JP2005005159A - 有機el装置とその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

有機el装置とその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】各色全てが良好な発光特性を有し、さらには封止性能も良好な有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器を提供する。
【解決手段】対向する電極23、50間に、赤色の発光をなす赤色発光層60Rと、緑色の発光をなす緑色発光層60Gと、青色の発光をなす青色発光層60Bとが形成されてなる有機EL装置である。赤色発光層60Rおよび緑色発光層60Gの上に青色発光層60Bの形成材料が電子輸送層65として設けられている。これら電子輸送層65および青色発光層60Bの上に、青色発光層用の電子注入層52が設けられている。電子注入層52上に、対向する電極のうちの一方となる共通陰極50が設けられている。共通陰極50が、電子注入層52上に設けられた低仕事関数の金属からなる第1陰極50aと、第1陰極50a上に設けられて第1陰極50aを保護する第2陰極50bとからなっている。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
バックライトなどを必要としない自発光素子として、近年、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと称す)素子を備えた有機EL装置が注目されている。
有機EL素子は、対向する一対の電極間に有機EL層、すなわち発光層を有して構成されたもので、特にフルカラー表示を行う場合には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応する発光波長帯域を持ち、これにより各色の発光をなす有機EL層(発光層)が備えられて構成されている。このような有機EL素子を備えた有機EL装置において、各色の発光層に電流を通じるための陰極としては、通常、構成や製造の簡略化等のため、同じ材料からなる共通の陰極が用いられている。
【0003】
また、このように各色の発光をなす有機EL層(発光層)を備えた有機EL装置としては、特に青色発光層を基板の全面に設けたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−208254号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、赤色、緑色、青色からなる各色の発光層を有し、これらに対して共通陰極を用いた前記有機EL装置においては、その共通陰極が全ての色の発光層に対して、必ずしもその発光特性を良好にするものではないことが分かってきている。すなわち、発光特性として特に高輝度化や長寿命化等を図るうえで、例えば青色発光層に好適な材料からなる陰極が、赤色発光層や緑色発光層にも好適とはならないのである。
【0006】
また、前記の青色発光層を基板の全面に設けたものでは、特に青色発光層の形成材料が液滴塗布法に適さないような材料である場合にも、これをスピンコート法等の塗布法で形成できるようにしたものであり、この上には単に陰極が設けられているだけで、発光特性の向上についての具体的な対策は採られていない。
また、特にスピンコート法等で基板上に青色発光層を形成した場合、画素領域以外の周辺の箇所にも青色発光層が形成されてしまうことから、最終的に封止して装置を完成させた際、周辺部に形成された青色発光層によって耐湿性や実装性などの封止性能が損なわれるといった問題がある。また、このような問題を回避するため、周辺部に形成された青色発光層をエッチング等によって除去することも考えられるが、その場合にはこの除去工程が増えることによって生産性が低下するといった新たな問題が生じてしまう。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、各色全てが良好な発光特性を有し、さらには封止性能も良好な有機EL装置とその製造方法、並びに電子機器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の有機EL装置では、対向する電極間に、赤色の発光をなす赤色発光層と、緑色の発光をなす緑色発光層と、青色の発光をなす青色発光層とが形成されてなる有機EL装置であって、前記赤色発光層および緑色発光層の上に前記青色発光層の形成材料が電子輸送層として設けられ、これら電子輸送層および前記青色発光層の上に、前記青色発光層用の電子注入層が設けられ、前記電子注入層上に、前記対向する電極のうちの一方となる共通陰極が設けられ、前記共通陰極が、前記電子注入層上に設けられた低仕事関数の金属からなる第1陰極と、該第1陰極上に設けられて該第1陰極を保護する第2陰極とからなることを特徴としている。
【0009】
この有機EL装置によれば、赤色発光層および緑色発光層の上に青色発光層の形成材料からなる電子輸送層が設けられ、電子輸送層および青色発光層の上に、青色発光層用の電子注入層が設けられているので、この電子注入層上に共通陰極を設けても、この共通陰極として前記電子注入層に好適な材料を選択することで、全ての色の発光層が良好な発光特性を有するようになる。
【0010】
また、前記有機EL装置においては、前記青色発光層の形成材料が、ポリフルオレン系又はポリパラフェニレン系の共役系高分子であるのが好ましい。
このようにすれば、この形成材料が赤色発光層および緑色発光層に対して、電子輸送層として良好に機能するようになる。
【0011】
また、前記有機EL装置においては、前記電子注入層の形成材料が、アルカリ金属のフッ化物あるいは酸化物であるのが好ましい。
このようにすれば、特にアルカリ金属が低仕事関数の材料であるので、このアルカリ金属を含むフッ化物あるいは酸化物は、青色発光層の形成材料からなる層に対して効率的に電子注入を行うようになる。
【0012】
また、前記有機EL装置においては、前記低仕事関数の金属は、仕事関数が3.0eV以下の金属であるのが好ましい。
このようにすれば、仕事関数が3.0eV以下と低いことにより、この第1陰極からより低い電圧で電子を放出し、前記電子注入層に送ることが可能となる。
【0013】
また、前記有機EL装置においては、前記赤色発光層および緑色発光層の上に設けられた電子輸送層の厚さが、60nm以下であるのが好ましい。
このようにすれば、この電子輸送層での電圧降下を抑えることができ、したがって発光層への電子の移送が良好になされるようになる。
【0014】
また、前記有機EL装置においては、前記電子輸送層が、前記赤色発光層および緑色発光層が形成された画素領域に選択的に形成され、前記青色発光層が、予め設定された画素領域に選択的に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、青色発光層の形成材料が赤色、緑色、青色の各色の画素領域に設けられているものの、これらは各色の画素領域に選択的に設けられているので、画素領域以外の例えば基板周辺の箇所に設けられていることがなく、したがって、基板周辺の箇所に設けられていることによる封止性能の低下が防止される。
