JP2005011393A - 光情報媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の機械特性を向上させることができる光情報媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】基板に対してアニール処理を施すアニール工程を有する光情報媒体の製造方法であって、前記アニール工程において、昇温前の初期温度からアニール温度に至るまでの温度をステップ状に上昇させることを特徴とする光情報媒体の製造方法である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報媒体の製造方法であって、特に、貼り合わせ型の光情報媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
文字情報、画像情報、音声情報等を大量に記録・再生する高密度の光情報媒体(DVD)、また一回もしくは複数回の情報記録が可能な光情報媒体(DVD−RもしくはDVD−RW)に対する高密度化の要請は増大しつつある。かかる光情報媒体では、最短ピットおよびトラックピッチをCDの半分以下にしたりする等の他、光情報媒体を2層に貼り合わせることにより情報記録の高密度化が図られている。
このような貼り合わせタイプの光情報媒体は、基板上に記録層もしくはピット、反射層、保護層等を有する積層体(情報基板)同士を、保護層の面同士で接着させた構造としたり、上記1の積層体と記録層等を設けない保護基板(ダミー基板)とを貼り合わせた構造が知られている。
【0003】
以上の光情報媒体において、射出成形により得られた基板には残留応力があり、残留応力により基板に反りが発生することが知られている。そこで、基板の残留応力を低減するためにアニール処理が施される(例えば、特許文献1〜3参照。)。アニール処理は、例えば、複数の基板を、各基板間にスペーサーを挿入して間隔をあけながら垂直のスタックポールに支持させた状態で行われる。しかし、この状態で一定の昇温速度で昇温しアニール温度に到達させると、基板の変形(反り)により基板同士が当接し、光情報媒体の機械特性が悪化することがあった。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−63807号公報
【特許文献2】
特開平10−11815号公報
【特許文献3】
特開2003−67988号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、基板の機械特性を向上させることができる光情報媒体の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、本発明者は、下記本発明により当該目的を達成できることを見出した。
すなわち本発明は、基板に対してアニール処理を施すアニール工程を有する光情報媒体の製造方法であって、前記アニール工程において、昇温前の初期温度からアニール温度に至るまでの温度をステップ状に上昇させることを特徴とする光情報媒体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報媒体の製造方法は、基板に対してアニール処理を施すアニール工程を有する光情報媒体の製造方法であって、前記アニール工程において、昇温前の初期温度からアニール温度に至るまでの温度をステップ状に上昇させることを特徴としている。以下、先ず、本発明の光情報媒体の製造方法により製造される光情報媒体について説明する。
【0008】
<光情報媒体>
本発明に係る光情報媒体は、レーザー光の照射により情報の記録が可能な記録層又はピットを有する情報基板と保護基板とを貼り合わせてなる。情報基板には、必要に応じて、光反射層、保護層等が設けられる。
すなわち、本発明に係る光情報媒体は、レーザー光により情報の記録および再生が可能な記録層を有する光情報媒体や、レーザー光により再生可能な情報が記録された記録部(ピット)を有する光情報媒体に適用することができる。
なお、前者はDVD−R、DVD−RW等の情報の書き込みが可能な追記型もしくは書き換え可能型の光情報媒体であり、後者はDVD−ROM等のあらかじめ情報が書き込まれた光情報媒体である。
【0009】
DVD−ROM等のあらかじめ情報が書き込まれた光情報媒体では、少なくとも情報基板の貼り合わせ面には、ピットが形成されている。また、保護基板は、情報基板と同様にピットが形成されている構成としてもよく、いわゆるダミー基板としてピットを形成しない構成としてもよい。
以下、DVD−R、DVD−RW等の光情報媒体を例に、本発明に使用される上記基板および各層について説明する。なお、層構成や材料等は、単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0010】
[情報基板、保護基板]
基板としては、従来の光情報媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、0.5〜1.2mmとすることが好ましく、0.6〜1.1mmとすることがより好ましい。
【0011】
情報基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。
プリグルーブのトラックピッチは、300〜900nmの範囲とすること好ましく、350〜850nmとすることがより好ましく、400〜800nmとすることがさらに好ましい。
300nm未満では、プリグルーブを正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、900nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、100〜160nmの範囲とすることが好ましく、120〜150nmとすることがより好ましく、130〜140nmとすることがさらに好ましい。
100nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、160nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
さらに、プリグルーブの半値幅は、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、230〜380nmとすることがより好ましく、250〜350nmとすることがさらに好ましい。
200nm未満では、成形時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、400nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
【0012】
[記録層]
DVD−Rの場合、記録層に用いる色素は特に限定されないが、使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜200nmの範囲にある。
【0013】
