に沿って形成されている。なお、このスリット32cは、後記するように電機子反作用を防止する機能を有している。
【0012】
図1に示すように、回転子4は、二つの磁極部32,32間に配設される電機子鉄心41の外周部に形成されるなす形スロット(空隙部)S1〜S12中に電機子巻線42を巻装して構成される電機子43と、この電機子巻線42が接続される整流子44(図3(b)参照)とで主に構成されている。電機子鉄心41は、その外周部に12個のなす形スロットS1〜S12を周方向に沿って所定の間隔で形成することで、略T型の断面形状となる13個のティースTe,・・・が周方向に沿って所定の間隔で形成された形状となっている。また、この電機子鉄心41の中央部には、図示しないシャフトが嵌合されるシャフト孔41aが形成されている。
【0013】
また、電機子巻線42は、図3(b)に示すように、整流子44を構成する24個の整流子片P1〜P24のうちいずれか二つにその両端が接続される複数の内側コイル42aと外側コイル42bとで構成されている。具体的には、たとえばその一端が整流子片P23に接続された内側コイル42aは、一対の第一のなす形スロットS1と第六のなす形スロットS6を通るように巻回された後、その他端が整流子片P23に隣接する整流子片P24に接続されている。また、この整流子片P24にその一端が接続される外側コイル42bは、第一のなす形スロットS1と第六のなす形スロットS6を通るように巻回された後、その他端が整流子片P24に隣接する整流子片P1に接続されている。以下、同様にして他の一対のなす形スロット(S2,S7),(S3,S8),・・・,(S12,S5)を通る内側コイル42aや外側コイル42bも、一対の整流子片(P1,P2),(P2,P3),・・・(P22,P23)に順次接続されている。
【0014】
図2に示すように、界磁巻線5は、磁極部32の膨出部32aの基端部と、凹部31f(31g)とに跨るように巻回されている。すなわち、四つの膨出部32a,・・・の基端部近傍に四つの界磁巻線5の内側部分が配設されるとともに、凹部31f(31g)内に四つの界磁巻線5の外側部分が配設されることとなる。そして、このように、各界磁巻線5の外側部分が凹部31f(31g)内に配設されることによって、大きく形成された通風経路AR(図1参照)に各界磁巻線5が露出することになるので、界磁巻線5の冷却を効率良く行うことができるようになっている。
【0015】
次に、分割された固定子鉄心33に界磁巻線5を巻回する方法について図4を参照して説明する。
図4に示すように、分割した固定子鉄心33のうち、たとえば右側の固定子鉄心33に界磁巻線5を巻く場合は、左側に開放された空間を作業空間としてその巻回作業が容易になされることとなり、界磁巻線5が高占積率で巻回されることとなる。
【0016】
また、巻線の周長を比較し、特性面からの利点を考えることにする。図5には従来の巻線と本発明の巻線の比較を示す。本発明の界磁巻線5はたとえば分割された右側のヨーク部31に左側からフライヤ巻線機等を用いて整列巻線を施すことができるため、図5(a)に示すようにコンパクトに巻線することができる。また、平均周長Lはヨーク幅をDとし、鉄心積厚をtとすると左右2つの界磁巻線5,5の合計の平均周長はL=4(D+2d)+4tとなる。
【0017】
一方、図5(b)に示すように、従来の磁極部に巻回する界磁巻線では、磁極幅は通常ヨーク幅の2倍と太いため、コイルエンドが大きくなり、周長が長くなる。また、巻線も密に巻くことが出来ないためにボリュームも大きくなり、その平均周長は、L=4(D+2d)+2t+2α+2βと大きくなる。本発明の巻線構造は、占積率が増す分、線径を太くして巻線抵抗を低減したり、巻回数を多くして磁束密度を増加させて特性向上が図れる。また、左右の巻線回数を変化させる、具体的には減磁側の巻線の巻数を増磁側の巻線の巻数よりも多くすることが可能なため、増磁側と減磁側の磁束密度のバランスを調整してトルク脈動低減が可能となる。
【0018】
続いて、前記のように構成された交流整流子モータ1や、他の構造の交流整流子モータを解析モデルとして、FEM構造解析ソフトによりシミュレーションして得られた結果について説明する。最初に、図3を参照して、交流磁場を与えてモータのトルクを計算した条件を示す。ここで、図3(a)には、解析に用いたメッシュモデルと計算条件を示す。図3(b)には、略円柱状であった電機子を平面に展開した状態における電機子巻線の接続図を示す。図3(c)には、入力した電流パターンの一例を示す。図3(d)には、各コイルを流れる電流の変化を示す。
【0019】
図3(a)に示すように、まず、交流整流子モータ1の構成部品である固定子鉄心33、界磁巻線5、電機子43、および電機子巻線42を、その合計の要素数が25402Eとなるように、複数の要素に分割する。また、図3(b)に示すように、整流子44周りの配線条件を、電機子巻線42を構成する各コイル42a,42bを、前記した条件で整流子44に接続させるとともに、二つのブラシ6をそれぞれ整流子片P1〜P24のうちいずれか三つに跨るように接触させた条件とする。なお、ブラシ6は、略円柱状となる電機子43の径方向において対向するように設けられている。また、図3(c)に示すように、交流整流子モータ1に与える交流電流の条件は、その電流値の最大の絶対値が6A(アンペア)であり、その周期が3600°(deg)となっている。ここで、このシミュレーションでは、モータの回転速度を30000rpmに設定しているため、交流電流の周期は、言い換えると50Hz(ヘルツ)になっている。