【0015】
本発明の有機EL装置の製造方法は、対向する電極間に、赤色の発光をなす赤色発光層と、緑色の発光をなす緑色発光層と、青色の発光をなす青色発光層とを形成する有機EL装置の製造方法であって、前記赤色発光層および緑色発光層を形成した後、前記青色発光層を形成するとともに、該青色発光層の形成材料を前記赤色発光層および緑色発光層の上に設けて電子輸送層を形成する工程と、前記電子輸送層および前記青色発光層の上に、前記青色発光層用の電子注入層を形成する工程と、前記電子注入層上に、前記対向する電極のうちの一方となる共通陰極を形成する工程と、を備えてなり、前記共通陰極を形成する工程が、前記電子注入層上に低仕事関数の金属を設けて第1陰極を形成する工程と、該第1陰極上にこの第1陰極を保護する金属を設けて第2陰極を形成する工程とからなることを特徴としている。
【0016】
この有機EL装置の製造方法によれば、赤色発光層および緑色発光層を形成した後、青色発光層を形成するとともに、該青色発光層の形成材料を前記赤色発光層および緑色発光層の上に設けて電子輸送層を形成し、これら電子輸送層および青色発光層の上に、前記青色発光層用の電子注入層を形成するようにしたので、この電子注入層上に共通陰極を設けても、この共通陰極として前記電子注入層に好適な材料を選択することで、全ての色の発光層を、その発光特性が良好となるように形成することが可能になる。
【0017】
また、前記有機EL装置の製造方法においては、前記赤色発光層および緑色発光層の形成を、前記赤色発光層の形成材料、前記緑色発光層の形成材料をそれぞれ塗布した後、該形成材料を150℃〜200℃の温度で焼成することで行う、のが好ましい。
このようにすれば、前記赤色発光層の形成材料、前記緑色発光層の形成材料をそれぞれ150℃以上で焼成することにより、これら形成材料が十分に硬化し、したがってその上に青色発光層の形成材料が設けられても、形成材料どうしが混ざり合ってしまうことが防止される。また、200℃以下で焼成することにより、赤色発光層、緑色発光層の各形成材料が熱により変質し劣化してしまうといったことが防止される。
【0018】
また、前記有機EL装置の製造方法においては、前記各発光層および電子輸送層の形成材料を全て液滴吐出法で選択的に配することにより、これら各発光層および電子輸送層を、予め設定された画素領域に形成するのが好ましい。
このようにすれば、各発光層および電子輸送層の形成材料を全て液滴吐出法で選択的に配するので、前記の形成材料が画素領域以外の例えば基板周辺の箇所に設けられることがなく、したがって、基板周辺の箇所に設けられることによる封止性能の低下が防止される。
なお、この有機EL装置の製造方法においては、前記電子輸送層の形成を、該電子輸送層が所望の電子輸送性を有する膜厚となるように青色発光層の形成材料の液適吐出量を制御するとともに、青色発光層の形成を、該青色発光層の膜厚が所望の厚さとなるように青色発光層の形成材料の液適吐出量を制御するのが好ましい。
液滴吐出法として例えばインクジェット法を用いる場合、駆動波形を変えるだけで液滴吐出量を可変にすることができる。よって、画素間で電子輸送層の膜厚と青色発光層の膜厚とを簡単に変えることができる。したがって、このように電子輸送層、青色発光層をそれぞれ所望の膜厚、すなわち最適な膜厚に形成することで、赤色、緑色の発光画素では電子注入効率が向上し、青色の発光画素では最適な発光特性が得られる。
【0019】
本発明の電子機器は、前記の有機EL装置、あるいは前記の製造方法によって製造された有機EL装置を備えたことを特徴としている。
この電子機器によれば、全ての色の発光層が良好な発光特性を有する有機EL装置を備えているので、この有機EL装置を表示装置とすることにより、この電子機器は表示性能に優れたものとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。なお、この実施の形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
まず、本発明の有機EL装置の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。
【0021】
この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101…と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102…と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103…とからなる配線構成を有し、走査線101…と信号線102…との各交点付近に画素領域X…を形成したものである。
【0022】
信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0023】
さらに、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から共有される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)23と、この画素電極23と共通陰極(電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。このような画素電極23と陰極50と機能層110とにより、発光素子、すなわち有機EL素子が構成されている。
【0024】
このような構成の有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して共通陰極50に電流が流れる。すると、機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0025】
次に、本実施形態の有機EL装置1の具体的な態様を、図2〜5を参照して説明する。なお、図2は有機EL装置1の構成を模式的に示す平面図である。また、図3は図2のA−B線に沿う断面図、図4は図2のC−D線に沿う断面図、図5は図3の要部拡大断面図である。
【0026】
図2に示すように本実施形態の有機EL装置1は、光透過性と電気絶縁性とを備える基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線103…と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを備えて構成されている。なお、本実施形態において画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
【0027】
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する表示領域R、G、BがA−B方向およびC−D方向に規則的に配置されている。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