DVD−RWの場合、記録層は、結晶状態と非晶状態の少なくとも2つの状態をとり得る少なくともAg、Al、Te、Sbからなる相変化型の光記録材料からなることが好ましい。かかる記録層は、公知の方法で形成することができる。
なお、当該記録層上には、必要に応じて、公知の誘電体層が形成される。
【0014】
[光反射層]
光反射層には、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
【0015】
[保護層]
反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして貼り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層の材料としては、SiO、MgF、SnO、Siなどの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を用いることができる。保護層の層厚は、一般には0.1〜100μmの範囲にある。
【0016】
また、反射層と記録層との間に、記録層の特性に応じて、例えば、記録層との接着性向上のための光透過層を設けてもよい。
光透過層としては、レーザー波長で90%以上の透過率があるものであれば如何なる材料をも使用することができる。
上記光透過層は、従来公知の方法により形成することができ、光透過層の厚さは、2〜50nmとすることが好ましい。
【0017】
保護層は、水分の侵入やキズの発生を防止する。保護層を構成する材料としては、紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂、熱硬化性樹脂、二酸化ケイ素等であることが好ましく、なかでも紫外線硬化樹脂であることが好ましい。該紫外線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業社製の「SD−640」等の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。また、SD−347(大日本インキ化学工業社製)、SD−694(大日本インキ化学工業社製)、SKCD1051(SKC社製)等を使用することができる。保護層の厚さは、1〜200μmの範囲が好ましく、50〜150μmの範囲がより好ましい。
また、保護層が、レーザー光路として使用される層構成においては、透明性を有することが必要とされる。ここで、「透明性」とは、記録光および再生光に対して、該光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
【0018】
<光情報媒体の製造方法>
以上の光情報媒体を製造し得る本発明の光情報媒体の製造方法について以下に詳述する。
【0019】
[情報基板、保護基板の成形]
情報基板、保護基板の成形は、前述の基板材料を用い、射出成形、圧縮成形、又は射出圧縮成形によって行うことができる。また、スタンパーを油圧プレス機のモールディングダイスの片側に取り付け、溶融点付近まで加熱した樹脂をプレス加工することにより圧縮成形することもできる。
【0020】
[記録層の形成]
記録層は、上記色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素溶液を調製し、次いでこの色素溶液を基板(情報基板)のプリグルーブが形成された面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより形成される。
塗布法として、スピンコート法を適用する際の温度は、23℃以上とすることが好ましく、25℃以上とすることがより好ましい。温度の上限は特にないが、溶剤の引火点より低い温度とする必要があり、好ましく35℃とする。
23℃未満とすると、溶剤の乾燥が遅くなり、目的とする色素膜厚(記録層の厚み)が得られない場合や塗布乾燥時間が長くなり、生産性が低下することがある。
【0021】
また、記録物質等を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー、加温等の方法を適用することができる。
【0022】
色素溶液を調製する際の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
【0023】
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0024】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0025】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、記録するための化合物の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0026】
褪色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、及び同4−146189号等の各公報に記載されている。
【0027】
前記結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素100質量部に対して0.2〜20質量部、好ましくは、0.5〜10質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
【0028】
塗布温度としては、20〜40℃であれば特に問題はないが、好ましくは25〜35℃、さらに好ましくは27〜33℃である。また、塗布時の相対湿度としは、20〜60%RHであればよく、好ましくは30〜50%RH、さらに好ましくは35〜45%RHである。
【0029】
[光反射層の形成]
光反射層は、例えば、上記反射性物質を、蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。本発明においては、保存性を向上させる目的、或いは外観を変える目的で、反射層は上記材料を単層で積層してもよく、2種以上の材料を多層に積層してもよい。
【0030】
[保護層の形成]
保護層は、無機物質の場合は、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により、有機物質の場合は、プラスチックフィルムのラミネート、溶剤に溶解した塗布液の塗布乾燥等により形成することができる。あるいは保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0031】
ディスクの反りを防止するため、塗布膜への紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うことが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm以下が好ましく、2kW/cm以下がより好ましい。
また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい
【0032】
[アニール工程]