【0020】
ちなみに、交流整流子モータ1は、交流電流が固定子3側の界磁巻線5、ブラシ6、整流子44、電機子43側の電機子巻線42の順に与えられるとともに、電機子43側に流れる電流のプラスとマイナスがブラシ6により電機子43の半回転ごとに切り替えられることで、トルクが発生する方向に電流が制御されて回転するモータである。そのため、このモータを反時計回りに30000rpmで回転させ、50Hzの電流を入力として与えると、50Hzの電流の一周期は0.02秒であるので、この0.02秒の間にモータは10回転(3600°)することになる。また、図3(d)に示すように、電機子43の各々のコイル42a,42bでは、電機子43が半回転(180°)するごとにブラシ6から整流子44を介して各コイル42a,42bに供給される交流電流のプラスとマイナスが機械的に切り替えられるとともに、交流電流の半周期である0.01秒(1800°)ごとに電流のプラスとマイナスが電気的に切り替えられている。
【0021】
続いて、前記のような条件下で計算した磁束密度分布および出力トルク計算結果を図6および図7に示す。図6は比較例を示すモータ構造、図7は磁極部中央にスリットを設けたモータ構造である。それぞれ、(a)図にスリットの形状、(b)図に磁束線、(c)図に最大トルク時のギャップ部磁束密度、(d)図に出力トルク計算結果を示す。
【0022】
図6(a)に示すように、比較例としてのモータ構造は、磁極部32にスリットが形成されていない構造となっている。なお、以下の説明においては、電機子43の中心軸から上下左右に引いた軸のうち右側の軸を0degとして、その他の軸を反時計回りで順に90,180,270degとする。
【0023】
比較例のFEMによる解析結果は、磁極部32の形状が90degの軸を中心にして左右対称なのに対して、ギャップ(固定子3と電機子43との隙間)の磁束密度分布は、図6(c)に示すように、90degの左右、すなわち0〜90deg間と90〜180deg間が左右対称とならない。これは、電機子反作用の影響による増磁、減磁作用が影響して発生するものである。ちなみに、上側の磁極部32の左側が減磁側、右側が増磁側となり、下側の磁極部32の右側が減磁側、左側が増磁側となっている。また、その影響度合いは、図6(b)でもわかるように、固定子3の上側の磁極部32に注目すると、左側から右側への磁束の流入で磁極部32の右側の磁束密度が高くなっていることがわかる。この影響によって、出力トルクは脈動し、図6(d)のようなトルク波形となり、平均トルクが0.523N・m(ニュートン・メートル)であるのに対し、トルク脈動の最大値が0.16N・mと大きくなる。
【0024】
このような電機子反作用の影響を低減するためには、図7(a)に示すように、磁極部32の中央部に外側のみに開口するスリット32dを設けることで磁極左右での磁束の流れを制御できる。この構造についても上記と同様にFEMによる解析を行った。電流条件など、スリット32d以外は同一の条件として計算した結果、図7(b)〜(d)に示す結果となった。
【0025】
図7(c)に示すように、スリット32dの内側部に形成した珪素鋼板などからなる磁気ブリッジ部32eが磁気飽和しているため、90deg,270deg近辺のギャップ磁束密度は落ち込む結果となっている。また、その磁気ブリッジ部32eの磁気飽和やスリット32dによって、図7(b)に示すように、固定子3の上側の磁極部32では、左側から右側への磁束の流入が遮断されている。その結果、磁極部32の左側(減磁側)の磁束密度は増加し、図7(d)に示すように、平均トルクが大幅(2.7%)に向上している。さらに、磁束密度の変化が少なくなるため、トルク脈動が0.03N・mと大幅に低減し、トルク脈動の減少率が27%と大きくなっていることがわかる。
【0026】
以上の結果より、固定子鉄心33を分割するには磁極部32の中心で切断される構造が特性改善面からも有効であることがわかった。ちなみに、前記に示した磁束密度分布などの磁場状態は、いままで、試作評価では製造誤差や測定の困難さ等ではっきりと確認することが出来なかったが、高精度な計算手法の適用により、今回FEM解析によって初めて確認されたものである。なお、図7(a)の解析モデルは、スリット32dを外側のみに開口させ、かつ磁極部32に界磁巻線5を巻回する構造であるが、本実施形態のように外側および内側に開口するスリット32cであっても左側から右側への磁束の流入を阻止する効果を奏することとなる。
【0027】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