【0028】
また、実表示領域4の図2中上方側には検査回路90が配置されており、この検査回路90はダミー領域5の下層側に配置されて設けられている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時における表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
【0029】
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、この有機EL装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
【0030】
有機EL装置1は、図3、図4に示すように、基板20と封止基板30とが封止樹脂40を介して貼り合わされてなるものである。基板20、封止基板30および封止樹脂40で囲まれた領域においては、封止基板30の内面に水分や酸素を吸収するゲッター剤45が貼着されている。また、その空間部は窒素ガスが充填されて窒素ガス充填層46となっている。このような構成のもとに、有機EL装置1内部に水分や酸素が浸透するのが抑制され、これにより有機EL装置1はその長寿命化が図られたものとなっている。
【0031】
基板20としては、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合、この基板20の対向側である封止基板30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。なお、本実施形態では、基板20側から発光光を取り出すボトムエミッション型とし、よって基板20としては透明あるいは半透明のものを用いるようにする。
【0032】
封止基板30としては、例えば電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。また、封止樹脂40は、例えば熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなっているのが好ましい。
また、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が形成されており、その上に発光素子(有機EL素子)R、G、Bが設けられている。発光素子R、G、Bは、図5に示すように赤色の発光をなす発光素子R及び緑色の発光をなす発光素子Gと、青色の発光をなす発光素子Bとの間でその構成が異なっている。
【0033】
すなわち、発光素子R及び発光素子Gは、陽極として機能する画素電極23と、この画素電極23からの正孔を注入/輸送する正孔輸送層70と、有機EL物質からなる発光層60(60R、60G)と、電子輸送層65と、電子注入層52と、共通陰極50とが順に形成されたことによって構成されている。一方、発光素子Bは、画素電極23と、正孔輸送層70と、発光層60(60B)と、電子注入層52と、共通陰極50とが順に形成されたことによって構成されており、前記発光素子R及び発光素子Gに対して電子輸送層65が配置されない構成となっている。
【0034】
そして、このような構成のもとに発光素子R及び発光素子Gは、正孔輸送層70から注入された正孔と共通陰極50から電子注入層52、電子輸送層65を経て送られてきた電子とが発光層60(60R、60G)で結合することにより、赤色あるいは緑色の発光をなすようになっている。また、発光素子Bは、正孔輸送層70から注入された正孔と共通陰極50から電子注入層52を経て送られてきた電子とが発光層60(60B)で結合することにより、青色の発光をなすようになっている。
【0035】
陽極として機能する画素電極23は、本例ではボトムエミッション型であることから透明導電材料によって形成されている。透明導電材料としてはITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。また、トップエミッション型である場合には、特に光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、例えばITOの下層側にAl等を設けて反射層として用いることもできる。
【0036】
正孔輸送層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)[商品名;バイトロン−p(Bytron−p):バイエル社製]の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔輸送層70の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
【0037】
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。また、本実施形態では、フルカラー表示を行うべく、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。すなわち、発光波長帯域が赤色に対応した発光層60R、緑色に対応した発光層60G、青色に対応した発光層60Bの三つの発光層により、1画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置1が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
【0038】
発光層60の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。
また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
【0039】
ここで、特に青色発光層60Bの形成材料としては、後述するようにこれが電子輸送層65の形成材料を兼ねることから、ポリフルオレン系又はポリパラフェニレン系の共役系高分子であるのが望ましい。
なお、本実施形態では、赤色の発光層60Rの形成材料としてMEHPPV(ポリ(3−メトキシ 6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の発光層60Rの形成材料としてポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の発光層60Rの形成材料としてポリジオクチルフルオレンを用いている。
また、これら各発光層60については、特にその厚さについては制限がなく、また各色毎に好ましい厚さも変わるものの、例えば青色発光層60Bの厚さとしては、60〜70nm程度とするのが好ましい。
【0040】
