JP2005011572A - 有機el装置とその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

有機el装置とその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Yuji Kayano
祐治 茅野
Yasushi Karasawa
康史 柄沢
Satoru Miyashita
悟 宮下
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Abstract

【課題】コントラストを向上すると同時に、隔壁の寸法のばらつきに起因する表示品質の低下を防止し、これによって表示品質を高めた有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】基体上に画素電極23とこれに対向する対向電極50を有し、これら電極間に発光層60を有してなる有機EL装置である。発光層60が、隔壁221に囲まれた画素領域に設けられている。隔壁221が、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされたことにより、形成されている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
バックライトなどを必要としない自発光素子として、近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称す)素子を備えた有機EL装置が注目されている。
有機EL素子は、対向する一対の電極間に有機EL層、すなわち発光層を有して構成されたもので、特にフルカラー表示を行う場合には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する発光波長帯域を持ち、これにより各色の発光をなす有機EL層(発光層)が備えられて構成されている。
【0003】
発光層については、液滴吐出法を用いればこの発光層の形成材料を所望位置に所定量配すことができることから、発光層の形成材料として、液滴吐出法が適用可能な高分子材料を用いるようにしたものが知られている。このように高分子材料を用いて液滴吐出法で発光層を形成する場合、例えば発光層を形成する画素領域を予め隔壁で囲んでおき、この隔壁内に発光層の形成材料を配すことにより、発光層を形成するといったことがなされている。
【0004】
ところで、このような有機EL装置においては、その表示品質として、コントラストの向上が一つの課題となっている。すなわち、表示面に外部光が入射しこれが反射することにより、発光層からの発光光による表示が外部光の反射光によって損なわれ、結果として良好な表示品質が得られないといった改善すべき課題がある。
コントラストを向上して表示品質を高める方法の一つとしては、黒色の金属酸化物からなるブラックマトリクスを用いる手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特に隔壁を形成する有機EL装置においては、黒色のレジストによって配線上に隔壁(バンク層)を形成する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平9−124972号公報
【特許文献2】
特開平11−24604号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の黒色の金属酸化物からなるブラックマトリクスを用いる手法では、金属酸化物やカーボンブラックを顔料としてこれらを感光性樹脂に混合し、この感光性樹脂を用いてブラックマトリクスを形成しているが、このような手法では、感光性樹脂を現像した後に顔料が残留し易いことから、この残留顔料によって発光不良が発生したり、甚だしい場合には全く発光しないといった不良が生じることがある。
【0007】
また、隔壁(バンク層)を形成する場合、通常は液状の感光性アクリル樹脂や感光性ポリイミド樹脂を用い、スリットコーターやスピンコーターなどを用いてこの感光性樹脂を基板上に2μm程度の厚さで塗布する。しかしながら、このように液状の感光性樹脂を塗布して隔壁を形成しようとすると、この感光性樹脂の塗布厚が、室温や樹脂温度、基板温度、コーターカップ排気の強弱等で±0.1μm程度も普通に変動してしまう。そのため、ロット間だけでなく基板間にも膜厚ばらつきが生じ、結果として隔壁の高さ寸法にばらつきが生じてしまい、これが信頼性を損なう要因の一つとなっている。
また、フラットパネルディスプレイ用の基板は一般に矩形であるため、基板中央部と角部とでは膜厚に差が生じやすくなっている。そして、この膜厚のばらつきによっても隔壁の高さ寸法が微妙にばらついてしまうことから、これがやはり信頼性を損なう要因の一つとなっている。
【0008】
また、前述したように発光層の形成材料として高分子材料を用い、液滴吐出法を用いてこの形成材料を隔壁内に配する場合、隔壁の寸法が変動してこれに囲まれる画素領域の寸法(面積)が変動すると、隔壁内に形成される発光層を含む機能層の膜厚にばらつきが生じてしまう。そのため、ロット間や基板間だけでなく、1枚の基板内でも発光特性に差が生じてしまい、結果として表示品質が損なわれてしまうことになる。特に、1枚の基板から大型のパネルを作製する場合には、面内でのばらつきがそのまま表示のばらつきとなって見えてしまうので、影響がより顕著になってしまう。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、コントラストを向上すると同時に、隔壁の寸法のばらつきに起因する表示品質の低下を防止し、これによって表示品質を高めた有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の有機EL装置では、基体上に画素電極とこれに対向する対向電極を有し、これら電極間に発光層を有してなる有機EL装置であって、前記発光層が、隔壁に囲まれた画素領域に設けられてなり、前記隔壁が、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされたことにより、形成されてなることを特徴としている。
【0011】
この有機EL装置によれば、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされたことにより、黒色の隔壁が形成されているので、特にこの隔壁での外部光の反射が防止されることなどによってコントラストが向上し、表示品質が高まる。また、フィルム状に形成された黒色層から隔壁をパターニングするので、金属酸化物やカーボンブラックを顔料とした感光性樹脂に比べ取り扱いが容易であり、顔料が残留することもないことから、残留顔料に起因する発光不良が防止される。
【0012】
また、前記黒色感光性フィルムは、フィルムに黒色層が設けられていることにより、黒色層の厚さがほぼ均一に形成されたものとなっている。したがって、この厚さが均一な黒色層から隔壁を形成することにより、隔壁の高さ寸法にばらつきがなく、これにより表示品質が良好となる。また、このように黒色層の厚さが均一であることから、厚さのばらつきに起因して得られる隔壁の幅方向の寸法や位置精度にばらつきが生じてしまうこともほとんどなく、したがって隔壁内に形成される発光層を含む機能層の膜厚のばらつきも防止され、これにより表示品質が良好となる。