固定子鉄心33の分割部を、磁極部32の中央部に上下方向へ沿うように形成したスリット32cとしたので、このスリット32cが正規の磁束の流れ(磁極部32を上下方向に流れようとする磁束の流れ)を阻害しないばかりか、回転子4の回転などにより磁極部32の左側から右側へ流入しようとする磁束を遮断することとなる。これにより、電機子反作用を防止することができる。また、たとえば分割した右側の固定子鉄心33の磁極部32近傍にある細いヨーク部31に界磁巻線5を左側の空間を利用して巻けばよいので、その巻回作業が容易となるとともに、界磁巻線5を高占積率で巻回することができる。
【0028】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。以下に、他の実施形態について説明する。
【0029】
(1)本実施形態では、スリット32cを上下方向に沿った形状とし、界磁巻線5を磁極部32の膨出部32aの基端部と、凹部31f(31g)とに跨るように巻回したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図8(a)に示すように、界磁巻線5を、凹部31f(31g)と短辺部31eとの略中間位置と、膨出部32aの基端部とに跨るように巻回してもよい。
【0030】
また、図8(b)に示すように、分割面の一部(内側)を磁極部32の中心よりも左側にずらすように、段付きのスリット71を磁極部32に形成してもよい。さらに、図8(c)に示すように、固定子鉄心33の磁極部32に形成されたスリット72のうち内側の微小な部分72aを突合せ部とし、その他の外側の部分に幅広に形成される凹部72bを設け、この凹部72bに非磁性体である充填剤8を充填させる構造としてもよい。また、図8(d)に示すように、二つの界磁巻線5をヨーク部31のうち左側長辺部31cと右側長辺部31dとにそれぞれ巻回させてもよい。この構造では、長辺部31c(31d)中央の周囲に障害物が無いことから巻線スペースを大きく確保できるとともに、界磁巻線5の数も2つで良いことから、その作業効率を向上させることができる。
【0031】
次に、本実施形態のスリット形状を前記した図8(c)のような形状にした構造について、巻線配置による特性の違いをFEMで確認した結果を図9および図10に示す。図9は入力電流などの条件を図3と同じに設定し、巻線配置を本実施形態と同様にし、スリット形状のみを図8(c)のように変更した結果である。図9(d)に示す結果より、平均トルクは図7(d)に示す外側のみに開口するスリットを有する構造の結果と全く変わらない結果となった。また、トルク脈動についても同等である。なお、固定子3の外側に配置される界磁巻線5の外側部分の影響はほとんどなく、同一の電流を固定子スロット内に巻回された巻線(図7(a)参照)に与えるのと同等の結果が得られることが証明できた。実際にはこれに、前記した巻線占積率向上が加わると銅損低減でき、モータの効率は増加する。
【0032】
図10は図7(a)の界磁巻線5と同じ巻回数の界磁巻線5をヨーク部31の左側長辺部31cと右側長辺部31dの中央に巻回した計算結果を示す。この巻線配置によると平均トルクは増加することがわかった。さらに、巻線占積率の向上で出力向上とともに効率が向上する。
【0033】
(2)交流整流子モータ1は、どのような電気機器に用いてもよいが、たとえば掃除機の駆動系である電動送風機のモータとして用いる場合には以下に示す効果を奏することとなる。図11に示すように、電動送風機9は、ファン91と交流整流子モータ1とで主に構成される。ここで、一般に電動送風機では、環境問題の観点から使用材料を少なくするために小型化する場合は、モータの回転数をアップさせる必要があるが、トルク脈動が大きいと振動も大きくなって回転数アップができなくなる問題がある。これに対して、本発明では、トルク脈動が小さくなるので回転数アップが図れ、これにより小型軽量化も図れるので環境問題を改善できる効果がある。
【0034】
(3)また、本実施形態では、スリット32cを磁極部32の左右方向の略中央に形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、交流整流子モータ1の駆動時において、減磁側(たとえば、図1において上側の磁極部32の左側や、下側の磁極部32の右側をいう)となる磁極部32の幅が、増磁側(たとえば、図1において上側の磁極部32の右側や、下側の磁極部32の左側をいう)となる磁極部32の幅よりも大きく形成されていてもよい。この構造によれば、減磁側の磁極部32の幅が大きいため、この減磁側に多くの磁力線が流れることとなり、減磁側と増磁側との磁束密度のバランスを適正にすることができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、その分割した部分で磁束の流れを阻害することがなく、また、分割した各固定子鉄心のヨーク部に界磁巻線を高占積率で巻くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る整流子モータの一実施の形態である交流整流子モータの構造を示す断面図である。