電子輸送層65は、前述したように赤色の発光素子R及び緑色の発光素子Gにのみ形成されたもの、すなわち赤色発光層60R及び緑色発光層60Gの上にのみそれぞれ形成されたもので、その形成材料としては、前記青色発光層60Bの形成材料がそのまま用いられている。ここで、これら電子輸送層65は、後述する青色発光層用の電子注入層52が赤色発光層60Rや緑色発光層60Gに直接接した場合に、その相性の悪さなどによってこれら発光層60が良好に発光しなくなってしまうのを防止する機能と、電子注入層52との相性によってその電子輸送性を良好に発揮し、結果として発光層60R、60Gの発光特性を良好にする機能とを併せ持つものである。具体的には、従来では赤色発光層60Rの上に直接電子注入層としてLiFを形成すると、この赤色発光層60Rの放置寿命が極端に短くなってしまうが、本発明のごとく赤色発光層60Rと電子注入層との間に電子輸送層65を設けることで、放置寿命を劇的に改善することができる。
【0041】
また、これら電子輸送層65は、青色発光層60Rの形成材料からなっているものの、発光層としては機能せず、後述するように電子注入層52から注入された電子を赤色発光層60Rあるいは緑色発光層60Gに輸送することにのみ機能するようになっている。すなわち、画素電極23から注入された正孔は赤色発光層60Rあるいは緑色発光層60Gに留まり、ここで電子輸送層65から輸送された電子と結合することにより、赤色あるいは緑色の発光をなすようになっている。
【0042】
これら電子輸送層65については、特にその厚さが60nm以下、好ましくは10nm以上、30nm以下に形成される。10nm未満では電子輸送層65としての機能を十分に発揮できず、赤色発光層60Rや緑色発光層60Gの発光特性が良好にならないおそれがあるからである。また、30nmを越えるとこの電子輸送層65での駆動電圧の降下が無視できなくなり、特に60nmを越えると駆動電圧の降下が大になって発光特性の低下のおそれが生じてしまうからである。なお、本実施形態では、前記青色発光層60Bの膜厚の約1/3とされる。
また、前記正孔輸送層70や発光層60、及び電子輸送層65は、その形成材料が後述する有機バンク層221に囲まれた画素領域に液滴吐出法で選択的に配され、これにより該画素領域に選択的に形成されたものとなっている。
【0043】
電子注入層52は、前記電子輸送層56及び青色発光層60Bの上に形成されたもので、特に青色発光層60B用の材料によって形成されたものである。ここで、青色発光層60B用の材料とは、青色発光層60Bを形成する材料に対してより電子を効率的に注入し易い材料、との意味である。具体的には、特に青色発光層60Bの形成材料としてポリフルオレン系又はポリパラフェニレン系の共役系高分子からなる材料を用いた場合、アルカリ金属のフッ化物、すなわちLiF(フッ化リチウム)、NaF(フッ化ナトリウム)、KF(フッ化カリウム)、RbF(フッ化ルビジウム)、CsF(フッ化セシウム)などや、あるいはアルカリ金属の酸化物、すなわちLiO(酸化リチウム)、NaO(酸化ナトリウム)などが好適に用いられる。
【0044】
また、この電子注入層52の厚さとしては、0.5nm〜10nm程度とするのが好ましく、特に2nm程度とするのが好ましい。0.5nm未満では電子注入層52としての機能が十分に発揮されず、また10nmを越えると駆動電圧が無視できない程度に高くなってしまうからである。
このようなアルカリ金属化合物からなる電子注入層52は、特に青色発光層60Bを形成する材料に対してより電子を効率的に注入し易いものとなっているので、青色発光層60Bに対してはもちろん、これと同じ材料からなる前記電子輸送層65に対しても電子を効率的に注入し易くなっている。なお、本実施形態ではLiFによって電子注入層52を形成している。
【0045】
共通陰極50は、図3〜図5に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されたもので、前記電子注入層52上に設けられた低仕事関数の金属からなる第1陰極50aと、該第1陰極50a上に設けられて該第1陰極50aを保護する第2陰極50bとからなるものである。
【0046】
第1陰極50aを形成する低仕事関数の金属としては、特に仕事関数が3.0eV以下の金属であるのが好ましく、具体的にはCa(仕事関数;2.6eV)、Sr(仕事関数;2.1eV)、Ba(仕事関数;2.5eV)が好適に用いられる。このような金属から第1陰極50aを形成することにより、より低い電圧で電子を放出し、前記電子注入層52に送ることができる。この第1陰極50aの厚さとしては、1nm〜50nm程度とするのが好ましく、特に20nm程度とするのが好ましい。1nm未満では低電圧による電子放出の機能が十分に発揮されず、また50nmを越えても電子放出機能の大きな向上は望めないからである。
【0047】
なお、これら金属は還元性を有しており、したがってこれに接する電子注入層52のアルカリ金属化合物を還元し、アルカリ金属を遊離させる機能も有している。ここで、このようにして電子注入層52からアルカリ金属が遊離すると、この遊離したアルカリ金属が発光層60Bあるいは電子輸送層65にドープされることになり、結果として発光層60Bの発光特性が向上し、また電子輸送層65の電子輸送特性が向上するようになる。なお、本実施形態ではCaによって第1陰極50aを形成している。
【0048】
第2陰極50bは、第1陰極50aを覆って酸素や水分などからこれを保護するとともに、共通陰極50全体の導電性を高めるために設けられたものである。この第2陰極50bの形成材料としては、化学的に安定で比較的仕事関数が低いものであれば特に限定されることなく、任意のもの、例えば金属や合金などが使用可能であり、具体的にはAl(アルミニウム)やAg(銀)などが好適に用いられる。この第2陰極50bの厚さとしては、100nm〜500nm程度とするのが好ましく、特に200nm程度とするのが好ましい。100nm未満では保護機能が十分に得られないおそれがあり、また500nmを越えると製造時における熱的負荷が高くなり、発光層60に劣化や変質等の悪影響を及ぼすおそれがあるからである。なお、本実施形態ではAlによって第2陰極50bを形成している。また、特にトップエミッション型の有機EL装置とする場合には、この第2陰極50bを、Alを十分に薄い厚さで形成してこれに透光性を持たせたり、あるいは透光性を有したITO等の導電性材料を用いることで形成することができる。
【0049】
また、このような発光素子R、G、Bの下方には、図5に示したように回路部11が設けられている。この回路部11は基板20上に形成されたものである。すなわち、基板20の表面にはSiO を主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO および/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0050】
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiO を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0051】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、前述した電源線103(図1参照、図5においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0052】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiO などを用いることもできる。そして、ITOからなる画素電極23が、この第2層間絶縁層284の表面上に形成されるとともに、該第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