また、特にカラー表示とした場合に、画素領域間を仕切る隔壁が黒色であることにより、隣り合う画素領域間での混色による色のにじみが防止される。
【0013】
また、前記有機EL装置においては、前記基体の表層部に平坦化膜が設けられ、この平坦化膜上に前記画素電極が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、基体に駆動素子や配線が形成されていても、平坦化膜によって基体表層部が平坦化されているので、画素電極を前記駆動素子や配線の形成箇所の直上にまで拡げることが可能になり、したがって、特に発光層での発光光を対向電極側から出射させるいわゆるトップエミッション型の場合に、開口率の向上を図ることができる。
【0014】
また、前記有機EL装置においては、前記発光層での発光光が、前記対向電極側から出射する、いわゆるトップエミッション型であるのが好ましい。
このようにすれば、前述したように黒色の隔壁によって外部光の反射が防止されれているので、特にトップエミッション型とした場合に、コントラストの向上効果が顕著となる。
【0015】
なお、この有機EL装置においては、前記発光層での発光光が、前記画素電極側からも出射するよう構成されているのが好ましい。
このようにすれば、発光光が対向電極側から出射するだけでなく画素電極側からも出射するので、表裏両面での表示が可能となり、したがって製品としての自由度が高まり、これによりさまざまな用途への展開が可能となる。
【0016】
本発明の有機EL装置の製造方法は、基体上に画素電極とこれに対向する対向電極を有し、これら電極間に発光層を有してなる有機EL装置の製造方法であって、前記基体上に、画素領域を囲んだ状態に隔壁を設ける工程と、前記隔壁内に発光層を設ける工程と、を備えてなり、前記隔壁を設ける工程が、黒色層を備えた黒色感光性フィルムを前記基体上に圧着し、この圧着した黒色感光性フィルムの黒色層をパターニングして隔壁とする工程であることを特徴としている。
【0017】
この有機EL装置の製造方法によれば、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層をパターニングし、黒色の隔壁を形成するので、特にこの隔壁での外部光の反射を防止することなどによってコントラストを向上し、表示品質を高めることが可能になる。また、フィルム状に形成された黒色層から隔壁をパターニングするので、金属酸化物やカーボンブラックを顔料とした感光性樹脂に比べ取り扱いが容易であり、顔料が残留することもないことから、残留顔料に起因する発光不良を防止することも可能になる。
【0018】
また、前述したように厚さが均一な黒色層から隔壁を形成することにより、隔壁の高さ寸法にばらつきがなく、したがって表示品質を良好にすることができる。また、このように黒色層の厚さが均一であることから、厚さのばらつきに起因して得られる隔壁の幅方向の寸法や位置精度にばらつきが生じてしまうこともほとんどなく、したがって隔壁内に形成される発光層を含む機能層の膜厚のばらつきも防止し、これにより表示品質を良好にすることができる。
また、特にカラー表示とした場合に、画素領域間を仕切る隔壁が黒色であることにより、隣り合う画素領域間での混色による色のにじみを防止することができる。
【0019】
本発明の電子機器によれば、前記の有機EL装置、あるいは前記の製造方法によって製造された有機EL装置を備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、コントラストが向上し、表示品質が向上した有機EL装置を備えているので、この有機EL装置を表示装置とすることにより、この電子機器は表示性能が向上したものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。なお、この実施の形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
まず、本発明の有機EL装置の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。
【0021】
この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とからなる配線構成を有し、走査線101…と信号線102…との各交点付近に画素領域X…を形成したものである。
【0022】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0023】
さらに、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極23と、この画素電極23と陰極(対向電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。このような画素電極23と陰極50と機能層110とにより、発光素子、すなわち有機EL素子が構成されている。
【0024】
このような構成の有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して共通陰極50に電流が流れる。すると、機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0025】
次に、本実施形態の有機EL装置1の具体的な態様を、図2〜5を参照して説明する。なお、図2は有機EL装置1の構成を模式的に示す平面図である。また、図3は図2のA−B線に沿う断面図、図4は図2のC−D線に沿う断面図、図5は図3の要部拡大断面図である。
【0026】
図2に示すように本実施形態の有機EL装置1は、光透過性と電気絶縁性とを備える基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを備えて構成されている。なお、本実施形態において画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
【0027】
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向に規則的に配置されている。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
【0028】
また、実表示領域4の図2中上方側には検査回路90が配置されており、この検査回路90はダミー領域5の下層側に配置されて設けられている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時における表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
【0029】
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、この有機EL装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
【0030】
有機EL装置1は、図3、図4に示すように、基板20と封止基板30とが透明な接着剤40を介して貼り合わされてなるものである。
【0031】