本発明の光情報媒体の製造方法においては、記録層を形成した情報基板及び/又は保護基板に対してアニール処理を施すアニール工程を設ける。アニール工程においては、昇温前の初期温度からアニール温度に至るまでの温度をステップ状に上昇させる。アニール温度に至るまで温度をステップ状に上昇させることにより、基板内に存在する残留応力の解放を少しずつ進行させ、急激な温度変化による基板の反りの発生を防止することができる。ひいては、基板をスタックポールを用いて段積みしたとき、基板同士の当接を防止することができ、基板の機械特性が向上する。また、基板の反りを少なくすることができるため、スタックポールによって段積みする際に、各基板間に挿入するスペーサーの厚みを小さくすることができ、1本のスタックポールに段積み可能な基板枚数が増加し、生産効率の向上を図ることができる。
【0033】
前記「ステップ状に上昇させる」とは、温度上昇時において、一定時間温度を略一定にしながら上昇させるステップを有することを意味する。例えば、アニール温度が80℃の場合、図1のグラフに示すように、常温(初期温度)から加熱し、50℃に到達したらある時間一定に保ち、一定時間経過後、アニール温度80℃まで昇温する。
【0034】
アニール工程における温度をステップ状に上昇させる手段としては、例えば、アニール炉の温度調節機能を利用すること、等が挙げられる。
【0035】
昇温前の初期温度としては、室温とすることができ、また、アニール温度としては、例えば80℃とすることができるが、本発明はこれに限定されることはない。
【0036】
1ステップにおける保持時間としては、基板全体が均一温度となる時間とすることが好ましい。例えば、基板の材質としてポリカーボネートを用いた場合、ポリカーボネートの線膨張係数:6.5×10−5cm/cm/℃で、DVD−Rの場合、基板の外径:120mm、クランプエリア径:33mmとした場合、温度変化によるクランプエリアからみた外径部の変形量は下記式で表される。
変形量=(基板の外径−クランプエリア径)/2×線膨張係数×温度変化
偏心量は規格で100μm以下と規定されており、温度による変形量(基板内の温度ばらつきによる基板変形のばらつき)を規格以下とするためには、1ステップの温度上昇は30℃以下とすることが好ましい。
【0037】
本発明において、アニール工程における基板の支持手段としては、特に限定はないが、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼が挙げられる。
▲1▼基板、スペーサー、基板…の順に、垂直に立設されたスタックポールに串刺しして支持する。
▲2▼コンベア上で基板を立てた状態で支持する。
▲3▼コンベア上で基板を寝かせた状態で支持する。
【0038】
[基板と保護基板との貼り合わせ]
基板と保護基板との貼り合わせには、種々の接着剤を使用することができる。例えば、情報基板の保護層上に紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学工業(株)製SD640等)をスピンコート法によって、20〜60μmの厚さに塗布して、接着層を形成する。形成した接着層上に、保護基板を載置し、保護基板上から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を硬化させて貼り合わせる。
【0039】
【実施例】
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
射出成型機(住友重機械工業(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(溝深さ150nm、溝幅300nm、トラックピッチ0.74μm)および凹部を有する外径120mm、内径15mm、厚さ0.6mmの透明な基板(情報基板)を作製した。同様にして、保護基板を作製した。
【0041】
作製した保護基板に対し、常温から50℃まで昇温し、50℃の温度を所定の時間略一定に保ち、さらに80℃まで昇温し、アニール処理を施した。
【0042】
下記化学式で表わされる色素A0.25gおよび色素B0.06gをフッ素アルコール(2,2,3,3テトラフルオロプロパノール溶剤)30gに混合し、1時間超音波処理を施して溶解し、色素塗布液を調製した。
【0043】
【化1】
Figure 2005011393
Figure 2005011393
【0044】
【化2】
Figure 2005011393
Figure 2005011393
【0045】
温度25℃、相対湿度45%RHにて、調製した色素塗布液をスピンコート法によって、前記情報基板のグルーブが形成されている面に塗布し、恒温槽中で55℃2時間保持し、厚さ80nmの記録層を形成した。
【0046】
記録層を形成した情報基板に対して、前記保護基板と同一の条件でアニール処理を施した。
【0047】
次いで、形成した記録層上に、DCマグネトロンスパッタにより銀をスパッタリングして、厚さ80nmの光反射層を形成した。
【0048】
以上のようにして記録層および光反射層が形成された情報基板をスピンコーターにセットし、UV硬化接着剤を前記光反射層上に塗布し60rpmでスピンコートした。そして、情報基板上に保護基板をかぶせ、さらに4400rpmで回転させてUV硬化接着剤を2枚の基板の間に充填した。
貼り合わせ後の基板を別のターンテーブルに移し、該ターンテーブルとともにUV照射部に移動させUV光を照射してUV硬化接着剤を硬化させ、2枚の基板を接着して光ディスク(光情報媒体)を作製した。
【0049】
(比較例1)
保護基板及び情報基板に、80℃まで一定の昇温速度で昇温させるアニール処理を施したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光ディスクを作製した。
【0050】
[評価]
作製した実施例1及び比較例1の光ディスクの各基板単独での機械特性(R−tilt)を測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
Figure 2005011393
【0052】
表1より、実施例1の光ディスクは、比較例1の光ディスクと比較して、機械特性(R−tilt)が良好であることが分かる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の機械特性を向上させることができる光情報媒体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アニール工程における昇温過程をグラフで示す図である。

Claims (1)

  1. 基板に対してアニール処理を施すアニール工程を有する光情報媒体の製造方法であって、
    前記アニール工程において、昇温前の初期温度からアニール温度に至るまでの温度をステップ状に上昇させることを特徴とする光情報媒体の製造方法。
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