【0053】
なお、走査線駆動回路80および検査回路90に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて前記駆動用TFT123と同様の構造とされている。
【0054】
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面は、画素電極23と、例えばSiO などの親液性材料を主体とする親液性制御層25(図4参照)と、アクリルやポリイミドなどからなる有機バンク層221とによって覆われている。そして、画素電極23上には、親液性制御層25に設けられた開口部25a(図9参照)および有機バンク221に設けられた開口部221a(図9参照)の開口内部、すなわち画素領域に、前記の正孔輸送層70と発光層60、さらに電子輸送層65が、画素電極23側からこの順で積層されている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル、ポリイミドなどの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。
以上に説明した基板20から第2層間絶縁層284までの層が、回路部11を構成するものとなっている。
【0055】
なお、本実施形態の有機EL装置1においては、各色表示領域(画素領域)の境界に、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、有機バンク層221と親液性化制御層25との間に位置して形成されている。
【0056】
このように構成からなる有機EL装置1にあっては、赤色発光層60Rおよび緑色発光層60Gの上に青色発光層60Bの形成材料からなる電子輸送層65を設け、電子輸送層65および青色発光層60Bの上に、青色発光層60B用の電子注入層52を設けているので、この電子注入層52上に設けられた共通陰極50によって前記電子注入層52に良好に電子を放出し、さらにこの電子注入層52から電子輸送層65および青色発光層60Bに良好に電子を注入することができる。したがって、青色発光層60Bではもちろん良好な発光特性が得られ、また、赤色発光層60Rや緑色発光層60Gでも良好に注入された電子をさらに電気輸送層65で各発光層に輸送するため、やはり良好な発光特性が得られるようになる。
【0057】
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法の一例を、図6〜図10を参照して説明する。なお、図6〜10に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。
まず、図6(a)に示すように、基板20の表面に、下地保護層281を形成する。次に、下地保護層281上に、ICVD法、プラズマCVD法などを用いてアモルファスシリコン層501を形成した後、レーザアニール法又は急速加熱法により結晶粒を成長させてポリシリコン層とする。
【0058】
次いで、図6(b)に示すように、ポリシリコン層をフォトリソグラフィ法によりパターニングし、島状のシリコン層241、251および261を形成する。これらのうちシリコン層241は、表示領域内に形成され、画素電極23に接続される駆動用TFT123を構成するものであり、シリコン層251、261は、走査線駆動回路80に含まれるPチャネル型およびNチャネル型のTFT(駆動回路用TFT)をそれぞれ構成するものである。
【0059】
次に、プラズマCVD法、熱酸化法などにより、シリコン層241、251および261、下地保護層281の全面に厚さが約30nm〜200nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁層282を形成する。ここで、熱酸化法を利用してゲート絶縁層282を形成する際には、シリコン層241、251および261の結晶化も行い、これらのシリコン層をポリシリコン層とすることができる。
【0060】
また、シリコン層241、251および261にチャネルドープを行う場合には、例えば、このタイミングで約1×1012/cm のドーズ量でボロンイオンを打ち込む。その結果、シリコン層241、251および261は、不純物濃度(活性化アニール後の不純物にて算出)が約1×1017/cm の低濃度P型のシリコン層となる。
【0061】
次に、Pチャネル型TFT、Nチャネル型TFTのチャネル層の一部にイオン注入選択マスク502を形成し、この状態でリンイオンを約1×1015/cm のドーズ量でイオン注入する。その結果、図6(c)に示すように、シリコン層241及び261中に高濃度ソース領域241Sおよび261S並びに高濃度ドレイン領域241Dおよび261Dが形成される。
【0062】
次に、ゲート絶縁層282の表面全体に、ドープドシリコンやシリサイド膜、あるいはアルミニウム膜やクロム膜、タンタル膜という金属膜からなるゲート電極形成用導電層を形成する。この導電層の厚さは概ね500nm程度である。その後、フォトリソ法により、図6(d)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極252、画素用TFTを形成するゲート電極242、Nチャネル型の駆動回路用TFTを形成するゲート電極262を形成する。また、駆動制御信号導通部320(350)、陰極電源配線の第1層121も同時に形成する。なお、この場合、駆動制御信号導通部320(350)はダミー領域5に配設するものとされている。
【0063】
続いて、ゲート電極242,252および262をマスクとして用い、シリコン層241,251および261に対してリンイオンを約4×1013/cmのドーズ量でイオン注入する。その結果、ゲート電極242,252および262に対してセルフアライン的に低濃度不純物が導入され、図6(d)に示すように、シリコン層241および261中に低濃度ソース領域241bおよび261b、並びに低濃度ドレイン領域241cおよび261cが形成される。また、シリコン層251中に低濃度不純物領域251Sおよび251Dが形成される。
【0064】
次に、図7(e)に示すように、Pチャネル型の駆動回路用TFT以外の部分を覆うイオン注入選択マスク503を形成する。このイオン注入選択マスク503を用いて、シリコン層251に対してボロンイオンを約1.5×1015/cm のドーズ量でイオン注入する。結果として、Pチャネル型駆動回路用TFTを構成するゲート電極252もマスクとして機能するため、シリコン層252中にセルフアライン的に高濃度不純物がドープされる。したがって、低濃度不純物領域251Sおよび251Dはカウンタードープされ、P型チャネル型の駆動回路用TFTのソース領域およびドレイン領域となる。