基板20としては、後述する発光層で発光した光を陰極(対向電極)50側から出射する、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合、この基板20の対向側である封止基板30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、発光層で発光した光を画素電極23側から出射する、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。
なお、発光層で発光した光を陰極50側からも画素電極23側からも出射するタイプの場合には、前記のボトムエミッション型の場合と同様、透明あるいは半透明の基板20が採用される。
【0032】
封止基板30としては、例えば電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。特にトップエミッション型や両側から出射するタイプの有機EL装置である場合には、この封止基板30としては、ガラスや石英、透明樹脂等透明あるいは半透明のものが採用される。また、接着剤40は、例えば熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなっているのが好ましい。
【0033】
また、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成されており、その上に発光素子(有機EL素子)が設けられている。発光素子R、G、Bは、図5に示すように陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層70と、有機EL物質からなる発光層60(60R、60G、60B)と、陰極50とが順に形成されたことによって構成されている。
そして、このような構成のもとに発光素子は、正孔輸送層70から注入された正孔と陰極50からの電子とが発光層60で結合することにより、発光をなすようになっている。
【0034】
陽極として機能する画素電極23は、特にボトムエミッション型、あるいは両側から出射するタイプである場合、透明導電材料によって形成される。透明導電材料としてはITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。また、トップエミッション型である場合には、特に光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、したがってその場合には、例えばITOの下層側にAl等を設けて反射層とすることができる。
【0035】
また、特にトップエミッション型の場合で、高コントラストを得たい場合には、チタンやタングステン、チタン−タングステン合金等を例えば厚さ300nm程度に形成して反射層とし、この反射層上にITOを例えば厚さ64nm程度に積層して干渉層とし、これら反射層と干渉層とからなる積層構造によって画素電極23を形成するようにしてもよい。このような積層構造とすれば、外部からの入射光、すなわち外光の干渉層表面で反射した光と、この外光が干渉層を透過して反射層で反射した光とを互いに干渉させ、減衰させることができ、したがって外光の反射率を低下させ、高コントラスト化を可能にすることができる。
なお、このように反射層と干渉層とからなる積層構造によって画素電極23を形成する場合、特に干渉層を形成する透明導電材料の厚さを、以下の式に示す範囲とするのが好ましい。
520÷(4×n)nm ±20%
(ただし、nは透明導電材料の波長520nmに対する屈折率を表す。以下同様。)
このような範囲の厚さとすれば、干渉層での干渉効果を良好にすることができ、したがって積層構造による外光の反射防止効果をより良好なものとすることができる。
【0036】
正孔輸送層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)[商品名;バイトロン−p(Bytron−p):バイエル社製]の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔輸送層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0037】
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。また、本実施形態では、フルカラー表示を行うべく、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。すなわち、発光波長帯域が赤色に対応した発光層60R、緑色に対応した発光層60G、青色に対応した発光層60Bの三つの発光層により、1画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置1が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
【0038】
発光層60(60R、60G、60B)の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
【0039】
陰極50は、図3〜図5に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されたもので、特にトップエミッション型、あるいは両側から出射するタイプである場合には、透明導電材料によって形成される。透明導電材料としては、バソクプロインとセシウムの共蒸着膜を用い、さらに導電性を付与するためにITOを積層するといった構造が好適に採用される。なお、バソクプロインとセシウムの共蒸着膜の替わりに、Caを5nm程度に形成して用いてもよい。
また、ボトムエミッション型である場合には、光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、したがってその場合には、例えばCaを厚さ20nm程度に形成し、さらにその上にAlを厚さ200nm程度に形成して積層構造の電極とし、またAlを反射層として機能させることができる。
透明な封止薄膜51は、図3〜図5に示すように陰極50全体を覆うように形成されたものである。封止薄膜51は、SiO、SiN、SiONのような無機材料や、透明な有機材料からなる薄膜であり、外部から接着剤40を透過侵入してくる酸素、水分が有機EL素子に影響を与えるのを阻止する。
なお、ボトムエミッション方の場合は、封止基板30に凹部を形成し、内部に酸素、水分を吸収するゲッター剤を設置し、封止基板30の外周に接着剤を塗布し、基板20と接着することで酸素、水分の影響を排除することができるので、封止薄膜51を設ける必要はない。
【0040】
また、このような発光素子R、G、Bの下方には、図5に示したように回路部11が設けられている。この回路部11は基板20上に形成されたものである。すなわち、基板20の表面にはSiOを主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiOおよび/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0041】