【図2】図1の固定子の構造を示す斜視図である。
【図3】解析に用いたメッシュモデルを示す断面図(a)と、電機子を平面に展開した状態で電機子巻線の接続状態を示す接続図(b)と、入力した電流パターンの一例を示す図(c)と、各コイルを流れる電流の変化を示す図(d)である。
【図4】分割された固定子鉄心に界磁巻線を巻回している状態を示す斜視図である。
【図5】ヨーク部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図(a)と、磁極部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図(b)である。
【図6】比較例のモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図7】磁極部にスリットを設けたモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図8】本発明の他の実施形態に係る固定子を示す図であり、界磁巻線の位置を変更した形態を示す断面図(a)と、スリットの形状を変更した形態を示す断面図(b)と、スリットに充填材を充填した形態を示す断面図(c)と、左右のヨーク部中央に界磁巻線を巻回した形態を示す断面図(d)である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図10】図9の巻線位置を変更したモータ構造を示す断面図(a)と、磁束線の流れを示す断面図(b)と、最大トルク時のギャップ部磁束密度を示す図(c)と、出力トルク計算結果を示す図(d)である。
【図11】本発明に係るモータを電動送風機に適用した状態を示す断面図である。
【図12】従来の固定子構造を示す断面図(a)と、この固定子を展開した状態を示す展開図(b)である。
【図13】従来の磁極部に界磁巻線を巻回した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 交流整流子モータ
3 固定子
31 ヨーク部
32 磁極部
32c スリット
33 固定子鉄心
4 回転子
41 電機子鉄心
42 電機子巻線
43 電機子
44 整流子
5 界磁巻線
S1〜S12 なす形スロット(空隙部)
Claims (7)
- 環状のヨーク部および前記ヨーク部の内側に対向して形成される磁極部を有する固定子鉄心と、界磁巻線とからなる固定子と、
前記磁極部間に配設される電機子鉄心の外周部に形成される空隙部中に電機子巻線を巻装した電機子と、前記電機子巻線が接続される整流子とからなる回転子と、を備えた整流子モータにおいて、
前記対向する磁極部を略中心にして前記固定子鉄心を分割し、分割した各固定子鉄心のヨーク部に前記界磁巻線を巻回したことを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1に記載の整流子モータにおいて、
前記固定子鉄心の磁極部に形成された分割部のうち外側の一部には、幅広に形成される凹部が設けられ、
この凹部には、非磁性体である充填剤が充填されていることを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1または請求項2に記載の整流子モータにおいて、
前記界磁巻線を、各固定子鉄心に形成される各磁極部近傍に少なくとも一つずつ設け、
前記整流子モータの駆動時において減磁側となる磁極部近傍の巻線の巻数を、増磁側となる磁極部近傍の巻線の巻数よりも多くしたことを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1または請求項2に記載の整流子モータにおいて、
前記界磁巻線が、分割された前記ヨーク部の略中央に配置されることを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の整流子モータにおいて、
分割された前記磁極部のうち、前記整流子モータの駆動時において減磁側となる磁極部の幅が、増磁側となる磁極部の幅よりも大きく形成されていることを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1〜請求項5のうちいずれか1項に記載の整流子モータにおいて、
前記ヨーク部のうち前記磁極部が形成されている部分の外側に、外方へ開口する凹部を形成し、この凹部内に前記界磁巻線の外側を配設したことを特徴とする整流子モータ。 - 請求項1〜請求項6のうちいずれか1項に記載の整流子モータを、掃除機の駆動系である電動送風機のモータとして用いたことを特徴とする電動送風機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003175997A JP2005012956A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 整流子モータおよび電動送風機 |
Applications Claiming Priority (1)
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