【0065】
次いで、図7(f)に示すように、基板20の全面にわたって第1層間絶縁層283を形成するとともに、フォトリソグラフィ法を用いて該第1層間絶縁層283およびゲート絶縁膜282をパターニングすることにより、各TFTのソース電極およびドレイン電極に対応する位置にコンタクトホールCを形成する。
【0066】
次に、図7(g)に示すように、第1層間絶縁層283を覆うように、アルミニウム、クロム、タンタルなどの金属からなる導電層504を形成する。この導電層504の厚さは概ね200nmないし800nm程度である。この後、導電層504のうち、各TFTのソース電極およびドレイン電極が形成されるべき領域240a、駆動電圧導通部310(340)が形成されるべき領域310a、陰極電源配線の第2層が形成されるべき領域122aを覆うようにパターニング用マスク505を形成するとともに、該導電層504をエッチングして、図8(h)に示すソース電極243、253、263、ドレイン電極244、254、264を形成する。
【0067】
次いで、図8(i)に示すように、これらが形成された第1層間絶縁層283を覆う第2層間絶縁層284を、例えば感光性アクリル系樹脂などの高分子材料によって形成する。この第2層間絶縁層284は、約1〜2μm程度の厚さに形成されることが望ましい。なお、SiN、SiO により第2層間絶縁膜を形成することも可能であり、SiNの膜厚としては200nm、SiO の膜厚としては800nmに形成することが望ましい。
【0068】
次いで、図8(j)に示すように、第2層間絶縁層284のうち、駆動用TFTのドレイン電極244に対応する部分を露光・現像することにより除去してコンタクトホール23aを形成する。
その後、基板20の全面を覆うように画素電極23となる導電膜を形成する。そして、この導電膜をパターニングすることにより、図9(k)に示すように、第2層間絶縁層284のコンタクトホール23aを介してドレイン電極244と導通する画素電極23を形成すると同時に、ダミー領域のダミーパターン26も形成する、なお、図3、4では、これら画素電極23、ダミーパターン26を総称して画素電極23としている。
【0069】
ダミーパターン26は、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされている。すなわち、ダミーパターン26は、島状に配置され、実表示領域に形成されている画素電極23のと同一の形状を有している。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23の形状と異なる構造であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも前記駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
【0070】
次いで、図9(l)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および第2層間絶縁膜上に絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25a(図3も参照)において画素電極23からの正孔移動が可能とされている。続いて、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置して形成された凹状部にBM(図示せず)を形成する。具体的には、親液性制御層25の前記凹状部に対して、金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜する。
【0071】
次いで、図9(m)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは前記BMを覆うように有機バンク層221を形成する。具体的な有機バンク層の形成方法としては、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶解したものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。
続いて、有機質層をフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を用いてパターニングし、有機質層にバンク開口部221aを形成することにより、開口部221aに壁面を有した有機バンク層221を形成する。なお、この場合、有機バンク層221は、少なくとも前記駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとする。
【0072】
次いで、有機バンク層221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においては、プラズマ処理によって各領域を形成するものする。具体的には、該プラズマ処理を、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23c、親液性制御層25の上面をそれぞれ親液性にする親インク化工程と、有機バンク層の上面および開口部の壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とで構成する。
【0073】
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O プラズマ処理)を行う。次いで、撥インク化工程として大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0074】
なお、このCF プラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO 、TiO などはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
【0075】
次いで、正孔輸送層形成工程によって正孔輸送層70を形成する。この正孔輸送層形成工程では、液滴吐出法として、特にインクジェット法が好適に採用される。すなわち、このインクジェット法により、正孔輸送層形成材料を電極面23c上に選択的に配し、これを塗布する。その後、乾燥処理および熱処理を行い、電極23上に正孔輸送層70を形成する。正孔輸送層70の形成材料としては、例えば前記のPEDOT:PSSをイソプロピルアルコールなどの極性溶媒に溶解させたものが用いられる。
【0076】
ここで、このインクジェット法による正孔輸送層70の形成にあたっては、まず、インクジェットヘッド(図示略)に正孔輸送層形成材料を充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された前記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させ、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御された液滴を電極面23cに吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、正孔輸送層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、正孔輸送層70を形成する。