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiOを主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0042】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、前述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0043】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層には、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする平坦化膜284が形成されている。この平坦化膜284は、アクリル系やポリイミド系等の、耐熱性絶縁性樹脂などによって形成されている。ここで、この平坦化膜284は、本発明における基体の表層部を構成するものとなっており、駆動用TFT123やソース電極243、ドレイン電極244などによる表面の凹凸をなくすために形成された公知のものである。
【0044】
そして、チタンとITOの積層膜等からなる画素電極23が、この平坦化膜284の表面上に形成されるとともに、該平坦化膜284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。ここで、平坦化膜284によって基体表層部が平坦化されているので、特にトップエミッション型の場合には、画素電極23を前記の駆動用TFT123やソース電極243、ドレイン電極244の直上にまで拡げることもでき、したがって開口率の向上を図ることができる。
【0045】
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて前記駆動用TFT123と同様の構造とされている。
【0046】
画素電極23が形成された平坦化膜284の表面は、画素電極23と、例えばSiO2 などの親液性材料を主体とする親液性制御層25と、隔壁221とによって覆われている。そして、画素電極23上には、親液性制御層25に設けられた開口部25aおよび隔壁221に設けられた開口部221aの開口内部、すなわち画素領域に、前記の正孔輸送層70と発光層60とが画素電極23側からこの順で積層されている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも隔壁221を構成する材料に比べて親液性が高いことを意味している。
【0047】
隔壁221は、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされてなるもので、黒色層からなることによって黒色に形成されたものである。黒色感光性フィルムとしては、例えば富士写真フィルム社製の黒色ドライフィルム「トランサー(商品名)」が好適に用いられる。この黒色ドライフィルム(黒色感光性フィルム)は、ベースフィルム上に各種機能層等を介して黒色層を形成し、さらにこの黒色層上に保護フィルムを設けたもので、黒色層が感光性を有していることにより、この黒色層が露光及び現像からなるフォトリソグラフィー技術によってパターニング可能に構成されたものである。また、この黒色層は、フィルムからなるベース上に設けられていることにより、その厚さがほぼ均一に形成されたものとなっている。
【0048】
そして、隔壁221は、このような黒色感光性フィルムが、保護フィルムが除去された状態で前記基体上に設けられ、さらにベースフィルムが剥離された後、露光・現像がなされることにより、画素領域を囲むよう格子状に形成されたものとなっている。なお、このような構成からなる隔壁221に囲まれた領域、すなわち画素領域に、後述するように正孔輸送層70の形成材料、発光層60の形成材料がこの順に配されることにより、正孔輸送層70、発光層60がそれぞれ形成されたものとなっている。
以上に説明した基板20から平坦化膜284までの層が、回路部11を構成するものとなっている。
【0049】
ここで、本実施形態の有機EL装置1は、カラー表示を行うべく、各発光層60が、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。例えば、発光層60として、発光波長帯域が赤色に対応した赤色用発光層60R、緑色に対応した緑色用発光層60G、青色に対応した青色用有機EL層60Bとをそれぞれに対応する表示領域に設け、これら表示領域によってカラー表示を行う1画素が構成されている。なお、各色表示領域の境界には前述したように黒色の隔壁221が設けられており、これによって隔壁221は、ブラックマトリクスとして機能するようになっている。
【0050】
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法の一例を、図6〜図10を参照して説明する。なお、図6〜10に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。
まず、図6(a)に示すように、基板20の表面に、下地保護層281を形成する。次に、下地保護層281上に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いてアモルファスシリコン層501を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。
【0051】
次いで、図6(b)に示すように、ポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、島状のシリコン層241、251および261を形成する。これらのうちシリコン層241は、表示領域内に形成され、画素電極23に接続される駆動用TFT123を構成するものであり、シリコン層251、261は、走査線駆動回路80に含まれるPチャネル型およびNチャネル型のTFT(駆動回路用TFT)をそれぞれ構成するものである。
【0052】
次に、プラズマCVD法、熱酸化法などにより、シリコン層241、251および261、下地保護層281の全面に厚さが約30nm〜200nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁層282を形成する。ここで、熱酸化法を利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコン層241、251および261の結晶化も行い、これらのシリコン層をポリシリコン層とすることができる。
【0053】
また、シリコン層241、251および261にチャネルドープを行う場合には、例えば、このタイミングで約1×1012/cmのドーズ量でボロンイオンを打ち込む。その結果、シリコン層241、251および261は、不純物濃度(活性化アニール後の不純物にて算出)が約1×1017/cmの低濃度P型のシリコン層となる。
【0054】
次に、Pチャネル型TFT、Nチャネル型TFTのチャネル層の一部にイオン注入選択マスク502を形成し、この状態でリンイオンを約1×1015/cmのドーズ量でイオン注入する。その結果、図6(c)に示すように、シリコン層241及び261中に高濃度ソース領域241Sおよび261S並びに高濃度ドレイン領域241Dおよび261Dが形成される。
【0055】
次に、ゲート絶縁層282の表面全体に、ドープドシリコンやシリサイド膜、あるいはアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜という金属膜からなるゲート電極形成用導電層を形成する。この導電層の厚さは概ね500nm程度である。その後、フォトリソ法により、図6(d)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極252、画素用TFTを形成するゲート電極242、Nチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極262を形成する。また、駆動制御信号導通部320(350)、陰極電源配線の第1層121も同時に形成する。なお、この場合、駆動制御信号導通部320(350)はダミー領域5に配設するものとされている。
【0056】
続いて、ゲート電極242,252および262をマスクとして用い、シリコン層241,251および261に対してリンイオンを約4×1013/cmのドーズ量でイオン注入する。その結果、ゲート電極242,252および262に対してセルフアライン的に低濃度不純物が導入され、図6(d)に示すように、シリコン層241および261中に低濃度ソース領域241bおよび261b、並びに低濃度ドレイン領域241cおよび261cが形成される。また、シリコン層251中に低濃度不純物領域251Sおよび251Dが形成される。
【0057】
次に、図7(e)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFT以外の部分を覆うイオン注入選択マスク503を形成する。このイオン注入選択マスク503を用いて、シリコン層251に対してボロンイオンを約1.5×1015/cmのドーズ量でイオン注入する。結果として、Pチャネル型駆動回路用TFTを構成するゲート電極252もマスクとして機能するため、シリコン層251中にセルフアライン的に高濃度不純物がドープされる。したがって、低濃度不純物領域251Sおよび251Dはカウンタードープされ、P型チャネル型の駆動回路用TFTのソース領域およびドレイン領域となる。
【0058】
次いで、図7(f)に示すように、基板20の全面にわたって第1層間絶縁層283を形成するとともに、フォトリソグラフィ法を用いて該第1層間絶縁層283およびゲート絶縁層282をパターニングすることにより、各TFTのソース電極およびドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールCを形成する。
【0059】
次に、図7(g)に示すように、第1層間絶縁層283を覆うように、アルミニウム、クロム、タンタルなどの金属からなる導電層504を形成する。この導電層504の厚さは概ね200nmないし800nm程度である。この後、導電層504のうち、各TFTのソース電極およびドレイン電極が形成されるべき領域240a、駆動電圧導通部310(340)が形成されるべき領域310a、陰極電源配線の第2層が形成されるべき領域122aを覆うようにパターニング用マスク505を形成するとともに、該導電層504をエッチングして、図8(h)に示すソース電極243、253、263、ドレイン電極244、254、264を形成する。
【0060】
次いで、図8(i)に示すように、これらが形成された第1層間絶縁層283を覆う平坦化膜284を、例えば感光性アクリル系樹脂などの高分子材料によって形成する。この平坦化膜284は、約1〜2μm程度の厚さに形成するのが好ましい。なお、SiNやSiOによって平坦化膜284を形成するようにしてもよい。
【0061】
次いで、図8(j)に示すように、平坦化膜284のうち、駆動用TFTのドレイン電極244に対応する部分を露光・現像することにより除去してコンタクトホール23aを形成する。
その後、基板20の全面を覆うように画素電極23となる導電膜を形成する。そして、この導電膜をパターニングすることにより、図9(k)に示すように、平坦化膜284のコンタクトホール23aを介してドレイン電極244と導通する画素電極23を形成すると同時に、ダミー領域のダミーパターン26も形成する。なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としている。
【0062】
ダミーパターン26は、平坦化膜284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされている。すなわち、ダミーパターン26は、島状に配置され、実表示領域に形成されている画素電極23と同一の形状を有している。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも前記駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
【0063】
次いで、図9(l)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および平坦化膜284上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25aにおいて画素電極23からの正孔移動が可能となるようにしておく。
【0064】
次いで、図9(m)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは画素領域を囲む位置に隔壁221を形成する。この隔壁221の形成方法としては、前述したように黒色層を備えた黒色感光性フィルムを用い、これの黒色層を露光・現像してパターニングすることで行う。
すなわち、黒色感光性フィルムを予め基板20の大きさ(幅)に合わせて切断しておき、図11に示すようにこの黒色感光性フィルム66を送り出しローラ65に巻回しておく。そして、この送り出しローラ65から黒色感光性フィルム66の保護フィルム66aを剥離して除去しつつ、圧着ローラ67、67間に案内する。また、これとは別に、図9(l)に示した、親液性制御層25の開口部25aまでを形成した基板20を前記圧着ローラ67、67間に案内する。
【0065】
そして、このように基板20を圧着ローラ67、67間に案内し、かつ保護フィルム66aを剥離した黒色感光性フィルム66を圧着ローラ67、67間に案内することで、これら圧着ロールによって基板20の前記親液性制御層25側に黒色感光性フィルム66の黒色層66b側を圧着する。なお、圧着ローラ67、67を適宜に加熱しておくことにより、黒色感光性フィルム66の黒色層66b側を熱圧着するようにしてもよい。ただし、このように熱圧着した場合には、この熱圧着後、冷却して黒色層等を常温に戻すようにする。
【0066】
このようにして保護フィルム66aを剥離した黒色感光性フィルム66を基板20上に圧着したら、この黒色感光性フィルム66からベースフィルム(図示せず)を剥離し、基板20上に黒色層とこれを覆う各種機能層等を残す。
そして、コンタクト露光機、ステッパなどの露光装置により、隔壁パターンに対応したマスクを用いて前記黒色層の露光を行う。次いで、アルカリ水溶液などの現像液を用い、光が照射されなかった部分の黒色層を現像除去する。その後、必要に応じて紫外線照射処理を行い、さらに220℃程度の加熱処理を行うことにより、所望パターン、すなわち予め設定した隔壁パターンを有する隔壁221を形成する。
【0067】
次いで、基板20の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においては、プラズマ処理によって各領域を形成するものする。具体的には、該プラズマ処理は、予備加熱工程と、隔壁221の表面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の表面をそれぞれ親液性にする親液化工程と、隔壁221の上面および開口部221aの壁面を撥液性にする撥液化工程と、冷却工程とで構成する。