【0077】
このとき、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からずれて、液滴の一部が有機バンク層221の表面にかかったとしても、該表面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に引き込まれる。
なお、この正孔輸送層形成工程以降では、各種の形成材料や形成した要素の酸化・吸湿を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0078】
次いで、図10(n)に示すように、発光層形成工程による発光層60の形成と、電子輸送層形成工程による電子輸送層65の形成を行う。発光層形成工程では、前記の正孔輸送層70の形成と同様に、液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。すなわち、インクジェット法により、発光層形成材料を正孔輸送層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、有機バンク層221に形成された開口部221a内に発光層60を形成する。ここで、発光層60の形成においては、その色毎に行うが、特に本発明では、赤色発光層60Rと緑色発光層60Gとの形成を先に行い、青色発光層60Bの形成はその後に行うようにする。
【0079】
すなわち、赤色発光層60R及び緑色発光層60Gの前記した形成材料のうちの一方を、インクジェット法で正孔輸送層70上に吐出し、その後、加熱してこれを焼成する。このとき、焼成温度としては150℃〜200℃の範囲とするのが好ましく、特に180℃程度とするのが好ましい。150℃未満では、形成材料が十分に硬化せず、したがって後述するようにその上に青色発光層の形成材料が設けられると、形成材料どうしが混ざり合ってしまうおそれがあるからである。また、200℃を越えると、形成材料が熱により変質し劣化してしまうおそれがあるからである。
このようにして赤色発光層60Rの形成材料、あるいは緑色発光層60Gの形成材料を吐出し、これを焼成したら、続いて他方の形成材料を同様にして吐出し、さらに同様の条件で焼成する。
【0080】
次いで、青色発光層60Bの前記した形成材料を、液滴吐出法であるインクジェット法によって前記正孔輸送層70上、すなわち青色発光層60Bを形成する画素領域に選択的に吐出してここに配する。また、同様にして、前記赤色発光層60R上、および緑色発光層60G上にも選択的に吐出してここに配する。ここで、このような青色発光層60Bの形成材料の吐出による配置は、インクジェット法(液滴吐出法)によって選択的に行うことができることから、所定位置、すなわち画素領域にのみ選択的に配置することができ、また個々の位置において配置(吐出)する量を変えることができる。そこで、本実施形態では、前述したように青色発光層60Bを形成する画素領域に対しては焼成後の厚さが60〜70nm程度となるように形成材料を配置し、また、赤色発光層60R上および緑色発光層60G上には焼成後の厚さが60nm以下、好ましくは30nm程度となるように形成材料を配置する。そして、このような吐出の後、赤色発光層60Rや緑色発光層60Gの場合と同様、150℃〜200℃程度の範囲、好ましく180℃程度で焼成し、青色発光層60Bと電子輸送層65とを同時に形成する。
なお、前記発光層形成工程では、正孔輸送層70の再溶解を防止するため、発光層形成材料に用いる溶媒として、正孔輸送層70に対して不溶な無極性溶媒を用いる。
【0081】
次いで、図10(o)に示すように、電子注入層形成工程によって電子注入層52を形成する。この電子注入層形成工程では、例えば蒸着法やスパッタ法等によってアルカリ金属のフッ化物あるいは酸化物、本実施形態ではLiFを成膜し、電子注入層52を厚さ2nm程度に形成する。なお、LiFに代えてNaFを成膜し、電子注入層52を形成するようにしてもよい。
【0082】
次いで、陰極層形成工程によってまず第1陰極50aを形成する。この工程では、前記の電子注入層52の形成と同様、蒸着法やスパッタ法等によって低仕事関数の金属、すなわちCa、BaあるいはSrを成膜し、第1陰極50aを形成する。
次いで、この第1陰極50aの上に例えばAlを蒸着法やスパッタ法等によって成膜し、第2陰極50bを形成する。そして、これにより第1陰極50aと第2陰極50bとからなる共通陰極50を得る。
【0083】
なお、前記電子注入層52の形成、及び共通陰極50の形成では、前記正孔輸送層70や発光層60、電子輸送層65の形成とは異なり、蒸着法やスパッタ法等で行うため、画素領域にのみ選択的に形成材料を配するのでなく、基板20のほぼ全面に形成材料が設けられることになる。そこで、本実施形態では、後工程となる封止工程に先立ち、基板周辺部に形成された電子注入層52及び共通陰極50を図10(o)に示したように除去する。また、成膜時においてマスク等を用いることにより、基板周辺部には成膜しないようにしてもよい。
【0084】
その後、図10(p)に示すように封止工程によって封止基板30を設ける。この封止工程では、封止基板30の内側にゲッター剤45を貼着しつつ、該封止基板30と基板20とを封止樹脂40にて封止し、図3、図4に示した有機EL装置1を形成する。なお、この封止工程も窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。
【0085】
このような有機EL装置1の製造方法にあっては、赤色発光層60Rおよび緑色発光層60Gを形成した後、青色発光層60Bを形成するとともに、該青色発光層60Bの形成材料を前記赤色発光層60Rおよび緑色発光層60Gの上に設けて電子輸送層65を形成し、これら電子輸送層65および青色発光層60Bの上に、前記青色発光層60B用の電子注入層52を形成しているので、この電子注入層52上に共通陰極50を設けても、特にこの共通陰極50の第1陰極50aとして前記電子注入層52に好適な低仕事関数の金属材料を用いることにより、全ての色の発光層60を、その発光特性、特に発光効率が良好となるように形成することができ、さらにはその寿命も例えば従来の1.5倍程度に長くすることができる。
【0086】
また、前記各発光層60および電子輸送層65の形成材料を、全てインクジェット法(液滴吐出法)で画素領域に選択的に配しているので、前記の形成材料が画素領域以外の例えば基板周辺の箇所に設けられ、この形成材料からなる膜が最終的に得られる有機EL装置1の外面側に露出してしまうといったことが回避される。したがって、形成材料からなる膜を通じて外部の湿気や酸素が有機EL装置1内部に浸透してしまうことによる、封止性能の低下を防止することができる。
【0087】