【0068】
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親液化工程として大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(Oプラズマ処理)を行う。次いで、撥液化工程として大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CFプラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0069】
なお、このCFプラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO、TiOなどはフッ素に対する親和性に乏しいため、親液化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
【0070】
次いで、正孔輸送層形成工程によって正孔輸送層70を形成する。この正孔輸送層形成工程では、液滴吐出法として、特にインクジェット法が好適に採用される。すなわち、このインクジェット法により、正孔輸送層形成材料を電極面23c上に選択的に配し、これを塗布する。その後、乾燥処理および熱処理を行い、電極23上に正孔輸送層70を形成する。正孔輸送層70の形成材料としては、例えば前記のPEDOT:PSSをイソプロピルアルコールなどの極性溶媒に溶解させたものが用いられる。
【0071】
ここで、このインクジェット法による正孔輸送層70の形成にあたっては、まず、インクジェットヘッド(図示略)に正孔輸送層形成材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された前記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、正孔輸送層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、正孔輸送層70を形成する。
【0072】
このとき、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥液処理された隔壁221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からずれて、液滴の一部が隔壁221の表面にかかったとしても、該表面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に引き込まれる。
なお、この正孔輸送層形成工程以降では、各種の形成材料や形成した要素の酸化・吸湿を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0073】
次いで、図10(n)に示すように、発光層形成工程による発光層60の形成を行う。発光層形成工程では、前記の正孔輸送層70の形成と同様に、液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。すなわち、インクジェット法により、発光層形成材料を正孔輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、隔壁221に形成された開口部221a内、すなわち画素領域上に発光層60を形成する。なお、発光層60の形成にあたっては、各色毎に行うようにする。
【0074】
次いで、図10(o)に示すように、陰極層形成工程によって陰極50を形成する。陰極50は、EL素子を効率よく発光させるために、電子注入層と導電層のような積層構造を採用するのが一般的である。またトップエミッションタイプの場合は、発光層60からの光を陰極50側から取り出すので、陰極50は透明でなければならない。電子注入層としては、バソクプロイン(BCP)とセシウムの共蒸着膜や、光が透過する程度に薄く形成したカルシウムなどの低仕事関数金属薄膜を用いることができる。導電層としては、ITOやIZOを用いるのが一般的であるが、ボトムエミッションの場合はアルミなどの金属材料を使用可能である。電子注入層および導電層の成膜方法は、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法など、既知の成膜方法から適切な方法を選択すればよい。
なお、この陰極50の形成では、前記正孔輸送層70や発光層6の形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うため、画素領域にのみ選択的に形成材料を配するのでなく、基板20のほぼ全面に形成材料が設けられることになる。そこで、本実施形態では、基板20と図示しないメタルマスクを位置合わせして蒸着法やスパッタ法で陰極50を成膜することによって、図10(o)に示したように基板周辺部に陰極50が形成されないようにする。
さらに、後述する接着剤40を透過する酸素および水分の影響を遮断するために、透明な封止薄膜51を形成する。封止薄膜51は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸化窒化シリコンのような透明な無機薄膜を用いても良いし、これらの無機材料と透明な有機材料の積層構造としても良い。無機薄膜の形成方法は、各種スパッタ法、各種CVD法、蒸着法などが挙げられ、適切な方法で成膜すればよい(図10(o))。
【0075】
その後、図10(p)に示すように、封止工程によって封止基板30を接着する。この封止工程では、透明な封止基板30と基板20の間に、透明な接着剤40を塗布し、気泡が入らないように封止基板30と基板20を貼り合わせる。気泡が入らないようにするには、例えば真空中で封止基板30と基板20を貼り合わせると良い。ボトムエミッションタイプの表示装置の場合、封止基板30の内側にゲッター剤を貼着しつつ、該封止基板30と基板20の周辺部のみを接着剤40にて封止することによって有機EL装置1を形成する。なお、この封止工程も窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。
【0076】
このようにして得られた有機EL装置1にあっては、黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされたことによって黒色の隔壁221が形成されているので、特にこの隔壁221での外部光の反射が防止されることなどによってコントラストが向上し、表示品質が高まる。また、フィルム状に形成された黒色層から隔壁をパターニングするので、金属酸化物やカーボンブラックを顔料とした感光性樹脂に比べ取り扱いが容易であり、顔料が残留することもないことから、残留顔料に起因する発光不良が防止されたものとなる。
【0077】
また、厚さがほぼ均一に形成されている黒色層から隔壁221が形成されているので、隔壁221の高さ寸法にばらつきがなく、したがって表示品質が良好となる。また、このように黒色層の厚さが均一であることから、厚さのばらつきに起因して得られる隔壁221の幅方向の寸法や位置精度にばらつきが生じることもほとんどなく、したがって隔壁221内に形成される発光層60を含む機能層の膜厚のばらつきも防止され、これにより表示品質が良好となる。