また、このようにして得られた有機EL装置1にあっては、前述したように青色発光層60Bではもちろん良好な発光特性が得られ、さらに赤色発光層60Rや緑色発光層60Gでもやはり良好な発光特性が得られるようになる。また、封止性能の低下が防止されていることにより、長寿命化が図られたものとなる。
また、特に電子輸送層65の形成材料、すなわち青色発光層60Bの形成材料としてポリジオクチルフルオレンを用いた場合に、これからなる電子輸送層65の厚さを30nm以下とすることで、より電流輝度特性を改善することができる。
【0088】
(実施例)
青色発光の画素に、所望の膜厚、例えば65nmになるように青色発光層60Bの形成材料の液適吐出量を制御し、青色発光層60Bを形成した。また、赤色発光層60R、緑色発光層60B上に、青色発光層60Bの形成材料をインクジェット法で塗布して電子輸送層65を形成する際、電子輸送性が最適となる膜厚、例えば青発光画素上への吐出量の約1/3、具体的には約20nmとなるように液適吐出量を制御し、電子輸送層65を形成した。ここで、インクジェット法を用いる場合、駆動波形を変えるだけで吐出量を可変でき、電子輸送層65の膜厚を可変できるため、簡単にそれぞれの画素で電子輸送層65または青色発光層60Bの膜厚を可変できる。
このようにして電子輸送層65、青色発光層60Bを形成したところ、赤色、緑色の発光画素では電子注入効率が向上し、青色発光の画素では最適な発光特性が得られた。
【0089】
次に、本発明の電子機器を説明する。本発明の電子機器は、前記の有機EL装置を表示部として有したものであり、具体的には図11に示すものが挙げられる。
図11は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記の有機EL装置を用いた表示部を示している。
この電子機器は、全ての色の発光層が良好な発光特性を有する前記有機EL装置を表示部として備えているので、この電子機器自体も表示性能に優れたものとなる。
なお、本発明の電子機器としては、前記の携帯電話に限定されることなく、例えば携帯型情報処理装置や腕時計型電子機器などにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL装置の配線構造を示す模式図である。
【図2】本発明の有機EL装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図2のA−B線に沿う断面図である。
【図4】図2のC−D線に沿う断面図である。
【図5】図3の要部拡大断面図である。
【図6】有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための断面図である。
【図11】本発明の電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…有機EL装置、23 画素電極(電極)、50…共通陰極(電極)、
50a…第1陰極、50b…第2陰極、52…電子注入層、
60(60R、60G、60B)…発光層、65…電子輸送層

Claims (11)

  1. 対向する電極間に、赤色の発光をなす赤色発光層と、緑色の発光をなす緑色発光層と、青色の発光をなす青色発光層とが形成されてなる有機EL装置であって、
    前記赤色発光層および緑色発光層の上に前記青色発光層の形成材料が電子輸送層として設けられ、
    これら電子輸送層および前記青色発光層の上に、前記青色発光層用の電子注入層が設けられ、
    前記電子注入層上に、前記対向する電極のうちの一方となる共通陰極が設けられ、
    前記共通陰極が、前記電子注入層上に設けられた低仕事関数の金属からなる第1陰極と、該第1陰極上に設けられて該第1陰極を保護する第2陰極とからなることを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記青色発光層の形成材料は、ポリフルオレン系又はポリパラフェニレン系の共役系高分子であることを特徴とする請求項1記載の有機EL装置。
  3. 前記電子注入層の形成材料は、アルカリ金属のフッ化物あるいは酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機EL装置。
  4. 前記低仕事関数の金属は、仕事関数が3.0eV以下の金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  5. 前記赤色発光層および緑色発光層の上に設けられた電子輸送層の厚さが、60nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  6. 前記電子輸送層が、前記赤色発光層および緑色発光層が形成された画素領域に選択的に形成され、前記青色発光層が、予め設定された画素領域に選択的に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL装置。
  7. 対向する電極間に、赤色の発光をなす赤色発光層と、緑色の発光をなす緑色発光層と、青色の発光をなす青色発光層とを形成する有機EL装置の製造方法であって、
    前記赤色発光層および緑色発光層を形成した後、前記青色発光層を形成するとともに、該青色発光層の形成材料を前記赤色発光層および緑色発光層の上に設けて電子輸送層を形成する工程と、
    前記電子輸送層および前記青色発光層の上に、前記青色発光層用の電子注入層を形成する工程と、
    前記電子注入層上に、前記対向する電極のうちの一方となる共通陰極を形成する工程と、を備えてなり、
    前記共通陰極を形成する工程が、前記電子注入層上に低仕事関数の金属を設けて第1陰極を形成する工程と、該第1陰極上にこの第1陰極を保護する金属を設けて第2陰極を形成する工程とからなることを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  8. 前記赤色発光層および緑色発光層の形成を、前記赤色発光層の形成材料、前記緑色発光層の形成材料をそれぞれ塗布した後、該形成材料を150℃〜200℃の温度で焼成することで行う、ことを特徴とする請求項7記載の有機EL装置の製造方法。
  9. 前記各発光層および電子輸送層の形成材料を全て液滴吐出法で選択的に配することにより、これら各発光層および電子輸送層を、予め設定された画素領域に形成することを特徴とする請求項7又は8記載の有機EL装置の製造方法。
  10. 前記電子輸送層の形成を、該電子輸送層が所望の電子輸送性を有する膜厚となるように青色発光層の形成材料の液適吐出量を制御するとともに、青色発光層の形成を、該青色発光層の膜厚が所望の厚さとなるように青色発光層の形成材料の液適吐出量を制御することを特徴とする請求項9記載の有機EL装置の製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機EL装置、あるいは請求項7〜10のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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