また、カラー表示した場合に、画素領域間を仕切る隔壁221が黒色であることにより、隣り合う画素間での混色による色のにじみが防止されたものとなる。
【0078】
また、このような有機EL装置1の製造方法にあっては、黒色感光性フィルムの黒色層をパターニングして黒色の隔壁221を形成しているので、特にこの隔壁221での外部光の反射を防止することができるなどによってコントラストを向上することができ、したがってその表示品質を高めることができる。
また、隔壁221の寸法ばらつきが減少することにより、発光層60や正孔輸送層70の膜厚ばらつきが抑制され、これにより画素間での表示むらが減少し、表示品質が高まる。
また、黒色感光性フィルムを用いているため、液状レジストを用いた場合のように装置内を汚染することがなく、メンテナンスの負荷が軽減される。また、有害な有機溶剤蒸気もほとんど発生しないため、作業性が大幅に向上する。
また、液状レジストを用いた場合のようにプレベーク工程が不要となるため、プロセスおよび装置を簡略化することができる。
さらに、黒色感光性フィルムが黒色層を含めて固体であるため、漏洩の危険がなく、特別な対策をしなくても安全に保管することができる。
【0079】
次に、本発明の有機EL装置に係る実験例を示す。
(実験例1)
図3〜図5に示した有機EL装置1に対し、平坦化膜284に代えて一般的な層間絶縁膜、すなわち下地の凹凸をそのまま残す層間絶縁膜を形成した有機EL装置として、A〜Dの4種類を用意した。これら4種類の有機EL装置A〜Dの電極構成、およびパネルのタイプについては以下の通りとした。
【0080】
「有機EL装置A」
画素電極23として透明電極(ITO電極)を用い、陰極(対向電極)50としてCa(20nm)/Al(200nm)からなる積層構造の反射電極を用いた。これにより、ボトムエミッションタイプのパネルとした。
「有機EL装置B」
画素電極23として透明電極(ITO電極)を用い、また陰極(対向電極)50としても透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、基板の両側から光を出射する透明パネルとした。
「有機EL装置C」
画素電極23としてAl(200nm)/ITO(150nm)からなる積層構造の反射電極を用い、陰極(対向電極)50として透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、トップエミッションタイプのパネルとした。
「有機EL装置D」
画素電極23としてTi(300nm)/ITO(64nm)からなる積層構造で、前述したように外光の反射率を低下させるようにした電極を用い、陰極(対向電極)50として透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、トップエミッションタイプのパネルとした。
また、比較のため、隔壁221を黒色でなく透明な樹脂で形成し、その他は前記4種類の有機EL装置と同様の有機EL装置を用意した。
【0081】
次に、このようにして用意した有機EL装置を発光させ、その視認性を調べた。
有機EL装置Aでは、隔壁が黒色でないもの(以下、比較品と記す)に対して、コントラストが若干向上した。(画素電極側からの入射光反射率が、40%から30%に低下した。)
有機EL装置Bでは、比較品に対して、画素電極側から見た場合のコントラストは若干向上した。(画素電極側からの入射光反射率が、60%から45%に低下した。)また、陰極(対向電極)側から見た場合のコントラストは大幅に向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、40%から10%に低下した。)
有機EL装置Cでは、比較品に対して、コントラストが大幅に向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、40%から20%に低下した。)
有機EL装置Dでは、比較品に対して、コントラストが著しく向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、25%から5%に低下した。)
また、これら有機EL装置A〜Dでは、バンクの厚さのばらつきが±0.05μmと透明な樹脂(液状感光性樹脂)を用いた場合ものに比べ小さくなり、画素内有機層(正孔輸送層70と発光層60)の厚さのばらつきも±5nmから±3nmに改善され、目に見える発光むらも減少した。
【0082】
(実験例2)
図3〜図5に示した有機EL装置1と同様の構成の有機EL装置E〜H、すなわち実験例1の有機EL装置A〜Dに対して、一般的な層間絶縁膜でなく平坦化膜284、すなわち下地の凹凸を0.3μm以下に抑えて平坦化した膜を有するものを用意した。ただし、これら有機EL装置E〜Hの平坦化膜284は透明樹脂からなる透明層とした。また、この4種類の有機EL装置E〜Hに加えて、平坦化膜284を黒色の樹脂によって黒色層としたもの(有機EL装置I)も用意した。これら5種類の有機EL装置E〜Hの電極構成、およびパネルのタイプについては以下の通りとした。
【0083】
「有機EL装置E」
画素電極23として透明電極(ITO電極)を用い、陰極(対向電極)50としてCa(20nm)/Al(200nm)からなる積層構造の反射電極を用いた。これにより、ボトムエミッションタイプのパネルとした。
「有機EL装置F」
画素電極23として透明電極(ITO電極)を用い、陰極(対向電極)50としても透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、基板の両側から光を出射する透明パネルとした。
「有機EL装置G」
画素電極23としてAl(200nm)/ITO(150nm)からなる積層構造の反射電極を用い、陰極(対向電極)50としては透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、トップエミッションタイプのパネルとした。
「有機EL装置H」
画素電極23としてTi(300nm)/ITO(64nm)からなる積層構造で、前述したように外光の反射率を低下させるようにした電極を用い、陰極(対向電極)50として透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、トップエミッションタイプのパネルとした。
「有機EL装置I」
画素電極23としてAl(200nm)/ITO(150nm)からなる積層構造の反射電極を用い、陰極(対向電極)50として透明電極(BCPとセシウムの共蒸着膜とITOの積層電極)を用いた。これにより、トップエミッションタイプのパネルとした。
なお、比較のため、実験例1の場合と同様に、隔壁221を黒色でなく透明な樹脂で形成し、その他は前記5種類の有機EL装置と同様の有機EL装置を用意した。
【0084】
次に、このようにして用意した有機EL装置を発光させ、その視認性を調べた。
有機EL装置Eでは、比較品(隔壁が黒色でないもの)に対して、コントラストが若干向上した。(画素電極側からの入射光反射率が、35%から30%に低下した。)
有機EL装置Fでは、比較品に対して、画素電極側から見た場合のコントラストは若干向上した。(画素電極側からの入射光反射率が、55%から45%に低下した。)また、陰極(対向電極)側から見た場合のコントラストは大幅に向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、35%から10%に低下した。)
有機EL装置Gでは、比較品に対して、コントラストが大幅に向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、45%から25%に低下した。)
有機EL装置Hでは、比較品に対して、コントラストが著しく向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、20%から5%に低下した。)
有機EL装置Iでは、比較品に対して、コントラストがやや向上した。(陰極電極側からの入射光反射率が、35%から25%に低下した。)
また、これら有機EL装置E〜Iでは、バンクの厚さのばらつきが±0.05μmと透明な樹脂(液状感光性樹脂)を用いた場合ものに比べ小さくなり、画素内有機層(正孔輸送層70と発光層60)の厚さのばらつきも±5nmから±3nmに改善され、目に見える発光むらも減少した。
【0085】
(実験例3)
前記の有機EL装置Dや有機EL装置Hのように、画素電極23としてTi/ITOからなる積層構造を採用した場合の反射率を調べるため、特にITOの膜厚を変えて積層構造からなるサンプルを形成し、その反射率を測定した。なお、チタン(Ti)膜についてはスパッタ法で厚さ300nmに形成し、このチタン膜上にITO(屈折率;2.15)を48nmから72nmの範囲で3nm刻みに厚さを変えたサンプルを形成し、その反射率を調べた。得られた結果を以下に示す。
Figure 2005011572
【0086】
このような結果より、ITOの厚さを60nmとしたものが、前述した干渉効果によって最も反射率が低くなり、またこの厚さに近い厚さで低い反射率となることが分かった。
これらのITO膜の厚さで実験例2の有機EL装置Hを作製すると、陰極(対向電極)50側からの入射光(白色)反射率は5〜10%でそれほど大きな変化はないものの、ITO厚さが60nmのものが最も黒に近く見え、画像を表示させても一番鮮明に見えた。また、ITOの厚さが−20%〜+20%の範囲のもので画像が鮮明に見えたが、ITOの厚さを−10〜+10%の範囲のものが特に良好であった。
同じ明るさの発光体で波長を変化させると、人間の目に最も明るく見える波長域は520nm前後である。したがって、この波長域の光をカットすることができれば、見た目が最も暗くなる。
そこで、ITOの厚さを520/(4×n)nm±20%の範囲にして画素電極を作製し、有機EL装置を作製したところ、表示のコントラストが向上し、画像が最も鮮明に見えた。さらに、ITOの厚さを520/(4×n)nm±10%としたところ、特に良好なコントラストが得られた。
【0087】
(実験例4)
ガラス基板にポリイミドを例えば2μmの厚さに塗布し、これを焼成した。そして、これの上に、チタンを300nmの厚さで形成し、さらにその上にITO(屈折率;2.15)を64nmで形成し、積層電極構造を得た。得られた積層電極構造の、波長520nmの光の反射率を調べたところ、1%以下であった。また、チタンに代えてタングステン、チタン−タングステン合金をそれぞれ成膜し、同様にして積層電極構造を得た。得られた積層電極構造の、波長520nmの光の反射率を調べたところ、いずれも1%以下であった。
また、このような構成で画素電極を形成し、実験例2の有機EL装置Hを3種類形成した。形成した有機EL装置Hを表示させたところ、いずれも陰極(画素電極)側からの入射光(白色)反射率が5〜7%と小さく、表示された画像も鮮明に見ることができた。
したがって、形成した有機EL装置Hは、いずれも外光反射が抑制された、高コントラストのトップエミッション型有機EL装置となっていることが確認された。
【0088】
次に、本発明の電子機器を説明する。本発明の電子機器は、前記の有機EL装置を表示部として有したものであり、具体的には図12に示すものが挙げられる。
図12は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図12において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記の有機EL装置を用いた表示部を示している。
この電子機器は、全ての色の発光層が良好な発光特性を有する前記有機EL装置を表示部として備えているので、この電子機器自体も表示性能に優れたものとなる。
なお、本発明の電子機器としては、前記の携帯電話に限定されることなく、例えば携帯型情報処理装置や腕時計型電子機器などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL装置の配線構造を示す模式図である。
【図2】本発明の有機EL装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図2のA−B線に沿う断面図である。
【図4】図2のC−D線に沿う断面図である。
【図5】図3の要部拡大断面図である。
【図6】有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の有機EL装置の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…有機EL装置、23 画素電極、50…陰極(対向電極)、
60…発光層、66…黒色感光性フィルム、221…隔壁、
284…平坦化膜

Claims (6)

  1. 基体上に画素電極とこれに対向する対向電極を有し、これら電極間に発光層を有してなる有機EL装置であって、
    前記発光層が、隔壁に囲まれた画素領域に設けられてなり、
    前記隔壁が、黒色層を備えた黒色感光性フィルムの黒色層がパターニングされたことにより、形成されてなることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記基体の表層部に平坦化膜が設けられ、この平坦化膜上に前記画素電極が設けられていることを特徴とする請求項1記載の有機EL装置。
  3. 前記発光層での発光光が、前記対向電極側から出射することを特徴とする請求項1又は2記載の有機EL装置。
  4. 前記発光層での発光光が、前記画素電極側からも出射することを特徴とする請求項3記載の有機EL装置。
  5. 基体上に画素電極とこれに対向する対向電極を有し、これら電極間に発光層を有してなる有機EL装置の製造方法であって、
    前記基体上に、画素領域を囲んだ状態に隔壁を設ける工程と、
    前記隔壁内に発光層を設ける工程と、を備えてなり、
    前記隔壁を設ける工程が、黒色層を備えた黒色感光性フィルムを前記基体上に圧着し、この圧着した黒色感光性フィルムの黒色層をパターニングして隔壁とする工程であることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL装置、あるいは請求項5記載の製造方法によって製造された有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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